JP3949954B2 - ドロップアウトカラー識別処理プログラム、方法、および装置 - Google Patents

ドロップアウトカラー識別処理プログラム、方法、および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドロップアウトカラー識別処理プログラム、および、ドロップアウトカラー識別処理を行うドロップアウト処理装置に関する。本発明は、特に、OCR用ドロップアウト処理において、帳票別にドロップアウトカラーが相違するような業務での利用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
帳票データの読み取り処理において、帳票上に予め印刷もしくは印字されている罫線や文字の色のうち特定の色(ドロップアウトカラー)の部分をイメージスキャナ等で読み取った時に画像として現れないようにするドロップアウト処理を行う。
【0003】
従来のドロップアウト処理では、ドロップアウトカラー読み取り専用イメージリーダを使用し、そのイメージリーダの光源特性に合わせて帳票のドロップアウトカラー1色を選定しなければならなかった。
【0004】
したがって、例えば、赤色系ドロップアウトカラーの入金票と青色系ドロップアウトカラーの出金票などドロップアウトカラーが相違する複数の帳票をまとめてドロップアウト処理する場合には、予め赤系と青系の2つの光源を備えたイメージリーダを用い、処理対象の帳票のドロップアウトカラーに合わせて読み取り光源を切り替えて処理をしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドロップアウト処理では帳票を読み取る際に、あらかじめドロップアウトカラーが判別されている必要があったため、帳票別にドロップアウトカラーが相違する、または、別色のドロップアウトカラーが混在する伝票を共に処理するのは不可能であった。
【0006】
本発明は、処理対象の帳票のドロップアウトカラーを自動的に識別して、識別したドロップアウトカラーをもとにドロップアウト処理を行うことができることを目的とする。
【0007】
また、本発明は、複数のドロップアウトカラーが使用されている帳票のそれぞれのドロップアウトカラーを領域を指定することなく自動的に識別してドロップアウト処理を行うことができることを目的とする。
【0008】
本発明によれば、ドロップアウトカラーに依存しない処理を行うことができ、また、あらかじめドロップアウトカラーを識別しておく必要がなくまたドロップアウトカラーが混在した帳票においても処理が可能である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるプログラムは、帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理と、前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記濃度特性から前記各プレーンごとの判別しきい値を自動的に算出するしきい値算出処理と、前記判定しきい値を用いて前記各プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理とを、コンピュータに実行させるものである。
本発明は、コンピュータを以下のように動作させる。本発明を実行するコンピュータは、帳票イメージデータから、RGB系の各一系の色成分を除去したプレーンイメージであって、R系色成分を除去したRプレーン、G系色成分を除去したGプレーン、B系色成分を除去したBプレーンを生成する。そして、前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記各プレーンの濃度特性から所定の式にもとづいて判別しきい値を算出する。判定されたしきい値をもとに、前記各プレーンの中から異なる濃度特性を示すプレーンを選択し、前記選択されたプレーンで除去された色系をドロップアウトカラーとして特定する。
【0010】
なお、本発明に関連する発明は、帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理と、前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理と、前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理と、前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージのそれぞれとについて、画素ごとに合成処理して各プレーンの2値合成イメージを生成する合成処理と、前記各プレーン2値合成イメージそれぞれの画素頻度を算出し、前記画素頻度を用いて前記各プレーン2値合成イメージのもととなる前記プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理とを、コンピュータに実行させることができる
【0011】
さらに、本発明に関連する発明は、帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理手段と、前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理手段と、前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理手段と、前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージの一のプレーン2値イメージとを、画素ごとに合成処理して第一の2値合成イメージを生成する第一の合成処理手段と、前記第一の2値合成イメージと、前記各プレーン2値化イメージのうち前記第一の合成処理手段で処理されない一のプレーン2値イメージとを、画素ごとに合成処理して第二の2値合成イメージを生成する第二の合成処理手段とを備える。
【0012】
本発明は、ドロップアウト処理対象の帳票のイメージデータをRGB系のそれぞれのプレーンイメージおよび輝度信号イメージ(以下Y信号イメージという)に分離した後に、以下のいずれかの方法でドロップアウトカラーを識別する。
【0013】
a)各プレーンのヒストグラムによりドロップアウトプレーンを識別し、そのドロップアウトプレーンのカラーをドロップアウトカラーとする。
【0014】
b)Y信号と各プレーンとの合成画像から算出した黒画素頻度によりドロップアウトプレーンを識別し、そのドロップアウトプレーンのカラーをドロップアウトカラーとする。
【0015】
c)Y信号と各プレーンとをXOR演算してドロップアウトプレーンを識別し、そのドロップアウトプレーンのカラーをドロップアウトカラーとする。
【0016】
そして、帳票ごとに識別したドロップアウトカラーを用いた処理、すなわちドロップアウトプレーンを用いた合成処理により精度の高いドロップアウト処理を行うことができる。
【0017】
また、本発明は、これらのa)〜c)の処理を繰り返しもしくは組み合わせることにより、複数のドロップアウトカラーが混在する帳票のイメージデータに対しても光源の交換を行わずに精度の高いドロップアウト処理を行うことができる。
【0018】
なお、本発明の各手段または機能または要素をコンピュータにより実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な、可搬媒体メモリ、半導体メモリ、ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、または、通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1に、第1の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す。
【0020】
ドロップアウト処理装置100は、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、ヒストグラム演算部105と、判定しきい値算出部106と、ドロップアウトプレーン選択部107と、ドロップアウトプレーン2値化処理部108と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110と、2値化画像合成処理部111と、カスレ補正処理部112とを備える。
【0021】
イメージ取得部101は、帳票2のカラーイメージデータ(帳票イメージ)を取得する手段である。ここで、イメージ取得部101は2次元カラーCCDであるが、カラーイメージデータを取得できる手段であれば、これに限られない。
【0022】
影補正処理部102は、イメージ取得部101で取り込んだ帳票イメージで生じた影などの不要な部分をシェーディングなどの既知の技術により補正する手段である。
【0023】
