JP3953321B2 - 超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置 - Google Patents

超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料、調味料、食品などの製造に必要な液状原料を、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を用いて、無菌化などの処理を行なう超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高圧下での化学反応が大きく注目され、特に超臨界流体の技術は、脱有機溶媒の反応プロセスや、高効率に廃棄物を処理する技術などに適用できるとして期待されている。
【0003】
この超臨界状態とは、ある物質の温度と圧力とを上昇していくと、その物質に固有な温度と圧力を組合わせた条件以上では液体と気体の境界線が消滅し、液体と気体の区別がつかなくなる状態とされている。また、この超臨界状態になった流体は、液体に近い密度を有していることから、気体よりもその溶解力が数百倍大きくなるとともに、気体に近い拡散性を有していることから、溶質分子への浸透が気体よりも数百倍速く進行することになる。
【0004】
そこで、例えば、食品製造の分野では、このような超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を用いて、果汁、生酒などの飲料や、醤油などの調味料、食品などを製造するために必要な液状原料を、その風味を保ったまま、常温で殺菌や脱臭を行なったり、原料に含まれた酵素を失活させたりする種々の方法が提案されている。
【0005】
すなわち、気液臨界点(摂氏31.1度,7.2MPa)を超えた超臨界状態(亜臨界状態も含む)の二酸化炭素を対原料比で5〜30%の割合いで用いることにより、原料に含まれた菌を殺菌したり、酵素を失活させたり、臭気成分を二酸化炭素に抽出して脱臭したりすることができるとされている。
【0006】
また、1998年5月に発行の日本食品科学工学会誌第45巻第5号には、非加熱殺菌、酵素失活技術の開発と題され、超臨界二酸化炭素(SC―CO)を用いた連続ミクロバブル超臨界二酸化炭素法の特性と食品工業への展開について解説した記事が記載されている。
【0007】
さらに、特許第2820625号公報には、平均直径が100μm以下の微小孔を備えたフィルタを通過させた超臨界二酸化炭素を、酵素を含有した液状食品に接触させて殺菌を行なうようにした液状食品の酵素失活法が記載され、この方法によれば、液状食品中に超臨界二酸化炭素をミクロの大きさで供給しているので、優れた失活効率が得られるとされている。
【0008】
また、特開2001―128652号公報には、予め液状物質に液化二酸化炭素をフィルタを介して導入させて生成した混合液を加熱することによって液化二酸化炭素を超臨界状態の二酸化炭素に変化させ、超臨界二酸化炭素と液状物質とを接触させるようにした臨界処理部を、個別に独立した動作が可能な複数のユニットで構成し、これらのユニットを並列又は直列に切り換えて接続させるようにした液状物質の連続処理装置が記載され、この装置によれば、処理速度または処理による効果のどちらかを優先させる要請に応じて、接続を切り換えて対処することができるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許第2820625号公報に記載された方法および特開2001−128652号公報に記載された装置は、いずれも、超臨界状態の二酸化炭素をメッシュ状フィルタを通過させて、液状原料に接触させた構成とされているので、両流体の混合が不充分であり、液状原料を無菌化する処理の効果が充分に発揮されていないという問題点があった。
【0010】
すなわち、超臨界状態の二酸化炭素は、液体と気体の区別がつかない状態とされているので、必ずしも気体のように気泡化された状態で液状原料に放出されているとは限らないことになる。
【0011】
また、上記の特許第2820625号公報は、液状原料を貯留した容器の底部に設けられた微小孔を備えたフィルタから、液状原料中に超臨界状態の二酸化炭素を放出し、超臨界状態の二酸化炭素が液状原料の液面まで自然に上昇して到達するまでに、液状原料への溶解を行なわせているので、両者を混合させるために、積極的に撹拌する操作を行なっていないことになる。
【0012】
さらに、液状原料に超臨界状態の二酸化炭素を溶解させるためのタンクは、少なくとも二酸化炭素の溶解や浸透が充分に行なえる程度の時間だけ、二酸化炭素を超臨界状態に維持させるために高い圧力を保つ必要があるので、耐圧構造とされ、装置として大掛かりとなり、低コスト化が図りにくいという不都合もあった。
【0013】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、コンパクトで高効率化を図れる超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを混合して液状原料中の混在物に前記超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を浸透させ、かつ減圧して前記二酸化炭素を気化させる超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置において、液状原料を供給する液状原料供給部と、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を供給する超臨界二酸化炭素供給部と、前記液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを共に流動させて互いに衝突させることにより前記液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを混合させる処理部と、前記液状原料を前記処理部に供給する前に、前記二酸化炭素を超臨界状態もしくは亜臨界状態に維持する温度に前記液状原料を加熱する第一の加熱器と、前記二酸化炭素を前記処理部に供給する前に超臨界状態もしくは亜臨界状態に維持する温度に加熱する第二の加熱器と、前記処理部からの混合液に含まれた二酸化炭素の超臨界状態もしくは亜臨界状態を解除する解除部とを備え、前記処理部は、直線状の通路の一端部から前記超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を供給するとともに他端部から前記液状原料を供給してこれら二酸化炭素と液状原料とを衝突させ、かつこれら衝突して混合した二酸化炭素と液状原料とを前記通路の中間部から排出させるように構成されていることを特徴とする装置である。
