JP3958387B2 - ディスクホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空圧式又は電気式の可搬型のディスクグラインダの砥石軸に、通常取付けられる研削砥石の代わりに取付けられ、円形シート状の研摩材を保持する保持面を有したディスクホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスクグラインダ装置は、肉厚円板状の研削砥石を具えた研削工具として広く使用されており、その重研削性能から研削砥石の作業者側に面する片側半分を覆うように、(国によって異なるが)法的に形状及び寸法等が規制された専用の小型カバーが装着される。
【0003】
他面、このディスクグラインダ装置は、その回転軸に、図6(a)に示したような雌ネジ部61を形成した金属製のブッシュ63を中央ボス部にインサート成形した樹脂製のディスクホルダ65を捩込み、ディスクホルダ65の保持面部の下側の円板面(保持面)67に円形の研摩材シート(例えば、サンドペーパー)を面ファスナ71で保持させ、いわゆるサンダー(簡易の研摩工具)として、木材の研削等の比較的軽度の削り作業に広く利用されている。この使用において、研摩材シート69がディスクホルダ65から比較的離脱し易く、このため本出願人はこれを改善した製品として、図6(b)に示したような、中央穴77を有した新型の研摩材シート79の該穴77を係止する突起部81を具えた新タイプのディスクホルダ85(実開平7−15732号公報)を市場に提供している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示したように、ディスクグラインダ装置Gをサンダーとして利用する際に用いる上記新旧両タイプのディスクホルダ65、85は、厚さ方向Aの寸法が大きいため、上記小型カバーCからはみ出てしまう。尚、ディスクグラインダ装置Gをサンダーとして使用する場合、その工具部分が小型カバーCで覆われていなくても規制的には問題ないが、それは決して好ましいことではない。
【0005】
これを解決する試みとしては、上記従来のディスクホルダ65、85の厚さ方向の寸法を単純に詰めることが考えられる。しかしながら、上記旧タイプ(図6(a))のものでは、ブッシュ63の長さと保持面部(及び研摩材)の厚さとの和分のA方向寸法が最低でも必要となるし、上記新タイプ(図6(b))のものでは、寸法的に同じことが言えると共に、研摩材シート係止用の樹脂製の突起部81の中にブッシュ63が研摩材シートに係合するまで入り込むような構造となり、突起部81の部分が極端に弱体化する。すなわち、該突起部が樹脂製であることに起因し、加負荷状態での使用により所定時間を越えると急激に破損し易くなる。いずれにしても問題である。
【0006】
そこで、本発明においては、上記問題の解決を試み、ディスクグラインダ装置の既存の小型カバーの中に収容することが可能なコンパクトなディスクホルダを提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、ディスクグラインダ装置に設けたディスクホルダ取付け用の雄ネジ部が螺合する雌ネジ部と、中央穴を有した円形の研摩材シートを面ファスナによって保持する保持面部と、該保持面部に保持された研摩材シートの中央穴に係合して該研摩材シートの離脱を阻止する突起部、とを含むディスクホルダにおいて、前記突起部が金属で形成され、前記保持面部が樹脂で形成され、前記突起部が、前記保持面部を含むパッドにインサート成形により一体的に設けられ、前記雌ネジ部が前記突起部の中に形成され、それにより、ディスクホルダの厚さ方向寸法を短小化して、ディスクグラインダ装置に設けたカバーの中に収まるようにしたこと、を特徴とするディスクホルダを提供する。
【0008】
別の本発明は、ディスクグラインダ装置に設けたディスクホルダ取付け用の雌ネジ部に螺合するボルトの頭部を係止する一方で該ボルトの雄ネジ部が通り抜ける穴部と、中央穴を有した円形の研摩材シートを面ファスナによって保持する保持面部と、該保持面部に保持された研摩材シートの中央穴に係合して該研摩材シートの離脱を阻止する突起部、とを含むディスクホルダにおいて、前記突起部が金属で形成され、前記保持面部が樹脂で形成され、前記突起部が、前記保持面部を含むパッドにインサート成形により一体的に設けられ、前記穴部が前記突起部の中に形成され、それにより、ディスクホルダの厚さ方向寸法を短小化して、ディスクグラインダ装置に設けたカバーの中に収まるようにしたこと、を特徴とするディスクホルダを提供する。
【0009】
好ましくは、前記穴部が、前記ボルトの前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有する。また、好ましくは、前記突起部が、研摩材シート保持側とは反対側で前記パッドから突出しないように、該パッドに設けられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
先ず図1〜3を参照して第1実施形態について説明するが、上記従来の構造部分・部品と共通する(し得る)部分・部品には、同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。図示ディスクホルダ1は、図2に要部を示したディスクグラインダ装置Gの回転軸(雄ネジ部3)に捩込まれて一体回転可能に取り付けられる。
【0011】
本ディスクホルダ1は、図6に示したような従来のディスクホルダの上半分のボス部をなくしたような全体形状を呈しており、パッド2と突起部7を含む。パッド2は、ABS、ナイロン、ポリエステル、ビニル等の樹脂製の逆皿状の保持面部5を有する。パッド2の中央には、真鍮(ちゅう)やスチール等の金属製の突起部7がインサート成形される。尚、上記パッド2、保持面部5、突起部7の材質は、単なる例示であり、本発明は、それらに限定されるものではない、と理解すべきである。
【0012】
