JP3960155B2 - 移動通信装置およびその通信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定基地局を持たず無線通信装置間の中継によりネットワークを構築するアドホックネットワークにおいて、位置情報を利用して経路設計を行なう移動通信装置およびその通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動無線装置から固定基地局を介して通信を行なう場合の最適経路を選択する際に、位置情報を利用する装置として、特開2000-224640「移動無線装置」があった。
また、複数の移動体の位置情報を用いて移動体間の距離を算出する方式として特開平05-100008「移動体間の相互位置確認装置」があった。
さらに、一般的な無線LAN通信方式として、IEEE802.11無線LANプロトコルが標準化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000-224640「移動無線装置」における経路選択は、移動無線装置と通信を行なう基地局が固定であるため、あらかじめデータベースに蓄積された基地局の情報を使用して、あらかじめ設計しておいた経路を選択する方式であり、固定基地局を持たないアドホックネットワークの経路設計には適さない。
また、特開平05-100008「移動体間の相互位置確認装置」における移動体間の距離算出方式は、2地点の経度の差と緯度の差からピタゴラスの定理を用いて距離を求め、移動体の相互位置と相互間の距離を表示するものであり、移動体通信装置間の中継によりネットワークを構築する概念は示されていない。
この他、IEEE802.11無線LANプロトコルにおいては、通信可能範囲と検知範囲の差異によって通信が不能となる露出ノード問題が報告されている(s. Xu, and t. Saadawi, “Does the IEEE 802.11 MAC protocol work well in multihop wireless ad hoc networks?,” IEEE Comm. Magazine, June 2001, pp.130-137)。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、無線通信装置の位置情報を利用して、固定基地局を持たない無線通信装置の経路設計を行なうものである。また、複数地点の経度と緯度を用いて、通信可能範囲を少ない誤差で効率的に求めるものである。また、位置情報を利用することにより、位置情報を用いない無線通信方式における装置間の接続状況の誤認を防止するものである。
【0005】
【課題を解決する手段】
【0006】
この発明における移動通信装置は、固定基地局を経由せず無線通信装置間の中継によりネットワークを構築するアドホックネットワークにおいて、
自装置の位置を検出する位置情報検出部、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信部、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信部、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定部、通信可能範囲判定部の結果により通信相手無線通信装置との通信経路設計を行なう経路設計部を備えたものである。
【0007】
また、この発明における移動通信装置は、通信可能範囲判定部が、矩形範囲を算出するに緯度は、自装置の緯度から上記所定角度を減算した値と加算した値の範囲とし、経度は自装置が赤道上にある場合と、赤道上ではないが同一子午線上にある場合とで求める範囲の赤道平面への写像が等しくなることを利用し、上記所定角度を変換して範囲を算出する構成にされたものである。
【0008】
また、この発明における移動通信装置は、自装置の位置を検出する位置情報検出部、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信部、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信部、送信要求を送信する送信要求送信部、送信許可を受信する送信許可受信部、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定部、通信相手先以外の装置からの送信許可を検知した場合、その装置が、通信可能範囲判定部の結果から判断して通信可能半径内になければ通信相手先装置と通信を行ない、通信可能半径内にあれば自己の通信を行なわず終了する経路設計部を備えたものである。
【0009】
また、この発明における移動通信装置の通信方法は、固定基地局を経由せず無線通信装置間の中継によりネットワークを構築するアドホックネットワークの通信方法において、
自装置の位置を検出する位置情報検出ステップと、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信ステップと、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定ステップと、通信可能範囲判定部の結果により通信相手無線通信装置との通信経路設計を行なう経路設計ステップと、を備えたものである。