RGBプレーン分割部103は、帳票イメージから、RGB系の各プレーンイメージ(Rプレーン、Gプレーン、Bプレーン)を分離生成する手段である。Rプレーンとは、R(赤)系色を除去したイメージデータであり、Gプレーンとは、G(緑)系色を除去したイメージデータであり、Bプレーンとは、B(青)系色を除去したイメージデータである。なおRGBプレーン分割部103は、必要であれば、R/G/Bの各プレーンの解像度を揃える補正処理を行う。
【0024】
画像記憶部104は、RGBプレーン分割部103で分離生成された各プレーンを記憶する領域である。
【0025】
ヒストグラム演算部105は、RGBプレーン分割部103で生成されたプレーンごとに濃度値ヒストグラムを生成し、そのヒストグラムを数値化する手段である。
【0026】
判定しきい値算出部106は、ヒストグラム演算部105で演算されたヒストグラムの数値をもとに、R/G/Bプレーンごとのしきい値を算出する手段である。判定しきい値算出部106は、後述する自動判別しきい値法を用いる。[参考文献:大津展之、判別および最小2乗基準に基づく自動しきい値選定法、電子情報通信学会論文誌、J63-D,vol.4,pp.349-356(1986)]
ドロップアウトプレーン選択部107は、判定しきい値算出部106の処理結果をもとに、R/G/Bの3つのプレーンからドロップアウトプレーンを選択する手段である。例えば、ドロップアウトカラーと同色系のプレーンでは、ドロップアウトカラーの枠線などの部分の濃度値は背景色の濃度値と近くなり、ドロップアウトカラーと同色系ではない他の2つのプレーンに比べて判定しきい値算出部106で算出されたしきい値が著しく異なる値となるので、異なるしきい値を示すプレーンをドロップアウトプレーンとする。
【0027】
ドロップアウトプレーン2値化処理部108は、ドロップアウトプレーン選択部107からの判定結果を受け取り、ドロップアウトプレーンを2値化する手段である。ドロップアウトプレーンではドロップアウトカラーが除去されているため、2値化処理により、黒色の手書き文字やガイド文字などのドロップアウトカラー以外の部分が情報とされる。
【0028】
輝度信号生成部109は,R、G、Bの各プレーンからY信号イメージを生成する手段である。なお、Y信号イメージは、イメージ取得部101で取得した帳票2のイメージから直接生成してもよい。
【0029】
輝度信号2値化処理部110は、Y信号イメージを2値化する手段である。輝度信号2値化処理部110は、情報の欠落を抑えるために、局所領域に対してしきい値を設定していく局所2値化処理法を行う。輝度信号2値化処理部110は、背景部以外をすべて情報として2値化する。
【0030】
2値化画像合成処理部111は、ドロップアウトプレーン2値化処理部108が出力したドロップアウトプレーン2値化イメージと、輝度信号2値化処理部110が出力したY信号2値化イメージとを、AND演算により合成する手段である。合成処理により、ドロップアウトカラーの部分を除去した画像イメージを出力することができる。
【0031】
カスレ補正処理部112は、2値化画像合成処理部111が出力した2値合成イメージに対し手書き文字などの情報部分のカスレ補正や白抜け補完などを行う手段である。
【0032】
以下に、本形態における発明の処理を詳細に説明する。
【0033】
図2に、イメージ取得部101で取り込んだ帳票2のイメージの一部を示す。
ドロップアウト処理装置100が読み込む帳票2は、白地の背景に赤色のドロップアウトカラーで枠線が印刷され手書きの文字が書かれたものである。
【0034】
イメージ取得部101(カラーCCD)は、帳票2を撮像し取得した帳票2のイメージを影補正処理部102へ渡す。影補正処理部102は、既知のシェーディング技術などにより帳票2のイメージを影補正する。そして、RGBプレーン分割部103は、補正済の帳票2のイメージから、Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンを分離生成し、これらを画像記憶部104へ格納する。
【0035】
ヒストグラム演算部105は、Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンそれぞれのヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムを演算して数値をテーブル(図示しない)に記憶する。
【0036】
図3に、各プレーンのヒストグラムの例を示す。図3(A)はRプレーンのヒストグラム例、図3(B)はGプレーンのヒストグラム例、図3(C)はBプレーンのヒストグラム例である。本形態では、帳票2が赤系ドロップアウトカラー帳票であるので、Rプレーンではドロップが生じているため、図3(A)に示すRプレーンのヒストグラムにおいてドロップアウトカラーの部分は背景部分と同一な濃度値となる。一方、図3(B)および(C)に示すように、BプレーンもしくはGプレーンのヒストグラムでは、赤系のドロップアウトカラーが浮き出る形となるので、背景部の波形に谷間ができる。
【0037】
本形態の帳票2のようにドロップアウトカラーが単一色(赤系のみ)である場合に、ドロップアウトカラーのプレーンとドロップアウトカラーではないプレーンとの間で、背景の白領域に対する波形が相違する。
【0038】
そこで、判定しきい値算出部106は、各プレーンについて、ヒストグラムの波形が相違する部分を識別判定するために自動判別しきい値法を利用して、ドロップアウトプレーンを判別する。
【0039】
自動判別しきい値法とは、濃淡画像を対象領域と背景に分離する2値化のため適切なしきい値を選ぶ方法である。自動判別しきい値法では、以下のようにしきい値を求める。
【0040】
まず、プレーンごとの全体画素数N=N0+N1+N2+N3…N255とし、正規化ヒストグラムを求める。すなわち各濃度レベルniに対して、下記の式で
pi=ni/N (ni:各濃度の分布、N:全体の画素数)
正規化ヒストグラムpiを求める。そして、正規化ヒストグラムpiから、下記の式で平均輝度レベルμtを求める。
【0041】
μt=Σi pi (i:0から255まで)
(i:濃度分布、pi:正規化ヒストグラム)
次に、pi、μtから、以下の式で正規化ヒストグラムの累計量kまでを求める。
【0042】
ω(k)=Σpi(i:0からkまで)
m(k)=Σi pi(i:0からkまで)
次に、正規化ヒストグラムの累計ω(k)、m(k)から、以下の式でクラス間分散を求める。
【0043】
σb=ω(I)(1.0−ω(I))
σ(I)=((μtω(I)2 −m(I)))/σb(I)
そして、σ(I)の値が0〜255濃度分布のなかで一番大きいものを判別しきい値として取り出す。
【0044】
自動判別しきい値法により算出すると、Rプレーンのしきい値Rs=187、
Gプレーンのしきい値Gs=152およびBプレーンのしきい値Bs=152となり、ドロップアウトしているRプレーンのしきい値Rsが最高で、BプレーンおよびGプレーンとのしきい値Bs、Gsよりも大きくなる。
【0045】
このように、ある程度の高い階調レベルで谷間ができていればドロップアウトカラーと推定できるので、1つのプレーンのヒストグラムに谷間が存在せず、かつ他のプレーンのヒストグラムには谷間があるような場合には、谷間のない高いしきい値のプレーンをドロップアウトプレーンと識別できる。
【0046】
そこで、ドロップアウトプレーン選択部107は、他の2つのプレーンより高いしきい値のRプレーンをドロップアウトプレーンとして選択し、判定結果をドロップアウトプレーン2値化処理部108へ通知する。
【0047】
ドロップアウトプレーン2値化処理部108では、判定しきい値算出部106で算出されたしきい値をもとにドロップアウトプレーン(Rプレーン)を2値化してドロップアウトプレーン(Rプレーン)2値イメージを生成する。図4に、ドロップアウトプレーン2値イメージの例を示す。
【0048】
輝度信号生成部109は、R/G/Bの各プレーンからY信号イメージを生成する。そして、輝度信号2値化処理部110は、Y信号イメージを局所2値化法により2値化する。
【0049】
局所2値化処理法として,Niblack法2値化処理を行う。Niblack法とは、求めたい画素に対して周辺の情報(3×3,7×7など)を設定して1画素ずつしきい値を求めていく2値化方法である。
【0050】
まず、背景分離処理として、矩形フィルタ(フィルタの大きさは任意)を設定し、フィルタ内の濃度分散値から背景部か情報部を判別する。そして、背景分離しきい値(σmin )を設定し、フィルタ内の計算結果がσmin 以上であれば情報があると判定する。背景分離しきい値σmin =100とすると、
計算式 σmin <g2=E2−(E×E)
(E:フィルタ内濃度平均、E2:フィルタ内濃度2乗平均)
