JP3950642B2 - X-ray analyzer with electronic excitation - Google Patents

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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、凹凸のある被験試料の元素分布分析を高精度で行えるようにした電子励起によるX線分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子プローブマイクロアナライザ(EPMAと略称されている)やX線分光器を装備した走査顕微鏡(分析SEMと略称されている)などの電子励起によるX線分析装置は、試料表面に存在する元素の二次元的分布を知ることにより、その試料に関する様々な知見を得るようにするものである。
【0003】
かかるX線分析装置においては、X線分光器として、波長分散形X線分光器(WDSと略称されている)やエネルギー分散形X線分光器(EDSと略称されている)等が用いられているが、次のような手法で試料表面の元素分布を測定するようにしている。
【0004】
すなわち、試料の分析領域をX,Y方向の画素に分割し、各画素毎に一定時間X線を計測し記憶させる。このときWDSでは測定元素のピーク位置に分光位置を固定し、EDSでは測定元素のピークを含むエネルギー範囲に対応するマルチチャンネルアナライザからの積算値を計数する。そして、各画素のX線強度をレベル分析し、各々のレベルに適当な色を対応させて画面上にカラーマップとして表示させる。このとき、適当な標準試料を用いて特性X線強度を濃度に変換すれば、カラーマップはその元素の濃度分布を表すことができるようになっている。
【0005】
ところで、図8の(A)に示すように試料101 に照射された電子線102 は、試料の物質の原子により散乱されてエネルギーを失う過程において、元素固有の波長をもつ特性X線103 を発生させる。なお、図8の(A)において、IX は測定される特性X線強度である。また、図8の(B)において実線で示すように、試料表面から電子がエネルギーを失う深さまでの深さ方向(z)に対するX線発生強度分布は、通常発生関数と呼ばれ、φ(ρz)と表される。ここで、ρは物質の密度であり、したがって、ρzは質量深さである。
【0006】
試料内部で発生した特性X線は、試料外(真空中)に出るまでに吸収を受ける。試料面に対し、取り出し角度θで分光器に入るとすると、測定されるX線強度IX は次式で表される。
X =∫φ(ρz)・exp(−χ・ρz)d(ρz)
ここで、χ=(μ/ρ) cosecθであり、μ/ρは質量吸収係数である。
【0007】
すなわち、実際にX線検出器で測定される元素の特性X線強度IX は、その元素の濃度、共存元素(注目元素と共存している元素)の組成、特性X線の質量吸収係数といった物質固有の物理定数の他、X線取り出し角度θすなわち分析する試料面の傾きに依存する。
【0008】
このようにX線検出器で測定されるX線強度が、試料面の傾きによって変わるため、試料面の傾きによるX線強度の変化を補正する必要がある。従来、この試料面の傾きによるX線強度の変化を補正するため、図9の(A),(B)に示すように2基以上のX線分光器201a,201bを、試料101 に照射する電子線102 に関して対向するように配置し、これらの複数のX線分光器で得られる検出データを加算して補正値を算出する手法が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように複数のX線分光器を対向配置して得られた検出値を単に加算して補正する手法では、例えば図9の(B)において、取り出し角度(接線に対する角度)がΔθ小さくなった分光器201aによる検出X線強度の低減分を、取り出し角度がΔθ大きくなった分光器201bによる検出X線強度の増加分では必ずしも補完できず、正しい元素分布が得られないという問題点がある。この問題点の説明を単純化するため、図10の断面図に示すように、組成が一様な上端面が球状の円筒部301 と円板状の基板部302 とからなる試料303 に対して、試料基板部302 の基板面に平行で中心線に対して対向する位置に、2つの分光器201a,201bを配置されている場合を例にして説明する。
【0010】
なお、図10における分光器201a,201bの配置位置は模式的に示しており、上記のような形状の試料303 の直径方向の各領域について、次のように各分光器201a,201bで、X線強度が得られるように配置されるものとする。すなわち、a〜bの領域からの特性X線は、分光器201a,201bのいずれにおいても分光検出できる。b〜cの領域からの特性X線は、分光器201aでは分光検出できるが、分光器201bでは試料303 の円筒部301 の側面で特性X線が蹴られ、分光検出不能領域となっている。c〜dの領域では、分光器201a,201bのいずれの分光器でも分光検出できるが、分光器201aによるX線強度が分光器201bによるX線強度より大きい領域となっている。d〜eの領域では、分光器201a,201bのいずれの分光器でも分光検出できるが、分光器201bによるX線強度が分光器201aによるX線強度より大きい領域になっている。領域e〜fからの特性X線は、分光器201bでは分光検出できるが、分光器201aでは試料303 の円筒部301 の側で特性X線が蹴られ、分光検出不能領域となっている。f〜gの領域からの特性X線は、分光器201a,201bのいずれにおいても分光検出できるようになっているものとする。また、試料の形状によっては、2つのいずれの分光器によっても分光検出されない領域が生じる場合があるが、本発明においては、そのような領域のある試料は対象外としているため、そのような領域は図10に示す試料においては存在させていない。
