JP3959598B2 - 連続再生式dpfの制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続再生式ディーゼル・パティキュレート・フィルタ(以下、DPFと略す)の制御装置に係り、詳しくは、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれるパティキュレート・マター(以下、PMと略す)をDPFに捕捉して焼却除去する連続再生式DPFの制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
バス、トラック等に搭載されるディーゼルエンジンから排出される排ガスには、HC、CO、NOx等のほかにPMが多く含まれており、このPMを処理するための後処理装置として、酸化触媒をフィルタ前段に配置、若しくはフィルタ自体に酸化触媒を担持して排ガス中のNOからNO2を生成し、生成されたNO2によりフィルタに捕捉したPMを酸化燃焼させる連続再生式DPFが実用化されている。連続再生式DPFの作用を得るには、排ガスによりDPFが十分に昇温されて酸化触媒が活性化している必要がある。例えば、このときの排気温としては250℃以上が要求されるが、市街地走行等の走行状況では要求される温度域に到達しない場合が多く、結果としてPMが焼却されることなく次第にDPFでの堆積量が増加してしまう現象が生じる。そこで、PMの堆積量が所定の閾値に達したときには、例えば吸排気絞りや燃料噴射タイミングのリタード等の昇温技術によりDPFを昇温して、積極的にPMを焼却する再生促進制御が必要となる。
【0003】
又、上記PMの堆積量を直接検出することは困難なため、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定したり、或いは、台上試験により運転領域(エンジン回転速度及び負荷)毎にエンジンからのPM排出量とDPFでのPM焼却量とを測定して、両者の差を各運転領域でのPM堆積量と見なし、実際の運転領域から対応するPM堆積量を求めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した前段の推定手法は、PM堆積量がDPFの前後差圧と相関するとの観点に立ったものであるが、両者は必ずしも相関しない。即ち、DPFは外周側が大気に近いため冷却され易いことから、中心部ほど温度が高くなり、外周部ではPMの燃え残りが生じ易い。よって、PM堆積量には中心部から外周部にかけて偏りが発生し、しかも、その偏りはDPFの昇温状況によって相違する。これが上記した相関関係を崩す要因となり、結果としてPM堆積量の推定に誤差を発生させてしまうことになる。
【0005】
一方、後段の推定手法は、台上試験と実際の制御との間でエンジンやDPFの個体差(製造誤差等)が存在するため、PM堆積量データに対して実勢値がばらつく上に、エンジンやDPFの経年劣化を台上試験ではデータに反映することが困難なため、PM堆積量の推定誤差は避けられない。
以上の結果、実際に比較してPM堆積量が大きく推定されたときには、上記再生促進制御が必要以上に頻繁に実行されて燃費悪化を引き起こし、逆にPM堆積量が小さく推定されたときには、必要なときに再生促進制御が実行されずに、多量に堆積したPMが急速燃焼してDPFの破損や劣化等を引き起こしてしまう。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、PM堆積量を正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる連続再生式DPFの制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンの排気通路に設けられて、排ガス中に含まれるパティキュレート・マターを捕捉するフィルタと、フィルタを強制的に昇温して、フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却除去する再生促進手段と、フィルタの温度を検出する温度検出手段と、エンジンの排ガスに含まれるNO x/ S oot を判定するNO x/ S oot 判定手段と、フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却可能な温度に対して、温度検出手段にて検出されたフィルタ温度が下回ったときの頻度を判定すると共に、上記NO x/ S oot 判定手段にて判定されたNO x/ S oot が低いほど、上記フィルタ温度より判定した頻度を増加側に補正する温度頻度判定手段と、温度頻度判定手段にて判定された頻度が大きいときに、再生促進手段にフィルタを昇温させる制御手段とを備えた。
【0008】
従って、エンジンからの排ガスはフィルタを通過し、その際に排ガスに含まれるパティキュレート・マターがフィルタに捕捉される。フィルタでのパティキュレート・マターの堆積量は温度によって変化し、フィルタが所定温度以上、例えば250℃以上のときにはフィルタ上のパティキュレート・マターが焼却除去されるため、その堆積量が次第に減少し、逆に所定温度未満のときにはパティキュレート・マターが焼却されないため、その堆積量が次第に増加する。
