JP3951084B2 - 記憶制御装置及び該記憶制御装置を有するプリンタ - Google Patents

記憶制御装置及び該記憶制御装置を有するプリンタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置のデータ入出力を制御する記憶制御装置及び該記憶制御装置を有するプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリンタでは、ホストコンピュータからの印刷ジョブデータを受信バッファに格納し、受信バッファに格納されたデータを順次解釈して、印刷出力用のイメージデータを生成し印刷を行う。このように順次解釈して印刷すれば良いため、いわゆるローカルプリンタでは、プリントエンジンの形式に応じて、例えば1バンド分、1ページ分のデータを一時的に格納できるだけのメモリがあれば足りる。
【0003】
しかし、近年では、コンピュータや画像処理技術等の発達に伴って、印刷ドキュメントのカラーイメージ化等が進んでいるため、印刷ジョブデータのデータ量が増大している。また、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、複数のホストコンピュータがプリンタを共用するネットワーク印刷システムの場合は、複数のホストコンピュータからの印刷ジョブデータを次々に処理する必要がある。もし、プリンタの搭載メモリ量が1ページ分しかないのであれば、数百ページのドキュメントの印刷を希望するホストコンピュータは、長時間に亘って延々と印刷ジョブデータを送り続けなければならない。そして、ネットワークを介して接続された他の多くのホストコンピュータは、長い印刷待ち時間を耐える必要がある。
【0004】
従って、膨大な印刷ジョブデータを速やかに格納してホストコンピュータを早期に解放等すべく、プリンタ内にHDD等の補助記憶装置を設け、受信データをHDDに格納させるようにしたプリンタが近年提案されている。
【0005】
一方、プリンタに限らず、従来の補助記憶装置を用いたファイルアクセス方法では、補助記憶装置上のファイルをオープンしてデータの読み書きを行った後、ファイルをクローズして処理を終了する。また、通常は、複数のランダムアクセスファイルを補助記憶装置上に記憶させる。
【0006】
図17は、従来のファイルアクセス方法の概略を示す。図中左側に示すように、書き込むべきデータが入力された場合は(PS1:YES)、ファイルをオープンする(PS2)。ファイルのオープンとは、ファイル操作のための準備処理、前処理を意味し、具体的には、OS(Operating System)に対するファイル使用の宣言、データ入出力用のバッファの確保、ファイル構造体からのファイル情報の取得等を行う。そして、ファイルのオープンに成功したことを確認した後(PS3:YES)、データを所定の位置に書き込む(PS4)。データの書込みを確認した後(PS5:YES)、ファイルをクローズし(PS6)、データの書込みが終了したことをデータの読出し側に通知する(PS7)。ファイルのクローズとは、ファイル操作の終了処理を意味し、具体的には、OSに対するファイル使用の終了宣言、データバッファ内に残されたデータのファイルへの書込み、データバッファの解放等を行うものである。
【0007】
図17中の右側に示すように、データを読み出す場合は、書込み終了通知に基づいて、ファイルの読出しが可能になったことを確認し(PS11)、ファイルをオープンする(PS12)。そして、所望のデータを読み出した後(PS13)、ファイルをクローズする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した補助記憶装置のファイルアクセス方法では、複数のランダムアクセスファイルを補助記憶装置上に形成し、各ファイルへのデータ書込み及び読出しの度に、ファイルオープン及びファイルクローズの処理をそれぞれ繰り返すため、各ファイルの格納先アドレスの確認に時間がかかり、また、磁気ヘッドのシーク回数や移動距離も増大する。従って、補助記憶装置のデータ転送速度が低下するという問題がある。また、補助記憶装置上に複数のファイルを記憶するため、ファイル数に応じて増大するファイル管理情報等により、補助記憶装置の記憶容量が消費されてしまい、記憶効率が低下する。
【0009】
補助記憶装置を内蔵したプリンタでは、多量の印刷データを記憶させることができるため、ホストコンピュータを早期に解放することも可能である。しかし、上述したように、従来の補助記憶装置のファイルアクセス方法では、データ転送時間が増大する。従って、補助記憶装置を経由して印刷データの処理を行うと、印刷データの書込み時間及び読出し時間が長くなり、印刷処理速度が大幅に低下するという問題がある。例えば、ネットワークからのデータ受信速度が1〜2MB/s、イメージデータ生成部での処理が1MB/sの場合でも、HDDのデータ転送速度は約500MB/sと遅いのが通常である。高速インターフェースやDMA転送等を採用すれば、補助記憶装置のデータ転送速度は向上するが、製造コストが増大する。
【0010】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたもので、その目的は、データ転送速度を向上できるようにした記憶制御装置及び該記憶制御装置を有するプリンタを提供することにある。また、本発明の他の目的は、データ転送速度を高めた記憶制御装置を用いることにより、ホストコンピュータの早期解放と印刷処理速度の向上とを両立できるようにしたプリンタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係る記憶制御装置では、補助記憶装置上にシーケンシャルに編成されるファイルを設定し、ファイル操作を終了した場合にも終了処理を行わず、ファイル操作可能状態を維持させるようにしている。
【0012】
