JP3955134B2 - 歯科用ポーセレン自動焼成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科補綴の分野において、人工歯用ポーセレンの焼き付けに使用される自動焼成装置に関する。
【0002】
歯科用ポーセレン焼成装置は、予め鋳造形成した金属製歯冠部にポーセレン(陶材)を焼き付けて外観エナメル質感の陶歯を形成するために広く使用される装置で、通常は、焼成炉の加熱室の内側に電熱ヒータを設け、加熱室下方に開口部を設けてある。加熱炉の下部には、炉の開口部から加熱室内に挿通可能な焼成台が昇降装置に支持されて昇降可能に配置されており、焼成台上に載せた部品皿上に立設した金属製歯冠部品を高温の炉内で焼成するものである。
【0003】
この装置の使用時には、焼成台を降ろした状態で、多数の金属製歯冠部品を載せた部品皿を焼成台上に載せて、焼成台を上昇させて、炉内に焼成台を装入し、そのまま所定の温度に昇温して所要時間歯冠部品を加熱保持し、加熱後は、焼成台を降下させて、部品皿を焼成台から外すと言う作業が繰り返されてきた。
【0004】
ポーセレン自動焼成装置は、1個の陶歯を完成させるために、金属製歯冠部品をそのまま加熱してその金属表面に酸化皮膜を形成する工程、次いで、皮膜形成後の歯冠部に色消しのための下地用陶材を塗布乾燥して焼成する工程、下地形成した歯冠部に本陶材を塗布乾燥して本焼成する工程、さらに、エナメル質感の光沢を出させるための仕上げ陶材を塗布して仕上げ焼成する工程とを含む通常4つの焼成工程があり、各焼成工程は20〜30分を必要としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置においては、焼成終了後に、降下させた焼成台から高温にある部品皿を外して別に歯冠部品を配設した部品皿を載せ変える必要があり、その作業は、焼成タイミングに応じて人手により行う必要があり、しかも歯冠部品を配設作業も煩雑であり、しかも部品皿がなお高い温度にあって部品皿の取扱に注意を要する等、能率が悪かった。
【0006】
本発明は、焼成台への部品皿の載せ変え作業を自動化することを目的とするものであり、そのために、予め多数の歯冠部品を配設した部品皿を準備して、自動的に且つ連続して、炉内への装入と載せ変えとを行い得るようなポーセレン自動焼成装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の歯科用ポーセレン自動焼成装置は、炉内が下向き開口部を有する縦型焼成炉と、該開口部に焼成台を内装して閉止する昇降自在の焼成台駆動手段と、焼成台上に取外し自在に載置される人工歯牙固定用の1個又は複数個の部品皿と、から成る歯科用ポーセレン自動焼成装置を対象にしている。そして、本発明の特徴とする所は、該自動焼成装置には、上記部品皿を焼成台上との授受を可能にする2以上の皿持ち手段と、各皿持ち手段を先側に固定した移動可能なアームと、アームを移動させるアーム駆動手段とを有する部品皿移送装置を備えたことにある。
【0008】
本装置においては、皿持ち手段は予め多数の歯冠部品を配設した部品皿を保持し、アームの回動により皿持ち手段を焼成台に近接させて、焼成台上に部品皿を載置して、次いで、アームにより皿持ち手段を退避させ、焼成台を炉内に上昇移動させて歯冠部品を焼成する。焼成終了後は、下降した焼成台に皿持ち手段を近接させて、皿持ち手段が、焼成台上に部品皿を受け取って、アームを退避させ、適宜、皿持ち手段に保持した部品皿を交換する。
【0009】
本発明は、このような部品皿移送装置において、上記のアームが、アーム駆動手段に回動軸に固定された2以上の水平旋回アームであって、上記の皿持ち手段を、該アーム先端に固定され且つ部品皿の底部を支持するフォークとするものが含まれる。
【0010】
また、本発明の自動焼成装置は、好ましくは、上記アーム駆動手段が、回動軸の回動とともに水平旋回アームを上下動させる昇降手段を備えて、皿持ち手段の焼成台上への載置と持ち上げとを容易にしたものが採用される。
【0011】
本発明の自動焼成装置は、部品皿移送装置に隣接してターンテーブルを備え、該ターンテーブルは、水平旋回アーム先端の皿持ち手段が届く位置に部品皿を載せるための仮置き台が周縁に複数個配設され、旋回手段の垂直軸まわりに旋回可能とされているものである。この皿移動装置の皿持ち手段が、旋回アームの旋回により、仮置き台上との部品皿の授受と、部品皿の焼成台との授受とを可能にしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
