JP3949946B2 - 風車駆動冷凍システム及び風車駆動ヒートポンプの運転方法とそのシステム - Google Patents

風車駆動冷凍システム及び風車駆動ヒートポンプの運転方法とそのシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風力エネルギを機械的エネルギに変換し、変換した機械的エネルギにより稼働する圧縮機→凝縮器→膨張弁→蒸発器よりなる冷凍システムにおいて、風車の出力トルクの変動に対応して効率よく冷凍サイクルの出力に反映させる風車駆動冷凍システムの運転方法と、そのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より風力エネルギを熱エネルギに変換する手段としては、風力エネルギを電気的エネルギに変換し、変換した電気的エネルギによりヒートポンプないし冷凍サイクルを介して熱エネルギへの変換が行われている。
則ち、ヒートポンプを駆動する装置として1978年に発表された「風車とヒートポンプを使用した冷房システム」が知られている。このシステムはプロペラ式風車で風力エネルギを電気エネルギに変換して、蓄電池に充電し、直流発電機で冷凍サイクルを稼働させたものである。
【0003】
また、実開昭63−29882号公報には、サボニウス形風車の誘導板をヒートポンプ装置の集放熱ユニットにした発明が開示されている。
この提案では、図5(A)の側面図と、(B)の正面図に示すように風力の方向に略直角な直立回転軸73を持つ風力原動機で冷媒圧縮機74を駆動し、その風力原動機への固定風力誘導手段を形成する誘導板72、72、72、72を設け、該誘導板にはそれぞれ冷媒通路75を設けて、誘導板72を加熱サイクルにあっては、冷媒の蒸発器として外気を熱源として作動させ、冷却サイクルにあっては、外気への放熱を介して冷媒の凝縮器として作動するようにしている。冷媒圧縮機74がサボニウス形風車71で動かされているので、風速が増す程冷媒圧縮機74の回転数も上がるので、
誘導板72の空気との熱伝達率も増加でき、従来方式に比べ、効率の高い風力エネルギの熱エネルギへの変換を行うようにしている。
なお、図において、76は水熱交換器、77は四方弁、78は膨張弁、79は受液器を示す。
【0004】
また、特開平11−82284号公報には、「風力利用エネルギシステム」として、風力エネルギより高温熱エネルギ、低温熱エネルギ及び電力を組み合わせて生成するシステムに関する提案が開示されている。
上記提案は図6に示すように風力手段50と、該風力手段50により得られた機械的動力により熱サイクルを構成する圧縮機60を駆動させて温熱エネルギを得る熱エネルギ変換手段62と、前記熱サイクルの膨張タービン63の駆動により発電させる電気エネルギ変換手段65とより構成し、前記風力手段50により得られた風力エネルギを高温高圧熱エネルギに変換して温熱の供給を可能にし、低温高圧熱エネルギにより膨張タービンを駆動させ電力を得る構成にしている。
【0005】
前記風力手段50は、風車51と、タワ−52上に設けた風車駆動軸53の回転を地上の動力伝達軸54に伝達する伝達機構55と、増速機構56と、流体継手57とクラッチ58とより構成する。
前記伝達機構55は内する二組の傘歯ギヤ55a、55bにより、風車に直結する水平回転を鉛直回転に変換し、さらに地上水平回転に変換させるとともに、
風向に対し図示していないヨー駆動装置を介して風車51を常に正対させる構造にしている。
【0006】
前記熱エネルギ変換手段62は、前記クラッチ58を介して得られた機械的動力により駆動して大気を吸入圧縮して高温高圧空気を得る圧縮機60と、得られた高温高圧空気60aより温熱を得る高温熱交換器61と、該高温熱交換器61を経由して低温になった高圧空気60bの持つ機械的エネルギにより駆動して直結発電機Gを駆動させる膨張タービン63とより構成してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、風力エネルギによる圧縮機駆動により形成される熱サイクルに大気空気熱を併用させるとともに、風車の回転動力を直接取り出して冷凍サイクルを駆動させる場合、風車のトルク特性と冷凍サイクルの圧縮機のトルク特性とにある特性のズレを整合させ効率よく風力を冷凍機出力に反映させた、風車駆動冷凍システムの運転方法とそのシステムの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の第1の発明の風車駆動冷凍システムの運転方法は、風力より得られる機械的エネルギを熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムの運転方法において、