【0015】
請求項1の発明によれば、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを共に流動させ、これらの両者を互いに衝突させて混合した構成としたことにより、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加されて、両者の混合や撹拌が促進され、しかも一方の流体が超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とされているので、混合液中の混在物に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることができ、高効率化を図ることができる。
【0016】
また、このように両者を互いに衝突させて混合した構成とされ、液状原料に超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を溶解または浸透させるための耐圧構造の溶解タンクが不要な構成とできるので、処理装置としての低コスト化を図ることが可能となる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記衝突されて生成された混合液同士を少なくとも二つに分流させるとともにこれら分流された混合液同士を流動状態で互いに衝突させて混合する第2の処理部を更に備えていることを特徴とする装置である。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用を得られる他に、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを互いに衝突させて生成した混合液を分流させ、分流した混合液同士を再び互いに衝突させた構成としたので、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加され、混合液中の混在物に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることを、さらに促進することができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記衝突されて生成された混合液と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを共に流動させて互いに衝突させることにより前記混合液と液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを混合させる第3の処理部を更に備えていることを特徴とする装置である。
【0020】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用を得られる他に、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを互いに衝突させて生成した混合液と、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを、再び互いに衝突させた構成としたので、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加され、混合液中の混在物に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることを、さらに促進することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体例を、図面を参照して説明する。本発明の超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置を、食品の製造に必要な液状原料の殺菌処理に適用した例を説明する。
【0022】
すなわち、本例の液状原料の殺菌処理装置1は、図1に示すように、この液状原料を供給する原料供給装置3と、超臨界状態の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給装置4と、供給された液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを衝突させて混合する処理装置本体5と、高圧状態の混合された処理液を急速に常圧に開放するナノジェネレーター6(以降、NG装置と呼称する)と、処理済みの液状原料とガス化した二酸化炭素を貯留して二酸化炭素を回収する分離タンク7とから構成されている。
【0023】
なお、本例の殺菌処理装置1が対象としている原料は、果汁や生酒、ビール、牛乳などの飲料、醤油などの調味料、その他の食品などの液状原料であり、また、原料が2種類以上の成分を含んでいる場合には、適宜、予め撹拌されて成分の濃度分布が片寄ることなく均一な状態になっているものとする。さらに、本例の液状原料中の混在物は、この液状原料に含まれる菌などの各種の微生物や、製造や加工工程で触媒作用させることを目的として使用された酵素であり、これらの微生物や酵素を、殺菌処理装置1によって殺菌処理や失活処理するようにしている。
【0024】
上記の原料供給装置3は、液状原料が貯留された原料タンク11と、この原料タンク11に配管により接続された送給ポンプ12と、この送給ポンプ12に逆止め弁13を介して配管により接続された加熱器14とから構成され、加熱器14から原料を送給する配管が処理装置本体5に接続されている。
【0025】
したがって、上記の原料供給装置3によれば、送給ポンプ12によって、原料タンク11から液状原料が二酸化炭素の超臨界状態を維持できる程度の圧力で圧送され、逆止め弁13によって、原料タンク11から処理装置本体5までへの液状原料の送給経路における逆止め弁13から下流側の原料の圧力が変動しても、逆止め弁13から上流側の原料タンク11や送給ポンプ12に影響が及ぶことが防止され、さらに、加熱器14によって、液状原料が二酸化炭素の超臨界状態を維持できる程度に加温されて、液状原料が処理装置本体5に供給される。
【0026】
また、二酸化炭素供給装置4は、液化された二酸化炭素が貯留された液化二酸化炭素ボンベ16と、この液化二酸化炭素ボンベ16に配管により接続された送給ポンプ17と、この送給ポンプ17に逆止め弁18を介して配管により接続された加熱器19とから構成され、加熱器19から超臨界状態の二酸化炭素を送給する配管が処理装置本体5に接続されている。
【0027】
