JP3953333B2 - 受信装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信信号から所定の周波数帯以外の信号を減衰させてトラッキングするトラッキング方法、その装置および受信装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えばFM(Frequency Modulation)放送やTV(television)放送を受信するために、受信装置いわゆるチューナが用いられる。このチューナは、受信する電波の周波数に合わせてフィルタ特性を変化させることができるトラッキングフィルタ回路を備えている。このトラッキングフィルタ回路は、望ましくない信号を減衰させて所定の信号を通過させる電子装置で、チューナのアンプやミキサの歪み特性を良好にしている。そして、チューナは、受信する周波数に応じてトラッキングフィルタ特性を変化させている。
【0003】
一般に、受信装置であるチューナは、初段のアンプとして、雑音指数(NF:Noise Figure)の小さなトランジスタを用いることにより、弱電界でも受信できるようにしており、この初段のアンプを特にLNA(Low Noise Amplifier)という。このLNAの雑音指数は、接続する前後の整合回路によって、雑音指数が異なってくる。すなわち、LNAアンプを構成するトランジスタあるいはFET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)が固有に持つガンマオプトに、ベースあるいはゲートから見たインピーダンスを合わせることにより実現される最も雑音指数が小さくなる整合回路(NFマッチング)と、最も増幅度が大きくなるフィルタ特性、すなわち通過損失が最も小さくなるようにした整合回路(パワーマッチング)とでは、一般的に雑音指数が異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、チューナでは、トラッキングフィルタ回路は、フィルタ特性とLNAの整合回路の両方を兼ねて構成されている。そのため、受信周波数以外の不要な信号を減衰させるとともに受信周波数の通過損失が最も小さくなるように、トラッキングフィルタ回路をLNAとパワーマッチングさせた場合、上述したように、NFマッチングさせた場合よりも雑音指数が高くなる。したがって、トラッキングフィルタ回路をパワーマッチングさせたときのほうが、より雑音指数が上昇することになるため、受信信号の信号レベルが低いとき、良好な受信に支障をきたすことがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて、所定の周波数帯を良好に抽出できる受信装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フィルタ特性とアンプの整合回路の両方を兼ねて構成され、所定の周波数帯を選択的に抽出するトラッキングフィルタ回路を備えた受信装置であって、受信する信号の状態の良否を判断する判断手段と、前記トラッキングフィルタ回路のフィルタ特性を選択的に切り替える制御手段と、を具備し、前記トラッキングフィルタ回路は、前記所定の周波数帯の通過損失を小さくする通過損失重視フィルタ特性と、受信する信号の雑音を小さくする雑音指数重視フィルタ特性とを有し、前記制御手段は、前記判断手段により前記受信する信号の状態が良好であると判断された場合に前記通過損失重視フィルタ特性を選択し、前記判断手段により前記受信する信号の状態が良好でないと判断された場合に前記雑音指数重視フィルタ特性を選択する状態に切り替えることを特徴とする。
【0007】
この発明では、通過損失重視フィルタ特性により所定の周波数帯の通過損失を小さくしたり、雑音指数重視フィルタ特性により受信する信号の雑音を小さくすることにより所定の周波数帯を選択的に抽出する。このことにより、例えば受信レベルが低くなっても受信感度が向上し、高感度なトラッキングが得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
〔受信装置の構成〕
図1は、本実施の形態の受信装置の概略構成を示す模式図である。この図1において、1は受信装置で、この受信装置1は、例えばデジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機である。そして、この受信装置1は、いわゆる図示しない高周波増幅回路を構成するトラッキング装置としてのトラッキングフィルタ回路2と、一対の周波数変換回路3,4と、フィルタ5と、複合回路6と、D/Aコンバータ7と、マイクロコンピュータ8とを備えている。
【0010】