風車の出力トルクの変動に冷凍システムを形成する冷凍機の冷凍トルクを対応させるべく、風車の最大出力トルクに対し、それより小さい冷凍トルクを必要としその和が前記最大出力トルクに相当する複数基の冷凍機を用意し、前記風力よる出力トルクが小さい間は前記複数基の一の冷凍機を使用し、前記出力トルクの増大につれ順次冷凍機を増加させて並列運転を移行する冷凍機の基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転を可能とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の吸入ガスのガス圧を可変とし、例えば風車の出力トルクが小さい間は前記ガス圧の低下を図るようにした
【0009】
前記請求項1記載の発明は、
風車駆動冷凍システムの運転方法に付き記載したもので、風車のトルク特性と冷凍機の冷凍トルク特性との特性のズレを整合させ効率良く風力を冷凍機出力に反映させるようにしたものである。
則ち、風車は風速に応じて回転数が上昇し、出力トルクも上昇するが、本発明での一般的冷凍機に使用する容積型は回転数に対し一定トルクを要求するので、
風車の出力トルクに対応させて該トルクに冷凍機の必要とする冷凍トルクを合わせる必要がある。
【0010】
そのため、本発明では、風車の出力トルクの変動に冷凍機の冷凍トルクを可変対応させたもので、
風車の最大出力トルクに対し、小さい必要トルクで稼働しその和が前記最大出力トルクに相当する複数基の冷凍機を用意し、風車の出力トルクが小さい間は前記複数基の冷凍機を単独で使用し、前記出力トルクの増大につれ並列運転をする冷凍機の基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転をするようにしている。
この場合、冷凍機をヒートポンプに変えて構成しても同様の効果を有し、風力より得られる機械的エネルギを熱エネルギに変換する風車駆動ヒートポンプシステムの運転方法において、
風車の出力トルクの変動に空調システムを形成するヒートポンプの駆動トルクを対応させるべく、風車の最大出力トルクに対し、それより小さい駆動トルクを必要としその和が前記最大出力トルクに相当する複数基のヒートポンプを用意し、前記出力トルクが小さい間は前記複数基の一のヒートポンプを使用し、前記出力トルクの増大につれ並列運転をするヒートポンプの基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転を可能とする風車駆動ヒートポンプシステムの運転方法として特定される。
【0011】
【0012】
【0013】
また本発明は、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の吸入ガスのガス圧を可変とし、風車の出力トルクが小さい間は前記ガス圧の低下を図るようにした。
【0014】
前記請求項記載の発明は、
風車トルクの変動に対する冷凍トルクの対応について記載したもので、圧縮機の吸入ガスのガス圧を可変とし、風車トルクが小さい時は前記吸入ガス圧の低下を図ったものである。
【0015】
また、前記請求項記載の発明は、風力より得られる機械的エネルギを熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムの運転方法において、
風車の出力トルクの変動に冷凍システムを形成する冷凍機の冷凍トルクを対応させるべく、風車の最大出力トルクに対し、それより小さい冷凍トルクを必要としその和が前記最大出力トルクに相当する複数基の冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)を用意し、前記風力よる出力トルクが小さい間は前記複数基の一の冷凍機を使用し、前記出力トルクの増大につれ順次冷凍機を増加させて並列運転を移行する冷凍機の基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転を可能とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の出力側の凝縮圧力を可変とし、例えば風車のトルク出力が小さい間は凝縮器の冷却能力の増大による凝縮圧力の低下を図るようにした。
【0016】
本発明は、風車トルクの変動に対する冷凍トルクの対応について記載したもので、圧縮機の出力側の凝縮器の冷却能力を可変とすることにより行うようにしたものである。
【0017】
なお、前記冷凍トルクの対応は、前記請求項1、請求項2記載の発明を併用しても良い。
【0018】
そこで、前記請求項の風車駆動冷凍システムの運転方法を好適に使用した本発明の第2の発明である風車駆動冷凍システムは、
風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、クーリングタワーと圧縮機と蒸発器と膨張弁とよりなる空冷冷凍サイクル若しくはヒートポンプサイクルよりなる冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)に接続して、風力を大気熱の併用により熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムであって、
前記冷凍機は、風車の変動する出力トルクに対応する冷凍トルクの可変機能により構成し、前記冷凍トルクの可変機能は、