したがって、上記の二酸化炭素供給装置4によれば、送給ポンプ17によって、液化二酸化炭素ボンベ16から液化二酸化炭素が、その液化を維持するとともに超臨界状態となる程度の圧力で圧送され、逆止め弁18によって、液化二酸化炭素ボンベ16から処理装置本体5までへの二酸化炭素の送給経路における逆止め弁18より下流側の二酸化炭素の圧力が変動しても、逆止め弁18から上流側の送給ポンプ17や液化二酸化炭素ボンベ16に影響が及ぶことが防止され、さらに、加熱器19によって、液化二酸化炭素が超臨界状態となる程度に加温されて、超臨界状態となった二酸化炭素が処理装置本体5に供給される。
【0028】
また、二酸化炭素は、超臨界状態に移行する臨界点(critical point)が低いことにより、二酸化炭素を容易に超臨界状態とできるので、本例で使用されている。すなわち、二酸化炭素の臨界点は、その臨界温度が摂氏31.1度で、その臨界圧力が7.38MPaである。また、二酸化炭素は、通常の大気中に存在し、不燃性で取扱いが容易であるとともに、安価に製造できることから、本例では最適として使用している。さらに、二酸化炭素は、炭酸飲料に使用されているように、食品衛生上で問題を生じないことからも、本例で使用されている。
【0029】
なお、上記の原料用の送給ポンプ12および液化二酸化炭素用の送給ポンプ17は、それぞれ、最大の指示圧力が100MPa程度の性能を備えたポンプを用いるが、この殺菌処理装置1が単位時間当たりに液状原料を処理する流量に応じた性能のポンプが、適宜、選択されている。
【0030】
そして、処理装置本体5は、その縦断面図を図2に示すように、ライナー部材21,22を介在部材23,24を介して収納した構成とされ、これらのライナー部材21,22によって上記の原料供給装置3および二酸化炭素供給装置4によって供給された液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを互いに衝突させて混合させる通路を形成し、両者を混合した処理液として排出するようにしている。
【0031】
すなわち、この処理装置本体5は、その外形状が概略円筒形状に形成され、軸線が水平になるように設置され、供給される液状原料と超臨界状態の二酸化炭素の高圧に耐える抑え部材25と締付部材26と、押圧部材27とからなる耐圧容器に、上記のライナー部材21,22同士を互いに接触させるように押圧しながら収納するように構成されている。
【0032】
この抑え部材25は、その外形が略円筒形状に形成され、上記のライナー部材21,22を収納する円筒形状で中空の収容部が、その円筒の軸中心に沿って形成され、この収容部は、その一端が開口されている。したがって、この抑え部材25の開口を通過させて、ライナー部材21,22を収容、交換できるようにしている。
【0033】
そして、押圧部材27を介した締付部材26によって、この抑え部材25の収容部に収容されたライナー部材21,22を、収容部の奥側に押圧できるようにしている。
【0034】
すなわち、この抑え部材25の同図中の右側端部の外周には、ネジ部が形成されている。また、締付部材26は、中空の円筒状に形成され、内周に段部を備えており、この締付部材26の図中の右端の内周には、抑え部材25のネジ部に螺合されるネジ部が形成されている。
【0035】
また、この締付部材26に押圧される押圧部材27は、その図中の右端側の外形状が、上記の締付部材26の内周形状に応じた形状に形成されるとともに、その図中の左端側の外形状が、抑え部材25に形成された収容部に挿入される形状に形成され、その挿入方向の先端面は、平坦面に形成されている。
【0036】
したがって、この抑え部材25に締付部材26を螺合させることにより、締付部材26の内周面が、押圧部材27を図中の左方向に押圧することになる。このため、この押圧部材27の先端面に生じる締め付け力によって、ライナー部材21,22が押圧されながら、抑え部材25の収容部に強固に固定される。
【0037】
また、この場合には、介在部材23,24をライナー部材21,22の軸方向の両脇に配置したことにより、これらの介在部材23,24を介してライナー部材21,22が押圧されているので、ライナー部材に供給される押圧力が均一化される。
【0038】
なお、これらの介在部材23,24は、後述するライナー部材21,22と同一な径を有した円筒状に形成され、その所定箇所には通路が形成されている。また、これらの抑え部材25、介在部材23,24、ライナー部材21,22の所要箇所には、貫通孔(図示せず)が形成され、この貫通孔に位置決めピンを通すことにより、これらの部材の周方向の向きを、所定の向きに揃えて、これらの各部材21,22,23,24,25,27の接触面に開口された通路同士が連通するようにしている。
【0039】
さらに、上記の抑え部材25の図中の左端側で、上下となる両方の側面箇所には、液状原料用の入口25aと二酸化炭素用の入口25bとが設けられ、押圧部材27の図中の右端の略中央箇所には、混合処理された処理液が送出される出口27aが設けられ、抑え部材25の入口25aに液状原料を供給する配管が、および入口25bには二酸化炭素を供給する配管が接続され、押圧部材27の出口27aには処理液を排出する配管が接続されている。
【0040】
また、この液状原料用の入口25aは、抑え部材25内に形成された通路に連通され、この通路は、後述するように位置決めされて収容されたライナー部材21の液状原料用の受け入れ通路とされた貫通孔21aに連通するように設けられている。また、この二酸化炭素用の入口25bは、抑え部材25の通路に連通され、この通路は、位置決めされて収容されたライナー部材21の二酸化炭素用の受け入れ通路とされた貫通孔21bに連通するように設けられている。さらに、ライナー部材22の排出用の通路とされた貫通孔22aは、押圧部材27に形成された通路に連通され、この通路は、押圧部材27に設けられた出口27aに連通するように設けられている。
【0041】
そして、処理装置本体5内には、液状原料用の入口25aと二酸化炭素用の入口25bからライナー部材21,22内で合流し、ライナー部材21,22から出口27aに至る一連の通路が形成されている。
【0042】
また、この処理装置本体5は、その全体が水密ケーシング29内に収められ、この水密ケーシング29内に温水を充填することにより、処理装置本体5を所定の温度に保持できるようにしている。
【0043】
すなわち、処理装置本体5の液状原料用の入口25aまたは二酸化炭素用の入口25bには、温度計(図示せず)が設置され、送給された原料または二酸化炭素の温度を測定するようにしている。
【0044】