トラッキングフィルタ回路2は、所定のチャンネルの帯域幅を確保するとともに、希望チャンネル以外の信号に対しては減衰が大きくとれるような選択性を有する。そして、このトラッキングフィルタ回路2は、いわゆるアンテナ同調回路を構成する一種の帯域通過フィルタ(Band Pass Filter)としてのトラッキングフィルタ9と、高周波増幅回路であるアンプとしてのLNA(Low Noise Amplifier)を構成する高周波増幅トランジスタ、例えば電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)10とを備えている。
【0011】
そして、トラッキングフィルタ9は、希望チャンネルの周波数に同調をとる。具体的には、例えば図2の回路図に示すように、ダイオードD1およびコンデンサC1の直列回路と、リアクトルL1との並列回路でトラッキングフィルタ9が構成されている。すなわち、トラッキングフィルタ9は、コンデンサC1とリアクトルL1との共振によりチャンネルの同調周波数が合うように同調してバンドパスするフィルタ特性を示す。そして、トラッキングフィルタ9のダイオードD1とコンデンサC1との接続点には、抵抗R1を介してD/Aコンバータ7が接続されている。すなわち、D/Aコンバータ7からの同調電圧Vtにより、ダイオードD1の容量が変化され、同調(トラッキング)をとる。そして、トラッキングフィルタ9には、図1に示すように、アンテナ(図示せず)が接続される入力端子11が接続されている。
【0012】
また、FET10はトランジスタに比べて入力インピーダンスが非常に高く、動作特性の直線が良いので混変調妨害が起こりにくく、特にデュアルゲート酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOS(Metal Oxide Semiconductor)FET)が用いられる。具体的には、例えば図2の回路図に示すように、FET10の一方のゲートG1にトラッキングフィルタ9が接続されている。そして、このFET10の一方のゲートG1には、アンテナからの信号が加えられる。また、FET10の他方のゲートG2には、抵抗R1などを介して後述するAGC(Automatic Gain Control)回路15からの制御信号が加えられる。すなわち、FET10は、受信電波の強さ(受信レベル)を検出する。そして、このFET10は、ソース接地となっており、ドレインから高周波出力が取り出される構成となっている。このドレインに一方の第1の周波数変換回路3が接続されている。
【0013】
この第1の周波数変換回路3は、FET10で増幅された高周波信号を中間周波信号に変換する。そして、この第1の周波数変換回路3は、第1混合回路12と第1局部発信回路13とを備えている。第1混合回路12は、高周波信号を効率よく中間周波信号に変換して雑音を少なくする。第1局部発信回路13は、例えば安定で回路が簡易なコルピッツ発信回路を原形とした安定度が高いクラップ回路で、中間周波数が一定となるように第1混合回路12を制御する。
【0014】
また、第1の周波数変換回路3には、フィルタ5が接続されている。このフィルタ5には他方の第2の周波数変換回路4が接続され、第1の周波数変換回路3からの変換された中間周波信号を増幅させる。
【0015】
第2の周波数変換回路4には、複合回路6が接続されている。この複合回路6は、図示しない検波回路、自動周波数調整(Automatic Fine Tuning:AFT)回路、判断手段としてのAGC回路15などを備えている。検波回路は、第2の周波数変換回路4から出力される搬送波の中間周波数を検波する。AFT回路は、搬送波の中間周波数が所定の周波数となるように調整する。すなわち、第2の周波数変換回路4を構成する第2混合回路16を制御する第2局部発信回路17の局部発信周波数は周囲の温度や計時変化によって変化するため、正しい周波数が保てるようにする。AGC回路15は、受信電波の強さに応じて受信装置1の利得を自動的に制御し常に一定の検波出力を得るためのものである。このAGC回路15の制御信号は、検波された信号から入力電波の強弱を判断して発生される。
【0016】
そして、この複合回路6には、所定の周波数に調整された信号が出力される出力端子19が接続されている。
【0017】
また、D/Aコンバータ7にはマイクロコンピュータ8が接続され、これらD/Aコンバータ7およびマイクロコンピュータ8にて制御手段20が構成される。すなわち、例えばスイッチなどの操作により所定のチャンネルが設定されたことを認識すると、マイクロコンピュータ8は、所定のチャンネルを受信すべく、D/Aコンバータ7に所定の制御信号を出力する。より詳しくは、トラッキングフィルタ9のフィルタ特性が所定のチャンネルの周波数を通過させるフィルタ特性となるように、マイクロコンピュータ8から制御信号となる同調電圧VtがD/Aコンバータ7を介してトラッキングフィルタ9に供給される。
