JP3953186B2 - 酸化防止性潤滑油添加剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化防止性潤滑油添加剤及びそれを含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
潤滑油は、使用中に物理的剪断を受けたり、高温・高圧下で酸化雰囲気下にさらされるため、時間と共に劣化していく。潤滑油に添加されている各種添加剤においても同様であり、本来の性能を発揮する以前に酸化劣化を受け、分解してその性能を発揮し得なかったり、逆に潤滑油に悪影響を及ぼす場合もある。
【0003】
近年の潤滑装置は、高速化、高出力化、小型化、メンテナンスフリー等が求められている。これに伴い潤滑油においても様々な問題が発生している。例えば、潤滑装置の小型化は、潤滑油量の減少を招いたため、従来より潤滑油温は上昇している。又、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の発生を抑制するために、三元触媒が普及したため、NOxガスがクランクケース内に漏洩する量が増加しこれが潤滑油の劣化を促進している。又、メンテナンスフリーの要求から、潤滑油には長寿命性、即ち、ロングドレイン性が求められてきている。このように、過酷な条件下での高度な安定性を潤滑油に要求する動きは年々強まってきている。
【0004】
一方、近年においてはエンジンの高温における焼き付きの問題、低温におけるエネルギーロスの問題を改善するために、潤滑油基油自身の温度粘度特性を改良する試みが為されている。即ち、基油として原油から得られる鉱油を高度に精製した精製基油や、化学的手段によって合成された合成基油を使用する場合が増加している。このため、もともと鉱油中に含まれていた不純物である硫黄化合物や窒素化合物等の酸化防止性能を有する成分が排除されてしまったため、潤滑油基油単独での熱安定性が低下するといった問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の下、近年では潤滑油に添加する酸化防止剤の重要度が増加している。酸化防止性潤滑油添加剤としては、一般的にはヒンダードフェノール系酸化防止剤、含硫黄系酸化防止剤、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート等の金属系酸化防止剤等が挙げられる。
【0006】
又、その他の酸化防止性潤滑油添加剤として、アミン系酸化防止剤がある。アミン系酸化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニル−α−ナフチルアミン類、フェニレンジアミン類等が挙げられる。これらを潤滑油に配合した例としては、例えば、特開平3−95297号公報には、鉱油又は合成油を基油とし、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン又はp,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合した潤滑油組成物が開示されている。特開平3−215596号公報には、潤滑油基油にジフェニルアミン又はフェノチアジンを配合したことにより潤滑油の酸化分解に対して高度な安定性を持つ潤滑剤配合物が開示されている。特開平9−53087号公報には、スチレン化ジフェニルアミン系化合物からなる潤滑剤酸化防止剤が開示されている。
【0007】
しかし、現在の潤滑油の基油の種類は多種多様である。原油から分離精製された鉱油系基油ばかりではなく、ポリブテンやヒンダードエステル、ポリアルキレングリコール誘導体等の化学的に合成された合成油も使用され、これらと鉱油の混合基油として使用される場合もある。そのため、使用される基油によっては上記の先行技術に開示されたようなアミン系酸化防止剤では酸化防止性能が不十分な場合も想定されている。
従って、本発明の目的は、アミン系の新規な酸化防止性潤滑油添加剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記の一般式(1)
【化2】
(式中、R1及びR2はアルキレン基を表わし、R3は水素原子又は炭化水素基を表わし、mは1以上の数を表わし、nは1以上の数を表わす。)
で表わされるポリアミン化合物からなる酸化防止性潤滑油添加剤及びそれを潤滑油基油に配合した潤滑油組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化防止性潤滑油添加剤は、上記一般式(1)で表わされるポリアミン化合物からなる。一般式(1)において、R1及びR2はアルキレン基である。アルキレン基としてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられるが、mが1の場合はエチレン基又はプロピレン基が好ましく、mが2以上の場合はエチレン基が好ましい。
【0010】
R3は水素原子又は炭化水素基を表わす。炭化水素基としては例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
【0011】
アルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0012】
アリール基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0013】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0014】
これらの中でも、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基又はアリール基が好ましい。尚、m×n個のR3はそれぞれ独立であり同一でも異なってもよい。
【0015】
本発明の酸化防止性潤滑油添加剤は、潤滑油基油に配合されて使用される。配合量は特に限定されないが、あまりに少ないと酸化防止効果が十分発揮されず、あまりに多いとスラッジの原因ともなるので、好ましい配合量は潤滑油基油に対して0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜15重量%である。
【0016】
使用することができる潤滑油基油は、鉱油、合成油又はこれらの混合物の何れであってもよい。潤滑油基油の動粘度は特に限定されないが、好ましくは100℃で1〜50cSt、40℃で10〜1,000cSt程度、粘度指数(VI)は好ましくは70以上、より好ましくは100以上である。
