JP3953365B2 - 通信管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信管理システムに関し、特にVLAN(Virtual Local Area Network)に対するネットワークの通信管理を行う通信管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、VLANと呼ばれるネットワーク技術が開発されている。VLANは、物理的なLAN構成とは独立に、ネットワークに接続した端末を仮想的(論理的)にグループ化したLANのことで、1つのVLANが1つのブロードキャストドメインになる(VLAN技術はIEEE 802.1Qに示されている)。
【0003】
このVLANをLANスイッチ(例えば、イーサネットスイッチ:イーサネットは登録商標)で構成されるネットワーク上で実現することで、端末移設等の際にかかる設定作業の削減化などが可能となる。
【0004】
図16はVLANシステムの構成を示す図である。システムの接続関係としては、VLAN構成を管理するための管理装置110とLANスイッチ121〜123は、管理用通信ネットワーク130と接続する。また、LANスイッチ121〜123は互いに接続しており、LANスイッチ121は端末41、44と接続し、LANスイッチ122は端末42、45と接続し、LANスイッチ123は端末43と接続する。さらに、端末41〜43はVLAN#1に属し、端末44、45はVLAN#2に属している。
【0005】
ここで、管理装置110がVLAN構成の情報を管理する場合、従来では、管理装置110が、すべてのLANスイッチにアクセスしに行き、LANスイッチがどのVLANに接続しているかの情報を、アクセスしたLANスイッチから受け取ることで情報の収集を行っていた。
【0006】
例えば、管理装置110は、管理用通信ネットワーク130を介して、LANスイッチ121にアクセスする。そして、LANスイッチ121は、VLAN#1の端末41と、VLAN#2の端末44と接続しているので、自己がVLAN#1、#2に接続している旨を管理装置110へ返信する。
【0007】
このようなやりとりを管理装置110とLANスイッチ121〜123間で行うことで、管理装置110では、LANスイッチ121〜123におけるVLANの設定情報を収集・管理していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記で説明したような従来の管理制御では、管理装置110は、1台のLANスイッチにアクセスして、そのLANスイッチからの応答を受け取るといった動作を、管理対象とするLANスイッチすべてに対して、逐次行わなければならないので、管理効率が非常に悪く、また通信コストが大きくなってしまうといった問題があった。
【0009】
さらに、従来では、VLAN設定情報取得のための通信を行っている際に、LANスイッチへの設定誤りや障害発生等の理由で、回線断とみなされる現象を認識した場合には、管理装置110は、LANスイッチに対して、VLAN設定情報取得のための通信とは別に、回線状態(LANスイッチの動作状態)を確認するための通信制御をあらためて行う必要があった。このため、管理効率が悪く、利便性が低いといった問題があった。
【0010】
一方、ネットワークの管理制御の従来技術として、特開平8−102756号公報がある。これは、ネットワーク内のプロキシノードを自動的に検出する技術であるが、この場合もネットワーク内のすべてのノードに対して、管理マネージャがアクセスして、逐一情報を取得するといった構成をとっているため、管理効率の向上が望めなかった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ネットワーク管理として、VLANの設定情報を効率よく収集し、管理効率及び利便性の向上を図った通信管理システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、ネットワークの通信管理を行う通信管理システム1において、ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する運用管理部11を有するネットワーク管理装置10と、自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルT1と、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部21aと、試験開始コマンドを受け付けた場合には、VLAN設定テーブルT1にもとづき、自己のVLAN設定情報を試験結果記憶部21aへ格納し、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、応答パケットからVLAN設定情報を取り出して試験結果記憶部21aへ格納し、格納されているVLAN設定情報を試験結果データとして、ネットワーク管理装置10へ通知するルート側試験実行部21bと、から構成されるルートノード21と、VLAN設定テーブルT2と、試験パケットを受信した場合には、VLAN設定テーブルT2にもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納してルートノード21へ返送し、隣接ノードへ試験パケットを中継転送するブランチ側試験実行部22bと、から構成されるブランチノード22と、を有し、VLAN設定テーブルT1は、ポートIDと、VLAN−IDと、VLANと接続するポートであるアクセスポートまたはノード間を接続するポートであるトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成され、トランキングポートに対応するポートID及びVLAN−IDは動的設定され、ルート側試験実行部21b及びブランチ側試験実行部22bは、アクセスポートに対応するポートID及びVLAN−IDの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、トランキングポートから隣接ノードへ試験パケットを送信し、またはトランキングポートから隣接ノードへ自己のVLAN設定情報を含めた応答パケットを送信する、ことを特徴とする通信管理システム1が提供される。
【0013】