であれば、背景ではないと判断する。そして、しきい値の算出処理として、分散値が分散しきい値(σmin )以上であれば注目画素kとなる濃度のしきい値を求め白画素か黒画素かを判定する。[参考文献:W.Niblack, "An Introduction to Digital Image Processing", pp.115-116, Englewood Cliffs, N.J.:Prentice Hall(1986)]
本形態では、例えばOCR向け手書き文字認識画像等のイメージを生成するため、輝度信号2値化処理部110として7×7のフィルタを用いる。手書き文字のストローク幅は3ドット程度であるので7×7のフィルタが望ましいからである。
【0051】
図5に、7×7フィルタによる局所2値化処理例を示す。まず、しきい値を求めたい注目画素kに対して上下左右3画素ずつ矩形領域を設定する。7×7フィルタでは、注目画素kが背景(フィルタ内も背景のみ)であれば、以下の背景分離しきい値σmin で落としてしまう。
【0052】
Figure 0003949954
また、濃度絶対値を見ていないので7×7フィルタ内に情報部(文字ストロークなど)がすべて被ってしまった場合にも背景と見なされてしまうが、濃度値の判定で文字ストローク部分内は黒補完を行うことができる。
【0053】
7×7フィルタ内に情報部(文字ストローク)と背景とが入っている場合には、σmin しきい値より大となる。そして、求まった√g2に対して係数(−0.1)を乗算する。求まったしきい値に対してアンダーぎみにすることにより、文字周辺のノイズを抑えるような効果が得られる。そして、以下の注目画素kのしきい値Sを求めることになる。
【0054】
注目画素kのしきい値S=E+(−0.1)×√g2
注目画素kが,求まったしきい値以下の濃度であれば黒画素となり、以上であれば白画素となる。
【0055】
輝度信号2値化処理部110は、局所2値化処理を行う範囲である輝度信号の中間濃度レベルを推定するために、ドロップアウトプレーン2値化処理部108で使用する自動判別しきい値法を適用する。図6(A)に示すように、輝度信号全体イメージについて自動判別しきい値法でダイナミックな2階調分離しきい値を求め、そのしきい値を中心として低い濃度(黒となる濃度)方向と高い濃度(白となる濃度)方向に対して、以下の式により比率を設定し、中間濃度レベル部分推定エリアを算出する。
【0056】
Figure 0003949954
前記の推定エリア(bt〜wt)のみ局所2値化法による2値化を行い、それ以外のb_aveエリアは黒、w_aveエリアは白とする。これにより大幅な高速処理が可能である。係数a、bの比率は局所2値化の部分が多くなるが、比率を大きくし過ぎると、手書き文字を2値化する場合には無駄な処理となってしまう。
【0057】
本形態では、係数a=0.35、係数b=0.62とすることで、すなわち全体の5〜8%の範囲を局所2値化処理することにより、100の範囲で局所2値化を行った場合と同等レベルの結果を得ることができた。なお、帳票中の文字記入数により最適となる比率は変動するので、係数は適宜設定する。
【0058】
図6(B)に、局所2値化処理方法によるY信号2値イメージの例を示す。Y信号2値イメージは、背景以外のすべてが情報部(黒画素)とされる。
【0059】
その後、2値化画像合成処理部111は、ドロップアウトプレーン(Rプレーン)2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算により合成処理し、新たなYR2値イメージを生成する。
【0060】
図7にYR2値イメージの例を示す。Y信号2値イメージの赤系ドロップアウトカラー情報は2値化されて情報となっているが、ドロップアウトプレーン(Rプレーン)2値イメージでは赤系ドロップアウトカラーは除去されて情報となっていないので、AND演算で合成されるイメージにおいても赤系の特性のドロップアウトカラーは除去される。
【0061】
その後、カスレ補正処理部112は、前記の2値化画像合成処理部111の処理の際に手書き文字やガイドなどの情報部にカスレが生じてしまうことがあるため、これらのカスレなどに対して補正処理を行う。
【0062】
2値化画像合成処理部111でのAND演算では、ドロップアウトプレーン2値イメージとY信号2値イメージとのどちらのイメージにおいても2値化された情報として出ていなければ、合成イメージ上で情報として出力されない。そのため一方において情報部として出力されていない部分がカスレを生じさせる。カスレの要因として、情報とする階調レベルが高い(背景部分の階調と近い)ことが考えられる。
【0063】
カスレ補正処理部112は、以下のいずれかの補正処理を行う。
【0064】
(A)Y信号イメージの第1のカスレ補正処理
カスレ部分の階調が背景レベルの階調と近い場合においては、輝度信号2値化処理部110の局所2値化法において背景として処理されてしまうことがある。局所的2値化法では、前処理として背景分離処理を行ない、情報が存在している箇所のみ2値化しきい値を求める。輝度信号2値化処理部110は、この背景分離処理において、帳票2のイメージに局所的にフィルタをして背景レベルの階調分散を求め、あるしきい値以上(濃度変動)がないと背景部分(白)と判断してしまう。
【0065】
そこで、カスレ補正処理部112は、輝度信号2値化処理部110の背景分離しきい値を低くする補正を行うことにより、カスレを改善する。
【0066】
図8に、カスレ補正処理部112による補正処理の有無による結果例を示す。
図8(A)は、輝度信号2値化処理部110で算出した背景分離しきい値による2値化イメージ部分の例である。図8(B)は、カスレ補正処理部112によって低めに設定した背景分離のしきい値を用いて輝度信号2値化処理部110で2値化した2値化イメージ部分の例である。図8(B)のイメージでは、図8(A)に比べてカスレが改善しているのがわかる。
【0067】
(B)Y信号イメージの第2のカスレ補正処理
輝度信号2値化処理部110では、局所的2値化法の処理を、ある程度の範囲に限定して行っている。図9に示すように、Y信号イメージのヒストグラムから所定の階調範囲(bt〜wt)を求めて、この範囲内のみで処理を行い処理の効率化を図っている。したがって、手書き文字などの情報部が、この階調範囲から外れている場合にもやはりカスレが生じてしまう。すなわち、図9の範囲btより上の階調に対して情報部が存在している場合には、処理のロジック上無条件にその情報を白と判定してしまう。
【0068】
そこで、カスレ補正処理部112は、輝度信号2値化処理部110が局所2値化の対象とする階調範囲(bt〜wt)を広げるように係数a、bの値を補正することによりカスレを改善する。
【0069】
図10に、カスレ補正処理部112による補正処理の有無による結果例を示す。図10(A)は、輝度信号2値化処理部110で算出した階調範囲で処理した2値化イメージ部分の例である。図10(B)は、カスレ補正処理部112によって拡張した階調範囲で処理した2値化イメージ部分の例である。図10(B)のイメージでは、図10(A)に比べてカスレが改善しているのかがわかる。
【0070】
(C)ドロップアウトプレーンイメージのカスレ補正処理
以上のようなカスレ補正処理によりY信号2値イメージでカスレのない画像を生成しても、合成させるもう一方のイメージ、ドロップアウトプレーン2値イメージで情報が出ていなければ、カスレが生じることになる。よって、ドロップアウトプレーン2値イメージについても情報が出るような設定とするカスレ補正をおこなわなければならない。
【0071】
ドロップアウトカラー2値イメージはドロップアウトカラー以外の情報が出ているだけでよいので、ドロップアウトプレーン2値化処理部108は背景ノイズがでない程度に2値化ができればよい。また、判定しきい値算出部106は、自動判別しきい値法を使用するために、やや薄くなるしきい値が求まる傾向にある。
【0072】
そこで、ドロップアウトプレーンにある程度の濃さを求めるために、すなわち2値化画像合成処理部111がY信号2値イメージより太目にドロップアウトプレーンを2値化するために、カスレ補正処理部112は、判定しきい値算出部106で実際算出したしきい値に対するオフセットにより、しきい値を補正する。
【0073】
カスレ補正処理部112は、判定しきい値算出部106で算出したしきい値に対して、任意の値(好ましくは30〜40%)で比率を大きくする。本形態では、判定しきい値算出部106が算出したしきい値より、1.35倍することにより最適値になることが評価結果から得られている。カスレ補正処理部112は、図11に示すように、判定しきい値算出部106で算出したしきい値127より、1.35倍でしきい値171にする。図12にカスレ補正処理の有無による出力イメージ例を示す。図12(A)は、判定しきい値の補正を行わない場合の画像イメージ例であり、図12(B)は、判定しきい値を1.35倍にする補正を行った画像イメージ例である。
【0074】
