JP3960046B2 - 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機や携帯情報端末機並びにパーソナルコンピュータなどの電子機器に搭載されている液晶表示装置、EL表示装置やPDPなど様々な表示装置の中で、複数色のサブピクセルが長方形状にて構成される表示装置に画像を表示する際に適用される画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機などの画像表示部には、モノクロまたはカラーの液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネルが用いられている。このLCDパネルでは、マトリクス状に配置された液晶セルへの駆動電圧をON/OFFすることにより液晶の透過率を変化させ、2階調の文字や画像を表示するようになっている。最近では、携帯電話機におけるインターネット機能などの多機能化に伴い、LCDパネルに対して、画像を含むより多くの情報を多階調かつ高画質で表示することが要求されている。
【0003】
LCDパネルに画像をカラー表示する場合、LCDパネルが表示可能な階調数が少ないとグラデーション部分に擬似輪郭と呼ばれる等高線状の輪郭が生じて画質が低下する。分散型のマトリクスを用いた組織的ディザ法などによる擬似中間調表示を行うとこの問題が解消されて画質が向上することが知られており、ディザマトリクスずらし(単に、マトリクスずらしと呼ぶ)によってさらに画質が向上することが知られている。ここで、マトリクスとは、閾値が行/列方向に所定数配置されたもので、1画素を構成する複数色のいずれか1色に対応付けられるものをいう。また、マトリクスずらしとは、色毎にマトリクスを適用する際に、一種類のマトリクスを平行移動した状態で適用する技術のことをいう。
【0004】
このマトリクスずらしを適用した公知例として、特許第2622429号公報の記載内容がある。この内容は、300dpiの低解像度において、R、G、Bの少なくとも1色のマトリクスを1画素分ずらす処理を行うことによって、視覚的に好ましい結果を得るといったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のマトリクスずらしを行う画像表示方法においては、単に低解像度でR、G、Bの少なくとも1色のマトリクスを1画素分ずらす処理を行うといった技術内容しか記述されていない。その効果も視覚的に好ましい結果が得られるといったものである。つまり、どの様な思想でマトリクスずらしを行えば良いか、また、マトリクスずらしによってどの様な作用で画質が向上するかを、具体的に示した技術ではない。
【0006】
この他の公知技術として、R.J.Klensch,Dietrech Meyerhofer,J.J.Walsh,RCA Corporation,Electronically Generated Halftone Pictures,TECHNICAL ASSOCIATION OF THE GRAPHIC ARTS PROCEEDINGS,pp.302−pp.320,1970の論文に、スクリーン角を与えずにモアレや色ずれを最小にできる方法として、同じマトリクスに基づいて各色で異なるパターンを持つマトリクスという記載がある。
【0007】
公知技術の内容は、マトリクスずらしに相当すると考えられるが、技術内容においては、どの様な思想でマトリクスずらしを行えば良いか、また、マトリクスずらしによってどの様な作用で画質が向上するかを、具体的に示した技術ではない。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、サブピクセルが長方形状で形成される表示装置にカラー画像を表示する際の画質をディザマトリクスずらしによって向上させることを特徴とする画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の画像処理方法は、各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に画像を表示するための画像処理方法であって、色毎に分散型のマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理であり、擬似中間調処理を行う際に、上記複数色の少なくとも1色のマトリクスを他のいずれかの色のマトリクスに対して、上記長方形のサブピクセルの長手方向にずらしたマトリクスを適用することを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、纏まって1画素を形成する複数色のうち少なくとも1色のマトリクスをサブピクセルの長手方向にずらすことによって、ずらされた色のONドット(表示するサブピクセル)がOFFドットの間に介在する確率が高くなるので、ONドットとなるサブピクセルの分散性が高くなり、ONドットの光がOFFドットに対してより多く照射される状態となり、均一な濃度の画像に対しても画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。言い換えれば、ONとOFFのドットが交番する空間周波数が高くなって視覚感度が低下し、コントラストを感じにくくなる。つまり、中間調(平均階調)に感じやすくなる。
【0011】
また、本発明の画像処理方法においては、長手方向にずらす際に、最も輝度に寄与する色のマトリクスを次に輝度に寄与する色のマトリクスに対してずらすことを特徴としている。
【0012】
