JP3952715B2 - 新規病態発現動物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒトIgA腎症様病態発現マウスに関する。
【0002】
本発明は、ヒトのIgA腎症の病態発現機構の解明と治療法の研究、あるいは治療薬の開発のため、医学あるいは薬学の研究分野において利用されるものである。
【0003】
【従来の技術】
IgA腎症は我国の慢性糸球体腎炎の約30%を占め、しかもその10〜20%は透析治療を必要とする末期腎不全へ進行すると言われ、本症の発症、進展機序の解明と治療法の研究が急務である。このような研究領域においては、当該病態を発現する適切なモデル動物の存在が切望されてきた。
【0004】
これまでに開発されている数種の実験的IgA腎症モデル(Kidney International 31:1-7 (1987))は、いずれも成因論的に不自然な面を持つために、必ずしもヒトのIgA腎症の病態を正確に反映しているとは言えない。
【0005】
IgA腎症を自然発症するモデルとしては、クローズド・コロニーのマウスとして市販されるddY系マウスが唯一知られる(Kidney International 27:756-761(1985))。
【0006】
しかし、ddY系マウスにおけるIgA腎症様病態の発現率は約20%と低く、しかも腎糸球体において高度のIgA沈着が認められるようになるのは14ヶ月齢以降と遅い。さらに、クローズド・コロニーのマウスであるddY系は遺伝的に不斉一であるため、疾患原因遺伝子の解析にはまったく不向きであることはもちろんのこと、病態発現機構の解明に用いることも困難である。
上記したように、IgA腎症様病態を自然発症する唯一のモデルとして知られるddY系マウスにおいては、その発症率が低い上に、病態発現に至るまでの時間的経過が極めて長いことから、これを病態モデルとして研究に用いるときの経済的効率は極めて低い。さらに、ddY系マウスにおいてはその病態発現に関与する因子が不明であるために、薬物の作用ターゲットを明確とした創薬における薬効評価モデルとしての使用に耐えない。
【0007】
ddY系マウスにおけるIgA腎症様病態の発現率が20%に過ぎないのは、ddY系マウスがクローズド・コロニーの動物であり、遺伝的に固定していないためであると考えられ、またこのことが発症要因の遺伝的解析を困難にしている原因でもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、早期かつ高率にIgA腎症様病態を発症し、かつその発症因子が明らかな病態モデルマウスを開発することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、クローズド・コロニーの動物として市販されているddY系マウスを素材として、IgA腎症の早期発症と高率発症を目標に掲げ血清IgA値を指標とした選抜育種を実施し、早期かつ高率に当該病態を発現する動物(本発明マウス)を作り出すことに成功した。本発明に係る病態発現マウス(以下、「本発明マウス」という)は、若齢時より血中IgAの高値を示し、加齢とともに腎糸球体へのIgAの高度な沈着と、それに伴うメサンギウム細胞の増殖およびメサンギウム基質の増生による糸球体硬化症の進展を呈することから、ヒトIgA腎症の病態研究のためのモデル動物として極めて有用である。また、その発症過程において種々の成長因子の関与が認められるので、それらの因子をターゲットとした薬剤開発における薬効評価モデルとしても極めて有用である。
【0010】
本発明マウスの腎病理組織像を解析した結果、従来のddY系マウスとは異なる新しい特徴として糸球体硬化病変の高率な発現を認めた。引き続いて、高IgA血症及び腎糸球体硬化症の早期発症を指標として40世代以上の兄妹交配を繰り返すことによって、本発明マウスの持つ形質を完全に固定した系統を育成することに成功した。さらに、本発明動物における病態発現機構に関する研究を進め、後に詳しく述べるように従来のddY系マウスには知られていないか、あるいは従来のddY系マウスが備えていなかった新しい特徴を発見し、本発明マウスをヒトIgA腎症の治療法ないし治療薬の開発における新しい評価モデルとして確立することができた。
【0011】
かくして、早期発症と高発現率という両目的を満たす系統の育成とその近交化、および遺伝子解析による発症因子の解明に成功し、本発明を完成させることができた。
【0012】
本発明において、遺伝子座とは、染色体上において遺伝子又は遺伝標識として利用されるDNA断片が占位する場所をいい、遺伝子型とは、各遺伝子座を占位する、一対の、遺伝子又はDNA断片の組成(型)をいう。本発明マウスにおいては、すべての遺伝子座がホモに固定されている。
【0013】
