JP3958760B2 - 鉄道車両用構体 - Google Patents

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Description

本発明は、中空形材で構成される鉄道車両用構体に関するものである。
従来より、鉄道車両用構体は、高剛性の確保と軽量化という相反した二つの課題を達成するため、例えば、平板に骨部材を溶接したものが使用され、軽量で高剛性の骨部材を多数使用して構体の強度や剛性の向上を図っていた。ところが、こうした鉄道車両用構体は、部品点数が多く、溶接工数の増加を招き、コスト高であった。そのため、近年、例えば、図10に示す中空形材で構成された鉄道車両用構体100が使用されている。
鉄道車両用構体100は、図10に示すように、長手方向に対して左右の面を形成する側構体101と、車体長手方向に対して両端を閉鎖する面を形成する妻構体102と、屋根を形成する屋根構体103と、床面を形成する台枠104とからなり、それぞれ所定幅の薄肉の中空形材105を溶接して形成されている。中空形材105は、例えば、図11に示すように、2枚の面板106,107を中板108で連結するよう押出成形で成形されたものであり、骨部材を省略することができるため、部品点数の削減と溶接工数の低減を図ることができる。
こうした中空形材105は、構体の強度や剛性を確保すると同時に軽量化を図るように、設計上の注意が払われている。すなわち、一般的に、中空形材105で鉄道車両用構体100を構成する場合、構体の厚み(以下、「構体厚」という。)A、面板の板厚B,C、中板の配置及び板厚Dを設計パラメータとするが、構体厚Aについては、客室空間を最大限確保する観点から一様な構体厚を採用しており、構体強度・剛性の検討では、もっぱら2枚の面板106,107の板厚B,Cを変化させて対応している。このような中空形材105で構成された鉄道車両用構体100の妻構体102には、他の鉄道車両用構体100と連結するための図10に示す連結器109が固設され、複数の鉄道車両用構体100を連結器109で連結することにより鉄道車両が形成されている。
特開平10−194117号公報(第2−3頁、図1、図2)
しかしながら、従来の鉄道車両用構体100は、重力などに伴う垂直荷重や、鉄道車両がカーブするときなどに連結器109の取付部に作用する前後荷重に対して面板106,107の板厚B,Cを変化させて当該荷重に対応することが比較的容易で、ある程度の軽量化を図ることができるのに対し、気密荷重に対しては車体の断面方向に力が加えられるので、面板106,107の板厚B,Cを変えるだけでは、構体の強度や剛性の確保と軽量化とを十分に実現できない問題があった。
例えば、鉄道車両がトンネル入口に突入すると、トンネル内面と鉄道車両外面とで構成されるトンネル内空間において、空気圧が空間的に変化している。その空気圧が変化している空間を鉄道車両が通過するときに、各鉄道車両用構体100は、客室空間の気密性が確保されているため、内部気圧がトンネル内の空気圧より高くなったり低くなったりして、構体周方向の力を受けるとともに、長手方向を回転軸とする曲げモーメントが作用する。そのため、トンネルに突入した鉄道車両用構体100の各部には、構体周方向の力と曲げモーメントによって繰り返し応力が発生し、構体断面方向に波打つような変形が生ずる。
こうした事情の下、鉄道車両用構体100が変形を繰り返して疲労破壊しないように、面板106,107の板厚B,Cが検討されるが、面板106,107の板厚B,Cを変えるだけでは、軽量化を図りつつ、構体の変形を小さくすることが困難であった。
そのため、気密性を確保した鉄道車両用構体100では、気密荷重によって生じる構体周方向の力や曲げモーメントに応じて構体厚Aを各部で適切なものとし、軽量化を図る必要性が生ずるが、鉄道車両の種類によって車体外形線が異なっていることや、開発に許容される時間などにより、これまで実験的、あるいは試行錯誤的に気密荷重に対する最適な構体厚分布を精度良く求めることは非常に難しいと考えられ、実際の車両設計では行われていなかった。