【0011】
以上のような態様で、2つの分光器により特性X線が得られるものとすると、試料全体としては、これらの分光器201a,201bで得られるX線強度IX の変化は、図11に示すようになる。図11において、X線分光器201aによって得られるX線強度は実線Aで示し、X線分光器201bによって得られるX線強度は点線Bで示している。X線強度IX がI0 となるのは、試料面が水平な領域において、分光器201a,201bで得られるX線強度であり、Im は分光器201a又は201bにおける特性X線取り角度が90°になる部分でのX線強度、すなわち最大のX線強度である。なお、図11においては、2つのX線分光器201a,201bの感度が等しいものとして示しているが、2つのX線分光器の感度が異なる場合は、あらかじめ同一の標準試料を用いて水平状態でX線強度を正確に測定し、補正定数を求めておけば、感度が等しい場合に容易に変換できる。
【0012】
従来の手法に基づいて2つのX線分光器により得られるX線強度を加算して補正しようとして、図11に示した2つのX線分光器201a,201bにより得られたX線強度を加算すると、図12に示すようなX線強度特性が得られる。図10に示した試料は、組成が一様のものとしているので、2つのX線分光器201a,201bにより得られるX線強度の加算値は、本来はいずれの領域においても2I0 となるべきである。しかしながら、図12から明らかなように、2つのX線分光器201a,201bで得られたX線強度を単純に加算しても、正しい元素分布は得られないことが分かる。
【0013】
図10に示した円筒状試料のように、規則的且つ単純な形状の試料であって、曲率が分かっている場合は、各部分の取り出し角度を何らかの方法で求め、計算によりX線強度の加算値を補正することは可能である。しかし、そのような形態の試料は極めてまれであり、実際の試料では不規則な凹凸をもつのが一般である。このような不規則な凹凸をもつような試料では、たとえ加算して補正結果を得たとしても、X線強度の変化が凹凸形状による影響なのか、あるいは組成の変化によるものなのかを正確に判断することができない。
【0014】
本発明は、従来の加算補正方式によるX線分析装置における元素分布分析手法の上記問題点を解決するためになされたもので、凹凸のある試料の元素分布分析を高精度で行えるようにした電子励起によるX線分析装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、試料ステージに載置した試料に電子線を照射し、試料表面から発生する特性X線を検出して試料の元素分布分析を行うようにした電子励起によるX線分析装置において、試料を照射する電子線に関して対向する位置に該電子線の照射軸に対して垂直な試料面からのX線取り出し角度が同じである2基のX線分光器を配置し、電子線又は試料ステージを二次元的に走査して該X線分光器で同時に測定された特性X線強度の加算値と各X線分光器で測定された試料の分析部位の面傾斜に応じた各特性X線強度の違いを表す強度比を求める手段と、前記特性X線強度の強度比に基づいて前記加算値を補正し、該補正加算値に基づいて元素分布マップを作成する手段とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る電子励起によるX線分析装置において、前記加算値を補正するための補正係数は、前記強度比と前記元素分布マップ中の前記加算値の最大値で前記特性X線の加算値を除した値との相関関係に基づいて求められることを特徴とするものである。
【0016】
このように、2基のX線分光器で同時に測定された特性X線強度の加算値と各X線分光器で測定された試料の分析部位の面傾斜に応じた各特性X線強度の違いを表す強度比を求め、その強度比に基づいて加算値を補正するようにしているので、X線強度比と加算値との間の一定の関係により、加算値は正確に補正され、単純加算によっては避けられない凹凸による影響を排除し、高精度の元素分布分析結果を得ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る電子励起によるX線分析装置をEPMAに適用した構成例を示すブロック図である。図1において、1はEPMAの電子銃、2は集束レンズ、3は対物レンズ、4はスキャンコイル、5は光学顕微鏡、6は面分析のための被験試料、7は駆動装置を含む試料ステージ、8はスキャンコイル4を駆動する電子線走査装置、9a,9bは試料6に照射される電子銃1からの電子線に関して対向して配置されたWDSの分光結晶、10a,10bは分光結晶9a,9bで分光された特性X線を検出するX線検出器、11はWDSの波長走査のための分光結晶駆動装置、12はX線検出器10a,10bで検出されたX線信号の信号処理装置、13はX線強度データの記憶装置、14は電子線走査装置8や分光結晶駆動装置11のインタフェース、15はEPMAの装置制御並びに収集データの各種処理を行う演算装置、16は各種データを記憶するためのデータベース、17はディスプレイ装置、18はマウス、キーボードなどの入力装置である。なお、電子線通路、試料、X線通路は、1.3 ×10-3Pa程度の真空中に置かれている。
【0018】
