JP3959051B2 - バックライト装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器に用いて有用なバックライト装置及び液晶表示装置(以下LCDと記す)に係わり、特にバックライト装置及びLCDの駆動電圧を低下させると共にバックライト装置或いはLCDの照光面の輝度分布バランス及び温度分布バランスを改善したバックライト装置及びLCDに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、LCDに使用されているバックライト装置はマイクロコンピュータ、テレビジョン受像機等の電子機器の表示装置として広く利用されている。LCDは大きく分けてカラーフィルタ、TFTアレイを生成した二枚のガラス基板間に液晶を封じたセル及びバックライト装置からなり、液晶セルだけでは非発光性のため、バックライト装置の様な外部照射用の光源を必要としている。
【0003】
この様なLCDのバックライト装置の円筒状光源としては冷陰極管又は熱陰極管等の細径の蛍光管(ランプ)を用いるのが一般的である。バックライト装置の構造としては、導光板の側面に円筒状光源を配設したエッジライト方式と、筐体内部に反射体(以下反射板と記す)及び円筒状光源を収納し、筐体開口に配設した光透過拡散板に円筒状光源からの直接光及び円筒状光源からの光を反射板で反射させた光を光透過拡散板で入射拡散させて均一な面状光を出光させる様にした直下方式が知られている。
【0004】
上述の直下方式或いはエッジライト方式はLCDの要求性能に応じて選択されるが直下方式は円筒状光源の直接光を利用するためエッジライト方式に比較して光の利用効率が高く、ノートブックパソコン、モニタ、テレビジョン受像機等の情報機器や電子機器の様に高輝度を必要とする用途に広く用いられている。
【0005】
図9(A)は従来の直下方式のバックライト装置を示す平面図であり、図9(B)は図9(A)のA−A断面矢視図、図9(C)は図9(A)のB−B断面矢視図、図9(D)(E)は高電圧供給用のインバータ回路基板取付け状態を示す略線的な平面図である。
【0006】
図9(A)乃至(E)に於いて、バックライト装置6のランプハウスとなる筐体1は上面に開口部1aを有する例えば、矩形状の箱状と成され、合成樹脂で一体成型するか、金属板或いは金属板と成型用の合成樹脂を組み合わせて作製する。
【0007】
筐体1内には高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させて反射面としての反射板2を形成する。図9(B)(C)於いては、この反射板2は四辺を傾斜させた断面台形状の板材で形成されている。
【0008】
円筒状光源3は筐体1の底面から1〜2mm程度離間した位置に保持する。高反射グレード樹脂の射出成型で得た円筒光源支持台に設けたインバータ回路基板9に接続したジャックに円筒状光源3の両端に設けたプラグを挿通して電極部5を構成する。又、筺体1内に配置する円筒状光源3の本数はLCDやバックライト装置6に要求される輝度によって決定する。
【0009】
上記した各部品を組み立て、開口部1aの上面に乳白色アクリル樹脂等を用いた光透過拡散板4を覆う様に配置させると共に、この光透過拡散板4上には図示しないが、少なくとも1枚以上の拡散シートや集光シートが配置されている。円筒状光源3から放射状に発した光は直接或いは筐体1内の反射板2で反射されて光透過拡散板4に到達し、光透過拡散板4で面発光に変換され、更に集光シートによって照光面の法線方向に光を集光させることでバックライト装置6が構成され、上述の拡散シートや集光シート上に液晶パネル8が載置されてLCDを構成している。
【0010】
上述の光透過拡散板4、集光シート、液晶パネル8等は筐体1の四辺に形成したフランジ部に取りつけた抑え部材を介して固定されている。この様なバックライト装置及びLCDは特許文献1に開示されている。
【0011】
また、筐体1の底部1bには図9(B)の断面図及び図9(D)の平面図に示すように、筺体1の右端側に切起片7が設けられる、この切起辺7は円筒状光源3の電極部5の近傍に形成され、高圧電源供給用のインバータ回路基板9が切起片7を介して筺体1の底部1bの裏側に固定されている。図9(E)はインバータ回路基板9を筺体1の左端側に配し、複数のU字状に曲げた円筒状光源3の高圧側の電極部5をインバータ回路基板9に接続し、筺体1の開口部1bの短辺方向に並設させたものである。この様なバックライト装置及びLCDは特許文献2に記載されている。
【0012】