ここで、運用管理部11は、ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する。VLAN設定テーブルT1、T2は、自己のVLAN設定情報が登録されたテーブルである。試験結果記憶部21aは、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する。ルート側試験実行部21bは、試験開始コマンドを受け付けた場合には、VLAN設定テーブルT1にもとづき、自己のVLAN設定情報を試験結果記憶部21aへ格納して、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、応答パケットからVLAN設定情報を取り出して試験結果記憶部21aへ格納して、格納されているVLAN設定情報を試験結果データとして、ネットワーク管理装置10へ通知する。ブランチ側試験実行部22bは、試験パケットを受信した場合には、VLAN設定テーブルT2にもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納してルートノード21へ返送して、隣接ノードへ試験パケットを中継転送する。また、VLAN設定テーブルT1は、ポートIDと、VLAN−IDと、VLANと接続するポートであるアクセスポートまたはノード間を接続するポートであるトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成され、トランキングポートに対応するポートID及びVLAN−IDは動的設定され、ルート側試験実行部21b及びブランチ側試験実行部22bは、アクセスポートに対応するポートID及びVLAN−IDの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、トランキングポートから隣接ノードへ試験パケットを送信し、またはトランキングポートから隣接ノードへ自己のVLAN設定情報を含めた応答パケットを送信する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は通信管理システムの原理図である。通信管理システム1は、ネットワーク管理装置10と、LANスイッチである、ルートノード21及びブランチノード22−1、22−2(総称する場合は、ブランチノード22)を有する。
【0015】
なお、ルートノード21、ブランチノード22−1、22−2の機能は、実際には1台の同一の通信装置(ノード)内に含まれ、後述するノード選択によって、任意の1つのノードがルートノードになったり、ブランチノードになったりするものである。
【0016】
図に示すシステムの接続関係としては、ネットワーク管理装置10とルートノード21、ブランチノード22−1、22−2は、管理用通信ネットワーク3と接続し、ルートノード21はブランチノード22−1、22−2と接続する。また、ルートノード21は端末42、43と接続し、ブランチノード22−1は端末41と接続し、ブランチノード22−2は端末44と接続する。さらに、端末41、42はVLAN#1に属し、端末43、44はVLAN#2に属している。
【0017】
ネットワーク管理装置10に対し、運用管理部11は、すべてのノードの中で、ルート側とする1台のノード(ルートノード21)を選択し、ルートノード21だけに試験開始コマンドを送信する。その後、ルートノード21から送信された試験結果データを受信して、システム内のVLANの構成状態を収集・管理する。ユーザインタフェース部12は、オペレータに対するユーザインタフェース処理(コマンド入力、表示制御など)を行う。
【0018】
ルートノード21に対し、VLAN設定テーブルT1は、自己(ルートノード21)のVLAN設定情報が登録されたテーブルである。試験結果記憶部21aは、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する。
【0019】
ルート側試験実行部21bは、試験開始コマンドを受け付けた場合には、VLAN設定テーブルT1にもとづき、自己のVLAN設定情報を試験結果記憶部21aへ格納する。また、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノード(ここではブランチノード22−1、22−2)へ送信する。
【0020】
さらに、ルート側試験実行部21bは、ブランチノード22−1、22−2から応答パケットを受信した場合には、それらの応答パケットからVLAN設定情報を取り出して試験結果記憶部21aへ格納する。そして、格納されたルートノード21及びブランチノード22−1、22−2に対するVLAN設定情報を、試験結果データとして、ネットワーク管理装置10へ通知する。
【0021】
ここでは、ルートノード21はVLAN#1、#2に接続し、ブランチノード22−1はVLAN#1に接続し、ブランチノード#22−2がVLAN#2に接続しているということが試験結果データの内容になる。
【0022】
ブランチノード22に対し、ブランチ側試験実行部22bは、試験パケットを受信した場合には、自己(ブランチノード22)のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルT2にもとづき、VLAN設定情報を応答パケットに格納してルートノード21へ返送する。また、接続する隣接ノードがあれば、その隣接ノードへ試験パケットを中継転送する。
【0023】
なお、上記では、ルート側試験実行部21b及びブランチ側試験実行部22bを別個に記したが、実際には1つのノード内に1つの試験実行部が存在し、ノードがルートノードのときは、試験実行部の機能がルート側試験実行部21bになり、ノードがブランチノードのときは、試験実行部の機能がブランチ側試験実行部22bになるものである。
【0024】
次に通信管理システム1の具体的な動作について詳しく説明する。図2はネットワーク構成を示す図である。図のネットワークは、ブリッジネットワークによる(レイヤ2でフレームの中継を行うネットワーク)、IEEE802.1Dで定義されたスパニングツリープロトコル(STP)で構成された論理トポロジを表している。
【0025】
なお、STPとは、ネットワーク内のループを検出し、そのループ内の一点を論理的に切断して、ツリー構造を形成することにより、ループにより生じるフレーム輻輳(巡回)を回避するためのものである。また、以降の説明では、ネットワーク管理装置をMS(Management System)、ルートノード及びブランチノードを単にスイッチ(ルート、ブランチを区別する場合はルートスイッチ、ブランチスイッチ)と呼ぶ。
【0026】
図に示すシステムの接続関係としては、MS10とスイッチ21(ルートノード21に該当)、スイッチ22−1〜22−3(ブランチノード22に該当)は、管理用通信ネットワーク3と接続する。また、スイッチ21とスイッチ22−1、22−2は互いに接続し、スイッチ22−1とスイッチ22−3が接続する(図中のスイッチ21、22−1〜22−3の接続部分に示す数字は、ポートIDを示す)。
【0027】
なお、スイッチ21とスイッチ22−1、22−2は、ループを形成しているので、スイッチ21のポートID=4と、スイッチ22−2のポートID=2による接続は、STPによって論理的には切断(ブロッキング状態)されている(図中、点線で示している)。
【0028】
また、スイッチ21は端末41、44と接続し、スイッチ22−2は端末42、45と接続し、スイッチ22−3は端末43と接続する。そして、端末41〜43はVLAN#10(VLAN−ID=10)に属し、端末44、45はVLAN#20(VLAN−ID=20)に属している。
【0029】
図3〜図6はVLAN設定テーブルを示す図である。図3〜図6に示すテーブルは、スイッチ21、スイッチ22−1〜22−3のそれぞれが有するVLAN設定テーブルT1、T2−1〜T2−3である。
【0030】
VLAN設定テーブルT1、T2−1〜T2−3は、ポートID、VLAN−ID、タイプの項目からなる。タイプとは、ポートがアクセスポートか、またはトランキングポートかの種別を表しており、“0”ならばアクセスポート、“1”ならばトランキングポートとする。