次に、このように構成されている実施の形態の動作について説明する。試料ステージ7に載置された試料6に電子銃1からの電子線を照射し、電子線又は試料ステージ7を相対的に走査しながら、試料表面から放出され、分光結晶9a,9bでそれぞれ分光された特性X線をX線検出器10a,10bで、同時に、又は同時にとったとみなせる同一条件で、検出する。この際、試料6の形状が図10に示したものと同様な場合には、図2に示すように、図11に示したと同様なX線強度曲線A,Bが得られる。なお、図2において、実線で示すX線強度曲線AはX線検出器10aで得られるものであり、点線で示すX線強度曲線BはX線検出器10bで得られたものを示している。また、特性X線強度曲線A,Bの単純加算データ(A+B)を演算装置15で求めると、図3において実線で示すように、図12に示したと同様な加算曲線が得られる。
【0019】
次に、図2における各位置において、2つのX線検出器10a,10bで得られた特性X線強度の比Rを、同様に演算装置15で算出する。この際、X線強度曲線A,Bにおいて、A>Bの領域では、R=B/Aとして、A<Bの領域では、R=A/Bとして特性X線強度比Rを求める。その算出結果を図4に示す。この特性X線強度比Rの値は、χ=(μ/ρ) cosecθの値により僅かに異なる。また実際のデータは、図4においてドットで示すように、X線強度の統計変動によりばらつくので、実際の曲線は多項式の最小自乗法で求めることになる。
【0020】
図4に示す特性X線強度比Rのグラフから、R=1のときは、2つのX線検出器で得られたX線強度曲線A,Bの加算データ(A+B)は、補正する必要がなく、R=0(b〜c,及びe/fの領域)のときは、加算データ(A+B)の値(実際にはA又はBのいずれかの値)の2倍にすればよいことが分かる。また、c〜d〜eの領域においては、図3に示した加算データ(A+B)曲線と図4に示したX線強度比Rを表す曲線との間には相関関係があり、図4に示したX線強度比R曲線が上に凸の度合いが増すほど、図3に示す加算データ(A+B)曲線も上に凸の度合いが増すようになっている。この関係は、EPMAの定量補正理論を利用して、予め求めておくことができる。
【0021】
この関係を利用して、実際の試料から得られたX線強度比Rの値に基づいて加算データ(A+B)の値を補正すべき係数を求めることができる。実際に、図5に示すように、表面に不規則な凹凸をもっている試料6の場合であっても、例えば異なる向きの傾斜面▲1▼,▲2▼,▲3▼を考えた場合、このような各傾斜面▲1▼,▲2▼,▲3▼は、図10に示した単純な形態の試料303 におけるいずれかの部分に対応しているものとして考えることができるので、凹凸による影響の補正については、単純な形態の試料と同等に扱うことができる。
【0022】
前記X線強度比Rを横軸に、単純加算データ(A+B)を、その最大値(A+B)max で正規化した値(A+B)/(A+B)max >0.5 を縦軸にとり、各画素のデータをプロットすると、図6に示すような曲線が得られる。この曲線の逆数を求めると、図7に示すような前記X線強度比Rに対する補正係数曲線が得られる。この補正係数曲線で示される補正係数を単純加算データ(A+B)に乗じることにより、図3において2点鎖線で示すように、補正された加算データが得られ、単純加算データの試料凹凸形状による影響を正確に補正したX線強度分布、すなわち試料表面の元素分布結果が得られる。これに基づいて元素分布マップを作成し、ディスプレイ装置に表示させることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、X線分光器としてWDSを用いたものを示したが、本発明はEDSをX線分光器として用いたものに勿論適用することができるものであり、またEPMAのみならず分析SEMなどの電子励起によるX線分析装置にも適用することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれば、対向して配置した2基のX線分光器で同時に測定された特性X線強度の比を用いて、同時測定で得られた特性X線強度の加算値を補正するよう構成しているので、2基のX線分光器で測定された特性X線強度の単純加算では避けられない試料の凹凸による影響を補正し、高精度の元素分布分析を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子励起によるX線分析装置をEPMAに適用した構成例を示すブロック図である。
【図2】2つのX線検出器で検出されたX線強度曲線を示す図である。
【図3】2つのX線検出器で検出されたX線強度の加算曲線を示す図である。
【図4】2つのX線検出器で検出されたX線強度の強度比を示す曲線図である。
【図5】不規則凹凸面をもつ試料の一例を示す断面図である。
【図6】単純加算データをその最大値で正規化した値とX線強度比との関係を示す曲線図である。
【図7】X線強度比に対する補正係数を示す曲線図である。
【図8】電子線の照射された試料より放出される特性X線の態様を示す模式図である。
【図9】従来の試料面の傾きによるX線強度の変化を補正する手法の説明図である。
【図10】試料面の傾きによるX線強度の変化を説明するために用いる、単純形状の試料を示す断面図である。
【図11】2つの分光器により得られるX線強度曲線を示す図である。
【図12】2つの分光器により得られるX線強度の加算曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃
2 集束レンズ
3 対物レンズ
4 スキャンコイル
5 光学顕微鏡
6 試料
