JP3950361B2 - 搬送工程における搬送計画作成方法及び装置、搬送制御方法及び装置、コンピュータプログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

搬送工程における搬送計画作成方法及び装置、搬送制御方法及び装置、コンピュータプログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送工程における搬送計画作成方法及び装置、搬送制御方法及び装置、コンピュータプログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、特に、異なる複数の経路で複数の製品を搬送するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼を始めとする多くの産業における製造プロセスでは、複数の製品を異なる複数の工程で処理して製造しており、また、それら製造工程間で複数の製品を異なる複数経路で搬送している。
【0003】
上記複数の製品を搬送する搬送装置としては、クレーン、搬送台車、及びトレーラ等、用途や目的に応じて様々な種類の装置が用いられる。
【0004】
従来、これら搬送装置における搬送計画の作成や制御は、人手によって行われている。この場合、新たな搬送命令が発生した場合には、現在搬送作業を行っていない搬送装置のうち、最も近くにあるものを選択して、新たな搬送作業を割り当てるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で述べたような方法では、搬送すべき工程の数や、製品の数が多い場合には、搬送装置同士の競合や干渉等を考慮することが難しく、特に、同一搬送路上を複数の搬送装置が移動するクレーンや搬送台車等では、他の搬送装置の移動によって搬送作業が待たされたり、待避させられたりすることで、作業が非常に非効率で時間がかかることが多かった。
【0006】
そこで、本発明は、搬送装置同士の競合や干渉を考慮した効率的な搬送計画を作成して、製品を搬送するための制御を高速で実現することができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の搬送工程における搬送計画作成方法は、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成方法であって、入力手段が搬送予定の製品に対する搬送作業の予定を入力するステップと、ペトリネットモデル構築手段が上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程をプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎及び搬送装置毎に構築するステップと、適用度行列作成手段が上記ペトリネットモデル構築手段により構築されたペトリネットモデルを用いて、上記搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記製品の夫々に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成するステップと、関係式作成手段が上記適用度行列作成手段により作成された適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる関係式を、搬送装置及び製品に対する制約である、上記搬送装置及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約、から作成するステップと、搬送命令作成手段が上記関係式作成手段により作成された関係式を用いて、上記適用度行列作成手段により作成された適用度行列の各要素の値の変化分を、上記適用度行列の各要素の初期値から出発して求め、求めた変化分を各要素に加え合わせる操作を繰り返して収束計算し、その結果から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定するステップと、搬送計画出力手段が上記搬送計命令作成手段により作成された各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻の決定結果を出力装置に出力するステップと、を含む点に特徴を有する。
本発明の他の特徴とするところは、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成方法であって、入力手段が搬送予定の製品に対する搬送作業の予定を入力するステップと、ペトリネットモデル構築手段が上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するステップと適用度行列作成手段が上記ペトリネットモデル構築手段により上記各搬送装置毎に構築されたペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成し、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成するステップと関係式作成手段が上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の上記各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成するステップと適用度行列計算対象判断手段が上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式作成手段により作成された関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、または製品を適用度行列計算対象に再び含めるステップと搬送命令作成手段が、上記関係式作成手段により作成された関係式によって上記適用度行列計算対象判断手段により適用度行列計算対象に含められた各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定を、搬送予定の全ての製品に対して行うステップと、搬送計画出力手段が上記搬送命令作成手段により作成された搬送予定の全ての製品に対する上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定の結果を出力装置に出力するステップと、を含む点に特徴を有する。
【0008】
本発明の搬送工程における搬送計画作成装置は、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成装置であって、搬送予定の製品に対する搬送要素作業の予定を入力する入力手段と、上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するペトリネットモデル構築手段と、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成する適用度行列作成手段と、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる刺激・抑制関係式を算出する刺激・抑制関係式算出手段と、上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記刺激・抑制関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、製品を適用度行列計算対象に再び含める判断を行う適用度行列計算対象判断手段と、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する搬送命令作成手段と、上記搬送命令の作成を、搬送予定の全ての製品に対して行い、その結果を出力する搬送計画出力手段とを具備する点に特徴を有する。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記搬送命令作成手段において、適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、複数のCPUを備えたコンピュータを用いて上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに同時に上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させる点にある。
【0009】
異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する処理と、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成する処理と、上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外する処理と、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める処理と、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定する処理と、上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定を、搬送予定の全ての製品に対して行う処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
【0010】