この方法によれば、もっとも影響の強い最も輝度に寄与する色と次に輝度に寄与する色のマトリクスの相対位置をずらすことになるので、支配的な2色の位置関係を決定することで、最も輝度に寄与する色のONドットの光がOFFドットに対して、より多く照射される状態となってより多く照射される状態となって画像の明暗が目立ちにくくなり、均一な濃度の画像に対しても画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。
【0013】
また、本発明の画像処理方法においては、長手方向にずらす際に、1画素分だけずらすことを特徴としている。
【0014】
この方法によれば、画像の空間周波数がマトリクスの持つ周波数成分と干渉して画質が劣化する可能性を避けることができ、安定して高画質画像を得ることができる。現在用いられている液晶表示パネルの解像度は85ppi程度と低いため、擬似中間調処理としてディザ法を採用する場合には、分散型のディザマトリクスが用いた組織的ディザ法が用いられる。分散型のディザマトリクスは、1つ1つのドットが空間的に分散したドットパターンを生じる特徴を有するためドットが隣接して生じにくいようにマトリクスが構成されている。ドットが隣接しないためには最低1画素分の間隔が必要になるので、マトリクスを1画素分ずらすと、ドットがまばらな状態からとドットが隣接せずに詰まった状態までの幅広い階調範囲のドットパターンに対して、ずらした色のONドットが、その他の色のOFFドットの間に介在する状態を作ることができる。一方、ずらす量を2画素以上とすると、ドットパターンの周期とずらす量が一致してしまうことがあり、この場合ずらしの効果が小さくなることがあるため、効果のある階調範囲が狭くなってしまう。つまり、ディザマトリクスが分散型であれば、全てのドットパターンについて1画素分のマトリクスずらしは効果がある。
【0015】
また、本発明の画像処理装置は、各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に画像を表示する画像処理装置であって、色毎の分散型のマトリクスを記憶しておくマトリクス記憶手段と、該マトリクス記憶手段に記憶されたマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理を行う擬似中間調処理手段を有し、上記マトリクス記憶手段には、上記複数色のうち少なくとも1色に対応するマトリクスの閾値をサブピクセルの長手方向にずらしたマトリクスを使用して疑似中間調処理を行うことを特徴とする。
【0016】
この装置によれば、複数色のうち少なくとも1色に対して、閾値がサブピクセルの長手方向にずれた状態のマトリクスを対応付けることによって、纏まって1画素を形成する複数色のうち1色のマトリクスがサブピクセルの長手方向にずらされることになる。このずらされた色のONドット(サブピクセル)がOFFドットの間に介在する状態となるので、ONドットの光がOFFドットに対して多く照射される状態となり、画像の明暗が目立ちにくくなり、均一な濃度の画像に対しても画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。
【0017】
また、本発明の画像処理装置においては、上記の画像処理装置において、上記長手方向にずらしたマトリクスは、色毎にメモリに記憶し、複数色からなる画素データをそれぞれ対応する色のマトリクスを使用して疑似中間調処理を行うことを特徴とする。
【0018】
この装置によれば、予め色毎のマトリクスを決定して記憶しておくので、疑似中間調処理が高速に実現することができる。
【0019】
また、本発明の画像処理装置においては、上記の画像処理装置において、上記長手方向にずらしたマトリクスは、一つの基本マトリクスと該基本マトリクスからの色毎のずらし量をメモリに記憶し、複数色からなる画素データを、上記基本マトリクスと色毎のずらし量から求められる、対応するマトリクス要素を使用して疑似中間調処理を行う
この装置によれば、記憶しておくマトリクスは基本の一つと、色毎のずらし量でよく、メモリの記憶領域を節約することができる。
【0020】
また、本発明の画像処理装置においては、上記の画像処理装置において、上記長手方向にずらしたマトリクス情報は、ネットワークからダウンロードされてなることを特徴とする。
【0021】
この装置によれば、長手方向にずらしたマトリクス情報はネットワークからダウンロードされるので、ずらし量などのパラメータの変更を、適宜変更することが可能となり好都合である。
【0022】
また、本発明の画像処理プログラムは、各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に、画像を表示するための画像プログラムにおいて、色毎に分散型のマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理を行い、擬似中間調処理を行う際に、上記複数色の少なくとも1色のマトリクスを、上記サブピクセルの長手方向にずらす画像処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0023】
このプログラムによれば、纏まって1画素を形成する複数色のうち少なくとも1色のマトリクスをサブピクセルの長手方向にずらすことによって、ずらされた色のONドット(表示するサブピクセル)がOFFドットの間に介在する確率が高くなるので、ONドットとなるサブピクセルの分散性が高くなり、ONドットの光がOFFドットに対してより多く照射される状態となり、均一な濃度の画像に対しても画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。
