JP3961501B2 - 動脈柔軟性算出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、局所動脈血管の柔軟性、伸展持続性を測定する動脈柔軟性算出方法に関する。
動脈の弾性(柔軟性、硬化度)を評価する従来方法として、脈波伝播速度を利用する方法や、圧脈波と容積脈波の1心拍分の増幅比から動脈コンプライアンスを求める方法などがある。
血管は硬いほど脈波伝播速度が速くなるが、測定を行った2点間の平均伝播速度しか得られないことから、脈波伝播速度では動脈硬化発生部位の正確な計測は困難である。
また、圧脈波と容積脈波の1心拍分の振幅比から求めた動脈コンプライアンスでは局所動脈の1心周期内の平均的な柔軟性を測定することができるが、1心周期内の柔軟性の変化までは測定できない。一般に動脈血管の圧容積関係は非線形で1心周期内の柔軟性は一定ではなく、左室収縮期前半の動脈が膨らみ始める時と左室収縮期後半の動脈が膨らみきった時では動脈の柔軟性(伸展性)は異なる。しかしながら、圧脈波と容積脈波の振幅比から得られる動脈コンプライアンスからは静的な(平均的な)動脈柔軟性は測定できても、こうした動的な動脈柔軟性(動脈の伸展持続性等)を測定することはできない。
本発明は、上記のような従来からの動脈柔軟性の評価方法の問題点に鑑みなされたものであり、局所の動脈柔軟性を1心周期内の様々な所で測定するとともに、動脈血管の収縮期における動脈伸展持続性を測定する動脈柔軟性算出方法を提供することを目的とする。
本発明の動脈柔軟性算出方法は、脈動によって生ずる局所動脈から測定された圧脈波データと容積脈波データをそれぞれ一次微分した圧速度脈波データと容積速度脈波データの各最大値の比を算出することにより、左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンスを算出することを特徴とする。本発明の動脈柔軟性算出方法によると、局所動脈の圧速度脈波と容積速度脈波の各最大値の比を求めるようにしたため、静脈や体動等による生体の動揺、測定部位のずれや測定系の伝播特性等による遅延の影響、動脈血管の圧容積関係におけるヒステリシス特性の影響を軽減させ、動脈が膨らみ始めで伸展性が十分にある左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスを測定することができる。
また、本発明の動脈柔軟性算出方法は、前記圧脈波データの立ち上がり点と前記容積脈波データの立ち上がり点とが一致するように時間軸をずらし、立ち上がり点の一致後における圧脈波データと容積脈波データの左室収縮期後半における振幅変化量の比から左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスを算出する工程と、前記左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスと前記左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスとの比を算出することにより動脈の伸展持続性を算出する工程とを備える
また、本発明の動脈柔軟性算出方法は、前記圧脈波データの立ち上がり点と前記容積脈波データの立ち上がり点とを一致させる過程において、前記圧速度脈波データが最大値となる時刻と前記容積速度脈波データが最大値となる時刻との時間ずれを用い、該時間ずれが零になるように時間軸をずらすことにより前記両立ち上がり点を一致させる。このため、簡便に圧脈波と容積脈波の立ち上がり点を一致させることができ、測定部位のずれや測定系の伝播特性等による遅延の影響をなくすことができる。
また、本発明の動脈柔軟性算出方法は、前記左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスを基準とし、前記立ち上がり点の一致後における圧脈波データと容積脈波データの任意の時点の微分値の比又は任意の区間の変化量の比から任意の時点又は任意の区間の局所動脈コンプライアンスを算出し、該算出した局所動脈コンプライアンスと前記基準の局所動脈コンプライアンスとの比を算出することにより、1心周期内の動脈柔軟性変化を算出する
また、本発明の動脈柔軟性算出方法は、前記圧脈波データ及び前記容積脈波データは、血行状態の変化前後においてそれぞれ測定されたデータであり、血行状態の変化前に測定された圧脈波データ及び容積脈波データに基づいて算出された左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンス、動脈の伸展持続性及び1心周期内の動脈柔軟性変化と、血行状態の変化後に測定された圧脈波データ及び容積脈波データに基づいて算出された左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンス、動脈の伸展持続性及び1心周期内の動脈柔軟性変化との比を算出する