また、水密ケーシング29の所定箇所には温水入口29aおよび温水出口29bが設けられ、この温水入口29aには、処理装置本体5の外部から任意の温度の温水が供給され、温水出口29bから排出されるようになっている。
【0045】
したがって、上記の液状原料用または二酸化炭素用に設けられた温度計による測定結果に基づき、任意の温度の温水を水密ケーシング29に供給することにより、処理装置本体5の温度を、この処理装置本体5内を通過する二酸化炭素が超臨界状態を維持できる温度に設定するようにしているので、処理装置本体5内では二酸化炭素を超臨界状態に維持できることになり、液状原料への二酸化炭素の浸透を促進できるようにしている。
【0046】
なお、処理装置本体5の温度を所定の温度に保温させる手段として、上記の温水を用いた構成に限られることなく、処理装置本体5を囲んで断熱層を設けたり、ヒータを付設させたりする適宜の構成を採用することができる。
【0047】
さらに、上記のライナー部材21,22は、図3(a)に示すように、耐圧性および耐久性に優れたダイヤモンドなどの硬質材を用いて、互いに同一の半径を有した円板状に形成され、少なくとも、互いに接触されるライナー部材21,22の円板面は、円板の中心軸に直交して形成されるとともに、充分な平面度が確保され、両者間に隙間を生じることなく密着できるようにしている。
【0048】
そして、これらのライナー部材21,22を組合わせることにより、上記の液状原料と超臨界状態の二酸化炭素と互いに衝突させて混合させる通路を形成するようにしている。
【0049】
すなわち、一方のライナー部材21には、2つの貫通孔21a,21bが、円板に形成された円板面の径方向で円中心を対称とする位置で、その円板の軸方向に沿って形成され、これらの貫通孔21a,21bは、このライナー部材21,22が位置決めされて上記の処理装置本体5に収容されると、それぞれ、抑え部材25に形成された液状原料用および超臨界状態の二酸化炭素用の入口25a,25bに通じる通路に連通される位置に設けられている。また、これらの貫通孔21a,21bは、その横断面形状が円形とされ、所定の内径が設定されている。したがって、このライナー部材21が処理装置本体5に収容されると、ライナー部材21の貫通孔21aが液状原料用の入口25aに連通されて液状原料が供給されるとともに、貫通孔21bが超臨界状態の二酸化炭素用の入口25bに連通されて超臨界状態の二酸化炭素が供給される。
【0050】
また、このライナー部材21の他方のライナー部材22に接触される円板面には、上記の2つの貫通孔を連絡する直線状の溝21cが形成され、この溝21cが円形の円板面の中心を通過するようにしている。
【0051】
したがって、これらのライナー部材21,22が処理装置本体5に収容されると、一方のライナー部材21が他方のライナー部材22に押圧されて、両者21,22が密着されるので、ライナー部材21に形成された貫通孔21aおよび溝21cの円板面側に開放された開口部分が、他方のライナー部材22の円板面によって閉塞され、溝21cが通路となる。
【0052】
さらに、他方のライナー部材22の円板面の径方向の中心には、その円板の軸方向に沿った貫通孔22aが形成され、この貫通孔22aは、処理装置本体5に収容された場合に押圧部材27に設けられた通路に連通する径方向の位置に設けられている。また、この貫通孔22aは、その横断面形状が円形とされ、所定の内径が設定されている。
【0053】
したがって、このようにライナー部材22の円板面の略中心箇所に形成された貫通孔22aは、両ライナー部材21,22が処理装置本体5に収容されると、ライナー部材22の溝21cによって形成される通路の略中央箇所から、押圧部材27の出口27aに連通された通路となる。
【0054】
これらの結果、上記のライナー部材21,22を処理装置本体5に、その周方向の向きを位置決めして収納すると、これらのライナー部材21,22によって、図3(b)に示すような一連の通路が形成され、ライナー部材21の超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが衝突して混合される。
【0055】
すなわち、図3(b)中に示す通路のCの箇所で、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが互いに正反対の方向から向き合った方向に送流されて衝突し、次に衝突して混合された処理液は、両者の流れ方向と直交する方向に送流されることになる。
【0056】
したがって、直線状に形成された通路に、この通路の互いに反対方向から高圧の超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを送給し、これらの高速の流体を互いに衝突させていることにより、両流体が接触する際に生じる衝撃が倍加され、両者の混合や撹拌が促進され、しかも一方の流体が超臨界状態の二酸化炭素とされているので、液状原料に含まれる菌などの各種の微生物や酵素に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることができる。このため、液状原料への二酸化炭素の溶解や液状原料に含まれる微生物や酵素への浸透を高効率化できるとともに、これらの処理を行なう装置としての小型化を図ることができる。
【0057】
また、その内部を通過する超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とから高圧を受ける各ライナー部材21,22の外形状が、単純な円板形状に形成されているので、セラミックなどのように、種々の安価で加工性の良い耐摩耗性の材料を広く採用することもできる。
【0058】
さらに、これに加えて、各ライナー部材21,22に貫通孔21a,21b,22aおよび溝21cを形成し、両者21,22を組合わせて通路を形成した構成とされ、しかも溝21cの形状が直線状とされ、溝21cの両端が両貫通孔21a,21bとされていることにより、各ライナー部材21,22に孔および溝を形成するための加工が簡素化され、各ライナー部材21,22の製作が極めて容易となるので、低コスト化を図ることが可能となるとともに、高硬度の材料を用いてライナー部材21,22を製作することにより、耐圧性や耐久性を追求した高性能化を図ることも可能となる。
【0059】
そして、上記の処理液は、再び図1に示すように、処理装置本体5から配管を介してNG装置6に送給され、このNG装置6によって、混合処理された処理液の殺菌処理が行なわれる。
【0060】