また、排ガス中のNO x 量が多い状態では、パティキュレート・マター中の炭素(C)を反応させるためのNO 2 が豊富に生成されることから、パティキュレート・マターの燃焼作用が活発化される傾向がある。即ち、パティキュレート・マターの焼却は排ガス中のNO x 量、より詳しくはNO x/ S oot の影響を受けて、NO x/ S oot の増加に伴って促進される。
【0009】
そして、実際のフィルタ温度が上記所定温度を下回ったときの頻度が判定されてNO x/ S oot が低いほど増加側に補正され、その頻度が大きいときには、再生促進手段によりフィルタが強制的に昇温されて、パティキュレート・マターの焼却除去が図られる。つまり、頻度が大きいときには、フィルタ温度が継続的に低下したりNO x/ S oot が低くてパティキュレート・マターを焼却し難い状況であったりしてパティキュレート・マターの堆積量は確実に増加していると推測できるため、このフィルタ温度及びNO x/ S oot に基づく頻度はパティキュレート・マターの堆積量に対して正確に相関し、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術のように、DPFでのPM堆積量の偏りによる影響を受けることは一切ない。又、現時点のフィルタ温度及びNO x/ S ootを利用して頻度を求めているため、例えば、台上試験のデータからパティキュレート・マターの堆積量を推定する従来技術のように、エンジンやDPFの個体差及び経年劣化等の影響を受けることもない。従って、フィルタでのパティキュレート・マターの堆積量を正確に推定可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をコモンレール式ディーゼルエンジンに適用される連続再生式DPFの制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の連続再生式DPFの制御装置を示す全体構成図であり、図中のディーゼルエンジン1は、例えば直列4気筒エンジンとして構成され、その各気筒には燃料噴射ノズル2が設けられている。各燃料噴射ノズル2は燃料管路3を介して共通のコモンレール4に接続され、コモンレール4は燃料供給装置5に接続されている。
【0012】
又、エンジン1の排気通路7には後処理装置8が設けられ、この後処理装置8は上流側の酸化触媒9と下流側のフィルタとしての連続再生式DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)10とから構成されている。例えば酸化触媒9は、ハニカム型のセラミック担体上にプラチナ(Pt)等の貴金属からなる触媒層を担持して構成されている。又、DPF10は、例えば特開平11−101122号公報に記載されているように、ハニカム型のセラミック担体からなり、その多数の排ガス通路の上流側と下流側の開口部を交互に閉鎖することにより、図中に矢印で示すように、通路を形成している多孔質の壁を経て排ガスを流通させるように構成されている。
【0013】
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)11が設置されている。ECU11の入力側には、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ12、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ13、後処理装置8の上流側に設置されて、後処理装置8に導入される排ガスの温度(以下、DPF前温という)を検出する温度検出手段としての排気温センサ15等の各種センサ類が接続され、出力側には前記燃料噴射ノズル2や燃料供給装置5等の各種アクチュエータ類が接続されている。
【0014】
エンジン1からの排ガスは、排気通路7に案内されて酸化触媒9を経てDPF10に至り、DPF10の通路の壁を流通する際に含有するPMが捕捉され、大気中に排出される。例えば高速走行等のようにDPF前温が250℃以上に保たれる運転状態では、それに相当する温度まで酸化触媒9も昇温されて活性化しており、又、DPF10も燃焼可能な温度に達しているので、捕捉されたPMは焼却除去される。このときのDPF10でのPM焼却量はエンジン1からのPM排出量を上回ることから、結果としてDPF10に堆積しているPMは次第に減少することになり、連続的にPMが焼却されてDPF10が再生される。
【0015】
一方、例えば市街地走行等のようにDPF前温が250℃を下回る運転状態では、酸化触媒9及びDPF10の温度も低下してPMの焼却が中断されるため、上記したDPF10の連続的な再生作用は奏されなくなり、DPF10のPM堆積量が次第に増加することになる。そこで、PM堆積量が所定値に達した時点でDPF10を強制的に昇温させるための再生促進制御を実行するが、本実施形態の連続再生式DPFの制御装置では、排気温が250℃を下回る時間頻度に基づいて再生促進制御の実行タイミングを決定しており、以下、その制御の詳細を説明する。
【0016】