本発明において、IgA腎症様病態とは、IgA、IgG及び補体の腎糸球体への沈着や、血中の高IgA値など、ヒトのIgA腎症において一般にみられる病態と同様の病態をいい、半月体形成などの激しい増殖性変化を伴う活動性の急性病変と、メサンギウム基質タンパク増生による慢性の糸球体硬化病変に大別される。
【0014】
本発明において、細胞外基質産生抑制物質とは、組織線維化の原因となる細胞外基質産生を抑制する物質をいい、例えば、パーフェニドン、トラニラストが挙げられる。
【0015】
本発明において、糸球体硬化症進展抑制物質とは、腎糸球体におけるメサンギウム基質タンパクの増生や、沈着によって起こる糸球体硬化症の進展を抑制する作用を持つ物質をいい、例えば、抗TGF-β抗体、デコリンが挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明マウスについて詳述する。本発明マウスは、以下の手順により取得することができる。
【0017】
本発明者らは、まずクローズド・コロニーのマウスとして日本エス・エル・シー株式会社より市販されるddY系の雌52匹と雄52匹を購入し、それらの3ヶ月齢および4ヶ月齢における血清IgA値をELISA法(Klein-Schneegans A. S. et al., J. Immunol. Methods, 1989; 119:117-125)により測定した。
【0018】
3ヶ月齢における測定値は、雌で4.8〜38.0mg/dl、雄で5.1〜53.2 mg/dlであった。4ヶ月齢における測定値は、雌で9.0〜94.7mg/dl、雄で9.8〜96.1 mg/dlであった。各月齢における測定値には、雌雄でともに大きな個体差(変異)が存在したが、3ヶ月齢と4ヶ月齢の値の間には高い相関が認められた。
【0019】
したがって、血清IgA値における個体変異は、環境因子よりは遺伝因子の作用をより強く反映したものであり、高IgA血症マウスの育成を目標とした選抜育種が可能である。
【0020】
さらに、7ヶ月齢および9ヶ月齢における血清IgA値を測定したところ、これらの値は4ヶ月齢における値と非常に高い相関を示した。また、4ヶ月齢における値に基づいて雌雄それぞれ上位10匹と下位10匹を抽出し、それらにおける血清IgA値の経時変化を追跡したところ、4ヶ月齢で高値を示す固体は低値を示す固体に比較して、その後の加齢に伴う血清IgA値の上昇が極めて著しいことが判明した。したがって、選抜の指標として4ヶ月齢における値を採用することが妥当である。
【0021】
そこで、4ヶ月齢の血清IgA値に基づいて、雌雄それぞれから高値を示す5匹を選抜し、それらを交配することによって次世代(選抜第1代)を得た。
【0022】
選抜第1代における平均血清IgA 値と選抜のもととなった集団における平均値および選抜個体の平均値を比較することによって集団遺伝学的理論(「育種学」松尾孝嶺 著 養賢堂)に基づいて遺伝率(形質発現に対して遺伝の関与する割合)を推定したところ、雌で0.45、雄で0.32であった。これらの値は、選抜育種操作によって血清IgA値を上昇させ得る可能性が十分にあることを示している。
【0023】
そこで、以後同様に、毎世代4ヶ月齢における血清IgA値を指標にした選抜(上位約10%)を繰り返した。
【0024】
選抜により血清IgAの平均値は毎世代上昇を続け、選抜第4代で選抜効果は頭打ちの状態となった。選抜第4代においても依然として個体差が存在したが、80%以上の動物が4ヶ月齢までに血清IgA 値が100mg/dl以上となり、明らかな高IgA血症を呈するようになった。
【0025】
選抜第4代以降にもなおみられる個体変異は、選抜効果の頭打ち状態から判断して非遺伝的な変異であるといえる。すなわち、集団としてみたときに、安定した遺伝形質としての高IgA血症を持つ系統マウスが育成されたことになる。さらに、これらマウスは後述するように、選抜前の集団に比較して著しく早期に高度の腎病変を発現する。したがって、ここに本発明者らは、早期かつ高率にIgA腎症様病態を発現する系統を育成するという本発明の第一段階を完成させることに成功した。
【0026】
このようにして育成されたマウスにおいては、IgA腎症様病態の発現に関与する比較的少数の遺伝子座はホモに固定されている可能性が高いが、その他の遺伝子座の多くはヘテロ性を残しており、そのため本発明マウスをこの段階において疾患原因遺伝子の究明などの高度の遺伝的解析に用いることは困難であると考えられた。そこで、続いて本発明の第二段階として、マウスを発症因子の遺伝的解析に適した動物、すなわち遺伝子組成の斉一な動物とすべく、近交系の育成に着手した。毎世代、血清IgA値と糸球体硬化病変をモニターしながら、兄妹間での交配を40世代繰り返した。このことにより、病態発現に関与する遺伝子を含めて、ゲノムを構成する全遺伝子(99.99%以上)が理論上ホモに固定したことになる。40世代の兄妹交配を経て近交系としての育成を完了した本発明マウスには、上記本発明の第一段階で獲得した早期かつ高率にIgA腎症様病態を発現するという形質は変わることなく保たれている。