【0024】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の画像処理プログラムを記録したことを特徴としている。
【0025】
この記録媒体によれば、当該記録媒体に記録された画像処理プログラムをコンピュータに実行させ、纏まって1画素を形成する複数色のうち1色のマトリクスをサブピクセルの長手方向にずらすことによって、ずらされた色のONドット(サブピクセル)がOFFドットの間に介在する状態となるので、ONドットの光がOFFドットに対して多く照射される状態となり、均一な濃度の画像に対しても画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態について説明するに先立って、カラー画像を対象とした2値および多値の組織的ディザ法について説明する。ディザ法は、表示階調数が少ないデバイスにおいて、表示階調の中間の階調を擬似的に見せる方法である。表示階調数が2値のものを2値ディザ、3値以上のものを多値ディザと呼ぶ。多値ディザは2値ディザの組合せで構成される。
【0027】
始めに単色の2値ディザについて説明する。まず、図10(c)に示す閾値の順序を示すディザマトリクスを決定し、ディザマトリクスから(b)に示す閾値マトリクスを算出する。次に(a)に示す入力画像と(b)に示す閾値マトリクスとを比較し、入力画像のある画素の値が対応する閾値に比べて大きいかまたは等しければ255を出力し、小さければ0を出力する閾値処理を行い、(d)に示す0,255の2値から成る出力画像(擬似中間調画像)を出力する。今、入力画像(a)は128の均一な濃度の画像であるが、出力画像である(d)に示す擬似中間調画像の平均値は128であり、0,255の2値のパターンによって擬似的に中間調128が表現されることになる。
【0028】
多値ディザは、用いられる多値に従って入力階調の範囲を区切り、それぞれの範囲内で2値ディザを行うことで実行される。多値が4値で、出力階調が0,85,170,255の場合、入力階調は▲1▼0−85、▲2▼86−170、▲3▼171−255の3つの範囲に区切られる。
【0029】
まず、入力画像がどの階調範囲に属するかによって、図11(a)に示すディザマトリクスから(b)〜(d)に示すいずれかの閾値マトリクスを生成する。入力画像が図10(a)の場合、階調128は範囲▲2▼に含まれるので、(c)に示す閾値マトリクスが生成される。次に、(c)の閾値マトリクスを用いて階調85,170による2値ディザを実行し、(e)のような擬似中間調画像を出力する。ここで、(b)〜(d)に示す閾値マトリクスは毎回生成する必要はなく、予め生成しておいてもよい。また、この他にも多値ディザを実現する手順は知られているが、本発明はディザのマトリクスに関するもので、ディザの閾値を適用する具体的な方法にはよらない。
【0030】
以上は、1画素が一色(グレイ)から成る画像に対してディザを行う場合であった。カラー画像に対してディザを行う際は、カラー画像の1画素がR、G、B三色から構成される場合、1画素をR、G、B各色成分へ分けて、それぞれ1色から成る画像として捉えてディザを行う。この時、R、G、B各色には同じマトリクスを使っても良いし、別々のマトリクスを使っても良い。
【0031】
また、各色に別々のディザマトリクスを対応付ける場合には、図12(a)に示すように、R、G、B各色のマトリクスを個別にメモリ1201〜1203に記憶して、ディザ処理手段1204〜1206でディザ処理すれば良い。しかし、別々のディザマトリクスが、単一のマトリクス及びそれをあるオフセット分だけずらしたもので構成される場合には、(b)に示すように、1つのマトリクスをメモリ1210に保持しておき、読み出し時にR、G、B毎に独立したアドレッシング手段1211〜1213によって、各色に別々のディザマトリクスを対応付けても良い。
【0032】
マトリクスずらしを行うアドレッシング手段1211〜1213は下式(1)と(2)によって表すことができる。ここで、マトリクスサイズはx方向がx_size、y方向がy_sizeとし、マトリクスのずらし量を(x_shift,y_shift)としたときに、入力画像の(i,j)の画素に対して、マトリクスの(m,n)の閾値を対応させればよいことになる。また、アドレッシング手段1211〜1213を同一に設定すれば、R、G、B各色に同一のマトリクスを対応付けることもできる。
【0033】
m=(i−x_shift)%x_size …(1)
n=(j−y_shift)%y_size …(2)
なお、以上はカラー画像の1画素がR、G、Bの三原色から構成される場合で例示したが、カラー画像を構成する色の構成はC、M、Y、Kなどの他の複数色から構成されることもあるので特定の色に限定するわけではない。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0036】
この画像処理装置100は、入力手段101と、マトリクス移動手段102を有するディザ処理手段103と、カラー表示を行うLCDパネル104とを備えて構成されている。
【0037】
入力手段101は、スキャナや撮像手段などで得られた画像を入力画像データとして取り込む。
【0038】
LCDパネル104は、各々が長方形のR、G、B三原色のカラーフィルタがストライプ状に配列された画面を備え、この画面に、各カラーフィルタの透過光の混色によってフルカラーの画像を表示する。言い換えれば、図2に示すように、R、G、B個々が長方形であるサブピクセル(ドットとも呼ぶ)を一塊りとする画素201を有し、この画素201が碁盤の目状あるいはタイル状に縦および横方向に配置されて成る画面に画像の表示を行う。