前記A)〜C)のカスレ補正処理を単独でもしくは組みあわせて施すことにより、2値化画像合成処理部111で合成処理を行う際に発生するカスレを回避することができる。そして、カスレ補正処理部112は、図12(B)に示すような画像イメージ3を出力する。
【0075】
図13に、第1の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フローを示す。選択処理の前に、RGBプレーン分割部103によりR/G/Bの各プレーンが分離生成されているとする。
【0076】
まず、ヒストグラム演算部105は、R、G、Bのプレーンごとにヒストグラムを取得して数値化し、数値をテーブルに格納する(ステップS1)。そして判定しきい値算出部106は、数値化したヒストグラムを引数として各プレーンの自動しきい値Rs、Gs、Bsをそれぞれ算出する(ステップS2)。ドロップアウトプレーン選択部107は、以下の処理でドロップアウトプレーンを選択する。すなわち、しきい値RsがGsより大きく(ステップS3)、かつRsがBsより大きければ(ステップS4)、Rプレーンをドロップアウトプレーンとして選択する(ステップS5)。
【0077】
また、しきい値RsがGsより大きくなく(ステップS3)、かつGsがBsより大きければ(ステップS6)、Gプレーンをドロップアウトプレーンとして選択する(ステップS7)。
【0078】
また、しきい値RsがGsより大きくなく(ステップS3)、さらにRsがBsより大きくないか(ステップS4)、もしくは、GsがBsより大きくなければ(ステップS6)、Bプレーンをドロップアウトプレーンとして選択する(ステップS8)。
【0079】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態において、ドロップアウト処理装置200は、Y信号イメージと各プレーンイメージの合成画像から、黒画素頻度を算出してドロップアウトプレーンを識別する。そして、識別したドロップアウトプレーンを用いて手書き文字等の画像イメージ3を出力する。
【0080】
図14に、第2の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す。
【0081】
ドロップアウト処理装置200は、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110と、R、G、Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203と、R、G、Bプレーンごとの2値化処理部204、205、206と、3つのAND演算部207、208、209と、黒画素頻度算出部210と、2値化画像合成処理部211と、カスレ補正処理部212とを備える。
【0082】
ドロップアウト処理装置200の各処理部のうち、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110とは、図1のドロップアウト処理装置100を構成する同一番号が付与された各処理部と同一の処理を行う。
【0083】
Rプレーンしきい値算出部201は、前記の自動判別しきい値法を用いてRプレーンイメージのしきい値を算出する手段である。Gプレーンしきい値算出部202およびBプレーンしきい値算出部203は、Rプレーンしきい値算出部201と同様に、GプレーンおよびBプレーンのダイナミックなしきい値をそれぞれ算出する手段である。
【0084】
Rプレーン2値化処理部204は、Rプレーンしきい値算出部201が算出したしきい値をもとにRプレーンを2値化してRプレーン2値イメージを出力する手段である。Gプレーン2値化処理部205およびBプレーン2値化処理部206も、Rプレーン2値化処理部204と同様に、GプレーンおよびBプレーンのプレーンしきい値算出部202、203が算出したしきい値をもとにGプレーンおよびBプレーンをそれぞれ2値化する手段である。
【0085】
AND演算部207は、Rプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算で合成処理する手段である。同様に、AND演算部208は、Gプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算で合成処理する手段であり、AND演算部209はBプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算で合成処理する手段である。
【0086】
黒画素頻度算出部210は、AND演算部207、208、209がそれぞれ合成した合成2値イメージの黒画素頻度を算出し、その黒画素頻度をもとにドロップアウトプレーンを選択する手段である。
【0087】
2値化画像合成処理部211は、選択されたドロップアウトプレーンとY信号2値イメージとをAND演算により合成処理する手段である。
【0088】
カスレ補正処理部212は、2値化画像合成処理部211で合成された2値化合成イメージに対しカスレ補正を行う手段である。
【0089】
本形態における処理を説明する。イメージ取得部101からRGBプレーン分割部103までの処理ならびに輝度信号生成部109および輝度信号2値化処理部110の処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0090】
R/G/Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203は、それぞれ、第1の実施の形態における判定しきい値算出部106とほぼ同様に、各プレーンのダイナミックなしきい値を自動判別しきい値法を用いて算出する。
【0091】
その後、R/G/Bプレーンごとのプレーン2値化処理部204、205、206は、それぞれ、第1の実施の形態におけるドロップアウト2値化処理部108とほぼ同様に、各プレーンごとに算出されたしきい値をもとに各プレーンを2値化する。
【0092】
次に、AND演算部207は、Rプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算で合成処理し、新たなYR2値イメージを生成する。AND演算部208およびAND演算部209は、同様に、プレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算で合成処理し、それぞれYG2値イメージ、YB2値イメージを生成する。
【0093】
図15に、AND演算部207、208、209で合成処理して生成されたイメージの例を示す。合成処理により、Y信号2値イメージと各プレーンの2値イメージとの双方で情報(黒)となっている部分のみが合成された新たな2値イメージの情報となっていることがわかる。
【0094】
図15(A)にY信号2値イメージとRプレーン2値イメージとが合成されたYR2値イメージ例を、図15(B)にGプレーン2値イメージとY信号2値イメージとが合成されたYG2値イメージ例を、図15(C)にBプレーン2値イメージとY信号2値イメージとが合成されたYB2値イメージ例を示す。
【0095】
次に、黒画素頻度算出部210は、合成されたYR2値イメージ、YG2値イメージ、YB2値イメージのそれぞれの情報量である黒画素頻度を調べる。
【0096】
ドロップアウトしたプレーンをもとにした合成イメージとそうでない合成イメージとでは黒画素頻度が相違しているはずであり、ドロップアウトしたプレーンをもとにする合成イメージは他の合成イメージと比較して黒画素頻度が低いはずである。
【0097】
図15(A)のYR2値イメージでは、赤系のドロップアウトカラーがすべて消えるために、文字およびガイドなどの情報(黒画素)のみが残る。そして、黒画素頻度算出部210が算出したYR2値イメージの黒画素頻度YRPは11.823%となる。また、図15(B)のYGプレーン2値イメージでは、ドロップアウトカラー部分が残りドロップアウトカラーの文字枠までが情報として出力される。よって、黒画素頻度YGPは高くなり、13.653%となる。また、図15(C)のYB2値イメージでは、YG2値イメージと同様に黒画素頻度YBPは高くなり、13.787%となる。
【0098】
さらに、帳票2の全体画素数3,115,580画素とすると、図5の各2値イメージの場合に、YR2値イメージとYG2値イメージとの黒画素頻度の差は1.830%(約57,015画素)となり、YR2値イメージとYB2値イメージとの黒画素頻度の差は1.964%(約61,189画素)となる。一方、ドロップアウトしていないYG2値イメージとYB2値イメージとの黒画素頻度の差は、0.134%(約4,174画素)となり、約0.1%(約3000画素)の差しか認められない。
【0099】
以上のように、ドロップアウトしているプレーンとドロップアウトしていないプレーンとでは合成された2値イメージでの黒画素頻度が相違してくる。また、ドロップアウトしないプレーンで合成された2値イメージ同士の黒画素頻度がほぼ同一である。
【0100】