【0027】
本発明における遺伝子座名は、International Committee on Standardized Genetic Nomenclature for Mice(マウス国際命名規約委員会)において正式に登録されているものである。Committee の詳細は、Mammalian Genome(Springer Verlag社出版)で参照できる。
Idh1〜Ly1までの28遺伝子座の遺伝子型については、文献(Genetic Variants and Strains of the Laboratory Mouse. Ed: M. C. Green, Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, New York, 1981)記載の方法で決定し、D1Mit43〜DXMit98までの62遺伝子座に関しては、特異的なプライマーによって増幅されるPCR産物のサイズの違いによって遺伝子型を決定した(参考文献:Dietrich, W. F. et al. (1996). A comprehensive genetic map of the mouse genome. Nature, 380: 149-152.)。
【0028】
近交系として育成された本発明マウスの遺伝子組成プロファイルは、Idh1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Pep3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Akp1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Hc遺伝子座の遺伝子型がo型であり、Car2遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Mup1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Gpd1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Pgm1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Ldr1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Gpi1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Hbb遺伝子座の遺伝子型がs型であり、Es1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Es2遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Thy1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Mod1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Trf遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Es3遺伝子座の遺伝子型がc型であり、H2K遺伝子座の遺伝子型がs型であり、H2D遺伝子座の遺伝子型がb型、d型、k型、q型、s型のいずれにも該当しない型であり、Ly2遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Ly3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Hba遺伝子座の遺伝子型がc型であり、IghC遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Np1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Es10遺伝子座の遺伝子型がb型であり、C3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Glo1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Ly1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、D1Mit43遺伝子座、D1Mit48遺伝子座、D1Mit70遺伝子座、D1Mit76遺伝子座、D1Mit132遺伝子座、D1Mit215遺伝子座、D2Mit79遺伝子座、D2Mit98遺伝子座、D2Mit113遺伝子座、D3Mit105遺伝子座、D3Mit117遺伝子座、D3Mit152遺伝子座、D4Mit89遺伝子座、D4Mit103遺