【0039】
ディザ処理手段103は、入力手段101によって取り込まれた入力画像データを、R、G、B毎の画像を示す色毎のプレーンに分離し、このR、G、Bのプレーン毎に、ディザマトリクスを基に設定された閾値マトリクスを対応付けて多値の組織的ディザ法による擬似中間調処理を行う。そして、擬似中間調処理後の画像データを一纏めにしてLCDパネル104へ出力する。
【0040】
マトリクス移動手段102は、ディザ処理手段103が、R、G、Bのプレーン毎に閾値マトリクスを対応付ける際に、R、G、Bのうち少なくとも一色のプレーンに、閾値がサブピクセルの長手方向にn画素分だけずれた状態の閾値マトリクスを対応付ける処理を行う。この処理が、本実施の形態の特徴となるマトリクスずらしである。
【0041】
このマトリクスずらしについて詳細に説明する。まず、一般的なマトリクスずらしとは、図3に示すように、マトリクスを4×4とした場合、画像301に対して、R、G、BのディザマトリクスRm、Gm、Bmを、302で示す碁盤の目状に敷き詰める際に、R,G,Bのうち少なくとも1色のマトリクスを碁盤の目302のグリッド(格子)から平行移動によってずらす処理である。図3にはマトリクスずらしなしの場合と、GのディザマトリクスGmのみを(1,1)ずらした場合を示した。ここで(1,1)はマトリクスずらし量を座標(x,y)で表したもので、ディザマトリクスずらし無しの状態が(0,0)、右方向にディザマトリクスを1画素ずらした場合にはxが正の1となり、下方向に1画素ずらした場合にはyが正の1となるように、ずらした画素数に、ずらした方向を正または負の符号を付して表している。
【0042】
このようなマトリクスずらしを行う際に、本実施の形態では、マトリクス移動手段102が、R、G、Bの少なくとも1色のディザマトリクスを、サブピクセルの長手方向にn画素分ずらすことを特徴とする。図4に、マトリクスずらし無しの状態と、Gのディザマトリクスのみを長手方向に1画素分ずらした例を比較して示す。
【0043】
図4(a)はマトリクスずらし無し場合のR、G、Bに対するディザマトリクスと、R、G、Bがそれぞれ全体の半分の画素が点灯するような均一な濃度のデータが入力された場合のドットONのパターンを示したものである。図4(b)はGに対してのみ(0,1)だけマトリクスずらしを行った場合のGのマトリクスと、そのときのR、G、Bがそれぞれ全体の半分の画素が点灯するような濃度のデータが入力された場合のドットONのパターンを示したものである。ここで、RとBに関してはマトリクスずらしなしの場合のディザマトリクスが使われるので、RとBに関してはONするドットの位置はマトリクスずらしなしの場合と同じであるが、Gに関しては(0,1)だけマトリクスずらしを行っているのでGに関しては(0,1)だけシフトした位置のドットがONすることになる。なお、マトリクスは画像に対して碁盤の目状に繰り返して対応させるので、マトリクスずらしをした後の(b)に示したGのマトリクスは、(a)に示すディザマトリクスの最下行「15,7,13,5」が、最上行にシフトした状態となっている。
【0044】
図4のマトリクスずらし無しの場合のONドットパターン(a)とマトリクスずらしをした場合のONドットパターン(b)とを比較すると、マトリクスずらしをした場合のONドットパターン(b)の方がONドットパターンのx方向の空間周波数が高くなる。一般に、空間周波数と視覚感度の関係は、図5の曲線501で示すように、空間周波数が高くなるほど視覚感度が低下し、コントラストを感じにくくなるので、より高い空間周波数を持つ(b)のONドットパターンの方がONドットの塊とOFFドットの塊が別々な塊として認識されるのではなく、より均一に感じることになり、人の目には、平均濃度の中間調として感じることになる。いま、入力は半分のドットが点灯するようなグレイの均一なデータを入力として想定していたので、より平滑化された平均濃度の中間調として感じる方が画質が高いといえるので、マトリクスずらしにより画質が向上することがわかる。ここで、マトリクスずらしを行う色は、R、G、Bのうち明るさの強さを示す輝度が最も高いGをずらした場合に特に有効である。また、マトリクスのずれは色間の相対的な問題であるので、Gのみをずらす代わりに、RとBを同じだけ反対方向にずらしても同様の効果を得ることができる。さらには、もっとも輝度に関与する色と次に輝度に関与する色の相対的な位置関係の影響がもっとも重要になるので、特にこの2色に関する相対的な位置をずれるような関係としておくことが重要である。
【0045】
次に、このように、サブピクセルの長手方向にマトリクスずらしを行うと画質が向上する理由を、より広い条件の場合について説明し、さらにマトリクスずらしのずらし量の決定方法について説明する。
【0046】
擬似中間調画像においては、均一なデータが入力されたときに、ON/OFFドットパターンの明暗がより目立たなくて、均一な中間調に見える方が画質が高いといえる。このためにはONドットの分散性とONドットとOFFドットの配置関係をドットの形状と合わせて考慮する必要がある。サブピクセルのドット形状が長方形状の場合には、画面に対して水平方向の光の成分で、OFFドットの画素に対する光の洩れ分を考えるとONドットの光がOFFドットに対して、より多く照射される程に画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。
【0047】