したがって、他の2つのプレーンから合成された2値イメージの黒画素頻度と値が異なる2値イメージのもととなるプレーンがドロップアウトしたプレーンであると判定できるため、黒画素頻度算出部210は、最も黒画素頻度の低い2値イメージのもととなっているRプレーンをドロップアウトプレーンと判定する。
【0101】
2値化画像合成処理部211では、黒画素頻度算出部210からの判定結果を受け取って、第1の実施の形態の2値化画像合成処理部111と同様に、Rプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをAND演算により合成する。
【0102】
また、カスレ補正処理部212は、第1の実施の形態のカスレ補正処理部112と同様に、前記の補正処理のいずれか1つまたはいくつかを組み合わせた補正処理を行なう。
【0103】
図16に、第2の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フローを示す。図13に示す処理フローと同様に、選択処理の前にR/G/Bの各プレーンが分離生成されているとする。
【0104】
まず、輝度信号画像2値化処理部110は、輝度信号生成部109が生成したY信号イメージを局所2値化する(ステップS11)。そしてステップS12からステップS15の処理を、R/G/Bの各プレーンについてそれぞれ行う。
【0105】
まず、各プレーンのプレーンしきい値算出部201、202、203は、プレーンごとにヒストグラムを取得して数値化し(ステップS12)数値化したヒストグラムを引数にして自動しきい値(Rs、Gs、Bs)を算出し(ステップS13)、各プレーンのプレーン2値化処理部204、205、206は、その自動しきい値によりプレーンそれぞれを2値化する(ステップS14)。そして、AND演算部207、208、209は、Y信号2値イメージとそれぞれのプレーン2値イメージとをAND演算して合成2値イメージを生成する(ステップS15)。
【0106】
そして、黒画素頻度算出部210は、合成した各2値イメージの黒画素頻度YRP、YGP、YBPを算出する(ステップS16)。
【0107】
Figure 0003949954
さらに、以下の処理で、ドロップアウトプレーンを選択する。すなわち、YRPがYGPより小さく(ステップS17)、かつYRPがYGPより小さい場合には(ステップS18)、ドロップアウトプレーンとしてRプレーンを選択する(ステップS19)。
【0108】
また、YRPがYGPより小さくなく(ステップS17)、かつYGPがYBPより小さければ(ステップS20)、ドロップアウトプレーンとしてGプレーンを選択する(ステップS21)。
【0109】
また、YRPがYGPより小さく(ステップS17)、さらにYRPがYGPより小さくないか(ステップS18)、もしくは、YGPがYBPより小さくなければ(ステップS20)、ドロップアウトプレーンとしてBプレーンを選択する(ステップS22)。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態では、ドロップアウト処理装置300は、Y信号イメージとRGB各プレーンイメージにXOR演算を行いドロップアウトカラーの残存部分を抽出することによりドロップアウトプレーンを識別する。そして、識別したドロップアウトプレーンを用いて手書き文字等の画像イメージ3を出力する。
【0110】
図17に、第3の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す。
【0111】
ドロップアウト処理装置300は、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110と、R、G、Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203と、R、G、Bプレーンごとの2値化処理部204、205、206と、3つのXOR演算部301、302、303と、黒画素頻度算出部304と、2値化画像合成処理部305と、カスレ補正処理部306とを備える。
【0112】
ドロップアウト処理装置200の各処理部のうち、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110とは、図1のドロップアウト処理装置100を構成する同一番号が付与された各処理部と同一の処理を行い、R、G、Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203と、R、G、Bプレーンごとの2値化処理部204、205、206とは、図13のドロップアウト処理装置200を構成する同一番号が付与された各処理部と同一の処理を行う。
【0113】
XOR演算部301は、Rプレーン2値イメージと輝度信号2値化処理部110で生成されたY信号2値イメージとをXOR演算により合成処理する手段である。同様に、XOR演算部302は、Gプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをXOR演算により合成処理する手段であり、XOR演算部303はBプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをXOR演算により合成処理する手段である。
【0114】
黒画素頻度算出部304は、XOR演算部301、302、303がそれぞれ合成処理した合成2値イメージのドロップアウトカラーの残数頻度を算出し、その残数頻度をもとにドロップアウトプレーンを選択する手段である。
【0115】
2値化画像合成処理部305は、選択されたドロップアウトプレーンとY信号2値イメージとをAND演算により合成処理する手段である。
【0116】
カスレ補正処理部306は、2値化画像合成処理部305で合成された2値化合成イメージに対しカスレ補正を行う手段である。
【0117】
本形態における処理を説明する。
【0118】
イメージ取得部101からRGBプレーン分割部103までの処理、ならびに輝度信号生成部109および輝度信号2値化処理部110の処理は、第1の実施の形態における処理と同様である。
【0119】
また、R/G/Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203は、局所的2値化法を使用して各プレーンごとのダイナミックなしきい値を求める。そして、プレーン2値化処理部204、205、206は、R/G/Bのそれぞれのプレーンに対して求めたしきい値により2値化処理する。
【0120】
次に、XOR演算部301は、Rプレーン2値イメージとY信号2値イメージとをXOR演算による合成処理を行ない、新たなYRX2値イメージを生成する。同様に、XOR演算部302はGプレーン2値イメージとY信号2値イメージとを合成処理してYGX2値イメージを生成し、XOR演算部303はBプレーン2値イメージとY信号2値イメージとを合成処理してYBX2値イメージを生成する。図18に、各XOR演算部301、302、303により合成処理された2値イメージの例を示す。図18(A)はYRX2値イメージ例を、図18(B)はYGX2値イメージ例を、18(C)はYBX2値イメージ例を示す。
【0121】
その後、黒画素頻度算出部304は、XOR演算部301、302、303で処理された各2値イメージのドロップアウトカラー(黒画素)の残数頻度を調べる。
【0122】
通常、Y信号2値イメージはすべての情報が2値化されて出ているので、ドロップアウトしているプレーンの2値イメージとXOR演算することにより、ドロップアウトカラーの部分が情報(黒画素)として出てくるため、ドロップアウトカラーの部分が浮き上がるイメージが生成されることになる。
【0123】
したがって、黒画素頻度算出部304は、YRX2値イメージ、YGX2値イメージ、YBX2値イメージの3つのイメージのうち、最も情報数が多い、すなわちドロップアウトカラーの部分の残数頻度が最も多い2値イメージのもととなるプレーンイメージをドロップアウトプレーンとして選択する。
【0124】
図18(A)のYRX2値イメージの残数頻度YRXPは5.943%(カスレ補正処理後で6.014%)となり、図18(B)に示すYGX2値イメージの残数頻度は4.424%(カスレ補正処理後で3.577%)となり、図18(C)のYBX2値イメージの残数頻度YBXPは4.404%(カスレ補正処理後で4.219%)となった。
【0125】
また、残数頻度の相違率をみると、YRX2値イメージとYGX2値イメージでは1.519%であり、YRX2値イメージとYBX2値イメージでは1.539%であった。一方YGX2値イメージとYBX2値イメージとの残数頻度の相違率は、0.020%であった。
【0126】