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの実施の形態1におけるアドホックネットワークの無線通信装置の構成を示す図である。図において、1は無線通信装置、11はGPS衛星からの受信電波等を利用して自己装置の位置を検出する位置情報検出部、12は自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信部、13は他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信部、14は自己および他の無線通信装置の位置情報を記憶しておく位置情報記憶部、15は位置情報に基づき経路設計を行なう経路設計部、16は位置情報に基き通信可能範囲を判定する通信可能範囲判定部、17は設計された経路情報に基づいてデータの送受信を行なうデータ送受信部である。
なお、図1では自己の位置情報検出部11、位置情報送信部12、他装置の位置情報受信部13を個別に図示したが、位置情報の送受信を主データの送受信とともにデータ送受信部17で行なってもよい。
【0010】
図2はこの実施の形態1における無線通信装置1が、アドホックネットワーク2を構成している様子を示すものである。図において、無線通信装置1は移動可能なものであり、この移動にともなって、アドホックネットワーク2における無線通信装置1の接続状況は変化する。
【0011】
図3はこの実施の形態1におけるネットワーク構築の手順を示す図である。まずST1で位置情報を認識し、次にST2で最適経路を設計する。ST1の位置情報の認識は、図1の位置情報記憶部14から位置情報を読み出すことによって行なう。読み出した位置情報に基づき、ST2で最適経路を設計する。
【0012】
最適経路設計について、以下で説明する。
この発明では、ある無線通信装置1から電波が届く範囲を円と仮定し、この円内にある無線通信装置1には直接電波が到達するとする。ここで、送信回数、あるいは中継を最小とする経路を求める。
経路設計のタイミングは、通信を欲する度毎に経路設計を行なうオンデマンド方式と、あらかじめ経路設計を行なって結果をテーブルに保持しておく方式が代表的である。後者の場合は、位置情報が変化した場合等に経路設計を行なう。この実施の形態1に示す経路設計方式は、どちらの場合にも適用可能である。
【0013】
経路設計の場所と経路指定法は、発信装置で経路設計を行い、パケット送信の際に、パケット上に経路(中継装置)を記載して指定するパスルーチング方式と、各装置で経路設計を行い、各装置では宛先毎の次装置のみ保持しておくホップバイホップ方式が代表的である。大規模なネットワークでは前者、小規模なネットワークでは後者が適している。本実施の形態では無線で中継ホップ数の少ないシステムを仮定して後者の方式をとるものとして説明するが、本実施の形態で示す経路設計方式は、前者の方式にも適用可能である。
【0014】
図4はこの実施の形態における経路設計の手順を示す図である。ここでは、発信元装置Sから宛先装置Dまでの経路を求める場合について考える。まずST21で発信元装置Sと宛先装置Dが直接通信可能であるかを判定し、可能であればST29でパケットに中継装置情報を搭載して情報伝送を行なう。無線通信装置間の通信可能性の判定方法は後述する。ST21で直接通信が不可の場合は、ST22で1個の装置が中継して通信可能であるかを判定する。可能であればST23で中継装置を指定し、ST29でパケットに中継装置情報を搭載して情報伝送を行なう。
ST22で通信が不可の場合は、同様にして、ST24で2ホップ中継の可否を判定し、不可の場合は順に中継ホップ数を増加して判定していく。中継ホップ数があらかじめ設定した限界値Ltでも通信不可ならば(ST26)、ST28で経路設定不可とする。
【0015】
次に、通信可能範囲の判定について説明する。図5はこの実施の形態1における通信可能範囲判定の手順を示す図である。まずST31で通信可能矩形範囲(後述)内であるかを判定し、範囲内の場合はST32で対象とする無線通信装置1の配置されている2地点間の距離が、無線通信装置1の通信可能距離以下であるかを判定する。通信可能距離以下のばあいはST33で通信可能と判定する。通信可能距離を超える場合はST34で通信不可能と判定する。
【0016】
次に、2地点間の距離の求め方について説明する。これは例えば
The Math Forum at Drexel University,“Using Longitude and Latitude to Determine Distance,” http:・・www.mathforum.com・dr.math・problems・longandlat.htmlに記されている一般的な方式である。
地点Aの経度(longitude)をlgA、緯度(latitude)をlaAとする。同様に地点Bの経緯度をlgB、laBとする。このとき、地点Aと地点Bの距離dABは下式で求められる。ここでA0Bは地心0からAとBを臨む角度(ラジアン)、Rは地球の半径である。
dAB = R×A0B
Cos(A0B)=cos(laA)×cos(laB)×cos(lgB-lgA)+sin(laA)×sin(laB)(式1)
但し、地球は赤道半径約6377km、極半径約6356kmで1/300の扁平率を有するが、ここでは地球を球とみなし、扁平性を考慮に入れていない。地球半径Rは、6370km(3440NM)程度が一般的に使用されている。
ここで、1海里(NM)=1分=1/60度として、距離dABを海里(NM)で表すと、以下のようになる。
Figure 0003960155
【0017】
次に、通信可能矩形範囲について説明する。これは、この発明の特徴的な方式である。図6は地点Aを中心とする半径rzの円、およびこの円に外接する正方形を示す。図において、21は地球上の地点で識別子Aが付されている。22は半径で図6の場合はrzの値をとる。23は地点Aを中心とする半径rzの円、24はこの円に外接する一辺2rzの正方形である。