図2は再生促進制御の実行タイミングを決定するECUの処理手順を示しており、まず、燃料噴射量、エンジン回転速度、DPF前温等の各種情報がアイドル除外部21に入力される。アイドル除外部21では、燃料噴射量及びエンジン回転速度が共に所定値以下であるときに、再生促進制御の対象から除外する。つまり、アイドル運転時等のような低負荷低回転域ではエンジン1からのPM排出量が少なくて、DPF10のPM堆積量もほとんど増加しないことから、再生促進制御は不要と見なしているのである。
【0017】
次いで、DPF前温はK1設定部22に入力され、DPF前温に基づいて温度頻度係数K1が設定される(温度頻度判定手段)。この設定処理は図3のマップに従って行われ、設定後の温度頻度係数K1は乗算部23に入力される。
一方、燃料噴射量及びエンジン回転速度はNOx/Soot設定部24に入力され、これらの検出情報に基づいて図4のマップからNOx/Sootが推定されて(NOx/Soot判定手段)、その値がK2設定部25に入力される。K2設定部25では、図5のマップに従ってNOx/Sootから補正係数K2が設定され、設定後の補正係数K2が前記乗算部23に入力される。
【0018】
乗算部23では温度頻度係数K1と補正係数K2が乗算され、乗算後の値がK3設定部26に入力される。K3設定部26では入力値が規定時間毎に移動平均されて再生係数K3が求められると共に、その再生係数K3は記憶部27に記憶されて、次回のK3設定部26での演算に利用される。
図3に示すように前記温度頻度係数K1は、DPF前温が250℃未満の領域で0に設定される一方、250℃以上の領域では温度上昇に応じて1から次第に増加設定される。この図3の特性は、250℃を境界として活性化するDPF10の特性から求められたものであり、結果として温度頻度係数K1は(DPF10でのPM焼却量/エンジン1からのPM排出量)を表して、DPF10でのPM堆積量(DPF10の再生状況)と相関することになり、K1=1以上では、DPF10を再生するための温度に関する要件が満たされていることを意味する。
【0019】
又、図5に示すように前記補正係数K2は、NOx/Sootが25以上の領域ではNOx/Sootの増加に応じて1から次第に増加設定される一方、NOx/Sootが25未満の領域ではNOx/Sootの減少に応じて1から減少されて、16未満の領域では一定値(<1)に設定される。このときのNOx/Sootは、排ガス成分がPMを焼却し易い条件を具備しているか否かを表す指標として用いられている。
【0020】
即ち、PMを焼却可能な本来の下限温度は600℃程度であるが、NO2との酸化反応により、燃焼可能な下限温度を250℃まで下げることが可能となる。しかしながら、そのNO2の生成は排ガス中のNOx量に左右され、NOx量が多い場合にはNO2も多量に生成されるので250℃程度で安定した燃焼が得られるが、NOx量が少ない場合にはNO2の生成量も低下してしまうことから、250℃程度の温度状況では安定したPM燃焼を得難くなる。
【0021】
つまり、上記図3の250℃の条件は、排ガス中に十分なNOxが存在することを前提としたものである。よって、PMの焼却は排ガス中のNOx量、より詳しくはNOx/Sootの影響を受けて、NOx/Sootの増加に伴って促進され、且つ、250℃程度でPMを焼却するにはNOx/Soot=25以上が望ましいことが判明しているため、これらの要件を鑑みて上記図5の特性が設定されているのである。
【0022】
結果として、以上の特性の温度頻度係数K1及び補正係数K2から求められた前記再生係数K3は、1を境界としてDPF10でのPM堆積量と相関し、再生係数K3が1より低下するほど、DPF10でのPM焼却量に対してエンジン1からのPM排出量が上回って、PM堆積量が増加する状況となり、逆に再生係数K3が1より増加するほど、エンジン1からのPM排出量に対してDPF10でのPM焼却量が上回って、PM堆積量が減少する状況となる。
【0023】
そして、この再生係数K3に基づいてECU11により再生促進制御が実行される(制御手段)。例えば、再生係数K3が1を下回って予め第1の設定値として設定された0.8未満になると、再生促進制御として周知の吸排気絞りやリタードが実行されて(再生促進手段)、排ガスの昇温、及び未燃燃料が酸化触媒9で反応したときの反応熱により、下流側のDPF10が昇温される。
【0024】
又、これらの再生促進制御ではDPF10を再生可能な温度域まで昇温できず、再生係数K3が更に低下して予め第2の設定値として設定された0.5未満になると、再生促進制御としてポスト噴射が実施される(再生促進手段)。このポスト噴射は、上記主噴射のタイミングより遅い膨張行程以降で主噴射とは別個に行われる燃料噴射であり、噴射された燃料を燃焼室内の火炎により燃焼させて排ガスを昇温させたり、未燃燃料のまま酸化触媒9で反応させて反応熱を発生させたりし、これによりDPF10の昇温を図るものである。このポスト噴射による昇温は上記吸排気絞りやリタードより遥かに強力であり、DPF10は確実に昇温されて再生される。
【0025】