ドロップアウトしているプレーンをもとに合成処理した2値プレーンは、XORビット演算結果、ドロップアウトカラー分の情報量(黒画素数)が多くなる。したがって、黒画素頻度算出部304は、相違率のしきい値と他のプレーンとの相違率の広がりを設定することによりドロップアウトプレーンを識別することが可能である。本形態では、黒画素頻度算出部304は、ドロップアウトプレーンとしてRプレーンを識別する。
【0127】
図19に、第3の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フローを示す。図13に示す処理フローと同様に、選択処理の前にR/G/Bの各プレーンが分離生成されているとする。
【0128】
また、ステップS31からステップS34までの処理は、図16に示す処理フローのステップS11からステップS14までの処理と同様であるので、説明を省略する。
【0129】
XOR演算部301、302、303は、Y信号2値イメージとそれぞれのプレーン2値イメージとをXOR演算して合成2値イメージを生成する(ステップS35)。
【0130】
そして、黒画素頻度算出部304は、合成した各2値イメージのドロップアウトカラー部分の残数頻度YRXP、YGXP、YBXPを算出する(ステップS36)。
【0131】
Figure 0003949954
さらに、以下の処理で、ドロップアウトプレーンを選択する。すなわち、YRXPがYGXPより大きく(ステップS37)、かつYRXPがYGXPより大きい場合には(ステップS38)、ドロップアウトプレーンとしてRプレーンを選択する(ステップS39)。
【0132】
また、YRXPがYGXPより大きくなく(ステップS37)、かつYGXPがYBXPより大きければ(ステップS40)、ドロップアウトプレーンとしてGプレーンを選択する(ステップS41)。
【0133】
また、YRXPがYGXPより大きく(ステップS37)、さらにYRXPがYGXPより大きくないか(ステップS38)、もしくは、YGXPがYBXPより大きくなければ(ステップS40)、ドロップアウトプレーンとしてBプレーンを選択する(ステップS42)。
〔第4の実施の形態〕
前記の第1〜第3の実施の形態のドロップアウト処理装置において、読み取った帳票のドロップアウトカラーが識別できない場合が生じる。例えば、RGBの各プレーンのヒストグラムの背景部分とドロップアウトカラーとの谷間が存在していない場合や、ドロップアウトカラーの印刷頻度が低い場合には、ドロップアウトカラーが判定できない場合がある。また、複数のドロップアウトカラーが存在する帳票についても、ドロップアウトカラーが判定できない。
【0134】
第4の実施の形態では、ドロップアウト処理装置400は、前記の実施の形態で説明したドロップアウトカラーを識別する種々の方法を組み合わせて、ドロップアウトカラーの色系を識別できない帳票や複数のドロップアウトカラーが混在している帳票の場合に、1つの帳票2のイメージに対して複数のドロップアウトカラーによるドロップアウト処理を行って所望される画像イメージ3もしくは画像イメージ4を出力する。
【0135】
図20に、本形態での処理の対象とする帳票2のイメージの一部を示す。本形態で処理する帳票2は、青系ドロップアウトカラーで印鑑枠が印刷され、赤系ドロップアウトカラーで記入文字枠が印刷され、黒色の手書き文字がかかれた帳票であり、複数のドロップアウトカラーが混在する帳票である。
【0136】
図21に、第4の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す。
【0137】
ドロップアウト処理装置400は、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、ヒストグラム演算部105と、判定しきい値算出部106と、ドロップアウトプレーン選択部107と、ドロップアウトプレーン2値化部108と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110と、2値化画像合成処理部111と、カスレ補正処理部112と、R、G、Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203と、R、G、Bプレーンごとの2値化処理部204、205、206と、YR合成演算部401と、YG合成演算部402と、YB合成演算部403と、カスレ補正処理部404とを備える。
【0138】
ドロップアウト処理装置400の各処理部のうち、イメージ取得部101と、影補正処理部102と、RGBプレーン分割部103と、画像記憶部104と、ヒストグラム演算部105と、判定しきい値算出部106と、ドロップアウトプレーン選択部107と、ドロップアウトプレーン2値化部108と、輝度信号生成部109と、輝度信号2値化処理部110と、2値化画像合成処理部111と、カスレ補正処理部112とは、図1のドロップアウト処理装置100を構成する同一番号が付与された各処理部とほぼ同一の処理を行い、R、G、Bプレーンごとのプレーンしきい値算出部201、202、203と、R、G、Bプレーンごとの2値化処理部204、205、206とは、図14のドロップアウト処理装置200を構成する同一番号が付与された各処理部とほぼ同一の処理を行う。
【0139】
YR合成演算部401は、Y信号2値イメージもしくは他の合成演算部402、403で合成された2値イメージと、Rプレーン2値イメージとをAND演算により合成処理し、新たな2値合成イメージを生成する手段である。
【0140】
YG合成演算部402は、Y信号2値イメージもしくは他の合成演算部401、403で合成された2値イメージと、Gプレーン2値イメージとをAND演算により合成処理し、新たな2値合成イメージを生成する手段である。
【0141】
YB合成演算部403は、Y信号2値イメージもしくは他の合成演算部401、402で合成された2値イメージと、Bプレーン2値イメージとをAND演算により合成処理し、新たな2値合成イメージを生成する手段である。
【0142】
これらの合成演算部401、402、403のうち、2つの合成演算部を組み合わせて処理を行うようにしてもよく、または、3 つの合成演算部すべてで処理を行うようにしてもよい。処理順序は、どの合成演算部から処理を行ってもよく、同一の結果となる。
【0143】
ドロップアウトプレーン選択部107は、判定しきい値算出部106が算出したしきい値をもとにドロップアウトプレーンが判定できたときは、その判定結果をドロップアウトプレーン2値化処理部108へ通知する。一方、ドロップアウトプレーンが判定できなかったときは、R/G/Bの各プレーンのプレーンしきい値算出部201、202、202に処理を渡す。この場合に、全てのプレーンしきい値算出部を起動するようにしてもよく、また、予め定めた所定のプレーンしきい値算出部のみを起動するようにしてもよく、また、所定の順序でプレーンしきい値算出部を1つずつ起動するようにしてもよい。
【0144】
輝度信号2値化処理部110は、前記説明のとおり、輝度信号生成部109で生成したY信号イメージに対して局所的2値化法を用いて、Y信号イメージがドロップアウトカラーを含めてすべての情報を出すように最適な2値化を行う。図22(A)にY信号2値イメージの例を示す。
【0145】
本形態において、図21に示す帳票2のイメージの赤系および青系のドロップアウトカラーを処理する例を説明する。
【0146】
Rプレーンしきい値算出部201は、ドロップアウトプレーン選択部107の通知を受けて、自動判別しきい値法を用いてRプレーンのしきい値を算出する。
そして、Rプレーン2値化処理部204は、算出されたしきい値を用いて、単純2値化処理もしくは局所的2値化法による最適2値化処理のいずれかの処理を行い、図22(B)に示すRプレーン2値イメージを生成する。
【0147】
そして、YR合成演算部401は、図22(A)のY信号2値イメージと図22(B)のRプレーン2値イメージとをAND演算で合成処理し、新たにYR2値イメージを生成する。
【0148】
図22(C)にYR2値イメージの例を示す。Y信号2値イメージの赤系ドロップアウトカラーの部分は2値化されて情報として出ているが、Rプレーン2値イメージでは赤系ドロップアウトカラーの部分が情報として出ていないので、AND演算処理により赤色の特性のドロップアウトカラーの部分は情報として出ずに消去される。
【0149】
そして、Bプレーンしきい値算出部203は、ドロップアウトプレーン選択部107の通知を受けて、自動判別しきい値法を用いてBプレーンのしきい値を算出する。そして、Bプレーン2値化処理部206は、算出されたしきい値を用いて、単純2値化処理もしくは局所的2値化法による最適2値化処理のいずれかの処理を行い、図22(D)に示すBプレーン2値イメージを生成する。
【0150】
その後、YB合成演算部403は、YR合成演算部401で生成したYR2値イメージとBプレーン2値イメージとをAND演算で合成処理し、新たにYRB2値イメージを生成する。
【0151】