【0018】
経緯度(lgA,laA)の地点Aから半径rz以内にある地点Bの経緯度(lgB,laB)の範囲を求めたい、あるいは、地点Bが地点Aから半径rz以内にあるか否かを判別したいとき、前述の(式1)を用いて地点毎に相互距離を計算すれば、地点Aから半径rz内にある地点を求めることができる。しかし検討を要する地点が多数ある場合は、判別を効率化を行ないたい。
ここで、地点Aを中心とする半径rzの円23の範囲ではなく、図6に示すように一辺2rzの正方形24(実際には地球表面の一部)の範囲ならば、あらかじめ計算しておいた経緯度の境界線との比較のみで、簡単に求めることができる。そこで、多数の候補地点がある場合には、まず図6の正方形24の範囲内の地点に候補をしぼり、必要ならば、さらに地点Aから候補地点までの距離を求めて詳細検証すればよい。
【0019】
ここで、図6の正方形24の範囲を求める際に、図6に示すように2次元平面上で、円形範囲23に接する正方形24を求めるのではなく、図7に示すように3次元的に緯度と経度の範囲を算出するのが、この発明の特徴である。
【0020】
図7は地点Aから距離rz内の範囲を3次元的に示したものである。図において、25は地球、26は地球の中心(地心)、27は地心を通るx,y,zの座標軸である。図7に示すように、地点Aから距離rz内の範囲23は地心26と地点Aを結ぶ直線との角度がθz以内となる範囲である。角度θzは、以下の計算で経緯度と加減算するので、単位は度で表す。
θz[度]=rz[km]/R[km]×(180/π) (式3)
ここで、1海里(NM)=1分=1/60度として、rzを海里(NM)で表すと、下記のようになる。
θz[度]=rz[NM]/60 (式4)
【0021】
図8は地点Aと地心26を含む地球の断面を示したものである。図8は、地点Aがxz平面上になるように座標軸27を設定した場合の、xz平面の断面図である。図8から、ある地点Bが地点Aから角度θz以内となるのは、緯度laBが
laA-θz ≦ laB ≦ laA+θz (式4)
の範囲にある場合である。
【0022】
次に、地点Bが地点Aと同一緯度で距離rzの位置にある場合の地点Bの経度を求める。
図9は地点Aが赤道上にある場合の北極から見た図、図10は地点Aが北半球にある場合の北極から見た図である。両図において、28は北極、29は赤道であるが、両図は地球を北極側の真上から見た図であるので、北極28は地心26と重なっており、赤道29は地球の表面25と重なっている。
【0023】
地点Aが赤道25上にある場合は、図9に示すようになり、地点Aが北半球にある場合は図10に示すようになる。地点Bが地点Aと同一緯度で距離rzの位置にあるとして、地点Aが子午線上を回転すると、地点Aの赤道断面上での軌跡は図9および図10のx軸と重なる。地点Bの赤道断面上での軌跡は両図の点線で示すものとなり、地心26からの距離は図9の場合と図10の場合とで等しくなる。
【0024】
Sin(θz)=cos(laB)×sin(lgB−lgA) (式5)
故に、地点Bの経度lgBが
lgA−θz´ ≦ lgB ≦ laA+θz´
θz´= arcsin{sin(θz)/cos(laB)}= arcsin{sin(θz)/cos(laA)}(式6)
の場合に、地点Bが地点Aから角度θz以内となる。
【0025】
次に、図11に基づき2地点からの通信可能範囲について述べる。図において、地点A1から半径rz1、地点A2から半径rz2以内にある地点Bの経緯度(lgB, laB)を求める。図には表されていない地点Bが与えらたとき、(式1)を用いて地点A1とA2の双方について距離dA1BおよびdA2Bを計算すれば、Bが所望の範囲内にあるか否かの判定は可能である。しかし図の二つの円の交わりの木の葉型の範囲は、簡単には求められない。木の葉型に接する矩形30ならば、あらかじめ計算しておいた経緯度の境界線との比較のみで、簡単に求めることができる。そこで、多数の候補地点がある場合には、まず図11の矩形30の範囲内に候補をしぼり、必要ならば、さらに候補地点について地点A1および地点A2からの距離を求めて詳細検証すればよい。
【0026】
図11の矩形の範囲の経緯度は図12の手順で求められる。まず、ST41で2地点の緯度あるいは経度の大小を比較し、ST42で大きい方の下限値および小さい方の上限値を計算する。ST43でこれらを比較し、重なりの有無を判断する。重なりがない場合はST44、重なりがある場合は、求める緯度あるいは経度は大きいほうの下限と小さい方の上限の間となる(ST45)。緯度laBの求め方の手順を図13に、経度lgBの求め方の手順を図14に詳述する。
【0027】
なお、上記実施の形態では、無線通信装置1の位置情報のみを用いて経路設計を行なったが、無線通信装置1間の通信可能性を確認するために、状態確認パケット(ハローパケット)を送受する方式と、上記方式を併用してもよい。この場合、状態確認パケットの数を削減することが可能となる。
【0028】
また、上記実施の形態では、無線通信装置1において、経路設計で使用することを目的として位置情報の送受を行なう場合について述べたが、レーダーへの無線通信装置1の位置表示等、経路設計以外の目的のために送受されて位置情報記憶部14に記憶されている位置情報を使用してもよい。
【0029】
また、上記実施の形態では、発信元無線通信装置Sから宛先無線通信装置Dまでのポイント・ツー・ポイントの経路を設計する場合を示したが、発信元装置Sから複数の装置Dまでの経路も、同様にして求めることが可能である。
