JP3952370B2 - 伸縮式の突っ張り型支柱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内の天井と床面との間に突っ張り固定されて、例えば手摺などを支持したりするのに好適な伸縮式の突っ張り型支柱に関する。
【0002】
【従来の技術】
階段に沿う壁などに手摺を取り付ける際に、壁の強度が不十分な場合がある。このような場合に、例えば実開昭49−119225号公報では、天井と床面との間に、径大パイプに径小パイプを入れ子式にスライド嵌合した伸縮式の支柱を突っ張り状態で固定し、この支柱にステーを介して手摺を支持している。
【0003】
実開昭49−119225号公報では、径小パイプに遊嵌するリングのナットを締め込んでリングの金具を径小パイプに圧接させることで、リングを径小パイプに固定したのちハンドルでリングを介して内管を上昇させることにより、伸縮式支柱を天井と床面との間に突っ張り固定する形態を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実開昭49−119225号公報では、伸縮式の支柱を突っ張り固定するために、ナットの締め込みとハンドルの操作とを行なわなければならず、作業性が悪いところに問題がある。
【0005】
また、過度の突っ張り力で天井や床面を破損しないように、ハンドルは、径大パイプに設けた軸受部材に対してばねを介して連結されるため、ばね力が抵抗になってハンドルが操作しにくい。
【0006】
本発明の目的は、天井と床面との間に容易確実に突っ張り固定できて、設置の作業性が良い伸縮式の突っ張り型支柱を得ることにある。本発明の目的は、支柱を取り付ける際に、天井や床面に過大な力が加わらないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る伸縮式の突っ張り型支柱は、図2に示すごとく、下側に立てられる径大パイプ1と、径大パイプ1の内部に上下スライド自在に嵌合する上側の径小パイプ2と、径大パイプ1の下端に設けられて床面3に載置される床置き部材5と、径小パイプ2の上端に設けられて天井6に受け止められる天井受け部材7とを備えており、径大パイプ1と径小パイプ2との間には、径大パイプ1の上方に径小パイプ2を引き出した状態において径大パイプ1に対して径小パイプ2を上下動不能にロック保持するロック具4を有する。
【0008】
かかる伸縮式の突っ張り型支柱において、本発明のロック具4は、図1に示すごとく、径大パイプ1の上端に固定されて径小パイプ2がスライド嵌合する円筒状の固定リング42と、径小パイプ2の外周に遊嵌する円筒状の締結リング43と、締結リング43を拡縮操作するためのハンドル44およびリンク45とを含む。このうち固定リング42には、リンク連結片47が設けられている。締結リング43には、これを拡縮変形可能とするための縦方向の割り51を入れてあって、この割り51に臨む締結リング43の開離端の外側に、一対のハンドル連結片52・52が所定の間隔を置いて対向状に設けられている。
【0009】
ハンドル44は、基端側が一対のアーム53・53を介して前記ハンドル連結片52・52にこれの外側面に接合するよう枢軸55を介して連結され、略水平姿勢と下向きに倒した略垂直姿勢とにわたって枢軸55まわりに揺動操作可能である。リンク45は、一端がハンドル44の基端寄り部位に連結され、他端が固定リング42のリンク連結片47に連結されている。アーム53とハンドル連結片52との接合面には、図8に示すごとく、締結リング43の締結リング43の径を拡縮変形させるためのカム機構が設けられている。
【0010】
そのカム機構は、ハンドル44を略水平姿勢にしたとき締結リング43が拡径状態にあり、ハンドル44を略水平姿勢から略垂直姿勢に向かって下方に揺動操作すると、両ハンドル連結片52・52どうしを接近させて締結リング43が縮径状態になって、締結リング43で径小パイプ2を上下動不能に締結するようにしたことを特徴とする。