本発明の搬送工程における搬送制御方法は、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御方法であって、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築し、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成し、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成し、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成し、上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含め、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、上記決定された搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序に従い搬送装置を制御する点に特徴を有する。
【0011】
本発明の搬送工程における搬送制御装置は、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御装置であって、搬送予定の製品に対する搬送要素作業の予定を入力する入力手段と、上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するペトリネットモデル構築手段と、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成する適用度行列作成手段と、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる刺激・抑制関係式を算出する刺激・抑制関係式算出手段と、上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記刺激・抑制関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める判断を行う適用度行列計算対象判断手段と、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する搬送命令作成手段と、上記搬送命令に従って搬送装置を制御する制御手段とを具備する点に特徴を有する。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記搬送命令作成手段において、適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、複数のCPUを備えたコンピュータを用いて上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに同時に上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させる点にある。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムは、異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する処理と、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成する処理と、上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外する処理と、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める処理と、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻を決定する処理と、上記決定された搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序に従い搬送装置を制御する処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
【0013】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記コンピュータプログラムを格納した点に特徴を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の搬送工程における搬送計画作成方法及び装置、搬送制御方法及び装置、コンピュータプログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態の搬送工程における搬送計画作成装置は、入力手段1と、ペトリネットモデル構築手段2と、適用度行列作成手段3と、刺激・抑制関係式算出手段4と、記憶手段5と、適用度行列計算対象判断手段6と、搬送命令作成手段7と、搬送計画出力手段8とを具備しており、以下に述べるように、本実施の形態による製造プロセスにおける搬送計画作成方法を実施する。
【0016】
入力手段1は、搬送予定の製品に対する搬送要素作業の予定を入力するものであり、例えばキーボード等により構成される。
【0017】
ペトリネットモデル構築手段2は、上記入力手段1で入力された製品の搬送作業の予定から、搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する。
【0018】
適用度行列作成手段3は、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列Ghi(iは各搬送装置に対応する添字)を作成し、更に、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列Gi(iは各製品に対応する添字)を作成する。
【0019】
刺激・抑制関係式算出手段4は、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約関係を算出する。そして、上記算出した各制約関係から上記適用度行列Ghi及び適用度行列Giの各要素の値を増加又は減少させる変化分を計算するための、刺激・抑制関係式dgl(lは式番号を表す添字)、dLi,dRi、dCi(iは各々式番号を表す添字)を算出する。
【0020】
上記入力手段1により入力された搬送作業の予定、上記ペトリネットモデル構築手段2によって求められたペトリネットモデル、上記適用度行列作成手段3によって求められた適用度行列Ghi、Gi、及び上記刺激・抑制関係式算出手段4により求められた刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiは、搬送命令作成手段7において実際に搬送命令を作成する際に使用するために、記憶手段5に記憶されて保存される。
【0021】
適用度行列計算対象判断手段6は、上記記憶手段5に記憶された搬送作業の予定、ペトリネットモデル、各搬送装置、各製品の適用度行列Ghi、Gi、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCi、及び適用度行列Ghi、Giの各要素の搬送命令作成手段7に於ける、後述する収束計算の途中での値から、各搬送装置、各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が生じているものを、適用度行列の計算対象に含める判断を行う。
【0022】
搬送命令作成手段7は、上記記憶手段5に記憶されたペトリネットモデル、適用度行列Ghi、Gi、刺激・抑制関係式dgl、dLi、dRi、dCiから、上記適用度行列計算対象判断手段6によって適用度行列の計算対象と判断された各搬送装置、各製品について、上記適用度行列Ghi、Giの各要素の値の変化分を計算する。そして、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する。
【0023】
上記搬送命令作成を、搬送予定の全ての製品に対して行い、その結果を搬送計画出力手段8により、図示しないディスプレイやプリンタ等の出力装置に出力する。
【0024】
なお、上述したペトリネットモデル構築手段2、適用度行列作成手段3、刺激抑制関係式算出手段4、記憶手段5、適用度行列計算対象判断手段6、搬送命令作成手段7、及び搬送計画出力手段8は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)等からなるマイクロコンピュータによって構成されている。
【0025】
また、複数のCPUを備えたコンピュータで構成する場合には、適用度行列の計算対象に含まれる各搬送制御装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに対して、同時に前記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させることによって、適用度行列を求める計算を高速で行うことが可能となる。
【0026】
上記計算処理を複数のCPUに割り振る方法としては、例えば上記各搬送装置毎、各製品毎の適用度行列計算を独立スレッドでプログラミングし、コンピュータのオペレーティングシステムのマルチスレッドプログラミング機能を用いて実現することが出来る。
【0027】
上記のような構成によって実現される本実施の形態の搬送工程における搬送計画作成方法では、まず第1に、搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する。
【0028】
そして、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列Ghiと、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列Giを作成する。