すなわち、このNG装置6は、処理液を常圧に戻すための背圧弁などを不要とした構成とされ、このNG装置6によって、処理液が急激に常圧に戻される。このとき、処理液の圧力が急激に下降されて、処理液に含まれた二酸化炭素の超臨界状態が解除されるので、二酸化炭素が瞬間的に気化して、その体積が急激に膨張することになる。このため、処理液の一部である液状原料に含まれる菌などの各種の微生物に浸透した二酸化炭素も急激に膨張するので、これらの微生物を死滅させることができ、液状原料の殺菌が行なわれることになる。
【0061】
また、このように液状原料に含まれる菌などの各種の微生物に浸透させた二酸化炭素の超臨界状態を解除させて減菌を行なう過程では、加熱処理を全く必要としていないので、液状原料の香気成分自体が揮発しないことになり、液状原料の風味が損なわれることが回避され、この液状原料から製造される食品の製品品質を向上することができる。
【0062】
さらに、処理対象とする液状原料によっては、その液状原料に含まれる酵素の失活や、胞子の破壊が行なわれることになる。すなわち、酵素の活性物質である蛋白質中に浸透していた二酸化炭素が急激に膨張し、蛋白質が破壊されて酵素は失活する。また、微生物の種類によっては、この微生物の細胞内に存在する疎水性領域に二酸化炭素が浸透するので、この二酸化炭素の浸透によるだけでも静菌・失活効果を得ることができる。
【0063】
そして、常圧に戻された殺菌処理済みの処理液は、液状原料とガス化した二酸化炭素の気液二相状態となって、配管を介して分離タンク7に送給される。
【0064】
この分離タンク7は、密閉タンクとされ、少なくとも原料タンク11よりも所定に大きなタンク容量が確保され、液状原料を貯留するとともに、貯留した液状原料の液面の上方に空間が確保できるようにしている。したがって、貯留した液状原料に残存する二酸化炭素が、液状原料の液面から上記の空間に自然に放散できるようにしている。
【0065】
また、この分離タンク7の上部には、ガス化した二酸化炭素を回収する配管が接続されている。したがって、この配管を介して、分離タンク7内の液状原料の液面より上方の空間に滞留している気体状態となった二酸化炭素が回収され、大気中に放出されることなく、再利用などが行なわれる。
【0066】
そして、分離タンク7の下部には、無菌状態となった液状原料を、次の生産工程や輸送するために分離タンク7から送出する配管が接続され、この配管によって、無菌化された液状原料を取出せるようにしている。
【0067】
以上説明したように、本具体例によれば、直線状に形成された通路に、この通路の互いに反対方向から高圧の超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを送給し、これらの高速の両流体を互いに対向させて衝突させていることにより、両流体が接触する際に生じる衝撃が倍加され、両者の混合や撹拌が促進されることになる。
【0068】
すなわち、両流体を混合させる作用として、従来とは異なる両流体を衝突させたことによる大きな衝撃効果が加わっていることになる。つまり、従来の静止した一方の流体に他方の流体を衝突させた構成に比べて、両流体を正面衝突させているので、両流体に衝撃力が大きく作用することになる。さらに、衝突される一方の流体が超臨界状態の二酸化炭素とされているので、超臨界状態の流体が有する溶解力や浸透力を充分に発揮させることができる。
【0069】
このため、液状原料に含まれる菌などの各種の微生物や酵素に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることができるので、液状原料への二酸化炭素の溶解や液状原料に含まれる微生物や酵素への浸透が高効率化され、装置の小型化を図ることができるとともに、処理装置の性能を向上することができる。
【0070】
次に、液状原料の殺菌処理装置1の他の例を説明する。本例の液状原料の殺菌処理装置1は、互いに対向された流れの流体が衝突する箇所を複数、設けた構成とされ、液状原料に含まれる菌などの各種の微生物や酵素、原料自体の性状、これらの組合せによっては、微生物や酵素への二酸化炭素の浸透が不充分になり、殺菌能力が低下してしまう不都合に対処したものである。
【0071】
例えば、少なくとも処理装置本体5の内部は、二酸化炭素の超臨界状態を保持するように構成されていることから、この圧力や温度による影響を受けた液状原料に含まれる菌などの微生物や酵素、液状原料自体の性質と状態が変化する場合があるので、微生物や酵素への二酸化炭素の浸透が不充分になる可能性が生じることになる。
【0072】
そこで、本例の液状原料の殺菌処理装置1は、衝突して混合された処理液を2つに分流させ、分流させた処理液を再び衝突させることにより、さらに処理液の混合を促進させ、液状原料に含まれる微生物や酵素への超臨界状態の二酸化炭素の浸透をさらに促進させて、上記の不都合に対処するとともに、殺菌性能の向上を図れるようにしたものである。
【0073】
この液状原料の殺菌処理装置1は、図4に示すように、処理装置本体5に収納される1対のライナー部材21,22の間に、新たにライナー部材33,34を介在させて設けた構成とされ、これらのライナー部材21,22,33,34によって、処理装置本体5内に流体が対向して衝突する箇所を2つ生成する通路を形成するようにしている。なお、処理装置本体5以外の構成は、上記の具体例と同一の構成とされ、後述する他の具体例においても、同様である。
【0074】
これらのライナー部材33,34は、図5(a)に示すように、上記のライナー部材21,22と同一の材料を用いて、同一の径を備えた円板状に形成されている。また、これらのライナー部材33,34の上記ライナー部材21に形成された貫通孔21a,21bに対応した位置から周方向に90度移動した位置に、円板の軸方向に沿った貫通孔33a,33a’,34a,34a’がそれぞれ設けられている。さらに、両ライナー部材33,34が組み合わされたときに互いに接触されない円板面に、貫通孔33a,34a同士を連絡する直線状の溝33b,34bが形成されている。
【0075】
したがって、このように形成されたライナー部材21,22,33,34を処理装置本体5に周方向の向きを位置決めして収納すると、これらのライナー部材21,22,33,34によって、図5(b)に示すような一連の通路が形成され、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが衝突されて混合され、さらに、混合された処理液が再び互いに衝突して、混合を促進するようにしている。
【0076】
