JP3949915B2 - 空間変換に基づく楕円体問合せ方法および装置と空間変換に基づく楕円体問合せプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

空間変換に基づく楕円体問合せ方法および装置と空間変換に基づく楕円体問合せプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算を高速かつ効率的に行い得る空間変換に基づく楕円体問合せ方法および装置と空間変換に基づく楕円体問合せプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア内容検索システムは、マルチメディアデータから抽出した特徴ベクトルを用い、問合せオブジェクトと類似したデータオブジェクトを検索する。システムに実装されているパターン認識手法の多様化、データベースの大規模化に伴い、これらのシステムでは検索精度と検索性能の両方の向上が必要である。そこで、探索手法は、より一般的な距離関数に基づいた情報検索および類似検索処理の高速化が必要となる。
【0003】
マルチメディア内容検索システムにおける類似検索メカニズムは、ユークリッド距離関数のみならず、より一般的な楕円体距離関数を扱える能力を持つことが望ましい。ユークリッド距離空間では、すべての次元が互いに独立しているため、利用者の好みを十分に反映することができない。これに対して、楕円体距離関数は次元間の相関や重みを表現することができ、これらの関数を用いた検索メカニズムは関数決定の自由度が高く、利用者が望むデータオブジェクトを高い精度で検索することができる。問合せ行列をM、問合せ点をq、データ集合に含まれる任意の点をpとするとき、楕円体距離は
【数1】
Figure 0003949915
のように計算され、Mは正定行列であるために
【数2】
Figure 0003949915
となる。
【0004】
d次元空間では、ユークリッド距離関数は図6(a)に示すように等距離面が球となる。重み付きユークリッド距離関数の等距離面は図6(b)に示すように楕円体であり、その主軸は座標に沿ったものである。楕円体距離関数の等距離面は図6(c)に示すように楕円体であり、その主軸は任意の方向を向いている。すなわち、楕円体距離関数はユークリッド距離関数や重み付きユークリッド距離関数を一般化したものと見なすことができ、楕円体距離関数はユークリッド距離関数よりも利用者の意思をより正確に表現することができる。
【0005】
従来技術として、例えば文献:Thomas Seidl and Hans-Peter Kriegel.“Efficient User-Adaptable Similarity Search in Large Multimedia Databases",In Proc.of 23rd International Conference on Very Large Data Bases(VLDB),pp.506-515,Athens,August 1997(以下、文献1と称する)では、利用者適応の楕円体問合せを処理するための手法を提案している。利用者適応の楕円体問合せとは、毎回または利用者毎に異なる重みや相関を反映した問合せのことを指す。この手法は、索引構造を用い、包囲矩形と問合せ点との厳密な距離を最急降下法に基づいて計算し、探索処理を行っている。しかしながら、dを次元数、ωを最急降下法の繰り返し回数とするとき、問合せ点と包囲矩形の距離計算にO(ω・d2 )時間を必要とし、これは検索処理におけるディスクアクセスに要する時間を超えている。
【0006】
また、文献:Mihael Ankerst,Bernhard Braunmuller,Hans-Peter Kriegel,and Thomas Seidl,“Improving Adaptable Similarity Query Processing by Using Approximations",In Proc.of the 24th International Conference on Very Large Data Bases(VLDB),pp.206-217,New York City,NY,August 1998(以下、文献2と称する)の探索アルゴリズムでは、AnkerstらがCPUコストを削減するために、MBB(Minimum Bounding Box)距離関数とMBS(Minimum Bounding Sphere)距離関数を用いて厳密な距離計算回数を削減している。次式は、MBB 距離とMBS距離の定義式である。
【0007】
【数3】
Figure 0003949915
ここで、λMi(i=1,…,d)は、Mの固有値であり、λMminはMの最小の固有値である。MBB距離関数は矩形を用いて楕円体問合せの領域を包囲し近似する。MBS距離関数は球を用いて近似する。2つの関数は、距離計算にO(d)時間しか必要としない。この文献2の探索アルゴリズムでは、MBBとMBS距離関数を用いてCPUコストを低減化させている。ここで、この手法をMBB−MBS近似法と称する。しかしながら、このMBB−MBS近似法は、次元数が増加したり、または問合せ行列によって形作られる楕円体が扁平になるに従い近似精度が低下する。そして、低い近似精度はCPU時間の増加につながる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した文献1に記載されている従来の手法は、索引構造を用い、包囲矩形と問合せ点との厳密な距離を最急降下法に基づいて計算し、探索処理を行っているが、dを次元数、ωを最急降下法の繰り返し回数とするとき、問合せ点と包囲矩形の距離計算にO(ω・d2)時間を必要とし、これは検索処理におけるディス クアクセスに要する時間を超えるという問題がある。
【0009】
また、前記文献2に記載されている従来の手法は、MBBとMBS距離関数を用いてCPUコストを低減化させているが、このMBB−MBS近似法は、次元数が増加したり、または問合せ行列によって形作られる楕円体が扁平になるに従い近似精度が低下し、この低い近似精度がCPU時間の増加につながるという問題がある。
【0010】
マルチメディアデータベースのサイズやデータの次元数が増えたとき、高速に検索するための索引手法が必要となり、種々の手法が提案され、特にA−treeは高次元データにおいて高い性能を示すが、これらの索引手法はユークリッド距離関数に基づく探索にのみ焦点をあてているが、上述したように、楕円体距離関数はユークリッド距離関数や重み付きユークリッド距離関数を一般化したものと見なすことができ、楕円体距離関数はユークリッド距離関数よりも利用者の意思をより正確に表現することができるという点から鑑みても、楕円体問合せのための新規な探索手法が要望されている。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算を高速かつ効率的に行い得る空間変換に基づく楕円体問合せ方法および装置と空間変換に基づく楕円体問合せプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、コンピュータシステムにより、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1のステップと、前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2のステップと、空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3のステップと、計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4のステップと、を有することを要旨とする。
【0013】
請求項1記載の本発明にあっては、コンピュータシステムにより、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、この第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、この平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された矩形と原点との間のユークリッド距離を計算して、計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換えるため、利用者適応の楕円体問合せのための類似探索において少ない時間でオブジェクトを検出することが可能となり、低いCPUコストにも関わらず、優れた近似精度を示し、高い探索性能を実現することができる。