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、構体の軽量化と高剛性化とを同時に実現できる鉄道車両用構体を提供することを目的とする。
本発明に係る鉄道車両用構体は、外側面板と内側面板とを中板で連結した中空形材で構成された側構体および屋根構体が一体になって台枠上に設けられてなる構体であり、前記外側面板によって決定される車体外形線を所定の車体外形線の構体厚方向の位置とほぼ一致させ、前記内側面板の構体厚方向の位置を変化させて構体全体の形状を決定したものであって、前記屋根構体と前記側構体とを結合する肩部付近と、その肩部の両端に相当する肩部両端部分と、その肩部付近と肩部両端部分を除く前記屋根構体及び側構体のその他の部分とを比較した場合に、変形又は応力の大きい肩部付近はその他の部分よりも構体厚が厚く、変形又は応力が小さい肩部両端部分はその他の部分よりも構体厚が薄い形状のものであることを特徴とする。
鉄道車両用構体は、外側面板と内側面板に構体外部の空気圧と構体内部の空気圧が作用するので、鉄道車両用構体形状を決定する場合には、鉄道車両用構体に一定の力が外部と内部から作用することを条件としている。そこで、例えば鉄道車両用構体を有限な要素に分割し、各要素ごとに歪量と歪量から計算される応力の積を算出して、その総和を求める。この各要素の歪量と歪量から計算される応力の積の総和が小さいほど、歪みが鉄道車両用構体の全体に分散され、構体に集中応力が発生しにくいことを意味するので、各要素の歪量と歪量から計算される応力の積の総和が最小となるように各要素の形状を変更し、鉄道車両用構体の構体厚を歪量に応じて各部で変えて鉄道車両用構体形状を決定することができる。
本発明の鉄道車両用構体では、所定の車体外形形状を変化させることなく、荷重負担の大きい部分の構体厚を厚くして強度・剛性を向上させる一方、荷重負担の小さい部分の構体厚を強度・剛性を維持した状態で肉薄にするので、構体の強度・剛性を向上させつつ、構体重量の増加を抑えられる。
例えば、鉄道車両用構体の肩部のように折れ曲がった部分は、外力を受けた場合、外側面板が引張荷重を受け、内側面板が圧縮荷重を受けるため、直線的な部分と比較して応力が高い。そこで、上記鉄道車両用構体形状の決定方法で最適化することにより、肩部の構体厚を厚くする一方で、直線的な部分の構体厚を薄くして引張荷重や圧縮荷重に耐えうるようにするので、構体の強度・剛性の向上と軽量化とを十分に実現することができる。
次に、本発明の鉄道車両用構体の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図3は、最適化された鉄道車両用構体10の側構体1及び屋根構体3の断面図を示す。図4は、初期形状の鉄道車両用構体20の側構体21及び屋根構体23の断面図を示す。
図3に示す本実施の形態の鉄道車両用構体10は、従来技術のものと同様に側構体1及び屋根構体3がアルミニウム合金製の中空形材5(図11参照)を連結して構成されたものであるが、側構体1及び屋根構体3の構体厚A、すなわち、外側面板6と内側面板7とで形成される構体の厚さ(図11参照)を構体各部で変えている点で従来のものと相違する。よって、ここでは、鉄道車両用構体10の具体的な構成に関する説明は省略し、図4に示すような鉄道車両用構体20の構体厚A(図11参照)を変化させて形状を変化させるための鉄道車両用構体形状の決定方法を中心に説明する。
図2は、鉄道車両用構体形状の決定方法におけるブロック図である。
鉄道車両用構体形状の決定方法には、コンピュータ30が用いられる。コンピュータ30は、種々の演算や制御等を行うCPU31に入出力装置32や記憶装置33などが接続されている。入出力装置32は、データ等を入力したり、演算結果などを出力するものである。また、記憶装置33は、入出力装置32から入力された情報、CPUが演算した演算結果、プログラムなどを記憶するものである。
ここで、鉄道車両用構体10において、初期形状(初期値として与えられる構体厚A)と当該領域に与えられた境界条件(負荷荷重、拘束条件)によって発生するひずみ、応力に関し、連続体力学における平均コンプライアンス(Φ)と呼ばれる次のような式を考える。εはひずみ、Dは応力−ひずみの関係式、Ωは検討対象の領域である。