【特許文献1】
特許公開2002−116705号公報(図10〜図12)
【特許文献2】
特許公開2000−352718号公報(第4頁、段落番号0030)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、従来構成のLCD及びバックライト装置ではLCDの大型化に伴って、バックライト装置の輝度を向上させる為にインバータ回路基板9の駆動電圧も高電圧化され、円筒状光源3も管軸長が長軸化されている。
【0014】
上述の様な円筒状光源3ではLCDが大型化され、例えば50インチLCDでは円筒状光源の長さは1000mm程度と成り、1本の円筒状光源3上の高圧電極側と低圧電極側では輝度差(輝度ムラ)或いは輝度分布ムラが発生して、図10(A)の曲線11に示す様に円筒状光源3の長手方向で輝度の明暗を生ずる問題を有していた。
【0015】
一方、LCDの表示品位の優劣を表す重要な要素にバックライト装置6の照射面の輝度均一性がある。この輝度均一性を表す要素の1つに輝度ムラがある。輝度ムラは照光面内の輝度分布を数値でとらえたものであり、照光面内の規定された測定ポイントにおける法線方向の最大輝度と最小輝度の比率で示される。すなわち、輝度ムラは(最低輝度/最大輝度)×100%で定義されている。
【0016】
例えば、29インチ(A=684mm×420mm)LCDで3φ、長さ642mmの円筒状光源を開口部1aの短辺方向に等間隔で16本並設し、円筒状光源3の入力電圧を14V、入力電流を6.7Aとし、消費電力は94Wで測定した場合での平均輝度ムラは86.2%程度である。
【0017】
更に、上述のバックライト装置及びLCDでは図10(A)の輝度特性曲線に示す様な特性に依って、輝度分布バランスが乱される問題があつた。図10(A)の輝度特性曲線の縦軸は輝度を、横軸は筐体1の開口部1aの長辺に沿って並行に配設した円筒状光源3の長手方向を示すものであり、筐体1の開口部1a上に載置した光透過拡散板4上での輝度分布特性図を示すものである。
【0018】
図10(A)に於いて、LCD等の調光時には円筒状光源3の管電流が例えば、3mAの如く低電流では、インバータ回路基板9を配置した側の輝度が高く(明るく)、低圧側が低く(暗く)なる。又、逆に円筒状光源3の管電流が例えば、7mAの如く高電流ではインバータ回路基板9を配置した側の輝度が低く(暗く)、低圧側が高く(明るく)なり曲線12の如き特性を示す。
【0019】
上述の特性曲線を示す理由を図10(B)により説明する。図10(B)は縦軸が相対輝度を示し、横軸が周囲温度を示している。同図で曲線14bは円筒状光源3の管電流が5mAの場合を示し、曲線14aは円筒状光源3の管電流が3mAの場合である。25℃に於ける夫々の円筒状光源3の管電流の相対輝度を100%とすると管電流が小さい曲線14aの場合には、管電流が大きい曲線14bに比べて周囲温度が高くなると、飽和状態での相対輝度は曲線14aの様に高い輝度を示し、図10(A)の曲線11で示す様に周囲温度が高いインバータ回路基板9がある側の温度が高いので高い輝度値を示している。1方、5mAを流した曲線14b側では相対輝度が低くなっている。従がつて7mAの管電流を流した場合には曲線14bで示す相対輝度より更に低い相対輝度となって図10(A)の曲線12で示す様に7mAの管電流を流した場合には周囲温度が高いインバータ回路基板9がある側の温度が高くても低い輝度値を示し、低い周囲温度で高い輝度値を示している。又、インバータ回路基板9のない側の温度は低くい為に曲線11に示す様に低圧側の輝度は低くなっているが、これは管電流が高圧側から低圧側に流れている間に、筺体1の底板1bとの間で生ずる浮遊容量を通して漏洩電流によって円筒状光源3の低圧側に流れる電流が小さくなっていく為に低電圧側の輝度が低くなることになる。
【0020】
一方、円筒状光源3に高電流を流すとインバータ回路基板9の発熱により、温度が高い状態になり筺体1の底部1bに温度勾配が出来てインバータ回路基板9側の円筒状光源3の発光効率が悪くなり、低電圧側の円筒状光源3の発光効率が良くなり、高電圧側の輝度が低くなることになる。
【0021】
此の様なことから、円筒状光源3の長手方向の略中央位置に輝度バランスを合わせるために、図10(A)の輝度バランス曲線13に示すよう管電流を調整して最適化する必要が生ずる。図10(A)では管電流を5mAに選択して、輝度バランスが円筒状光源3の長手方向の略中央位置で最高輝度と成るような最適化を行わなければならない課題を有していた。
【0022】