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動脈柔軟性算出方法のフローチャート、図2は、局所動脈の脈波の例として上腕動脈での圧脈波、容積脈波とそれらの一次微分波である圧速度脈波、容積速度脈波の波形図、図3は、動脈コンプライアンス、伸展持続性及び柔軟性変化を求める方法を説明するための波形図をそれぞれ示す。
通常、動脈コンプライアンスCは、下記式(1)で示すように、圧脈波ΔP(t)の振幅と容積脈波ΔV(t)の振幅との比から算出される。
C=Amp{ΔV(t)}/Amp{ΔP(t)} (1)
(Amp{*}は*の1心周期内の振幅を示す)
しかしながら、動脈血管の圧容積関係は非線形でヒステリシス性をもつため、1回の拍動における(1心周期内の)各時点の瞬時動脈コンプライアンスは上記式(1)で算出される値とは異なる。
各時点の瞬時動脈コンプライアンスを求めるには、その時点の圧速度脈波と容積速度脈波の比、あるいは、その近傍における微小区間での圧脈波と容積脈波の変化量の比を算出しなければならない。しかし、同時に測定を行っても、実際には測定系の伝播特性の影響で遅延が発生し、図2に示すように圧脈波の立ち上がりと容積脈波の立ち上がりに時間ずれが生じることがあるため、正確な瞬時動脈コンプライアンスを算出することができない。そのため、伸展性が十分にある左室収縮期前半の動脈コンプライアンスや動脈血管が膨らみ伸展性が失われてゆく左室収縮期後半の動脈コンプライアンスを定量的に評価することができない。
そこで、同時刻の速度脈波の比からではなく、1心周期内の速度脈波の最大値の比を求めることにより、左室収縮期前半の動脈コンプライアンスCseを下記式(2)から算出する(図3参照)。
se=Max{dV(t)/dt}/Max{dP(t)/dt}
={dV(tvmax)/dt}/{dP(tpmax)/dt}
=(dV/dt)max/(dP/dt)max (2)
(dP/dt)max:1心周期内における圧速度脈波の最大値
(dV/dt)max:1心周期内における容積速度脈波の最大値
pmax:1心周期内において圧速度脈波が最大となる時刻
vmax:1心周期内において容積速度脈波が最大となる時刻
(Max{*}は*の1心周期内の最大値を示す)
これにより、伸展性が十分にある左室収縮期前半の動脈コンプライアンスを脈波の立ち上がりの時間ずれに影響されることなく定量的に評価できる。
次に、上記式(2)における圧速度脈波の最大となる時刻tpmaxと容積速度脈波の最大となる時刻tvmaxとの時間差
Δtpvmax=tpmax−tvmax (3)
を用い、脈波の時間ずれ補正を行って、ΔP´(t)、ΔV´(t)、dP´(t)/dt、dV´(t)/dtを求める。
容積脈波を基準として補正を行う場合、各補正波形は下記式(4)、(5)、(6)、(7)から求める。
ΔP´(t)=ΔP(t+Δtpvmax) (4)
ΔV´(t)=ΔV(t) (5)
dP´(t)/dt=dP(t+Δtpvmax)/dt (6)
dV´(t)/dt=dV(t)/dt (7)
また、圧脈波を基準として補正を行う場合、各補正波形は下記式(8)、(9)、(10)、(11)から求める。
ΔP´(t)=ΔP(t) (8)
ΔV´(t)=ΔV(t−Δtpvmax) (9)
dP´(t)/dt=dP(t)/dt (10)
dV´(t)/dt=dV(t−Δtpvmax)/dt (11)
図2に示した補正は、容積脈波を基準とした上記式(4)〜(7)に基づく補正例である。
そして、上記式(4)〜(7)又は上記式(8)〜(11)から得られるΔP´(t)とΔV´(t)の左室収縮期後半における変化量ΔP´sl、ΔV´slの比を求めることにより、左室収縮期後半の動脈コンプライアンスCslを下記式(12)から算出する(図3参照)。
sl=ΔV´sl/ΔP´sl (12)
ここで、左室収縮期後半におけるΔP´(t)の変化量ΔP´sl、ΔV´(t)の変化量ΔV´slは、例えばΔP´(t)の1心周期内の振幅変化量を100%としてΔP´(t)が80%〜90%に至るまでの振幅変化量をΔP´slとし、それに対応する時間(ΔP´(t)が80%となる時間から90%になる時間まで)のΔV´(t)の振幅変化量をΔV´slとする。以下にその一例を示す。