添付図面に基づいて本発明のポーセレン自動焼成装置を以下に詳細に説明する。
この装置の第1の形態を図1と図2に示すが、図1は、その縦断面図であるが、まず、縦型焼成炉について、本装置基台の上面部材91の上部に、支持体(不図示)を介して縦型焼成炉3が固定され、焼成炉3の加熱室30は内側に電熱ヒータ31を備えて下向きの開口部32を有している。その開口部32直下には焼成台33が、支持用の昇降装置(不図示)の焼成台アーム36先端部35に固定されて、焼成台33は、上昇位置で、加熱室30内に内装され、下降位置では、開口部32下端320と焼成台33の上面330との間に、後述の皿持ち手段に保持された部品皿4が少なくとも通過できる程度の相当の間隔を設けて、停止するようにされている。
【0013】
焼成台33は、部品皿4を載せる上面330を有する上部と拡径された下部34とを有し、上昇時には、上部が加熱室30内に装入されて部品皿4が加熱され、焼成台33下部34は開口部32を密閉して熱放散を防止するようにされている。
【0014】
部品皿4は、上皿形状であって、図2において、その上面40に焼成される金属製の歯冠部品9を立設するために多数の穴49が開設さた円板部41とその下部に縮径された支台部42を備えたセラミックス等の耐熱材料で形成されている。
【0015】
本発明のポーセレン自動焼成装置に使用される部品皿移送装置1は、本装置基台(不図示)の上面部材91にアーム回動軸12を貫通して軸固定手段19により固定されたアーム駆動手段を有し、アーム駆動手段は、上面部材より上方に突出したアーム回動軸12の上端部120に水平方向に延出した少なくとも二方のアーム10、10(図1、この例では、アーム10は細板状である)が固定され、アーム先側に後述の皿持ち手段が形成されている。図2は、三方にアーム10a、10b、10cを有する例を示している。
【0016】
さらに、部品皿移送装置1のアーム駆動手段は、アーム回動軸12下方にプーリ13が固定され、上記軸固定手段19から取着して延出した固定具191を介してモータ18が固定され、モータ18の回転軸のプーリ17とアーム回動軸12のプーリ13とベルト15により接続して、モータ18の回転と反転によりアーム回動軸12が回動し、これによりアーム10が旋回されるようにされている。
【0017】
図2は、ポーセレン自動焼成装置の上面図である(この図には、焼成炉3本体は省略してある)が、焼成炉3の焼成台33と部品皿移送装置1を含む自動焼成装置を表している。この図で、部品皿移送装置1は、上述のようにアーム回動軸12の先端に三方に放射状のアーム10を備えている。
【0018】
この各アーム10先端が皿持ち手段をなすが、この皿持ち手段は、細板で形成されたフォーク状であって、フォーク11形状の中に切欠き部110が円周方向、即ちアーム10の回転方向に向けて、開くように形成されている。フォーク11の上記切欠き部110が、部品皿4の支台42の側部を受け入れて、フォークの上面が部品皿4の上部下面41を支持して、部品皿を持ち上げて保持することができ、さらに、アーム10の回動によりその回動方向に部品皿を移送することができる。
【0019】
三方のアーム10a、10b、10cは、アーム10先端の皿持ち手段、即ち本例では、フォーク11が焼成台33の上面位置で停止できるように調整されて(図2の想像線で描いたアームの位置)、アーム回動軸12の回動により60°間隔の角度位置で停止可能に回転と反転とができるように上記モータ18とこのモータの回動停止を規制するモータ駆動制御手段(不図示)により制御される。この制御には、図1(B)に図示の如く、アーム回動軸12に回転角検出用の6個のスリット141を半径方向に等角に形成したディスク14が固定されて、光センサ14aにより、スリット141位置を検出して、停止させる制御機構を介して、アームの旋回角度位置制御がなされる。
【0020】
