JP3954514B2 - ゲル状組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非イオン性界面活性剤と特定のアルカリ可溶性乳化重合体及び油性成分を配合することにより、経時安定性に優れ、かつ使用性が良好で、ぬるつきやべたつきの無い良好な使用感を有するゲル状組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より油性成分を大量に配合した化粧料は、メイクアップクレンジング料やマッサージ料等として様々なものが上市されていた。しかしながら、油性成分を大量に含有した従来のクレンジング料等は、使用中や使用後にべたつく、洗い流しが困難、経時での安定性が悪いといった欠点があった。これらの欠点を解決する方法として、例えば、親水性非イオン性界面活性剤と水酸基含有水溶性成分と油性成分及び水を含有する液晶型油性化粧料や特定の非イオン性界面活性剤と液状油及び多価アルコールを含有する化粧料やHLB10以上の非イオン性界面活性剤、特定のアルキルアクリレート/アクリル酸共重合体、液状油を含有するゲル状組成物などが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−53910号公報
【特許文献2】
特開平9−216813号公報
【特許文献3】
特許第3015027号公報
【特許文献4】
特開平9−40522号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの方法においても経時安定性を重視すると良好な使用感が得られ難く、一方使用感を重視すると、ゲル構造が保持できず、経時安定性が悪化する場合があった。また、アニオン性や両性の洗浄剤や金属イオン封鎖剤等の電解質の配合は、増粘剤である水溶性高分子の増粘効果に悪影響を及ぼし、凝集、粘度低下などを起こす場合が多く、また肌に塗布したときに、肌上の汗などに含まれる塩類の影響を受けてゲル組成物の粘度が低下し、たれ落ちといった使用性を損なう場合があった。またクレンジング料やマッサージ料を洗い流して使用する場合に、水溶性高分子の影響でぬるついたりべたついたりして使用感を損なう場合があった。従って、油性成分を多く含有したゲル状組成物において、使用時にたれ落ちが無く使用性に優れ、また洗い流し時のぬるつきやべたつきが少なく使用感にも優れ、更にクレンジング料の場合はクレンジング効果が高く、かつ経時安定性の良好なものの開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み、本発明者らは上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、非イオン性界面活性剤と特定のアルカリ可溶性乳化重合体及び特定量の油性成分を含有する事により、上述した課題を解決し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(a)、(b)、(c);
(a)非イオン性界面活性剤
(b)次の単量体(A)、(B)、(C)の共重合体であるアルカリ可溶性乳化重合体;(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸、(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上、(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル
(c)油性成分35〜90質量%
を必須成分として含有するゲル状組成物である。更に、成分(a)非イオン性界面活性剤のHLBが10以上であるゲル状組成物である。更に、成分(d)アニオン性界面活性剤を含有するゲル状組成物である。
【0007】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明に用いられる成分(a)の非イオン性界面活性剤は、油性成分の乳化剤及びクレンジング料またはマッサージ料としての使用においては洗い流し時のぬるつきを抑制すること及びクレンジング料としての使用においてはクレンジング効果を付与することを目的として含有されるものである。
【0008】
本発明に用いられる成分(a)の非イオン性界面活性剤は特に限定されないが、具体的に例示するのであれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルグルコシド類、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン系非イオン性界面活性剤等があげられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でも、優れた使用感及びクレンジング効果を得るには、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0009】
好ましい非イオン性界面活性剤を更に詳しく例示するのであれば、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(50)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)コレスタノールエーテル、ポリオキシエチレン(30)コレステリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)コレステリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(25)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(16)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(5)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(15)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(5)フィトステリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)フィトステリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)フィトステリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)フィトステリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(15)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)グリセリルトリイソステアレート、ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(30)ソルビトールテトラオレート、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールテトラオレート、ポリオキシエチレン(60)ソルビトールテトラオレート、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合せて用いることができる。
【0010】
本発明に用いられる成分(a)の含有量は特に限定されないが、洗い流し時のぬるつきのない優れた使用感及び良好なクレンジング効果を得るには、全組成中0.05〜30質量%(以下、単に「%」と記す)が好ましく、更に0.1〜15%であればより好ましい。
【0011】
更に、優れた使用感及びクレンジング効果を得るには、本発明に用いられる成分(a)非イオン性界面活性剤のHLBが10以上であることが好ましい。HLBが10以上であると、クレンジング料やマッサージ料として洗い流して使用する場合、ぬるつかず、さっぱりとした使用感がより得られ易くなる。
【0012】