すなわち、図5(b)中に示すCの箇所で、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが互いに正反対の方向から衝突し、衝突して混合された処理液は、衝突前の流れ方向と周方向に直交し、かつ互いに反対方向の2つの方向に送流される。そして、2つに分流された処理液は、処理液同士が互いに正反対の方向から向き合った方向に送流されて、再び、図5(b)中に示すDの箇所で衝突することになる。
【0077】
したがって、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させて生成した処理液同士を、再び衝突させた構成としていることにより、処理液同士が接触する際に生じる衝撃が倍加され、液状原料に含まれる菌などの微生物や酵素への超臨界状態の二酸化炭素の浸透を促進することができるので、二酸化炭素の浸透による殺菌や静菌、失活効果を高めることができ、液状原料の殺菌処理装置としての性能を向上することができる。
【0078】
また、これらのライナー部材21,22,33,34が受け持つ内圧がほぼ同一となる場合には、各ライナー部材21,22,33,34の厚さや、各ライナー部材21,22に形成する貫通孔の内径、溝の幅や長さをほぼ同一に設定したり、等しく設定したりできるので、さらに各ライナー部材21,22,33,34の製作が容易となり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0079】
なお、上記の具体例においては、4つのライナー部材21,22,33,34によって、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素と衝突させて混合させ、さらに混合された処理液を分流させて、処理液同士を衝突させて混合させる通路を形成した構成としたが、この通路を3つのライナー部材によって形成するように構成してもよい。すなわち、上記のライナー部材33のライナー部材21に接触される円板面とは反対側の円板面に、貫通孔33aと貫通孔33a’を連絡する直線状の溝を形成し、この面に上記のライナー部材22を接触させることにより、上記の通路が形成される構成とすることができる。したがって、一つライナー部材33の表裏の両面に溝を設けて、ライナー部材34を省いた構成とされているので、部品点数が削減され、コストダウンを図ることができる。
【0080】
また、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とが衝突して混合された処理液同士を、さらに衝突させて混合させ、液状原料への二酸化炭素の浸透を促進させた構成としたが、処理液に新たな超臨界状態の二酸化炭素を衝突させて混合させる構成としてもよい。
【0081】
したがって、処理液に新たな超臨界状態の二酸化炭素を衝突させて混合させていることにより、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加され、処理液自体の混合および撹拌が行なえるとともに、超臨界状態の二酸化炭素の液状原料への浸透がさらに促進されることになる。
【0082】
さらに、上記の例では、混合された処理液を分流させ、分流された処理液同士を衝突させて混合させる回数を一回としたが、ライナー部材21,22により形成される通路の構成によって、より多数の回数となるように構成してもよく、この場合にも、超臨界状態の二酸化炭素の液状原料への浸透を促進させることができる。
【0083】
また、液状原料に対する超臨界状態の二酸化炭素の割合を変更させた構成としてもよい。
【0084】
すなわち、ライナー部材に形成された液状原料および超臨界状態の二酸化炭素を衝突させる溝の断面積に応じて、この溝を通過する液状原料または超臨界状態の二酸化炭素の加圧力を加減することができるので、両者の相対的な流量の割合を任意に変更することができる。つまり、上記の溝のうち、それぞれの流体が衝突する箇所に至るまでの経路の断面積を、互いに異ならせて形成することにより、両者の相対的な割合を任意に変更することができる。
【0085】
したがって、この場合には、処理する液状原料に応じた超臨界状態の二酸化炭素を使用することが可能となる。すなわち、例えば、液状原料を処理するために必要な超臨界状態の二酸化炭素が少ない場合には、これに応じて超臨界状態の二酸化炭素の割合を小さく設定でき、超臨界状態の二酸化炭素の使用量が削減されるので、低運用コスト化を図ることができる。他方、液状原料を処理するために必要な超臨界状態の二酸化炭素が多い場合には、これに応じて超臨界状態の二酸化炭素の割合を大きく設定でき、処理性能を維持することができる。
【0086】
また、液状原料に対する超臨界状態の二酸化炭素を衝突させる流量の割合を変更できることにより、例えば、上記の両流体を衝突させる溝の二酸化炭素側の断面積を削減し、両流体を衝突させる箇所を多数形成する構成にすることができるので、液状原料へ二酸化炭素を追加する総量を従前と同一にしながら、両流体を衝突させる箇所を増加して、液状原料への二酸化炭素の浸透をさらに促進させることが可能となる。
【0087】
次に、液状原料の殺菌処理装置1の他の例を説明する。本例の殺菌処理装置1は、上記の例と同様に互いに対向された流れの流体が衝突する箇所を複数、設けた構成とされ、さらに、一対のライナー部材21,22によって、これらの衝突箇所を生成する通路を形成したものである。
【0088】
すなわち、図6(a)に示すように、これらのライナー部材21,22は、同一の径を備えた円板状に形成され、これらのライナー部材21,22を組合わせることにより、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させる第1段階の通路を2組形成し、さらに、両流体に衝突により個別に生成された2組の処理液同士を衝突させる第2段階の通路を形成したものである。
【0089】
このライナー部材21,22には、円形の円板面の中心を対称とした所定位置に、軸方向に沿った4つの貫通孔21a,21a’,21b,21b’が形成され、ライナー部材21,22が処理装置本体5に収容された場合に、上方の2つの貫通孔21a,21a’が、抑え部材25に形成された液状原料用の入口21aに通じる通路に連通されるとともに、下方の2つの貫通孔21b,21b’が、超臨界状態の二酸化炭素用の入口21bに通じる通路に連通されるようにしている。
【0090】
また、図中の上下方向に対向された貫通孔21a,21b同士および貫通孔21a’,21b’同士を連絡する2つの溝21c,21c’が直線状に形成され、さらに、これらの2つの溝21c,21c’の中間箇所を連絡する溝21dが、図中の水平方向に沿って直線状に形成され、また、この溝21dは、円形の円板面の中心を通過するように位置されている。
【0091】