例として、図6の(a)に示すように、R,Gの各4ドットがONしたパターンを考える。ここで、Bドットについては輝度に与える影響が小さく、輝度の均一性という観点での画質にあたえる影響は小さいため点灯していないものとし、またRとGについては、一般的には中間階調であるが、説明のため2値の状態つまりドットがON/OFFの2状態のみの場合で説明する。
【0048】
このような条件において、図6(a)に示すマトリクスずらし無しのドットパターンが表示されているときに、同じ画像に対してマトリクスをずらした場合のONドットは、長手方向(y方向)に1画素分ずらした場合には(b)に示すパターンとなり、また、短手方向(x方向)に1画素分ずらした場合には(c)に示すパターンとなる。ここで、サブピクセルの画面に対して水平方向の放射光を考える。図7(a)がサブピクセルの形状モデルの例で、1サブピクセルの長方形の長辺L=3、短辺S=1の比率となっていて、3色分のサブピクセルが合わせて略正方形となるようにサブピクセルの形状が形成されている。このときGのサブピクセルがONの時に周囲へ放射する光量は図7(b)に示すように、矢印701で示す長辺からの光量と、矢印702で示す短辺からの光量とでは、ほぼ3:1となる。
【0049】
このようなONドットの光がOFFドットへ照射される状態を、図6(a)〜(c)において考察する。(a)では、ONドットのRとGの各々1つの長辺が当接しているので、その長辺の光はOFFドットヘ直接照射されていない。また、2および4行目のOFFドット列には、RとGの短辺からしか光が照射されない。(b)では、RとGとの全ての長辺がOFFドットと当接しているので、ONドットの全長辺の光がOFFドットヘ直接照射されている。(c)では、1つのOFFドットの両側に長辺を当接してRとGが配置された箇所が生じるので、この箇所ではRとGの光が1つのOFFドットのみに照射される状態が生じる。また、2および4行目のOFFドット列には、RとGの短辺からしか光が照射されない。
【0050】
このことから(a)〜(c)に楕円で囲む各OFFドット塊を比較すると、(b)および(c)のずらし有りに比べ、(a)のずらし無しの方が暗く、明暗パターンが目立ち、さらに、(b)の長手方向のずらしに比べ(c)の短手方向のずらしの方が洩れ光による画像輝度を均一にする効果が小さいため、明暗パターンが目立つ。従って、マトリクスをずらす方向としては、(b)のように、サブピクセルの長手方向にマトリクスずらしを行うと、ONドットの光がOFFドットに対して、より多く照射されるので、画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となることが分かる。
【0051】
次に、長手方向にずらす場合、何画素分ずらせば良いかを、サブピクセル形状に基づいてONドットの光がOFFドットへどれだけ照射されているかを示す評価値を導入することによって決定する方法について説明する。
【0052】
この評価値は、例えば次の▲1▼〜▲4▼のようにして計算することができる。ここでは、図8(a)〜(d)のそれぞれについて、評価値がどのようになるかを比較しながら説明する。
【0053】
▲1▼では、評価対象である1つのディザマトリクスにおけるON/OFFドットパターン(以下、評価パターンと呼ぶ)において、図8(a)および(b)に示すように、短手方向に2つ以上連結するOFFドットを抽出する。この際、(c)に示す単独のOFFドットや、(d)に示す1ドット幅で長手方向に連結したOFFドットは無視する。但し、(b)に示すように、短手方向に2つ以上連結したOFFドット塊が、1ドット幅で上下に連結している場合は抽出する。
【0054】
▲2▼では、▲1▼の処理で抽出したOFFドット塊の周囲長Dを求める。この周囲長Dは、1つのドット(サブピクセル)形状が、例えば図7(a)に示した寸法を有する長方形であれば、図8(a)に示すOFFドット塊の場合、長辺が2、短辺が2で、長さを考慮して周囲長D=10となる。次に、求められた周囲長DのうちONドットと当接している長さ(評価値)Dsを求める。図8(a)の場合は、長辺が2ヶ所あるので、評価値Ds=6となる。
【0055】
▲3▼では、▲1▼および▲2▼の処理を、マトリクスが表現できる独立な全てのドットパターン、つまりONドットの数が1個からマトリクスサイズの全数がONドットとなる場合までの全ての評価パターンに対して行い、各々の評価値Dsを合計した総評価値Dstを求める。図13は▲3▼の処理を説明するための図で、Rのドットパターンを上辺に、Gのドットパターンを左辺に配置し、それぞれを組み合わせた状態のパターンが点線の四角の中にあるパターンで、全ての評価パターンを示している。この点線の四角の中にあるパターンのそれぞれに対して評価値Dsを計算し、全てのパターンに対する評価値Dsを合計した総評価値Dstを求めればよい。
【0056】
▲4▼では、▲1▼〜▲3▼の計算を、ディザマトリクスを長手方向にずらした場合について、ずらし量0から [長手方向のマトリクスサイズ]−1の場合までの全ての場合について行い、それぞれのずらし量における総評価値Dstを求め、総評価値Dst最大となるときのマトリクスずらし量をずらし量として選択すればよい。
【0057】
このように求められた総評価値Dstは、ONドットと当接するOFFドット塊の境界の長さを示し、その値が大きいほどONドットの光がOFFドットヘ多く行き渡っており画質が良いことを示すものとなる。
【0058】