前記動力伝達部に複数基の冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)を備え、各冷凍機の必要冷凍トルクの和が、
前記風車の最大出力トルクに相当する構成とし、風車の出力トルクの最大出力時には全基並列駆動状態に置き、前記出力トルクの変動に応じて並列運転基数を加減する構成とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の前記冷凍機の並列運転を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の出力側の凝縮圧力を可変とし、例えば風車のトルク出力が小さい間は凝縮器の冷却能力の増大による凝縮圧力の低下を図るようにしたことを特徴とする。
【0019】
前記請求項記載の発明は、請求項2記載の運転方法を好適に使用した第2の発明である風車駆動冷凍システムの構成を記載したものである。
則ち、風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、クーリングタワーと圧縮機と蒸発器と膨張弁とよりなる空冷冷凍サイクル若しくはヒートポンプサイクルよりなる冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)に接続して、風力を大気熱の併用により熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムであって、
前記冷凍機は、風車の変動する出力トルクに対応する冷凍トルクの可変機能により構成し、前記冷凍トルクの可変機能は、
前記動力伝達部に複数基の冷凍機を備え、各冷凍機の必要冷凍トルクの和が、
前記風車の最大出力トルクに相当する構成とし、風車の出力トルクの最大出力時には全基並列駆動状態に置き、前記出力トルクの変動に応じて並列運転基数を加減する構成とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の前記冷凍機の並列運転を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の吸入側に吸入圧力調整弁を設け、風車の出力トルクが大である時は絞り度を小にし、出力トルクが小の時は絞り度を大にする構成としたことを特徴とする。
【0020】
そして、前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備え、クーリングタワーと圧縮機と蒸発器と膨張弁とよりなる空冷冷凍サイクルよりなる冷凍機に接続して、風力を大気熱の併用により効率的熱変換を可能とする構成にしている。
前記冷凍機は、風車の変動する出力トルクに対応する冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能を持つ構成としたものである。
なお、前記したように凝縮器の凝縮熱はクーリングタワーにより外気へ放出させるようにした空冷式冷凍サイクルにより構成したもので、圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁、を一体構造として熱媒体にはアンモニアを使用する場合にも対応できるようにしてある。
【0021】
【0022】
【0023】
また、前記請求項記載の冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能は、
前記圧縮機の吸入側に吸入圧力調整弁を設け、風車の出力トルクが大である時は絞り度を小にし、出力トルクが小の時は絞り度を大にする構成が好ましい。
【0024】
前記請求項記載の発明は、
冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能の別の一手段に付き記載したもので、圧縮機の負荷を可変として変動する風車の出力トルクに対応させる一つ手段として行うもので、圧縮機吸入ガスのガス圧を可変とし、圧縮機の吸入側に設けた圧力調整弁により風車出力トルクが大である時は絞り度を小にし、出力トルクが小さいときは圧縮調整弁の絞りを大にして吸入ガスの圧力を低下させ圧縮機の必要トルクを低下させ運転を可能とさせたものである。
【0025】
また、前記請求項記載の冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能は、
前記圧縮機の出力側凝縮器に、外部より導入する冷却用空気の送風量、冷却水の温度の加減装置を設け、風車出力の小なるときは冷却効率を上げる構成が好ましい。
【0026】
前記請求項記載の発明は、
冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能の他の一手段に付き記載したもので、圧縮機の凝縮圧力を低下させて、圧縮機の必要トルクを可変減少させるようにしたものである。