【0017】
鉱油は、天然の原油から分離されるものであり、これを適当に蒸留、精製等を行って製造される。鉱油の主成分は炭化水素(多くはパラフィン類である)であり、その他ナフテン分、芳香族分等を含有している。これらを水素化精製、溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水添脱ろう、接触脱ろう、水素化分解、アルカリ蒸留、硫酸洗浄、白土処理等の精製を行った潤滑油基油も好ましく使用することができる。これらの精製手段は、適宜に組み合わせて行われ、同一処理を複数段に分けて繰り返し行っても有効である。例えば、(A)留出油を溶剤抽出処理するか、又は溶剤抽出処理した後に水素化処理し、次いで硫酸洗浄する方法、(B)留出油を水素化処理した後に脱ろう処理する方法、(C)留出油を溶剤抽出処理した後に水素化処理する方法、(D)留出油を溶剤抽出処理した後に白土処理する方法、(E)留出油を二段或いは三段以上の水素化処理を行う、又はその後にアルカリ蒸留又は硫酸洗浄処理する方法、(F)留出油を水素化処理するか、又は水素化処理した後に、アルカリ蒸留又は硫酸洗浄処理する方法、或いはこれらの処理油を混合する方法等が有効である。
【0018】
これらの処理を行うと、芳香族分、硫黄分、窒素分等を除去することが可能である。現在の技術では、これらの不純分は痕跡量以下に除去することが可能であるが、芳香族分は潤滑油添加剤を溶解し易くさせる効果があるため、3〜5重量%程度残存させる場合もある。例えば、現在使用されている高度精製鉱油中の硫黄分や窒素分は0.01重量%以下であり、場合によっては0.005重量%以下である。一方、芳香族分は1重量%以下、場合によっては0.05重量%以下のものもあれば3重量%程度残存しているものもある。
【0019】
又、合成油とは、化学的に合成された潤滑油基油であって、例えばポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール等は汎用的に使用することができ、内燃機関油や加工油等に好ましく使用することができる。
【0020】
ポリ−α−オレフィンとしては例えば、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等をポリマー化又はオリゴマー化したもの或いはこれらを水素化したもの等が挙げられる。ジエステルとしては例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の2塩基酸と、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられる。ポリオールエステルとしては例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、或いはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のポリオールと、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸とのエステル等が挙げられる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合体のモノ又はジメチルエーテル等が挙げられる。
【0021】
これらの合成油は、各々化学的に合成されるため、単一物質か同族体の混合物である。従って、例えばポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール等の合成油は、鉱油中に含まれる不純物であるベンゼンや多環縮合型の芳香族成分、チオフェン等の硫黄分、インドール、カルバゾール等の窒素分等は含まれていない。
【0022】
又、本発明の酸化防止性潤滑油添加剤は、必要に応じてその他の潤滑油添加剤と併用することができる。代表的な潤滑油添加剤としては、油性剤、摩擦緩和剤、極圧剤、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、消泡剤、防錆剤、流動点降下剤等が挙げられる。
【0023】
油性剤としては例えば、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン、ラウリルアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミド、ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミド等が挙げられる。
【0024】
摩擦緩和剤としては例えば、カプリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、カプロン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、カプリル酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ラウリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ミリスチン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、パルミチン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ステアリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、オレイン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド等のエステル類、硫化オキシモリブデンジアルキルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジアルキルジチオホスフェート等の金属塩類、ポリオールエーテル、ポリエーテル等が挙げられる。
【0025】