7 試料ステージ
8 電子線走査装置
9a,9b 分光結晶
10a,10b X線検出器
11 分光結晶駆動装置
12 信号処理回路
13 記憶装置
14 インタフェース
15 演算装置
16 データベース
17 ディスプレイ装置
18 入力装置
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an X-ray analysis apparatus by electronic excitation that enables an element distribution analysis of an uneven test sample to be performed with high accuracy.
[0002]
[Prior art]
An X-ray analyzer using electronic excitation, such as an electron probe microanalyzer (abbreviated as EPMA) or a scanning microscope (abbreviated as analytical SEM) equipped with an X-ray spectrometer, detects two elements present on the surface of a sample. By knowing the dimensional distribution, various knowledge about the sample is obtained.
[0003]
In such an X-ray analyzer, a wavelength dispersive X-ray spectrometer (abbreviated as WDS) or an energy dispersive X-ray spectrometer (abbreviated as EDS) is used as an X-ray spectrometer. However, the element distribution on the sample surface is measured by the following method.
[0004]
That is, the analysis region of the sample is divided into pixels in the X and Y directions, and X-rays are measured and stored for each pixel for a certain time. At this time, the spectral position is fixed at the peak position of the measurement element in WDS, and the integrated value from the multi-channel analyzer corresponding to the energy range including the peak of the measurement element is counted in EDS. Then, the X-ray intensity of each pixel is subjected to level analysis, and an appropriate color corresponding to each level is displayed as a color map on the screen. At this time, if the characteristic X-ray intensity is converted into the concentration using an appropriate standard sample, the color map can represent the concentration distribution of the element.
[0005]
By the way, as shown in FIG. 8A, the electron beam 102 irradiated to the sample 101 generates characteristic X-rays 103 having a wavelength peculiar to the element in the process of losing energy by being scattered by the atoms of the sample material. Let In FIG. 8A, I X is the measured characteristic X-ray intensity. Further, as indicated by a solid line in FIG. 8B, the X-ray generation intensity distribution in the depth direction (z) from the sample surface to the depth at which the electrons lose energy is called a normal generation function, and φ (ρz ). Where ρ is the density of the material, and therefore ρz is the mass depth.