本装置の使用に際しては、所要の金属製の歯冠部品9の小棒を部品皿4上面の多数の穴49に挿入して配置した部品皿4を1つまたは3つ準備して適宜、アーム10先端の皿持ち手段のフォーク11上に載置しておく(図2参照、実線で描いたアーム位置参照)。次に、何れかの部品皿4の載ったアームを選択して、焼成台33上に移送して(図2の想像線で描いたアーム位置参照)、焼成台33をその昇降装置により僅かに挙げると(図1参照)、部品皿4の支台42の底面が焼成台33上に受止され、フォーク11上面と部品皿4上部下面41との間に隙間を設けて、アーム回動軸12を回転させると、フォーク11が引き抜かれ、さらに、アームの退避位置で停止させて(図2参照、実線で描いたアーム位置参照)、焼成台33をその昇降装置により加熱室30内に押し挙げる。その後に歯冠部品9を通常の要領で焼成する昇温、焼成、降温作業に移る。
【0021】
歯冠部品9の焼成後は、焼成台33をその昇降装置により下降させ、次に、前記とは逆の手順で、アーム10を回転させて、フォーク11を焼成台33と部品皿4の上部41下面との間に切欠き部110が入るようにフォーク11を差し入れて、焼成台33の昇降装置を下降させると、フォーク11が部品皿4の上部下面41を支持して、アームの回転により、部品皿4を焼成台33上面から移送することができる。
【0022】
そして、次の待機中の歯冠部品9を選択して歯冠部品9を載せたアームを焼成炉3の試料台の上に移送して、焼成台33への載置、フォーク11の引き抜き、及びアーム退避の各過程を経て焼成工程に移るようにする。このようにして部品皿4の移送と焼成を連続的に繰り返すことができる。
【0023】
他方、上記の加熱室30内から取り出して歯冠部品9は、放冷のためフォーク11上に載せたまま適宜保持した後、冷却した部品皿4を外して、次に、別に歯冠部品を準備した部品皿4を、何れか空のフォーク11上に載せて、その後の焼成の機会まで待機させる。これらの部品皿4取り替え作業は、充分放冷した後では手指に把持してより安全に確実にすることもできる。これにより、焼成直後のまだ熱い歯冠部品9や部品皿4を、手で直接扱う必要がなくなり、予め準備して歯冠部品9を載置した部品皿4を順次焼成することができるのである。
【0024】
上記実施形態では、フォーク11の引き抜きや差し込みの際の焼成台33を上下微調整をしたが、これに代えて又はこれと共に、上記アーム駆動手段が上記のアームを上下動させる昇降手段をアーム回動軸12に備えて、アーム10の、従って、フォーク11の上下移動微調整を可能にするようにしてもよく、この場合には、部品皿を焼成台33上への載置したり持ち上げたりすること、載置後のフォーク11の引き抜いたり、持ち上げのためのフォーク11の差し込みを容易にすることもできる。このような上下移動調整手段は、後述の如くに図3の符号66〜67の付されたカム機構が有効に採用できる。
【0025】
次に、本発明の第2の形態においては、歯科用ポーセレン自動焼成装置は、図3にその部分縦断面図を、図4に上面図を示すように、第1の形態で述べたような縦型焼成炉3、焼成台33、部品皿4を利用し、部品皿移送装置1に隣接して、1個以上の部品皿4を載せて準備ないし溜待ちができる仮置き台用、ないし準備用のターンテーブル2を加えて配置した例を以下に示す。ここにターンテーブル2には、実質的に後述の突片が21含めるられる。
【0026】
部品皿移送装置1に隣接してターンテーブル2が装置本体上面に備えられ、水平旋回アーム10先端の皿持ち手段1には、この例においても上例のフォーク11が採用されるが、該ターンテーブル2は、これらフォーク11が、部品皿4の授受可能に届く位置に部品皿4を載せるための仮置き台が周縁に複数個配設されている。
【0027】
この例では、部品を仮置する台は、ターンテーブル2の周縁に均等に6個の部品皿用の支持突片21を取着し、各突片21は、それぞれ係合用突起211が上方を向けて形成されている。これに使用される部品皿4は、第1の形態で述べた部品皿と違う点は、図3に示すように部品皿4の支台42の底部中心部に係合用穴411が貫通開口され、上記仮置台の係合用突起211が支脚底部の係合用穴に嵌まるように、部品皿4を仮置台を安定に位置ズレ無しに載せることができる。尤もこの例では、ターンテーブル2の周縁に上記支持突片を設けたが、これら突片無しにて、ターンテーブル2の周縁に直接に係合用突起211を形成してもよいことは勿論である。
【0028】