以上のように本実施形態の連続再生式DPFの制御装置では、DPF前温に基づいて温度頻度係数K1を設定し、その温度頻度係数K1から求めた再生係数K3に基づいて再生促進制御の要否を判定している。そして、DPF前温に基づく温度頻度係数K1はDPF10でのPM堆積量と正確に相関するため、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術のように、DPFでのPM堆積量の偏りによる影響を受けることは一切ない。又、現時点のDPF前温を利用して温度頻度係数K1を求めているため、例えば、台上試験のデータからPM堆積量を推定する従来技術のように、エンジン1やDPF10の個体差及び経年劣化等の影響を受けることもない。従って、DPF10でのPM堆積量を極めて正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる。
【0026】
よって、再生促進制御が不適切なタイミングで実行されたときのトラブル、例えば再生促進制御が必要以上に頻繁に実行された場合の燃費悪化、或いは逆に、必要なときに再生促進制御が実行されなかった場合のDPF10の破損や劣化等を未然に回避することができる。
しかも、DPF前温とは別のPM堆積量に影響する要因であるNOx/Sootを、補正係数K2として再生係数K3に反映させているため、DPF前温のみから判定した場合に比較して、PM堆積量の推定誤差をより排除できる。例えばDPF前温が250℃以上であっても、NOx/Sootが25未満ではNOxが不足するため、PM堆積量が増加して再生促進制御が必要なときがある。このような場合、DPF前温のみの判定では1以上の温度頻度係数K1が設定されて、再生促進制御が実行されないのに対し、本実施形態では、NOx/Sootから設定された1未満の補正係数K2により再生係数K3が減少補正されるため、結果として再生促進制御が実行され易くなり、その実行タイミングを一層適切なものとすることができる。
【0027】
加えて、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術では、排気通路の排ガスをパイプにより圧力センサまで導く必要があり、PMの堆積によりパイプが閉塞されてしまう虞があるが、本実施形態では圧力センサを用いておらず、又、排気温センサ15ではこのようなトラブルは発生しないことから、その信頼性を向上できるという利点もある。
【0028】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、コモンレール式ディーゼルエンジン用の連続再生式DPFの制御装置として具体化し、再生促進制御の一つとしてをポスト噴射を実施したが、代わりに通常のディーゼルエンジンに適用し、再生促進制御として吸排気絞りとリタードのみを実施するようにしてもよい。
【0029】
又、上記実施形態では、DPF前温に基づく温度頻度係数K1、及びNOx/Sootに基づく補正係数K2から再生係数K3を求めて、その再生係数K3に応じてPM堆積量を推定したが、必ずしもNOx/Sootを考慮する必要はなく、DPF前温のみに基づいてPM堆積量を推定してもよい。
更に、上記実施形態では、温度頻度係数K1と補正係数K2の乗算値を移動平均して再生係数K3を求めたが、各係数K1,K2が適正値(K1≧1、K2≧1)を下回ったときの頻度と相関する値を求める処理であれば、これに限定されることはなく、例えば各係数K1,K2を順次積分処理してもよい。
【0030】
一方、上記実施形態では、DPF10に導入される排ガス温度であるDPF前温に基づいてPM堆積量を推定したが、DPF10の温度と相関する値であれば、これに限定されるものではなく、例えばDPF自体の温度を検出するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明の連続再生式DPFの制御装置によれば、PM堆積量を正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の連続再生式DPFの制御装置を示す全体構成図である。
【図2】再生促進制御の実行タイミングを決定するECUの処理手順を示す説明図である。
【図3】DPF前温から温度頻度係数K1を設定するためのマップを示す説明図である。
【図4】燃料噴射量及びエンジン回転速度からNOx/Sootを推定するためのマップを示す説明図である。
【図5】NOx/Sootから補正係数K2を設定するためのマップを示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
7 排気通路
10 DPF(フィルタ)
11 ECU(再生促進手段、温度頻度判定手段、NOx/Soot判定手段、制御手段)
15 排気温センサ(温度検出手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続再生式ディーゼル・パティキュレート・フィルタ(以下、DPFと略す)の制御装置に係り、詳しくは、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれるパティキュレート・マター(以下、PMと略す)をDPFに捕捉して焼却除去する連続再生式DPFの制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