[0006]
Characteristic X-rays generated inside the sample are absorbed before exiting the sample (in a vacuum). Assuming that the spectroscope is entered at the take-out angle θ with respect to the sample surface, the measured X-ray intensity I X is expressed by the following equation.
I X = ∫φ (ρz) · exp (−χ · ρz) d (ρz)
Here, χ = (μ / ρ) cosecθ, and μ / ρ is a mass absorption coefficient.
[0007]
That is, the characteristic X-ray intensity I X of the element actually measured by the X-ray detector is the concentration of the element, the composition of the coexisting element (element coexisting with the element of interest), the mass absorption coefficient of the characteristic X-ray, etc. In addition to the physical constant inherent to the substance, it depends on the X-ray extraction angle θ, that is, the inclination of the sample surface to be analyzed.
[0008]
As described above, since the X-ray intensity measured by the X-ray detector varies depending on the inclination of the sample surface, it is necessary to correct the change in the X-ray intensity due to the inclination of the sample surface. Conventionally, in order to correct the change in the X-ray intensity due to the inclination of the sample surface, as shown in FIGS. 9A and 9B, two or more X-ray spectrometers 201a and 201b are irradiated onto the sample 101. A technique is known in which the electron beam 102 is arranged so as to face each other and the correction data is calculated by adding the detection data obtained by the plurality of X-ray spectrometers.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method of correcting by simply adding the detection values obtained by arranging a plurality of X-ray spectrometers facing each other as described above, for example, in FIG. 9B, the extraction angle (angle with respect to the tangent) is Δθ. The decrease in the detected X-ray intensity by the spectroscope 201a that has become smaller cannot be supplemented by the increase in the detected X-ray intensity by the spectroscope 201b that has increased the extraction angle Δθ, and the correct element distribution cannot be obtained. There is. In order to simplify the explanation of this problem, as shown in the cross-sectional view of FIG. 10, a sample 303 having a cylindrical portion 301 having a uniform upper end surface and a disc-shaped substrate portion 302 is used. An example in which two spectroscopes 201a and 201b are arranged at positions parallel to the substrate surface of the sample substrate unit 302 and facing the center line will be described.
[0010]
In addition, the arrangement positions of the spectroscopes 201a and 201b in FIG. 10 are schematically shown. For each region in the diameter direction of the sample 303 having the above-described shape, the spectroscopes 201a and 201b have X It shall be arranged so that the line strength can be obtained. That is, the characteristic X-rays from the regions a to b can be spectrally detected by both the spectrometers 201a and 201b. The characteristic X-rays from the regions b to c can be spectrally detected by the spectroscope 201a, but in the spectroscope 201b, the characteristic X-rays are kicked by the side surface of the cylindrical portion 301 of the sample 303, which makes the spectral detection impossible region. In the areas c to d, the spectroscopic detection can be performed by any of the spectroscopes 201a and 201b, but the X-ray intensity by the spectroscope 201a is larger than the X-ray intensity by the spectroscope 201b. In the regions d to e, the spectroscopic detection can be performed by any of the spectroscopes 201a and 201b, but the X-ray intensity by the spectroscope 201b is larger than the X-ray intensity by the spectroscope 201a. The characteristic X-rays from the regions ef can be spectrally detected by the spectroscope 201b, but in the spectroscope 201a, the characteristic X-rays are kicked on the side of the cylindrical portion 301 of the sample 303, which is a spectrally undetectable region. It is assumed that characteristic X-rays from the regions f to g can be spectrally detected by both the spectrometers 201a and 201b. In addition, depending on the shape of the sample, there may be a region that is not spectrally detected by either of the two spectrometers. In the present invention, a sample having such a region is excluded from the target, and thus such a region is excluded. Is not present in the sample shown in FIG.
[0011]
Assuming that characteristic X-rays can be obtained by two spectrometers in the above-described manner, the change in the X-ray intensity I X obtained by these spectrometers 201a and 201b is shown in FIG. It becomes like this. In FIG. 11, the X-ray intensity obtained by the X-ray spectrometer 201a is indicated by a solid line A, and the X-ray intensity obtained by the X-ray spectrometer 201b is indicated by a dotted line B. The X-ray intensity I X is I 0 is the horizontal area sample surface, the spectrometer 201a, an X-ray intensity obtained in 201b, I m is the characteristic X-ray take-up angle of the spectroscope 201a or 201b This is the X-ray intensity at the portion where the angle is 90 °, that is, the maximum X-ray intensity. In FIG. 11, the sensitivity of the two X-ray spectrometers 201a and 201b is shown to be equal. However, when the sensitivity of the two X-ray spectrometers is different, the same standard sample is used in advance to obtain a horizontal state. If the X-ray intensity is accurately measured and the correction constant is obtained, it can be easily converted when the sensitivity is equal.