【0031】
アクセスポートとは、入力してきたパケットに対して、VLAN−IDを含むタグ(Tag)を付与し、出力するパケットに対しては、タグの削除を行うポートのことをいう(VLANと接続するポートはアクセスポートとなる)。トランキングポートとは、タグの付与/削除は行わず、スイッチ間を接続するポートのことをいう。
【0032】
ここで、テーブルの見方について、VLAN設定テーブルT1を用いて説明すると、アクセスポートであるポートID=1(のポート)の接続先のVLANは、VLAN−ID=20(のVLAN#20)であり、ポートID=2の接続先のVLANは、VLAN−ID=10である。また、トランキングポートであるポートID=3の接続先のVLANは、途中のスイッチを介して、VLAN−ID=10とVLAN−ID=20である。その他のテーブルも同様な見方をする。
【0033】
なお、VLAN設定テーブルT1、T2−1〜T2−3に対し、タイプ=0に対応する、ポートID及びVLAN−IDの各欄は、オペレータが事前に設定すべき項目であり、タイプ=1に対応する、ポートID及びVLAN−IDの各欄は、各スイッチがSTP情報をもとに動的に設定するものである(IEEE802.1Qに示された標準的な動作である)。
【0034】
例えば、VLAN設定テーブルT1について見ると、タイプ=0であるポートID=1、VLAN−ID=20の組と、ポートID=2、VLAN−ID=10の組は、オペレータが事前に設定する。また、タイプ=1であるポートID=3、VLAN−ID=10の組と、ポートID=3、VLAN−ID=20の組は、スイッチ21が動的に設定する。
【0035】
次に図2に示した論理トポロジ上での動作について詳しく説明する。なお、以降ではスイッチ21、22−1〜22−3のそれぞれの符号を、各スイッチのスイッチIDとも呼ぶ。また、スイッチ22−1〜22−3に含まれるブランチ側試験実行部をそれぞれ、ブランチ側試験実行部22b−1〜22b−3と呼ぶ。
【0036】
まず、MS10における試験開始時の動作について説明する。オペレータは、ルートノードとなるスイッチを選択して(ここではスイッチ21をルートノードとする。したがって、スイッチ22−1〜22−3はブランチノードとなる)、そのスイッチIDを記載した試験開始コマンド(例えば、run vlan configtest(21))を、MS10のユーザインタフェース部12を通じて入力する。
【0037】
MS10の運用管理部11は、スイッチ21へ試験開始コマンド(例えば、run configtest( ))を送信して、応答待ち状態となる。なお、スイッチ21へのアクセスは、例えば管理用通信ネットワーク3がIPネットワークであった場合は、スイッチ21のIPアドレスを取得することによって実現する。
【0038】
図7はネットワークアドレス情報テーブルを示す図である。ネットワークアドレス情報テーブルT0は、運用管理部11で管理され、スイッチID、IPアドレスからなるテーブルである。運用管理部11は、ネットワークアドレス情報テーブルT0を検索して、スイッチ21のIPアドレス(10.10.10.25)を取得して、試験開始コマンドを送信する。
【0039】
次にスイッチ21における試験開始コマンドを受信した際の動作について説明する。スイッチ21のルート側試験実行部21bは、試験開始コマンドを受信すると、図3のVLAN設定テーブルT1から、アクセスポートの情報(=VLAN設定情報)を取得する。そして、試験結果記憶部21a内に格納されている過去の情報を消去した後に、取得したVLAN設定情報を試験結果記憶部21aに格納する。
【0040】
ここでは、試験結果記憶部21a内には、スイッチ21のVLAN設定情報として、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<21、1、20>と<21、2、10>とが格納される。
【0041】
一方、ルート側試験実行部21bは、スイッチID=21を含む試験パケットを生成し、トランキングポート=3よりスイッチ22−1へ送信すると共に、タイマをセットする。試験パケットの送信時にタイマをセットすることにより、最初に受信する応答パケットの待ち時間を設定している(この設定時間内に応答パケットが得られない場合は、その旨はMS10側へ通知される)。
【0042】
次にスイッチ22−1の動作を説明する。ブランチ側試験実行ブランチ22b−1は、スイッチ21より試験パケットを受信すると、図4のVLAN設定テーブルT2−1から、アクセスポートの情報を取得しようとするが、この例ではアクセスポートがないため、応答パケットは生成しない。
【0043】
一方、ブランチ側試験実行部22b−1は、受信した試験パケットをコピーし、受信ポート(ID=1)以外のトランキングポート(ID=2、3)からスイッチ22−2、22−3へ中継転送する。
【0044】
次にスイッチ22−2の動作を説明する。ブランチ側試験実行部22b−2は、スイッチ22−1より試験パケットを受信すると、図5のVLAN設定テーブルT2−2から、アクセスポートの情報を取得する。
【0045】
この例では、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<22−2、3、20>と<22−2、4、10>が得られる。ブランチ側試験実行部22b−2は、これらの情報を格納した応答パケットR2を生成し、試験パケットを生成したスイッチ21に返送する。
【0046】
図8は応答パケットR2の構成を示す図である。応答パケットR2は、送信元スイッチIDと、ポートID及びVLAN−IDの組み合わせとによるフィールドを持ち、この例では、送信元スイッチID=22−2、(ポートID=3、VLAN−ID=20)、(ポートID=4、VLAN−ID=10)となる。
【0047】
なお、スイッチ22−2では、試験パケットを受信したポート(ID=1)以外のトランキングポートは存在しないため、スイッチ22−2は試験パケットの中継転送は行わない。
【0048】
次にスイッチ22−3の動作を説明する。スイッチ22−3のブランチ側試験実行部22b−3は、スイッチ22−1より試験パケットを受信すると、図6のVLAN設定テーブルT2−3から、アクセスポートの情報を取得する。
【0049】
この例では、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<22−3、2、10>が得られる。ブランチ側試験実行部22b−3は、この情報を格納した応答パケットR3を生成し、試験パケットを生成したスイッチ21に返送する。図9は応答パケットR3の構成を示す図である。フィールド構成は図8と同じで、送信元スイッチID=22−3、(ポートID=2、VLAN−ID=10)となっている。
【0050】
なお、スイッチ22−3では、試験パケットを受信したポート(ID=1)以外のトランキングポートは存在しないため、スイッチ22−3は試験パケットの中継転送は行わない。
【0051】
次にスイッチ21における応答パケットを受信した際の動作を説明する。ルート側試験実行部21bは、応答パケットR2、R3を受信すると、応答パケットR2、R3からVLAN設定情報を取り出して、試験結果記憶部21aに追加格納する。
【0052】