則ち、通常凝縮器の冷却には空冷または水冷をまたはその組合せにより行っているが、凝縮器に付設した温度加減装置により冷却水の温度の加減や冷却風量の加減により増加ないし減少させて凝縮圧力を可変とさせたものである。
【0027】
また、前記冷凍機は、冷熱を蓄熱する氷蓄熱槽を設ける構成が好ましい。
【0028】
前記実施例は、冷熱を蓄熱する氷蓄熱槽について記載したもので、得られた冷熱を氷蓄熱槽に貯留し断続運転を余儀なくさせられる風力駆動に対応できる構成とするとともに、前記凝縮器の冷却能力の向上に氷蓄熱槽に蓄熱した冷熱を適宜使用しても良い。
【0029】
なお、前記風車動力伝達部は、プロペラ風車使用の場合は風向き正対機構を持つ水平軸駆動部と、水平軸駆動を傘歯ギヤ駆動部を介して垂直回転駆動力を得ているが、ダリウス型やハイブリッド型の垂直軸型風車を使用する場合は前記垂直軸駆動に切り替える切り替え機構を必要としない。
【0030】
また、前記圧縮機に横型圧縮機を使用する場合は垂直軸駆動を出力側動力伝達系の水平軸駆動に切り替えるための傘歯ギヤ駆動部を介在させる必要がある。
【0031】
また、前記圧縮機に立型圧縮機を使用してもよく、その場合は、垂直軸駆動をそのまま出力側動力伝達系に使用するため、切り替え用傘歯ギヤ駆動部の配設は不要である。
【0032】
そしてまた、前記冷凍機は、圧縮機回転数が約3000rpmを中心にプラスマイナス約20%の範囲においてはクラッチ機構を介して運転させる構成が好ましい。
【0033】
前記発明の実施例は、風力により地上機械動力を得る伝導機構の出力が動力伝達系に増速機構を設け、圧縮機の効率的基準回転数である約3000rpmに増速させ、圧縮効率への影響が低い上下20%の範囲でクラッチを介して断続運転させる構成にしたものである。
【0034】
そしてまた、前記増速機構は、圧縮機入力回転数を約3600rpmまで増速する構成が好ましい。
【0035】
即ち前記圧縮機の効率的基準回転数は約3000rpmが適当であるため、前記伝導機構に付設した増速機構は最大約3600rpmmの増速を可能の構造にしている。
【0036】
そしてまた、前記増速機構は、複数段変速機構または無段階変速機構よりなる構成が好ましい。
【0037】
即ち、風車の動力を冷凍サイクルへ伝達する過程で、通常風車の数十回転レベルの回転数を前記約3000回転のレベルまで増速する必要がある。しかし、一定の増速比の場合だと、冷凍サイクルの圧縮機の定トルク特性に幅広く対応できない。増速比を複数ステップにする複数段変速機構か、または無段階に増速比を変えられる無段階変速機構を備える構成としたものである。
【0038】
そしてまた、前記冷凍サイクルが運転停止する期間は別途用意した発電機を駆動させ、蓄電池を充電させる構成が好ましい。
【0039】
前記発明の実施例は、
基準回転数の上下20%の範囲での運転をさせ、
運転停止期間は風力の有効利用を図るため、発電機を駆動させて蓄電池に充電し、
該蓄電池を介しての電力の効率運転を行うようにしたものである。
【0040】
ついで、本発明の第3の発明である風車駆動ヒートポンプシステムは、
風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、ヒートポンプを接続して、大気熱を併用させ風車動力を熱エネルギに変換する装置であって、
前記ヒートポンプは、放熱/採熱用ヒーティングタワーと圧縮機と凝縮器/蒸発器と膨張弁と冷温熱切り替え用四方弁よりなる、空気熱源と風力動力源とにより作動するヒートポンプと、得られた冷熱/温熱を蓄熱する蓄熱槽とを設ける構成としたことを特徴とする請求項3,若しくは4記載の風車駆動冷凍システムにある。
【0041】
前記発明の実施例は、
風力エネルギから得られた機械的エネルギを熱媒体の圧縮に使用するとともに、
前記熱媒体により形成されるヒートポンプの蒸発/凝縮過程に大気からの空気熱の放熱/採熱作用を併用したもので、得られた温熱/冷熱は蓄熱槽に適宜蓄熱するようにしている。
【0042】
なお、前記大気中からの空気熱の放熱/採熱はヒーティングタワーにより行い、
採熱時には該ヒーティングタワーを蒸発器として作動させて蒸発潜熱を奪わせ、放熱時には前記ヒーティングタワーを凝縮器として作動させ、凝縮熱を大気中へ放出するようにしてある。
【0043】
なお、上記ヒートポンプに使用する熱媒体にはブラインを使用し間接熱交換をする構成にしても良い。
【0044】
なお、前記風車動力伝達部は、プロペラ風車使用の場合は風向き正対機構を持つ水平軸駆動部と、水平軸駆動を傘歯ギヤ駆動部を介して垂直回転駆動力を得ているが、ダリウス型やハイブリッド型の垂直軸型風車を使用する場合は前記垂直軸駆動に切り替える切り替え機構を必要としない。
【0045】
なお、前記圧縮機に、横型圧縮機を使用する場合は、水平回転軸を伝導軸に持つ出力側動力伝達系に接続する。
なお、この場合は垂直駆動を水平軸駆動に変換するための傘歯ギヤ駆動部の配設を必要とする。
【0046】
また、前記圧縮機に、立型圧縮機を使用する場合は、鉛直回転軸を伝導軸に持つ出力側動力伝達系に接続する。