バス、トラック等に搭載されるディーゼルエンジンから排出される排ガスには、HC、CO、NOx等のほかにPMが多く含まれており、このPMを処理するための後処理装置として、酸化触媒をフィルタ前段に配置、若しくはフィルタ自体に酸化触媒を担持して排ガス中のNOからNO2を生成し、生成されたNO2によりフィルタに捕捉したPMを酸化燃焼させる連続再生式DPFが実用化されている。連続再生式DPFの作用を得るには、排ガスによりDPFが十分に昇温されて酸化触媒が活性化している必要がある。例えば、このときの排気温としては250℃以上が要求されるが、市街地走行等の走行状況では要求される温度域に到達しない場合が多く、結果としてPMが焼却されることなく次第にDPFでの堆積量が増加してしまう現象が生じる。そこで、PMの堆積量が所定の閾値に達したときには、例えば吸排気絞りや燃料噴射タイミングのリタード等の昇温技術によりDPFを昇温して、積極的にPMを焼却する再生促進制御が必要となる。
【0003】
又、上記PMの堆積量を直接検出することは困難なため、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定したり、或いは、台上試験により運転領域(エンジン回転速度及び負荷)毎にエンジンからのPM排出量とDPFでのPM焼却量とを測定して、両者の差を各運転領域でのPM堆積量と見なし、実際の運転領域から対応するPM堆積量を求めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した前段の推定手法は、PM堆積量がDPFの前後差圧と相関するとの観点に立ったものであるが、両者は必ずしも相関しない。即ち、DPFは外周側が大気に近いため冷却され易いことから、中心部ほど温度が高くなり、外周部ではPMの燃え残りが生じ易い。よって、PM堆積量には中心部から外周部にかけて偏りが発生し、しかも、その偏りはDPFの昇温状況によって相違する。これが上記した相関関係を崩す要因となり、結果としてPM堆積量の推定に誤差を発生させてしまうことになる。
【0005】
一方、後段の推定手法は、台上試験と実際の制御との間でエンジンやDPFの個体差(製造誤差等)が存在するため、PM堆積量データに対して実勢値がばらつく上に、エンジンやDPFの経年劣化を台上試験ではデータに反映することが困難なため、PM堆積量の推定誤差は避けられない。
以上の結果、実際に比較してPM堆積量が大きく推定されたときには、上記再生促進制御が必要以上に頻繁に実行されて燃費悪化を引き起こし、逆にPM堆積量が小さく推定されたときには、必要なときに再生促進制御が実行されずに、多量に堆積したPMが急速燃焼してDPFの破損や劣化等を引き起こしてしまう。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、PM堆積量を正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる連続再生式DPFの制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンの排気通路に設けられて、排ガス中に含まれるパティキュレート・マターを捕捉するフィルタと、フィルタを強制的に昇温して、フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却除去する再生促進手段と、フィルタの温度を検出する温度検出手段と、エンジンの排ガスに含まれるNO x/ S oot を判定するNO x/ S oot 判定手段と、フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却可能な温度に対して、温度検出手段にて検出されたフィルタ温度が下回ったときの頻度を判定すると共に、上記NO x/ S oot 判定手段にて判定されたNO x/ S oot が低いほど、上記フィルタ温度より判定した頻度を増加側に補正する温度頻度判定手段と、温度頻度判定手段にて判定された頻度が大きいときに、再生促進手段にフィルタを昇温させる制御手段とを備えた。
【0008】
従って、エンジンからの排ガスはフィルタを通過し、その際に排ガスに含まれるパティキュレート・マターがフィルタに捕捉される。フィルタでのパティキュレート・マターの堆積量は温度によって変化し、フィルタが所定温度以上、例えば250℃以上のときにはフィルタ上のパティキュレート・マターが焼却除去されるため、その堆積量が次第に減少し、逆に所定温度未満のときにはパティキュレート・マターが焼却されないため、その堆積量が次第に増加する。
また、排ガス中のNO x 量が多い状態では、パティキュレート・マター中の炭素(C)を反応させるためのNO 2 が豊富に生成されることから、パティキュレート・マターの燃焼作用が活発化される傾向がある。即ち、パティキュレート・マターの焼却は排ガス中のNO x 量、より詳しくはNO x/ S oot の影響を受けて、NO x/ S oot の増加に伴って促進される。
【0009】