ターンテーブル2は、そのテーブル回転軸22が本装置基台の上面部材91を貫通した軸固定手段29に回動可能に軸承固定され、テーブル回転軸22にはテーブル駆動手段を有している。このテーブル駆動手段は、テーブル回動軸22下方にプーリ23が固定され、上記軸固定手段29から延出した固定具に介してテーブル用モータ28が固定され、モータ28の回転軸のプーリ27とテーブル回動軸22に固定のプーリ23とをベルト25で接続して、モータ28の回転と反転によりテーブル回動軸22が回動し、これによりテーブル2が回動するようにされている。
【0029】
このテーブル回動軸22には、回転角検出用の6個のスリット241を半径方向に等角に形成したディスク24が固定されて、光センサ24aにより、スリット241位置を検出して停止させる制御手段(不図示)を介して、ターンテーブル2の角度位置制御がなされる。
【0030】
ターンテーブル2と焼成炉3の焼成台33との間には、2方に設けたアーム10a、10bの部品皿移送1が設けられ、アーム10先端に形成した皿持ち手段、この例では、フォーク11の切欠部110が、それぞれ、ターンテーブル2の突片21上面と、焼成台33上面とに同時に位置づけ可能にして配置され、このアームの回動により、ターンテーブル2の突片21上面と焼成台33上面との間を、フォーク11が部品皿4の移送をするのを可能にしている。
【0031】
この形態の部品移送手段1の上記2方のアーム10は、退避位置での停止を含めて、90°間隔での回動と共に、フォーク11による部品皿4の授受を能率的に行うために、昇降可能とされている。アーム10の回動は、この例では、アーム回転軸12の下方に固定の大歯車65とアーム駆動用のモータ18の小歯車66とを噛合させてある。なお、小歯車66は、後述のようにアーム回転軸12の移動に伴い大歯車65が上下移動するので、大歯車65の上下幅に対応する長い噛み合い歯部を有している。
【0032】
アームの回転角の制御は、大歯車65の側面にアームの停止位置に対合して立植した4つの検知棒67と、各検知棒67を検出する光センサ68とにより、位置検出機構となし、光センサ68が検知棒67の停止位置に検出して制御手段により、所望の停止位置で、アームを停止するようにモータが駆動される。
【0033】
他方、アーム10の昇降は、アーム回転軸12にカム受け円板62が固定され、横向けに固定されたカム用モータ60の回転軸に偏芯カム61が、そのカム61の外周面のカム面がカム受け円板62の下面を接触摺動するように固定されて、カム61の回転によりカム受け円板62が上下移動し、上記のアーム回転軸12、従って、アームが上下動するものである。アームの上下位置制御には、カム受け円板62の周端面位置を上下にある光センサ64により検出して、制御手段を経由して、カム用モータ60を制御するものである。
【0034】
アーム10の昇降位置は、アーム10下限が、上記のターンテーブル2の支持突片21上面にある部品皿4の支台42にフォーク11を抜き差しでき、同時に、焼成台33上の部品皿4の支台42にフォーク11の抜き差しできる高さであり、上限は、いずれも、アーム10が、フォーク11上に載せた部品皿4を持ち上げて、ターンテーブル2及び焼成台33の上方を通過できる高さであれば良い。
【0035】
このような構成のポーセレン自動焼成装置は、先ず仮置き台としてのターンテーブル2の突片21の1つ以上或いは全部に、焼成すべき歯冠部品9を配設した部品皿4を適宜載置してあり、ターンテーブルを回転させて、選ばれた部品皿4をアーム近接位置に移動させ、次いで、退避位置からアーム10を回動して何れかのアーム10のフォーク11でもって、部品皿4の上部下面41に差し込み、アーム10を上昇して、部品皿4の係合穴411から係合突起211を相対的に抜けば、部品皿4がフォーク11上に保持される。
【0036】
次いで、アーム10を半回転させて、部品皿4を載せたフォーク11を焼成炉3下の焼成台33上に位置づけし、アーム10を降下させて、部品皿4を焼成台33に接触させて、フォーク11を抜く方向にアーム10を回転させる。そして、アーム10を90°回転位置で(図4で、想像線の位置)退避させて、焼成台33を上昇して焼成炉3の加熱室30に装入し、加熱を開始して焼成処理を行う。
【0037】
焼成後は、降下させた焼成台33に向けて、アーム10を回転させてそのフォーク11を部品皿4の上部41下面に差し入れて、アーム10を上昇させて、部品皿4をフォーク11により持ち上げる。アーム10を反転させて、ターンテーブル2の焼成台33側の突片21に向けて部品皿4を位置づけし、アーム10を降下させて、部品皿4を上記の突片21の係合用突起211に部品皿4の底面の穴411に差し込むように固定し、アーム10を後退位置に回転させる。