Figure 0003958760
本実施の形態では、平均コンプライアンスが与えられた制約条件(体積、部分的な構体厚の固定、構体厚の最小値など)のもとで最小化された状態を最適であるとしている。平均コンプライアンスの最小化に関しては、例えば、日本機械学会論文集(A編)60巻578号(1994−10)第144〜150頁に掲載する「線形弾性問題における領域最適化解析」に掲載されており、本実施の形態では、「線形弾性問題における領域最適化解析」に基づいて解析を行うプログラムを使用して鉄道車両用構体形状の最適化を図っている。尚、このプログラムは、コンピュータ30の記憶装置33に記憶されている。
「線形弾性問題における領域最適化解析」では、線形弾性体の領域形状を設計変数にした領域最適化問題を連続体のままで定式化しておいて、分布系の最適化理論を適用することによって導出される領域変動の支配方程式を基礎にして領域最適化問題にアプローチしている。数値解析法は、支配方程式を解くための方法として定式化され、その1つの方法として力法が提案されている。力法は、領域変動の支配方程式を線形弾性問題の境界値問題に置き換えて解くために、有限要素法などが利用できる点で実用的である。支配方程式に現れる形状勾配関数も有限要素法などを利用して解析することができる。
そこで、「線形弾性問題における領域最適化解析」は、平均コンプライアンスの最小化問題を定式化し、それに対する最適性基準と最適化基準に基づいて算出される形状勾配関数を明らかにした上で、形状勾配関数を用いた力法を線形弾性体の領域問題に適用している。
線形弾性連続体の領域最小化問題を取り扱うのに際して、「線形弾性問題における領域最適化解析」では、平均コンプライアンスを目的汎関数に選んでいる。この場合、後で示すように領域最適化問題が自己随伴問題となり、形状勾配関数が線形弾性変形の解である変位だけによって評価できることになる。この意味で、平均コンプライアンスは力学的に単純な目的汎関数であると考えることができる。
平均コンプライアンスの最小化問題は、次のようにして定式化される。
線形連続体に作用する外力と物体力との関係は数4のようになり、線形連続体を変位させる重力などの関係は、数5のようになる。ここで、Ωは領域を示し、uは線形連続体の変位を示し、fは物体力を示し、hは強制変位を示し、Pは表面力を示している。境界値問題に対する弱形式あるいは変分形式は、数2のように表される。
Figure 0003958760
但し、双一次形式a(υ,ω)と一次形式l(ω),lh(ω)は数3〜数5のように定義する。
Figure 0003958760

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また、Hooke剛性C∈L∽(Ω;Rn4)は次のような対称性と正定値性を次式のように仮定している。ここで、L∽(Ω;Rn)は、有界可積分Lebesgue関数空間を表す。
Figure 0003958760
そして、分布関数C,f,h,Pが領域変動に対して一意に決定されると仮定すると、仮定した領域変動に対して、一意に決定されるC∈C1(D;Rn4),f,h,P∈C1(D;Rn)と領域の大きさに対する上限値M∈R+が与えられているとき、平均コンプライアンスは数7のように表される。
Figure 0003958760
そして、数7で表される平均コンプライアンスが最小となる領域Ω3を求める場合には、数8に示す状態方程式及び数9に示す質量制約を満たす必要がある。
Figure 0003958760

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次に、最適性基準を求める。
最適性基準は、Lagrange定数を適用して導出される。数8の等式制約条件式のLagrange定数にはωを利用して、数9の不等式制約条件式のLagrange定数にはΛを用いると、平均コンプライアンスの最小化問題は、数10に示すLagrange関数の停留化問題に書き換えることができる。
Figure 0003958760
Lagrange関数の領域変動に対する導関数は数11のように表すことができる。