【0018】
なお、マイクロコンピュータ8は、所定チャンネルの周波数に対して、2種類の制御信号を適宜出力可能な構成となっている。具体的には、所定チャンネルの周波数通過損失を重視したフィルタ特性(パワーマッチングさせたフィルタ特性)となる制御信号と、所定チャンネルの周波数の雑音指数(NF:Noise Figure)を重視したフィルタ特性(NFマッチング)となる制御信号の2種類である。つまり、マイクロコンピュータ8は、所定のチャンネルに対して、トラッキングフィルタ9を2種類のフィルタ特性に調整可能となる。
【0019】
〔受信装置の作用〕
次に、上記受信装置1の作用を図面に基づいて説明する。
【0020】
トラッキングフィルタ回路2には、入力インピーダンスが非常に高く、動作特性の直線が良いので混変調妨害が起こりにくく弱電界でも受信できるように、主にFET10が用いられている。このため、このFET10が構成するアンプであるLNA(Low Noise Amplifier)の雑音指数は、通常最も増幅度が大きくなる整合回路(パワーマッチング)と、最も雑音指数が小さくなる整合回路(NFマッチング)と異なる。すなわち、上述したように、LNAアンプを構成するトランジスタあるいはFET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)が固有に持つガンマオプトに、ベースあるいはゲートから見たインピーダンスを合わせることにより実現される最も雑音指数が小さくなる整合回路(NFマッチング)と、最も増幅度が大きくなるフィルタ特性、すなわち通過損失が最も小さくなるようにした整合回路(パワーマッチング)とでは、一般的に雑音指数が異なる。
【0021】
そして、受信装置1にて電波を受信する場合、まず、複合回路6のAGC回路15が、図示しないアンテナで受信する受信電波の強さ(受信レベル)を検出する。このAGC回路15は、受信レベルが所定値以上であることを認識すると、図4に示すように、トラッキングフィルタ9のフィルタ特性をフィルタの通過損失が最も小さくなるフィルタ特性を重視して変化させる。
【0022】
すなわち、受信レベルが最も大きくなるパワーマッチングとしてフィルタ特性が良くなるように、選択されたチャンネルの同調周波数が合うようにトラッキングフィルタ9を同調させる。すなわち、マイクロコンピュータ8が所定の制御信号をD/Aコンバータ7に出力させる。この制御信号により、D/Aコンバータ7は、所定の同調電圧Vtをトラッキングフィルタ9に印加し、ダイオードD1の容量を変化して同調をとる。このようにして、受信電波が強い場合でも不要な電波をより多く除去し、良好に所定のチャンネルの電波のみを受信する。
【0023】
一方、複合回路6のAGC回路15が受信電波の強さが所定値に達していないことを認識すると、図5に示すように、トラッキングフィルタ9のフィルタ特性を雑音指数を重視して変化させる。
【0024】
すなわち、受信感度を優先させて、フィルタの通過損失が最も小さくなるフィルタ特性の周波数を例えば高い周波数側に少しずらして雑音指数が良好となるように、選択されたチャンネルの同調周波数が合うようにトラッキングフィルタ9を同調させる。このことにより、受信電波が弱い場合でも受信電波の受信感度をより向上でき、所定のチャンネルを受信できる。
【0025】
このように、上記実施の形態では、通過損失重視フィルタ特性により所定の周波数帯の通過損失を小さくしたり、雑音指数重視フィルタ特性により受信する信号の雑音を小さくすることにより所定の周波数帯を選択的に抽出する。このため、例えば受信レベルが低くなっても受信感度を向上でき、高感度なトラッキングを得ることができる。
【0026】
そして、弱電界でも受信できるようにFET10を用いる構成によりパワーマッチングとNFマッチングとが異なる構成でも、受信状態の良否を判断、例えばFET10のゲートにAGC回路15からの制御信号を適宜印加して受信レベルを認識させ、この認識した受信レベルの強弱に対応させ、D/Aコンバータ7からの異なる大きさの同調電圧Vtをトラッキングフィルタ9に適宜印加して、トラッキングフィルタ9のフィルタ特性をパワーマッチングとNFマッチングとのいずれかに変更する。すなわち、受信状態が良好でない場合には、フィルタ特性をNFマッチングとする。このため、受信可能な受信レベルの範囲を大きくすることができ、良好に受信でき、高感度な受信装置1を提供できる。
【0027】
また、受信レベルの大きさがあらかじめ設定された所定値以上か否かでパワーマッチングおよびNFマッチングのうちのいずれか一方に切り替える。このため、簡単な構成で高感度なトラッキングを得ることができる。
【0028】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0029】