【0014】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、前記第2のステップは、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【数21】
Figure 0003949915
【0015】
請求項2記載の本発明にあっては、第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、第2のステップは、第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を短縮することができる。
【数21】
Figure 0003949915
【0016】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記索引構造はR−treeの索引構造であって、前記第2のステップは、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0017】
請求項3記載の本発明にあっては、索引構造はR−treeの索引構造であって、第2のステップは、元の空間における問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された近似距離が、問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を全体として短縮することができる。
【0018】
請求項4記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記第2のステップは、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0019】
請求項4記載の本発明にあっては、第2のステップは、問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、探索処理の計算時間を短縮することができる。
【0020】
また、請求項5記載の本発明は、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、コンピュータシステムに、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の処理と、前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の処理と、空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の処理と、計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の処理と、を実行させることを要旨とする。
【0021】
請求項5記載の本発明にあっては、コンピュータシステムに、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、この第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、この平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された矩形と原点との間のユークリッド距離を計算して、計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換えさせるため、利用者適応の楕円体問合せのための類似探索において少ない時間でオブジェクトを検出することが可能となり、低いCPUコストにも関わらず、優れた近似精度を示し、高い探索性能を実現することができる。
【0022】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、前記第2の処理は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【数21】
Figure 0003949915
【0023】
請求項6記載の本発明にあっては、第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、第2の処理は、第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を短縮することができる。
【数21】
Figure 0003949915
【0024】
請求項7記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記索引構造はR−treeの索引構造であって、前記第2の処理は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0025】
請求項7記載の本発明にあっては、索引構造はR−treeの索引構造であって、第2の処理は、元の空間における問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された近似距離が、問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を全体として短縮することができる。
【0026】
また、請求項8記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記第2の処理は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0027】
請求項8記載の本発明にあっては、第2の処理は、問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、探索処理の計算時間を短縮することができる。
【0028】
更に、請求項9記載の本発明は、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、コンピュータシステムに、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の処理と、前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の処理と、空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の処理と、計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の処理と、を実行させる空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0029】
請求項9記載の本発明にあっては、コンピュータシステムに、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、この第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、この平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された矩形と原点との間のユークリッド距離を計算して、計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換えさせる空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0030】
請求項10記載の本発明は、請求項9記載の発明において、前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、前記第2の処理は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【数21】
Figure 0003949915
【0031】
請求項10記載の本発明にあっては、第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、第2の処理は、第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【数21】