ここでは、応答パケットR2、R3から、スイッチ22−2のVLAN設定情報<22−2、3、20>、<22−2、4、10>と、スイッチ22−3のVLAN設定情報<22−3、2、10>を取り出して、試験結果記憶部21aに格納する。また、このとき、応答パケットの最初の受信時に、タイマを再設定する。このタイマ設定により、すべての応答パケットを受信するまでの待ち時間を設定している。
【0053】
図10は試験結果データの格納状態を示す図である。試験結果記憶部21aには、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、自己(スイッチ21)のVLAN設定情報として<21、1、20>と<21、2、10>、スイッチ22−2のVLAN設定情報として<22−2、3、20>、<22−2、4、10>、スイッチ22−3のVLAN設定情報として<22−3、2、10>が格納される。
【0054】
ルート側試験実行部21bは、タイマより終了通知を受信すると、試験結果記憶部21a内の図10に示した格納情報を試験結果データとし、試験開始コマンドの応答としてMS10へ送信する。MS10は、試験結果データを受信すると、ユーザインタフェース部12を通じて、オペレータに対して画面表示する。
【0055】
ここで、応答パケットの最初の受信時に、タイマを再設定することについて説明する。このタイマを再設定することにより、設定時間内に得られた応答パケットによるVLAN設定情報が試験結果データとして通知されることになる。したがって、設定時間内に本来到着すべき応答パケットが到着しなかった場合は、回線障害(スイッチの動作異常も含む)の可能性がある。
【0056】
この回線状態の正常性の認識は、MS10があらかじめ保持していたVLAN設定情報と、受信した試験結果データとの差分を比較することでなされる。このように、VLAN設定情報を収集する際に、試験パケットがネットワーク上を流れるので、回線状態の試験も同時に行うことができる。
【0057】
以上説明したように、通信管理システム1では、MS10が1台のルート側のスイッチ21に試験開始コマンドを送信すると、スイッチ21は試験パケットを生成する。この試験パケットは、複数のブランチスイッチ間で中継転送され、応答情報として、それぞれのブランチスイッチにおけるVLAN設定情報がスイッチ21に収集される。そして、スイッチ21のVLAN設定情報と共に、試験結果データとしてMS10へ送信される。
【0058】
このように、1台のスイッチにMS10からアクセスするだけで、スイッチ間で情報を収集して、試験結果を通知してくれるので、従来のように、複数のスイッチにアクセスして、各スイッチから応答を受け取るといった動作を逐次行う必要がなくなる。これにより、管理効率及び利便性の向上を図ることが可能になる。
【0059】
次にルートスイッチの決定処理について説明する。図2〜図10の上記の説明では、ルートになるスイッチを決定する際に、オペレータが、試験開始コマンドにスイッチIDを記載することで、ルートスイッチを決定していたが(オペレータからの入力設定)、その他の処理として、オペレータによる事前登録設定、装置自動設定がある。
【0060】
オペレータによる事前登録設定とは、オペレータがあらかじめMS10のユーザインタフェース部12を通じて、スイッチIDを登録しておくものである(登録コマンドとして例えば、set root switchid( ))。
【0061】
また。装置自動設定とは、試験開始コマンドにスイッチIDが記載されていなかった場合に、運用管理部11が自らルートスイッチを決定するものである(起動内部コマンドとして例えば、get root switchid( ))。スイッチIDの選択方法としては、スイッチIDが最も小さいスイッチを選んだり、または負荷の最も小さいスイッチを選ぶ。
【0062】
図11はルートスイッチ決定処理のアルゴリズムを示す図である。
〔S1〕運用管理部11は、試験開始コマンドにスイッチIDが含まれているか否かを判断する。含まれていればステップS2へ、含まれていなければステップS3へ行く。
〔S2〕運用管理部11は、該当するスイッチへ試験開始コマンドを送信する(オペレータからの入力設定による試験開始コマンドの送信)。
〔S3〕運用管理部11は、スイッチIDが登録されているか否かを判断する。登録されていればステップS4へ、登録されていなければステップS5へ行く。
〔S4〕登録されているスイッチIDを試験開始コマンドに記載して、該当するスイッチへ試験開始コマンドを送信する(オペレータによる事前登録設定による試験開始コマンドの送信)。
〔S5〕運用管理部11は、装置自動設定により、自らルートスイッチIDを決定し、そのスイッチIDを試験開始コマンドに記載して、該当するスイッチへ試験開始コマンドを送信する(装置自動設定による試験開始コマンドの送信)。
【0063】
次にVLANを指定して試験を行う場合の実施の形態について説明する。図2〜図10の上記の説明では、ネットワーク上で構成されているすべてのVLANに対してVLAN設定情報を収集したが、ここでは、オペレータが特定のVLANを指定することにより、指定されたVLAN設定情報のみを収集するものである。
【0064】
まず、MS10における試験開始時の動作について説明する。オペレータは、スイッチID及びVLAN−IDを記載した試験開始コマンド(例えば、run vlan configtest(21,10))を、MS10のユーザインタフェース部12を通じて入力する。そして、MS10の運用管理部11は、スイッチ21へ試験開始コマンド(例えば、run configtest(10))を送信して、応答待ち状態となる。
【0065】
次にスイッチ21における試験開始コマンドを受信した際の動作について説明する。スイッチ21のルート側試験実行部21bは、試験開始コマンドを受信すると、図3のVLAN設定テーブルT1から、アクセスポートの情報を取得する。そして、試験結果記憶部21a内に格納されている過去の情報を消去した後に、取得したVLAN設定情報を試験結果記憶部21aに格納する。
【0066】
ここでは、試験結果記憶部21a内には、スイッチ21のVLAN設定情報として、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<21、2、10>が格納される。
【0067】
一方、ルート側試験実行部21bは、スイッチID=21及びVLAN−ID=10を含む試験パケットを生成し、トランキングポート=3よりスイッチ22−1へ送信すると共に、タイマをセットする。
【0068】
次にスイッチ22−1の動作を説明する。ブランチ側試験実行ブランチ22b−1は、スイッチ21より試験パケットを受信すると、図4のVLAN設定テーブルT2−1から、アクセスポートの情報を取得しようとするが、この例ではアクセスポートがないため、応答パケットは生成しない。
【0069】
一方、ブランチ側試験実行ブランチ22b−1は、受信した試験パケットをコピーし、受信ポート(ID=1)以外のトランキングポート(ID=2、3)からスイッチ22−2、22−3へ中継転送する。
【0070】
次にスイッチ22−2の動作を説明する。ブランチ側試験実行部22b−2は、スイッチ22−1より試験パケットを受信すると、図5のVLAN設定テーブルT2−2から、アクセスポートの情報を取得する。