本発明に用いられる成分(b)の特定のアルカリ可溶性乳化重合体は、ゲル構造を形成し、経時安定性向上及び使い易さなどの使用性を高める目的で含有されるものである。成分(b)の特定のアルカリ可溶性乳化重合体は、成分(a)の非イオン性界面活性剤と併用して含有することで、油性成分を多く含有した系においても良好なゲルを形成する。また成分(b)の特定のアルカリ可溶性乳化重合体は、耐塩性が高く、電解質による粘度低下が少ない。従って、肌に塗布しても、肌上の塩の影響によるゲル構造の破壊が少ないため、粘度低下が起こらず、肌上でのマッサージやメイクアップ化粧料を落とすためのクレンジング操作などの使用性が優れる。また洗い流して使用する場合においても、ぬるつきやべたつきが無く、さっぱりとした使用感を付与する。
【0013】
本発明に用いられる成分(b)のアルカリ可溶性乳化重合体は、そのもの自身では低粘度のポリマー水分散液であり、ポリマーエマルションと称される白濁〜微白濁の液体である。このものは、アルカリ剤の添加により増粘し、且つ透明に変化する。本発明に用いられる成分(b)のアルカリ可溶性乳化重合体は、次の3種単量体の共重合体をポリマー分とするポリマーエマルションである。
(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸
(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上
(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル
上記の3種単量体を共重合して得られる共重合体は、ICID(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載の、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体(ACRYLATES/CETETH−20 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ステアレス−50アクリレート共重合体(ACRYLATES/STEARETH−50 ACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体(ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体(ACRYLATES/BEHENETH−25 METHACRYLATE COPOLYMER)等が例示され、ポリマーエマルションの形態では、アキュリン22、アキュリン28(いずれもローム&ハース社製)等の市販品が、具体的に例示され、本発明品に好適に使用できる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合せて用いることができる。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)アルカリ可溶性乳化重合体の固形分量は、特に限定されないが、良好なゲル構造を得るには、0.01〜5%が好ましく、更に0.05〜3%がより好ましい。
【0015】
また、前記のアルカリ可溶性乳化重合体に対して配合されるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機性塩基性物質やトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アルギニンなどの有機性塩基性物質などが挙げられる。
【0016】
本発明に用いられる成分(c)の油性成分は、組成物のゲル構造を得るため及びクレンジング料、マッサージ料の使用においてはクレンジング、マッサージのための溶媒として含有されるものである。
【0017】
本発明に用いられる油性成分は、特に限定されないが、具体的に例示するのであれば、通常化粧料に用いられるものであればよく、常温において、固型状、ペ−スト状、液状等の性状は問わない。好ましくは、常温にてぺ−スト〜液状であれば、使用性が向上する。その油性成分を具体的に例示するのであれば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、ポリブテン、ポリブチレンなどの炭化水素油、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどの高級アルコール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・べへニル・オクチルドデシル)、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアンナッツ油脂肪酸コレステリルなどのコレステロール誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・べへニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリルなどのフィトステロール誘導体、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸−2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸デシル、イソステアリン酸ラウリル、イソデカン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ−ル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコ−ル、ジカプリン酸プロピレングリコ−ル、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ジペンタエリトリット脂肪酸エステルなどのエステル油、小麦胚芽油、米胚芽油、メドウフォーム油、ローズマリー油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油などの植物油、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリルなどの脂肪酸ジグリセリル、ラノリン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、油溶性美容成分、香料等を挙げる事ができる。これらの中でも、使用性などの観点から好ましくは、ポリブチレン、ポリブテン、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリン、流動パラフィン、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・べへニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・べへニル・オクチルドデシル)等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合せて用いることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)の油性成分は、全組成中35〜90%であればよく、好ましくは45〜80%である。35%未満では、良好なゲル構造が維持できず、経時安定性が悪くなる。また、十分なクレンジング効果、マッサージ効果が得られない。また、90%を超えると、経時安定性が悪くなったり、使用後のぬるつきや洗い流し等の使用感が悪くなったりする。
【0019】
また、本発明の使用感、経時安定性をさらに向上させる目的で、成分(d)アニオン性界面活性剤を含有することも可能である。成分(d)アニオン性界面活性剤は、洗い流し時のぬるつき抑制に優れ、かつ使用後のべたつきがなく、更に使用感が良好なものとし、ゲル構造の経時安定性向上に寄与する。
【0020】
本発明で用いられる成分(d)のアニオン性界面活性剤は、通常化粧料に用いられるものであれば、特には限定されず、具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、ヒドロキシ脂肪酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合せて用いることができる。
【0021】