Figure 0003949915
【0032】
また、請求項11記載の本発明は、請求項9記載の発明において、前記索引構造はR−treeの索引構造であって、前記第2の処理は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0033】
請求項11記載の本発明にあっては、索引構造はR−treeの索引構造であって、第2の処理は、元の空間における問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された近似距離が、問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0034】
請求項12記載の本発明は、請求項9記載の発明において、前記第2の処理は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0035】
請求項12記載の本発明にあっては、第2の処理は、問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換する空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0036】
請求項13記載の本発明は、空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の手段と、前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の手段と、空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の手段と、計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の手段と、を有することを要旨とする。
【0037】
請求項13記載の本発明にあっては、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、この第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、この平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された矩形と原点との間のユークリッド距離を計算して、計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換えるため、利用者適応の楕円体問合せのための類似探索において少ない時間でオブジェクトを検出することが可能となり、低いCPUコストにも関わらず、優れた近似精度を示し、高い探索性能を実現することができる。
【0038】
また、請求項14記載の本発明は、請求項13記載の発明において、前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、前記第2の手段は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【数21】
Figure 0003949915
【0039】
請求項14記載の本発明にあっては、第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、第2の手段は、第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を短縮することができる。
【数21】
Figure 0003949915
【0040】
更に、請求項15記載の本発明は、請求項13記載の発明において、前記索引構造はR−treeの索引構造であって、前記第2の手段は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0041】
請求項15記載の本発明にあっては、索引構造はR−treeの索引構造であって、第2の手段は、元の空間における問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された近似距離が、問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、計算時間を全体として短縮することができる。
【0042】
請求項16記載の本発明は、請求項13記載の発明において、前記第2の手段は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを要旨とする。
【0043】
請求項16記載の本発明にあっては、第2の手段は、問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、探索処理の計算時間を短縮することができる。
【0044】
また、請求項17記載の本発明は、請求項1記載の発明において、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ方法であって、前記第2のステップは、前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを要旨とする。
【0045】
請求項17記載の本発明にあっては、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ方法であって、第2のステップは、複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、行列の固有値を計算することによって行列式が1となるように行列を正規化し、正規化された行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された点を用いて任意の楕円体に対する索引構造を複数の楕円体ごとに作成し、作成した複数の索引構造の中から問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とするため、行列の正規化により索引の行列と問合せ行列との非類似度を正確に計算でき、これにより問合せ行列に適した索引を選択できるとともに、また各問合せに適した索引を選択することにより計算時間とハードディスクのページアクセス数を削減することができる。
【0046】
更に、請求項18記載の本発明は、請求項13記載の発明において、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ装置であって、前記第2の手段は、前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを要旨とする。
【0047】
請求項18記載の本発明にあっては、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ装置であって、第2の手段は、複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、行列の固有値を計算することによって行列式が1となるように行列を正規化し、正規化された行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された点を用いて任意の楕円体に対する索引構造を複数の楕円体ごとに作成し、作成した複数の索引構造の中から問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とするため、行列の正規化により索引の行列と問合せ行列との非類似度を正確に計算でき、これにより問合せ行列に適した索引を選択できるとともに、また各問合せに適した索引を選択することにより計算時間とハードディスクのページアクセス数を削減することができる。
【0048】
請求項19記載の本発明は、請求項5記載の発明において、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムであって、前記第2の処理は、前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを要旨とする。
【0049】