この場合は垂直駆動軸をそのまま使用するため、上記傘歯ギヤ駆動部の配設は必要としない。
【0047】
そしてまた、前記ヒーティングタワーは、風向きに正対して大気をヒーティングタワーの熱交換器の伝熱面へ誘導する誘導用の自動的回動機構を持つ空気取り入れ口を設ける構成が好ましい。
【0048】
前記発明の実施例は、ヒーティングタワーの外気に接する伝熱面に上部より下方に吹き抜けるラッパ状大気誘導パスを設けるとともに、その基部に設けた回動機構により外気取り入れ口を風向に対し正対させて外気の取り入れと伝熱の効率化を図っている。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の第2の発明である風車駆動冷凍システムの概略の構成を示す図で、図2は図1の別の実施例の概略の構成を示す図で、図3は図1の他の実施例の概略の構成を示す図で、(A)は冷凍機に吸入圧力調整弁を付設した場合を示し、(B)は冷凍機の凝縮器に冷却温度調整装置を付設した場合を示す図である。
図4は本発明の第3の発明である風車駆動ヒートポンプシステムの概略の構成を示す図である。
【0050】
図1は、本発明の第2の発明である風車駆動冷凍システムの概略の構成を示してある。図に見るように本発明の風車駆動冷凍システムは、風力を機械回転エネルギに変換する風車動力伝達部20と、冷凍機21と、氷蓄熱槽24と、発電機25とより構成し、前記風車動力伝達部20より送られた機械的動力により冷凍機21を稼働させ、得られた冷熱を氷蓄熱槽24で蓄熱し、不規則な風力動力の供給に対応させて前記氷蓄熱槽24を介して安定した冷熱の供給を可能にするとともに風力の小さい間は前記発電機25による発電を行っている。
【0051】
前記風車動力伝達部20は、風車51と、タワー52上に設けた風車駆動軸53と、地上に設けた出力側の2個の動力伝達軸54と、前記風車駆動軸53より動力伝達軸54に動力を伝達する伝達機構55とより構成する。
前記伝達機構55は内する二組の内の一の傘歯ギヤ55aにより、風車駆動軸53の水平回転を鉛直回転に変換し、さらに他の一の傘歯ギヤ55bにより前記鉛直回転より地上の2個の動力伝達軸54の水平回転に変換させるとともに、前記鉛直軸には図示していないユニバーサルジョイントを設け柔構造とするとともに、図示していないヨー駆動装置を介して風車51を常に風向に対し正対させる構造にしてある。
【0052】
なお、前記出力側の2個の動力伝達軸54にはそれぞれ増速機構22とクラッチ23とカップリング30を設ける構成にしてあるが、前記増速機構22は、
使用する風車に対し特定の基準風速領域を設定し、その基準値を対象に風車回転数を増速し、得られた増速回転数が風車動力により稼働する圧縮機ないし発電機の定格回転数に一致させる構成にしてある。
また、クラッチ23は、変動する風速に頻繁に対応可能な構造とし、所定回転数以下の風速の場合はカットし、前記発電機25に低風速時の風力を電力に変換し別途用意した図示していない蓄電池に充電する構成にしている。
【0053】
なお、前記風車動力伝達部20は、プロペラ風車の代わりにダリウス型やハイブリッド型の垂直軸型風車を使用する場合は、前記垂直軸駆動に切り替える前記伝達機構55の傘歯ギヤ55a及び図示していない前記ヨー駆動装置の設置は不要になる。また、後記する冷凍機21の圧縮機26に垂直駆動軸を持つ立型圧縮機を使用する場合は、前記風車動力伝達部20に設けた垂直軸駆動を水平軸駆動に変換する他のひと組みの傘歯ギヤ55bの配設は不要となるが、この場合には増速機構22、クラッチ23は前記圧縮機の上部に設ける必要がある。
【0054】
前記冷凍機21は、圧縮機26と凝縮器27aを内蔵するクーリングタワー27と膨張弁28と蒸発器29とより構成し、前記圧縮機26に入力された風車動力伝達部20よりの機械的動力により冷凍機21を稼働させ、生成された冷熱29aは氷蓄熱槽24へ導入蓄熱して、不規則な風車駆動に対応、安定した冷熱の供給を可能にしている。
【0055】
なお、冷凍機21は、前記したように、凝縮熱の冷却をクーリングタワー27により行うようにした空冷式冷凍サイクルでは、圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁をパッケージ状に一体構造に形成し、熱媒体には環境に優しいアンモニアを使用する構成にしても良い。
圧縮機26、凝縮器27a、蒸発器29、膨張弁28により形成された上記冷凍機には、2次冷媒にブラインを使用し前記凝縮器での凝縮熱は前記ブラインによりクーリングタワー27で冷却し、前記蒸発器29での蒸発潜熱は前記ブラインを介して氷蓄熱槽へ導入し、
−10〜−40℃の冷熱を得る構成にしている。
【0056】
なお、前記増速機構22は圧縮機の効率的基準回転数である約3000rpmを基準とし上下20%の範囲で運転させるため、最大3600rpmまで増速可能の構造とし、クラッチ23を介して前記効率的基準回転数3000rpmの上下20%の範囲で断続運転させ、下限回転数に対しては運転停止する機能を持つ構成としたものである。