[0012]
If the X-ray intensities obtained by the two X-ray spectrometers 201a and 201b shown in FIG. 11 are added to correct by adding the X-ray intensities obtained by the two X-ray spectrometers based on the conventional method, X-ray intensity characteristics as shown in FIG. 12 are obtained. Since the sample shown in FIG. 10 has a uniform composition, the sum of the X-ray intensities obtained by the two X-ray spectrometers 201a and 201b should originally be 2I 0 in any region. It is. However, as is apparent from FIG. 12, it can be seen that the correct element distribution cannot be obtained by simply adding the X-ray intensities obtained by the two X-ray spectrometers 201a and 201b.
[0013]
When the sample has a regular and simple shape like the cylindrical sample shown in Fig. 10 and the curvature is known, the extraction angle of each part is obtained by some method, and the X-ray intensity is added by calculation. It is possible to correct the value. However, such a sample is extremely rare, and an actual sample generally has irregular irregularities. For samples with irregular irregularities, even if a correction result is obtained by addition, it is possible to accurately determine whether the change in X-ray intensity is due to the irregular shape or the composition. I can't judge.
[0014]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems of the element distribution analysis method in the conventional X-ray analysis apparatus based on the addition correction method, and is an electron that can perform element distribution analysis of uneven samples with high accuracy. An object is to provide an X-ray analyzer by excitation.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 performs element distribution analysis of a sample by irradiating the sample placed on the sample stage with an electron beam and detecting characteristic X-rays generated from the sample surface. In the X-ray analysis apparatus based on electron excitation , two X-rays having the same X-ray extraction angle from the sample surface perpendicular to the irradiation axis of the electron beam at positions opposed to the electron beam irradiating the sample. The spectroscope is arranged, the electron beam or the sample stage is scanned two-dimensionally, the added value of the characteristic X-ray intensity simultaneously measured by the X-ray spectrometer, and the analysis site of the sample measured by each X-ray spectrometer Means for obtaining an intensity ratio representing a difference in each characteristic X-ray intensity according to the surface inclination of the element, and correcting the added value based on the intensity ratio of the characteristic X-ray intensity, and an element distribution map based on the corrected added value And means for creating It is intended.
According to a second aspect of the present invention, in the X-ray analyzer using electronic excitation according to the first aspect, the correction coefficient for correcting the added value is the intensity ratio and the added value in the element distribution map. It is obtained based on the correlation with the value obtained by dividing the added value of the characteristic X-rays by the maximum value.
[0016]
In this way, the difference between the characteristic X-ray intensities according to the addition value of the characteristic X-ray intensities simultaneously measured by the two X-ray spectrometers and the surface inclination of the analysis site of the sample measured by each X-ray spectrometer. obtains the intensity ratio that represents the so and corrects the added value on the basis of the intensity ratio, the fixed relationship between the added value and the X-ray intensity ratio, the addition value is accurately corrected, simple addition Therefore, it is possible to eliminate the influence of unevenness that is unavoidable depending on the condition, and to obtain a highly accurate element distribution analysis result.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments will be described. FIG. 1 is a block diagram showing a configuration example in which an X-ray analyzer using electronic excitation according to the present invention is applied to EPMA. In FIG. 1, 1 is an electron gun of EPMA, 2 is a focusing lens, 3 is an objective lens, 4 is a scan coil, 5 is an optical microscope, 6 is a test sample for surface analysis, 7 is a sample stage including a driving device, 8 is an electron beam scanning device for driving the scan coil 4, 9a and 9b are WDS spectral crystals arranged opposite to each other with respect to the electron beam from the electron gun 1 irradiated on the sample 6, 10a and 10b are spectral crystals 9a, X-ray detector for detecting characteristic X-rays separated by 9b, 11 for spectral crystal driving device for wavelength scanning of WDS, 12 for signal processing device for X-ray signals detected by X-ray detectors 10a and 10b , 13 is a storage device for X-ray intensity data, 14 is an interface for the electron beam scanning device 8 and the spectral crystal drive device 11, 15 is an arithmetic unit for controlling the EPMA device and various processing of collected data, and 16 is for storing various data. Database for , 17 is a display device, and 18 is an input device such as a mouse or a keyboard. The electron beam passage, the sample, and the X-ray passage are placed in a vacuum of about 1.3 × 10 −3 Pa.