【0029】
上記適用度行列Ghi、Giは、例えば、各プレースを行、各動作時刻ステップを列とする行列とする。更に、上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約関係を算出し、上記各制約関係から上記適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる変化分を計算するための、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiを算出する。
【0030】
第2に、ペトリネットモデル、各搬送装置、各製品の適用度行列Ghi、Gi、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCi、及び適用度行列Ghi、Giの各要素の搬送命令作成手段7に於ける後述する収束計算の途中での値から、各搬送装置、各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、製品を、適用度行列計算対象から除外する。
【0031】
また、適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が再び発生した搬送装置、製品を適用度行列計算対象に含める判断を行い、適用度行列計算対象と判断された各搬送装置、各製品について、ペトリネットモデル、適用度行列Ghi、Gi、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiから、上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、それを上記適用度行列の各要素の値に加えて、新たな適用度行列を求める。
【0032】
そして、上記計算を複数回繰り返す収束計算を行い、値が収束したところで適用度行列Ghi、Giの確定値を求める。上記搬送装置に対する適用度行列Ghiの確定値の要素のうち、各動作時刻ステップ毎に、例えば値が最も大きい要素に対応するプレースを選択し、各動作時刻ステップに対して選択されたプレースを結ぶことで、各搬送装置の起点から終点までの軌道と、軌道上の移動のタイムチャートを決定する。
【0033】
また、上記各製品に対する適用度行列Giの確定値の要素のうち、1に近い値に収束しているものを選択し、各要素を動作時刻ステップ順に順次結ぶことで、各製品の搬送作業のタイムチャートを決定する。そして、上記搬送装置及び製品搬送作業のタイムチャートから各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する。
【0034】
図2は、ペトリネットモデル、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiを算出するための処理手順の例を示すフローチャートである。即ち、まず搬送予定の製品に対する搬送作業の予定を入力し(ステップS1)、次に、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に、ペトリネットモデルを構築する(ステップS2)。
【0035】
更に、上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列Ghiと、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業毎を実行にすべき優先度を表す適用度行列Giを作成する(ステップS3)。上記適用度行列Ghi、Giの各要素の初期値にはそれぞれ適当な値を入力する。
【0036】
更に、上記搬送装置、上記製品の競合、干渉、順序制約、位置制約関係を算出し(ステップS4)、上記各制約関係から上記適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる変化分を計算するための、刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiを算出する(ステップS5)。
【0037】
また、図3は、上述のようにして算出したペトリネットモデル、適用度行列Ghi、Gi、及び刺激・抑制関係式dgl,dLi,dRi、dCiから、上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、それを上記適用度行列の各要素の値に加えて、新たな適用度行列を求め、上記計算を複数回繰り返す収束計算を行い、値が収束したところで適用度行列Ghi、Giの確定値を求め、上記適用度行列Ghi、Giの確定値から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する処理手順の例を示すフローチャートである。
【0038】
即ち、最初に、収束計算のステップkをゼロとし、適用度行列Ghi(iは各搬送装置に対応する添字)の各要素ghi(p,j,k)の初期値ghi(p,j,0)として適当な値を入力する。同様に、適用度行列Gi(iは各製品に対応する添字)の各要素Si(iは要素番号を表す杯字)の3つの適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)の初期値L(Si,0)、R(Si,0)、C(Si,0)として適当な値を入力する(ステップS1)。ここで、pはプレース、jは搬送装置の動作時刻ステップ、kは集束計算のステップである。
【0039】
次に、計算ステップを一つ進め(k=k+1)(ステップS2)、適用度行列計算対象の搬送装置の適用度行列Ghiについて、刺激・抑制関係式dglから、各要素ghi(p,j,k-1)の変化分dghi(p,j,k)を計算し、各要素ghi(p,j,k-1)とその変化分dghi(p,j,k)を加え合わせることで、各要素ghi(p,j,k)の新たな値を算出する(ステップS3)。同様に、適用度行列の計算対象の製品における適用度行列Giについて、刺激・抑制関係式dLi,dRi,dCiから、各要素Siの適用度変数L(Si,k-1)、R(Si,k-1)、C(Si,k-1)の変化分dL(Si,k)、dR(Si,k)、dC(Si,k)を計算する。そして、適用度変数L(Si,k-1)、R(Si,k-1)、C(Si,k-1)と、その変化分dL(Si,k)、dR(Si,k)、dC(Si,k)をそれぞれ加え合わせることで、適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)の新たな値を算出する(ステップS4)。
【0040】
上記計算のステップS3、ステップS4に於ける適用度行列の計算対象の判断は、以下の様にして行う。まず、各搬送装置については、各要素ghi(p,j,k)の変化分dghi(p,j,k)の各要素ghi(p,j,k)に対する割合が、予め定めた判断基準値ε1より小さくなった場合、即ち以下の式(1)を満たす場合に、定常状態に至ったと判断し、適用度行列の計算対象から除外する。
−ε1<dghi(p,j,k)/ghi(p,j,k)<ε1・・・(1)
【0041】
同様に各製品については、全ての要素Siに対して、適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)の変化分dL(Si,k)、dR(Si,k)、dC(Si,k)のそれぞれ適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)に対する割合が、予め定めた判断基準値ε1より小さくなった場合、即ち以下の式(2)、式(3)、式(4)を満たす場合に、定常状態に至ったと判断し、適用度行列計算対象から除外する。
−ε1<dL(Si,k)/L(Si,k)<ε1・・・(2)
−ε1<dR(Si,k)/R(Si,k)<ε1・・・(3)
−ε1<dC(Si,k)/C(Si,k)<ε1・・・(4)
【0042】
また、前回の収束計算ステップ(k−1)に対して、収束計算ステップkに於けるいずれかの搬送装置の軌道(後述するω(hi,k))に変化が生じた場合、或いはいずれかの製品の適用度行列Giの各要素Siの適用度行列Gi上での配置、即ち収束計算ステップkに於ける製品配置に変化が生じた場合に、他の搬送装置、他の製品との間で競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が新たに生じる可能性がある為、今まで適用度行列の計算対象外であった各搬送装置、各製品に対しても、適用度行列の計算を行う。その結果、上記の式(1)を満たさない搬送装置、及び式(2)、式(3)、式(4)を満たさない製品については、定常状態に至っていないと判断し、再び適用度行列計算対象に含める(ステップS5)。
【0043】
上記ステップS2からステップS4の計算を複数回繰り返し、各要素ghi(p,j,k)の変化分dghi(p,j,k)の各要素ghi(p,j,k)に対する割合、及び適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)の変化分dL(Si,k)、dR(Si,k)、dC(Si,k)のそれぞれ適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)に対する割合が、予め定めた収束条件値ε2より小さくなったかどうか、即ち下記の式(5)、式(6)、式(7)、式(8)を全て満たすかどうか判断し(ステップS6)、小さくなった時点(全て満たした時点)で収束計算を完了し、適用度行列Ghi、Giの確定値を求める(ステップS7)。