これらの中でも、より優れた使用感及び経時安定性向上効果を得るためには、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、アルキロイルアルキルタウリン、アシルアミノ酸、高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンより選ばれる塩が好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩のアルキル鎖長は特に炭素数が10〜22のものが好ましく、ポリオキシエチレン鎖長は1〜20モルが好ましい。アルキロイルアルキルタウリン塩のアルキロイル基は炭素数が10〜22のものが好ましく、アルキル基は炭素数が1〜5が好ましい。アシルアミノ酸塩のアシル基は炭素数が10〜22のものが好ましく、アミノ酸としてはグルタミン酸が好ましい。
【0022】
本発明で用いられる成分(d)のアニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、優れた使用感及び経時安定性向上効果を得るためには、0.001〜5%が好ましく、0.01〜3%がより好ましい。
【0023】
本発明のゲル状組成物の剤型は特に限定されず、メイクアップクレンジング料、マッサージ料、洗顔料、保湿クリーム、シャンプー等の皮膚、または頭髪化粧料として使用できる。中でも、本発明は油性成分を大量に含有し、またゲル状という剤型の良好な使用性から、メイクアップクレンジング料やマッサージ料としての使用が特に好ましい。また本発明のゲル状組成物の外観は、透明、半透明、不透明のいずれでも構わない。本発明品のゲル状組成物の粘度(20℃)は、使用性や使用感などから5000〜100万mPa・sが好ましい。粘度の測定方法としては、例えば、ブルックフィールド型粘度計を用いて、ゲル状組成物の粘度に応じて、1号〜4号ローターを適宜選択し、20℃の粘度を測定する。ブルックフィールド型粘度計の一例としては、「単一円筒型回転粘度計ビスメトロン」(芝浦システム社製)が挙げられる。
【0024】
本発明の化粧料には、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分、例えば、グリコール類、低級アルコール類、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、美容成分、色素、顔料、パール化剤、防腐剤、香料、スクラブ剤、無機粉体、有機粉体、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができ、通常の化粧料を製造する方法にて得られるものである。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0026】
実施例1〜8及び比較例1〜5:クレンジング料
下記表1に示す組成のクレンジング料を下記製造方法にて調製した。得られた各試料を外観(組成物の状態)、使用性(メイクアップ除去効果、使い易い適度な硬さ)、使用感(洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さ)、経時安定性について、下記の方法により評価し、結果を併せて表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
(製造方法)
A:成分(10)、(13)を均一に混合する。
B:成分(1)〜(9)、(11)〜(12)を均一に混合し、Aを添加してクレンジング料を得た。
【0029】
<外観(組成物の状態)>
表1の各試料について、組成物の状態を20℃の粘度により評価し、下記(イ)4段階判定基準より判定した。
【0030】
(イ)4段階判定基準
粘度(組成物の状態) :(判定)
5000mPa・s以上(ゲル状) : ○
1000以上〜5000mPa・s未満(柔らかいゲル状): △
1000mPa・s未満(ゲル状ではない) : ×
【0031】
<使用性・使用感>
表1の各試料について女性専門パネル10名により、使用性(メイクアップ除去効果、使い易い適度な硬さ)、使用感(洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さ)について、下記(ロ)評価基準にて5段階評価し、更に各試料の評点の平均値を(ハ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0032】
【0033】
<経時安定性の評価>
表1の各試料について、5℃、40℃に恒温放置し、2ヶ月間放置後の粘度変化を目視にて観察し、(ニ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0034】
【0035】
表1の結果から明らかなように本発明の実施例1〜8のクレンジング料は比較例1〜5と比較して、メイクアップ除去効果、使い易さ、洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さなど使用性、使用感に優れ、経時安定性も良好なクレンジング料であった。
【0036】
【0037】
(製造方法)
A:成分(9)〜(14)を均一に加熱混合する。
B:成分(1)〜(8)を均一に加熱混合し、Aを添加し、冷却してマッサージ料を得た。
【0038】
実施例9で得られたマッサージ料は、粘度が15万mPa・sで、使い易さなど使用性や洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さなどの使用感に優れ、経時安定性も良好なマッサージ料であった。
【0039】
【0040】
(製造方法)
A:成分(1)〜(9)を均一に加熱混合し、(10)〜(12)を添加してジェルクレンジング料を得た。
【0041】
実施例10で得られたジェルクレンジング料は、粘度が10万mPa・sで、使い易さやメイクアップ除去効果などの使用性や洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さなどの使用感に優れ、経時安定性も良好なジェルクレンジング料であった。
【0042】
【0043】
(製造方法)
A:成分(9)〜(12)を均一に混合する。
B:成分(1)〜(8)を均一に混合し、Aを添加してジェルクレンジング料を得た。
【0044】
実施例11で得られたジェルクレンジング料は、粘度が20万mPa・sで、使い易さやメイクアップ除去効果などの使用性や洗い流し時のぬるつきの無さ、べたつきの無さなどの使用感に優れ、経時安定性も良好なジェルクレンジング料であった。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のゲル状組成物は、経時安定性に優れ、かつ使用性が良好で、ぬるつきやべたつきの無い良好な使用感を有するものであった。
Claims (3)
- 次の成分(a)、(b)、(c)及び(d);
(a)非イオン性界面活性剤
(b)次の単量体(A)、(B)、(C)の共重合体であるアルカリ可溶性乳化重合体;(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸、(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上、(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル
(c)油性成分35〜90質量%
(d)アニオン性界面活性剤
を必須成分として含有することを特徴とする、ゲル状組成物。 - 成分(a)非イオン性界面活性剤のHLBが10以上であることを特徴とする請求項1記載のゲル状組成物。
- (c)油性成分が、エステル油であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状組成物。
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Publications (2)
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