この評価値Dsを用いる方法は、上記のようにマトリクスが表現できる独立な全てのドットパターンから成る評価パターン全てに対して総評価値Dstを求めることによって、画質が最適となるマトリクスずらしのずらし方向並びにずらし量を決定する用途に用いることができると共に、評価パターン個々の評価値Dsの大小からその評価パターン(ドットパターン)の画質の良し悪しを比較する目的にも使うことができる。
【0059】
このように、総評価値Dstによって決定されたマトリクスのずらし量は、マトリクス移動手段102にて、マトリクスずらしを行う際のずらし量として使用される。なお、マトリクスを実際に色毎にずらす方法としては、予め色毎にずらしたマトリクスを用意しておき、色毎に対応するマトリクスを使用してもよいし、あるいは一つのマトリクスと色毎のずらし量の情報を記憶しておき、画像データへ対応するマトリクスの要素をマッピングするときに、ずらし量の分だけずれた位置のマトリクス要素を取り出すようにしてもよい。結果としてある色のマトリクスが別の色のマトリクスに対して長手方向に相対的にずれているようになっていればよい。
【0060】
ここで、例として、図6の(b)と(c)に示した各ドットパターンの画質の善し悪しを、評価値Dsによって比較する。図9(a)と図9(b)は、それぞれ図6(b)と図6(c)と同じものであり、ドットパターンと対応するOFFドット塊をあわせて図示するため、以下図9で説明をする。
【0061】
まず、図9(a)に示したドットパターンにおいて、上記▲1▼の処理によって、短手方向に2つ以上連結するOFFドットを求める。これは、図9(c)に示すようになり、OFFドット数=40となる。次に、上記▲2▼の処理によって、そのOFFドット塊の周囲長Dを求めると、OFFドット塊は2つにわかれており、それぞれ長辺8、短辺16となるので長さを加味して周囲長D=80が得られる。さらに、周囲長DのうちR,GのONドットと当接している長さ(評価値)Dsを求める。この長さDsは、図9(c)に太線901〜904で示すように、長辺16、短辺16の合計値となるが、長さを加味して、長さ(評価値)Ds=64となる。ここでOFFドット塊は、OFFドットの画素を碁盤の目状に並べたときにちょうど分割されるところがあればちょうど分割される部分を採用する方が評価値としての精度が高いことがわかっている。
【0062】
同様に、図9(b)に示したドットパターンにおいて、短手方向に2つ以上連結するOFFドットを求めると、図9(d)に示すようになり、OFFドット塊を構成するOFFドット数=36となる。次に、そのOFFドット塊の周囲長Dを求めると、長辺12、短辺36で周囲長D=72となる。さらに、周囲長DのうちR,GのONドットと当接している長さ(評価値)Dsを求める。この長さDsは、図9(d)に太線905〜916で示す各辺の合計値となる。即ち、長辺8、短辺16で、長さ(評価値)Ds=40となる。
【0063】
図9(a)と(b)の双方のドットパターンの評価値Ds=64とDs=40を比較すると、(a)のドットパターンの評価値Dsが大きいので、長手方向に1画素分マトリクスずらしを行った方が、短手方向に1画素分マトリクスずらしを行った場合に比べてONドットの光がOFFドットへ多く照射され、ON/OFFドットパターンの明暗が目立ちにくくなるため、画質が良いことが分かる。なお、ここで説明した評価値は例であって、本発明は具体的な評価値の計算方法を問うものではない。
【0064】
このように、本実施の形態の画像処理装置によれば、各々が長方形状のR,G,Bの三原色のサブピクセルを纏めて1画素とし、この画素の同一色が一列に配列されたLCDパネル104を備え、ディザ処理手段103で、入力手段101で得られた入力画像データのR,G,Bの各々の画像を示すプレーン毎に、マトリクスを対応付けて多値の組織的ディザ法による擬似中間調処理を行い、この処理が施された画像データに基づく画像をLCDパネル104に表示する。この場合、ディザ処理手段103が、プレーン毎にマトリクスを対応付ける際に、マトリクス移動手段102で、R,G,Bのうち少なくとも1色のプレーンに、閾値がサブピクセルの長手方向にずれた状態のマトリクスを対応付けるようにした。
【0065】
この構成によれば、R,G,Bのうち少なくとも1色のプレーンに、閾値がサブピクセルの長手方向にずれた状態のマトリクスを対応付けることによって、纏まって1画素を形成するR,G,Bのうち1色のマトリクスがサブピクセルの長手方向にずらされることになる。このずらされた色のONドット(サブピクセル)がOFFドットの間に介在する状態となるので、ONドットの光がOFFドットに対して多く照射される状態となり、画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。言い換えれば、ONとOFFのドットが交番する空間周波数が高くなって視覚感度が低下し、コントラストを感じにくくなる。つまり、中間調(平均階調)に感じやすくなる。従って、液晶表示パネルにカラー表示される画像の画質をディザマトリクスずらしによって向上させることができる。
【0066】
また、ディザマトリクスのサイズが大きくなるとずらし方は膨大になるが、ディスプレイのサブピクセル形状からずらし量を探索する方向を長手方向に限定することができるので、従来のように短手方向でも探索するといった無駄な探索を行わなくて済むようになる。つまり、効率よくマトリクスのずらし量を探索することができる。
【0067】
なお、本実施の形態における画像処理装置は、マトリクスを一つ記憶する記憶手段と、色毎のマトリクスのずらし量を記憶する記憶手段とを備えているが、これらの代わりに、予め作成した色毎のマトリクスで、ある色のマトリクスが別の色のマトリクスに対して長手方向にずれた状態となっている色毎のマトリクスをメモリに記憶しておく形態をとってもよい。