Figure 0003958760
ここで、C,f,h,Pが領域変動に対して一意であれば、lG(V)はベクトル関数Gを係数関数とする速度場Vの一次形式で数12のように与えられることになる。
Figure 0003958760
Gは、領域変動を与える速度場に対する目的汎関数の感度係数を与えるベクトル関数という意味で、形状勾配関数と呼ばれ、C,f,hが空間固定、h=oinD、物質共変P+Pkυn=o(つまり、場所によって重力や物性が変化しないこと)と仮定したときのGを具体的に求めると、数13のようになる。
Figure 0003958760
ここで、Lagrange関数Lの停留条件は、数11に基づいて数14〜数18のようになる。
Figure 0003958760

Figure 0003958760

Figure 0003958760

Figure 0003958760

Figure 0003958760
数14から数18を見ると、数14は数2に示す状態方程式υ=u−hと一致したvの支配方程式になっている。また、数15は、ωについての支配方程式になっている。両者を比較すると 数19に示す関係が得られる。
Figure 0003958760
そして、計算を簡略化するために物体力は考えず、また、数19を数13に適用すると、数20の関係が得られる。
Figure 0003958760
かくしてLagrange関数の導関数が形状勾配関数Gを係数とする速度場Vの一次形式で与えられたので、形状勾配関数Gを用いた力法の適用が可能となる。力法では、初期領域Ωからk回目の領域変動を行うことを考えたときの領域変動を表すV(k)を数21に示す支配方程式に基づいて解析する。
Figure 0003958760
数21に示す支配方程式で決定された領域変動V(k)は、Lagrange関数Lを減少させる。すなわち、数21に示す領域変動解析の支配方程式は、境界あるいは領域に力−Gを作用させたときの変位分布として領域変動を与える速度場Vが解析されることを示している。
続いて、本実施の形態の鉄道車両用構体形状の決定方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、鉄道車両用構体形状の決定方法のフローチャートであり、図5は、図4のH部を示すものであって、有限の要素を仮想的に表した概念図である。
鉄道車両用構体形状の決定方法は、コンピュータ30のCPU31が記憶手段33からプログラムを読み込んで、図1に示すフローチャートの処理を実行することにより行われる。そこで、鉄道車両用構体形状の決定方法では、まず、図1のステップ1(以下、「S1」いう。)において初期形状解析モデル(有限要素法)を入出力装置32から入力し、記憶装置33に記憶する。
具体的には、図5に示すように、鉄道車両用構体20の全体を有限な要素Eに分割し、各要素Eの節点●に座標データを付け、例えば、4個の節点●(i〜l)を一組にする旨の有限要素法の要素情報を入力する。そして、外側面板6と内側面板7で構成される構体厚A(図11参照)の初期値を50mmに設定し、鉄道車両用構体20の材料特性としてアルミニウム合金のヤング率及びポアソン比を入力する。そして、強度解析などを行う際に利用される境界条件として拘束条件と荷重条件を入力する。拘束条件としては、図4に示す台枠側梁に相当する部分25を固定すること、及び、鉄道車両用構体20の中心線Mに対称条件を加えることを入力する。ここで、対称条件を加えるのは、演算量を減らして、演算時間を短縮するためである。また、荷重条件としては、気密荷重を想定して鉄道車両用構体20の外側に等分布荷重Sを与えることを入力する。
次に、S2において、鉄道車両用構体20の強度解析を行う。強度解析は、コンピュータ30のCPU31がS1で記憶装置33に記憶された初期形状解析モデルを読み出し、それに基づいて各要素E毎の歪量及び発生応力を算出して行う。
次に、S3において、感度解析を行う。感度解析では、コンピュータ30のCPU31が形状勾配関数Gを上記力法を利用した数22に基づいて求める。
Figure 0003958760