又、図11は、インバータ回路基板9を筺体1の右端側底部1bの裏面に配し、複数の直管状の円筒状光源3の一方の電極部(以下プラグと記す)5PRをインバータ回路基板9の高圧側の電極部(以下ジャックと記す)5Hに接続し、他方のプラグ5PLをインバータ回路基板9の低圧側のジャック5Lに接続し、筺体1の開口部1aの短辺方向に並設させたものであり、この様な円筒状光源3に高電流を流すとインバータ回路基板9側が発熱し、インバータ回路基板9側が非常に熱くなる。その結果、図11に示す様に、筺体1の開口部1a上の照光面の右端側に高温度領域15を生じ、インバータ回路基板9から左端側に行くに従って、中温度領域16、小温度領域17となり、照光面上の温度分布に傾斜を生ずることになる。
【0023】
更に、図12に示す様にインバータ回路基板9を筺体1の右端側に配し、複数の直管状の円筒状光源3の高圧側のプラグ5PRをインバータ回路基板9高圧側のジャック5Hに接続し、他方のプラグ5PLをインバータ回路基板9の低圧側のジャック5Lに接続し、筺体1の開口部1aの短辺方向に並設させたものでは、円筒状光源3の管軸長が長くなり、例えば、円筒状光源3の長さが1000mmにもなると、円筒状光源3を駆動する駆動電圧は1000V以上の高電圧を必要とする。この円筒状光源3の始動時には、定常時の略2倍程度の電圧が必要となり、例えば、円筒状光源3に1000Vの電圧がかかる場合には、始動時には2000Vの高電圧が円筒状光源3にかかるようになる。このため、インバータ回路基板9のトランスが大きくなり、LCD及びバックライト装置の厚みが増すという課題を有していた。
【0024】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、発明が解決しようとする課題はバックライト装置が大型化されて筺体1の底部1bに配設されたインバータ回路基板9の大型化、駆動電圧の高電圧化に伴う高電圧化、円筒状光源3の管軸方向の長軸化等で例えば、円筒状光源3の管軸長が1000mm、LCDが30インチ等になっても、円筒状光源3の管電流を供給するための駆動電圧及びインバータ回路基板9のトランス電圧を低減させ、円筒状光源3の管電流の最適化を行って、輝度分布バランス及び温度分布の均一化を図り、輝度ムラを減少可能なバックライト装置及びLCDを提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のバックライト装置は、両端に電極部が配された複数の直管状の円筒状光源を筐体内に配設し、上記筺体の底部背面に上記円筒状光源を駆動するトランスを有するインバータ回路基板を配し、上記トランスの高電圧端子を上記電極部に接続して成る直下型のバックライト装置に於いて、上記複数の円筒状光源は上記筐体底部上に並設されており、上記筐体底部に垂直な方向から見たとき、上記インバータ回路基板は上記並設された複数の円筒状光源のそれぞれの中央部と重なるように、配置されていることを特徴とする。本発明の他の形態のバックライト装置は、両端に電極部が配された複数の略U状、略M状、略コ状、略Ω状、または略凸状の曲管状の円筒状光源を四角形の筐体内に配設し、上記筺体の底部背面に上記円筒状光源を駆動するトランスを有するインバータ回路基板を配し、上記トランスの高電圧端子を上記電極部に接続して成る直下型のバックライト装置に於いて、上記複数の円筒状光源は、上記両端の電極部を上記筐体の短辺方向又は長辺方向の中央部に向けた状態で対称に配置されており、上記インバータ回路基板は上記筐体の中央部に配置されており、上記筐体底部に垂直な方向から見たとき、上記並設された複数の円筒状光源のそれぞれの両端電極部が上記インバータ回路基板上に位置させてあることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る液晶表示装置は、上述の直下型のバックライト装置と、上記バックライト装置から出射される光に照射される液晶パネルとを有することを特徴とする。
【0037】
本発明のバックライト装置及びLCDに依れば、インバータ回路基板が筺体の底部側に配設されたバックライト装置及びLCDが大型化され、円筒状光源の管軸方向の長さが長くなり、駆動電圧の高電圧化に伴って、円筒状光源の管軸長が例えば、1000mm、LCDが30インチ用以上となっても、円筒状光源に管電流を供給する為の駆動電圧及びインバータ回路基板のトランス電圧を低くして電圧の低減化を図り、円筒状光源の管電流の最適化を行なう際に輝度分布バランス及び温度分布の均一化を図って輝度ムラを減少可能なバックライト装置及びLCDを得ることが出来る。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1形態例を示すバックライト装置及びLCDの構成を図1乃至図8によって説明する。尚、図9乃至図12の従来構成との対応部分には同一符号を付して説明する。