【0030】
また、上記実施の形態では、1地点および2地点からの通信可能範囲の判定について示したが、3地点以上の複数地点からの通信可能範囲についても、上記実施の形態と同様の通信可能矩形範囲による判定を行なうことが可能である。
【0031】
実施の形態2.
この実施の形態では、実施の形態1で述べた方式を適用して、IEEE802.11無線LANプロトコルの露出ノード問題を解決する方法を示す。
まず、露出ノード問題について説明する。露出ノード問題(Exposed node problem)とは、通信範囲と検知範囲の差異により発生する問題である(S. Xu, and T. Saadawi, “Does the IEEE 802.11 MAC protocol work well in multihop wireless ad hoc networks?,” IEEE Comm. Magazine,
June 2001, pp. 130-137)。
【0032】
図15は通信範囲と検知範囲の差異を示す図である。図において、1は無線通信装置、31は検知範囲、32は通信範囲である。図15に示すように、検知範囲31が通信範囲32より広い場合、検知範囲31と通信範囲32の間のドーナツ型の範囲にある無線通信装置1は、中心の無線通信装置1cと通信を行なうことは出来ないが、中心の無線通信装置1cから検知はされる。ゆえに、ドーナツ型範囲の無線通信装置1が通信中は、中心の無線通信装置1cが通信を欲しても、当該チャネル使用中と判断して、希望した通信が失敗してしまう現象が発生する。これが露出ノード問題である。
【0033】
図16は無線通信装置1間で通信を行なう場合のモデル図である。図において、1は無線通信装置であり、AからFの識別子が付されている。図16のモデルにおいて、装置B−C間、装置E−F間でそれぞれ通信を行なう場合、装置Cでは、装置Eと通信が不可能であるにもかかわらず、装置Eを検出してしまう。このため、装置Eの送信中は装置BからのRTS(Request To Send;送信要求)を受信してもCTS(Clear To Send;送信許可)を返信しない。装置Bでは7回試行して失敗すると、あきらめてしまう。装置B−C間が切断すると、装置B−Cを含む全ての通信が切断される。露出ノード問題の解決法は確立されていない。
【0034】
露出ノード問題の解決法の一つとして、実施の形態1で述べた経緯度の位置情報を併用する方法が有効であることに思い至った。
図17は、この実施の形態における無線通信装置1の構成例を示す図である。図17に示す無線通信装置1は図1に示す実施の形態1の各ブロックに加えて、送信要求を送信する送信要求送信部18、および送信許可を受信する送信許可受信部19が追加されたものである。
【0035】
図18に発信元周辺通信装置の通信開始可否判断の手順、図19に宛先周辺通信装置の通信開始可否判断の手順を示す。図において、ST1a、ST2a、ST1b、ST2b、STL3は通常のRTS、CTSの手順である。これに加えて、他装置の通信を検知した場合でも、その装置が、位置情報から判断して通信可能半径内にあるのでなければ、それを無視して、自己の通信を行ない、通信可能半径内にあれば自己の通信を行なわず、終了する手順STL4を追加したのが、この実施の形態の方式の特徴である。通信可能半径内にあるか否かの判断STL4は、実施の形態1で述べた方法を使用する。
【0036】
なお、上記実施の形態では、IEEE802.11無線LANプロトコルの露出ノード問題を解決するために、実施の形態1で述べた方式を適用する方法を示した。しかし実施の形態1で述べた方式の適用はこの限りではなく、一般に、位置情報を用いない無線通信方式における接続状況誤認の防止のために位置情報を併用する目的で使用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、位置情報検出部の自装置の位置情報と位置情報受信部の他無線通信装置の位置情報から、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から相手先無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定部で通信可能範囲を判定し、この判定結果により経路設計部で通信相手無線通信装置との通信経路設計を行なう構成により最適通信経路の設計ができる。
【0038】
また、通信可能範囲判定部は、自装置の電波到達範囲を円とし、相手先無線通信装置がこの円に外接する矩形の範囲内であるかの判定で候補点を絞ることにより、検討を要する地点が多数ある場合に判別を効率良く行うことができる。
【0039】
また、経路設計部は通信可能範囲判定部からの判定結果により通信相手先以外の装置の送信許可を通信を検知した場合でも、その装置が、自装置の位置情報から判断して通信可能半径内になければ通信を行ない、通信可能半径内にあれば自己の通信を行なわず終了することにより、露出ノード問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における無線通信装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における無線通信装置が、アドホックネットワーク2を構成する図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるネットワーク構築の手順を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