そして、実際のフィルタ温度が上記所定温度を下回ったときの頻度が判定されてNO x/ S oot が低いほど増加側に補正され、その頻度が大きいときには、再生促進手段によりフィルタが強制的に昇温されて、パティキュレート・マターの焼却除去が図られる。つまり、頻度が大きいときには、フィルタ温度が継続的に低下したりNO x/ S oot が低くてパティキュレート・マターを焼却し難い状況であったりしてパティキュレート・マターの堆積量は確実に増加していると推測できるため、このフィルタ温度及びNO x/ S oot に基づく頻度はパティキュレート・マターの堆積量に対して正確に相関し、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術のように、DPFでのPM堆積量の偏りによる影響を受けることは一切ない。又、現時点のフィルタ温度及びNO x/ S ootを利用して頻度を求めているため、例えば、台上試験のデータからパティキュレート・マターの堆積量を推定する従来技術のように、エンジンやDPFの個体差及び経年劣化等の影響を受けることもない。従って、フィルタでのパティキュレート・マターの堆積量を正確に推定可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をコモンレール式ディーゼルエンジンに適用される連続再生式DPFの制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の連続再生式DPFの制御装置を示す全体構成図であり、図中のディーゼルエンジン1は、例えば直列4気筒エンジンとして構成され、その各気筒には燃料噴射ノズル2が設けられている。各燃料噴射ノズル2は燃料管路3を介して共通のコモンレール4に接続され、コモンレール4は燃料供給装置5に接続されている。
【0012】
又、エンジン1の排気通路7には後処理装置8が設けられ、この後処理装置8は上流側の酸化触媒9と下流側のフィルタとしての連続再生式DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)10とから構成されている。例えば酸化触媒9は、ハニカム型のセラミック担体上にプラチナ(Pt)等の貴金属からなる触媒層を担持して構成されている。又、DPF10は、例えば特開平11−101122号公報に記載されているように、ハニカム型のセラミック担体からなり、その多数の排ガス通路の上流側と下流側の開口部を交互に閉鎖することにより、図中に矢印で示すように、通路を形成している多孔質の壁を経て排ガスを流通させるように構成されている。
【0013】
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)11が設置されている。ECU11の入力側には、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ12、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ13、後処理装置8の上流側に設置されて、後処理装置8に導入される排ガスの温度(以下、DPF前温という)を検出する温度検出手段としての排気温センサ15等の各種センサ類が接続され、出力側には前記燃料噴射ノズル2や燃料供給装置5等の各種アクチュエータ類が接続されている。
【0014】
エンジン1からの排ガスは、排気通路7に案内されて酸化触媒9を経てDPF10に至り、DPF10の通路の壁を流通する際に含有するPMが捕捉され、大気中に排出される。例えば高速走行等のようにDPF前温が250℃以上に保たれる運転状態では、それに相当する温度まで酸化触媒9も昇温されて活性化しており、又、DPF10も燃焼可能な温度に達しているので、捕捉されたPMは焼却除去される。このときのDPF10でのPM焼却量はエンジン1からのPM排出量を上回ることから、結果としてDPF10に堆積しているPMは次第に減少することになり、連続的にPMが焼却されてDPF10が再生される。
【0015】
一方、例えば市街地走行等のようにDPF前温が250℃を下回る運転状態では、酸化触媒9及びDPF10の温度も低下してPMの焼却が中断されるため、上記したDPF10の連続的な再生作用は奏されなくなり、DPF10のPM堆積量が次第に増加することになる。そこで、PM堆積量が所定値に達した時点でDPF10を強制的に昇温させるための再生促進制御を実行するが、本実施形態の連続再生式DPFの制御装置では、排気温が250℃を下回る時間頻度に基づいて再生促進制御の実行タイミングを決定しており、以下、その制御の詳細を説明する。
【0016】
図2は再生促進制御の実行タイミングを決定するECUの処理手順を示しており、まず、燃料噴射量、エンジン回転速度、DPF前温等の各種情報がアイドル除外部21に入力される。アイドル除外部21では、燃料噴射量及びエンジン回転速度が共に所定値以下であるときに、再生促進制御の対象から除外する。つまり、アイドル運転時等のような低負荷低回転域ではエンジン1からのPM排出量が少なくて、DPF10のPM堆積量もほとんど増加しないことから、再生促進制御は不要と見なしているのである。
【0017】
次いで、DPF前温はK1設定部22に入力され、DPF前温に基づいて温度頻度係数K1が設定される(温度頻度判定手段)。この設定処理は図3のマップに従って行われ、設定後の温度頻度係数K1は乗算部23に入力される。
