JP3952689B2 - スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、埋込型の配線器具として使用されるスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスイッチとして、スイッチ操作する手指を検知するために、手指の接近による静電容量を利用したものとがある。
【0003】
このスイッチSは、対をなした電極板よりなるコンデンサを有し、人の手指が接近又は接触したときに、そのコンデンサの静電容量が変化することに基づいて、操作者が手指でスイッチSを操作しようとしていることを検知し、開閉制御するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のスイッチにあっては、強く押圧操作することなく、ON/OFF動作することができる。
【0005】
しかしながら、このスイッチSを、図18に示すように、複数個隣接配置する、いわゆる連設スイッチとして使用した場合、開閉制御しようとしている一方のスイッチSに手指を近づけると、必然的に、開閉制御しようとしていない他方のスイッチSにも手指を近づけることになるので、一方のスイッチSのみならず、その一方のスイッチSに隣接配置された他方のスイッチSをも、開閉制御させて、誤動作させてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、上記の点に着目してなされたもので、その目的とするところは、誤動作し難いスイッチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1記載のスイッチは、赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記操作部は、金属膜及びその金属膜の裏側に配置される赤外線透過シートよりなる構成にしている。
【0008】
請求項2記載のスイッチは、請求項2記載のスイッチにおいて、前記赤外線透過シートは、前記赤外線検出素子に赤外線を集光させるレンズを兼ねた構成にしている。
【0009】
請求項3記載のスイッチは、請求項1記載のスイッチにおいて、前記赤外線検出素子を前記操作部に対して斜めに取り付けた構成にしている。
【0010】
請求項4記載のスイッチは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスイッチにおいて、環境温度に応じて前記閾値を調整することにより、温度補償する構成にしている。
【0011】
請求項5記載のスイッチは、請求項4記載のスイッチにおいて、前記閾値を複数個有し、それらの複数個の前記閾値を環境温度に応じて切替える構成にしている。
【0012】
請求項6記載のスイッチは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスイッチにおいて、前記閾値を複数個有し、それらの複数個の前記閾値を切替操作可能とした構成にしている。
【0013】
請求項7記載のスイッチは、赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記赤外線検出素子は、正負が異なる電極を有したものであって、正負の電極のいずれか一方を赤外線から遮蔽した構成にしている。
【0014】
請求項8記載のスイッチは、赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記操作部を前記赤外線検出素子に重合させる場合と重合させない場合とに切替可能に支持した構成にしている。
【0015】
請求項9記載のスイッチは、請求項8記載のスイッチにおいて、前記操作部を前記赤外線検出素子と重合させた場合に前記閾値を上げるよう切替可能とするとともに、前記操作部が前記赤外線検出素子と重合させない場合に前記閾値を下げるよう切替可能とした構成にしている。
【0016】
請求項10記載のスイッチは、請求項9記載のスイッチにおいて、前記操作部と前記赤外線検出素子との重合状態を自己検知して前記閾値を切り替える構成にしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を図1乃至図7に基づいて以下に説明する。このスイッチは、図2に示すように、プレートX1、プレート枠X2、中枠X3及び取付枠X4に取り付けられた状態で、例えば、住宅内の廊下等の壁面に設置されて使用されるものである。
【0019】
1は操作部で、手指Mに直接接触される箇所であり、金属薄膜シート1a及びその金属薄膜シート1aの裏側に配置され得る赤外線透過シート1bよりなる。この金属薄膜シート1aは、アルミニウム製であって、手指Mの温度が伝わり易いものとなっている。なお、金属薄膜シート1aの代わりに、金属メッキ膜や金属蒸着膜でもよい。赤外線透過シート1bは、ポリエチレン製であり、手指Mから金属薄膜シートに1a伝わった熱に基づいて金属薄膜シート1aから放射する赤外線を、後述する焦電素子2bに中継するよう透過させる。なお、赤外線が透過する材質であれば、ポリエチレンに限るものではない。
【0020】
2は熱線検出部で、操作部1の金属薄膜シート1aが放射する赤外線を検出するものであって、レンズ2a、焦電素子2b、増幅回路2c、フィルタ回路2d、比較回路2e、出力回路2fを備えている。