請求項19記載の本発明にあっては、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムであって、第2の処理は、複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、行列の固有値を計算することによって行列式が1となるように行列を正規化し、正規化された行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された点を用いて任意の楕円体に対する索引構造を複数の楕円体ごとに作成し、作成した複数の索引構造の中から問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とするため、行列の正規化により索引の行列と問合せ行列との非類似度を正確に計算でき、これにより問合せ行列に適した索引を選択できるとともに、また各問合せに適した索引を選択することにより計算時間とハードディスクのページアクセス数を削減することができる。
【0050】
また、請求項20記載の本発明は、請求項9記載の発明において、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体であって、前記第2の処理は、前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを要旨とする。
【0051】
請求項20記載の本発明にあっては、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体であって、第2の処理は、複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、行列の固有値を計算することによって行列式が1となるように行列を正規化し、正規化された行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された点を用いて任意の楕円体に対する索引構造を複数の楕円体ごとに作成し、作成した複数の索引構造の中から問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とする空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態として、利用者適応の楕円体問合せを効率的に処理する空間変換法(以下、STT(Spatial Transformation Technique)と略称する)について説明する。
【0053】
まず、厳密な楕円体距離の計算においては、問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との距離の計算には多くのCPUコストを必要とする。ωを最急降下法の繰り返し回数であるとすると、計算時間はO(ω・d2)である。STTの基本 的なアイデアは、問合せ点からの距離を楕円体距離関数で計算しなければならないような元の空間に位置する包囲矩形をユークリッド距離関数に基づく新たな空間に位置する空間オブジェクトに変換することである。STTは、距離計算に関して繰り返しを必要とせず、包囲矩形を空間変換することによって低いCPUコストにも関わらず優れた近似精度を示し、楕円体距離に基づく類似探索を高速化することができる。
【0054】
ここで、空間変換について説明する。問合せ行列M、問合せ点qが与えられているとき、d次元空間Sにおける任意の点pとqまでの楕円体距離は、以下の式によって得ることができる。
【0055】
【数4】
Figure 0003949915
問合せ行列Mは正値対称行列であるため、以下のようにスペクトル分解が可能である。
【0056】
【数5】
Figure 0003949915
ここで、EM はMの固有ベクトル、ΛM はd個のMの固有値λMi(i=1,2,…d)を対角成分とする対角行列である。式(3)を用いて、式(2)を以下のように変形することができる。
【0057】
【数6】
Figure 0003949915
ここで、ユークリッド空間S′内の点
【数7】
Figure 0003949915
を考える。式(4)より、ユークリッド空間S′における原点Oとp′とのユークリッド距離は、Sにおける楕円体距離dM 2(p,q)に等しい。すなわち、dM 2(p,q)=p′・p′t。ここで、Mの変換行列を以下のように定義する。
【0058】
【数8】
Figure 0003949915
変換行列AM を用いることにより、S内の楕円体距離関数による計算をS′内のユークリッド距離関数による計算に置き換えることができる。これを、pのp′への空間変換と呼ぶ。
【0059】
次に、矩形の空間変換について説明する。STTでは、索引構造に含まれる包囲矩形を空間変換する。図1は、矩形の空間変換の例を示している。図1(a)において、S内の包囲矩形Pは、S′内のd次元平行四辺形P′に変換される。高次元空間における多角形と原点Oとの距離計算は多くの計算時間を必要とする。そこで、図1(b)のようにP′を矩形Rで近似する。この近似により、少ない計算時間でユークリッド距離を得ることができる。
【0060】
空間S内の矩形P、問合せ点qを考える。Pにおいて対角する頂点をpa とpb とし、Pのi次元の辺長をli とする。このとき、pa の空間変換によって得られるS′内の点pa′の位置は
【数9】
Figure 0003949915
である。変換行列AM の要素aijから、以下のような二種類の成分を抽出する。
【数10】
Figure 0003949915
式(6),(7)から、矩形Pの空間関数である平行四辺形を包含する矩形Rは、下式により得られる。
【0061】
【数11】
Figure 0003949915
ここで、ra とrb はRにおいて対角する頂点を表している。空間S′において、RはP′を完全に包含しているため、Pとqの楕円体距離dM 2(P,q)の計算をRとOのユークリッド距離d2(R,O)の計算に置き換えることができる 。すなわち、d2(R,O)≦dM 2(P,q)である。
【0062】
例えば、図1に示すように、問合せ点q=(2,2)と行列
【数12】
Figure 0003949915
が与えられているとする。S内の包囲矩形Pの頂点pa ,pb ,pc ,pd は、Mを用いることによってS′内の平行四辺形P′の頂点pa′,pb′,pc′, pd′に変換される。また、R=(ra ,rb)はP′を包含する。dM 2(P,q )はd2(R,O)によって近似されるため、dM 2(P,q)の代わりにd2(R,O)を探索に用いることができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、上述した第1の実施形態において探索処理で包囲矩形を空間変換するにあたり、探索処理の実行前に0でない変換行列の要素を検出することであり、これにより計算時間を短縮することである。すなわち、上述した第1の実施形態では、空間変換のための式(5),(6),(7),(8)を示したが、アクセスしたすべての矩形について問合せ点との距離をこれらの式に基づいて忠実に計算することは無駄が多い。そこで、この第2の実施形態では、CPU時間を削減するために2つのアイデアを導入する。
【0064】
第1に、式(5),(7)の計算結果は、アクセスした矩形の位置に依存しない。従って、これらの計算を探索処理の最初に実行することにより、その計算結果はアクセスされる矩形すべての空間変換に当てはめることができる。
【0065】
第2に、式(8)に関する計算時間の削減である。式(7)において、平均してφij ,ψij の値の半分は0である。従って、実装上においては、φij≠0,ψij≠0となる行番号iと列番号jのすべてのペアを、ノードにアクセスする前に調査する。そして、この調査を探索処理の最初に実行することにより、式(8)におけるRの計算時間、すなわちraj とrbj の計算時間を半分に抑制することができる。
【0066】
例えば、行列φijの第j列において、φij≠0となる成分の数をcaj とする 。そして第j列におけるcaj個の成分各々の行番号をujk(k=1,…,caj)とする。同様に行列ψij の第j列において、ψij≠0となる成分の数をcbj とし、第j列におけるcbj個の成分各々の行番号をvjk(k=1,…,cbj)とする。このとき、式(8)は以下のように変形することにより計算時間の短縮が可能である。
【0067】