【0011】
具体的には、天井6に天井受け部材7が押し付けられた際の反発力を受け止めるばね手段が設けられている。実施例の圧縮コイルばね8が、ここでのばね手段に相当する。
【0012】
固定リング42のリンク連結片47には、縦長のガイド溝59が設けられており、リンク45の一端が、ハンドル44に固定軸56を介して連結されており、リンク45の他端が、前記ガイド溝59に沿って上下動する可動軸57に連結されている。そして、ハンドル44を略水平姿勢から略垂直姿勢に下方へ揺動操作する途中で、ガイド溝59内を下降する可動軸57が受け止められ、ハンドル44を更に略垂直姿勢に向けて揺動操作すると、締結リング43が径小パイプ2を保持固定した状態で押し上げられるようにしてある。ガイド溝59内において可動軸57は、多くの場合、ガイド溝59の下端で受け止められるが、別の部材で受け止めてもよい。
【0013】
固定リング42には、図7に示すごとく、ハンドル44が略垂直姿勢にあるとき、可動軸57を突き上げ操作できる調節ボルト72を備えている。
【0014】
【作用】
使用に際しては、図2に示すごとく、径大パイプ1を床置き部材3を介して床面3に置き、ハンドル44を略水平姿勢にすると、径小パイプ2は径大パイプ1、固定リング42および締結リング43内にあって上下スライド自在である。従って、まず径小パイプ2を径大パイプ1からこれの上方に引き出し、天井6に天井受け部材7を突き当てる。
【0015】
次に、ハンドル44を図6の略水平姿勢から下方に揺動操作すると、締結リング43のハンドル連結片52に対してアーム53がハンドル44とともに回動するのに伴い、カム機構が働いて両ハンドル連結片52・52が互いに接近して締結リング43が縮径されて行く。これで締結リング43が径小パイプ2を上下動不能に締結固定する。
【0016】
更にハンドル44をこれが図7の略垂直姿勢になるまで揺動操作して行くと、可動軸57がガイド溝57内を下降してガイド溝57の下端で受け止められたのち、締結リング43が径小パイプ2を締結固定した状態のまま上方へ持ち上げられる。これで天井受け部材7が、圧縮コイルばね8の弾発力に抗して天井6に押し付けられ、支柱の全体が床面3と天井6との間に確りと突っ張り固定される。
【0017】
【発明の効果】
本発明のロック具4によれば、床面3に床置き部材5を介して径大パイプ1を立て、ハンドル44を略水平姿勢にシフトすると、径小パイプ2は締結リング43、固定リング42、次いで径大パイプ1の各内部を上下スライドできる。後は径小パイプ2を引き上げて天井受け部材7を天井6に当て、ハンドル44を先の略水平姿勢から下方に揺動操作して略垂直姿勢にすると、締結リング43のハンドル連結片52・52がカム機構で互いに接近して、締結リング43が縮径して径小パイプ2を締め付け固定する。この締結リング43による径小パイプ2の締め付けは、リンク45を用いた梃子の原理でハンドル44を揺動操作するだけで手軽に行える。
【0018】
天井6に天井受け部材7が押し付けられた際の反発力を受け止めるばね手段を備えていると、天井6や床面3に過度の突っ張り力が作用するのを防止できる。
【0019】
そのうえで、固定リング42のリンク連結片47に縦長のガイド溝59が設けられていて、リンク45の一端がハンドル44に固定軸56を介して連結され、リンク45の他端が前記ガイド溝59に沿って上下動する可動軸57に連結されており、ハンドル44を略水平姿勢から下方に揺動操作する途中でガイド溝59内を下降する可動軸57が受け止められるようにしてあると、ハンドル44を更に略垂直姿勢にまで揺動操作するに伴い、径小パイプ2が図7に示すごとく締結リング43でスライド不能にロック保持された状態下で締結リング43ごと押し上げられる。従って、床面3と天井6との間に支柱を雑作無く確実に突っ張り固定できる。その際、前記ばね手段が利いて過剰な突っ張り力を吸収し、床面3や天井6が疵付くのをよく保護する。