−ε2<dghi(p,j,k)/ghi(p,j,k)<ε2・・・(5)
−ε2<dghi(p,j,k)/ghi(p,j,k)<ε2・・・(6)
−ε2<dghi(p,j,k)/ghi(p,j,k)<ε2・・・(7)
−ε2<dghi(p,j,k)/ghi(p,j,k)<ε2・・・(8)
【0044】
そして、上記適用度行列Ghi、Giの確定値から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する(ステップS8)。
【0045】
なお、上記適用度行列計算対象判断基準値ε1と収束条件値ε2は同じ値としても良く、その場合には、全ての搬送装置、全ての製品が適用度行列の計算対象から除外された時に収束計算が完了することになる。
【0046】
上述した本実施の形態の搬送工程における搬送計画作成方法を応用した搬送制御装置は、図4に示すように構成される。即ち、本実施の形態の搬送制御装置は、図4に示すように、入力手段1と、ペトリネットモデル構築手段2と、適用度行列作成手段3と、刺激・抑制関係式算出手段4と、記憶手段5と、適用度行列計算対象判断手段6と、搬送命令作成手段7と、制御手段8’とを具備しており、以下に述べるように、本実施の形態による搬送工程における搬送制御方法を実施する。なお、図4において、図1に示したブロックと同じブロックには同一の符号を付している。制御手段8’は、搬送命令作成手段7によって算出された、各搬送要素作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻によって、搬送装置9の制御を行う。
【0047】
図1に示した搬送計画作成装置では、上記搬送命令作成を、搬送予定の全ての製品に対して行い、その結果を搬送計画出力手段7により搬送計画として出力するが、図4に示した搬送制御装置では、1つの製品の搬送作業予定に対する搬送命令を算出する毎に、対象となる搬送装置の制御をリアルタイムに順次行う。
【0048】
なお、上述したペトリネットモデル構築手段2、適用度行列作成手段3、刺激・抑制関係式算出手段4、記憶手段5、適用度行列計算対象判断手段6、搬送命令作成手段7、制御手段8’は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)等からなるマイクロコンピュータによって構成される。
【0049】
また、複数のCPUを備えたコンピュータで構成する場合には、適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに同時に上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させることによって、適用度行列を求める計算を高速で行うことが可能となる。
【0050】
次に、図4のように構成した本実施の形態による搬送工程における搬送計画作成装置の基本的な動作を、以下に示す具体例に即して説明する。
【0051】
図5は、本具体例で取り扱う、2台のクレーンによる4つの製造工程聞の搬送作業を示す図である。同一軌道上に2台のクレーンA,Bが装備されており、クレーンAが左側に設置されている。工程は左から順に、第1の工程(クレーンの位置では第1の場所に対応する)、第2の処理工程(クレーンの位置では第2の場所に対応する)、第3の処理工程(クレーンの位置では第3の場所に対応する)、及び第4の処理工程(クレーンの位置では第4の場所に対応する)である。いま、簡単のために、上記各場所間の中間位置は考慮せず、クレーンは第1の場所から第4の場所のいずれかに存在するものとする。ここで、クレーンAは第1の場所から第3の場所の間を移動することが可能であり、クレーンBは第2の場所から第4の場所の間を移動することが可能である。
【0052】
このような搬送工程に対して、以下に述べる2つの製品に対する搬送予定が与えられた場合を考える。
第1の製品:第1の処理工程での処理後、第1の場所から第2の場所に搬送し、続けて、各処理工程での処理を行いながら、第3の場所及び第4の場所に順次搬送する。
第2の製品:第4の処理工程での処理後、第4の場所から第3の場所に搬送し、続けて、第3の処理工程での処理後、第2の場所に搬送する。
ここで、各処理工程での処理に要する時間、及び各隣接処理工程(隣接する場所)へのクレーンA、Bの移動所要時間は、それぞれ共に1単位時間(1動作時刻ステップ)であるとする。
【0053】
〔ペトリネットモデル構築〕
図6は、上記2台のクレーンA、Bに対して作成されたペトリネットモデルを表す図である。ここで、第1のプレース〜第4のプレース(p1〜p4)は、それぞれ第1の場所〜第4の場所に対応する。プレースにトークンが存在することは、その場所にクレーンが存在することを表す。第1の場所から第2の場所への移動はクレーンAのみで可能であり、第3の場所から第4の場所への移動はクレーンBのみで可能である。
【0054】
図7は、上記2つの製品(第1の製品、第2の製品)の搬送作業に対して作成したペトリネットモデルを表す図である。ここでも、クレーンのペトリネットモデルの場合と同様に、プレースにトークンが存在することは、その場所に製品が存在することを表す。
第1の場所から第2の場所への移動はクレーンAのみで可能であり、第3の場所から第4の場所への移動はクレーンBのみで可能である。
【0055】
〔適用度行列作成〕
本具体例で用いるクレーンA、Bの適用度行列Ghi(i=A又はi=B)の一般的な形を、下記の式(9)に示す。
【0056】
【数1】
Figure 0003950361
【0057】
ここで、行列の各要素ghi(p,j,k)は、搬送装置i(i=A又はi=B)が動作時刻ステップjにおいてプレースpに配置されるべき優先度を表し、1に近づくほど優先度が高く、0に近づくほど優先度が低いことを表す。また、mはプレース数、nは動作時刻ステップ数を表す。
【0058】
本具体例では、図6に示すように、クレーンAの適用度行列GhA(クレーンA)と、クレーンBの適用度行列GhB(クレーンB)におけるプレース数mは共に4となる。
【0059】
一方、動作時刻ステップ数nについては、予定されている搬送作業が十分終了可能な値を適当に設定すればよい。ここでは、クレーンA、Bの適用度行列GhA、GhBにおける動作時刻ステップ数nは共に10とする。
【0060】
下記の式(10)に、上記適用度行列の各要素の値を収束計算で計算するときの計算式を示す。
ghi(p,j,k)=ghi(p,j,k-1)+dghi(p,j,k)・・・(10)
ここで、kは収束計算実行のステップ番号を表す。
【0061】
下記の式(11)に、上記式(10)における各要素の変化分dghi(p,j,k)を計算する時の計算式を示す。
【0062】
【数2】
Figure 0003950361
【0063】
上記式(11)は各搬送装置に共通であり、dg1のパラメータhiは、それが搬送装置iについての値であることを示す。上記4つの式は、後述するように、各クレーン同士、及び各クレーンと各製品の間の各種制約により、適用度行列Ghiの各要素ghiの値を増減させる変化分を与えるものである。
【0064】
ここで、各収束計算ステップにおける各要素ghi(p,j,k)の値には、下記の式(12)で与えられる制約を設けて計算を行う。
0<ghi(p,j,k)<MaxG=1.3・・・(12)
ここで、各要素ghiの値の上限をMaxG(=1.3)とする理由は、各要素ghiは、0から1の間の値に収束させることを想定しており、収束計算の途中でこの範囲を大きく外れないようにするためである。
【0065】
図8には、本具体例に用いる第1の製品の搬送作業における適用度行列G1の一般的な形を示す。
ここで、行列の大きさは上記クレーンの適用度行列と同じく、縦がプレース数4、横が動作時刻ステップ10である。
【0066】
例えば、要素S2がプレースp1(第1の場所に対応するプレース、以下同じ)からプレースp2への搬送の開始、要素S3が終了であり、要素S2と要素S3のペアでプレースp1からプレースp2への搬送作業を表す(図中実線で表す)。他の搬送作業についても同様である。ここで、このような要素のペアをei(=(Si1,Si2))で表す。iはペアの番号であり、Si1は左側(動作時刻ステップjの小さい側)の要素、Si2は右側の要素である。プレースp2からプレースp3への搬送作業は、クレーンAによる場合とクレーンBによる場合の2つの選択肢があるため、2組のペア(要素S4と要素S5、要素S6と要素S7)が存在する。即ち、適用度行列G1の同一位置(同一プレース且つ同一動作時刻ステップ)に2つの要素が存在する。これら2つの要素は、収束計算の結果としてどちらか片方が最終的に選択される。
【0067】
一方、搬送終了から次の搬送開始までの間は、処理工程での処理の区間と考えることができる。例えば、要素S3から要素S4の間は、第2の処理工程での処理に対応する(図中破線で表す)。図中において他の破線で示された部分についても同様である。
【0068】
各要素の縦位置(プレース)は、搬送命令によって決められており固定であるが、横位置(動作時刻ステップ)は、以下に説明する収束計算によって左右に移動し、収束後の位置及び適用度変数の値によって、動作時刻及びクレーン選択が決定される。
【0069】
同様に、図9には、第2の製品の搬送作業の適用度行例G2を示す。
【0070】
上記製品搬送作業の適用度行列G1、G2の各要素Siは、それぞれ以下の3つの適用度変数を持つ。
C(Si,k):要素Siを選択するかどうかを決定するための変数
L(Si,k):要素Siの左(動作時刻ステップjが小さい)方向への移動を決定する変数