【0039】
図1は本発明のバックライト装置の基本的接続を示す略線図、図2(A)乃至(C)は本発明のLCDに用いるバックライト装置の筐体を上から見た略線図で、光透過拡散板を開口部から除去した筐体の平面図を示すものであり、図3(A)乃至(J)は図2と同様の本発明の他の形態を示すLCDに用いるバックライト装置の略線的平面図と、曲管状の円筒状光源の正面図及び波形説明図である。
【0040】
図1及び図2(A)乃至(C)並びに図3(A)乃至(J)に示す本発明のバックライト装置6の筐体1は平面形状が長方形の箱型(厚みt=2mmのステンレス)であり、筐体1の内部には、複数本の円筒状光源(例えば、冷陰極管)3が、互に平行に配されている。筐体1の内面は図9(B)に示す様に白色の反射面と成る反射板が形成され、その四辺は反射効率を高めるため傾斜させ、断面略台形となる様に成されている。
【0041】
更に、筐体1の開口部1aの長辺方向を少なくとも二分割した位置に図1及び図2(A)の様にインバータ回路基板9が筐体1の底部1bの裏面に固定される。筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の円筒状光源群3の1方の電極部5を構成するプラグ5PLはインバータ回路基板9のトランスT2の2次側の高圧側端子の電極部5を構成するジャック5HL側に接続され、他方の電極部5を構成するプラグ5PRはインバータ回路基板9のトランスT1の2次側の高圧側端子の電極部5を構成するジャック5HR側に接続され、トランスT1及びT2の低圧側Lは図1に示す様に安定化回路5Sに接続されている。又、トランスT1、T2の1次側はロイーヤ回路RYに接続されている。
【0042】
図2(A)の筐体1ではインバータ回路基板9が筺体1の底部1bの略中央裏面に固定されるが、この固定方法は底部1bの裏面にインバータ回路基板9を直接固定しても、所定のスペーサを介して底部1bの裏面に固定する様に成してもよい。
【0043】
図2(B)は本発明の他の形態例のバックライト装置を示すものであり、例えば横長のアスペクト比が9対16等のハイビジョン用のLCDに用いる筐体1の開口部1aの長辺方向を4分割した4分の1の位置に2個の第1及び第2のインバータ回路基板9a、9bを夫々筐体1の底部1bの裏面に固定している。筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の第1及び第2の左右側の円筒状光源群3La、及び3Ra、の1方の電極部5を構成するプラグ5PLは第1及び第2のインバータ回路基板9a、9bの高圧側の電極部5を構成するトランスT2の2次側ジャック5HLに接続され、他方の電極部5を構成するプラグ5PRはインバータ回路基板9のトランスT1の2次側の高圧側端子の電極部5を構成するジャック5HR側に接続され、トランスT1及びT2の低圧側Lは図1に示すと同様に安定化回路5Sに接続されている。又、トランスT1、T2の1次側はロイーヤ回路RYに接続されている。
【0044】
図2(C)は本発明の更に他の形態例のバックライト装置を示すものであり、実線で示すバックライト装置6の場合は、例えばアスペクト比が3対4等のLCDに用いるものであり、筐体1の開口部1aの短辺方向を2分割した略2分の1の位置に1個のインバータ回路基板9を筐体1の底部1bの裏面に固定している。筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の上下側に延設された円筒状光源群3の1方の電極部5を構成するプラグ5PLはインバータ回路基板9のトランスT2の2次側の高圧側端子の電極部5を構成するジャック5HL側に接続され、他方の電極部5を構成するプラグ5PRはインバータ回路基板9のトランスT1の2次側の高圧側端子の電極部5を構成するジャック5HR側に接続され、トランスT1及びT2の低圧側Lは図1に示す様に安定化回路5Sに接続されている。又、トランスT1、T2の1次側はロイーヤ回路RYに接続されている。
【0045】