【0021】
レンズ2aは、ポリエチレン製であり、赤外線透過シート1bを透過してきた赤外線を集光するものであって、焦電素子2bを外囲するようにして設けられている。このレンズ2aは、手指Mに接触される操作部1の大きさに合わせて、集光特性が決定される。
【0022】
焦電素子2bは、このスイッチ内に配設された基板3の表側の一方面に設けられ、操作部1との間の距離が、レンズ2aの集光特性等により最適なものとなるようにしている。この焦電素子2bは、操作部1から放射された赤外線を、レンズ2aを介して検出して、検出信号を出力する。この焦電素子2bは、図6及び図7に示すように、正負の異なる電極eを交互に配置しており、そのうちの負電極eが遮蔽されるように、シート状の遮蔽マスクmが表面に設けられている。なお、遮蔽マスクmは、シート状に限るものではなく、キャップ状でもよい。
【0023】
増幅回路2cは、基板3の両面に設けられた回路ブロック3aの一部として構成され、焦電素子2bの出力した検出信号(電圧信号)を増幅する。フィルタ回路2dは、増幅回路2cと同様に、基板3の両面に設けられた回路ブロック3aの一部として構成され、増幅回路2cにより増幅された検出信号のうち所定周波数帯域の検出信号を出力する。比較回路2eは、フィルタ回路2dから出力された検出信号と予め設定された閾値である基準電圧とを比較して、検出信号が閾値よりも大きい場合に、比較信号を出力する。出力回路2fは、比較回路2eから出力された比較信号が入力されて、手指Mの検知結果を出力する。
【0024】
4は検知判断回路で、出力回路2fから出力された検知結果に基づいて、人体の手指Mが操作部1に接触したことを判断し、後述する負荷制御回路5に負荷機器Lを開閉制御させる出力信号を出力する。
【0025】
5は負荷制御回路(負荷制御部)で、検知判断回路4からの出力信号により、電灯等の負荷機器Lを開閉制御する。なお、この負荷制御回路5は、前述した比較回路2e及び出力回路2fと一体化した構成としてもよい。
【0026】
6は電源部で、商用電源Eに接続され、この商用電源EからAC100Vが入力可能となっており、このスイッチ内の各部、すなわち、熱線検出部2、検知判断回路4、負荷制御回路5へ給電する。この電源部6は、操作部1、熱線検出部2、検知判断回路4及び負荷制御回路5等と一体化され、スイッチ本体7を構成している。このスイッチ本体7は、前述した取付枠X4等に取り付けられて、住宅内の廊下等の壁面に設置される。
【0027】
なお、この電源部6、負荷制御回路5及び検知判断回路4を一体化して電源ブロックを構成するととともに、操作部1及び熱線検出部2を操作ブロックとして、両ブロックを離れて取り付け、電源線、GND線及び熱線検出部信号出力線により接続してもよい。このとき、電源線、GND線及び熱線検出部信号出力線は、必要に応じて互いの線の間がシールドされるようにする。
【0028】
また、電源ブロックに複数の操作ブロックを接続し、各操作ブロックを部屋毎等、いろいろな場所に取り付けることにより、いろいろな場所で、負荷機器Lの開閉制御を行うことができ、利便性に優れたものとなる。
【0029】
次に、このものの動作を説明する。操作部1の金属薄膜シート1aは、人体の手指Mにより接触されると、それまで周囲の環境温度と同一であったの金属薄膜シート1aの温度が上昇し、この温度上昇に相当する赤外線が、赤外線透過シート1b及びレンズ2aを経て、焦電素子2bに入射され、焦電素子2bから検出信号が出力される。この検出信号は、増幅回路2cにより増幅された後に、フィルタ回路2dにより、所定周波数帯域の検出信号のみが取り出されて、図8(a)に示すように、フィルタ回路2dから出力される。
【0030】
すると、検知判断回路4は、出力回路2fからの検知結果の出力により、手指Mが操作部1に接触していると判断し、負荷機器Lを開閉制御させる出力信号を負荷制御回路5に出力する。負荷制御回路5は、検知判断回路4からの出力信号によって、電灯等の負荷機器Lを開閉制御する。
【0031】
かかるスイッチにあっては、操作部1を操作しようとした手指Mによる赤外線を操作部1が中継し、その中継された赤外線を焦電素子2bが検出して出力した検出信号と予め設定された閾値とを、比較回路2eが比較して、検出信号が閾値よりも大きい場合に出力した比較信号に基づいて負荷機器Lが開閉制御されるのであるから、複数個が隣接配置された場合でも、操作部1に接触したもののみが開閉制御されるようになるので、誤動作し難くなる。
【0032】
また、操作部1は、金属薄膜シート1a及びその金属薄膜シート1aの裏側に配置される赤外線透過シート1bよりなるのであるから、薄型としたままで、補強することができる。
【0033】
また、焦電素子2bの有する正負の電極eのいずれか一方を赤外線から遮蔽しているから、正負の電極e間で信号出力の相殺が起きた場合である図8(b)とは異なって、図8(a)に示すように、大きな信号出力を得ることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、レンズ2aを使用して赤外線を集光しているが、レンズ2aを使用しなくてもよい。ただし、この場合は、レンズ2aを使用する場合に比較して、操作部1全面から赤外線が入射されるよう操作部1と焦電素子2bとの間を長くする必要があるため、図9に示すように、焦電素子2bを操作部1に対して斜めに取り付けるようにする。これにより、図10に示すように、スイッチそのものを大型化して、操作部1と焦電素子2bとの間を長くしなくてもよくなる。