R(Si,k):要素Siの右(動作時刻ステップjが大きい)方向への移動を決定する変数
【0071】
ここで、各動作時刻ステップにおける適用度変数L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)の値は、下記の式(13)で与えられる制約を設けて計算を行う。
0<L(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)<MaxG=1.3 ・・・(13)
【0072】
また、以下の変数を定義する。
St(Si、k):収束計算ステップkにおいて、要素Siが存在する横位置(動作時刻ステップj)
m(Si、k):収束計算ステップkにおいて、要素Siが存在する縦位置(プレース)
【0073】
下記の式(14)に、上記適用度行列の各要素の値を収束計算で計算するときの計算式を示す。
L(Si、k)=L(Si,k-1)+dL(Si,k)
R(Si,k)=R(Si,k-1)+dR(Si,k)
C(Si,k)=C(Si,k-1)+dC(Si,k) ・・・(14)
【0074】
下記の式(15)に、上記式(14)における各要素の変化分dL(Si,k)、dR(Si,k)、dC(Si,k)をそれぞれ計算するときの計算式を示す。
【0075】
【数3】
Figure 0003950361
【0076】
上記5組の式は、後述するように、各製品同士、及び各製品と各クレーンの間の各種制約により、適用度行列Giの各要素Siの適用度変数L、R、Cの値を変化させる変化分を与えるものである。
【0077】
上記収束計算の結果、L≫Cの場合、各要素Siは1動作時刻ステップ分左へシフトする(St(Si,k)=St(Si,k-1)+1)。また、R≫Cの場合、各要素Siは1動作時刻ステップ分右ヘシフトする(St(Si,k)=St(Si,k-1)+1)。一方、C>R、C>Lの場合には、各要素Siは移動しない。
【0078】
〔制約関係算出〕
搬送装置、製品の競合、順序制約について、2種類の制約関係を算出する。まず、製品搬送作業の適用度行列G1、G2の要素ペアei同士の、搬送装置選択による競合関係を下記の式(16)に示す。
Cn(ei,ei’)=1 :ei,ei’が競合する場合
Cn(ei,ei’)=0 :上記以外の場合 ・・・(16)
ただし、ei,ei’は適用度行列G1、G2における各要素Siのペアであり、各搬送作業に対応する。
【0079】
下記の式(17)に示すのは、第1の製品の適用度行列G1について、上記制約を表現する行列Cn(ei,ei’)である。ここで(ei,ei’)は上記行列のei行、ei’列の要素を表す。
【0080】
【数4】
Figure 0003950361
【0081】
ここで、例えば1行目の「(S2,S3)」の記載は、1行目の適用度行列G1の要素ペア(S2,S3)に対応していることを示す。他の行の記載、及び列についての記載も同様である。いま、例えば、Cn((S4,S5)、(S6,S7))の値が1であるのは、(S4,S5)がプレースp2からプレースp3への搬送に対するクレーンAの選択に対応し、(S6,S7)が同じ搬送作業に対するクレーンBの選択に対応し、両者が競合することを示す。他の要素についても同様である。
【0082】
次に、製品搬送作業の適用度行列G1、G2の要素同士の順序関係を下記の式(18)に示す。
Sq(Si,Si’)=1:SiがSi’に先行する場合
Sq(Si,Si’)=0:上記以外の場合 ・・・(18)
ただし、Si,Si’は適用度行列G1、G2における各要素を表す。
【0083】
下記の式(19)に示すのは、第2の製品の適用度行列G2について、上記制約を表現する行列Sq(Si,Si’)である。ここで(Si,Si’)は上記行列のSi行、Si’列の要素を表す。
【0084】
【数5】
Figure 0003950361
【0085】
各行、各列の記載の意味は、上記式(17)の場合と同様である。いま、例えばSq(Si,Si’)の値が1であるのは、要素S1が要素S2に先行する(動作時刻ステップjの小さい側に存在する)ことを示す。他の要素についても同様である。
【0086】
〔刺激・抑制関係式算出〕
以下の9種類の刺激・抑制関係式を算出する。
dg1からdg4;クレーンA、Bについての適用度行列GhA、GhBの要素に関する関係式。ただし、dg1からdg3はクレーン同士、dg4はクレーンと製品間の制約により与えられる関係式である。
dL1、dC1、dR1からdL5、dC5、dR5;製品搬送作業についての適用度行列G1、G2の要素Siに関する関係式。ただし、dL1、dC1、dR1からdL4、dC4、dR4は製品同士、dL5、dC5、dR5はクレーンと製品間の制約により与えられる関係式である。
【0087】
dg1からdg4の関係式は、クレーンA、B両方に対して共通であり、ここではそれを一般形hiで表す(クレーンAの場合はhA、クレーンBの場合はhB)。また、L1、C1、R1からL5、C5、R5までの関係式は、第1の製品及び第2の製品両方に共通であり、その要素を一般形Siで、要素ペアをeiで、要素Siの3つの適用度変数をL(Si,k)、R(Si,k)、C(Si,k)で表す。
【0088】
下記の式(20)に、dg1を表す式を示す。
dg1(hi,p,j,k)=a1(1−ghi(p,j,k-1)):ただし、pがω(hi,k-1)に属する動作時刻ステップj番目のプレースである場合
dg1(hi,p,j,k)=0:上記以外の場合 ・・・(20)
【0089】
ここで、ω(hi,k)は、適用度行列Ghi上の収束計算ステップkにおける、搬送装置動作の起点から終点までの軌道を表す。軌道の計算方法としては、収束計算ステップkにおける搬送装置に対する適用度行列Ghiの要素のうち、各動作時刻ステップ毎に、値が最も大きい要素に対応するプレースを選択し、各動作時刻ステップに対して選択されたプレースを結ぶことで得られる。例えば、4つのプレースp1、p2、p3、p4を順に移動する場合のω(hi,k)は、下記の式(21)で表される。この軌道ω(hi,k)は、収束計算の過程で、適用度行列の値が変化するのに応じて変化するものである。
ω(hi,k)=(p1,p2,p3,p4)・・・(21)
【0090】
a1は変化分の大きさを決める可変パラメータであり、適当な値を設定する。以降のパラメータa2からa9についても同様である。上記dg1の作用としては、現在のクレーン軌道上にある要素の適用度は1に近づける方向に、それ以外は0に近づける方向に変化させることで、クレーン軌道上とそれ以外の要素の適用度の差を大きく拡大し、軌道選択をより明確にする。
【0091】
下記の式(22)に、dg2を表す式を示す。
dg2(hi,p,j,k)=−a2・ghi(p,j,k-1)・Max[ghi(q,j,k-1)]
:ただし、qはhiに属するp以外のプレースを表す ・・・(22)
【0092】
dg2は、同じ時刻ステップに複数の異なったプレースp、qに同時に搬送装置が存在しないように作用するもので、ghi(p,j,k-1)が大きな適用度を持ったときに、dg2(hi,p,j,k)に負の大きな値を与え、ghi(q,j,k)の値を小さくするように作用する。
【0093】
下記の式(23)、式(24)に、dg3を表す式を示す。ただし、クレーンAがクレーンBの上流(プレースの小さい側)に常に存在することを前提とする。
【0094】
【数6】
Figure 0003950361
【0095】
dg3A、dg3BはそれぞれクレーンA、Bについての適用度に関する式であり、クレーン同士の追い越し禁止を表す。式(23)についてみると、クレーンBはクレーンAの下流に存在するはずが、クレーンAが存在するプレースpより上流のプレースqにおけるクレーンBの適用度ghB(q,j,k-1)の値が大きい場合には、両クレーンの位置が入れ替わっていることを示すから、クレーンAの1つ上流側のプレースp−1の適用度を大きくする(MaxGに近づける)ように作用する。同様に、式(24)では、クレーンBの1つ下流側のプレースp+1を大きくするようにする。これら2つの式の作用により、2台のクレーンの順序関係を正しく保つように働く。
【0096】
下記の式(25)、式(26)に、dL1,dR1を表す式を示す。
【0097】
【数7】
Figure 0003950361
【0098】
式(25)、式(26)は、製品搬送作業の適用度行例Giの要素Si、Si’の順序を正しく保つための関係式である。式(25)を見ると、Sq(Si,Si’)が1、即ち要素Siが要素Si’に先行すべきときに、St(Si,k-1)≧St(Si’,k-1)、即ち逆に要素Si’が要素Siに先行することに相当する状態で、適用度変数R、Cが大きな値をとる場合に、要素Siの適用度変数Lの値をMaxGに近づけるように刺激することで、要素Siを左(先行する方向)に移動させるように作用する。式(26)は、上記dL1をまったく逆に、要素Siが後行すべきときに関係が破られた場合に、要素Siを右に移動させることで関係を維持するように作用する。
【0099】
下記の式(27)、(28)、(29)、(30)に、dL2,dR2、及びdC2を表す式を示す。
【0100】
【数8】
Figure 0003950361
【0101】
式(27)〜式(30)は、搬送装置の選択に伴う競合関係による、要素ペア同士の抑制を行うための関係式である。式(30)で、Cn(ei,ei’)は、要素ペアeiと要素ペアei’が競合するときに1をとるマトリクスであり、その場合に要素ペアei’に対応する3つの適用度変数L,C,Rに大きな値が存在すると、Conc(ei,k)の値も大きくなる。したがって、要素ペアeiを構成する要素Siの関係式dL2,dR2、dC2は大きな負の値となり、要素ペアeiが抑制を受けることになる。