即ち、発明では、印刷データを受信する通信処理手段と、前記受信された印刷データを記憶可能な記憶制御装置と、前記印刷データを解釈してイメージデータを生成するイメージデータ生成手段と、前記イメージデータに基づいて印刷を行う印刷処理手段とを備え、前記記憶制御装置は、シーケンシャルファイルが設定される補助記憶装置と、前記シーケンシャルファイルへの入力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、入力された印刷データを前記シーケンシャルファイルに書き込む書込み手段と、前記シーケンシャルファイルからの出力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出して出力する読出し手段と、所定の起動条件が成立したか否かを監視する監視手段を備え、前記書込み手段及び読出し手段は、前記シーケンシャルファイルへの操作終了後もファイル操作可能状態を維持し、前記起動条件が成立した場合にのみファイル操作終了処理を実行させ、前記読出し手段は、前記書込み手段による印刷データの書込みに応じて、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出すことを特徴としている。
【0013】
ここで、「補助記憶装置」としては、代表的には、ハードディスク装置(HDD)を挙げることができるが、これに限定されない。また、「所定のファイル操作準備処理」とは、いわゆるファイルのオープンに伴う処理を意味し、具体的には、ファイル操作の宣言、データ入出力用バッファの確保、目的とするファイルのファイル情報取得等が含まれる。「ファイル操作可能状態」とは、ファイルがオープンされている状態を意味する。さらに、「書込み手段によるデータの書込みに応じて前記シーケンシャルファイルからデータを読み出す」とは、書込み手段によるデータ書込みと読出し手段によるデータ読出しとが順次実行されていくことを意味する。
【0014】
例えば、通信処理部等の前処理部からデータが書込み手段に入力されると、書込み手段は、ファイル操作準備処理を行い、シーケンシャルファイルにデータを書き込む。このデータ書込みに応じて、読出し手段は、ファイル操作準備処理を行い、シーケンシャルファイルからデータを読み出す。読み出されたデータは、例えば、イメージデータ生成処理部等の後処理部に向けて出力される。
【0015】
通常の場合、データ書込み又はデータ読出し等のファイル操作終了後は、ファイル操作終了処理を行うが、本発明では、ファイル操作終了後もファイル操作可能状態を維持する。従って、新たなデータ入力要求が生じた場合、書込み手段は、ファイル操作準備処理を行うことなくデータを書き込むことができる。また、読出し手段も、新たな出力要求が生じた場合、ファイル操作準備処理を行うことなくシーケンシャルファイルからデータを読み出すことができる。これにより、ファイル操作時の処理を簡素化することができる。従って、シーク回数等を低減してデータ転送速度を向上させることができる。
【0016】
書込み手段は、補助記憶装置のデータ転送速度が上限値をとる最低のデータ量毎に、シーケンシャルファイルへデータを書き込むこともできる。一回の書込み操作で書き込むデータの単位(ブロックサイズ)を大きくするほど、データ転送速度は向上するが、書込み単位が所定の値に達すると、データ転送速度は最高速度で一定となる。記録媒体の回転数等が上限に達するためである。従って、書込み手段は、データ転送速度が上限値をとるデータ量のうち最小値のデータ量を転送単位として採用する。
【0017】
また、所定の起動条件が成立したか否かを監視する監視手段を更に設け、起動条件が成立した場合には、ファイル操作終了処理を実行させてもよい。「ファイル操作終了処理」とは、いわゆるファイルクローズに伴う処理を意味し、具体的には、データバッファに残されたデータの処理、データバッファの解放等が含まれる。起動条件としては、例えば、(1)電源の切断が検出された場合、又は(2)入出力すべきデータの存在が検出されない場合のいずれか又は双方を挙げることができる。電源切断時やデータ処理終了時には、ファイル操作終了処理を行うことにより、磁気ヘッドをシッピングゾーンに退避させる等の処理を行うことができ、補助記憶装置の寿命や信頼性等を向上することができる。
【0018】
さらに、書込み手段にデータを入力するための第1バッファメモリと、読出し手段からデータを受け取るための第2バッファメモリとを更に設け、補助記憶装置経由モードによる転送を行う場合は、第1バッファメモリ、書込み手段、補助記憶装置、読出し手段を順に経て第2バッファメモリにデータを格納し、バイパスモードによる転送を行う場合は、第1バッファメモリに格納されたデータを第2バッファメモリに格納させることもできる。
【0019】
補助記憶装置経由モードとバイパスモードとを適宜使い分けることにより、データ処理速度を高めることができる。
【0020】
一方、請求項7に係る発明では、印刷データを受信する通信処理手段と、前記受信された印刷データを記憶可能な記憶制御装置と、前記印刷データを解釈してイメージデータを生成するイメージデータ生成手段と、前記イメージデータに基づいて印刷を行う印刷処理手段とを備え、前記記憶制御装置は、シーケンシャルファイルが設定される補助記憶装置と、前記シーケンシャルファイルへの入力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、入力された印刷データを前記シーケンシャルファイルに書き込む書込み手段と、前記シーケンシャルファイルからの出力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出して出力する読出し手段とを備え、前記書込み手段及び読出し手段は、前記シーケンシャルファイルへの操作終了後もファイル操作可能状態を維持し、前記読出し手段は、前記書込み手段による印刷データの書込みに応じて、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出すことを特徴とする。
【0021】
ファイル操作終了後もファイル操作可能状態を維持する記憶制御装置を用いて印刷データの転送・記憶を行うことにより、データ転送速度を高めて印刷処理時間を短縮することができる。
【0022】
ここで、前記同様に、補助記憶装置経由モードとバイパスモードとを採用することができるが、補助記憶装置内に処理中の印刷データが記憶されている場合には補助記憶装置経由モードを選択し、補助記憶装置内に処理中の印刷データが記憶されていない場合にはバイパスモードを選択することができる。
【0023】
もしも補助記憶装置内に処理中のデータが記憶されている場合に、バイパスモードでイメージデータ生成手段にデータを転送すると、印刷順序等が混乱するため、例えば、補助記憶装置内のデータの有無によりモードを切り換える。ここで、「処理中のデータ」とは、これから印刷しようとする又は印刷中の印刷ジョブデータを意味する。
