JP3954678B2 - 照明用マントルに用いる発光用溶液、照明用マントルおよびその製造法 - Google Patents

照明用マントルに用いる発光用溶液、照明用マントルおよびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼によって生じた炎で照明を行う照明用マントルに用いる発光用溶液、照明用マントルおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガス灯やランプその他の燃焼によって加熱され照明を行う炎を装飾的に発色・発光させるための照明用マントルとしてガス灯用マントルやキャンプ用ランプのマントル等が知られている。
例えばトリウム化合物を有機繊維で編成して網状に構成し乾燥させたもの、あるいはこれを焼成したものやアルミナ、シリカを主成分とする繊維を網状に構成したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のトリウム化合物を使用するものは、装飾性に欠け、また製造上困難な点があり、日本国内ではもっぱら輸入に頼り、したがってコストも高い。また、後者のものはアルミナ、シリカを主成分とする繊維を使用しているため、その製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、ガス灯用マントルとして特開平8−45303号にはジルコニウムおよびカルシウムを主成分として含む物質を網状担体に担持させてなるZr系のマントルが提案されている。
また、キャンプ用ランプ等のマントルとしてはトリア系が主流であるが、近時はZr系のマントルも用いられている。
このマントルによれば黄橙色の発光を得ることができ、照明用マントルとして供することができるが、明るさが十分とはいえず、実用化には必ずしも満足なものとはいえない。
したがって、発光輝度が高く、装飾性に優れた照明用マントルの開発が求められていた。
そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)を含む組合わせが、高い発光輝度を有するものであり照明灯としての実用性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の主たる課題は、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含む組合わせからなる発光輝度が高い照明灯用発光液、照明用マントルおよびその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の照明用マントルに用いる発光用溶液の発明では、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有してなる、という技術的手段を講じている。
また、請求項2の照明用マントルの発明では、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有してなる、という技術的手段を講じている。
更に請求項3の照明用マントルの発明では、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを有効成分とする照明灯用発光液を網状担体に担持させ焼成して上記有効成分をセラミック化させてなる、という技術的手段を講じている。
また、請求項4の照明用マントルの製造法の発明では、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを有する照明灯用発光液を網状担体に担持させる、これを次に焼成しこれら有効成分をセラミック化させる、という技術的手段を講じている。
【0005】
【発明の実施の形態】
この発明で照明灯用発光液は、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有している。
これらの元素は通常、有機酸塩(例えば酢酸塩)あるいは無機酸塩(例えば硝酸塩)の形で水に溶かした水溶液の状態で用いられる。
さらに、この照明灯用発光液には、その発光輝度、装飾性、取扱性等を向上させる目的で、特性に悪影響を与えない限り、これら元素以外の元素、または化合物をさらに添加してもよい。
【0006】
この発光液を用いて照明用マントルを製造する場合、まず、発光液の有効成分を担持させるためのマントル母材を必要に応じて希アルカリ溶液または希酸溶液にて脱脂した後、これを所定の立体形状に成形する。
ここで、マントル母材は、例えば、綿糸、綿混紡糸その他の繊維素材の織布、または不織布を用いて網状にしたもので例えばドーム形状のように形成される。
【0007】
次に、上記ドーム形状に成形されたマントル母材を上記発光液に浸漬する。
なお、この場合、発光液は加熱して、沸点以下の適当な温度、これは実験的に定めうるが、好ましくは80℃以上に保持した状態でマントル母材等を浸漬する。
これにより均一で良好な含浸を迅速に達成することができる。
このようにして、マントル母材に発光液を含浸させたのち、該含浸済みのマントル母材を発光液から引き上げ、ついで乾燥機で40〜80℃で1〜3時間乾燥させる。
次に、上記乾燥されたマントル母材を焼成用台座に固定し、電気炉などを用いて焼成を行いセラミック化してマントルを成型する。
ここで、セラミック化させないで、そのまま照明灯用バーナー等に取付け、直接点火して直火による焼成によってマントルとしての発光を得ることも可能である。
また、この発明では、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有するセラミック繊維を用いてマントルを形成する等の手段を講じてもよい。
【0008】
【実施例】
以下に、照明用マントルの一例としてガス灯用マントルに適用した実施例について説明する。
まず、綿糸などを用いて網状に織成した織布を1M(モル)のNaOH水溶液を用いて脱脂処理を行い、その後室温で乾燥させてマントル母材を完成する。
次に、マントルの型の代わりとして実験的に用いた試験管の球面状の下部に底面からマントル母材を被冠させ、紐等で固定してドーム状に成形してマントル母材を一次成形する。
【0009】
次に、上記のように一次成形したマントル母材を80℃に保たれた発光液内に約30秒間、浸漬して均一に含浸させる。
なお、この発光液は、以下の有効成分を含む水溶液からなっている。
Al: Al(NO3)3・9H2O・・・・・・・・2.5x10-1mol/l
Y : Y(NO3)3・6H2O ・・・・・・・・7.1x10-2mol/l