【0038】
この実施形態では、2方のアーム10には反対位置にそれぞれフォーク11があるので、これを利用すると、焼成台33から焼成後の部品皿4をフォーク11上に載せ代える過程と、ターンテーブル2の突片21上の焼成すべき部品皿4をフォーク11上に載せる過程とは同時にすることができ、さらに、アーム10を反転することにより、焼成後の部品皿4をフォーク11から空のターンテーブル2突片21上に降ろすことと、これから焼成すべき部品皿4をフォーク11から焼成台33に移すことが同時にできる。このようにして、この実施形態のポーセレン自動焼成装置は、歯冠部品9を準備した幾つかの部品皿4をターンテーブル2上に配置して置けば、部品皿移送装置が部品皿4を取り上げては順次焼成してはターンテーブル2上に帰すので、連続的に効率的に焼成処理を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の歯科用ポーセレン自動焼成装置は、焼成台に部品皿の載置と取り外しをする部品皿移送装置を含み、この部品皿移送装置が、上記部品皿を持ち挙げて焼成台上との授受を可能にする皿持ち手段と、該皿持ち手段を先側に固定した移動可能なアームと、アームを移動させるアーム駆動手段とを有するので、複数のアームの各皿持ち手段に、部品皿を適宜置きながら、アームの移動により、焼成台に移送して焼成し、焼成後には、焼成台上の部品皿をアーム上に移すことができ、これにより、焼成後のまだ熱い歯冠部品や部品皿を、手で直接扱う必要がなくなり、予め準備して歯冠部品を載置した部品皿を順次焼成することができるのである。
【0040】
さらに、本発明のポーセレン自動焼成装置は、部品皿移送装置に隣接してターンテーブルを備え、該ターンテーブルは、水平旋回アーム先端の皿持ち手段が届く位置に部品皿を載せるための仮置き台が周縁に複数個配設され、旋回手段の垂直軸まわりに旋回可能とされているので、歯冠部品を準備した幾つかの部品皿4をターンテーブル2上に配置して置けば、部品皿移送装置が部品皿4を取り上げては順次焼成してはターンテーブル上に帰すので、連続的に効率的に焼成処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様に係る本装置の主要部分の縦断面図(A)と、これに使用される回転角検出用のディスク(B)を示す。
【図2】本発明の実施態様に係る本装置の上面図を示す。
【図3】本発明の他の実施態様に係る本装置の主要部分の縦断面図を示す。
【図4】本発明の他の実施態様に係る本装置の上面図を示す。
【符号の説明】
1 部品皿移送装置
10 アーム
11 フォーク
12 アーム回動軸
2 テーブル
21 突片
22 テーブル回動軸
3 焼成炉
30 加熱室
32 開口部
33 焼成台
9 歯冠部品
Claims (2)
- 加熱室が下向き開口部を有する縦型焼成炉と、該開口部に焼成台を内装して閉止する昇降自在の焼成台駆動手段と、焼成台上に取外し自在に載置される人工歯牙固定用の部品皿と、部品皿を焼成台に載置と取り外しをする部品皿移送装置とから成る歯科用ポーセレン自動焼成装置であって、
部品皿移送装置が、上記部品皿を持ち挙げて焼成台上との授受を可能にする皿持ち手段と、該皿持ち手段を先側に固定した移動可能なアームと、アームを移動させるアーム駆動手段とを有し、更に上記アームが、アーム駆動手段に回動軸に固定された2以上の水平旋回アームであって、上記皿持ち手段が、該アーム先端に固定され且つ部品皿の底部を支持するフォークであり、更にまた、上記アーム駆動手段が、水平旋回アームを上下動させる昇降手段を備えて、皿持ち手段の焼成台上への載置と持ち上げとを容易にしたことを特徴とする歯科用ポーセレン自動焼成装置。 - 部品皿移送装置に隣接してターンテーブルを備え、該ターンテーブルは、水平旋回アーム先端の皿持ち手段が届く位置に部品皿を載せるための仮置き台が周縁に複数個配設され、旋回手段の垂直軸まわりに旋回可能とされて成り、
皿移動装置の皿持ち手段が、旋回アームの旋回により、仮置き台上の部品皿の授受と部品皿の焼成台への授受とを可能にしたことを特徴とする請求項1記載の自動焼成装置。
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