【0071】
この例では、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<22−2、4、10>が得られる。ブランチ側試験実行部22b−2は、これらの情報を格納した応答パケットR2aを生成し、試験パケットを生成したスイッチ21に返送する。
【0072】
図12は応答パケットR2aの構成を示す図である。応答パケットR2aは、送信元スイッチID=22−2、(ポートID=4、VLAN−ID=10)となる。
【0073】
なお、スイッチ22−2では、試験パケットを受信したポート(ID=1)以外のトランキングポートは存在しないため、スイッチ22−2は試験パケットの中継転送は行わない。
【0074】
次にスイッチ22−3の動作を説明する。スイッチ22−3のブランチ側試験実行部22b−3は、スイッチ22−1より試験パケットを受信すると、図6のVLAN設定テーブルT2−3から、アクセスポートの情報を取得する。
【0075】
この例では、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、<22−3、2、10>が得られる。ブランチ側試験実行部22b−3は、この情報を格納した応答パケットR3aを生成し、試験パケットを生成したスイッチ21に返送する。図13は応答パケットR3aの構成を示す図である。応答パケットR3aは、送信元スイッチID=22−3、(ポートID=2、VLAN−ID=10)となる。
【0076】
なお、スイッチ22−3では、試験パケットを受信したポート(ID=1)以外のトランキングポートは存在しないため、スイッチ22−3は試験パケットの中継転送は行わない。
【0077】
次にスイッチ21における応答パケットを受信した際の動作を説明する。ルート側試験実行部21bは、応答パケットR2a、R3aを受信すると、応答パケットR2a、R3aからVLAN設定情報を取り出して、試験結果記憶部21aに追加格納する。
【0078】
ここでは、応答パケットR2a、R3aから、スイッチ22−2のVLAN設定情報<22−2、4、10>と、スイッチ22−3のVLAN設定情報<22−3、2、10>を取り出して、試験結果記憶部21aに格納する。また、このとき、応答パケットの最初の受信時に、タイマを再設定する。
【0079】
図14は試験結果データの格納状態を示す図である。試験結果記憶部21aには、<Switch ID、Port ID、VLAN−ID>の順で、自己(スイッチ21)のVLAN設定情報として<21、2、10>、スイッチ22−2のVLAN設定情報として<22−2、4、10>、スイッチ22−3のVLAN設定情報として<22−3、2、10>が格納される。
【0080】
ルート側試験実行部21bは、タイマより終了通知を受信すると、試験結果記憶部21a内の図14に示した格納情報を試験結果データとし、試験開始コマンドの応答としてMS10へ送信する。MS10は、試験結果データを受信すると、ユーザインタフェース部12を通じて、オペレータに対して画面表示する。
【0081】
以上説明したように、試験開始コマンドにVLAN−IDを設定することで、オペレータが知りたいVLAN設定情報のみを収集できるので、管理制御の柔軟性及び利便性の向上を図ることが可能になる。
【0082】
なお、VLANを指定して試験を行う場合には、指定されたVLANに接続しているスイッチがルートスイッチになる。すなわち、試験開始コマンドにスイッチIDが設定されず、VLAN−IDのみが設定されていた場合は、運用管理部11は、設定されているVLANに接続しているスイッチを、オペレータによる事前登録設定、装置自動設定のいずれかで選択し、選択したスイッチへ試験開始コマンドを送信することになる。
【0083】
次に試験開始コマンドを受信した際に即時に応答を返し、試験結果を別途送信する場合の実施の形態について説明する。オペレータは、スイッチIDを記載した試験開始コマンド(例えば、run vlan configtest(21))を、MS10のユーザインタフェース部12を通じて入力すると、MS10の運用管理部11は、スイッチ21へ試験開始コマンド(例えば、run configtest( ))を送信する。
【0084】
このとき、応答を返してくるスイッチを識別するため、試験開始コマンドにセッションIDを含ませてもよい(例えば、セッションIDを8080とするとreq configtest(8080))。
【0085】
試験開始コマンドを受け付けたスイッチ21のルート側試験実行部21bは、その試験開始コマンドに対する応答(試験開始コマンドを受け付けたことを示す応答)を即時にMS10へ返送する。これにより、MS10では応答待ち状態でなくなり、別コマンドを受け付けることができる。
【0086】
その後、上述したような試験が行われる。そして、スイッチ21のルート側試験実行部21bは、収集した試験結果データをMS10へ返送する(例えば、set testresult(<21、1、20>、<21、2、10>、<22−2、3、20>、<22−2、4、10>、<22−3、2、10>))。
【0087】
図15は試験開始コマンドの受信時に即時に応答を返して、試験結果を別途送信する場合の動作を示すフローチャートである。
〔S11〕運用管理部11は、試験開始コマンドをルートスイッチへ送信する。
〔S12〕ルート側試験実行部21bは、コマンド受け付けの応答を返送する。
〔S13〕各スイッチ間で試験が行われ、VLAN設定情報がルートスイッチで収集される。
〔S14〕ルート側試験実行部21bは、受け付けた試験開始コマンドに対応する試験結果であることが、MS10側で認識可能な応答(試験結果データ)をMS10へ返送する。
【0088】
以上説明したように、MS10から試験開始コマンドを送信後、ルートスイッチは即時に応答をMS10へ返送する。そして、試験終了後に、受け付けた試験開始コマンドに対応する試験結果であることが、MS10側で認識可能な応答(試験結果データ)をMS10へ送信する。これにより、MS10では、試験開始コマンドを送信した際に応答待ち状態とならないため、別コマンドを受け付けて、他の作業を行うことが可能になる。
【0089】
次に試験開始コマンドの送信元と、試験結果データの受信先とが異なる場合の実施の形態について説明する。ここでは送信元のMSをMS10s、受信先のMSをMS10rと呼ぶ。
【0090】
オペレータは、スイッチIDを記載した試験開始コマンド(例えば、run vlan configtest(21))を、MS10sのユーザインタフェース部12を通じて入力する。MS10sの運用管理部11は、スイッチ21へ試験開始コマンドを送信する。ただし、この場合、受信先(試験結果データの返送先)のMS10rの識別子を付与しておく。
【0091】
例えば、管理用通信ネットワーク3がIPネットワークであるならば、IPアドレスやホスト名を付与する(例えば、MS10rのIPアドレスが10.10.10.150ならば、試験開始コマンドはreq configtest(10.10.10.150))。なお、応答を返してくるスイッチを識別するため、試験開始コマンドにセッションIDを追加してもよい(例えば、セッションIDを8080とすると、req configtest(10.10.10.150, 8080))。