さらに、ライナー部材22の他方のライナー部材21に接触される円板面には、処理装置本体5に収容された場合に、上記のライナー部材21に形成された溝21dに対して周方向に直交する方向となるように直線状の溝22bが形成され、この溝22bの両端は、円板面の縁から所定に離れた距離が確保されている。また、このライナー部材21,22の溝22bの両端には、その円板の軸方向に沿った2つの貫通孔22a,22a’が形成され、これらの貫通孔22a,22a’は、ライナー部材21,22が処理装置本体5に収容された場合に、押圧部材27に設けられた出口27aに通じた通路に連通するようにしている。
【0092】
したがって、このように形成されたライナー部材21,22を処理装置本体5に周方向の向きを位置決めして収納すると、これらのライナー部材21,22によって、図6(b)に示すような一連の通路が形成され、2組の超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが衝突して混合され、さらに、衝突して生成された2組の処理液同士が衝突して混合される。
【0093】
すなわち、図6(b)中に示すC1,C2の箇所で、それぞれ、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが互いに正反対の方向から衝突し、さらに、衝突して混合された処理液同士が、互いに正反対の方向からDの箇所で衝突し、最後に、両者の流れ方向と直交する方向に送流されることになる。
【0094】
この結果、上記の具体例と同様に、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させて生成した処理液同士を、再び衝突させた構成としていることにより、処理液同士が接触する際に生じる衝撃が倍加され、液状原料に含まれる菌や酵素への超臨界状態の二酸化炭素の浸透を促進することができるので、殺菌などの効果を高めることができ、液状原料の殺菌処理装置としての性能を向上することができる。
【0095】
また、上記の具体例と異なり、2枚のライナー部材によって上記の通路を形成できるので、処理装置本体5としての部品点数が削減でき、低コスト化を図れるとともに、コンパクト化を図ることが可能となる。
【0096】
なお、上記のライナー部材21,22によって形成される通路は、これに限られることなく、さまざまな変形が可能であり、この通路の構成によって、例えば、図7(a)に示すように、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させる箇所を、C1,C2,C3,C4,C5の5箇所に形成した構成としたり、図7(b)に示すように、両流体を衝突させる箇所を、C1〜C10の10箇所に形成した構成としたりすることができる。
【0097】
したがって、これらの構成によれば、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させる箇所を複数、設けたことにより、超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とが、上記具体例と同一の流量で処理装置本体5に供給されている場合には、各衝突箇所を形成している各通路を流れる各流体の流量が減少され、両流体が衝突する各箇所で負担する圧力が軽減されるので、ライナー部材21,22の耐久性を向上することができる。また、このように両流体を衝突させる複数の衝突箇所を設けたことにより、各箇所での衝突の規模が小規模化されるので、処理装置本体5としての安定した動作が可能となる。
【0098】
さらに、ライナー部材21,22に形成された、これらの通路のうち一部が何らかの理由で損傷したり、通路が閉塞したりしても、他の通路によって代替の通路が確保されていることになり、耐障害性を向上することができる。
【0099】
また、上述した各具体例においては、殺菌処理装置1が超臨界状態の二酸化炭素を用いた例を説明したが、亜臨界状態の二酸化炭素を用いてもよい。また、例えば、二酸化炭素供給装置4から、その温度が臨界状態よりも低い亜臨界状態の二酸化炭素が処理装置本体5に供給され、処理装置本体5で加温することによって、処理装置本体5内の液状原料に接触する前までに、超臨界状態の二酸化炭素となるように構成してもよい。
【0100】
さらに、各例においては、食品の製造に必要な液状原料に含まれる菌などの各種の微生物や酵素を処理する対象としたが、この発明は、これに限られることなく、二酸化炭素の溶解や浸透によって有効な効果が得られるならば、液状原料に含まれる酵素以外のその他の成分や、液状原料自体を処理する対象とすることができる。
【0101】
また、最終的な製品としての形態が液状のものに限られることなく、その製造過程の途中で何らかの方法によって液状とされた原料や、本例の処理を行なうために液化処理された原料を含むものとする。
【0102】
ここで、実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、液状原料がこの発明の液状原料に相当し、超臨界状態の二酸化炭素がこの発明の超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に相当し、処理液がこの発明の混合液に相当し、菌などの微生物や酵素がこの発明の混在物に相当し、原料供給装置3がこの発明の液状原料供給部に相当し、二酸化炭素供給装置4がこの発明の超臨界二酸化炭素供給部に相当し、処理装置本体5がこの発明の処理部に相当し、NG装置6がこの発明の解除部に相当する。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを共に流動させ、これらの両者を互いに衝突させて混合した構成としたことにより、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加されて、両者の混合や撹拌が促進され、しかも一方の流体が超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とされているので、混合液中の混在物に直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることができ、処理装置の性能が向上され、高効率化とコンパクト化を図ることができる。
【0104】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを互いに衝突させて生成した混合液を分流させ、分流した混合液同士を再び互いに衝突させた構成としたので、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加され、直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることを、さらに促進することができ、処理装置の性能を向上することができる。