【0035】
また、本実施形態では、レンズ2aを操作部1とは別に設けているが、図11に示すように、赤外線透過シート1bをフレネルレンズ状とすることにより、赤外線透過シート1bにレンズを兼ねさせることにより、レンズを省略することができる。
【0036】
また、本実施形態では、操作部1は、金属薄膜シート1a及びその金属薄膜シート1aの裏側に配置される赤外線透過シート1bよりなるが、例えば、ブリキ製の薄膜よりなるものでもよい。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態のスイッチを図12乃至図14に基づいて以下に説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、第1実施形態と異なるところのみ記す。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるが、温度補償手段8を設けて、環境温度に応じて、閾値を切替可能としている。
【0038】
温度補償手段8は、操作部2の周囲の環境温度を測定して環境温度に応じた出力信号を出力するする温度センサ8a、手指Mに接触されていない定常時における定常時温度を温度センサ8aの出力した出力信号に基づいて判断する温度判断処理部8b、温度判断処理部8bにより判断された定常時温度と予め設定された所定温度Tとを比較して閾値を切り替える閾値切替部8cを備えている。
【0039】
次に、図14(a)乃至(c)に基づいて、閾値切替部8cによる動作を説明する。定常時温度と所定温度とを比較して、同図(a)に示すように、定常時温度が所定温度Tよりも低いときに、同図(b)に示すように、高閾値Vth1として第1の基準電圧を採用し、同図(c)に示すように、検知感度を低くする。この検知感度が低い状態から、図13(a)に示すように、定常時温度が所定温度Tよりも高くなって人体温度に近くなったとき、同図(b)に示すように、低閾値Vth2として第2の基準電圧を採用し、同図(c)に示すように、検知感度を低くする。
【0040】
かかるスイッチにあっては、第1実施形態の効果に加えて、環境温度に応じて閾値を調整することにより、温度補償するようにしているから、例えば、季節や暖房の有無等により、検知誤差が発生し難くなる。
【0041】
また、2個の閾値を環境温度に応じて切替えるようにしているから、検知誤差が発生し難くなるという効果を確実に奏することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、2つの閾値のいずれかを採用して閾値を切り替えるようにしているが、閾値の候補を3つ以上とし、その3つ以上の閾値のいずれかを採用して閾値を切り替えるようにしてもよく、そのときは、検知誤差が発生し難くなるという効果をさらに奏することができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態のスイッチを図15乃至図17に基づいて以下に説明する。なお、第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、第2実施形態と異なるところのみ記す。第2実施形態では、温度補償手段8を設けて、環境温度に応じて、閾値を切替可能としているのに対し、本実施形態では、手動により閾値を切替可能とした構成としている。
【0044】
また、このものの操作部1は、焦電素子2bと重合している状態とスイッチ本体7の内部に収納されて重合しなくなる状態とが切り替わるよう、スイッチ本体7内でスライド自在に支持されており、金属薄膜シート1aがポリエチレン製の赤外線透過シート1bに金属蒸着膜として形成されている。
【0045】
レンズ2aは、フレネルレンズであって、前方補助ガイド9及び後方補助ガイド10とともに、操作部1のスライドのガイドとして機能する。なお、このレンズ2aは、後方補助ガイド10と連設されてもよい。また、このレンズ2aは、操作部1がスライドされて、焦電素子2bと重合しない状態となるときに、化粧カバーとなる。
【0046】
11は手動操作片で、操作部1に連設され、操作部1をスライドさせるよう手動操作される。12は閾値切替スイッチで、操作部1がスライドされてスイッチ本体7内に収納されたときに、その操作部1により押圧されて、閾値を切り替える。
【0047】
次に、図17(a)乃至(c)に基づいて、操作部1のスライドにともなう閾値の切替について説明する。操作部1をスライドさせずに、焦電素子2bと重合させた状態では、操作部1により閾値切替スイッチ12が押圧されていないので、同図(a)に示すように、閾値切替スイッチ12がOFFとなっており、操作部1と焦電素子2bとが重合していることを自己検知して、同図(b)に示すように、高閾値Vth1が採用され、同図(c)に示すように、検知感度がより低くなっている。その後、操作部1をスライドさせて、操作部1をスイッチ本体7内に収納した状態では、操作部1により閾値切替スイッチ12が押圧されて、同図(a)に示すように、閾値切替スイッチ12がONとされ、操作部1と焦電素子2bとが重合していないことを自己検知して、同図(b)に示すように、低閾値Vth2が採用され、同図(c)に示すように、検知感度がより高くなる。