[0018]
Next, the operation of the embodiment configured as described above will be described. The sample 6 placed on the sample stage 7 is irradiated with an electron beam from the electron gun 1, and is emitted from the surface of the sample while relatively scanning the electron beam or the sample stage 7, and spectrally separated by the spectral crystals 9a and 9b. The detected characteristic X-rays are detected by the X-ray detectors 10a and 10b at the same time or under the same conditions that can be regarded as being taken simultaneously. At this time, when the shape of the sample 6 is similar to that shown in FIG. 10, X-ray intensity curves A and B similar to those shown in FIG. 11 are obtained as shown in FIG. In FIG. 2, an X-ray intensity curve A indicated by a solid line is obtained by the X-ray detector 10a, and an X-ray intensity curve B indicated by a dotted line indicates that obtained by the X-ray detector 10b. . Further, when the simple addition data (A + B) of the characteristic X-ray intensity curves A and B is obtained by the arithmetic unit 15, an addition curve similar to that shown in FIG. 12 is obtained as shown by a solid line in FIG.
[0019]
Next, at each position in FIG. 2, the ratio R of the characteristic X-ray intensities obtained by the two X-ray detectors 10a and 10b is similarly calculated by the arithmetic unit 15. At this time, in the X-ray intensity curves A and B, the characteristic X-ray intensity ratio R is determined as R = B / A in the region of A> B and R = A / B in the region of A <B. The calculation result is shown in FIG. The value of the characteristic X-ray intensity ratio R is slightly different depending on the value of χ = (μ / ρ) cosecθ. In addition, since actual data varies as shown by dots in FIG. 4 due to statistical fluctuations in X-ray intensity, an actual curve is obtained by a polynomial least square method.
[0020]
From the graph of the characteristic X-ray intensity ratio R shown in FIG. 4, when R = 1, it is necessary to correct the added data (A + B) of the X-ray intensity curves A and B obtained by the two X-ray detectors. However, when R = 0 (b to c and e / f region), the value of the addition data (A + B) (actually either A or B) may be doubled. I understand. Further, in the areas c to d to e, there is a correlation between the addition data (A + B) curve shown in FIG. 3 and the curve representing the X-ray intensity ratio R shown in FIG. As the degree of convexity of the X-ray intensity ratio R curve shown increases, the degree of convexity of the added data (A + B) curve shown in FIG. 3 also increases. This relationship can be obtained in advance using the quantitative correction theory of EPMA.
[0021]
Using this relationship, a coefficient for correcting the value of the addition data (A + B) can be obtained based on the value of the X-ray intensity ratio R obtained from the actual sample. Actually, as shown in FIG. 5, even in the case of the sample 6 having irregular irregularities on the surface, for example, when considering inclined surfaces (1), (2), (3) in different directions, Such inclined surfaces (1), (2), and (3) can be considered as corresponding to any part of the sample 303 in the simple form shown in FIG. This correction can be handled in the same way as a simple sample.
[0022]
The X-ray intensity ratio R is plotted on the horizontal axis, and the simple addition data (A + B) normalized by its maximum value (A + B) max (A + B) / (A + B) max > 0.5 is plotted on the vertical axis. Is plotted, a curve as shown in FIG. 6 is obtained. When the reciprocal of this curve is obtained, a correction coefficient curve for the X-ray intensity ratio R as shown in FIG. 7 is obtained. By multiplying the simple addition data (A + B) by the correction coefficient indicated by the correction coefficient curve, corrected addition data is obtained as shown by a two-dot chain line in FIG. X-ray intensity distribution obtained by accurately correcting the above, that is, the element distribution result on the sample surface is obtained. Based on this, an element distribution map can be created and displayed on the display device.
[0023]
In the above-described embodiment, the WDS is used as the X-ray spectrometer. However, the present invention can of course be applied to an EDS using the X-ray spectrometer, and only EPMA. The present invention can also be applied to an X-ray analyzer using electronic excitation such as an analytical SEM.