【0068】
続いて、本実施の形態に係る画像処理プログラムおよび、その画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明する。記録媒体とは、コンピュータの読み取り機能にプログラムのデータ内容を伝達できるものであり、例えばコンピュータに、内蔵、外付けまたは着脱される各種の磁気ディスク、光ディスク、ROM、RAMなどが該当する。
【0069】
このような記録媒体のプログラム記録領域に、画像処理プログラムが記録されている。このプログラムは、コンピュータに、各々が長方形状のR,G,Bの三原色のサブピクセルを纏めて1画素とし、この画素が碁盤の目状に配列された液晶表示パネルに、2値または多値の分散型の組織的ディザ法による擬似中間調処理が施された画像データに基づく画像を表示する処理を実行させるものであり、上記の擬似中間調処理を行う際に、一つのマトリクスと色毎のずらし量情報をもとに、R,G,Bの少なくとも1色に対してはマトリクスをサブピクセルの長手方向にずらしたマトリクスを対応させる。
【0070】
また、長手方向にずらす量としては、評価値などから予め決めておいてもよいし、1画素分だけずらす処理を実行させるようにしても良い。また、ずらす色については、最も輝度に寄与する色のマトリクスをずらすようにしても良い。さらにいえば、色毎のマトリクスのずらし量は、最も輝度に寄与する色のマトリクスと次に輝度に寄与する色のマトリクスが、結果として長手方向にずれた関係となるようになっていればよい。
【0071】
また、本実施の形態における画像処理プログラムでは、一つのマトリクスを元に色毎にマトリクスをずらす処理を行っていたが、予め色毎にずれた状態のマトリクスを生成してメモリに記憶しておき、実行時にはこれらの色毎のマトリクスを参照して擬似中間調処理を行わせるようにしても、結果として色毎のマトリクスのずらし量は、最も輝度に寄与する色のマトリクスと次に輝度に寄与する色のマトリクスが、結果として長手方向にずれた関係となるようになっているので、この場合も本発明の一実施形態の範囲と言える。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に於いては種々なる態様での実施が可能である。
【0073】
例えば、以下のような変形例も可能である。変形例1:上記実施例では画像表示手段としてLCDパネルを適用したが、複数色のサブピクセルから1画素が構成される画像表示手段であればこれに限定されるものではない。例えば、ELパネルやPDPなどの表示パネルに適用することもできる。変形例2:上記実施例では画像表示手段としてサブピクセルが長方形状のものであるとして、かつ同色は縦方向に一列に配列されたストライプ型の配列であるLCDパネルとして説明したが、サブピクセルが長方状であれば必ずしも同一色が縦方向に一列に配列されていなくても例えばジグザク状に配列されているパネルに適用することもできる。変形例3:上記実施例では、本発明を1画素を構成する複数色がR、G、Bである場合に適用したが、これに限定されるものではない。例えば、複数色がC,M、Y、Kなどの場合にも適用することができる。変形例4:サブピクセルの形状は長方形状として説明したが、正確な長方形である必要はなく、縦方向と横方向が均一でないパネル、例えば楕円形状のサブピクセルを持つパネルに対しても有効であり、これらを含めて長方形状とする。
【0074】
また、本発明で用いられる1画素を構成する複数色の少なくとも1色に対応するサブピクセルの長手方向にずれたマトリクスが、画像処理装置、画像処理プログラムにおいてメモリに記憶または記録媒体に記録されている場合を例示したが、ずれた状態のマトリクスは固定的に記憶されている必要はなく、ユーザの操作により通信システムなどを介して入手されるようにしても良い。あるいは、画像ファイルのヘッダ部分に組み込むなどの方法によって、画像データに前記マトリクスを添付し、画像閲覧の都度、マトリクスを取得するようにしても良い。また、通信システムやヘッダに組み込まれる情報としては、色毎にずれた状態のマトリクスそのものであっても良いし、色毎のずらし量に関する情報であっても良い。
【0075】
最後に、本発明は上述のように画像処理装置としての構成、画像処理方法の発明としての構成、また、これらを実現するプログラム、そのプログラムに供されるデータおよびそのプログラムを記録した記録媒体、プログラムまたはプログラムに供されるデータを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像処理方法によれば、各々が長方形状のR,G,Bの三原色のサブピクセルを纏めて1画素とし、この画素が配列された液晶表示パネルに、多値の組織的ディザ法による擬似中間調処理が施された画像データに基づく画像を表示する場合にあって、多値の組織的ディザ法による擬似中間調処理を行う際に、R,G,Bの少なくとも1色のマトリクスを、サブピクセルの長手方向にずらすようにした。
【0077】
つまり、纏まって1画素を形成するR,G,Bのうち1色のマトリクスをサブピクセルの長手方向にずらすようにしたので、ずらされた色のONドット(サブピクセル)がOFFドットの間に介在する状態となる。これによって、ONドットの光がOFFドットに対して多く照射される状態となり、画像の明暗が目立ちにくくなり高画質となる。従って、液晶表示パネルにカラー表示される画像の画質をディザマトリクスずらしによって向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像処理装置におけるLCDパネルのサブピクセル形状および画素を示す図である。