【0024】
また、本発明は、ファイルアクセス方法として把握することもできる。更に、本発明は、所定のプログラムを記録した記録媒体をプリンタのコンピュータに読み取らせて実行させることによっても実現することができる。「記録媒体」としては、例えば、ハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD-ROM,CD-RAM等)、メモリ、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。また、これに限らず、ネットワークを介してプログラムをダウンロードする等のように、通信媒体を用いることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図16に基づき、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
1.第1の実施の形態
まず、図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係る記憶制御装置を示している。図1は、記憶制御装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。本記憶制御装置は、それぞれ後述するように、第1バッファメモリ100.書込み部101,HDD102,読出し部103,第2バッファメモリ104及びファイル管理部105を備えている。
【0027】
第1バッファメモリ100は、複数のメモリブロックを有しており、例えば、通信処理部等の前処理部から渡されたデータをメモリブロックに格納して書込み部に入力するものである。図中では、データが格納されたメモリブロックに斜線を付し、空いているメモリブロックを白く表示している。
【0028】
「書込み手段」としての書込み部101は、第1バッファ100からデータ格納済みのメモリブロックを一つ取り出し、このメモリブロックからデータを読み出して、HDD102上のメタファイル110の所定位置にデータを書き込むものである。データが読み出されて空になったメモリブロックは、第1バッファメモリ100に返却される。書込み部101は、メモリブロックから読み出したデータをファイルオープン時に確保された所定のデータバッファ(図示せず)に転送し、該データバッファを介してHDD102上のメタファイル110にデータを書き込む。このときの書込み単位(ブロックサイズ)は所定値に設定されているが、ブロックサイズの決定については図2と共に後述する。
【0029】
ここで、書込み部101は、補助記憶装置経由モードとバイパスモードの2種類の転送モードを使い分けてデータ転送を行うことができる。補助記憶装置経由モードでは、第1バッファメモリ100から取得したデータをHDD102上のメタファイル110に書込み、バイパスモードでは、第1バッファメモリ100から取得したデータを直接第2バッファメモリ104に転送する。入力されたモード切換信号によって各転送モードを切り換えることもできるし、あるいは、第2の実施の形態で詳述するように、内部のデータ処理状態に応じて各転送モードを切り換えることもできる。
【0030】
「補助記憶装置」としてのHDD102は、例えば、円盤状の記録媒体と、記録媒体を回転させる回転機構と、記録媒体表面に近接してデータの読み書きを行う磁気ヘッドと、磁気ヘッドを記録媒体上の所定位置まで移動させるヘッド移動機構と、制御回路等とを備えている。
【0031】
HDD102上には、「シーケンシャルファイル」としてのメタファイル110が設定されている。メタファイル110は、シーケンシャルに編成されており、書込み部101によって書き込まれた各ブロックB1〜Bnが書込み順に記憶されている。また、HDD102上の所定の位置には、メタファイルのファイル名、ファイル先頭アドレス等の管理情報も記憶されている。ここで、通常の場合、メタファイル110は単一に設定される。但し、データ処理系統が複数存在する場合、例えば、それぞれ独立に起動される書込み部101及び読出し部103が複数用意されているような場合には、このデータ処理系統の数に応じて複数のメタファイルを設定することも可能である。
【0032】
「読出し手段」としての読出し部103は、メタファイル110内の先頭のブロックをデータバッファを介して読出し、読み出されたデータを第2バッファメモリ104の空きメモリブロックが一杯になるまで該メモリブロックに格納させるものである。読出し部103は、後述のように、例えば、書込み部101からメッセージキュー等を介してブロックの書込みが通知されると、次のブロックをメタファイル110から読み出すようになっている。なお、第2バッファメモリ104は、第1バッファメモリ100と同様に複数のメモリブロックから構成されている。
【0033】
ファイル管理手段として表現可能なファイル管理部105は、例えば、メタファイル110のファイル名、メタファイルの先頭アドレス及び終端アドレス、ブロックの最新の書込み位置及びブロックの最新の読出し位置等の各種ファイル管理情報を記憶している。
【0034】
次に、図2に基づいて、書込み部101が採用する書込みの単位(ブロックサイズ)を説明する。図2は、1回の書込み操作でメタファイル110に書き込まれるデータ量(バイト)を横軸に、書込み操作時の転送速度(バイト/秒)を縦軸にとった特性図である。
【0035】
例えば、1回の操作で書き込まれるブロックのサイズを300KB等のBS1とした場合、その転送速度V1は300KB/sとなる。ブロックサイズを1MB等のBS2に上げた場合、その転送速度V2は1MB/sに上昇する。しかし、空気抵抗やモータ性能等の諸条件によってディスク最高回転数は定まるため、ディスク回転数や磁気ヘッドの性能等が同一である限り、BS2以上にブロックサイズを大きくしても、書込み時の転送速度は上昇しない。そこで、本実施の形態では、書込み時の転送速度が最大値をとる最小のブロックサイズ(例えば、1MB)をデータ書込み時の単位として採用する。
【0036】
次に、図3及び図4に基づいて本実施の形態の作用を説明する。なお、以下の説明では、ステップを「S」と略記する。まず、図3は書込み処理及び読出し処理を示すフローチャートである。
【0037】