ΔP´sl=ΔP´(tp90%)−ΔP´(tp80%) (13)
ΔV´sl=ΔV´(tp90%)−ΔV´(tp80%) (14)
p80%:ΔP´(t)の振幅が(1心拍分振幅に対して)80%となる時刻
p90%:ΔP´(t)の振幅が(1心拍分振幅に対して)90%となる時刻
以上により、動脈血管が膨らみ伸展性が失われてゆく左室収縮期後半の動脈コンプライアンスを定量的に評価できる。
さらに、上記式(2)から算出した左室収縮期前半の動脈コンプライアンスCseと上記式(12)から算出した左室収縮期後半の動脈コンプライアンスCslとの比を求めることにより、動脈の伸展持続性を下記式(15)から算出する(図3参照)。
c=Csl/Cse (15)
これにより、動脈の柔らかさ(コンプライアンス)と同時に動脈の柔らかさ(伸展性)がどれだけ維持されているかが分かり、動脈血管の圧容積関係における非線形性を定量的に評価できる(図3参照)。
また、上記式(4)〜(7)又は上記式(8)〜(11)から得られるΔP´(t)、ΔV´(t)、dP´(t)/dt、dV´(t)/dtを用いて、1心周期内の任意の時点、あるいは、任意の区間の動脈コンプライアンスを以下のように算出する。
任意の時点、時刻tにおける動脈コンプライアンスC(t)は、時刻tにおける圧速度脈波dP´(t)/dtと容積速度脈波dV´(t)/dtとの比を求めることにより、下記式(16)から算出する(図3参照)。
C(t)={dV´(t)/dt}/{dP´(t)/dt} (16)
任意の区間、時刻tから時刻t+Δtの区間における動脈コンプライアンスC(t)は、時刻tから時刻tから時刻t+Δtにおける圧脈波ΔP´(t)と容積脈波ΔV´(t)の変化量の比を求めることにより下記式(17)から算出する(図3参照)。
C(t)={ΔV´(t+Δt)−ΔV´(t)}/{ΔP´(t+Δt)−
ΔP´(t)} (17)
これにより、左室収縮期だけでなく、拡張期も含め1心周期内全てにわたる動脈コンプライアンスを定量的に評価できる。
また、上記式(2)から算出した左室収縮期前半の動脈コンプライアンスCseと上記式(16)又は式(17)から算出した1心周期内の動脈コンプライアンスC(t)との比を求めることにより、柔軟性変化を下記式(18)から算出する(図3参照)。
c=C(t)/Cse (18)
このように、左室収縮期前半の動脈コンプライアンスを基準としてC(t)を規格化することにより、柔らかさ自体(絶対値)に依存せず、柔軟性の変化(相対的変化)を定量的に評価できる。
そして、以上の手順で算出される動脈柔軟性、伸展持続性を運動や薬等によって血行状態を変化させながら測定し、元の血行状態に対する比を求めることにより動脈柔軟性に対する運動効果や薬効を次のように定量化する。
左室収縮期前半の柔軟性に対する効果:Ecse={Csenow/{Csepre
左室収縮期後半の柔軟性に対する効果:Ecsl={Cslnow/{Cslpre
動脈の伸展持続性に対する効果:Eec={Ecnow/{Ecpre
({*}nowはパラメータ*の現在値、{*}preは元の血行状態の
パラメータ*の値)
これにより、元の血行状態(動脈柔軟性)に依存せず、運動効果や薬効を定量化できる。
図1は、上述したような本実施形態に係る動脈柔軟性算出方法の手順を分かり易く説明するためのフローチャートである。
図1において、本実施形態に係る動脈柔軟性算出方法は、まず、局所動脈の脈波測定を行ない(ステップ1)、この脈波測定で得られた圧脈波ΔP(t)及び容積脈波ΔV(t)に対して時間微分処理を行ない(ステップ2)、圧速度脈波dP(t)/dt及び容積速度脈波dV(t)/dtを得る(ステップ3)。次に、圧速度脈波dP(t)/dtの最大値(dP/dt)max及び容積速度脈波dV(t)/dtの最大値(dV/dt)maxを探索し(ステップ4)、最大値の時間ずれΔtpvmaxを求める(ステップ5)。そして、最大値の時間ずれΔtpvmaxを基に、圧脈波ΔP(t)、容積脈波ΔV(t)、圧速度脈波dP(t)/dt及び容積速度脈波dV(t)/dtに対して時間ずれ補正を行ない(ステップ6)、左室収縮期前半の動脈コンプライアンスCse、左室収縮期後半の動脈コンプライアンスCsl、動脈の伸展持続性Ec、任意時点の動脈コンプライアンスC(t)、任意区間の動脈コンプライアンスC(t)及び動脈柔軟性の変化Vcを求める(ステップ7)。