なお、風車の動力を冷凍サイクルへ伝達する過程で、通常風車の数十回転レベルの回転数を前記約3000回転のレベルまで増速する必要があるが、一定の増速比の場合だと、冷凍機の圧縮機の定トルク特性に幅広く対応できない。そのため、本発明では増速比を複数ステップにする複数段変速機構か、または無段階に増速比を変えられる無段階変速機構を備える構成としてある。
【0057】
図2には、図1の別の実施例を示している。この場合は、出力側の動力伝達軸54、54のふた組みを用意し、それぞれの動力伝達軸54に設けたカップリングを介してふた組みの冷凍機21、21を配設し、それぞれの圧縮機の必要トルクは風車の最大トルクの1/2に設定し、風車の回転数が小さく出力トルクが小さい間は前記冷凍機21を単独で稼働させ、風車の出力トルクの最大出力時には2台の冷凍機21、21を並列稼働させ、風車の出力トルクの変動に対応して効率よく冷凍機出力に反映させる構成にしてある。
なお、前記増速機構22を傘歯ギヤ55bの手前に配設して2台の増速機構を1台にすることも可能であり、また、前記傘歯ギヤ55bで1本の動力伝達軸を出し、
増速機構22で2軸に取り出すことも可能である。
また、最大出力トルクの1/3〜1/4のトルクを圧縮機の必要トルクとする冷凍機を3〜4基使用し、前記動力伝達軸を3〜4本設け、きめ細かい運転をしても良い。
【0058】
図3は図1の他の実施例の概略の構成を示す図で、(A)は冷凍機に吸入圧力調整弁31を付設した場合を示し、(B)は冷凍機の凝縮器に冷却温度調整装置32を付設した、それぞれ冷凍機に冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)の可変機能を持たせた場合を示す図である。
【0059】
図3の(A)に見るように、この場合は冷凍機21において圧縮機26の手前に吸入圧力調整弁31を設け、圧縮機の必要トルクを可変として変動する風車の出力トルクに対応させるようにしたもので、圧縮機26の吸入ガスのガス圧を可変し、吸入側に設けた吸入圧力調整弁31により風車出力トルクが大である時は絞りを小にし、出力トルクが小さいときは圧縮調整弁の絞りを大にして吸入ガスの圧力を低下させ圧縮機の必要トルクを低下させた運転を可能としたものである。
【0060】
図3(B)には、冷凍機21の凝縮器27aに冷却温度調整装置32を付設した場合を示し、
冷凍トルク(圧縮機の必要トルク)を可変として、変動する風車の出力トルクに対応させる一つの手段として設けるようにしたもので、風車出力が小さい時は、冷却効率を上げ圧縮機26の凝縮圧力を低下させて、圧縮機の必要トルクを可変減少させるようにしたものである。
則ち、通常凝縮器の冷却には空冷または水冷をまたはその組合せにより行っているが、この冷却能力を増大させるため、例えば冷却水に氷蓄熱槽の冷水を追加して低温にするか、又は冷却風量を増す等して空冷効率を上げるかして凝縮圧力を低下させたものである。
【0061】
なお、冷凍トルク(冷凍機の圧縮機の必要トルク)の調節には、前記図3(A)、(B)に行った方法を併用しても良い。
【0062】
図4には、本発明の第3の発明である風車駆動ヒートポンプシステムの概略の構成を示している。
図に見るように、本発明の風車駆動ヒートポンプは、風力を機械回転エネルギにに変換する風車動力伝達部10と、ヒートポンプ11と、蓄熱槽12とより構成し、
前記風車動力伝達部10より送られた機械的動力と大気の持つ空気熱とを併用して、ヒートポンプ11を作動させ、変動が激しく断続的に得られる冷温熱を蓄熱槽12に蓄熱して定常的冷温熱の供給を可能としたものである。
【0063】
前記風車動力伝達部10は、風車51と、タワー52上に設けた風車駆動軸53と、地上の出力側の動力伝達軸54と、前記風車駆動軸53より風車動力を前記動力伝達軸に伝達する伝達機構55と、増速機構22と、クラッチ23とより構成する。
前記伝達機構55は内する一の傘歯ギヤ55aにより、風車駆動軸53の水平回転を鉛直回転に変換し、さらに他の一の傘歯ギヤ55bにより前記鉛直回転より地上の動力伝達軸54の水平回転に変換させるとともに、前記鉛直軸には図示していないユニバーサルジョイントを設け柔構造とするとともに、図示していないヨー駆動装置を介して風車51を常に風向に対し正対させる構造にしている。
【0064】
なお、前記出力側の動力伝達軸54には前記増速機構22とクラッチ23を設ける構成にしているが、前記増速機構22は、特定の風車基準風速領域を設定し、その基準値を対象に風車回転数を増速し、得られた増速回転数を持つ風車動力により稼働する圧縮機の定格回転数に一致させる構成にしてある。
そして、本発明では、前記したように、増速比を複数ステップにする複数段変速機構か、または無段階に増速比を変えられる無段階変速機構を備える構成としている。
また、クラッチ23は、変動する風速に頻繁に対応可能な構造とし、所定回転数以下の風速の場合は運転をカットするようにしている。
【0065】