【0102】
下記の式(31)、式(32)、式(33)に、dL3,dR3、及びdC3を表す式を示す。
Figure 0003950361
【0103】
式(31)〜式(33)は、要素毎の3つの適用度変数L,R,C間の抑制関係を表す。式(31)で、R(Si,k-1)、C(Si,k-1)のいずれかが大きな値をとると、関係式dL3が負の大きな値となり、適用度変数Lを抑制する。他の適用度変数R、Cについても同様であり、これら3つの適用度変数は、他の刺激・抑制関係式によっていずれか1つが刺激されて大きな値をとると、他の2つの適用度変数が抑制され、バランスを取るように作用し合う。
【0104】
下記の式(34)、式(35)、式(36)に、dL4,dR4、及びdC4を表す式を示す。ただし、Si1は要素ペアeiの先行側(jが小さい側)の要素であり、Siは要素ペアeiのいずれか一方の要素であり、Si1’、Si2’は要素ペアeiと異なる要素ペアei’(ただし、eiとei’は同じプレース間の搬送に対応する要素ペアとする)のそれぞれ先行、後行側の要素である。
【0105】
Figure 0003950361
【0106】
Figure 0003950361
【0107】
dC4(Si,k)=−a7C(Si,k-1)・Gmax(A,j)
:ただし、要素SiはクレーンAに対応し、一方、動作時刻ステップjにおいてクレーンAが実行中の搬送工程が要素ペアeiでない場合を対象とする。
Gmax(A,j)は、動作時刻ステップjでクレーンAが実行中の搬送工程の要素の変数Cの最大値を表す。 ・・・(36)
【0108】
式(34)、式(35)、式(36)は、2つの搬送作業が同時に同じ場所に存在するのを抑制する働きを持つ。式(34)において、要素ペアei’の適用度が大きい、即ちC(Si2’,k-1)、C(Si1’,k-1)が大きな値を示すと、R(Si1,k)をMaxに近づけるように関係式dR4(Si1,k)が大きな値をとり、要素Si1を右ヘシフトすることで、搬送ペアの重なりを解消する。式(35)においては、同様に要素Si2を左ヘシフトすることで、搬送ペアの重なりを解消する。式(36)においては、クレーンAが、要素ペアeiとそれ以外の搬送工程を同時に実行しようとすることを表しており、この場合、要素ペアeiの要素Siの変数Cの値を小さくすることで、要素ペアeiを抑制するように作用する。
【0109】
下記の式(37)に、関係式dg4を表す式を示す。
dg4(hi,p,j,k)=a8[MaxG−ghi(p,j,k-1)]・MaxC(Si,k-1)
:ただし、St(Si,k-1)=j,m(Si,k-1)=p ・・・(37)
【0110】
式(37)は、製品の搬送作業からクレーンの適用度への刺激を表す関係式である。製品の搬送作業における要素Siは、動作時刻ステップj、プレースpに存在するので、クレーンの適用度行列において、その位置に対応する要素ghi(p,j,k)をMaxGに近づけるように刺激することで、クレーンの適用度行列と製品搬送作業の適用度行列のマッチングを取るように作用する。
【0111】
下記の式(38)、式(39)、式(40)に、関係式dL5、dR5、dC5を表す式を示す。これらの3つの式は、式(37)で示した関係式dg4とは逆に、クレーンから製品搬送作業の適用度に刺激を与えて、両者のマッチングを取るように作用するものである。
【0112】
【数9】
Figure 0003950361
【0113】
ここで、製品搬送作業の適用度への刺激の強さを与えるeval関数を、下記の式(41)、式(42)、式(43)で与える。
【0114】
【数10】
Figure 0003950361
【0115】
ただし、s(hi,p,j,k)の計算にあたっては、下記の式(44)でj=0に対する値を与え、jの増加方向にその他の要素の値を順次計算する。また、x(hi,p,j,k)の計算にあたっては、下記の式(45)でj=n(最右の列)に対する値を与え、jの減少方向にその他の要素の値を順次計算する。
s(hi,p,0,k)=ghi(p,0,k) ・・・(44)
x(hi,p,j,k)=ghi(p,n,k) ・・・(45)
【0116】
一例として、適用度行列Ghiが下記の式(46)で与えられる場合の、eval関数の値を下記の式(47)に示す、各要素の大きさは、クレーン軌道上で頂点(最大角)をとり、なだらかな傾きを持つ分布を示す。
【0117】
【数11】
Figure 0003950361
【0118】
【数12】
Figure 0003950361
【0119】
いま、ω(hi,k)のSt(Si,k-1)動作時刻ステップのプレースがm(Si,k-1)でない場合、即ち、製品搬送作業の要素Siの位置が、クレーンの適用度行列上の軌道と一致しない場合、式(38)は、要素Siを右ヘシフトするように作用し、式(39)は、逆に左ヘシフトするように作用する。式(47)で示すeval関数の場合を例にとると、要素S1が例えば(p,j)=(2,6)に存在する場合、式(38)のeval関数は、St(Si,k-1)十1の値(この場合9)を用い、式(39)のeval関数は、St(Si,k-1)−1の値(この場合10)を用いるので、関係式dL5の作用が勝り、要素Siは左ヘシフトするように働く。要素Si型の場所に存在する場合も同様に、eval関数の頂点方向に、即ちクレーン軌道方向にシフトするように作用する。
【0120】
また、ω(hi,k)のSt(Si,k-1)動作時刻ステップのプレースがm(Si,k-1)である場合は、式(40)によって、変数Cが刺激され、要素Siはその場所に留まるように働く。
【0121】
〔搬送計画作成例〕
計算に用いたパラメータの値は以下の通りである。
a1=0.3
a2=0.3
a3=0.4
a4=0.9
a5=0.5
a6=0.07
a7=0.3
a8=0.8
a9=0.3
【0122】
また、計算に用いた初期値の値は以下の通りである。
ghi(1,j,0)=0
ghi(2,j,0)=0.33
ghi(3,j,0)=0.67
ghi(4,j,0)=1.0
(上記は全てのjについて、またクレーンA、Bともに同じである)
【0123】
L(Si,0)=0
C(Si,0)=1.0
R(Si,0)=0
(上記は全ての要素Siについて、また第1の製品、第2の製品ともに同じである)
【0124】
また、各要素Siの初期位置は、第1の製品及び第2の製品に対して、それぞれ下記の式(48)、式(49)に示すとおりである。ここで、各行は上から順に、第1の場所、第2の場所、第3の場所、第4の場所に、各列は左から順に動作時刻ステップ1から10に対応する。尚、ここでは図8に示した様な要素間を結ぶ実線、破線は省略している。
【0125】
【数13】
Figure 0003950361
【0126】
【数14】
Figure 0003950361
【0127】
計算に用いた適用度行列計算対象判断基準値ε1及び収束条件値ε2の値はいずれも0.02である。
【0128】
下記の式(50)から式(55)に収束計算確定後の各変数の値を示す。
式(50)、式(51)には、それぞれ第1の製品、第2の製品に対する搬送作業の適用度行列G1、G2の各要素Siの配置を示す。ここで各行は、上から順に第1の場所、第2の場所、第3の場所、第4の場所に対応する。また、各列は、左から順に動作時刻ステップ1から10に対応する。
【0129】
【数15】
Figure 0003950361
【0130】
【数16】
Figure 0003950361
【0131】
下記の式(52)、式(53)には、それぞれ第1の製品、第2の製品に対する搬送作業の適用度行列G1、G2の各要素Siの3つの適用度変数L、C、Rの値を示す。ここで各行は、上から順にS1からS10に対応する。また、各列は、左から順に適用度変数L、C、Rに対応する。
【0132】
【数17】
Figure 0003950361
【0133】
【数18】
Figure 0003950361
【0134】
下記の式(54)、式(55)には、それぞれクレーンA、Bに対する適用度行列GhA、GhBの値を示す。ここで各行は、上から順に第1の場所、第2の場所、第3の場所、第4の場所に対応する。また、各列は、左から順に動作時刻ステップ1から10に対応する。
【0135】
【数19】
Figure 0003950361
【0136】
【数20】
Figure 0003950361
【0137】
式(51)を見ると、S4が動作時刻ステップ4にS5が動作時刻ステップ5に存在し、第2の製品の第3の場所から第2の場所への移動が行われていることを示す。また、式(53)を見ると、S4,S5の適用度変数Cの値がそれぞれ0.83、0.82で、L、R両変数の値よりも十分大きな値を示し、これら2要素が選択されていること、即ちクレーンBによる搬送が選択されていることを示す。一方、同じ第3の場所から第2の場所への搬送のもう1つの選択肢である要素S6、S7(クレーンAによる搬送)の変数Cの値は、それぞれ0.01、0.016と小さく、これらは選択されなかったことを示す。式(55)を見ると、(p,j)=(3,4)、(p,j)=(2,5)の値が共に1であり、これから、クレーンBが動作時刻ステップ4からステップ5の間で第3の場所から第2の場所に移動したことがわかり、上記製品搬送作業の適用度と一致している。
【0138】