伝子座、D4Mit146遺伝子座、D4Mit209遺伝子座、D5Mit20遺伝子座、D5Mit99遺伝子座、D5Mit136遺伝子座、D6Mit113遺伝子座、D6Mit170遺伝子座、D7Mit46遺伝子座、D7Mit57遺伝子座、D7Mit80遺伝子座、D7Mit131遺伝子座、D8Mit58遺伝子座、D8Mit64遺伝子座、D8Mit87遺伝子座、D9Mit35遺伝子座、D9Mit66遺伝子座、D9Mit120遺伝子座、D10Mit84遺伝子座、D10Mit102遺伝子座、D11Mit74遺伝子座、D11Mit164遺伝子座、D11Mit174遺伝子座、D11Mit184遺伝子座、D11Mit202遺伝子座、D12Mit80遺伝子座、D12Mit116遺伝子座、D12Mit126遺伝子座、D13Mit1遺伝子座、D13Mit13遺伝子座、D13Mit117遺伝子座、D14Mit48遺伝子座、D14Mit83遺伝子座、D14Mit94遺伝子座、D14Mit111遺伝子座、D15Mit42遺伝子座、D15Mit83遺伝子座、D16Mit34遺伝子座、D17Mit24遺伝子座、D17Mit113遺伝子座、D17Mit150遺伝子座、D18Mit40遺伝子座、D18Mit92遺伝子座、D19Mit6遺伝子座、D19Mit56遺伝子座、D19Mit61遺伝子座、DXMit73遺伝子座、DXMit79遺伝子座、およびDXMit98遺伝子座の遺伝子型が、BALB/c系マウスの遺伝子型と異なっている。
【0029】
次に本発明の最終段階として、本発明マウスにおける発症因子を遺伝子発現解析によって明らかにすることに着手した。以下に、本発明マウスの遺伝子発現解析について述べる。
【0030】
ラットの腎臓から均一化cDNAライブラリーを作製し、これを用いて腎特異的DNAマイクロアレイチップを作製した。このDNAチップに、本発明マウスの腎臓から採取したmRNAを反応させることによって、本発明マウス腎における遺伝子発現プロファイルを解析した。市販のBALB/c系マウス、およびddY系マウスとの比較の上で、発現量に変化のみられた遺伝子についてはさらにRT-PCR法(Molecular cloning. A Laboratory Manual. 2nd ed., Eds: J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniatis)による定量を行った。
【0031】
その結果、本発明マウスは5〜10週齢において、1)トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)遺伝子の発現量がBALB/c系マウスの1.2〜2.0倍、2)結合組織増殖因子(CTGF)遺伝子の発現量がBALB/c系マウスの1.2〜5.0倍、3)コラーゲンアルファ2(IV)鎖遺伝子の発現量がddY系マウスの1.3〜1.8倍、4)コラーゲンアルファ1(IV)鎖遺伝子の発現量がddY系マウスの1.3〜1.8倍、5)、サイクリンD1(cyclin D1)遺伝子の発現量がddY系マウスの1.5〜4.2倍、6)サイクリンG(cyclin G)遺伝子の発現量がddY系マウスの1.5〜2.2倍、7)PDGF遺伝子の発現量がddY系マウスの1.2〜1.5倍、8)肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子の発現量がddY系マウスの1.4〜1.8倍、9)edg-5遺伝子の発現量がddY系マウスの1.5〜3.6倍、などの性質を有し、早期から細胞外基質の増生に関与するTGF-βおよびCTGF、細胞外基質構成タンパクであるIV型コラーゲン、細胞増殖に関与するcyclin D1およびcyclin G、PDGFやHGFなどの成長因子、およびedg-5に明らかな高発現を認めた。
【0032】
続いて、本発明マウスで発現亢進がみられたPDGFとedg-5遺伝子高発現との関係を、ラットより分離した培養メサンギウム細胞を用いて解析した。その結果、培養メサンギウム細胞をPDGFで刺激すると、その2時間後にedg-5遺伝子発現が約2.5倍上昇することが認められた。このことから、本発明マウスの腎糸球体におけるメサンギウム細胞の増殖には血小板に由来するPDGFの直接作用に加えて、PDGF刺激によって発現が誘導されるedg-5にそのリガンドであり同じく血小板から分泌されるスフィンゴシン-1-リン酸が作用することによって生ずる細胞内シグナル伝達が関与していると考えられる。
【0033】
以下に、本発明マウスの系統維持について述べる。
【0034】
本発明マウスは、兄妹交配により維持されている。毎世代、交配に用いる動物の血清IgA値をチェックすることによって、高IgA血症マウスとしての特性が失われることのないようにしている。本発明マウスは高IgA血症を発現するが、繁殖障害を伴うことはなく、毎世代約5ペアーの交配を組むことで順調に維持することができる。