【数13】
Figure 0003949915
ここで、式(9)におけるcaj とcbj は、平均してd/2である。
【0068】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算を実施する際、最初に距離を近似関数によって計算し、近似距離が問合せ点と現在の最近傍との距離以下であれば、厳密な距離計算を実施するものである。主要な多次元データの問合せとして、範囲問合せ、k近傍問合せがあるが、本実施形態の空間変換に基づく探索アルゴリズムは両方の問合せを効率よく処理することができる。以下の説明では、k近傍問合せに焦点をあててアルゴリズムを説明するが、範囲問合せについても同様に処理することが可能である。
【0069】
図2に示すフローチャートを参照して、R−treeファミリーの索引構造を用いた楕円体問合せのための探索アルゴリズムについて説明する。この探索アルゴリズムは、包囲矩形と問合せ点との距離を評価する場合に空間変換を用いる。厳密な楕円体距離計算よりも、MBB−MBS近似法やSTTの方が距離計算に必要とする時間が少ない。そこで、包囲矩形までの距離を評価する時、探索アルゴリズムは最初に問合せ点までの距離を近似関数によって計算する。そして、近似距離が問合せ点と現在のk番目の最近傍との距離以下である場合には、厳密な楕円体距離関数に基づいて矩形から問合せ点までの距離を評価する。
【0070】
図2に示す処理では、まず問合せ行列の計算および変換行列AM の各成分の調査を実施し、またキューに根ノードへのポインタおよび距離0を設定し(ステップS1)、以下の処理をキューが空になるまでループ1として繰り返し行う(ステップS2〜S8)。そして、問合せ点から最も近いノードNをキューから取り出す(ステップS3)。この取り出したノードNがデータノードであるか否かを判定する(ステップS4)。
【0071】
この判定の結果、ノードNがデータノード以外の場合には、ステップS5の処理Aとして図3に示すフローチャートの処理に進み、ループ2を実行するが、ノードNがデータノードである場合には、ステップS7の処理Bとして図4に示すフローチャートの処理に進み、ループ3を実行する。
【0072】
図3に示すフローチャートの処理では、まずノードN内のエントリ数entを計数するためのパラメータiを0に設定し(ステップS51)、ループ2に入る(ステップS52)。このループ2では、まずパラメータiを+1インクリメントし(ステップS53)、ノードNに格納されているi番目のエントリEを取り出し(ステップS54)、このエントリEと問合せ点との包囲矩形のMBB−MBS距離D1 を計算する(ステップS55)。
【0073】
この計算した近似距離D1 がk近傍距離以下であるか否かを判定する(ステップS56)。近似距離D1 がk近傍距離以下であれば、包囲矩形の空間変換RをΦに基づいて計算する。空間変換によって得られた矩形Rと原点Oとのユークリッド距離D2 を計算する(ステップS57)。そして、空間変換によって求められた距離D2 が現在のk近傍距離以下であるか否かを判定する(ステップS58)。距離D2 が現在のk近傍距離以下である場合には、厳密な楕円体距離D3 を計算により求める(ステップS59)。
【0074】
それから、この計算した厳密な楕円体距離D3 がk近傍距離以下であるか否かを判定する(ステップS60)。距離D3 がk近傍距離以下である場合には、ノードNのi番目のエントリに格納されている子ポインタと距離D3 をキューに格納する(ステップS61)。上述したループ2の処理をノードに格納されているすべてのエントリについて行い、ループ2が終了すると(ステップS63)、キューの先頭データを削除してデータを前詰めし、距離の昇順にキュー内のデータをソートし(ステップS64)、図2のステップS8に戻る。以上の処理を更にループ1としてキューが空になるまで繰り返し行い、最近傍リストに格納されている候補オブジェクトを近傍オブジェクトとして出力する(ステップS9)。
【0075】
一方、図2のステップS4の判定において、ノードNがデータノードである場合には、ステップS7の処理Bとして図4に示すフローチャートの処理に進む。
【0076】
図4に示すフローチャートの処理では、まずノードN内のエントリ数entを計数するためのパラメータiを0に設定し(ステップS71)、ループ3に入る(ステップS72)。このループ3では、まずパラメータiを+1インクリメントし(ステップS73)、ノードNに格納されているi番目のエントリEを取り出し(ステップS74)、このエントリEと問合せ点との包囲矩形のMBB−MBS距離D1 を計算する(ステップS75)。
【0077】
そして、この計算した近似距離D1 がk近傍距離以下であるか否かを判定する(ステップS76)。近似距離D1 がk近傍距離以下であれば、問合せ点とデータオブジェクトの厳密な楕円体距離D2 を計算する(ステップS77)。この計算した厳密な楕円体距離D2 がk近傍距離以下であるか否かを判定する(ステップS78)。距離D2 がk近傍距離以下である場合には、Eを候補オブジェクトとしてEと前記距離D2 を最近傍リストに格納しソートする(ステップS79)。上述したループ3の処理をノードに格納されているすべてのエントリ(全データオブジェクト)について行い、ループ3が終了すると(ステップS80)、最近傍リストによるフィルタリング処理、すなわち最近傍リストに格納されている候補オブジェクトを用いてキューの中でアクセスする必要のないデータ、すなわちキューの先頭データの削除を行う(ステップS82)。それから、図2のステップS8に戻る。以上の処理を更にループ1としてキューが空になるまで繰り返し行い、最近傍リストに格納されている候補オブジェクトを近傍オブジェクトとして出力する(ステップS9)。
【0078】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。この実施形態では、問合せ行列において小さい固有値の次元を省略することによって探索処理の計算時間を短縮しようとするものである。詳しくは、問合せ行列によって形作られた楕円体が扁平になると、小さい固有値の固有ベクトルが存在することになる。すなわち、空間変換によって生成される空間において、その固有のベクトルが示す次元は、他の次元と同じだけの計算時間を要するにも関わらず、近似精度に寄与する度合いが低いことになる。STTにおける次元縮退では、近似精度に貢献しないような小さい固有値の次元を省略することによって計算時間の短縮を図る。
【0079】
空間変換によって作られる空間S′において、原点Oに最も近接する矩形Rの頂点をr=(r1 ,r2 ,…,rd)とする。次元縮退を実施するとき、RとO の距離は以下のようになる。
【0080】
【数14】
Figure 0003949915
ここで、ηは次元縮退のためのしきい値である。また、固有値λi は昇順になっているものとする。すなわち、λ1≧λ2≧…≧λd>0。関数COUNT(Γ) は、Γの条件を満たす要素の数を表している。式(10)は、距離計算を行うときに1からnまでの限られた次元しか使用しないことを示している(n≦d)。従って、次元縮退によって式(10)の計算のみならず、式(6),(7),(9)の計算時間もn/dに短縮される。
【0081】
次に、上述した本発明のSTTの有効性を確認するために探索時間を調査した実験結果について図5を参照して説明する。この実験結果では、本発明との比較を行う比較対象として従来手法のMBB−MBS近似法を用いている。
【0082】
まず、実験条件について説明する。本発明の手法の性能を計測するための実データとして、画像から抽出したカラーヒストグラムによる特徴ベクトルを用いる。次元数は27、サイズは100,000件である。探索性能の評価では、ページアクセス数とCPU時間を問合せ数100の平均によって求めた。最近傍探索の探索数は20であり、問合せには索引に含まれているデータとは異なるデータを用いている。ページサイズは8KB、CPU時間はSUN UltraSPA RC−II 450MHzによって計測した。索引は、高次元空間において優れた 性能を示すA−treeを用いる。問合せ行列Mについて、Mの要素mij を下式を用いて求める。
【0083】
【数15】
ij=exp(−α(dw(ci ,cj)/dmax)2