同様に、他のすべての確定値から、全搬送命令を決定したものを図10に示す。ここで、丸の中にA、Bと書かれているのは、それぞれクレーンA、Bを表す。また、一重線は第1の製品の搬送、二重線は第2の製品の搬送を示し、破線は製品搬送を伴わないクレーンの移動を示す。図10の例は、搬送装置同士の競合、干渉を考慮した、効率的な搬送計画作成を実現していることを示している。
【0139】
以上のように本実施の形態では、搬送工程の各要素工程をプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎及び搬送装置毎に構築し、これらペトリネットモデルから、搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列及び搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成し、上記適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる関係式を、搬送装置及び製品の競合、干渉、順序制約及び位置制約などの各種制約から作成して、適用度行列の各要素の値を収束計算し、その結果から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻を決定するようにしたので、搬送装置同士の競合、干渉等を考慮した搬送計画作成、搬送制御を実現し、特に、同一搬送路上を複数の搬送装置が移動するクレーン、搬送台車等では、他の搬送装置の移動によって搬送作業を待たされたり、待避させられたりすることによる時間のロスが少ない、効率的な搬送計画作成、搬送制御を実現することができる。
【0140】
上記実施の形態で説明した搬送計画作成装置、搬送制御装置は、コンピュータのCPU或いはMPU、RAM、ROM等で構成されるものであり、その機能はRAMやROM等に記憶されたコンピュータプログラムが動作することによって実現される。
【0141】
したがって、上記コンピュータプログラム自体は本発明の範鴫に含まれる。上記コンピュータプログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝播させて供給するためのコンピュータネットワークシステムを用いることができる。
【0142】
また、上記コンピュータプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体は本発明の範騰に含まれる。記憶媒体としては、CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる
【0143】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、上記搬送工程の各要素工程をプレースで表したペトリネットモデルを用いて、搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成し、作成した適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる関係式を、搬送装置及び製品に対する制約から作成し、作成した関係式を用いて上記適用度行列の各要素の値を収束計算し、その結果から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定するようにしたので、搬送装置及び製品に対する制約を考慮した搬送計画作成、搬送制御を実現し、特に同一搬送路上を複数の搬送装置が移動する搬送装置では、他の搬送装置の移動によって搬送作業を待たされたり、待避させられたりすることによる時間のロスが少ない、効率的な搬送計画作成、搬送制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、搬送工程における搬送計画作成装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、ペトリネットモデル、刺激・抑制関係式を算出するための処理手順の例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態を示し、搬送工程における搬送計画作成方法の搬送命令を作成する処理手順の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態を示し、搬送工程における搬送制御装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態を示し、具体例で取り扱う搬送作業を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態を示し、具体例におけるクレーンに対して構築したペトリネットモデルを表す図である。
【図7】本発明の実施の形態を示し、具体例における製品搬送作業に対して構築したペトリネットモデルを表す図である。
【図8】本発明の実施の形態を示し、具体例における第1の製品の適用度行列を表す図である。
【図9】本発明の実施の形態を示し、具体例における第2の製品の適用度行列を表す図である。
【図10】本発明の実施の形態を示し、具体例における搬送計画作成結果を表す図である。
【符号の説明】
1 入力手段
2 ペトリネットモデル構築手段
3 適用度行列作成手段
4 刺激・抑制関係式算出手段
5 記憶手段
6 適用度行列計算対象判断手段
7 搬送命令作成手段
8 搬送計画出力手段
8’ 制御手段
9 搬送装置

Claims (10)

  1. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成方法であって、
    入力手段が搬送予定の製品に対する搬送作業の予定を入力するステップと、
    ペトリネットモデル構築手段が上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程をプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎及び搬送装置毎に構築するステップと、
    適用度行列作成手段が上記ペトリネットモデル構築手段により構築されたペトリネットモデルを用いて、上記搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記製品の夫々に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成するステップと、
    関係式作成手段が上記適用度行列作成手段により作成された適用度行列の各要素の値を増加又は減少させる関係式を、搬送装置及び製品に対する制約である、上記搬送装置及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約、から作成するステップと、
    搬送命令作成手段が上記関係式作成手段により作成された関係式を用いて、上記適用度行列作成手段により作成された適用度行列の各要素の値の変化分を、上記適用度行列の各要素の初期値から出発して求め、求めた変化分を各要素に加え合わせる操作を繰り返して収束計算し、その結果から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定するステップと、
    搬送計画出力手段が上記搬送計命令作成手段により作成された各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻の決定結果を出力装置に出力するステップと、を含むことを特徴とする搬送工程における搬送計画作成方法。
  2. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成方法であって、
    入力手段が搬送予定の製品に対する搬送作業の予定を入力するステップと、
    ペトリネットモデル構築手段が上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するステップと
    適用度行列作成手段が上記ペトリネットモデル構築手段により上記各搬送装置毎に構築されたペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成し、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成するステップと
    関係式作成手段が上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の上記各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成するステップと
    適用度行列計算対象判断手段が上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式作成手段により作成された関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、または製品を適用度行列計算対象に再び含めるステップと
    搬送命令作成手段が、上記関係式作成手段により作成された関係式によって上記適用度行列計算対象判断手段により適用度行列計算対象に含められた各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定を、搬送予定の全ての製品に対して行うステップと、
    搬送計画出力手段が上記搬送命令作成手段により作成された搬送予定の全ての製品に対する上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定の結果を出力装置に出力するステップと、を含むことを特徴とする搬送工程における搬送計画作成方法。