【0035】
以下に、本発明マウスの生産方法について述べる。
【0036】
本発明マウスは、近交系動物を生産するときの通常の方法によって生産することができる。すなわち、系統維持を行っているコロニーから数ペアーの動物を得、これらをもとに生産必要数に応じて1〜3世代の増殖を行うことによって生産に必要な数の種動物を準備し、これらを生産用コロニーにおいて交配する。
【0037】
以下に、本発明マウスの特性について述べる。
【0038】
(1)高IgA血症
本発明マウスは、若齢時より著しい高IgA血症を発現する。4ヶ月齢における血清IgA値の平均は雌雄ともに200mg/dlを超えた。選抜前のddY系マウス・コロニーにおいて、血清IgA値が200mg/dlを超す個体が出現するのは9ヶ月齢以降であった。選抜前のddY系マウス・コロニーにおける血清IgA値の平均(mg/dl)は、4ヶ月齢で雌が27.1±2.2、雄が43.3±3.3、9ヶ月齢で雌が76.2±6.9、雄が89.9±7.4であった。
【0039】
このように、選抜交配によって血清IgA値は早期から著しい上昇を示すようになった。また、同時に個体差も著しく縮小し、4ヶ月齢において全個体の80%以上が100mg/dl以上の高IgA血症を発現するようになった。
【0040】
(2)腎の病理組織学的異常
本発明マウスでは25週齢までに腎糸球体へのIgAの高度の沈着が起こり、その沈着の程度は従来のddY系マウスの一部に40週齢以上になって認められるものに匹敵する。10週齢の早期からメサンギウム細胞の増殖が認められ、メサンギウム基質の増生が加齢とともに進行する。メサンギウム基質の増生は、10ヶ月齢までに従来のddY系マウスの一部に14ヶ月齢以上になって認められるレベルに到達する。これらの変化は従来のddY系マウスにみられる変化と質的に異なるものではなく、その進行度において著しい促進がみられるものであるが、従来のddY系マウスにみられなかった新しい特徴として糸球体硬化病変の高率な発現を認め、40週齢までに約10%の糸球体が完全硬化の状態に陥った。一方、従来のddY系マウスではしばしばみられた半月体形成の出現頻度は逆に低くなった。このように、本発明マウスは慢性硬化進行型のIgA腎症モデルとして特徴づけられる。
【0041】
(3)腎における遺伝子発現の異常
本発明マウスの腎においては、細胞外基質タンパクの産生に関与するとされるTGF-βおよびCTGF遺伝子の発現亢進がみられ、それに伴いファイブロネクチン、IV型コラーゲンを含む各種マトリックス構成タンパク遺伝子の高発現が認められる。また、メサンギウム細胞の増殖に関与するとされるPDGF遺伝子および、細胞周期の進行に働くcyclin D1およびcyclin G遺伝子の高発現が認められた。さらに、まだその機能が十分に解明されていないedg-5遺伝子の高発現が認められ、このedg-5遺伝子の高発現はPDGFによって誘導されることが本発明において始めて明らかにされた。
【0042】
【実施例】
以下に本発明マウスの育成例を掲げて、本発明をさらに詳しく説明する。
【0043】
育成例
日本エス・エル・シー株式会社よりクローズド・コロニーとして販売されているddY系マウスの雌52匹と雄52匹を購入した(G0世代)。これらマウスの4ヶ月齢における血清IgA値の平均(mg/dl)は、雌が27.1±2.2、雄が43.3±3.3であった。雌雄それぞれから高値を示す5匹を選抜し(G0選抜個体)、これらを交配することによって次世代(選抜第1代;G1世代)を得た。G0選抜個体の平均血清IgA値は、雌が65.0±7.9、雄が90.5±2.3であった。G1世代における平均血清IgA値(4ヶ月齢)は、雌が44.2±4.0(n=52)、雄が58.4±6.0(n=55)であった。
【0044】
次にG1世代より、4ヶ月齢の血清IgA値を指標として6ペアーの雌雄を選抜し、それらを交配することによってG2世代を得た。G1選抜個体の平均血清IgA値は、雌が109.6±12.6、雄が147.8±15.6であり、G2世代の平均値(4ヶ月齢)は、雌が161.0±12.0(n=54)、雄が180.4±18.1(n=42)であった。
【0045】
以後同様に、毎世代4ヶ月齢における血清IgA値を指標として選抜交配を繰り返した。表1に、血清IgA値上昇に対する選抜交配の効果が頭打ちとなった第4代までの選抜の経緯を示した。
【0046】
【表1】
Figure 0003952715
【0047】
40世代に渡る兄妹交配を経て近交系として育成された本発明マウス受精卵は、受託番号FERM P−18150番として通商産業省生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターにおいて平成12年12月25日付にて受託されている。
【0048】
【試験例】
以下に本発明マウスを用いて実施した薬効評価試験の例を掲げて、本発明の有用性を示す。