保持面部5の環状の保持面9には、好ましくは解除可能なフック及びループ型ファスナ装置又は圧力感応型ファスナ装置、具体的には面ファスナ11が付設され、これを介して中央穴77を有した円形の研摩材シート79が着脱自在に保持・固定される。その際、突起部7は、研摩材シート79の中央穴77を貫通し、突起部先端の鉤状部分13が穴縁部に係合し、研摩材シート79の離脱を更に阻止し得るように構成されている。尚、保持面部5及び研摩材シート79は、円形が好ましいが、三角形や矩形等の他の形状にすることもできる、と理解すべきである。
【0013】
好適な実施態様にあっては、ディスクホルダ1の突起部7には、その中央を貫通するように雌ネジ部15が形成されており、この雌ネジ部15には、ディスクグラインダ装置の雄ネジ部3(回転軸)が螺合する。尚、本発明は、ディスクグラインダ装置Gに対するディスクホルダの取付けのための別の手段を包含することができる、と理解すべきである。
【0014】
以上の構成を有する本ディスクホルダ1にあっては、突起部7の中にディスクホルダ取付け用の雌ネジ部15を形成したので、厚さ方向の寸法を全体的に小さくすることができ、これにより、従来の課題であったディスクグラインダ装置Gの既存の小型カバーCの中にスッポリ収めることが可能になる。しかも、突起部自体が、パッド2に金属製の部品(突起部7)をインサート成形することによって形成されるので、強度の面でも不都合が生じない。
【0015】
次に図4、5を参照して第2実施形態について説明するが、説明を分かり易くするために上記図1〜3の実施形態との相違部分のみを説明し、共通する(し得る)部分・部品には、同一の参照符号を付す。図示ディスクホルダ21は、上記実施形態のディスクホルダ1と異なり、図5に要部を示した別タイプのディスクグラインダ装置G’の回転部(雌ネジ部)に対して、ボルト締結によって一体回転可能に取り付けられる。
【0016】
本ディスクホルダ21の突起部27には、その中央を貫通するように、ボルトとして想定している六角穴付きボルトBの雄ネジ部が貫通し得る穴部29が形成され、更に、六角穴付きボルトの円柱形の頭部(の全高さ)が隠れるような座グリ穴31が形成される。
以上の構成を有する本ディスクホルダ21にあっては、上記実施形態と同じように厚さ方向の寸法を全体的に小さくすることができ、これにより、ディスクグラインダ装置G’の既存の小型カバーCの中にスッポリ収めることが可能になり、また、同じように強度の面でも優れる。
【0017】
尚、この穴部29を単なる丸穴とする代わりに、上記六角穴付きボルトBが螺合し得る雌ネジ部(図示せず)を具えるように構成することができる。その場合、この穴の雌ネジ部と、ディスクグラインダ装置G’の回転部の雌ネジ部と、それらに螺合する六角穴付きボルトBの雄ネジ部とがいわゆるダブルナット構造を構成し、結果的に六角穴付きボルトBの緩みが大幅に抑制され、非常に好ましい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、強度的に優れると同時に、既存のカバー内に全体を収めることができるコンパクトなディスクホルダを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のディスクホルダの側面断面図である。
【図2】図1のディスクホルダとディスクグラインダ装置との取付け関係を示す分解側面図である。
【図3】図1のディスクホルダを取付けたグラインダ装置の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態のディスクホルダの側面断面図である。
【図5】図4のディスクホルダと別のディスクグラインダ装置との取付け関係を示す分解側面図である。
【図6】従来の新旧タイプのディスクホルダの側面断面図である。
【図7】従来の新タイプのディスクホルダを取付けたグラインダ装置の側面図である。
【符号の説明】
1、21…ディスクホルダ
3…雄ネジ部
5…保持面部
7、27…突起部
9…保持面
11…面ファスナ
13…鉤状部分
15…雌ネジ部
29…穴部
31…座ぐり穴
79…研摩材シート
G、G’…ディスクグラインダ装置
C…小型カバー
Claims (4)
- ディスクグラインダ装置に設けたディスクホルダ取付け用の雄ネジ部が螺合する雌ネジ部と、
中央穴を有した円形の研摩材シートを面ファスナによって保持する保持面部と、
該保持面部に保持された研摩材シートの中央穴に係合して該研摩材シートの離脱を阻止する突起部、とを含むディスクホルダにおいて、
前記突起部が金属で形成され、
前記保持面部が樹脂で形成され、
前記突起部が、前記保持面部を含むパッドにインサート成形により一体的に設けられ、
前記雌ネジ部が前記突起部の中に形成され、
それにより、ディスクホルダの厚さ方向寸法を短小化して、ディスクグラインダ装置に設けたカバーの中に収まるようにしたこと、
を特徴とするディスクホルダ。 - ディスクグラインダ装置に設けたディスクホルダ取付け用の雌ネジ部に螺合するボルトの頭部を係止する一方で該ボルトの雄ネジ部が通り抜ける穴部と、
中央穴を有した円形の研摩材シートを面ファスナによって保持する保持面部と、
該保持面部に保持された研摩材シートの中央穴に係合して該研摩材シートの離脱を阻止する突起部、とを含むディスクホルダにおいて、
前記突起部が金属で形成され、
前記保持面部が樹脂で形成され、
前記突起部が、前記保持面部を含むパッドにインサート成形により一体的に設けられ、
前記穴部が前記突起部の中に形成され、
それにより、ディスクホルダの厚さ方向寸法を短小化して、ディスクグラインダ装置に設けたカバーの中に収まるようにしたこと、
を特徴とするディスクホルダ。 - 前記穴部が、前記ボルトの前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有する、請求項2記載のディスクホルダ。
- 前記突起部が、研摩材シート保持側とは反対側で前記パッドから突出しないように、該パッドに設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスクホルダ。
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