一方、燃料噴射量及びエンジン回転速度はNOx/Soot設定部24に入力され、これらの検出情報に基づいて図4のマップからNOx/Sootが推定されて(NOx/Soot判定手段)、その値がK2設定部25に入力される。K2設定部25では、図5のマップに従ってNOx/Sootから補正係数K2が設定され、設定後の補正係数K2が前記乗算部23に入力される。
【0018】
乗算部23では温度頻度係数K1と補正係数K2が乗算され、乗算後の値がK3設定部26に入力される。K3設定部26では入力値が規定時間毎に移動平均されて再生係数K3が求められると共に、その再生係数K3は記憶部27に記憶されて、次回のK3設定部26での演算に利用される。
図3に示すように前記温度頻度係数K1は、DPF前温が250℃未満の領域で0に設定される一方、250℃以上の領域では温度上昇に応じて1から次第に増加設定される。この図3の特性は、250℃を境界として活性化するDPF10の特性から求められたものであり、結果として温度頻度係数K1は(DPF10でのPM焼却量/エンジン1からのPM排出量)を表して、DPF10でのPM堆積量(DPF10の再生状況)と相関することになり、K1=1以上では、DPF10を再生するための温度に関する要件が満たされていることを意味する。
【0019】
又、図5に示すように前記補正係数K2は、NOx/Sootが25以上の領域ではNOx/Sootの増加に応じて1から次第に増加設定される一方、NOx/Sootが25未満の領域ではNOx/Sootの減少に応じて1から減少されて、16未満の領域では一定値(<1)に設定される。このときのNOx/Sootは、排ガス成分がPMを焼却し易い条件を具備しているか否かを表す指標として用いられている。
【0020】
即ち、PMを焼却可能な本来の下限温度は600℃程度であるが、NO2との酸化反応により、燃焼可能な下限温度を250℃まで下げることが可能となる。しかしながら、そのNO2の生成は排ガス中のNOx量に左右され、NOx量が多い場合にはNO2も多量に生成されるので250℃程度で安定した燃焼が得られるが、NOx量が少ない場合にはNO2の生成量も低下してしまうことから、250℃程度の温度状況では安定したPM燃焼を得難くなる。
【0021】
つまり、上記図3の250℃の条件は、排ガス中に十分なNOxが存在することを前提としたものである。よって、PMの焼却は排ガス中のNOx量、より詳しくはNOx/Sootの影響を受けて、NOx/Sootの増加に伴って促進され、且つ、250℃程度でPMを焼却するにはNOx/Soot=25以上が望ましいことが判明しているため、これらの要件を鑑みて上記図5の特性が設定されているのである。
【0022】
結果として、以上の特性の温度頻度係数K1及び補正係数K2から求められた前記再生係数K3は、1を境界としてDPF10でのPM堆積量と相関し、再生係数K3が1より低下するほど、DPF10でのPM焼却量に対してエンジン1からのPM排出量が上回って、PM堆積量が増加する状況となり、逆に再生係数K3が1より増加するほど、エンジン1からのPM排出量に対してDPF10でのPM焼却量が上回って、PM堆積量が減少する状況となる。
【0023】
そして、この再生係数K3に基づいてECU11により再生促進制御が実行される(制御手段)。例えば、再生係数K3が1を下回って予め第1の設定値として設定された0.8未満になると、再生促進制御として周知の吸排気絞りやリタードが実行されて(再生促進手段)、排ガスの昇温、及び未燃燃料が酸化触媒9で反応したときの反応熱により、下流側のDPF10が昇温される。
【0024】
又、これらの再生促進制御ではDPF10を再生可能な温度域まで昇温できず、再生係数K3が更に低下して予め第2の設定値として設定された0.5未満になると、再生促進制御としてポスト噴射が実施される(再生促進手段)。このポスト噴射は、上記主噴射のタイミングより遅い膨張行程以降で主噴射とは別個に行われる燃料噴射であり、噴射された燃料を燃焼室内の火炎により燃焼させて排ガスを昇温させたり、未燃燃料のまま酸化触媒9で反応させて反応熱を発生させたりし、これによりDPF10の昇温を図るものである。このポスト噴射による昇温は上記吸排気絞りやリタードより遥かに強力であり、DPF10は確実に昇温されて再生される。
【0025】
以上のように本実施形態の連続再生式DPFの制御装置では、DPF前温に基づいて温度頻度係数K1を設定し、その温度頻度係数K1から求めた再生係数K3に基づいて再生促進制御の要否を判定している。そして、DPF前温に基づく温度頻度係数K1はDPF10でのPM堆積量と正確に相関するため、例えば、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術のように、DPFでのPM堆積量の偏りによる影響を受けることは一切ない。又、現時点のDPF前温を利用して温度頻度係数K1を求めているため、例えば、台上試験のデータからPM堆積量を推定する従来技術のように、エンジン1やDPF10の個体差及び経年劣化等の影響を受けることもない。従って、DPF10でのPM堆積量を極めて正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる。