[0024]
【The invention's effect】
As described above based on the embodiments, according to the present invention, it can be obtained by simultaneous measurement using the ratio of characteristic X-ray intensities measured simultaneously by two X-ray spectrometers arranged opposite to each other. Since the characteristic X-ray intensity addition value is corrected, the influence of the unevenness of the sample, which cannot be avoided by simple addition of the characteristic X-ray intensity measured by two X-ray spectrometers, is corrected. Accurate element distribution analysis can be performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration example in which an X-ray analyzer using electronic excitation according to the present invention is applied to EPMA.
FIG. 2 is a diagram showing X-ray intensity curves detected by two X-ray detectors.
FIG. 3 is a diagram showing an addition curve of X-ray intensities detected by two X-ray detectors.
FIG. 4 is a curve diagram showing intensity ratios of X-ray intensities detected by two X-ray detectors.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing an example of a sample having irregular irregular surfaces.
FIG. 6 is a curve diagram showing a relationship between a value obtained by normalizing simple addition data with the maximum value and an X-ray intensity ratio.
FIG. 7 is a curve diagram showing a correction coefficient for an X-ray intensity ratio.
FIG. 8 is a schematic diagram showing an aspect of characteristic X-rays emitted from a sample irradiated with an electron beam.
FIG. 9 is an explanatory diagram of a conventional method for correcting a change in X-ray intensity due to a tilt of a sample surface.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a sample having a simple shape used for explaining a change in X-ray intensity due to the inclination of the sample surface.
FIG. 11 is a diagram showing X-ray intensity curves obtained by two spectrometers.
FIG. 12 is a diagram showing an X-ray intensity addition curve obtained by two spectrometers.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Electron gun 2 Focusing lens 3 Objective lens 4 Scan coil 5 Optical microscope 6 Sample 7 Sample stage 8 Electron beam scanning device 9a, 9b Spectroscopic crystal
10a, 10b X-ray detector
11 Spectroscopic crystal drive
12 Signal processing circuit
13 Storage device
14 Interface
15 Arithmetic unit
16 database
17 Display device
18 Input device

Claims (2)

試料ステージに載置した試料に電子線を照射し、試料表面から発生する特性X線を検出して試料の元素分布分析を行うようにした電子励起によるX線分析装置において、試料を照射する電子線に関して対向する位置に該電子線の照射軸に対して垂直な試料面からのX線取り出し角度が同じである2基のX線分光器を配置し、電子線又は試料ステージを二次元的に走査して該X線分光器で同時に測定された特性X線強度の加算値と各X線分光器で測定された試料の分析部位の面傾斜に応じた各特性X線強度の違いを表す強度比を求める手段と、前記特性X線強度の強度比に基づいて前記加算値を補正し、該補正加算値に基づいて元素分布マップを作成する手段とを備えていることを特徴とする電子励起によるX線分析装置。Electrons that irradiate a sample in an X-ray analyzer by electron excitation that irradiates a sample placed on the sample stage with an electron beam, detects characteristic X-rays generated from the sample surface, and performs element distribution analysis of the sample. Two X-ray spectrometers having the same X-ray extraction angle from the sample surface perpendicular to the irradiation axis of the electron beam are arranged at positions opposite to the line, and the electron beam or the sample stage is two-dimensionally arranged. Intensities representing the difference between the characteristic X-ray intensities according to the surface inclination of the analysis site of the sample measured by each X-ray spectrometer and the added value of the characteristic X-ray intensity simultaneously scanned and measured by the X-ray spectrometer Electronic excitation comprising: means for obtaining a ratio; and means for correcting the added value based on the intensity ratio of the characteristic X-ray intensity and creating an element distribution map based on the corrected added value X-ray analyzer. 前記加算値を補正するための補正係数は、前記強度比と前記元素分布マップ中の前記加算値の最大値で前記特性X線の加算値を除した値との相関関係に基づいて求められることを特徴とする請求項1に係る電子励起によるX線分析装置。A correction coefficient for correcting the added value is obtained based on a correlation between the intensity ratio and a value obtained by dividing the added value of the characteristic X-ray by the maximum value of the added value in the element distribution map. An X-ray analyzer using electronic excitation according to claim 1.
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