この数22から求められる形状勾配関数Gは、図5に示す各要素Eの境界面上に分布する法線方向を向いたベクトル関数である。ここで、式に現れる変数の値は、S2の強度解析の解析結果から得られるものであり、fは物体力、eは弾性テンソル、uは変位、ΛはLagrange定数である。
そして、S4において、収束判定を行う。収束判定は、感度解析を実行して得られた感度が十分小さいか否かで判断される。感度が十分小さいと判断した場合には(S4:YES)、処理を終了する。一方、感度が十分小さくないと判断した場合には(S4:NO)、S5へ進み、形状変更における制約条件が入力されているか否かを判断する。制約条件が入力されていると判断した場合(S5:YES)には、そのままS7へ進む。
一方、制約条件が入力されていないと判断した場合(S5:NO)には、S6において、制約条件として形状の変更を許さない点、移動方向の制約、体積(三次元の問題)又は面積(二次元の問題)を入出力装置32から入力して記憶装置33に記憶させてから、S7へ進む。具体的な制約条件としては、例えば、側構体21と屋根構体23を構成する中空形材5の外側面板6(図11参照)から40mmの厚さに位置する節点●の移動を許さないこと、各要素Eの節点(図5参照)をx方向のみに(一次元的に)移動させること、及び、外側面板6と内側面板7で囲まれる面積を初期形状と同一にすることを入力する。ここで、側構体21と屋根構体23を構成する中空形材5の外側面板6(図11参照)から40mmの厚さを固定するとしたのは、構体厚Aが40mm以下になることを回避するためである。また、各要素Eの節点(図5参照)をx方向のみに(一次元的に)移動させるのは、各要素Eを構体厚A方向に伸縮させるようにして車両外形線を変動させないようにするためである。
そして、S7において、鉄道車両用構体20の形状を変更する。具体的には、コンピュータ30のCPU31は、記憶装置33に記憶された制約条件を読み出し、形状勾配関数Gの大きさに比例して各要素Eの境界面に力を加えて、節点●(図5参照)を移動させ、記憶装置33に記憶された節点●の座標データを書き換える。これにより、各要素Eの大きさや形状が変わり、鉄道車両用構体20の形状が初期形状と変化する。鉄道車両用構体20の形状を変更したら、S3へ戻って処理を繰り返す。
こうした鉄道車両用構体形状の決定方法は、以下のように動作する。
図4に示すように、一様な構体厚Aで形成された初期形状の鉄道車両用構体20を有限な要素Eに分割し、各節点●の座標データ、有限要素法の要素情報、アルミニウム合金のヤング率・ポアソン比などの初期形状解析モデルを入力して強度解析を求め、初期形状解析モデル及び強度解析結果に基づいて形状勾配関数Gを求める(S1〜S3)。
収束判定において感度が十分に小さくない場合、すなわち、形状勾配関数Gが急激な勾配を有する場合には、制約条件に基づいて鉄道車両用構体20の形状を変更する(S4:NO、S5:YES、S7)。
具体的には、例えば、形状勾配関数Gが局部的に大きい場合は、その形状勾配関数Gが大きい部分について、側構体21及び屋根構体23の外側から40mmの節点●を移動させないことや、節点●の移動方向がx方向に限定されていることなどの制約条件に基づいて、側構体21及び屋根構体23の内側から10mm以内の部分における要素Eの節点●を内向きに移動させ、要素Eの大きさを小さくして要素数を増やす。また、外側面板6と内側面板7との間の面積が一定である制約条件があるので、形状勾配関数Gが小さい部分について、側構体21及び屋根構体23の内側から10mm以内の部分における要素Eの節点●を外向きに移動させ、要素Eの大きさを大きくして要素数を減らす。こうして要素Eの分割方法を変更したら、移動させた節点●の座標データを書き換える。これにより、要素数が増加した部分は構体厚Aが厚くなり、要素数が減少した部分は構体厚Aが薄くなるため、初期形状の鉄道車両用構体20の形状が変更される。鉄道車両用構体20の形状を変更したら、S3へ戻って処理を繰り返す。これら一連の処理は、収束判定において感度が十分小さいと判断されるまで自動的に行われる。