なお、前記風車動力伝達部10は、プロペラ風車の代わりにダリウス型やハイブリッド型の垂直軸型風車を使用する場合は、前記垂直軸駆動に切り替える前記伝達機構55の傘歯ギヤ55a及び図示していない前記ヨー駆動装置の設置は不要になる。また、後記するヒートポンプ11の圧縮機13に垂直駆動軸を持つ立型圧縮機を使用する場合は、前記風車動力伝達部に設けた垂直軸駆動を水平軸駆動に変換する他のひと組みの傘歯ギヤ55bの配設は不要となるが、この場合には増速機構22、クラッチ23は前記圧縮機の上部に設ける必要がある。
【0066】
前記ヒートポンプ11は、圧縮機13とヒーティングタワー16と膨張弁15と凝縮器/蒸発器17と、四方弁18a、18bとより構成し、前記圧縮機13に入力された風車動力伝達部10よりの機械的動力と、前記四方弁18a、18bの選択により前記ヒーティングタワー16に導入された大気中の空気熱の放熱/採熱のいずれかの選択により、前記凝縮器/蒸発器17を蒸発器として作動させ蒸発潜熱より冷熱を生成させるか、または凝縮器として作動させ凝縮熱より温熱を生成させるようにしている。
前記放熱/採熱の何れかの選択は切り替え四方弁18a、18bの90度毎の回動により所定の選択ができる構成にしている。
【0067】
則ち、図示の位置では、ヒーティングタワー16により凝縮熱を放熱させ、凝縮器/蒸発器17より冷熱を生成させ、図示の位置よりそれぞれ90度回動させた場合はヒーティングタワー16での大気よりの採熱により蒸発状態にある冷媒を加熱し凝縮器/蒸発器17より温熱を生成させる。
なお、ヒーティングタワー16の外気に接触する伝熱面には、上部より下方に吹き抜けるラッパ状外気誘導パスを設けるとともに、その基部に設けた回動機構により大気取り入れ口を風向に対し正対させて外気の取り入れの効率化を図っている。
なお上記ヒートポンプに使用する熱媒体にはブラインを使用し、間接熱交換により採熱/放熱及び冷温熱の取出しを行うようにしても良い。
【0068】
上記ヒートポンプ11により生成された冷温熱は蓄熱槽12へ導入蓄熱して、不規則な風車駆動に対応、安定した冷温熱の供給を可能にしている。
【0069】
【発明の効果】
本発明は上記構成により下記効果を奏する。
風車の回転動力を直接取り出して冷凍機を駆動させる場合、風車のトルク特性と冷凍機の圧縮機のトルク特性とにある特性のズレを整合させたため、効率よく風力を冷凍機出力に反映させることができる。
風力に対し多目的に風力エネルギを活用する構成にしており、風車駆動ヒートポンプにおいては温水と冷水とを同時に効率よく供給出来、また風車駆動冷凍システムにおいては−10〜−40℃程度の低温熱源と電力源を同時に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第2の発明である風車駆動冷凍システムの概略の構成を示す図である。
【図2】 図1の別の実施例の概略の構成を示す図である。
【図3】 図1の他の実施例の概略の構成を示す図で、(A)は冷凍サイクルに吸入圧力調整弁を付設した場合を示し、(B)は冷凍サイクルの凝縮器に冷却温度調整装置を付設した場合を示す図である。
【図4】 本発明の第3の発明である風車駆動ヒートポンプシステムの概略の構成を示す図である。
【図5】 従来の風力利用エネルギシステムの概略構成を示す図である。
【図6】 従来の風力利用エネルギシステムの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 風車動力伝達部
11 ヒートポンプ
12 蓄熱槽
13、26 圧縮機
15、28 膨張弁
16 ヒーティングタワー
17 凝縮器/蒸発器
18a、18b 四方弁
21 冷凍機
22 増速機構
23 クラッチ
24 氷蓄熱槽
25 発電機
27 クーリングタワー
29 蒸発器
29a 冷熱
30 カップリング
31 吸入圧力調整弁
32 冷却温度調整装置

Claims (6)

  1. 風力より得られる機械的エネルギを熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムの運転方法において、
    風車の出力トルクの変動に冷凍システムを形成する冷凍機の冷凍トルクを対応させるべく、風車の最大出力トルクに対し、それより小さい冷凍トルクを必要としその和が前記最大出力トルクに相当する複数基の冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)を用意し、前記風力よる出力トルクが小さい間は前記複数基の一の冷凍機を使用し、前記出力トルクの増大につれ順次冷凍機を増加させて並列運転を移行する冷凍機の基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転を可能とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の吸入ガスのガス圧を可変としたことを特徴とする風車駆動冷凍システムの運転方法。
  2. 風力より得られる機械的エネルギを熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムの運転方法において、