【0048】
かかるスイッチにあっては、第1実施形態の効果に加えて、操作部1を焦電素子2bに重合させる場合に、焦電素子2bが操作部1に中継された赤外線を間接的に検出することになるから、焦電素子2bが赤外線の検出感度が低くなって人体の検知感度が低くなり、操作部1を焦電素子2bに重合させる場合に、焦電素子2bが赤外線を直接検出するから、赤外線の検出感度が高くなって人体の検知感度が高くなる。よって、人体の検知感度が低い場合に、手指による操作用とすることができるとともに、人体の検知感度が高い場合に、人体検知用とすることができる。
【0049】
また、操作部1を焦電素子2bと重合させて人体の検知感度が低くなっている場合に、それに合わせて閾値を上げるよう切替可能とするとともに、操作部1を焦電素子2bと重合させずに人体の検知感度が高くなっている場合に、それに合わせて閾値を下げるよう切替可能としているから、手指による操作用とした場合及び人体検知用とした場合のいずれでも、それぞれの用途に適したものとすることができる。
【0050】
また、操作部1と焦電素子2bとの重合状態を自己検知して閾値を切り替えるようにしているから、閾値を切り替える操作を別にしなくてもよくなる。
【0051】
また、金属薄膜シート1aをポリエチレン製の赤外線透過シート1bに金属蒸着膜として形成しているために、赤外線透過シート1bとレンズ2a及び後方補助ガイド10との滑りが良くなり、操作部1をスライドし易いものとなっている。
【0052】
なお、本実施形態では、操作部1のスライドにより、検知感度の調整と閾値の切替とを連動させているが、検知感度の調整と閾値の切替と別々にしてもよく、そのときは、操作部1のスライド状態に合わせて、検知感度の調整と閾値の切替とを3段階以上で行うことができる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載のスイッチは、操作部を操作しようとした手指による赤外線を操作部が中継し、その中継された赤外線を赤外線検出素子が検出して出力した検出信号と予め設定された閾値とを、比較器が比較して、検出信号が閾値よりも大きい場合に出力した比較信号に基づいて負荷が開閉制御されるのであるから、複数個が隣接配置された場合でも、操作部に接触したもののみが開閉制御されるようになるので、誤動作し難くなる。
【0054】
請求項2記載のスイッチは、請求項1記載のスイッチの効果に加えて、操作部は、金属膜及びその金属膜の裏側に配置される赤外線透過シートよりなるのであるから、薄型としたままで、補強することができる。
【0055】
請求項3記載のスイッチは、請求項2記載のスイッチの効果に加えて、赤外線透過シートは、赤外線検出素子に赤外線を集光させるレンズを兼ねているから、赤外線を集光させるレンズを別に設けなくてもよくなる。
【0056】
請求項4記載のスイッチは、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のスイッチの効果に加えて、操作部に対して斜めに取り付けられた操作部は、赤外線検出素子との間の距離を長くすることができるので、赤外線検出素子に赤外線を集光させるレンズを設けない場合でも、赤外線検出素子と操作部との間の距離を長くするよう、大型化しなくてもよくなる。
【0057】
請求項5記載のスイッチは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスイッチの効果に加えて、赤外線検出素子の有する正負の電極のいずれか一方を赤外線から遮蔽しているから、正負の電極間で信号出力の相殺が起きず、大きな信号出力を得ることができる。
【0058】
請求項6記載のスイッチは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスイッチの効果に加えて、環境温度に応じて前記閾値を調整することにより、温度補償するようにしているから、例えば、季節や暖房の有無等により、検知誤差が発生し難くなる。
【0059】
請求項7記載のスイッチは、複数個の閾値を環境温度に応じて切替えるようにしているから、検知誤差が発生し難くなるという請求項6記載のスイッチの効果を確実に奏することができる。
【0060】
請求項8記載のスイッチは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスイッチの効果に加えて、複数個の閾値を切替操作可能としているから、閾値を上げることにより感度を低くして、手指による操作用とすることもできるし、閾値を下げることにより感度を上げて、人体検知用とすることもできる。
【0061】