Cr: Cr(NO3)3・9H2O・・・・・・・・3.6x10-2mol/l
Ce: Ce(NH4)2(NO3)6 ・・・・・・・・1.8x10-3mol/l
モル比はAl:Y:Cr=7:2:1,Ce(IV)0.5%
【0010】
浸漬後、織布を試験管と共に発光液から取出し、80℃で1.5時間乾燥し硬化させる。
次に、乾燥・硬化した上記マントル母材を試験管から成形した形状を崩さないように取り外し、所定の形状に調整しながらアルミナあるいはシリカからなる台座リングにマントル母材の裾部を嵌め込む。そして例えばニクロム線等のワイヤを用いて前記裾部を固定する。
【0011】
次いで、台座リングと一体となったマントル母材を、例えば電気炉などの炉内に入れ1,000〜1,200℃程度で1時間をかけて昇温し、この温度にて1時間焼成した。
その結果、上記マントル母材は、繊維質が灰分を残して焼失し含浸溶液が酸化物の形でセラミック化され、マントル二次成形体が得られる。
さらに、この得られたマントル二次成形体を炉から取出し、残留する灰分をブンゼンバーナ炎で焼失させる。
【0012】
ついで室温まで冷却させたのち、必要に応じてマントル二次成形体の強度を補うため、マントル二次成形体に外側からバインダーをスプレーし、ガス灯用マントルを完成させた。
なお、この場合のバインダーとしては例えば酢酸ビニルエマルジョンなどの高分子材料を用いることができる。
次に、この得られたガス灯用マントルについて、発光試験を行ったところ、発光色は橙色で、輝度は71,800Cdが得られた。
【0013】
アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とのモル比を代えた実験例について次に説明する。
A 発光液中の全成分濃度0.5mol/lの場合
1 Al:Y:Cr=5:4:1,Ce(IV)0.5%
収縮率0.808 輝度46,400Cd 発光色 橙色
2 Al:Y:Cr=8:1:1,Ce(IV)0.5%
収縮率0.769 輝度58,300Cd 発光色 橙色
B 発光液中の全成分濃度0.35mol/lの場合
1 Al:Y:Cr=5:4:1,Ce(IV)0.5%
収縮率0.784 輝度33,700Cd 発光色 橙色
2 Al:Y:Cr=8:1:1,Ce(IV)0.5%
収縮率0.707 輝度52,700Cd 発光色 橙色
【0014】
また、発光液のモル比ががAl:Y:Cr=7:2:1,Ce(IV)0.5%とした場合の発光液濃度と輝度の関係は、全成分濃度が0.18mol/l〜1.44mol/lの範囲内で輝度は40,000Cdを超えるが、0.36mol/l以下でマントルの成形がやや困難となり、濃度が下がるにつれて困難性が増す。
また発効液濃度と収縮率の関係は、全成分濃度が0.18mol/lでは0.7以下となるが、0.36mol/lでは0.75以上となり、1.44mol/l以下でも0.8未満である。
【0015】
この実施例では、アルミニウム(Al):イットリウム(Y):クロム(Cr):セリウム(Ce)を、6〜8:1〜3:0.5〜2:0.5〜2(モル比)の割合で含む場合に、マントルが崩れにくく輝度も高い好適な効果が得られたが、この発明は上記実施例に限定されるものではないこと勿論である。
また、この発光液を用いたガス用マントルに関しては、発光液を予めマントルのマントル母材を構成する繊維に含浸させ乾燥させたものとすれば、マントル母材を発光液に浸漬する必要がなくこれら有効成分を担持させることができる。
更に、電気炉などの炉内での焼成に代えて、直接ガス灯用バーナー等に取付け、直火によって焼成を行うものでもよい。
【0016】
また、上記実施例では、繊維からなるマントル母材にガス灯用発光液を担持させた場合を例示したが、この発明でマントルは、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、クロム(Cr)およびセリウム(Ce)を金属酸化物のまま用いてもよい。
例えば、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、クロム(Cr)およびセリウム(Ce)の酸化物を含有するセラミック繊維を作り、このワイヤを用いてネット状に編み、直接にドームのように湾曲するマントルを成形してもよい。
【0017】
その他、上記アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、クロム(Cr)およびセリウム(Ce)の金属粉を混合しセラミック原料に混入して熱処理して、マントルを成形するものでもよい。
これらの場合の各金属の割合は前記発光液における割合に準じた割合で混入することが好ましいが、これに限らず、適宜実験的に割合を定めることができる。
そして、上記実施例ではガス灯を例に説明したがランプやランタンその他の照明灯であればよい。また燃料も各種ガスに限定されるものではなく、石油や固形油脂などを用いたものでもよく、燃料は燃焼により炎を生じるものであればその種類は限定されない。
要するに、この発明は燃焼によって加熱され照明を行う照明灯に広く適用することができる。
その他、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有する照明灯用発光液、またはこれらを含有するマントルを用いるので、従来製品に比べて廉価に製造することができる。
さらに、この照明用マントルによれば、例えば従来のZr系の照明用マントル等と比較して飛躍的に発光輝度の向上を図ることができるので装飾性や実用性に優れると共に工業的量産にも適する。

Claims (4)

  1. アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有することを特徴とする照明用マントルに用いる発光用溶液
  2. アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを含有することを特徴とする照明用マントル。
  3. アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを有効成分とする照明灯用発光液を網状担体に担持させ焼成して上記有効成分をセラミック化させてなることを特徴とする照明用マントル。
  4. アルミニウム(Al)とイットリウム(Y)とクロム(Cr)とセリウム(Ce)とを有する照明灯用発光液を網状担体に担持させ、乾燥させてから焼成し、これら有効成分をセラミック化させてなることを特徴とする照明用マントルの製造法。
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