書込み処理では、最初のデータの書込み要求が発生すると、ファイルをオープンし、データバッファの確保等を行う(S100)。次に、第1バッファメモリ100からデータを満杯に格納したメモリブロックを一つ取出し(S101)、このメモリブロックから読み出したデータをデータバッファに格納させる(S102)。また、データが読み出されて空になったメモリブロックは、第1バッファメモリ100に返却される(S102)。
【0038】
図2と共に述べたように、所定のデータ量がデータバッファに蓄積されるまで(S103)、第1バッファメモリ100からメモリブロックを一つずつ取り出してデータバッファに格納させる。所定量のデータ(ブロック)がデータバッファに格納されると(S103:YES)、メタファイル110にブロックを一つ書き込むだけの余裕があるか否かを検査する(S104)。メタファイル110に一つのブロックを格納するだけの空きがある場合は(S104:YES)、ブロックを一つだけメタファイル110の所定位置に書込む(S105)。もしも、メタファイル110に新たなブロックを受け入れる余地が無い場合、例えば、読出し部103以降の後処理が遅れており読出し位置と書込み位置とが接近しているような場合には、ブロックを書き込まずに待機する(S104:NO)。書込み部101が待機している間に、読出し部103の読出し処理が進んでメタファイル110に空きが生じた場合にブロックは書き込まれる。
【0039】
読出し処理では、最初の読出し要求が発生したときにファイルをオープンし、データバッファの確保等を行う(S111)。書込み部101がブロックを一つ書き込むと、書込みが終了した旨がメッセージキュー等を介して読出し部103に通知される。そこで、メッセージキュー等に基づいて、メタファイル110にブロックが書き込まれたか否かを判定する(S112)。ブロックが書き込まれた場合には(S112:YES)、メタファイル110からブロックを一つ読み出して(S113)、第2バッファメモリ104の空きメモリブロックにデータを格納させる(S114)。
【0040】
次に、図4は、ファイルクローズを行うためのクローズ処理を示すフローチャートである。本実施の形態では、ファイルクローズを行うために2つの起動条件を設定している。起動条件の一つは、電源切断シーケンスに入った場合である(S121)。即ち、例えば、電源スイッチがオフ操作されてシステムの終了処理に入った場合である。起動条件の他の一つは、処理すべきデータが存在しなくなった場合である(S122)。即ち、第1バッファ100から第2バッファ104に至るデータ処理系統中にデータが一つも存在しない場合である。上記2つの起動条件のうち一つでも満たした場合は、ファイルをクローズし、データバッファに残されたデータの強制転送やデータバッファの解放等の終了処理を行う(S123)。
【0041】
このように構成される本実施の形態によれば以下の効果を奏する。
【0042】
第1に、HDD102上にシーケンシャル編成された単一のメタファイル110を設定し、書込み部101及び読出し部103は、ファイル操作終了後もファイルをクローズせずにファイル操作可能状態を維持するため、従来技術のように、複数のファイルのそれぞれを入出力する度にファイルのオープン及びクローズを行う必要が無い。従って、シーク回数等を低減してHDD102の転送速度を向上させることができる。
【0043】
第2に、書込み部101がブロック単位でデータを書込む度に、読出し部103はデータを読み出すため、HDD102をいわゆるリングバッファのように用いることができる。従って、HDD102を無駄なく効率的に使用できる。また、データが読み出された位置に新たなデータを順次上書きするため、書込み位置と読出し位置との競合のみを管理するだけでよく、従来のように複数のファイル位置やHDD容量の上限管理等を行う必要がない。つまり、従来では、ディスク上に分散する空きセクタの位置及び場所等をそれぞれ管理する必要があるが、本実施の形態では、HDD102をリングバッファ的に用い、FIFO(First-In First-Out)でデータを入出力するため、簡易な構成でファイルアクセスを行うことができる。
【0044】
第3に、書込み部101は、所定のデータ量毎にメタファイル110に書込みを行うため、HDD102の運用効率を高めてデータ転送速度を向上させることができる。
【0045】
第4に、電源切断シーケンスに入った場合又は処理すべきデータが存在しなくなった場合は、ファイルをクローズするため、磁気ヘッドを所定位置に退避させることができ、振動等による損傷を防止することができる。
【0046】
第5に、補助記憶装置経由モードとバイパスモードとを切り換えてデータ転送を行うことができるため、状況に応じて適切な転送モードを選択することができ、転送速度を向上させることができる。
【0047】
2.第2の実施の形態
次に、図5〜図16に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、前記実施の形態で述べた記憶制御装置をプリンタに搭載した点にある。
【0048】
まず、図5は、本実施の形態によるプリンタのハードウエア構成を概略的に示す説明図である。プリンタは、インターフェース(以下「I/F」と略記)1,2と、CPU3と、RAM4及びROM5と、エンジン制御部8及びプリントエンジン9と、HDD10とを備えている。
【0049】
I/F1,2、CPU3、RAM4,ROM5及びHDD10は、バス6を介して相互に接続されており、エンジン制御部8は、I/F2,7を介してCPU3等と接続されている。CPU3は、I/F1を介してLAN等のネットワークNとの間でデータ通信を行う一方、I/F2を介してエンジン制御部8とデータ通信を行う。
【0050】
CPU3は、通信タスク11と、HD書込みタスク12と、HD読出しタスク13と、イメージ生成タスク14と、印刷タスク15とを実行可能に構成することができる。各タスク11〜15の切換、即ち、CPU実行権の管理は、例えば切換制御部として表現可能なスケジューラ16によって行われる。スケジューラ16は、予め設定された優先度に基づいて各タスク11〜15にCPU実行権を割り当てるようになっている。ここで、例えば、通信タスクや印刷タスクをそれぞれ専用のCPUで処理することもできる。
【0051】
「通信処理手段」としての通信タスク11は、ネットワークNからパケットが着信すると、CPU実行権を得て起動する。通信タスク11は、受信したパケットから例えばチェックサム等の余分なデータを除去して印刷データを取り出し、この印刷データをメモリブロックが一杯になるまで格納する。後述のように、データを格納したメモリブロックは、HD書込みタスク12(補助記憶装置経由モード)又はイメージ生成タスク14(第1のバイパスモード)のいずれかに引き渡される。