【0020】
固定リング42に、可動軸57を突き上げ操作する調節ボルト72を備えていると、図7に示すごとく支柱を突っ張った状態で調節ボルト72をねじ込むことにより、径大パイプ1上に径小パイプ2をロック具4ごと押し上げて支柱の突っ張り力を微調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図面は本発明に係る屋内用の伸縮式の突っ張り型支柱を示しており、図2に示すごとく、下側に立てられる径大パイプ1と、径大パイプ1の内部に上下スライド自在に嵌合する上側の径小パイプ2と、径大パイプ1の下端に設けられて床面3に載置される床置き部材5と、径小パイプ2の上端に設けられて天井6に受け止められる天井受け部材7とを備えている。径大パイプ1と径小パイプ2との間には、径大パイプ1の上方に径小パイプ2を引き出した状態において径大パイプ1に対して径小パイプ2を上下動不能にロック保持するロック具4を有する。
【0022】
床面3上に径大パイプ1を床置き部材5を介して置き、径小パイプ2を径大パイプ1の上方に引き出して天井受け部材7を天井6に当て、この状態でロック具4を操作すると、径小パイプ2が所定量だけ垂直姿勢を維持して押し上げられてロック保持される。これにより、支柱が天井6と床面3との間で突っ張り固定される。
【0023】
天井受け部材7は、図3に示すごとく径小パイプ2に対して上下動自在に支持されて圧縮コイルばね8で押し上げ付勢されている。これにより天井受け部材7がロック具4で天井6に向けて押し上げられた際の反発力を圧縮コイルばね8で弾性力で受け止める。図3は該ばね8が最大限にまで圧縮された状態を示す。
【0024】
すなわち、径小パイプ2の上端には、図3に示すごとく、圧縮コイルばね8が納まるばね受け筒9を内嵌して固定する。ばね受け筒9は、下端近くに底壁10を有し、外周の下向き段面11が径小パイプ2に上端開口周縁で受け止められ、下向き段面11より下方部分が径小パイプ2の内部に嵌入する。径小パイプ2の外部からばね受け筒9の下端にビス12をねじ込むことにより、径小パイプ2に対してばね受け筒9が上方への抜け止めと回り止めとを図って固定されている。
【0025】
径小パイプ2の上端には、天井受け部材7を下方から受ける受け部材13が上下動自在に、しかし上方へは抜け止め状に装着される。受け部材13は、上面に凹み15を有するベース部16と、ベース部16の下方に一体に垂設した円筒17とを有するプラスチック成形であり、この円筒17が径小パイプ2の上端部および径小パイプ2より突出するばね受け筒9の上端部に上下スライド自在に外嵌する。
【0026】
受け部材13には、ばね軸19を組み付ける。ばね軸19の上端にばね受け座20を溶接し、ばね受け座20上に2本のスタッドボルト21を植設する。ばね軸19は下端側からばね受け筒9の内部に挿嵌する。その際、ばね軸19の下端をばね受け筒9の底壁10に設けた通孔22に通し、該通孔22の下方においてばね軸19の下端に止め部材23を取り付ける。これにてばね軸19は、ばね受け筒9に対し上下動自在に組み込み、止め部材23で上方への抜け止めを図る。
【0027】
受け部材13のベース部16には、上下方向に貫通するボルト挿通孔25を設けてあり、これにスタッドボルト21を通して該ボルト21の上端を前記凹み15に突出させ、該ボルト21の突出上端部にナット26を上面側から螺合することにより、受け部材13にばね軸19を固定する。予め、ばね軸19の外周には圧縮コイルばね8を巻装してあり、該ばね8は上端が前記ばね受け座20の下面で、下端が前記底壁10の内側上面でそれぞれ初期ばね圧を付与して受け止められている。
【0028】
次いで、受け部材13上に天井受け部材7を載置する。天井受け部材7は、プラスチック製のベース7aを有する。受け部材13にベース7aをビス27で止め付ける。これにて径小パイプ2に対する天井受け部材7の取り付けが完了する。最後に、ベース7aの上面に合成ゴムやスポンジなどからなる滑り止め用のクッション材29を貼り付ける。