極圧剤としては例えば、硫化オレフィン、硫化パラフィン、硫化ポリオレフィン、硫化ラード、硫化魚油、硫化鯨油、硫化大豆油、硫化ピネン油、硫化フェノール、硫化アルキルフェノール、ジアルキルポリスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、アルキルメルカプタン、アルキルスルホン酸、ジチオカルバミン酸エステル、1,3,4−チアジアゾール誘導体、チウラムジスルフィド、ブチル(チオ、ジチオ)ホスフェート、ヘキシル(チオ、ジチオ)ホスフェート、オクチル(チオ、ジチオ)ホスフェート、2−エチルヘキシル(チオ、ジチオ)ホスフェート、ノニル(チオ、ジチオ)ホスフェート、デシル(チオ、ジチオ)ホスフェート、ラウリル(チオ、ジチオ)ホスフェート、ミリスチル(チオ、ジチオ)ホスフェート、パルミチル(チオ、ジチオ)ホスフェート、ステアリル(チオ、ジチオ)ホスフェート、オレイル(チオ、ジチオ)ホスフェート、フェニル(チオ、ジチオ)ホスフェート、クレジル(チオ、ジチオ)ホスフェート等の(チオ、ジチオ)リン酸系等が挙げられる。
【0026】
酸化防止剤としては例えば、2,6−ジ−tert.-ブチルフェノール、2,6−ジ−tert.-ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert.-ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert.-ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert.-ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert.-ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル―6−tert.-ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル―6−tert.-ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert.-ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−tert.-ブチル−5’−メチルベンジル)4−メチルフェノール、3−tert.-ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert.-ブチル−4−ヒドロキシアニソール等のフェノール系酸化防止剤;1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β―ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’−ジ−n−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−tert.―ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−tert.―ペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、p,p’−ジデシルジフェニルアミン、p,p’−ジドデシルジフェニルアミン、p,p’−ジスチリルジフェニルアミン、p,p’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−α,α―ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0027】
清浄剤としては例えば、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネート、カルシウムサリシレート、マグネシウムスルホネート、マグネシウムフェネート、マグネシウムサリシレート、バリウムスルホネート、バリウムフェネート、バリウムサリシレート等が挙げられる。分散剤としては例えば、ポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸イミドホウ素化物、ベンジルアミン等が挙げられる。粘度指数向上剤としては例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体等が挙げられる。
【0028】
本発明の潤滑油添加剤は、あらゆる用途の潤滑油に添加して使用できる。例えば、工業用潤滑油、タービン油、マシン油、軸受油、圧縮機油、油圧油、作動油、内燃機関油、冷凍機油、ギヤ油、自動変速機用油、トランスアクスル流体、金属加工油、各種グリース等が挙げられる。中でも、車両用エンジン、2サイクルエンジン、航空機用エンジン、船舶用エンジン、機関車用エンジン等の内燃機関油の酸化防止剤として好適である。内燃機関としては例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ジェットエンジン、ガスタービンエンジン、アルコールエンジン等が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載がない限り重量基準である。
試験に使用した本発明の酸化防止性潤滑油添加剤は以下のとおり:
(試料1)
【化3】
【0030】
(試料2)
【化4】
【0031】
(実施例1)
基油(市販品:120N油)100部に、試料1又は2を0.1部又は0.3部添加し、示差熱を測定した。尚、測定に使用した機器は、真空理工株式会社の高速示差熱天秤TGD−7000RH型である。
【0032】
【表1】
以上のように本発明品は酸化防止性能を有している。
【0033】
(実施例2)
基油(市販品:120N油)100部に、試料1又は2を0.3部添加し、JIS−K−2415に準じて劣化後の粘度及び全酸価を測定した。
<条件>
温度:165.5℃
回転数:1,300rpm
時間:24時間
【0034】
【表2】
以上のように本発明品は酸化防止性能を有している。
【0035】
【発明の効果】
本発明の効果は、新規なアミン系酸化防止性潤滑油添加剤及びそれを含有する潤滑油組成物を提供したことにある。
Claims (4)
- 一般式(1)において、mが1であり、R1及びR2がエチレン基であり、R3が水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基又はアリール基である、請求項1記載の酸化防止性潤滑油添加剤。
- 潤滑油基油に、請求項1又は2記載の酸化防止性潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物。
- 潤滑油基油に、請求項1又は2記載の酸化防止性潤滑油添加剤を潤滑油基油に対して0.01〜20重量%含有する潤滑油組成物。
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