【0052】
「書込み手段」としてのHD書込みタスク12は、後述のように、通信タスク11からメモリブロックを介して入力されたデータをHDD10に書き込むか(補助記憶装置経由モード)又はイメージ生成タスク14に転送する(第2のバイパスモード)ようになっている。「読出し手段」としてのHD読出しタスク13は、HDD10に記憶されたデータを読み出してメモリブロックに格納し、イメージ生成タスク14に転送するようになっている。
【0053】
「イメージデータ生成手段」としてのイメージ生成タスク14は、データの格納されたメモリブロックを渡されると起動する。イメージ生成タスク14は、メモリブロック内の印刷データを読み出して印刷イメージ(印刷要求)を生成し、この生成した印刷要求を印刷タスク15に引き渡す。
【0054】
「印刷処理手段」としての印刷タスク15は、イメージ生成タスク14から印刷要求が入力されると起動し、印刷要求に応じてエンジン制御部8を駆動させるようになっている。これにより、エンジン制御部8は、プリントエンジン9を駆動させてページ単位の印刷を行う。なお、エンジン制御部8及びプリントエンジン9を印刷手段又は印刷部と表現することもできる。
【0055】
次に、図6は、プリンタ内部の機能構成を示すブロック図である。図6中の太線矢印は補助記憶装置経由モードによるデータ転送の流れを、一点鎖線矢印は第1のバイパスモードによるデータ転送の流れを、破線矢印は第2のバイパスモードによるデータ転送の流れを、それぞれ示す。
【0056】
図6に示すように、通信タスク11とHD書込みタスク12との間のデータ転送は、第1バッファメモリ21を介して行われ、HD読出しタスク13とイメージ生成タスク14との間のデータ転送は、第2バッファメモリ22を介して行われるようになっている。より正確には、通信タスク11とイメージ生成タスク14間のデータ転送(第1のバイパスモード)と、HD書込みタスク12とイメージ生成タスク14間のデータ転送(第2のバイパスモード)とにおいても、第2のバッファメモリ22が用いられる。
【0057】
また、HDD10内には、HD書込みタスク12によりデータが書き込まれている途中のファイルと、既に記憶されて処理待ちのファイルと、HD読出しタスク13によりデータを読み出されているファイルの3種類のファイルが生成される場合がある。この3種類のファイルの全てが「処理中のデータ」又は「残存データ」に相当する。ここで、これらの3種類のファイルは、単一のメタファイル110内にシーケンシャル編成で形成されるものであり、説明の便宜上、「ファイル」と称して区別するが、図1中に示すものと同一の構成である。つまり、HDD10上には、単一のメタファイル110が形成され、該メタファイル110内に各印刷ジョブのデータがブロック単位で順次格納されている点に注意しなければならない。
【0058】
さらに、図7中のHD書込みタスク12,図8中のHD読出しタスク13中にそれぞれ示すように、各タスク内にデータが存在する場合も、「処理中のデータ」又は「残存データ」に相当する。読出し待ちのファイル数(ブロック数)は、残存ファイル検出部23により検出され、通信タスク11,HD書込みタスク12及びHD読出しタスク13にそれぞれ通知される。
【0059】
ここで、第1バッファメモリ21よりも第2バッファメモリ22の方がメモリ容量が大きくなるように設定されている。これにより、第2バッファメモリの全メモリブロックにデータが格納されるまでの時間が長くなる。従って、第1のバイパスモードによる転送時間を長くして、印刷処理時間を短縮することができるようになっている。
【0060】
図7は、通信タスク11からHDD10までのデータ転送の流れを模式的に示す説明図である。通信タスク11は、着信したパケットからヘッダ情報等の余分なデータを取り除き、第1バッファメモリ21の空いているメモリブロックが一杯になるまでデータを格納する。HD書込みタスク12は、満杯のメモリブロックを受け取ると、該メモリブロックからデータを取り出し、データバッファに所定量のデータが蓄積されるまで格納する。所定量のデータが蓄積された場合は、このデータをブロック単位でHDD10上のメタファイル110に書き込む。データを取り出されたメモリブロックは第1バッファメモリ21に返却される。なお、メモリブロックからのデータ読出しは、FIFO(先入れ先出し)で順次処理される。
【0061】
図8は、HDD10からイメージ生成タスク14までのデータ転送の流れを模式的に示す説明図である。HD読出しタスク13は、HDD10内のメタファイル110からデータを読出し、第2バッファメモリ22から空きメモリブロックを一つ取出し、メタファイル110から読み出したデータをメモリブロックが一杯になるまで格納させる。この処理は、空きメモリブロックがある限り繰り返される。イメージ生成タスク14は、満杯のメモリブロックを受け取ると、該メモリブロックからデータを取り出して1ページ分の印刷要求を生成し、この印刷要求を印刷タスク15に入力する。データを取り出されて空になったメモリブロックは、第2バッファメモリ22に返却される。
【0062】
次に、図9〜図16に基づいて本実施の形態の作用を説明する。なお、説明の便宜上、図中では、バッファメモリを「バッファ」と、メモリブロックを「ブロック」と、「HDD」を「HD」とそれぞれ略記する。
【0063】
まず、図9は、通信タスク11による処理を示す。通信タスク11はネットワークNからパケットデータが着信すると起動し(S1:YES)、次に、データ転送モード切換条件を判定する。即ち、第1バッファメモリ21に空ではないメモリブロックが存在するか否か(S2)、HDD10上のメタファイル110内に残存データがあるか否か(S3)、第2バッファメモリ22に空いているメモリブロックがあるか否か(S4)についてそれぞれ判定する。
【0064】
第1バッファメモリ21にデータが格納されて空ではないメモリブロックがある場合(S2:YES)、HDD10上のメタファイル110内に残存データが存在する場合(S3:YES)、第2バッファメモリ22に空きメモリブロックが無い場合(S4:NO)のいずれかである場合には、補助記憶装置経由モードによるデータ転送を行うべく、第1バッファメモリ21に空いているメモリブロックがあるか否かを検査する(S5)。空いているメモリブロックが存在する場合には(S5:YES)、第1バッファメモリ21から空いているメモリブロックを一つ取出し、メモリブロックが満杯になるまでデータを格納する(S6)。