【0029】
床置き部材5は、図4および図5に示すごとく、上面中央に円筒部30aを有する円盤状のプラスチック製のベース台30と、径大パイプ1の下端にベース台30をボルト止めするための止め部材31とを有する。
【0030】
ベース台30には、中央部の下端近くにアルミニウム鋳物製の補強体32を埋設状にインサート成形してあり、補強体32にボルト挿通孔33が設けられている。止め部材31は、円筒35の下端外周に鍔36を周回状に突設し、円筒35の内部にねじ穴を有するボス37が設けられている。
【0031】
径大パイプ1の下端内部に、これの下面側から止め部材31の円筒35を嵌合し、ビス39で径大パイプ1に止め部材31を取り付ける。ベース台30の円筒部30aに、径大パイプ1の下端部を上方から内嵌し、径大パイプ1の下端を鍔36を介して補強体32の上面で受ける。次いで、ベース台30の下面側からボルト40をボルト挿通孔33に挿通して止め部材31のボス37のねじ穴にねじ込み、これにて径大パイプ1の下端に床置き部材5をボルト止めする。最後に、ベース台30の下面に合成ゴムやスポンジなどからなる滑り止め用のクッション部材41を貼り付ける。
【0032】
図1においてロック具4は、径大パイプ1の上端に受け止め支持される縦長円筒状の固定リング42と、径小パイプ2の外周に遊嵌して締結作用をする縦長円筒状の締結リング43と、締結リング43に枢結されて上下方向に揺動操作できるハンドル44と、ハンドル44と固定リング42とを連結する左右一対のリンク45とからなる。
【0033】
固定リング42は、円筒壁の1個所に縦方向の割り46を入れ、この割り46に臨むリング本体42aの開離端の外側に、左右一対のリンク連結片47・47を上下方向にわたって一体に設ける。固定リング42の内周面の上端寄り部位には、図6に示すごとく下向きの段面49を周回状に設けてあり、固定リング42を径大パイプ1の外周に上方から嵌合すると、該段面49が径大パイプ1の上端開口周縁で受け止められる。そのうえで、両リンク連結片47・47の上下をボルト50で締結することにより、径大パイプ1の上端に固定リング42が確りと固定される。径小パイプ2は、下端側から固定リング42を介して径大パイプ1の内部へ上下スライド自在に嵌合できる。
【0034】
締結リング43は、図1に示すごとく、円筒壁の1個所に縦方向の割り51を入れ、この割り51に臨む締結リング43の開離端の外側に、左右一対のハンドル連結片52・52を上下方向に一体に設ける。このハンドル連結片52・52は自由状態において所定の間隔を置いて対向している。締結リング43は割り51を入れたことにより、拡縮変形可能になっている。
【0035】
ハンドル44は、これの基端側の左右にハンドル44と一体に動く一対のアーム53・53を有し、各アーム53が各ハンドル連結片52にこれの外側面に接合する状態で水平の枢軸55を介して枢結されている。すなわちハンドル44は前後方向に長い主面壁44aの左右に側壁44b・44bを有して下面が開口するコ字形に形成されており、左右側壁44b・44bの基端側が主面壁44aより突出する二股状になっている。ハンドル44の左右側壁44b・44bの突出基端がハンドル連結片52・52の外側にアーム53・53をはさんで1本の枢軸55で連結されており、ハンドル44の左右側壁44b・44bの突出基端の内側に各アーム53・53が回り止め状に嵌係合している。これにて、ハンドル44は、締結リング43に対しアーム53・53を介して略水平姿勢と下方に倒れた略垂直姿勢とにわたって枢軸55まわりに上下揺動自在に連結されている。
【0036】
左右の各リンク45は、一端がハンドル44の基端寄りに固定軸56を介して連結され、他端が固定リング42のリンク連結片47・47に可動軸57を介して上下動自在に連結されている。すなわち、固定軸56は移動しない。これに対して可動軸57は、リンク連結片47・47に設けた縦長のガイド溝59に沿って上下移動する。