【0026】
よって、再生促進制御が不適切なタイミングで実行されたときのトラブル、例えば再生促進制御が必要以上に頻繁に実行された場合の燃費悪化、或いは逆に、必要なときに再生促進制御が実行されなかった場合のDPF10の破損や劣化等を未然に回避することができる。
しかも、DPF前温とは別のPM堆積量に影響する要因であるNOx/Sootを、補正係数K2として再生係数K3に反映させているため、DPF前温のみから判定した場合に比較して、PM堆積量の推定誤差をより排除できる。例えばDPF前温が250℃以上であっても、NOx/Sootが25未満ではNOxが不足するため、PM堆積量が増加して再生促進制御が必要なときがある。このような場合、DPF前温のみの判定では1以上の温度頻度係数K1が設定されて、再生促進制御が実行されないのに対し、本実施形態では、NOx/Sootから設定された1未満の補正係数K2により再生係数K3が減少補正されるため、結果として再生促進制御が実行され易くなり、その実行タイミングを一層適切なものとすることができる。
【0027】
加えて、DPFの前後差圧からPM堆積量を推定する従来技術では、排気通路の排ガスをパイプにより圧力センサまで導く必要があり、PMの堆積によりパイプが閉塞されてしまう虞があるが、本実施形態では圧力センサを用いておらず、又、排気温センサ15ではこのようなトラブルは発生しないことから、その信頼性を向上できるという利点もある。
【0028】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、コモンレール式ディーゼルエンジン用の連続再生式DPFの制御装置として具体化し、再生促進制御の一つとしてをポスト噴射を実施したが、代わりに通常のディーゼルエンジンに適用し、再生促進制御として吸排気絞りとリタードのみを実施するようにしてもよい。
【0029】
又、上記実施形態では、DPF前温に基づく温度頻度係数K1、及びNOx/Sootに基づく補正係数K2から再生係数K3を求めて、その再生係数K3に応じてPM堆積量を推定したが、必ずしもNOx/Sootを考慮する必要はなく、DPF前温のみに基づいてPM堆積量を推定してもよい。
更に、上記実施形態では、温度頻度係数K1と補正係数K2の乗算値を移動平均して再生係数K3を求めたが、各係数K1,K2が適正値(K1≧1、K2≧1)を下回ったときの頻度と相関する値を求める処理であれば、これに限定されることはなく、例えば各係数K1,K2を順次積分処理してもよい。
【0030】
一方、上記実施形態では、DPF10に導入される排ガス温度であるDPF前温に基づいてPM堆積量を推定したが、DPF10の温度と相関する値であれば、これに限定されるものではなく、例えばDPF自体の温度を検出するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明の連続再生式DPFの制御装置によれば、PM堆積量を正確に推定して、常に適切なタイミングで再生促進制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の連続再生式DPFの制御装置を示す全体構成図である。
【図2】再生促進制御の実行タイミングを決定するECUの処理手順を示す説明図である。
【図3】DPF前温から温度頻度係数K1を設定するためのマップを示す説明図である。
【図4】燃料噴射量及びエンジン回転速度からNOx/Sootを推定するためのマップを示す説明図である。
【図5】NOx/Sootから補正係数K2を設定するためのマップを示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
7 排気通路
10 DPF(フィルタ)
11 ECU(再生促進手段、温度頻度判定手段、NOx/Soot判定手段、制御手段)
15 排気温センサ(温度検出手段)
Claims (1)
- エンジンの排気通路に設けられて、排ガス中に含まれるパティキュレート・マターを捕捉するフィルタと、
上記フィルタを強制的に昇温して、該フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却除去する再生促進手段と、
上記フィルタの温度を検出する温度検出手段と、
上記エンジンの排ガスに含まれるNO x/ S oot を判定するNO x/ S oot 判定手段と、
上記フィルタに堆積したパティキュレート・マターを焼却可能な温度に対して、上記温度検出手段にて検出されたフィルタ温度が下回ったときの頻度を判定すると共に、上記NO x/ S oot 判定手段にて判定されたNO x/ S oot が低いほど、上記フィルタ温度より判定した頻度を増加側に補正する温度頻度判定手段と、
上記温度頻度判定手段にて判定された頻度が大きいときに、上記再生促進手段にフィルタを昇温させる制御手段と
を備えたことを特徴とする連続再生式DPFの制御装置。
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