ここで、αは正の定数であり、dw(ci ,cj)は色ci とcj の間の重み付きユークリッド距離を表している。距離dw の要素w=(wr ,wg ,wb)は、 RGB色空間における赤、緑、青の各成分の重みを示している。評価では、αを10とし、wg とwb は1に固定した。wr は1から1,000まで変化させた。STTの次元縮退に関して、η=0.01を選択した。
【0084】
上述した実験条件で行った実験結果では、図5に示すように、縦軸にCPU時間を示し、横軸に重み(Weight)を示し、本発明のSTTおよび次元縮退技術を用いた場合の本発明のSTT(DR)のCPU時間を従来のMBB−MBS近似法と比較して示している。楕円体問合せは問合せ点と包囲矩形との距離の計算に多くの時間を必要とするが、図5からわかるように、本発明のSTTがすべてのデータ集合においてCPU時間を低減させていることを示し、最大で74%のCPU時間を削減している。
【0085】
次に、本発明の第5の実施形態に係る空間変換に基づく楕円体問合せ方法について説明する。第5の実施形態は、上述したSTTを拡張した手法であるMSTT(Multiple Spatial Transformation Technique)を使用しているものである 。
【0086】
上述したように、ユークリッド距離関数に基づいて作成された索引を使って楕円体探索を行う場合において、問合せ行列が単位行列に類似している場合、すなわち探索処理がユークリッド距離関数に基づく探索に近い場合は好ましい性能を示すものの、問合せ行列が単位行列からかけ離れるにしたがい、ノードのアクセス数が増加し、探索性能の劣化を招く。この問題を解決するため、MSTTは様々な楕円体距離によって複数の索引を作成し、探索処理ではこれら作成した索引群の中から望ましい索引を選択して探索を行うものである。
【0087】
MSTTは2つ以上の索引を用いる。図7はMSTTの検索メカニズムを示している。メカニズムはまず初めに、代表的な楕円体問合せ行列Ci(i=1,… ,ε)を利用者の問合せログから決定する。そして、Ci に基づいて索引Xi を作成する。探索処理では、問合せ行列Mと最も類似した行列Csimilar を選択し、Csimilar によって作成された索引Xsimilar を用いて類似オブジェクトを検索する。もしM=Csimilar である場合、その問合せはユークリッド距離に基づく探索処理を求める。
【0088】
本実施形態の楕円体問合せ方法は、固有値を計算することによって行列式が1になるように行列を正規化し、この正規化された行列から変換行列を計算し、この変換行列によって点データを変換し、この変換された点によって索引を作成し、任意の行列によって作成された複数の索引の中から索引の行列と問合せ行列との非類似度が最小である索引を選択し、この選択された索引を用いて問合せ処理を行うものである。
【0089】
また、この楕円体問合せ方法を実施する装置は、固有値を計算することによって行列式が1になるように行列を正規化する正規化手段と、この正規化された行列から変換行列を計算する変換行列計算手段と、この変換行列によって点データを変換し、この変換された点によって索引を作成する索引作成手段と、任意の行列によって作成された複数の索引の中から索引の行列と問合せ行列との非類似度が最小である索引を選択する索引選択手段と、この選択された索引を用いて問合せ処理を行う問合せ手段とを有する。
【0090】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、本実施形態のMSTTにおける索引の作成方法について説明する。
【0091】
図8に示すフローチャートでは、まずステップS101において、作成する索引の数をεとするとともに、次に示すステップS103からステップS117の間のループ1の処理を索引数εだけ繰り返し行うための繰り返し回数を管理するパラメータをiとし、このパラメータiを0に設定する。それから、ループ1に入り(ステップS103)、ここでまずパラメータiを+1インクリメントする(ステップS105)。
【0092】
それから、このi番目の索引を作成するための行列をCi(i=1,…,ε) とする(ステップS107)。そして、この行列Ci を正規化する(ステップS109)。この正規化は固有値を計算することによって行列式が1になるように行列を正規化する。
【0093】
このように正規化した後、以下のようにスペクトル分解を行う。
【0094】
【数16】
Figure 0003949915
ここで、ECi はCi の固有ベクトル、ΛCi は、d個のCi の固有値を対角成分とする対角行列である。そして、下式で示される変換行列Ai を計算する(ステップS111)。
【0095】
【数17】
Figure 0003949915
次に、索引を作成するために、すべての点データ(特徴ベクトル)を変換行列Ai を用いて変換する(ステップS113)。例えば、点pは変換行列Ai によってp′=p・Ai に変換される。それから、この変換された点データを用いて、索引Xi を作成する(ステップS115)。以上の処理をループ1として示すように、索引数εの数だけ繰り返し行う(ステップS117)。
【0096】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、MSTTにおける探索方法、すなわち楕円体問合せ方法について説明する。
【0097】
図9の処理では、まずステップS121において、作成する索引の数をεとするとともに、次に示すステップS123からステップS133の間のループ2の処理を索引数εだけ繰り返し行うための繰り返し回数を管理するパラメータをiとし、このパラメータiを0に設定し、またパラメータmを∞に設定し、更に問合せ点をqとし、問合せ行列をMとし、この問合せ行列Mを正規化する。
【0098】
それから、ループ2に入り(ステップS123)、ここでまずパラメータiを+1インクリメントする(ステップS125)。そして、索引Xi を用いて探索処理を行うために、変換行列Ai を用いて、次式に示すように問合せ行列MをMi′に変換する(ステップS127)。
【0099】
【数18】
Figure 0003949915
そして、Mi′の固有値の分散σi 2 を計算する(ステップS129)。MSTTでは、分散σi 2 を、MとXi の非類似度の尺度として使用する。2つ以上の 検索を作成したとき、探索処理はアクセスする索引を1つ選択しなければならない。そこで、問合せ行列MとXi の非類似度の計算を索引数εだけ繰り返し、非類似度が最小となる索引Mn を探索処理に用いる索引として選択する(ステップS130−S133)。具体的には、まず前記分散σi 2 が最初∞に設定された パラメータmより大きいか否かを判定し(ステップS130)、そうである場合には、この場合のパラメータiをnに設定するとともに、またσi 2 をパラメー タmに設定する(ステップS131)という処理を索引数εだけ繰り返し行う。
【0100】
このようにして探索処理に使用する索引が決定すると、変換行列Ai を用いて、問合せ点qをq′=q・An に変換する(ステップS135)。そして、行列Mn′を問合せ行列、問合せ点をq′として、索引Xn を用いて探索処理を実施 する(ステップS137)。
【0101】
点pと問合せ点qとの間の問合せ行列Mによる距離は以下のように展開できる。
【0102】
【数19】
Figure 0003949915
従って、Mi′を問合せ行列、問合せ点をq′とする問合せをXi を用いて実 施することは、Mの楕円体問合せと等価である。つまり、Mi′を問合せ行列、 問合せ点をq′とすることにより、Xi を用いてMの楕円体問合せを処理することができる。もしM=Ci のとき、Mi′は単位行列となるため、Xi はMの問 合せを効率的に支援することができる。このとき、その問合せ処理はユークリッド距離関数に基づく探索を意味する。MSTTによる類似探索において、Mに関するXi の効率性はσi 2 が減少するにしたがって向上する。従って、問合せ行 列が与えられた時、非類似度が最小となる索引を選択する。このことによって、探索コストを低減化することができる。
【0103】
次に、問合せ行列Mと索引の行列Cの非類似度を計算するために、2つの行列をdet(C)=det(M)=1のように正規化する必要がある。Mの正規化行列Nは以下の式によって得られる。