【0105】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを互いに衝突させて生成した混合液と、超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを、再び互いに衝突させた構成としたので、両者が接触する際に生じる衝撃が倍加され、直接かつ半ば強制的に二酸化炭素を浸透させることを、さらに促進することができ、処理装置の性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態であり、液状原料の殺菌処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施形態であり、処理装置本体の詳細を示す縦断面である。
【図3】 この発明の実施形態であり、(a)は、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを衝突させる通路を形成するライナー部材を示す斜視図であり、(b)は、ライナー部材により形成された通路の通流状態を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施形態の他の例であり、処理装置本体の詳細を示す縦断面である。
【図5】 この発明の実施形態の他の例であり、(a)は、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを衝突させる通路を形成するライナー部材を示す斜視図であり、(b)は、ライナー部材により形成された通路の通流状態を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施形態の他の例であり、(a)は、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを衝突させる通路を形成するライナー部材を示す斜視図であり、(b)は、ライナー部材により形成された通路の通流状態を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施形態の他の例であり、(a)は、液状原料と超臨界状態の二酸化炭素とを衝突させる箇所を5箇所に形成した通路の通流状態を示す説明図であり、(b)は、衝突させる箇所を10箇所に形成した通路の通流状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…殺菌処理装置、 3…原料供給装置、 4…二酸化炭素供給装置、 5…処理装置本体、 6…NG装置、 7…分離タンク、 21,22,33,34…ライナー部材、 21a,21a’…液状原料が通流される貫通孔、 21b,21b’…超臨界状態の二酸化炭素が通流される貫通孔、 21c,21c’…超臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを衝突させる通路となる溝、 21d,34b…両流体が混合された処理液同士をを衝突させる通路となる溝、 22a,33a,33a’,34a,34a’…両流体が混合された処理液が通流される貫通孔、 22b,33b…両流体が混合された処理液を2つに分流する通路となる溝、 C1〜C10…通路に形成された超臨界状態の二酸化炭素と液状原料との衝突箇所、 D…通路に形成された処理液同士の衝突箇所。

Claims (3)

  1. 超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素と液状原料とを混合して液状原料中の混在物に前記超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を浸透させ、かつ減圧して前記二酸化炭素を気化させる超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置において、
    液状原料を供給する液状原料供給部と
    臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を供給する超臨界二酸化炭素供給部と
    記液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを共に流動させて互いに衝突させることにより前記液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを混合させる処理部と
    記液状原料を前記処理部に供給する前に、前記二酸化炭素を超臨界状態もしくは亜臨界状態に維持する温度に前記液状原料を加熱する第一の加熱器と
    記二酸化炭素を前記処理部に供給する前に超臨界状態もしくは亜臨界状態に維持する温度に加熱する第二の加熱器と
    記処理部からの混合液に含まれた二酸化炭素の超臨界状態もしくは亜臨界状態を解除する解除部とを備え
    記処理部は、直線状の通路の一端部から前記超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を供給するとともに他端部から前記液状原料を供給してこれら二酸化炭素と液状原料とを衝突させ、かつこれら衝突して混合した二酸化炭素と液状原料とを前記通路の中間部から排出させるように構成されていることを特徴とする超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置。
  2. 前記衝突されて生成された混合液同士を少なくとも二つに分流させるとともにこれら分流された混合液同士を流動状態で互いに衝突させて混合する第2の処理部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置。
  3. 前記衝突されて生成された混合液と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを共に流動させて互いに衝突させることにより前記混合液と液状原料と超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素とを混合させる第3の処理部を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界二酸化炭素を用いた液状原料の処理装置。
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