【図3】4×4のマトリクスにおける一般的なマトリクスずらしを説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るマトリクスずらしを説明するための図である。
【図5】空間周波数と視覚感度との特性図である。
【図6】4×4のベイヤー型マトリクスを長手方向と短手方向との各々にずらした状態を示す図である。
【図7】1サブピクセルの長方形の長辺Lおよび短辺Sを示すと共に、長辺Lおよび短辺Sから放射される光量を示す図である。
【図8】評価値算出時において短手方向に2つ以上連結するOFFドットを抽出する際の合否のサブピクセル配置例を示す図である。
【図9】短手方向に2つ以上連結するOFFドット塊の周囲長のうちR,GのONドットと当接した長さ(評価値)を示す図である。
【図10】2値ディザを説明するためのマトリクス図である。
【図11】多値ディザを説明するためのマトリクス図である。
【図12】R,G,B各色に別々のディザマトリクスを対応付けるための装置のブロック図である。
【図13】ずらし量の評価値の計算方法を説明するための図である。
【符号の説明】
100 画像処理装置
101 入力手段
102 マトリクス移動手段
103 ディザ処理手段
104 LCDパネル
201 各々が長方形状のR,G,B三原色のサブピクセルの纏まりによる1画素
501 空間周波数−視覚感度特性曲線
701 長方形状サブピクセルの短辺からの光量
702 長方形状サブピクセルの長辺からの光量
901〜916 OFFドット塊周囲長におけるR,GのONドットとの当接部分
1201〜1203,1210 メモリ
1204〜1206 ディザ処理手段
1211〜1213 アドレッシング手段
Rm Rのディザマトリクス
Gm Gのディザマトリクス
Bm Bのディザマトリクス

Claims (9)

  1. 各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に画像を表示するための画像処理方法であって、
    色毎に分散型のマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理であり、該擬似中間調処理を行う際に、前記複数色の少なくとも1色のマトリクスを他のいずれかの色のマトリクスに対して、前記長方形のサブピクセルの長手方向にずらしたマトリクスを適用することを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記長手方向にずらす際に、最も輝度に寄与する色のマトリクスを次に輝度に寄与する色のマトリクスに対してずらす
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 前記長手方向にずらす際に、1画素分だけずらす
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理方法。
  4. 各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に画像を表示する画像処理装置であって、
    色毎の分散型のマトリクスを記憶しておくマトリクス記憶手段と、該マトリクス記憶手段に記憶されたマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理を行う擬似中間調処理手段を有し、
    前記マトリクス記憶手段には、前記複数色のうち少なくとも1色に対応するマトリクスの閾値をサブピクセルの長手方向にずらしたマトリクスを使用して疑似中間調処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記長手方向にずらしたマトリクスは、色毎にメモリに記憶し、複数色からなる画素データをそれぞれ対応する色のマトリクスを使用して疑似中間調処理を行う
    ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記長手方向にずらしたマトリクスは、一つの基本マトリクスと該基本マトリクスからの色毎のずらし量をメモリに記憶し、複数色からなる画素データを、前記基本マトリクスと色毎のずらし量から求められる、対応するマトリクス要素を使用して疑似中間調処理を行う
    ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  7. 前記長手方向にずらしたマトリクス情報は、ネットワークからダウンロードされてなる
    ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  8. 各々が長方形状の複数色からなるサブピクセルを纏めて1画素として該画素が配列されて構成される表示装置に、画像を表示するための画像プログラムにおいて、
    色毎に分散型のマトリクスを用いて2値化または多値化処理を行う擬似中間調処理を行ない、該擬似中間調処理を行う際に、前記複数色の少なくとも1色のマトリクスを、前記サブピクセルの長手方向にずらす画像処理を
    コンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  9. 請求項8記載の画像処理プログラムを記録した
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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