【0104】
【数20】
Figure 0003949915
ここで、ΛN はNの固有値λNi(i=1,…,d)を対角成分とする対角行列であり、λMi はMの固有値である。Cについても同様に正規化することができる 。
【0105】
上述した本発明のMSTTの有効性を確認するために、CPU時間とページアクセス数を調査した実験結果について図10を参照して説明する。探索手法として空間変換法(STT)を用いる。評価ではwr の値を変化させて30の問合せ行列を作成した。
【0106】
r=10random
ここでrandomはランダムに発生させた0から3までの数である。αを10とし、wg とwb は1に固定した。索引として以下の3種類を用いた。
【0107】
(1)単位行列から作成した索引
(2)wr=10の行列から作成した索引
(3)wr=1000の行列から作成した索引
図10は、MSTTの性能を示し、図10(a)は重み(weight)に対するCPU時間を示し、図10(b)は重みに対するページアクセス数を示している。各々30種類の問合せは、100個の問合せ点による計測値の平均である。図は以下の探索性能を示している。
【0108】
(1)Dissimilarity:非類似度の関数によって選択された索引を用いた探索処理の性能
(2)Unit:単位行列から作成された索引を用いた探索処理の性能
(3)Best:各問合せ行列に関して最適な索引を用いた探索処理の性能
単位行列から作成した索引しか使わない従来手法はUnitに示されている計測値であり、MSTTはDissimilarityによって示されている計測値である。従来手法が高い探索コストを示しているのに対し、本発明の方法であるMSTTは非類似度関数を用いて望ましい索引を選択し、探索コスト、すなわちCPU時間とページアクセス数の低減化に成功している。
【0109】
なお、上記実施形態の空間変換に基づく楕円体問合せ方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体をコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介してコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータシステムを作動させることにより、楕円体問合せ方法を実施する楕円体問合せ装置として機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、この第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、この平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された矩形と原点との間のユークリッド距離を計算して、計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換えるので、利用者適応の楕円体問合せのための類似探索において少ない時間でオブジェクトを検出することが可能となり、低いCPUコストにも関わらず、優れた近似精度を示し、高い探索性能を実現することができる。本発明は多次元空間データとして表現することができる画像、映像、音声、文書などを対象とする広範囲な情報検索に適用可能である。
【0111】
また、本発明によれば、第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、第2のステップは、第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するので、計算時間を短縮することができる。
【数21】
Figure 0003949915
【0112】
更に、本発明によれば、索引構造はR−treeの索引構造であって、第2のステップは、元の空間における問合せ点と索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された近似距離が、問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するので、距離計算を全体として短縮することができる。
【0113】
本発明によれば、第2のステップは、問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換するため、探索処理の計算時間を短縮することができる。
【0114】
また、本発明によれば、複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ方法であって、第2のステップは、複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、行列の固有値を計算することによって行列式が1となるように行列を正規化し、正規化された行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された点を用いて任意の楕円体に対する索引構造を複数の楕円体ごとに作成し、作成した複数の索引構造の中から問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とするので、行列の正規化により索引の行列と問合せ行列との非類似度を正確に計算でき、これにより問合せ行列に適した索引を選択できるとともに、また各問合せに適した索引を選択することにより計算時間とハードディスクのページアクセス数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための矩形の空間変換方法を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における楕円体問合せのための探索アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】図2に示すフローチャートにおけるステップS5の処理Aの手順を示すフローチャートである。
【図4】図2に示すフローチャートにおけるステップS7の処理Bの手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明のSTTの有効性を確認するために探索時間を調査した実験結果を示すグラフである。
【図6】距離関数の等距離面を示した図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に使用されるMSTTの検索メカニズムを示す図である。
【図8】第5の実施形態のMSTTにおける索引の作成方法を示すフローチャートである。
【図9】第5の実施形態のMSTTにおける探索方法を示すフローチャートである。
【図10】第5の実施形態のMSTTの有効性を確認するためのCPU時間とページアクセス数を調査した実験データを示すグラフである。

Claims (20)

  1. 空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、
    コンピュータシステムにより、
    元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1のステップと、
    前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2のステップと、
    空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3のステップと、
    計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4のステップと、
    を有することを特徴とする空間変換に基づく楕円体問合せ方法。
  2. 前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、
    前記第2のステップは、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項1記載の空間変換に基づく楕円体問合せ方法。
    Figure 0003949915
  3. 前記索引構造はR−treeの索引構造であって、