すなわち、受信装置1として例えばデジタル放送受信機について説明したが、FM受信機、テレビ放送受信機など、所定の放送波をトラッキングフィルタにより選択的に抽出して受信する受信機であれば対応できる。
【0030】
また、トラッキングフィルタ9を初段、すなわちFET10より入力端子11側に位置して配設したが、段間すなわちFET10より出力端子19側で第1の周波数変換回路3より入力端子11側に位置して配設したり、これら双方の位置にそれぞれ配設してもできる。
【0031】
そして、AGC回路15で受信レベルを検知する構成において、受信レベルが所定値に達したか否かによりフィルタ特性をパワーマッチングかNFマッチングかに適宜変化させて説明したが、例えば図6ないし図9に示すように、フェージング(fading)環境を考慮した判断によりフィルタ特性を変化させてもよい。
【0032】
具体的には、フェージング環境に応じて2種類の閾値を設定する。すなわち、フェージングによる受信信号の変動幅の大小に基づいて以下の2つの閾値を設定する。
【0033】
D<X
D≧X
D:受信レベルの最大変動幅(図6参照)
E:受信装置1の受信可能範囲(図7参照)
X:受信可能範囲Eの中心の位置(図8,9参照)
【0034】
そして、図8および図9に示すように、受信信号の変動幅の最小値が受信可能範囲Eの下限に掛かるのを防止するために、受信信号の変動幅の大小に対応して上記閾値を適宜切り替え、フィルタ特性をずらす。すなわち、フィルタ特性を受信感度優先にすることで、受信レベルが低いときの感度が向上して、図8および図9中の一点鎖線で示すように、受信可能範囲を拡大できる。また、受信信号の変動幅の大小に対応してD<Xでは最大値、D≧XではXを閾値として閾値を切り替えるため、より受信レベルに対応した受信も可能となる。
【0035】
すなわち、図8に示すようにD<Xではフィルタ特性を感度優先とし受信可能範囲を拡大させ、図9に示すようにD≧Xではフィルタ特性をパワーマッチングとし、受信信号が受信可能範囲から外れそうな時だけ受信可能範囲を広げるて受信感度を向上させることができる。
【0036】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および異常の発生を認識するための手順などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造や手順などとしてもよい。
【0037】
【実施例】
次に、上記実施の形態で説明した構成に基づいて、受信感度について実験した結果について説明する。
【0038】
この実験では、上記実施の形態の図2の回路構成、すなわちFET10のゲートG2にAGC回路15からの制御信号を加えてFET10により受信レベルを認識させるとともにD/Aコンバータ7から同調電圧Vtを適宜可変可能に印加する構成の受信装置を用いる。なお、比較例として、従来の回路構成であるFET10のゲートG2にAGC電圧を印加してパワーマッチングとしてこの受信レベルに対応してD/Aコンバータ7から一意的な同調電圧Vtを印加する構成を用いる。
【0039】
そして、実験に際しては、ARIB(財団法人電波産業会)STD−B21 3.0版5.2.5で定める目標値で、最小入力レベル−75dBm以下、最大入力レベル−20dBm以上(変調パラメータはMode3、ガード比1/8、時間インターリーブなし、変調64QAM、内符号7/8)とする。そして、105MHzの電波を受信させる。この条件で、比較例の受信装置では最小入力レベル−75dBm、最大入力レベル−20dBmであった。
【0040】
一方、本実施例の受信装置では、受信レベルが高いレベルから最小入力レベルに近づいた際、トラッキングフィルタ9のフィルタ特性をNFマッチングとして雑音特性が良好となる周波数にずらした。例えば、105MHzを受信する場合、図3に示すように、受信レベルが高いときは105MHzで通過帯域のピークとなるようにフィルタ特性をレベルに対応した105MHzにトラッキングさせる。また、受信レベルが低くなる場合にはフィルタ特性を雑音特性が良好となる約99MHzで通過帯域のピークとなるようにトラッキングさせる。
【0041】
このことにより、受信レベルが低くなった場合には、従来の105MHzに通過帯域が固定の場合に比して、フィルタの通過損失は約1dB低くなるが、雑音特性は約2dB改善することが分かった。すなわち、雑音特性が2dB改善されることにより感度も2dB改善され、最小入力レベルは−77dBmまで拡大できることがわかった。
【0042】