そして、収束判定において感度が十分小さくなったと判断された場合、すなわち、形状勾配関数Gの勾配が小さくなった場合には、処理が終了し(S4:YES)、図3に示すように最適化された鉄道車両用構体10が入出力装置32に出力される。つまり、図4に示す鉄道車両用構体20では、例えば、側構体21と屋根構体23との連結部分、すなわち、構体の折れ曲がった部分(以下、「肩部」という。)24に外圧が負荷された場合は、外側面板6に引張応力が作用し、内側面板7に圧縮応力が発生するため、疲労破壊しやすいが、図1に示す処理を実行することにより、図4に示す鉄道車両用構体20の肩部24が、図3に示す鉄道車両用構体10の肩部14のように肉厚にされる。その反面、図3に示す鉄道車両用構体10では、肩部34の両端に相当する部分16,17が図4に示す鉄道車両用構体20より肉薄にされる。
ところで、発明者は、最適化された鉄道車両用構体10の変位及び応力に関する特性を確認するために、図4に示す初期形状の鉄道車両用構体20と図3に示す最適化された鉄道車両用構体10の変位量を比較した。図6は、初期形状の鉄道車両用構体20の変位図であり、点線で原型を示し、実線で変形状態を示す。図7は、最適化された鉄道車両用構体20の変位図であり、点線で原型を示し、実線で変形状態を示す。
本実験では、鉄道車両用構体10,20の外側に98kPaの等分布荷重を与えた。
その結果、初期形状の鉄道車両用構体20では、図6に示すように、側構体21は殆ど変形せず、鉄道車両用構体20の肩部24から屋根構体23が大きく変形している。特に、屋根構体23の中心部で変形が大きく、その変位量T1は約3.27mmである。それに対して、最適化された鉄道車両用構体10では、図7に示すように、側構体1及び屋根構体3の全体が変形しており、歪みを側構体1と屋根構体3に分散させている。そのため、屋根構体3の中心部では、変位量T2が約1.48mmである。
よって、最適化された鉄道車両用構体10と初期形状の鉄道車両用構体20の屋根構体3,23の中心部における変位を比較すると、最適化された鉄道車両用構体10は、初期形状の鉄道車両用構体20より変位量が約55%減少することが判明した。
また、発明者は、初期形状の鉄道車両用構体20と最適化された鉄道車両用構体10における応力分布についても調べた。図8は、初期形状の鉄道車両用構体20の側構体21及び屋根構体23の最大応力を示す応力図であり、図9は、最適化された鉄道車両用構体10の側構体1及び屋根構体3の最大応力を示す応力図である。
本実験では、鉄道車両用構体10,20の外側に98kPaの等分布荷重を与えた。
その結果、初期形状の鉄道車両用構体20では、図8に示すように、肩部24において、外側面板6で発生する応力より内側面板7で発生する応力の方が低くなっていることがわかる。このように外側面板6と内側面板7とで発生する応力が不均衡であると、応力の低い内側面板7に応力が集中し、内側面板7が疲労破壊しやすい問題がある。それに対して、最適化された鉄道車両用構体10では、図9に示すように、肩部14において、外側面板6と内側面板7で発生する応力が殆ど均一であり、外側面板6と内側面板7のいずれか一方に応力が集中する問題が回避されている。そして、最適化された鉄道車両用構体10は、側構体1が初期形状の鉄道車両用構体20の側構体21より肉薄になっても、初期形状の鉄道車両用構体20の側構体21とほぼ同じ応力が発生している。
よって、最適化された鉄道車両用構体10は、初期形状の鉄道車両用構体20と比較して、荷重負担の大きい部分を肉厚にして強度・剛性を向上させる一方、荷重負担の小さい部分を強度・剛性を維持した状態で肉薄にするので、構体の強度・剛性を向上させつつ、構体重量の増加を抑えられることがわかる。
よって、本実施の形態の鉄道車両用構体10は、初期形状の鉄道車両用構体20に一定の応力が外部と内部から作用することを条件として、鉄道車両用構体20を有限な要素Eに分割し、形状勾配関数Gを算出して、形状勾配関数Gの演算結果が収束するように、すなわち、各要素ごとに歪量と歪量から計算される応力の積を算出し、その総和が小さくなるように鉄道車両用構体20の形状を変化させるので、構体に発生した歪みが構体全体に分散され、外側面板6や内側面板7の板厚B,C(図11参照)を一様に厚くしなくても、構体の強度・剛性を確保することができる。