【0049】
試験例1
25週齢の本発明マウス雌に、TGF-βシグナリング抑制作用を持つ化合物1−(1,5−ジメチル−2−フェニルインドール−3−イルカルボニル)−4−(2−ピリジル)ピペラジン(以下、「化合物1」という)、および1−(1−メチル−2−フェニルインドール−3−イルカルボニル)−4−(3−ピリジル)ホモピペラジン塩酸塩(以下、「化合物2」という)の経口投与を1日1回30mg/kgの用量で10週間連続して行った。連続投与終了時に腎臓を採取し、ブアン固定によりパラフィン包埋切片標本を作製し、抗ファイブロネクチン抗体を用いた免疫組織化学的染色を行い、糸球体領域に占めるファイブロネクチン陽性部分の割合を画像解析装置(製品名Mac SCOPE、三谷商事(株))を用いて測定した。測定は、1個体につき1切片標本を用いて、標本全体から無作為に抽出した40個の糸球体について行った。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
Figure 0003952715
【0051】
表2に示すように、TGF-βシグナリング抑制作用を持つ化合物1、および化合物2はともに、経口投与によって本発明マウスの腎糸球体におけるファイブロネクチン沈着の進展を有意に抑制することが確認された。
【0052】
試験例2
25週齢の本発明マウス雌に、TGF-βシグナリング抑制作用を持つ化合物(1−(1,5−ジメチル−2−フェニルインドール−3−イルカルボニル)−4−(2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩)(以下、「化合物3」という)の投与を30mg/kg/dayの用量で1日1回の経口投与あるいは紛餌中に混入させる形で10週間連続して行った。連続投与終了時に採取した腎臓からRNAを抽出し、RT-PCR法によりCTGF遺伝子の発現量を定量した。RT-PCR法による遺伝子発現量の測定は検体中に含まれるmRNAをcDNAに変換した後に、測定しようとするmRNAに由来するcDNAに特異的なPCR反応を行うことによって得られる増幅産物の量を測定することによって行われる。増幅産物の量は検体中に含まれるmRNA量に依存するので、発現量に個体間で差がないと考えられるhousekeeping geneの一つであるGAPDHのmRNAを内部標準として採用し、GAPDH増幅産物の量に対するCTGF増幅産物の量の比として、各個体のCTGF遺伝子発現量を算出した。その結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0003952715
【0054】
表3に示すように、TGF-βシグナリング抑制作用を持つ化合物3は、経口あるいは混餌としての投与によって、本発明マウスで亢進しているCTGF遺伝子の発現を正常レベルにまで抑制することが確認された。
【0055】
【発明の効果】
本発明マウスは、 IgA腎症様病態を自然発症する唯一のモデル動物として知られてきたddY系マウスと異なり、病態発現に至る時間的経過が極めて短く、高度の病変が高率(80%以上)にみられることから、薬効評価モデルとして本発明マウスを用いることの効率や経済的効果は極めて大きい。また、本発明マウスは、発症に関与する因子が分子レベルで明らかにされているので、本発明マウス由来の組織、および本発明マウス由来の細胞を用いて、これらの分子をターゲットとした新規化合物のスクリーニング系を構築するのに極めて有用である。

Claims (7)

  1. 受託番号FERM P−18150番として、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに受精卵が寄託され、Idh1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Pep3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Akp1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Hc遺伝子座の遺伝子型がo型であり、Car2遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Mup1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Gpd1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Pgm1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Ldr1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Gpi1