図2(C)に於いて、破線で示すものは、例えば横長のアスペクト比が9対16等のハイビジョン用のLCDに用いるものでありインバータ回路基板9、筐体1の開口部1aの短辺方向を2分割した略2分の1の位置に3個のインバータ回路基板9、9a、9bを夫々筐体1の底部1bの裏面に固定している。第1及び第2の筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の円筒状光源群3のインバータ回路基板9のトランスT1、T2との接続関係は実線部分の筺体1と同様である。
【0046】
図3(A)乃至(C)に示すものは本発明のバックライト装置の更に他の構成を示すものであり、図3(A)は図(2A)で示したと同様にインバータ回路基板9が筺体1の底部1bの略中央裏面に固定されて、円筒状光源3を曲管状の略U字状となした左右円筒状光源群3L、3Rの2個の電極部5を構成するプラグ5PL、5PRをインバータ回路基盤9の2個の高電圧側トランスT1、T2のジャック5HL、5HRにプラグインさせたものである。この場合の曲管状の左右円筒状光源群3L、3Rの形状は略U字状となした左右円筒状光源群3L、3Rの2個のガラス管の端部は下方に直角に折り曲げられ、その先端にプラグ5PL、5PRを装着している。
【0047】
図3(B)は、例えば横長のアスペクト比が9対16等のハイビジョン用のLCDに用いるものであり、筐体1の開口部1aの短辺方向を2分割した略2分の1の位置に3個の第1乃至第3のインバータ回路基板9、9a、9b、を夫々筐体1の底部1bの裏面に固定している。筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の第1及び第2の上下側の曲管状の略U字状となした上下側円筒状光源群3U、及び3Dの2個の電極部5を構成するプラグ5PL,5PRをインバータ回路基盤9の2個の高電圧側トランスT1、T2のジャック5HL、5HRにプラグインさせたものである。
【0048】
図3(C)に示すものは、本発明のバックライト装置の更に他の構成を示すものであり、図3(C)は図2(A)及び図3(A)で示したと同様の直管状の円筒状光源群3及び曲管状の略U字状となした左右側円筒状光源群3L、3Rのプラグ5PL、5PRを筺体1の底部1bの略中央裏面に固定したインバータ回路基板9のトランスT1、T2のジャック5HL、5HRに装着して、左右側円筒状光源群3L、3Rを曲管状の略U字状となしたものと、円筒状光源群3を直管状となしたものとを組み合わせたものであり、筺体1の開口部1aの内面に並設される複数の直管状の円筒状光源群3及び曲管状の左右側円筒状光源群3L、3Rの2個の電極部5を構成するプラグ5PL、5PRをインバータ回路基盤9の2個の高電圧側トランスT1、T2のジャック5HL、5HRにプラグインさせたものである。
【0049】
上述の円筒状光源3では、その形状を曲管状の略U字状となして、左右側円筒状光源群3L、3Rの2個の電極部5を構成するプラグ5PL、5PRをインバータ回路基盤9の2個の高電圧側トランスT1、T2のジャック5HL、5HRにプラグインさせたがその形状は図3(D)乃至図3(H)に示すように種々の形状にすることが出来る。即ち、図3(D)は曲管部を略M字状となしたものであり、図3(E)は曲管部を略コ字状となしたものであり、図3(F)は曲管部を略Ω字状となしたものであり、図3(G)は曲管部を略Ω字状となし脚部を狭めたものであり、図3(H)は曲管部を略凸字状となし脚部を広げたものである。上述の形状の他に適宜の形状とすることができる。要するに、頂部を曲管状となせばよい。
【0050】
図3(I)及び図3(J)に示すものは、例えば、図3(A)に示すように、左右側円筒状光源3L、3Rを曲管状の略U字状として左右側の円筒状光源3L、3Rの電極部5を構成するプラグ5PL、5PRをインバータ回路基盤9の2個の高電圧側トランスT1、T2のジャック5HL、5HRにプラグインさせたものであるが、インバータ回路基板9の1方のトランスT1のジャック5HLには図3(J)の波形19で示す入力電圧を印加し、他方のトランスT2のジャック5HRにはこの波形19で示す入力電圧とは逆位相の図3(I)で示す入力電圧波形18を印加するようにしたので、入力電圧を低減することが出来ると共にトランスの小型化を図ることが出来る。
【0051】
以下、本発明の1実施例を図4(A)(B)及び図5(A)(B)により説明する。図4(A)(B)は本発明のバックライト装置の筐体の光透過拡散板を開口部から除去した筐体の平面図を示すものであり、図4(B)は図4(A)のC−C断面矢視図である。図4(A)(B)に於いて、本発明のバックライト装置6の筐体1は平面形状が長方形の箱型(厚みt=2mmのステンレス)であり、筐体1の内部には、複数本の円筒状光源(例えば、冷陰極管)3が、互に平行に配されている。筐体1の内面は図4(B)に示す様に白色の反射面と成る反射板2が形成され、その四辺は反射効率を高めるため傾斜させ、断面略台形となる様に成されている。