以上説明したように、本実施形態の動脈柔軟性算出方法は、脈動によって生ずる局所動脈の圧脈波ΔP(t)と容積脈波ΔV(t)をそれぞれ一次微分した圧速度脈波dP(t)/dtと容積速度脈波dV(t)/dtの各最大値(dP/dt)max、(dV/dt)maxの比(dV/dt)max/(dP/dt)maxを求めることにより、左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンスCseを測定する。本実施形態の動脈柔軟性算出方法によると、局所動脈の圧速度脈波と容積速度脈波の各最大値の比(dV/dt)max/(dP/dt)maxを求めるようにしたため、静脈や体動等による生体の動揺、測定部位のずれや測定系の伝播特性等による遅延の影響、動脈血管の圧容積関係におけるヒステリシス特性の影響を軽減させ、動脈が膨らみ始めで伸展性が十分にある左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスCseを測定することができる。
図4及び図5は、ハンドグリップを用いて前腕の筋収縮運動を行ない、本実施形態の動脈柔軟性算出方法により左室収縮期前半における上腕の動脈コンプライアンスCseを測定し、筋収縮運動の前、中、後における動脈柔軟性の相対的変化を求めた結果を表している。なお、図4は、0分〜3分の間は安静状態とし、3分〜6分の間は筋収縮状態を維持し、6分〜9分の間は安静状態として測定した結果であり、図5は、0分〜3分の間は安静状態とし、3分〜6分の間は収縮と弛緩を1秒毎に繰り返し、6分〜9分の間は安静状態として測定した結果である。
また、本実施形態の動脈柔軟性算出方法は、圧脈波ΔP(t)の立ち上がり点と容積脈波ΔV(t)の立ち上がり点とが一致するように時間軸をずらし、立ち上がり点の一致後における圧脈波ΔP´(t)と容積脈波ΔV´(t)の左室収縮期後半における振幅変化量の比ΔV´sl/ΔP´slから左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスCslを得、左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスCseと左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスCslとの比Csl/Cseを求めることにより動脈の伸展持続性Ecを測定することができる。
図6及び図7は、20歳代男性と50歳代男性とで、左室収縮期前半と後半の動脈コンプライアンスCse、Cslを測定し、動脈の伸展持続性Ecを算出し、年齢と動脈伸展持続性との関係を求めた結果を表している。なお、図6は、20歳代男性の測定結果、図7は、50歳代男性の測定結果であり、測定は、安静仰臥位にて実施し、上腕動脈にて動脈コンプライアンス(圧脈波、容積脈波)を測定した。
また、本実施形態の動脈柔軟性算出方法は、圧脈波ΔP(t)の立ち上がり点と容積脈波ΔV(t)の立ち上がり点とを一致させる過程において、圧速度脈波dP(t)/dtが最大値となる時刻tpmaxと容積速度脈波dV(t)/dtが最大値となる時刻tvmaxとの時間ずれΔtpvmaxを用い、該時間ずれΔtpvmaxが零になるように時間軸をずらすことにより両立ち上がり点を一致させる。このため、簡便に圧脈波と容積脈波の立ち上がり点を一致させることができ、測定部位のずれや測定系の伝播特性等による遅延の影響をなくすことができる。
また、本実施形態の動脈柔軟性算出方法は、左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスCseを基準とし、立ち上がり点の一致後における圧脈波ΔP´(t)と容積脈波ΔV´(t)の任意の時点の微分値の比{dV´(t)/dt}/{dP´(t)/dt}又は任意の区間の変化量の比{ΔV´(t+Δt)−ΔV´(t)}/{ΔP´(t+Δt)−ΔP´(t)}から任意の時点又は任意の区間の局所動脈コンプライアンスC(t)を求め、該求めた局所動脈コンプライアンスC(t)と基準の局所動脈コンプライアンスCseとの比C(t)/Cseを求めることにより、1心周期内の動脈柔軟性変化Vc(t)を測定することができる。
また、本実施形態の動脈柔軟性算出方法は、動脈柔軟性Cse、Csl、伸展持続性Ec等を運動や薬等によって血行状態を変化させながら測定し、元の血行状態に対する比を求めることにより、動脈柔軟性に対する運動効果や薬効を測定することができる。