    風車の出力トルクの変動に冷凍システムを形成する冷凍機の冷凍トルクを対応させるべく、風車の最大出力トルクに対し、それより小さい冷凍トルクを必要としその和が前記最大出力トルクに相当する複数基の冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)を用意し、前記風力よる出力トルクが小さい間は前記複数基の一の冷凍機を使用し、前記出力トルクの増大につれ順次冷凍機を増加させて並列運転を移行する冷凍機の基数を増加させ、最大出力トルク時には全基並列運転を可能とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の出力側の凝縮圧力を可変としたことを特徴とする風車駆動システムの運転方法。
  3. 風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
    前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、クーリングタワーと圧縮機と蒸発器と膨張弁とよりなる空冷冷凍サイクル若しくはヒートポンプサイクルよりなる冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)に接続して、風力を大気熱の併用により熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムであって、
    前記冷凍機は、風車の変動する出力トルクに対応する冷凍トルクの可変機能により構成し、前記冷凍トルクの可変機能は、
    前記動力伝達部に複数基の冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)を備え、各冷凍機の必要冷凍トルクの和が、
    前記風車の最大出力トルクに相当する構成とし、風車の出力トルクの最大出力時には全基並列駆動状態に置き、前記出力トルクの変動に応じて並列運転基数を加減する構成とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の前記冷凍機の並列運転を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の出力側の凝縮圧力を可変としたことを特徴とする風車駆動冷凍システム。
  4. 風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
    前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、クーリングタワーと圧縮機と蒸発器と膨張弁とよりなる空冷冷凍サイクル若しくはヒートポンプサイクルよりなる冷凍機若しくはヒートポンプ(以下冷凍機という)に接続して、風力を大気熱の併用により熱エネルギに変換する風車駆動冷凍システムであって、
    前記冷凍機は、風車の変動する出力トルクに対応する冷凍トルクの可変機能により構成し、前記冷凍トルクの可変機能は、
    前記動力伝達部に複数基の冷凍機を備え、各冷凍機の必要冷凍トルクの和が、
    前記風車の最大出力トルクに相当する構成とし、風車の出力トルクの最大出力時には全基並列駆動状態に置き、前記出力トルクの変動に応じて並列運転基数を加減する構成とするとともに、前記冷凍機の並列運転基数を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の前記冷凍機の並列運転を増加若しくは減少させる間の前記風力よる出力トルク変動については単独若しくは並列運転されている対応する冷凍機の圧縮機の吸入側に吸入圧力調整弁を設け、風車の出力トルクが大である時は絞り度を小にし、出力トルクが小の時は絞り度を大にする構成としたことを特徴とする風車駆動冷凍システム。
  5. 風向きに常に正対する正対機構を備えたプロペラ型風車や垂直軸型風車により回転動力を得る風車駆動部と、該回転動力を負荷側へ出力する動力伝達部と、その間を結ぶ伝達機構と、より風車動力伝達部を構成し、
    前記動力伝達部には、増速機構と、クラッチ機構を少なくとも備える構成とするとともに、ヒートポンプを接続して、大気熱を併用させ風車動力を熱エネルギに変換する装置であって、
    前記ヒートポンプは、放熱/採熱用ヒーティングタワーと圧縮機と凝縮器/蒸発器と膨張弁と冷温熱切り替え用四方弁よりなる、空気熱源と風力動力源とにより作動するヒートポンプと、得られた冷熱/温熱を蓄熱する蓄熱槽とを設ける構成としたことを特徴とする請求項3,若しくは4記載の風車駆動冷凍システム
  6. 前記ヒーティングタワーは、風向きに正対して大気をヒーティングタワーの熱交換器の伝熱面へ誘導する外気誘導用の自動的回動機構を持つ空気取り入れ口を設けたことを特徴とする請求項記載の風車駆動冷凍システム
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