図22(E)にYRB2値イメージの例を示す。YRB2値イメージではすでに赤系ドロップアウトカラーの部分は消去されているが、青系ドロップアウトカラーの部分は2値化されて情報として出ている。一方、Bプレーン2値イメージでは青系ドロップアウトカラーの部分は情報として出ていないので、AND演算処理により青色の特性のドロップアウトカラーも情報として出ずに消去される。
【0152】
よって、この時点で、赤色の特性と青色の特性の異なる2色のドロップアウトカラーの部分が消去されたことになる。
【0153】
なお、ドロップアウトカラー色の種別が判明しない場合には、さらにYG合成演算部402により、YRB2値イメージにGプレーン2値イメージをマスク処理(合成処理)することで、緑色の特性(G系)のドロップアウトカラーの部分も消去することができる。
【0154】
以上、本発明をその実施の形態により説明したが、本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能である。
【0155】
例えば、本発明の実施の形態では、本発明にかかるドロップアウト処理装置100、200、300、400は帳票2からカラーイメージを読み取るイメージ取得部101および影補正処理部102を備える構成について説明したが、ドロップアウト処理装置100、200、300、400は、帳票2の代わりに帳票のカラーイメージデータを種々のメディア等もしくは伝送路を介して入力するようにしてもよい。この場合に、イメージ取得部101および影補正処理部102は不要である。
【0156】
また、本発明にかかる装置を構成する種々イメージを2値化する各処理部は、2値化法として大局的2値化法と局所的2値化法とを組み合わせて2値化処理するようにしてもよい。
【0157】
また、カスレ補正処理部112、212、306、404は、出力する画像イメージの品質を保証するものであり、不要な場合もある。
【0158】
また、本発明にかかるドロップアウト処理装置100、200、300、400は、帳票2の読み取り装置内に組み込まれて実施されることも可能である。
【0159】
本発明の形態および実施例の特徴を列記すると以下のとおりである。
(付記1) 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理と、
前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記濃度特性から前記各プレーンごとの判別しきい値を自動的に算出するしきい値算出処理と、
前記判定しきい値を用いて前記各プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理とを、
コンピュータに実行させる
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理プログラム。
(付記2) 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理と、
前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理と、
前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理と、
前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージのそれぞれとについて、画素ごとに合成処理して各プレーンの2値合成イメージを生成する合成処理と、
前記各プレーン2値合成イメージそれぞれの画素頻度を算出し、前記画素頻度を用いて前記各プレーン2値合成イメージのもととなる前記プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理とを、
コンピュータに実行させる
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理プログラム。
(付記3)付記2記載のドロップアウトカラー識別処理プログラムにおいて、
前記合成処理では、画素ごとにAND演算を行い、前記各プレーン2値合成イメージを生成する処理と、
前記ドロップアウトプレーン識別処理では、前記各プレーン2値合成イメージの黒画素頻度を算出し、前記黒画素頻度が最小であるプレーン合成2値イメージのもととなるプレーンをドロップアウトプレーンとして選択する処理とを、
コンピュータに実行させる
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理プログラム。
(付記4)付記2記載のドロップアウトカラー識別処理プログラムにおいて、
前記合成処理では、画素ごとにXOR演算を行い、前記各プレーン2値合成イメージを生成する処理と、
前記ドロップアウトプレーン識別処理では、前記各プレーン2値合成イメージの黒画素の相違度を算出し、前記相違度が最大であるプレーン2値合成イメージのもととなるプレーンをドロップアウトプレーンとして選択する処理とを、
コンピュータに実行させる
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理プログラム。
(付記5) 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理方法において、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理過程と、
前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記濃度特性から前記各プレーンごとの判別しきい値を自動的に算出するしきい値算出処理過程と、
前記判定しきい値を用いて前記各プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理過程とを備える
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理方法。
(付記6) 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別するドロップアウトカラー識別処理方法において、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理過程と、
前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理過程と、
前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理過程と、
前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージのそれぞれとについて、画素ごとに合成処理して各プレーンの2値合成イメージを生成する合成処理過程と、
前記各プレーン2値合成イメージそれぞれの画素頻度を算出し、前記画素頻度を用いて前記各プレーン2値合成イメージのもととなる前記プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理過程とを備える
ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理方法。
(付記7) 帳票から識別したドロップアウトカラーによりドロップアウト処理を行うドロップアウト処理装置であって、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理手段と、
前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記濃度特性から前記各プレーンごとの判別しきい値を自動的に算出するしきい値算出処理手段と、
前記判定しきい値を用いて前記各プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理手段とを備える
ことを特徴とするドロップアウト処理装置。
(付記8) 帳票から識別したドロップアウトカラーによりドロップアウト処理を行うドロップアウト処理装置であって、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理手段と、
前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理手段と、
前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理手段と、
前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージのそれぞれとについて、画素ごとに合成処理して各プレーンの2値合成イメージを生成する合成処理手段と、
前記各プレーン2値合成イメージそれぞれの画素頻度を算出し、前記画素頻度を用いて前記各プレーン2値合成イメージのもととなる前記プレーンからドロップアウトプレーンを選択するドロップアウトプレーン選択処理手段とを備える