なお、105MHzを受信するのに対して約99MHzにトラッキングフィルタ9の通過帯域のピークをずらすことにより、約6MHzの差、すなわちISDB(Integrated Service of Digital Broadcasting:総合デジタル放送)−Tで1チャンネル分をずらすこととなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、通過損失重視フィルタ特性により所定の周波数帯の通過損失を小さくしたり、雑音指数重視フィルタ特性により受信する信号の雑音を小さくすることにより所定の周波数帯を選択的に抽出するため、受信レベルが低くなっても受信感度を向上でき、高感度なトラッキングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態におけるトラッキングフィルタ回路の一部を示す回路図である。
【図3】前記一実施の形態におけるパワーマッチングとNFマッチングとの差の説明となる実験結果を示すグラフである。
【図4】前記一実施の形態における受信レベルが高い場合のゲインを重視してトラッキングした状況を示すグラフである。
【図5】前記一実施の形態における受信レベルが低い場合の感度を重視してトラッキングした状況を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態における受信レベルに対応したフィルタ特性の変更の閾値を説明するための受信レベルおよび時間の関係を示すグラフである。
【図7】前記他の実施の形態における受信レベルに対応したフィルタ特性の変更の閾値を説明するためのBERおよび受信レベルの関係を示すグラフである。
【図8】前記他の実施の形態における受信レベルに対応したフィルタ特性の変更の一方の閾値を説明するためのBERおよび受信レベルの関係を示すグラフである。
【図9】前記他の実施の形態における受信レベルに対応したフィルタ特性の変更の他方の閾値を説明するためのBERおよび受信レベルの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 受信装置
2 トラッキング装置としてのトラッキングフィルタ回路
9 帯域通過フィルタであるトラッキングフィルタ
10 受信レベル検知手段としての電界効果トランジスタ(FET)
15 判断手段としてのAGC回路
20 制御手段
Claims (5)
- フィルタ特性とアンプの整合回路の両方を兼ねて構成され、所定の周波数帯を選択的に抽出するトラッキングフィルタ回路を備えた受信装置であって、
受信する信号の状態の良否を判断する判断手段と、
前記トラッキングフィルタ回路のフィルタ特性を選択的に切り替える制御手段と、を具備し、
前記トラッキングフィルタ回路は、前記所定の周波数帯の通過損失を小さくする通過損失重視フィルタ特性と、受信する信号の雑音を小さくする雑音指数重視フィルタ特性とを有し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記受信する信号の状態が良好であると判断された場合に前記通過損失重視フィルタ特性を選択し、前記判断手段により前記受信する信号の状態が良好でないと判断された場合に前記雑音指数重視フィルタ特性を選択する状態に切り替える
ことを特徴とした受信装置。 - 請求項1に記載の受信装置において、
前記通過損失重視フィルタ特性は、前記雑音指数重視フィルタ特性よりも前記所定の周波数帯の通過損失が小さく、
前記雑音指数重視フィルタ特性は、前記通過損失重視フィルタ特性よりも前記受信する信号の雑音が小さい
ことを特徴とした受信装置。 - 請求項1または2に記載の受信装置において、
前記判断手段は、前記受信する信号の受信レベルを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記受信する信号のレベルが所定値より大きいと判断された場合に前記通過損失重視フィルタ特性を選択し、前記判断手段により前記受信する信号のレベルが所定値より小さいと判断された場合に前記雑音指数重視フィルタ特性を選択する状態に切り替える
ことを特徴とした受信装置。 - フィルタ特性とアンプの整合回路の両方を兼ねて構成され、所定の周波数帯を選択的に抽出するトラッキングフィルタ回路を用いた受信方法であって、
受信する信号の状態の良否を判断し、
この判断した前記受信する信号の状態が良好である場合には、前記所定の周波数帯の通過損失を小さくする通過損失重視の前記フィルタ特性を選択し、前記判断した受信する信号の状態が良好でない場合には、受信する信号の雑音を小さくする雑音指数重視の前記フィルタ特性を選択する状態に切り替える
ことを特徴とする受信方法。 - 請求項4に記載の受信方法において、
前記通過損失重視のフィルタ特性は、前記雑音指数重視のフィルタ特性よりも前記所定の周波数帯の通過損失が小さく、
前記雑音指数重視のフィルタ特性は、前記通過損失重視のフィルタ特性よりも前記受信する信号の雑音が小さい
ことを特徴とする受信方法。
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