【0052】
図4(A)及び図4(B)の筐体1ではインバータ回路基板9が筺体1の開口部1aの短辺方向と平行になる位置の底部1bの中央裏面に直接或いはスペーサ等を介して固定される。筺体1内に配される電極部5を構成するプラグ5PL、5PRは図4(C)又は図4(D)に示す如く構成させる。即ち、図4(C)及び図4(D)に示す様に断面が略L字状と成されたランプ保護ゴム5A内で左右側円筒状光源群3L、3Rのジュメット線5Bをインバータ回路基盤9に接続されるHVケーブル5Cのワイヤ5Dと接合させることで電極部5(5PL,5PR,5HL,5HR)を構成させている。図4(C)ではジュメット線5Bを直角に折り曲げて、HVケ−ブル5Cのワイヤ5Dをジュメット線5Bの先端に接合させた場合であり、図4(D)の場合はジュメット線5Bを左右側円筒状光源群3L、3Rの長手方向と同一方向にしたまま、このジュメット線5Bの先端にHVケ−ブル5Cのワイヤ5Dをからませて接合させた場合である。勿論、これらの電極部5は直角にL字状に折り曲げられたタコネクタを用いることや左右側円筒状光源群3L、3RをL字状に折り曲げたガラス管に取り付ける様にしてもよい。これら左右側円筒状光源群3L、3Rは、図3(A)と同様に曲管状の略U字状として、このインバータ回路基板9の中央位置から筺体1の左右側板方向に曲管状の略U字状部が配設されている。勿論、前記した図3(C)の様に筺体1の左右或いは上下方向に曲管状の脚部(プラグ)を配する様に円筒状光源を並設させる様にしても良い。
【0053】
更に、図4A)(B)に示す様に筺体1の内面に並設される複数の左右側円筒状光源群3L、3Rの管軸に沿って必要に応じて筺体1の底部1b又は(及び)反射板2の裏面に、複数の透孔又はスリット18が穿たれている。
【0054】
このインバータ回路基板9は底部1bと一体的に形成された切起片7で保持される。又、必要に応じて換気用の透孔又はスリット18が底部1b穿たれる。この透孔又はスリット18は筐体1内に並設する左右側円筒状光源群3L,3Rの曲管状の管軸方向に沿った真下に設けられ、その直径又はスリット幅は、左右側円筒状光源群3L、3Rの管経より大きい幅と成されている。
【0055】
更に、本発明のバックライト装置は図に示す様に筐体1の開口部1aを覆う様に、例えば、乳白色アクリル樹脂からなる長方形状の光透過拡散板4及び集光シート20を配設すると共に、集光シート20上に液晶パネル8を枠部材21や抑え部材22を介して固定する様に成されている。
【0056】
上述のバックライト装置6では筐体1の底部1bに穿つ透孔18を左右側円筒状光源群3L、3Rの曲管状の管軸方向に沿ったスリット状の形状としたが、インバータ回路基板9の取付位置の真上或はその近傍の高電圧供給側の電極部5近傍に略矩形状の透孔18を穿つ様にしてもよい。勿論、この透孔18の形状は矩形に限定されるものでなく、正方形、円形、楕円形、8角形等の多角形等でよい。
【0057】
図5(A)(B)に示す、本発明のバックライト装置6は、更に他の構成を示すものであり、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)のD−D断面矢視図である。図9(A)の構成ではLCDが大型化され、例えば40インチの場合を考えると、筐体1の長辺方向は図5(A)に示すL1 =900mm、短辺方向の長さL2 =570mm、高さ2cmと成るため、例えば直径3φで長さが900mm以上の円筒状光源3を得ることが困難と成るので、円筒状光源3の軸長を570mmと成るように筺体1の開口部1aの短辺方向に円筒状光源3を配設していたが、本例では筐体1の短辺方向の略半分の幅位置にインバータ回路基板9を配置し、このインバータ回路基板9を中心に短辺方向に略等しい長さの円筒状光源群3が配置される。
【0058】
図5(A)(B)に示すバックライト装置6では、図5(A)に示す筺体1の開口部1aの短辺方向の略中央位置に高電圧供給用の電極部5が設けられたインバータ回路基板9が破線で示す様に筺体1の中央底部1bの裏面に固定される。
【0059】
底部1b又は(及び)反射板2に必要に応じて穿った透孔18はインバータ回路基板9の円筒状光源3の管軸方向に沿って筐体1の短辺方向に並設したスリット状の打抜き部と成した場合である。勿論、筐体1の底部1b又は(及び)反射板2に穿つ透孔の大きさ及びその数は筐体1が最低限強度を保つ様に選択される。