における経路設計の手順を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における通信可能範囲判定の手順を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1における地点Aを中心とする半径rzの円と一辺2rzの正方形を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1における地点Aから距離rz内の範囲を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1における地点Aと地心を含む断面を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1における地点Aが赤道上にある場合の北極から見た図である。
【図10】この発明の実施の形態1における地点Aが北半球にある場合の北極から見た図である。
【図11】この発明の実施の形態1における2地点からの通信可能範囲を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1における経緯度の大小関係の判定手順を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1における緯度範囲の計算手順を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1における経度範囲の計算手順を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2における通信範囲と検知範囲の差異を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態2における無線通信装置間で通信を行なう場合のモデル図図である。
【図17】この発明の実施の形態2における無線通信装置構成を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態2における発信元周辺通信装置の通信開始可否判断の手順を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態2における宛先周辺通信装置の通信開始可否判断の手順を示す図である。
【符号の説明】
1:無線通信装置、2:アドホックネットワーク、11:位置情報検出部、12:位置情報送信部、13:位置情報受信部、14:位置情報記憶部、15:経路設計部、16:通信可能範囲判定部、17:データ送受信部。

Claims (4)

  1. 固定基地局を経由せず無線通信装置間の中継によりネットワークを構築するアドホックネットワークにおいて、
    自装置の位置を検出する位置情報検出部、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信部、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信部、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定部、通信可能範囲判定部の結果により通信相手無線通信装置との通信経路設計を行なう経路設計部を備えた移動通信装置。
  2. 通信可能範囲判定部は、矩形範囲を算出するに緯度は、自装置の緯度から上記所定角度を減算した値と加算した値の範囲とし、経度は自装置が赤道上にある場合と、赤道上ではないが同一子午線上にある場合とで求める範囲の赤道平面への写像が等しくなることを利用し、上記所定角度を変換して範囲を算出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載の移動通信装置。
  3. 自装置の位置を検出する位置情報検出部、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信部、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信部、送信要求を送信する送信要求送信部、送信許可を受信する送信許可受信部、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定部、通信相手先以外の装置からの送信許可を検知した場合、その装置が、通信可能範囲判定部の結果から判断して通信可能半径内になければ通信相手先装置と通信を行ない、通信可能半径内にあれば自己の通信を行なわず終了する経路設計部を備えた移動通信装置。
  4. 固定基地局を経由せず無線通信装置間の中継によりネットワークを構築するアドホックネットワークの通信方法において、
    自装置の位置を検出する位置情報検出ステップと、自装置の位置情報を他の無線通信装置に送信する位置情報送信ステップと、他の無線通信装置の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、自装置の位置情報に基いて、地球の地心と自装置の位置とを結ぶ直線から所定の角度となる円に外接する矩形範囲を算出し、この矩形範囲を基に通信相手無線通信装置の位置情報から通信相手無線通信装置が通信可能範囲内か否かを判定する通信可能範囲判定ステップと、通信可能範囲判定部の結果により通信相手無線通信装置との通信経路設計を行なう経路設計ステップと、を備えた移動通信装置の通信方法。
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