【0037】
締結リング43の各ハンドル連結片52の外側面と、これに面接合する各アーム53の内側面との間には、図8に示すごとく締結リング43の径を拡縮変形させるためのカム機構が設けられている。図のカム機構は、締結リング43の各ハンドル連結片52の上端寄り外側面に設けた受動側の固定カム面60と、各アーム53の内側面に設けた操作側の可動カム面61とからなる。
【0038】
図8において固定カム面60は、凹面62と、凸面63と、これら凹凸面62・63どうしをつなぐ傾斜面64とからなる。可動カム面61は、固定カム面60に対応して、凸面65と、凹面66と、これら凹凸面65・66どうしをつなぐ傾斜面67とからなる。
【0039】
ハンドル44が図6に示すごとくを略水平姿勢にあるときは、可動カム面61の凸面65が固定カム面60の凹面62に嵌り込んでいる(同時に可動カム面61の凹面66が固定カム面60の凸面63に嵌まり込んでいる)。この状態では、図9に示すごとく、締結リング43のハンドル連結片52・52間の間隔L1が大きくなっており、締結リング43が拡径状態にある。従って、径小パイプ2はこれの下端側から締結リング43内に、次いで径大パイプ1内に自由に差し込むことができる。
【0040】
ハンドル44を枢軸55まわりに下方へ揺動操作すると、可動カム面61の凸面65が、固定カム面60の凹面62から脱して傾斜面64を介して凸面63に乗り上がる。この両凸面63・65どうしの接合により、図10に示すごとく締結リング43のハンドル連結片52・52間の間隔L2が小さくなり、締結リング43が縮径して径小パイプ2を上下方向へは移動不能に締結固定する。
【0041】
このロック状態からハンドル44は、なお略垂直姿勢になるまで回動操作可能である。すなわち、ハンドル44が先の水平姿勢にあるとき、リンク45の可動軸57はガイド溝59の上端に位置しており、この状態からハンドル44を下降操作すると、可動軸57がガイド溝59の下方へ移動して行く。ハンドル44を下降操作する途中において、締結リング43が径小パイプ2を上下動不能に締結固定し、その後の状態で可動軸57がガイド溝59の下端で受け止められる。そのうえでハンドル44を更に下方へこれが垂直姿勢になるまで揺動操作すると、図7の想像線で示すごとく固定リング42に対して締結リング43が径小パイプ2をロック保持したまま径小パイプ2ごと上方へ持ち上げられる。
【0042】
図1および図7において、固定リング42の両リンク連結片47・47は、これの一方を肉厚に形成してあり、この肉厚側のリンク連結片47にこれの下端面から前記ガイド溝59に到るねじ孔71を上下方向に刻設し、このねじ孔71に下方からねじ込まれる調節ボルト72を備えている。
【0043】
次に、支柱の使用要領を説明すると、径大パイプ1の上端に固定リング42を前述の要領で外嵌し、リンク連結片47・47どうしをボルト50で締結することにより、固定リング42を径大パイプ1の上端に締め付け固定する。この後に、ハンドル44を水平姿勢にして締結リング43に径小パイプ2の下端を上方から差し込み、更に径小パイプ2を固定リング42を介して径大パイプ1内にまで嵌め込む。
【0044】
支柱を立てるべき位置において、床置き部材5を床面3に載置し、ハンドル44を水平姿勢にして径小パイプ2を上方に引き上げ、天井受け部材7を天井6に当て付ける。この状態でハンドル44を水平姿勢から下方に揺動操作すると、前記カム機構で締結リング43が縮径して径小パイプ2を締め付け固定する。更にハンドル44をこれが垂直姿勢になるよう揺動操作して行くと、可動軸57がガイド溝59の下端に受け止められて締結リング43ごと径小パイプ2を押し上げる。
【0045】
これで天井受け部材7が天井6に強く押し付けられて、支柱が天井6と床面3との間で確りと突っ張り固定される(図2の状態)。このとき圧縮コイルばね8は、天井受け部材7が天井に過剰に押し付けられるのを防止するよう作用する。