【0060】
上述で詳記したバックライト装置6のうち図4(A)(B)に示す筐体1の様に底部1bに透孔18を穿ち、画面サイズとして29インチを使用し、曲管状の略U字状とした左右側円筒状光源群3L、3Rを16本並設した反射板2から左右側円筒状光源群3L、3Rまでの高さを2mmとし、EIAJで定める条件の測定点での輝度測定時の1本の円筒状光源3の入力電圧は14V、入力電流は6.7A、消費電力94Wでの平均輝度ムラは92.7%の値を示している。
【0061】
又、X軸方向での輝度ムラBrd=(最小(MIN輝度/最大(MAX)輝度×100%の値は92.7%で従来に比べて6.5%の改善が成されている。
【0062】
又、本発明の上述の各構成に依れば、例えばインバータ回路基板9を筐体1の開口部1a短辺或は長辺方向の少なくとも略1/2に分割した位置に固定し、円筒状光源3はインバータ回路基板9を中心にその長さを直管状の円筒状光源の略1/2に分割した長さにして、開口部1aの長辺又は短辺に対し、左右或は上下方向に曲管状の略U字状の円筒状光源群3L、3R、3U、3Dを配設する様に成し又、インバータ回路基板9の中心を横切る直管状の円筒状光源3を、筺体1の上下或いは左右方向に並設させたので、LCDの調光時に管電流が3mAの様に低電流時、或は7mAの様な高電流時に於いても、図6の曲線12及び11の様に円筒状光源群3、3L、3R、3U、3Dの最高輝度(BLmax)をインバータ回路基板9の高電圧供給側の電極部5側(開口部1aの長辺或は短辺方向の略中心位置)に持ち来たすことが可能と成る。
【0063】
即ち、図10(A)の如き特性曲線を図6の如く、円筒状光源3の管電流を調整してLCD或はバックライト装置6の照光面上の輝度バランスを良好にして、円筒状光源3の管電流の最適化を図ることが出来る。
【0064】
又、図9(A)(B)で説明した様に従来のLCD及びバックライト装置6ではインバータ回路基板9は図9(A)の様に筐体1の右(或は左)端側にあるため、LCD及びバックライト装置6の温度分布は、従来では図11に示した様に筐体1の照光面上の右側に高温度領域15が偏り、特に管電流が高電流に成ると温度傾斜が激しく、インバータ回路基板9が配設された側の温度上昇によって、高電圧供給側の電極部5側の円筒状光源3の発光効率が高くなるため温度分布バ
ランスは図11様に崩れることになる。
【0065】
これに対し、本発明のLCD及びバックライト装置6に依れば、インバータ回路基板9は図7に示す様に筐体1の開口部1aの長辺方向の略中心位置に持ち来たされているため、温度分布バランスもインバータ回路基板9を中心に照光面上の左右に高温度領域15、中温度領域16と均一に温度分布が拡がって輝度分布バランスの崩れも生じにくくなる。
【0066】
更に、LCDやバックライト装置6が35乃至50インチ、或はハイビジョン用のテレビ受像機等と同様のアスペクト比を持つ様な表示装置になると、円筒状光源3のランプ長が長くなり、起動時には定常時の2倍の耐電圧を必要とするため、インバータ回路基板9に用いるトランス、その他の能動素子及び受動素子は耐電圧性を増すため大型化され、バックライト装置の筐体(ランプハウス)の厚み等が増加することに成り、図12に示す様な筐体1の1端部にインバータ回路基板9を有するものではどうしても市場要求を充分に満足可能な薄型化が困難と成って来ている。
【0067】
然るに、図7に示す様に筐体1の開口部1aの例えば長辺方向の略中央位置にインバータ回路基板9を設けて、円筒状光源3はインバータ回路基板9横切るように開口部1aの長辺又は短辺方向と平行に並設し、図3(I),(J)に示す様にプラグ5PL、5PR間に逆移相の電圧を印加することで、左右側円筒状光源群3L、3Rの1本毎の円筒状光源3の駆動電圧は1000Vであったものが半分の500Vで済むことになる。従って、トランス、安定化回路等の小型化をはかることができる。
【0068】
その為、インバータ回路基板9のトランス及び各種能動素子及び受動素子の耐電圧を低くすることが可能でトランス及び安定化回路等の小型化をはかることができるのでバックライト装置や筐体1の厚みを薄くすることが出来るだけでなく、低電圧駆動可能の安全性の高いLCD及びバックライト装置が提供可能と成る。
【0069】