請求項9記載のスイッチは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスイッチの効果に加えて、操作部を赤外線検出素子に重合させる場合に、赤外線検出素子が操作部に中継された赤外線を間接的に検出することになるから、赤外線検出素子が赤外線の検出感度が低くなって人体の検知感度が低くなり、操作部を赤外線検出素子に重合させる場合に、赤外線検出素子が赤外線を直接検出するから、赤外線の検出感度が高くなって人体の検知感度が高くなる。よって、人体の検知感度が低い場合に、手指による操作用とすることができるとともに、人体の検知感度が高い場合に、人体検知用とすることができる。
【0062】
請求項10記載のスイッチは、操作部を赤外線検出素子と重合させて人体の検知感度が低くなっている場合に、それに合わせて閾値を上げるよう切替可能とするとともに、操作部を赤外線検出素子と重合させずに人体の検知感度が高くなっている場合に、それに合わせて閾値を下げるよう切替可能としているから、手指による操作用とした場合及び人体検知用とした場合のいずれでも、それぞれの用途に適したものとすることができる。
【0063】
請求項11記載のスイッチは、操作部と赤外線検出素子との重合状態を自己検知して閾値を切り替えるようにしているから、閾値を切り替える操作を別にしなくてもよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図である。
【図2】同上のものの取付状態を示す分解斜視図である。
【図3】同上の熱線検出部のブロック図である。
【図4】同上のものの側面断面図である。
【図5】同上のものの操作部を外した状態の正面図である。
【図6】同上の焦電素子の電極に遮蔽マスクを設けた状態を示す正面図である。
【図7】同上の焦電素子の電極に遮蔽マスクを設けた状態を示す斜視図である。
【図8】同上の焦電素子の電極に遮蔽マスクを設けたときと設けないときとでの検出信号の出力値の差異を示す検出信号出力図である。
【図9】レンズを設けないときに焦電素子を操作部に対して斜めに取り付けた状態を示す側面断面図である。
【図10】レンズを設けないときに焦電素子を操作部に対して直交して取り付けた状態を示す側面断面図である。
【図11】フレネルレンズ形状の赤外線透過シートの断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態のブロック図である。
【図13】同上の温度補償部のブロック図である。
【図14】同上の温度補償部による閾値の切替を示す検出信号出力図である。
【図15】本発明の第3実施形態の検知感度の切替操作を示す側面断面図である。
【図16】同上のブロック図である。
【図17】同上の感度切替部による閾値の切替を示す検出信号出力図である。
【図18】2連スイッチの正面図である。
【符号の説明】
1 操作部
1a 金属膜(金属薄膜シート)
1b 赤外線透過シート
2 焦点素子(赤外線検出素子)
2e 比較回路(比較器)
5 負荷制御回路(負荷制御部)
e 電極
L 負荷機器

Claims (10)

  1. 赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記操作部は、金属膜及びその金属膜の裏側に配置される赤外線透過シートよりなることを特徴とするスイッチ。
  2. 前記赤外線透過シートは、前記赤外線検出素子に赤外線を集光させるレンズを兼ねた請求項1記載のスイッチ。
  3. 前記赤外線検出素子を前記操作部に対して斜めに取り付けた請求項1記載のスイッチ。
  4. 環境温度に応じて前記閾値を調整することにより、温度補償するようにした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスイッチ。
  5. 前記閾値を複数個有し、それらの複数個の前記閾値を環境温度に応じて切替えるようにした請求項4記載のスイッチ。
  6. 前記閾値を複数個有し、それらの複数個の前記閾値を切替操作可能とした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスイッチ。
  7. 赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記赤外線検出素子は、正負が異なる電極を有したものであって、正負の電極のいずれか一方を赤外線から遮蔽したことを特徴とするスイッチ。
  8. 赤外線を中継するよう配置された操作部と、操作部により中継された赤外線を検出して検出信号を出力するよう取り付けられた赤外線検出素子と、赤外線検出素子からの検出信号と予め設定された閾値とを比較して検出信号が閾値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、比較器からの比較信号に基づいて負荷を開閉制御する負荷制御部と、を備え、前記操作部を前記赤外線検出素子に重合させる場合と重合させない場合とに切替可能に支持したことを特徴とするスイッチ。
  9. 前記操作部を前記赤外線検出素子と重合させた場合に前記閾値を上げるよう切替可能とするとともに、前記操作部が前記赤外線検出素子と重合させない場合に前記閾値を下げるよう切替可能とした請求項8記載のスイッチ。
  10. 前記操作部と前記赤外線検出素子との重合状態を自己検知して前記閾値を切り替えるようにした請求項9記載のスイッチ。
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