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Hbb遺伝子座の遺伝子型がs型であり、Es1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Es2遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Thy1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Mod1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Trf遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Es3遺伝子座の遺伝子型がc型であり、H2K遺伝子座の遺伝子型がs型であり、H2D遺伝子座の遺伝子型がb型、d型、k型、q型、s型のいずれにも該当しない型であり、Ly2遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Ly3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Hba遺伝子座の遺伝子型がc型であり、IghC遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Np1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Es10遺伝子座の遺伝子型がb型であり、C3遺伝子座の遺伝子型がb型であり、Glo1遺伝子座の遺伝子型がa型であり、Ly1遺伝子座の遺伝子型がb型であり、D1Mit43遺伝子座、D1Mit48遺伝子座、D1Mit70遺伝子座、D1Mit76遺伝子座、D1Mit132遺伝子座、D1Mit215遺伝子座、D2Mit79遺伝子座、D2Mit98遺伝子座、D2Mit113遺伝子座、D3Mit105遺伝子座、D3Mit117遺伝子座、D3Mit152遺伝子座、D4Mit89遺伝子座、D4Mit103遺伝子座、D4Mit146遺伝子座、D4Mit209遺伝子座、D5Mit20遺伝子座、D5Mit99遺伝子座、D5Mit136遺伝子座、D6Mit113遺伝子座、D6Mit170遺伝子座、D7Mit46遺伝子座、D7Mit57遺伝子座、D7Mit80遺伝子座、D7Mit131遺伝子座、D8Mit58遺伝子座、D8Mit64遺伝子座、D8Mit87遺伝子座、D9Mit35遺伝子座、D9Mit66遺伝子座、D9Mit120遺伝子座、D10Mit84遺伝子座、D10Mit102遺伝子座、D11Mit74遺伝子座、D11Mit164遺伝子座、D11Mit174遺伝子座、D11Mit184遺伝子座、D11Mit202遺伝子座、D12Mit80遺伝子座、D12Mit116遺伝子座、D12Mit126遺伝子座、D13Mit1遺伝子座、D13Mit13遺伝子座、D13Mit117遺伝子座、D14Mit48遺伝子座、D14Mit83遺伝子座、D14Mit94遺伝子座、D14Mit111遺伝子座、D15Mit42遺伝子座、D15Mit83遺伝子座、D16Mit34遺伝子座、D17Mit24遺伝子座、D17Mit113遺伝子座、D17Mit150遺伝子座、D18Mit40遺伝子座、D18Mit92遺伝子座、D19Mit6遺伝子座、D19Mit56遺伝子座、D19Mit61遺伝子座、DXMit73遺伝子座、DXMit79遺伝子座、およびDXMit98遺伝子座の遺伝子型が、BALB/c系マウスと異なる遺伝子型であることに特徴づけられる、病態発現マウス。
  2. 5〜10週令で、次の1)、2)の特徴のうち、いずれか又は両方を有する請求項1記載の病態発現マウス。
    1)PDGF遺伝子の発現量がddY系マウスの1.2〜1.5倍である。
    2)edg−5遺伝子の発現量がddY系マウスの1.5〜3.6倍である。
  3. 発現する病態が、ヒトのイムノグロブリンA(IgA)腎症様病態である請求項1又は2のいずれか記載の病態発現マウス。
  4. IgA腎症様病態が、腎糸球体硬化症である請求項3記載の病態発現マウス。
  5. 4ヶ月齢で腎糸球体硬化症を発現する請求項4記載の病態発現マウス。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の病態発現マウスを個体として利用することを特徴とする、糸球体硬化症進展抑制物質又は細胞外基質産生抑制物質のスクリーニング法。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載の病態発現マウスに由来する組織又は細胞を利用することを特徴とする、糸球体硬化症進展抑制物質又は細胞外基質産生抑制物質のスクリーニング法。
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