本発明の一実施形態に係る動脈柔軟性算出方法のフローチャートである。 局所動脈の脈波の例として上腕動脈での圧脈波、容積脈波とそれらの一次微分波である圧速度脈波、容積速度脈波の波形図である。 動脈コンプライアンス、伸展持続性及び柔軟性変化を求める方法を説明するための波形図である。 本発明の動脈柔軟性算出方法により左室収縮期前半における上腕の動脈コンプライアンスを測定し、筋収縮運動の前、中、後における動脈柔軟性の相対的変化を求めた結果を示す図である。 同じく本発明の動脈柔軟性算出方法により左室収縮期前半における上腕の動脈コンプライアンスを測定し、筋収縮運動の前、中、後における動脈柔軟性の相対的変化を求めた結果を示す図である。 本発明の動脈柔軟性算出方法により動脈の伸展持続性を算出し、年齢と動脈伸展持続性との関係を求めた結果を示す波形図である。 同じく本発明の動脈柔軟性算出方法により動脈の伸展持続性を算出し、年齢と動脈伸展持続性との関係を求めた結果を示す波形図である。
符号の説明
ΔP(t) 圧脈波
ΔP´(t) 立ち上がり点一致後の圧脈波
ΔV(t) 容積脈波
ΔV´(t) 立ち上がり点一致後の容積脈波
dP(t)/dt 圧速度脈波
dP´(t)/dt 立ち上がり点一致後の圧速度脈波
(dP/dt)max 圧速度脈波の最大値
dV(t)/dt 容積速度脈波
dV´(t)/dt 立ち上がり点一致後の容積速度脈波
(dV/dt)max 容積速度脈波の最大値
se 左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンス
sl 左室収縮期後半における局所動脈コンプライアンス
cse 左室収縮期前半の柔軟性に対する効果
csl 左室収縮期後半の柔軟性に対する効果
ec 動脈の伸展持続性に対する効果
c 伸展持続性
Δtpvmax 時間ずれ
c(t) 1心周期内の動脈柔軟性変化

Claims (5)

  1. 脈動によって生ずる局所動脈から測定された圧脈波データと容積脈波データをそれぞれ一次微分した圧速度脈波データと容積速度脈波データの各最大値の比を算出することにより、左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンスを算出することを特徴とする動脈柔軟性算出方法。
  2. 前記圧脈波データの立ち上がり点と前記容積脈波データの立ち上がり点とが一致するように時間軸をずらし、立ち上がり点の一致後における圧脈波データと容積脈波データの左室収縮期後半における振幅変化量の比から左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスを算出する工程と、前記左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスと前記左室収縮期後半の局所動脈コンプライアンスとの比を算出することにより動脈の伸展持続性を算出する工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載の動脈柔軟性算出方法。
  3. 前記圧脈波データの立ち上がり点と前記容積脈波データの立ち上がり点とを一致させる過程において、前記圧速度脈波データが最大値となる時刻と前記容積速度脈波データが最大値となる時刻との時間ずれを用い、該時間ずれが零になるように時間軸をずらすことにより前記両立ち上がり点を一致させることを特徴とする請求項2に記載の動脈柔軟性算出方法。
  4. 前記左室収縮期前半の局所動脈コンプライアンスを基準とし、前記立ち上がり点の一致後における圧脈波データと容積脈波データの任意の時点の微分値の比又は任意の区間の変化量の比から任意の時点又は任意の区間の局所動脈コンプライアンスを算出し、該算出した局所動脈コンプライアンスと前記基準の局所動脈コンプライアンスとの比を算出することにより、1心周期内の動脈柔軟性変化を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の動脈柔軟性算出方法。
  5. 前記圧脈波データ及び前記容積脈波データは、血行状態の変化前後においてそれぞれ測定されたデータであり、血行状態の変化前に測定された圧脈波データ及び容積脈波データに基づいて算出された左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンス、動脈の伸展持続性及び1心周期内の動脈柔軟性変化と、血行状態の変化後に測定された圧脈波データ及び容積脈波データに基づいて算出された左室収縮期前半における局所動脈コンプライアンス、動脈の伸展持続性及び1心周期内の動脈柔軟性変化との比を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの請求項に記載の動脈柔軟性算出方法。
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