【0065】
なお、第1バッファメモリ21に空いているメモリブロックが無い場合は(S5:NO)、データを格納することができないため、S2に戻る。
【0066】
一方、第1バッファメモリ21に空ではないメモリブロックが存在せず(S2:NO)、HDD10に残存データが無く(S3:NO)、かつ、第2バッファメモリ22に空きブロックが存在する場合には(S4:YES)、第1のバイパスモードでデータ転送を行うことができる。そこで、第1のバイパスモードでは、第2バッファメモリ22から空いているメモリブロックを一つ取出し、メモリブロックが満杯になるまでデータを格納する(S7)。
【0067】
即ち、第1バッファメモリ21からHDD10までの経路中に処理中のデータが存在しないため、HDD10をバイパスしてイメージ生成タスク14にデータを転送しても印刷が乱れたりする等の不具合を生じない。もっとも、第2バッファメモリ22に空きメモリブロックが無ければ、バイパス転送を行うことができないため、S4では第2バッファメモリ22の状態を検査している。なお、電源投入直後の初期状態では、HDD10に処理中のファイルは存在せず、各バッファメモリ21,22のメモリブロックは空いているため、第1のバイパスモードでデータが転送される。ここで、各バッファメモリ21,22にメモリを割り当てる際に、第2バッファメモリ22の容量を第1バッファメモリの容量よりも大きくなるように設定すれば、第1のバイパスモードによる転送時間を長くすることができ、全体的な処理時間を短縮することができる。ここで、具体的には、バッファメモリとして使用可能な全メモリ量をメモリブロック1個のサイズで割ると、全メモリブロック数を求めることができる。この全メモリブロックのうち2割程度を第1バッファメモリ21として使用し、残りの8割程度を第2バッファメモリ22として使用することもできる。
【0068】
次に、図10は、HD書込みタスク12の処理を示す。まず、HDD10上のメタファイル110内に残存データが存在するか否かを検査する(S11)。メタファイル110内に残存データが存在する場合は(S11:YES)、HDD10をバイパスしてデータを転送できない場合、即ち、補助記憶装置経由モードでデータを転送すべき場合である。そこで、第1バッファメモリ21に空きメモリブロックがあるか否か(S12)、通信タスク11が次の印刷ジョブを受信しており、空きメモリブロックを必要としているか否か(S13)をそれぞれ検査する。第1バッファメモリ21に空きメモリブロックが無く(S12:NO)、通信タスク11が新たな空きメモリブロックを要求している場合は(S13:YES)、空きメモリブロックを生成すべく、データが格納された空ではないメモリブロックからデータを取り出してHDD10のメタファイル110にデータを書き込む(S14)。なお、データ書込み時の詳細は、図3と略同様である。但し、正確には、図3と図10とでは、第1バッファメモリ21への空きメモリブロックの返却時期が相違するが、いずれを採用してもよい。
【0069】
そして、データを取り出されたメモリブロックは第1バッファメモリ21に返却される(S15)。これにより、通信タスク11は、新たに受信したパケットデータをメモリブロックに格納することができる。
【0070】
メタファイル110上に残存データが存在しない場合は(S11:NO)、第2バッファメモリ22に空いているメモリブロックが存在するか否かを検査する(S16)。第2バッファメモリ22に空きメモリブロックが無ければ、HDD10をバイパスすることができないためである。
【0071】
次に、第1バッファメモリ21にデータが格納された空ではないメモリブロックがあるか否かを検査し、第1バッファメモリから第2バッファメモリへ移し替え可能なデータの有無を判定する(S17)。
【0072】
S16,S17の双方で「YES」と判定された場合は、第1バッファメモリ21のメモリブロックの中味(データ)を、第2バッファメモリの空きメモリブロックに移し替える(S18)。ここで、データが格納された空ではないメモリブロックからデータを読出し、読み出されたデータを空きメモリブロックにコピーしても良いし、あるいは、両メモリブロックのポインタ等を互いに交換することにより、ブロック毎交換してもよい。データを移し替えられて空になったメモリブロックは、第1バッファメモリ21に返却される(S19)。
【0073】
次に、図11は、HD読出しタスク13の処理を示す。まず、第2バッファメモリ22に空きメモリブロックがあるか否かを検査する(S21)。次に、メタファイル110に残存データがあるか否かを検査する(S22)。第2バッファメモリ22に空きメモリブロックが無い場合(S21:NO)又はHDD10に読み出すべきファイルが存在しない場合(S22:NO)は、データ転送を行うことができないので、S21に戻って待機する。一方、S21,S22の双方で「YES」と判定された場合は、HDD10のファイルからデータを読出し、第2バッファメモリ22の空きメモリブロックが満杯になるまでデータを格納する(S23)。
【0074】
次に、図12は、イメージ生成タスク14の処理を示す。まず、第2バッファメモリ22にデータが格納された空ではないメモリブロックがあるか否かを判定する(S31)。第2バッファメモリ22に空でないメモリブロックがある場合は(S31:YES)、第2バッファメモリ22からデータが格納されたメモリブロックを一つ取り出してデータを読出し、印刷要求を生成する(S32)。
【0075】
そして、データが取り出された空きメモリブロックを第2バッファメモリに返却する(S33)。なお、印刷タスクは、本発明の要旨ではないので、処理の説明を割愛する。
【0076】