更に、図3(A)乃至(H)で説明した様な曲管状の左右、上下側円筒状光源群3L、3R、3U、3Dを用いることによって、2個の高電圧供給側のトランスT1、T2から、これら左右、上下側円筒状光源群3L、3R、3U、3Dの1方の電極部に図3(I)の駆動電圧(1/2V)を供給し、他方の電極部5に図3(J)の様に図3(I)と逆位相の駆動電圧(−1/2V)を供給することで上下側円筒状光源群3L、3R、3U、3Dの曲管部分での電位は相殺されて零(接地電位)とすることが可能であり、入力用の駆動電圧を従来の半分に低減可能なものが得られる。
【0070】
上述のLCD及びバックライト装置では、筐体1の開口部1aの長辺或は短辺方向を1/2、1/3、1/4分割した場合について説明したが本発明では少なくとも1/2乃至1/n(nは1を除く整数)分割することが出来ることは明らかである。
【0071】
【発明の効果】
本発明のLCD及びバックライト装置に依れば、これら装置が大型化され、円筒状光源の軸長方向が長くなり、駆動電圧の高電圧化が成されても、インバータ回路基板の駆動電圧の低圧駆動が可能と成り、トランスや各種電気部品の小型化を図ることが可能と成り、照光面上での輝度分布バランス及び温度分布バランス並びに管電流の調整がインバータ回路基板の配された開口部中心位置への移動する事ができで均一化され、筐体内の温度上昇を抑制可能なLCD及びバックライト装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLCDに用いるバックライト装置の1形態基本回路構成例を示す略線図である。
【図2】本発明のLCDに用いるバックライト装置の1形態例を示す略線的平面図である。
【図3】本発明のLCDに用いるバックライト装置の他の形態例を示す略線的平面図及び曲管円筒状光源の略線的平面図並びに駆動電圧波形図である。
【図4】本発明のLCDに用いるバックライト装置の1実施例を示す平面図及び側断面図である。
【図5】本発明のLCDに用いるバックライト装置の他の実施例を示す平面図及び側断面図底面図である。
【図6】本発明のバックライト装置に用いる円筒状光源の管電流をパラメータとした輝度と円筒状光源軸長との関係を示す輝度特性曲線図である。
【図7】本発明のバックライト装置の温度分布を説明するための略線的平面図である。
【図8】本発明のバックライト装置の円筒状光源駆動用の入力電圧説明用の略線的平面図である。
【図9】従来のバックライト装置の平面図、側断面図並びに略線的な筐体の平面図である。
【図10】従来のバックライト装置に用いる円筒状光源の管電流をパラメータとする輝度と円筒状光源軸長との関係を示す輝度特性曲線図及び相対輝度と周囲温度との関係を示す輝度‐温度特性曲線図である。
【図11】従来のバックライト装置の温度分布を説明するための略線的平面図である。
【図12】従来のバックライト装置の円筒状光源駆動用の入力電圧説明用の略線的平面図である。
【符号の説明】
1‥‥筐体、1a‥‥開口部、1b‥‥底部、3(3L、3R、3U、3D)‥‥円筒状光源(円筒状光源群)、4‥‥光透過拡散板、5‥‥電極部、5PL,5PR‥‥プラグ、5HL,5HR‥‥ジャック9‥‥インバータ回路基板、18‥‥透孔
Claims (3)
- 両端に電極部が配された複数の直管状の円筒状光源を筐体内に配設し、上記筺体の底部背面に上記円筒状光源を駆動するトランスを有するインバータ回路基板を配し、上記トランスの高電圧端子を上記電極部に接続して成る直下型のバックライト装置に於いて、
上記複数の円筒状光源は上記筐体底部上に並設されており、
上記筐体底部に垂直な方向から見たとき、上記インバータ回路基板は上記並設された複数の円筒状光源のそれぞれの中央部と重なるように配置されていることを特徴とするバックライト装置。 - 両端に電極部が配された複数の略U状、略M状、略コ状、略Ω状、または略凸状の曲管状の円筒状光源を四角形の筐体内に配設し、上記筺体の底部背面に上記円筒状光源を駆動するトランスを有するインバータ回路基板を配し、上記トランスの高電圧端子を上記電極部に接続して成る直下型のバックライト装置に於いて、
上記複数の円筒状光源は、上記両端の電極部を上記筐体の短辺方向又は長辺方向の中央部に向けた状態で対称に配置されており、
上記インバータ回路基板は上記筐体の中央部に配置されており、
上記筐体底部に垂直な方向から見たとき、上記並設された複数の円筒状光源のそれぞれの両端電極部が上記インバータ回路基板上に位置させてあることを特徴とするバックライト装置。 - 請求項1又は2に記載の直下型のバックライト装置と、上記バックライト装置から出射される光に照射される液晶パネルとを有する液晶表示装置。
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