その際、外側面板6の形状を一定とし、内側面板7の形状を変えて、初期形状の鉄道車両用構体20の形状を変えるので、最適化された鉄道車両用構体10は、初期形状の鉄道車両用構体20の外形線を変えることなく、構体厚Aを変化させており、各々の鉄道車両用構体20の外形線に合わせて、構体の強度・剛性を確保することができる。
また、外側面板6と内側面板7との間の面積が一定になるように初期形状の鉄道車両用構体20の形状を変更しており、一の要素Eの形状を大きくすると、他の要素Eの形状が小さくなり、外側面板6と内側面板7とで形成される構体厚Aが必要以上に厚くなることがないので、構体全体の強度・剛性を確保しても、構体重量が殆ど増加せず、軽量化を実現することができる。
そして、最適化された鉄道車両用構体10では、構体各部の歪量に応じて構体各部の構体厚Aを変えられているので、外側面板6や内側面板7の板厚を一様に厚くしなくても、構体の強度・剛性を確保することができる。
また、最適化された鉄道車両用構体10では、例えば、肩部14は、外側面板6が引張荷重を受け、内側面板7が圧縮荷重を受けるが、それらの荷重に対応しうるように肉厚に形成しており、必要な部分の構体厚Aを必要な分だけ厚くしているので、構体の強度・剛性の確保と軽量化とを十分実現することができる。また、肩部24に接続する部分16,17を強度・剛性を確保した状態で肉薄にするので、構体全体の強度・剛性を確保しても、構体重量が殆ど増加せず、軽量化を実現することができる。
なお、本発明は、実施形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であることはいうまでもない。
本実施の形態の鉄道車両用構体に係り、鉄道車両用構体形状の決定方法のフローチャートである。 同じく、鉄道車両用構体形状の決定方法におけるブロック図である。 同じく、最適化された鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の断面図である。 同じく、初期形状の鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の断面図である。 同じく、図4のH部を示すものであって、有限の要素を仮想的に表した概念図である。 同じく、初期形状の鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の変位図であり、点線で原型を示し、実線で変形状態を示す。 同じく、最適化された鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の変位図であり、点線で原型を示し、実線で変形状態を示す。 同じく、初期形状の鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の最大応力を示す応力図である。 同じく、最適化された鉄道車両用構体の側構体及び屋根構体の最大応力を示す応力図である。 鉄道車両用構体の外観斜視図である。 中空形材の拡大断面図である。
符号の説明
1 側構体
3 屋根構体
5 中空形材
6 外側面板
7 内側面板
8 中板
10 鉄道車両用構体
14 肩
30 コンピュータ
A 構体厚
E 要素

Claims (1)

  1. 外側面板と内側面板とを中板で連結した中空形材で構成された側構体および屋根構体が一体になって台枠上に設けられてなる鉄道車両用構体において、
    前記外側面板によって決定される車体外形線を所定の車体外形線の構体厚方向の位置とほぼ一致させ、前記内側面板の構体厚方向の位置を変化させて構体全体の形状を決定したものであって、
    前記屋根構体と前記側構体とを結合する肩部付近と、その肩部の両端に相当する肩部両端部分と、その肩部付近と肩部両端部分を除く前記屋根構体及び側構体のその他の部分とを比較した場合に、変形又は応力の大きい肩部付近はその他の部分よりも構体厚が厚く、変形又は応力が小さい肩部両端部分はその他の部分よりも構体厚が薄い形状のものであることを特徴とする鉄道車両用構体。
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