ことを特徴とするドロップアウト処理装置。
(付記9) 帳票から識別したドロップアウトカラーによりドロップアウト処理を行うドロップアウト処理装置であって、
帳票イメージデータからRGB系の各系のプレーンイメージを分離生成してRプレーン、Gプレーン、Bプレーンを取得するプレーン取得処理手段と、
前記帳票イメージから輝度信号イメージを生成し、さらに2値化して輝度信号2値化イメージを生成する輝度信号2値化処理手段と、
前記プレーン取得処理で取得した前記各それぞれのダイナミックな判定しきい値を求め、前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンをそれぞれ2値化して各プレーン2値化イメージを生成するプレーン2値化処理手段と、
前記輝度信号2値化イメージと、前記各プレーン2値化イメージの一のプレーン2値イメージとを、画素ごとに合成処理して第一の2値合成イメージを生成する第一の合成処理手段と、
前記第一の2値合成イメージと、前記各プレーン2値化イメージのうち前記第一の合成処理手段で処理されない一のプレーン2値イメージとを、画素ごとに合成処理して第二の2値合成イメージを生成する第二の合成処理手段とを備える
ことを特徴とするドロップアウト処理装置。
【0160】
【発明の効果】
本発明では、取得した帳票のイメージから分離生成したRGB系の各プレーンのヒストグラムからダイナミックなしきい値を求めて2値化してドロップアウトプレーンを識別し、識別したドロップアウトプレーンを用いてドロップアウト処理を行う。
【0161】
これにより、従来のように予め定められたドロップアウトカラー用の専用光源を備える必要がなく、またドロップアウトカラーの印刷の濃淡によるドロップアウト処理の性能低下を生ずることなく、精度よくドロップアウト処理を行うことが可能となる。
【0162】
また、帳票のイメージから分離生成したRGB系の各プレーンの2値イメージと輝度信号の2値イメージを合成するドロップアウト処理を各系のプレーンで組み合わせて行う。これにより、複数のドロップアウトカラーが使用されている帳票に対しても、ドロップアウトカラー別の領域を判定することなくドロップアウト処理ができる。
【0163】
特に、異なるマルチドロップアウトカラーの帳票上の領域位置等を処理前に記憶することなく、かつ、一時にドロップアウト処理を行えるため、種々のマルチドロップアウトカラーの帳票が混在するような場合でも、精度よくかつ簡易にドロップアウト処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における帳票2のイメージの一部を示す図である。
【図3】Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各ヒストグラム例を示す図である。
【図4】ドロップアウトプレーン2値イメージの例を示す図である。
【図5】7×7フィルタの例を示す図である。
【図6】Y信号イメージの2値化処理を説明するための図およびY信号2値イメージの例を示す図である。
【図7】YR2値イメージの例を示す図である。
【図8】カスレ補正処理の有無による結果例を示す図である。
【図9】局所2値化処理に対するカスレ補正処理の説明のための図である。
【図10】カスレ補正処理の有無による結果例を示す図である。
【図11】自動判別しきい値法による2値化処理に対するカスレ補正処理の説明のための図である。
【図12】カスレ補正処理の有無による結果例を示す図である。
【図13】第1の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フロー例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す図である。
【図15】AND演算処理により合成された2値イメージの例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フロー例を示す図である。
【図17】第3の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す図である。
【図18】XOR演算処理により合成された2値イメージの例を示す図である。
【図19】第3の実施の形態におけるドロップアウトプレーンの選択処理の処理フロー例を示す図である。
【図20】第4の実施の形態における帳票2のイメージの一部を示す図である。
【図21】第4の実施の形態における本発明にかかる装置の構成例を示す図である。
【図22】複数のAND演算の合成処理を説明するための図である。
【符号の説明】
2 帳票
3、4 画像イメージ
100、200、300、400 ドロップアウト処理装置
101 イメージ取得部
102 影補正処理部
103 RGBプレーン分割部
104 画像記憶部
105 ヒストグラム演算部
106 判定しきい値算出部
107 ドロップアウトプレーン選択部
108 ドロップアウトプレーン2値化処理部
109 輝度信号生成部
110 輝度信号2値化処理部
111 2値化画像合成処理部
112、212、306、404 カスレ補正処理部
201 Rプレーンしきい値算出部
202 Gプレーンしきい値算出部
203 Bプレーンしきい値算出部
204 Rプレーン2値化処理部
205 Gプレーン2値化処理部
206 Bプレーン2値化処理部
207、208、209 AND演算部
210、304、 黒画素頻度算出部
211、305 2値化画像合成処理部
301、302、303 XOR演算部
401 YR合成演算部
402 YG合成演算部
403 YB合成演算部

Claims (3)

  1. 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    帳票イメージデータからRGB系の各一系の色成分を除去したプレーンイメージであって、R系色成分を除去したRプレーン、G系色成分を除去したGプレーン、B系色成分を除去したBプレーンを生成するプレーン取得処理と、
    前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記各プレーンの濃度特性から所定の式にもとづいて判別しきい値を算出するしきい値算出処理と、
    前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンのから異なる濃度特性を示すプレーンを選択し、前記選択されたプレーンで除去された色系をドロップアウトカラーとして特定するドロップアウトプレーン選択処理とを、
    コンピュータに実行させる
    ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理プログラム。
  2. コンピュータが、帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理方法であって、
    帳票イメージデータから、RGB系の各一系の色成分を除去したプレーンイメージであって、R系色成分を除去したRプレーン、G系色成分を除去したGプレーン、B系色成分を除去したBプレーンを生成するプレーン取得処理過程と、
    前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記各プレーンの濃度特性から所定の式にもとづいて判別しきい値を算出するしきい値算出処理過程と、
    前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンの中から異なる濃度特性を示すプレーンを選択し、前記選択されたプレーンで除去された色系をドロップアウトカラーとして特定するドロップアウトプレーン選択処理過程とを備える
    ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理方法。
  3. 帳票のドロップアウト処理で用いるドロップアウトカラーを識別する処理装置であって、
    帳票イメージデータから、RGB系の各一系の色成分を除去したプレーンイメージであって、R系色成分を除去したRプレーン、G系色成分を除去したGプレーン、B系色成分を除去したBプレーンを生成するプレーン取得処理手段と、
    前記Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの各プレーンごとに濃度特性を求め、前記各プレーンの濃度特性から所定の式にもとづいて判別しきい値を算出するしきい値算出処理手段と、
    前記判定しきい値をもとに、前記各プレーンの中から異なる濃度特性を示すプレーンを選択し、前記選択されたプレーンで除去された色系をドロップアウトカラーとして特定するドロップアウトプレーン選択処理手段とを備える
    ことを特徴とするドロップアウトカラー識別処理装置。
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