【0092】
その後、上述したような試験が行われる。そして、スイッチ21のルート側試験実行部21bは、収集した試験結果データをMS10r側へ返送する(例えば、set testresult(<21、1、20>、<21、2、10>、<22−2、3、20>、<22−2、4、10>、<22−3、2、10>))。MS10rでは、受信結果を表示する。
【0093】
以上説明したように、試験開始コマンドに試験結果データの返送先を記すことにより、送信元のMS10sからの試験開始コマンドに対し、試験結果データを受信先のMS10rへ送信することが可能になる。このようにして、試験開始コマンドの送信元と、試験結果データの受信先を分けることができるので、管理制御の柔軟性及び利便性の向上を図ることが可能になる。
【0094】
次に試験の中間結果を知る場合の実施の形態について説明する。スイッチ21をルートスイッチとして試験の実行中に、オペレータが試験の中間結果を知る場合には、オペレータは、MS10のユーザインタフェース部12を通じて、中間結果取得コマンド(例えば、get status( ))を入力する。
【0095】
そして、運用管理部11は中間結果取得コマンド(例えば、get testdata( ))をスイッチ21へ送信する。スイッチ21のルート側試験実行部21bは、中間結果取得コマンドを受信すると、その時点で試験結果記憶部21aに格納されている試験結果データを中間結果データとしてMS10へ送信する。
【0096】
ここでは、スイッチ22−2からの応答パケットは受信したが、スイッチ22−3からは未受信であり、試験結果記憶部21aには、スイッチ21、22−2のVLAN設定情報が格納されているものとする。
【0097】
すると、スイッチ21のルート側試験実行部21bは、収集した試験結果データ(<21、1、20>、<21、2、10>、<22−2、3、20>、<22−2、4、10>)をMS10へ返送する。このように、試験の中間結果の通知を可能とすることにより、管理制御の柔軟性及び利便性の向上を図ることが可能になる。
【0098】
次に試験を中断する場合の実施の形態について説明する。スイッチ21をルートスイッチとして試験の実行中に、オペレータが試験の中断を行う場合には、オペレータは、MS10のユーザインタフェース部12を通じて、試験中断コマンド(例えば、cancel vlan configtest( ))を入力する。
【0099】
そして、運用管理部11は試験中断コマンド(例えば、cancel vlan configtest( ))をスイッチ21へ送信する。スイッチ21のルート側試験実行部21bは、試験中断コマンドを受信すると、試験結果記憶部21aに格納されている試験結果データを廃棄する。
【0100】
または、オペレータにより試験中断コマンドが入力された場合、スイッチ21側で試験結果データを廃棄するのではなく、MS10が一旦試験結果データを受信して、運用管理部11側で廃棄するようにしてもよい。
【0101】
次にMS10があらかじめ保持していたVLAN設定情報と試験結果データとの差分を比較することで動作状態を認識する場合の実施の形態について説明する。MS10の運用管理部11は、試験結果データを受信すると、あらかじめ保持していたVLAN設定情報と差分があるか否かを判断する。そして、判断結果(差分情報)をオペレータに表示する。これにより、オペレータは試験開始コマンドを一度送信するだけで、MS10の画面表示により、現状の運用状態を容易に知ることができる(例えば、差分データが表示されれば、オペレータは障害発生箇所を即座に認識できる)。
【0102】
以上説明したように、本発明によれば、MS10が各スイッチにおけるVLAN設定の確認を行う場合、従来と比べ、MS10からスイッチへのアクセスは1回で済むため、管理効率及び利便性の向上を図ることが可能になる。また、試験パケットがネットワーク上で転送されるため、VLAN設定情報の収集と兼ねて、回線の導通状態も収集・管理することが可能になる。
【0103】
なお、上記の説明では、試験としてVLAN設定情報の収集を行ったが、VLAN以外の運用状態の情報を収集する際にも、本発明の機能を適用することが可能である。
【0104】
(付記1) ネットワークの通信管理を行う通信管理システムにおいて、
ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、前記ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する運用管理部を有するネットワーク管理装置と、
自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルと、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部と、前記試験開始コマンドを受け付けた場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を前記試験結果記憶部へ格納し、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、前記応答パケットからVLAN設定情報を取り出して前記試験結果記憶部へ格納し、格納されているVLAN設定情報を前記試験結果データとして、前記ネットワーク管理装置へ通知するルート側試験実行部と、から構成されるルートノードと、
前記VLAN設定テーブルと、前記試験パケットを受信した場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納して前記ルートノードへ返送し、隣接ノードへ前記試験パケットを中継転送するブランチ側試験実行部と、から構成されるブランチノードと、
を有することを特徴とする通信管理システム。
【0105】
(付記2) 前記VLAN設定テーブルは、ポートIDと、VLAN−IDと、アクセスポートまたはトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成され、前記ルート側試験実行部及び前記ブランチ側試験実行部は、前記アクセスポートの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、前記トランキングポートに対応するポートから隣接ノードへ試験パケットまたは応答パケットを送信することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0106】
(付記3) 前記ルート側試験実行部は、試験パケットの送信時及び最初の応答パケットの受信時に、タイマをセットして、応答パケットの待ち時間を設定することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0107】
(付記4) 前記運用管理部は、試験開始コマンドを送信する際に、オペレータからの入力設定、オペレータによる事前の登録設定、装置自動設定のいずれかにもとづいて、送信先のルートノードを決定することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0108】