【0046】
ハンドル44を略垂直姿勢にしたロック状態において、図11に示すごとく、ハンドル44は締結リング43のハンドル連結片52、固定リング42のリンク連結片47、およびリンク45の外側を体裁良く覆っている。
【0047】
このロック状態において調節ボルト72を回動操作して、図7の実線に示すごとく可動軸57を僅かに押し上げることにより、天井6と床面3とに対する支柱の突っ張り力を微調整する。
【0048】
最後に、図1および図7に示すごとく、ねじ軸からなるストッパー73をハンドル44の左右側壁44b・44bに通してリンク45・45のストッパー孔75に係合することにより、ハンドル44を略垂直姿勢に保持しておくことができる。
【0049】
なお、ハンドル操作に伴う径小パイプ2の押し上げ量はガイド溝59の上下長さによって決まる。ガイド溝59の上下長さが短くなる程、径小パイプ2の押し上げ量が大きくなって行く。従って、調節ボルト72のねじ込み量を加減することにより、ガイド溝59内における該ボルト72の上端の突出高さを任意に調整できる。すなわち、調節ボルト72の上端が高く位置する程、ハンドル44の下降操作に伴い可動軸57が該ボルト上端に早く受け止められ、これにて径大パイプ1に対する径小パイプ2の押し上げ量が多くなる。
【0050】
支柱には、図2に示すごとくジョイント80を着脱自在に取り付け、このジョイント80に手摺81の端部を接続することができる。ジョイント80は、図12に示すごとく、同一形状の左右一対の半筒体80a・80aで形成されており、径大パイプ1を左右の半筒体80a・80aで挟み込んだ状態でボルト82を締め込むことにより、径大パイプ1にジョイント80を固定することができる。
【0051】
手摺81に代えて、図13に示す略U字状の手掛け部材83や、図14に示す略V字状の手掛け部材83の類を支柱に取り付けることもできる。これらの場合、例えば径大パイプ1にジョイント80が上下2個配置されることになる。径小パイプ2に先のジョイント80を取り付けてもよい。本発明の支柱は、これに手摺81や手掛け部83の類が支持されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部の分解斜視図
【図2】支柱の使用状態を示す斜視図
【図3】径小パイプに対する天井受け部材の取り付け状態を示す縦断面図
【図4】径大パイプに対する床置き部材の取り付け状態を示す縦断面図
【図5】径大パイプと床置き部材との関係を示す分解斜視図
【図6】ハンドルを水平姿勢にした状態での要部の縦断正面図
【図7】ハンドルを垂直姿勢にした状態での要部の縦断正面図
【図8】カム機構を説明する斜視図
【図9】図6のA−A線矢視断面図
【図10】図7のB−B線矢視断面図
【図11】ハンドルを垂直姿勢にした状態でのロック手段の斜視図
【図12】支柱に手摺を取り付けた状態を示す斜視図
【図13】支柱に手掛け部材を取り付けた状態を示す側面図
【図14】支柱に別の手掛け部材を取り付けた状態を示す側面図
【符号の説明】
1 径大パイプ
2 径小パイプ
3 床面
4 ロック具
5 床置き部材
6 天井
7 天井受け部材
42 固定リング
43 締結リング
44 ハンドル
45 リンク
47 リンク連結片
51 割り
52 ハンドル連結片
53 アーム
55 枢軸
56 固定軸
57 可動軸
59 ガイド溝
72 調節ボルト
Claims (4)
- 下側に立てられる径大パイプ(1)と、径大パイプ(1)の内部に上下スライド自在に嵌合する上側の径小パイプ(2)と、径大パイプ(1)の下端に設けられて床面(3)に載置される床置き部材(5)と、径小パイプ(2)の上端に設けられて天井(6)に受け止められる天井受け部材(7)とを備えており、径大パイプ(1)と径小パイプ(2)との間には、径大パイプ(1)の上方に径小パイプ(2)を引き出した状態において径大パイプ(1)に対して径小パイプ(2)を上下動不能にロック保持するロック具(4)を有する伸縮式の突っ張り型支柱において、