  3. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成装置であって、
    搬送予定の製品に対する搬送要素作業の予定を入力する入力手段と、
    上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するペトリネットモデル構築手段と、
    上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成する適用度行列作成手段と、
    上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる刺激・抑制関係式を算出する刺激・抑制関係式算出手段と、
    上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記刺激・抑制関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、
    上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、製品を適用度行列計算対象に再び含める判断を行う適用度行列計算対象判断手段と、
    上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する搬送命令作成手段と、
    上記搬送命令の作成を、搬送予定の全ての製品に対して行い、その結果を出力する搬送計画出力手段とを具備することを特徴とする搬送工程における搬送計画作成装置。
  4. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送計画作成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する処理と、
    上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、
    上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、
    上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成する処理と、
    上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外する処理と、
    上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める処理と、
    上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定する処理と、
    上記搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序決定を、搬送予定の全ての製品に対して行う処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御方法であって、
    上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築し、
    上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成し、
    上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成し、
    上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成し、
    上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、
    上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含め、上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、
    上記決定された搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序に従い搬送装置を制御することを特徴とする搬送工程における搬送制御方法。
  6. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御装置であって、
    搬送予定の製品に対する搬送要素作業の予定を入力する入力手段と、
    上記入力手段によって入力された情報に基づいて、上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築するペトリネットモデル構築手段と、
    上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列と、上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列とを作成する適用度行列作成手段と、
    上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる刺激・抑制関係式を算出する刺激・抑制関係式算出手段と、
    上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記刺激・抑制関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外し、
    上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める判断を行う適用度行列計算対象判断手段と、
    上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、及び搬送時刻を決定し、搬送命令を作成する搬送命令作成手段と、
    上記搬送命令に従って搬送装置を制御する制御手段とを具備することを特徴とする搬送工程における搬送制御装置。
  7. 異なる複数の経路で複数の製品を搬送する搬送工程における搬送制御処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    上記搬送工程の各要素工程を少なくとも1つのプレースで表したペトリネットモデルを、搬送予定の各製品に対する搬送作業毎に、及び各搬送装置毎に構築する処理と、
    上記各搬送装置毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送装置を配置すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、
    上記各製品に対する搬送作業毎に構築したペトリネットモデルに対する各動作時刻ステップ毎、各プレース毎の上記搬送作業を実行すべき優先度を表す適用度行列を作成する処理と、
    上記搬送装置、及び上記製品の競合、干渉、順序制約、及び位置制約から上記各搬送装置毎、上記各製品に対する搬送作業毎の各適用度行列の各要素の値を、その適用度行列の各要素の初期値から出発して増加又は減少させる関係式を作成する処理と、
    上記各搬送装置、及び各製品の内で、他の搬送装置、及び他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が無く、上記関係式による適用度行列の各要素の値の変化が生じない搬送装置、及び製品を、適用度行列計算対象から除外する処理と、
    上記適用度行列計算対象から除外された上記各搬送装置、または各製品の内で、他の搬送装置、または他の製品との間の競合、干渉、順序制約違反、及び位置制約違反が再び発生した搬送装置、及び製品を適用度行列計算対象に再び含める処理と、
    上記関係式によって上記適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算し、計算した変化分を上記適用度行列の各要素に加え合わせ、上記計算を複数回繰り返す収束計算によって求めた適用度行列から、各搬送作業に対する搬送装置の割付、搬送順序、搬送時刻を決定する処理と、
    上記決定された搬送装置の割付、搬送時刻、及び搬送順序に従い搬送装置を制御する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 上記搬送命令作成手段において、適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、複数のCPUを備えたコンピュータを用いて上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに同時に上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させることを特徴とする請求項3に記載の搬送工程における搬送計画作成装置。
  9. 上記搬送命令作成手段において、適用度行列計算対象に含まれる各搬送装置、及び各製品に対する適用度行列の各要素の値の変化分を計算する処理を、複数のCPUを備えたコンピュータを用いて上記複数のCPUに割り振り、上記複数のCPUに同時に上記適用度行列の各要素の値の変化分を計算させることを特徴とする請求項6に記載の搬送制御装置。
  10. 上記請求項4又は7に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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