このように構成される本実施の形態によれば、図13〜図15に示すように、データ処理状態に応じた転送モードでデータを転送することができる。即ち、図13に示すように、補助記憶装置経由モードでは、受信データを、通信タスク11、第1バッファメモリ21、HD書込みタスク12を経てHDD10のメタファイル110に記憶させ、メタファイル110に記憶させたデータを、HD読出しタスク13、第2バッファメモリ22を介してイメージ生成タスク14に入力することができる。従って、ホストコンピュータを早期に解放することができる。また、図14に示す第1のバイパスモードでは、受信データを直接第2バッファメモリのメモリブロックに格納するため、HD書込みタスク12及びHD読出しタスク13の処理を省略して、データを速やかにイメージ生成タスク14に入力することができる。さらに、図15に示す第2のバイパスモードでは、HD書込みタスク12は、HDD10上のメタファイル110にデータを書き込む代わりに、第2バッファメモリ22のメモリブロックにデータを格納するため、速やかにデータをイメージ生成タスク14に転送することができる。
【0077】
図16(a)に示すように、印刷ジョブの受信初期には、第1のバイパスモードで転送が行われる。やがて、通信タスク11が第2バッファメモリ22のメモリブロックを使い果たすと、受信データは第1バッファメモリ21のメモリブロックに格納される。通信タスク11が第1バッファメモリ21を使用している間に、イメージ生成タスク14は第2バッファメモリ22からデータ格納済みのメモリブロックを受け取って印刷要求を生成する。上述の通り、HDD10上のメタファイル110内に残存データが存在しない状況下で、第1バッファメモリ21にデータが格納されたメモリブロックが生じると、HD書込みタスク12による第2のバイパスモードに切り換わる。第2のバイパスモードでは、HD書込みタスク12が第2バッファメモリ22のメモリブロックにデータを格納する。第2バイパスモードへの移行により、第2バッファメモリ22に空きメモリブロックが無くなると、補助記憶装置経由モードに切り替わり、データはHDD10上のメタファイル110を経由してイメージ生成タスク14に入力される。従って、印刷ジョブの受信直後から第1、第2のバイパスモードによる高速なデータ転送が行われ、印刷ジョブの中間付近で補助記憶装置経由モードに移行する。
【0078】
そして、印刷ジョブの終わり頃では、HDD10内のファイルが全て読み出されるため、補助記憶装置経由モードから第2のバイパスモードに切り替わる。やがて、第2のバイパスモードから第1のバイパスモードへと移行する。
【0079】
なお、全ての印刷ジョブにおいて、図16(a)のようなモード切換が行われる訳ではない。パケットの受信速度、印刷ジョブのデータ量、イメージ生成タスク14の処理速度等の各種パラメータの変化によって、モード切換の状況は変化する。例えば、図16(b)に示すように、イメージ生成タスク14の動作に比較して通信タスク11の動作が圧倒的に速く、第2バッファメモリ22の空きメモリブロックが一つも存在しなくなった後、最初の空きメモリブロックが一つできる以前に第1バッファメモリ21のメモリブロックを使い切ってしまった場合には、第1バイパスモードから補助記憶装置経由モードに移行する場合も考えられる。印刷ジョブのデータ量が少ない場合は、図16(c)に示すように、補助記憶装置経由モードに移行することなく、第1のバイパスモードのみでデータ処理が行われることもある。
【0080】
この他にも、第1バイパスモード→第2バイパスモード→補助記憶装置経由モード→第1バイパスモード(第2バイパスモードを経ずに補助記憶装置経由モードから第1バイパスモードに移行して印刷を終了する)の順で処理が行われる場合もある。また、第1バイパスモード→補助記憶装置経由モード→第2バイパスモード→第1バイパスモードの順で処理される場合もある。
【0081】
さらに、本実施の形態では、一つの印刷ジョブが単独で受信された場合を例示しているが、実際には、複数の印刷ジョブが連続して受信されたり、他の印刷ジョブと隙間をあけて孤立した印刷ジョブが受信される場合もある。このように、複数の印刷ジョブを受信する場合には、第1のバイパスモード、第2のバイパスモード及び補助記憶装置経由モードのいずれの状態間でも遷移し得る。但し、初期状態及び全印刷ジョブの処理を完了した後では、最初に第1のバイパスモードで転送が行われる。
【0082】
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0083】
第1に、データ処理状態に基づいて、HDD10上のメタファイル110を経由する補助記憶装置経由モードとHDD10をバイパスするバイパスモードとを切り換えるため、印刷ジョブの全体をHDD10に格納する場合よりも、処理時間を大幅に短縮することができる。この結果、補助記憶装置経由モードによるホストコンピュータの早期解放とバイパスモードによる高速処理とを両立させることができ、使い勝手が向上する。
【0084】
第2に、HDD10上に単一のメタファイル110を設定し、該メタファイル110内にデータを順次書込み、そして順次読み出す構成のため、前記実施の形態と同様に、HDD10をいわゆるリングバッファのように使用することができ、シーク回数等を低減してデータ転送速度を向上できる等の効果を得る。
【0085】
第3に、データ処理状態に応じて、HDD10を使用するか否かを動的に変化させるため、高速インターフェースやDMA転送等を用いずに、全体の処理速度を向上させることができる。
【0086】
第4に、HDD10上のメタファイル110内に残存データが存在等する場合にはバイパスモードを選択せず、補助記憶装置経由モードでデータ転送を行うため、印刷順序が乱れたりするのを防止しつつ処理速度を高めることができる。
【0087】
第5に、通信タスク11からイメージ生成タスク14への第1のバイパスモードのみならず、HD書込みタスク12からイメージ生成タスク14への第2のバイパスモードをも備えているため、高速なデータ転送期間を長くすることができ、全体の処理時間を短縮することができる。
【0088】
第6に、HDD10への読み書きも単一のCPU3で処理するマルチタスク型プリンタでは、HDD10へのデータ操作の分だけ処理時間が長くなるが、本発明によれば、補助記憶装置経由モードとバイパスモードとを切換可能なため、マルチタスク型プリンタにおいて特に有効である。
【0089】
なお、当業者であれば、前記各実施の形態に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。例えば、記録媒体に記録された所定のプログラムをプリンタのコンピュータに読み取らせることにより、本発明を実現することもできる。
【0090】