(付記5) 前記運用管理部は、試験開始コマンドに対して、試験対象とすべきVLAN−IDを含ませて、前記ルートノードへ送信し、前記ルートノードは、自己のID及びVLAN−IDを含む試験パケットを生成し、前記ルートノード及び前記ブランチノードは、前記VLAN−IDに関連するVLAN設定情報を取得することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0109】
(付記6) 試験開始コマンドがVLAN−IDを含む場合は、前記運用管理部は、前記VLAN−IDに接続するノードに対して、試験開始コマンドを送信することを特徴とする付記5記載の通信管理システム。
【0110】
(付記7) 前記ルート側試験実行部は、試験開始コマンドを受け付けると即時に前記運用管理部へ応答を返すことで、前記運用管理部での応答待ち状態をなくし、試験終了後に、受け付けた試験開始コマンドに対応する試験結果であることが認識可能な応答を送信することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0111】
(付記8) 前記ネットワーク管理装置として、試験開始コマンドを送信する装置と、試験結果データを受信する装置とが別の場合は、前記運用管理部は、試験開始コマンドに受信側装置の識別子を付与し、前記ルートノードは試験結果データを前記受信側装置へ送信することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0112】
(付記9) 前記運用管理部は、試験の中間結果を取得する場合は、中間結果取得コマンドを前記ルート側試験実行部へ送信し、前記ルート側試験実行部は、前記中間結果取得コマンドを受信すると、前記試験結果記憶部へ格納されている試験途中のVLAN設定情報を、中間結果データとして、前記運用管理部へ送信することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0113】
(付記10) 前記運用管理部は、試験を中断する場合は、試験中断コマンドを前記ルート側試験実行部へ送信し、試験結果データの廃棄は、前記ネットワーク管理装置側または前記ルートノード側のいずれかで行われることを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0114】
(付記11) 前記運用管理部は、あらかじめ保持していたVLAN設定情報と試験結果データであるVLAN設定情報との差分を比較し、差分情報を表示することを特徴とする付記1記載の通信管理システム。
【0115】
(付記12) ネットワークの管理制御を行うネットワーク管理装置において、
ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、前記ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する運用管理部と、オペレータに対するユーザインタフェース処理を行うユーザインタフェース部と、
を有するネットワーク管理装置。
【0116】
(付記13) ネットワーク上で通信を行う通信装置において、
自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルと、
試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部と、
試験開始コマンドを受け付けた場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を前記試験結果記憶部へ格納し、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、前記応答パケットからVLAN設定情報を取り出して前記試験結果記憶部へ格納し、格納されているVLAN設定情報を前記試験結果データとして、前記ネットワーク管理装置へ通知するルート側試験実行部と、前記試験パケットを受信した場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納して前記ルートノードへ返送し、隣接ノードへ前記試験パケットを中継転送するブランチ側試験実行部と、から構成される試験実行部と、
を有することを特徴とする通信装置。
【0117】
(付記14) VLAN構成の状態を管理するVLAN構成管理方法において、
ネットワーク管理装置は、ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、
ルートノードが前記試験開始コマンドを受け付けた場合には、自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部へ格納し、かつ自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、
ブランチノードが前記試験パケットを受信した場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納して前記ルートノードへ返送し、かつ隣接ノードへ前記試験パケットを中継転送し、
前記ルートノードが隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、前記応答パケットからVLAN設定情報を取り出して前記試験結果記憶部へ格納し、格納されているVLAN設定情報を試験結果データとして、前記ネットワーク管理装置へ通知し、
前記ネットワーク管理装置は、前記ルートノードからの前記試験結果データを受信して、VLANの構成状態を収集・管理することを特徴とするVLAN構成管理方法。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の通信管理システムは、ポートIDと、VLAN−IDと、VLANと接続するポートであるアクセスポートまたはノード間を接続するポートであるトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成されるVLAN設定テーブルを有し、ルートノード及びブランチノードにおいて、アクセスポートの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、トランキングポートから隣接ノードへ試験パケットを送信し、またはトランキングポートから隣接ノードへ自己のVLAN設定情報を含めた応答パケットを送信する構成とした。これにより、VLAN設定テーブルに動的設定されたトランキングポートに絞って試験パケット及びVLAN設定情報が含まれる応答パケットがノード間で転送されるため、短時間に効率よくVLANの設定情報を収集でき、試験効率及び利便性の向上を図ることが可能になる。
また、試験の中間結果を取得する場合に、中間結果取得コマンドによって、試験途中のVLAN設定情報を中間結果データとして収集することができるので、試験中において、ユーザは試験が異常停止しているのか、試験実行中なのかを中間結果から容易に判断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通信管理システムの原理図である。
【図2】ネットワーク構成を示す図である。