ロック具(4)が、径大パイプ(1)の上端に固定されて径小パイプ(2)がスライド嵌合する円筒状の固定リング(42)と、径小パイプ(2)の外周に遊嵌する円筒状の締結リング(43)と、締結リング(43)を拡縮操作するためのハンドル(44)およびリンク(45)とを含み、
固定リング(42)には、リンク連結片(47)が設けられており、
締結リング(43)には、これを拡縮変形可能とするための縦方向の割り(51)を入れてあって、この割り(51)に臨む締結リング(43)の開離端の外側に、一対のハンドル連結片(52・52)が所定の間隔を置いて対向状に設けられており、
ハンドル(44)は、基端側が一対のアーム(53・53)を介して前記ハンドル連結片(52・52)にこれの外側面に接合するよう枢軸(55)を介して連結され、略水平姿勢と下向きに倒した略垂直姿勢とにわたって枢軸(55)まわりに揺動操作可能であり、
リンク(45)は、一端がハンドル(44)の基端寄り部位に連結され、他端が固定リング(42)のリンク連結片(47)に連結されており、
アーム(53)とハンドル連結片(52)との接合面に、締結リング(43)の径を拡縮変形させるためのカム機構が設けられており、
カム機構は、ハンドル(44)を略水平姿勢にしたとき締結リング(43)が拡径状態にあり、ハンドル(44)を略水平姿勢から略垂直姿勢に向かって下方に揺動操作すると、両ハンドル連結片(52・52)どうしを接近させて締結リング(43)が縮径状態になって、締結リング(43)で径小パイプ(2)を上下動不能に締結するようにし、
径小パイプ(2)の上端には、天井受け部材(7)が押し付けられた際の反発力を受け止めるばね手段が設けられており、
固定リング(42)のリンク連結片(47)には、縦長のガイド溝(59)が設けられており、
リンク(45)の一端が、ハンドル(44)に固定軸(56)を介して連結されており、
リンク(45)の他端が、ガイド溝(59)に沿って上下動する可動軸(57)に連結されており、
固定リング(42)のリンク連結片(47)には、そのリンク連結片(47)の下端面からガイド溝(59)に到るねじ孔(71)を上下方向に刻設してあり、
固定リング(42)のリンク連結片(47)のねじ孔(71)には、下方からねじ込まれる調節ボルト(72)を備えてあり、
調節ボルト(72)は、ガイド溝(59)内を下降する可動軸(57)を受け止め可能になっていて、ガイド溝(59)の下端又は調節ボルト(72)で可動軸(57)を受け止めた状態で、調節ボルト(72)を回動操作することによって、径小パイプ(2)を保持固定した締結リング(43)が押し上げられることを特徴とする伸縮式の突っ張り型支柱。 - カム機構は、締結リング(43)の各ハンドル連結片(52)の外側面にそれぞれ設けた固定カム面(60)と、各ハンドル連結片(52)の外側面に面接合するハンドル(44)の各アーム(53)の内側面にそれぞれ設けた可動カム面(61)とから成る請求項1記載の伸縮式の突っ張り型支柱。
- ハンドル(44)に設けた穴に通されるストッパー(73)を有して 、そのストッパー(73)に係合するストッパー孔(75)をリンク(45)に設けてあり、
ハンドル(44)を略垂直姿勢にした状態で、ストッパー(73)を、ハンドル(44)に設けた穴に通してリンク(45)のストッパー孔(75)に係合するようにした請求項2記載の伸縮式の突っ張り型支柱。 - 天井受け部材(7)は、径小パイプ(2)に対して上下動自在に支持されており、
ばね手段は、径小パイプ(2)の上端の内側に設けられて天井受け部材(7)を押し上げ付勢する圧縮コイルばね(8)から成る請求項3記載の伸縮式の突っ張り型支柱。
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