さらに、前記実施の形態では、HDD上にメタファイル110を1個だけ設定するものとして述べたが、本発明はこれに限定されない。例えば、通信タスク11,HD書込みタスク12,HD読出しタスク13及びイメージ生成タスク14までのデータ処理系統を複数用意するならば、各データ処理系統毎にメタファイル110を設定することもできる。
【0091】
また、各バッファメモリの使用単位であるメモリブロックの大きさは、データ処理状態に応じて変化させることもできる。例えば、両メモリブロックのサイズを100KB程度の固定値とすることもできるし、プリンタ内部のデータ処理速度等に応じてブロックサイズを変化させることもできる。また、各バッファメモリのメモリブロックのサイズは、同一である必要はなく、異なってもよい。但し、ブロックサイズが同一であれば、データの移し替え等に便利である。
【0092】
更に、本発明は、少なくともHD書込みタスク12、HD読出しタスク13及びイメージ生成タスク14を単一のCPUでそれぞれ処理するマルチタスク型プリンタとして表現することも可能である。
【0093】
さらに、プリンタとしては、プリンタ専用機に限らず、複写機、ファクシミリ装置等の他の機能を備えた複合機でもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る記憶制御装置及び該記憶制御装置を有するプリンタによれば、シーク回数等を低減して補助記憶装置のデータ転送速度を高めることができ、処理時間を短縮することができる。また、補助記憶装置経由モードとバイパスモードとを切換可能なため、補助記憶装置を利用したホストコンピュータの早期解放と補助記憶装置のバイパスによる高速処理とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による記憶制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 HDDへの1回のデータ書込み量と書込み時の転送速度との関係を示す特性図である。
【図3】書込み処理及び読出し処理を示すフローチャートである。
【図4】ファイルをクローズするための処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【図6】プリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図7】通信タスクからHDDまでのデータ転送を示す説明図である。
【図8】 HDDからイメージ生成タスクまでのデータ転送を示す説明図である。
【図9】通信タスクの処理を示すフローチャートである。
【図10】HD書込みタスクの処理を示すフローチャートである。
【図11】HD読出しタスクの処理を示すフローチャートである。
【図12】イメージ生成タスクの処理を示すフローチャートである。
【図13】補助記憶装置経由モードによるデータ転送を示す説明図である。
【図14】第1のバイパスモードによるデータ転送を示す説明図である。
【図15】第2のバイパスモードによるデータ転送を示す説明図である。
【図16】転送モードの移行状態を示す説明図である。
【図17】従来のファイルアクセス方法の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 CPU
10 HDD
11 通信タスク
12 HD書込みタスク
13 HD読出しタスク
14 イメージ生成タスク
21 第1バッファメモリ
22 第2バッファメモリ
23 残存データ検出部
100 第1バッファメモリ
101 書込み部
102 HDD
103 読出し部
104 第2バッファメモリ
105 ファイル管理部
110 メタファイル

Claims (6)

  1. 印刷データを受信する通信処理手段と、
    前記受信された印刷データを記憶可能な記憶制御装置と、
    前記印刷データを解釈してイメージデータを生成するイメージデータ生成手段と、
    前記イメージデータに基づいて印刷を行う印刷処理手段とを備え、前記記憶制御装置は、
    シーケンシャルファイルが設定される補助記憶装置と、
    前記シーケンシャルファイルへの入力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、入力された印刷データを前記シーケンシャルファイルに書き込む書込み手段と、
    前記シーケンシャルファイルからの出力要求が生じた場合には所定のファイル操作準備処理を行い、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出して出力する読出し手段と
    所定の起動条件が成立したか否かを監視する監視手段を備え、
    前記書込み手段及び読出し手段は、前記シーケンシャルファイルへの操作終了後もファイル操作可能状態を維持し、前記起動条件が成立した場合にのみファイル操作終了処理を実行させ、
    前記読出し手段は、前記書込み手段による印刷データの書込みに応じて、前記シーケンシャルファイルから印刷データを読み出すことを特徴とするプリンタ。
  2. 前記書込み手段は、前記補助記憶装置のデータ転送効率の点から決定される所定のデータ量毎に、前記シーケンシャルファイルへ印刷データを書き込む請求項に記載のプリンタ。
  3. 前記所定の起動条件は、電源の切断が検出された場合である請求項に記載のプリンタ。
  4. 前記所定の起動条件は、前記通信処理手段から前記印刷処理手段までのデータ処理系統中に印刷処理すべき印刷データが1つも存在しない場合である請求項に記載のプリンタ。
  5. 前記通信処理手段から前記書込み手段に印刷データを入力するための第1バッファメモリと、前記読出し手段から前記イメージデータ生成手段に印刷データを出力するための第2バッファメモリとを更に設け、
    補助記憶装置経由モードによる転送を行う場合は、前記第1バッファメモリ、前記書込み手段、前記補助記憶装置、前記読出し手段を順に経て前記第2バッファメモリに印刷データを格納し、
    バイパスモードによる転送を行う場合は、前記第1バッファメモリに格納された印刷データを前記第2バッファメモリに格納させる請求項に記載のプリンタ。
  6. 前記補助記憶装置内に処理中の印刷データが記憶されている場合には前記補助記憶装置経由モードを選択し、前記補助記憶装置内に処理中の印刷データが記憶されていない場合には前記バイパスモードを選択する請求項に記載のプリンタ。
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