【図3】VLAN設定テーブルを示す図である。
【図4】VLAN設定テーブルを示す図である。
【図5】VLAN設定テーブルを示す図である。
【図6】VLAN設定テーブルを示す図である。
【図7】ネットワークアドレス情報テーブルを示す図である。
【図8】応答パケットの構成を示す図である。
【図9】応答パケットの構成を示す図である。
【図10】試験結果データの格納状態を示す図である。
【図11】ルートスイッチ決定処理のアルゴリズムを示す図である。
【図12】応答パケットの構成を示す図である。
【図13】応答パケットの構成を示す図である。
【図14】試験結果データの格納状態を示す図である。
【図15】試験開始コマンドの受信時に即時に応答を返して、試験結果を別途送信する場合の動作を示すフローチャートである。
【図16】VLANシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 通信管理システム
3 管理用通信ネットワーク
10 ネットワーク管理装置
11 運用管理部
12 ユーザインタフェース部
21 ルートノード
21a 試験結果記憶部
21b ルート側試験実行部
22、22−1、22−2 ブランチノード
22b ブランチ側試験実行部
41〜44 端末
T1、T2 VLAN設定テーブル
Claims (5)
- ネットワークの通信管理を行う通信管理システムにおいて、
ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、前記ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する運用管理部を有するネットワーク管理装置と、
自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルと、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部と、前記試験開始コマンドを受け付けた場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を前記試験結果記憶部へ格納し、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、前記応答パケットからVLAN設定情報を取り出して前記試験結果記憶部へ格納し、格納されているVLAN設定情報を前記試験結果データとして、前記ネットワーク管理装置へ通知するルート側試験実行部と、から構成されるルートノードと、
前記VLAN設定テーブルと、前記試験パケットを受信した場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納して前記ルートノードへ返送し、隣接ノードへ前記試験パケットを中継転送するブランチ側試験実行部と、から構成されるブランチノードと、
を有し、
前記VLAN設定テーブルは、ポートIDと、VLAN−IDと、VLANと接続するポートであるアクセスポートまたはノード間を接続するポートであるトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成され、前記トランキングポートに対応する前記ポートID及び前記VLAN−IDは動的設定され、
前記ルート側試験実行部及び前記ブランチ側試験実行部は、前記アクセスポートに対応する前記ポートID及び前記VLAN−IDの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、前記トランキングポートから隣接ノードへ試験パケットを送信し、または前記トランキングポートから隣接ノードへ自己のVLAN設定情報を含めた応答パケットを送信する、
ことを特徴とする通信管理システム。 - 前記運用管理部は、前記試験開始コマンドに対して、試験対象とすべきVLAN−IDを含ませて、前記ルートノードへ送信し、前記ルートノードは、自己のID及びVLAN−IDを含む試験パケットを生成し、前記ルートノード及び前記ブランチノードは、前記VLAN−IDに関連するVLAN設定情報を取得することを特徴とする請求項1記載の通信管理システム。
- 前記ルート側試験実行部は、前記試験開始コマンドを受け付けると即時に前記運用管理部へ応答を返すことで、前記運用管理部での応答待ち状態をなくし、試験終了後に、受け付けた前記試験開始コマンドに対応する試験結果であることが認識可能な応答を送信することを特徴とする請求項1記載の通信管理システム。
- 前記ネットワーク管理装置として、前記試験開始コマンドを送信する装置と、試験結果データを受信する装置とが別の場合は、前記運用管理部は、前記試験開始コマンドに受信側装置の識別子を付与し、前記ルートノードは前記試験結果データを前記受信側装置へ送信することを特徴とする請求項1記載の通信管理システム。
- ネットワークの通信管理を行う通信管理システムにおいて、
ルート側とする1台のノードのみに試験開始コマンドを送信し、前記ノードからの試験結果データを受信して、VLANの構成状態を管理する運用管理部を有するネットワーク管理装置と、
自己のVLAN設定情報が登録されたVLAN設定テーブルと、試験結果としてのVLAN設定情報を記憶する試験結果記憶部と、前記試験開始コマンドを受け付けた場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を前記試験結果記憶部へ格納し、自己のIDを含む試験パケットを生成して隣接ノードへ送信し、隣接ノードから応答パケットを受信した場合には、前記応答パケットからVLAN設定情報を取り出し て前記試験結果記憶部へ格納し、格納されているVLAN設定情報を前記試験結果データとして、前記ネットワーク管理装置へ通知するルート側試験実行部と、から構成されるルートノードと、
前記VLAN設定テーブルと、前記試験パケットを受信した場合には、前記VLAN設定テーブルにもとづき、自己のVLAN設定情報を応答パケットに格納して前記ルートノードへ返送し、隣接ノードへ前記試験パケットを中継転送するブランチ側試験実行部と、から構成されるブランチノードと、
を有し、
前記VLAN設定テーブルは、ポートIDと、VLAN−IDと、VLANと接続するポートであるアクセスポートまたはノード間を接続するポートであるトランキングポートの種別を表すタイプと、から構成され、前記トランキングポートに対応する前記ポートID及び前記VLAN−IDは動的設定され、
前記ルート側試験実行部及び前記ブランチ側試験実行部は、前記アクセスポートに対応する前記ポートID及び前記VLAN−IDの情報を自己のVLAN設定情報として取得し、前記トランキングポートから隣接ノードへ試験パケットを送信し、または前記トランキングポートから隣接ノードへ自己のVLAN設定情報を含めた応答パケットを送信し、
前記ネットワーク管理装置は、試験の中間結果を取得する場合は、中間結果取得コマンドを前記ルート側試験実行部へ送信し、前記ルート側試験実行部は、前記中間結果取得コマンドを受信すると、前記試験結果記憶部へ格納されている試験途中のVLAN設定情報を、中間結果データとして、前記運用管理部へ送信する、
ことを特徴とする通信管理システム。
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