    前記第2のステップは、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項1記載の空間変換に基づく楕円体問合せ方法。
  4. 前記第2のステップは、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項1記載の空間変換に基づく楕円体問合せ方法。
  5. 空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、
    コンピュータシステムに、
    元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の処理と、
    前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に 含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の処理と、
    空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の処理と、
    計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の処理と、
    を実行させることを特徴とする空間変換に基づく楕円体問合せプログラム。
  6. 前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、
    前記第2の処理は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項5記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラム。
    Figure 0003949915
  7. 前記索引構造はR−treeの索引構造であって、
    前記第2の処理は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項5記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラム。
  8. 前記第2の処理は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項5記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラム。
  9. 空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、
    コンピュータシステムに、
    元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の処理と、
    前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の処理と、
    空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の処理と、
    計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の処理と、
    を実行させることを特徴とする空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体。
  10. 前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、
    前記第2の処理は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項9記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体。
    Figure 0003949915
  11. 前記索引構造はR−treeの索引構造であって、
    前記第2の処理は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項9記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体。
  12. 前記第2の処理は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項9記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体。
  13. 空間変換に基づく楕円体問合せにおける包囲矩形と問合せ点との楕円体距離の計算において、
    元の空間における問合せ点と楕円体上の任意の点との間の楕円体距離を問合せ行列を用いて示す楕円体距離関数を、ユークリッド空間における原点からのユークリッド距離関数に変換する第1の変換行列を導出し、第1のメモリに格納する第1の手段と、
    前記第1の変換行列を前記第1のメモリから読み出して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、当該第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換し、第2のメモリに格納する第2の手段と、
    空間変換された前記平行四辺形を前記第2のメモリから読み出して、当該平行四辺形を包含する矩形で近似し、近似された当該矩形と前記原点との間のユークリッド距離を計算して、第3のメモリに格納する第3の手段と、
    計算結果を前記第3のメモリから読み出して、当該計算結果を元の空間における楕円体距離の計算結果に置き換える第4の手段と、
    を有することを特徴とする空間変換に基づく楕円体問合せ装置。
  14. 前記第1の変換行列は要素a ij で構成されるものであって、
    前記第2の手段は、当該第1の変換行列から次式を満たすφ ij 及びψ ij の2種類の成分を抽出し、φ ij ≠0及びψ ij ≠0となる成分を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項13記載の空間変換に基づく楕円体問合せ装置。
    Figure 0003949915
  15. 前記索引構造はR−treeの索引構造であって、
    前記第2の手段は、元の空間における前記問合せ点と前記索引構造に含まれる包囲矩形との間の近似距離を近似関数で計算し、計算された当該近似距離が、前記問合せ点とk近傍問合せに基づくk番目の最近傍との間の距離以下である場合に、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項13記載の空間変換に基づく楕円体問合せ装置。
  16. 前記第2の手段は、前記問合せ行列における固有値の次元が、しきい値よりも小さい場合に、当該小さい次元の固有値を省略して、元の空間における索引構造に含まれる包囲矩形を、前記第1の変換行列を用いてユークリッド空間における平行四辺形に空間変換することを特徴とする請求項13記載の空間変換に基づく楕円体問合せ装置。
  17. 複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ方法であって、
    前記第2のステップは、
    前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、
    前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを特徴とする請求項1に記載の空間変換に基づく楕円体問合せ方法。
  18. 複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せ装置であって、
    前記第2の手段は、
    前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、
    前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを特徴とする請求項13に記載の空間変換に基づく楕円体問合せ装置。
  19. 複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムであって、
    前記第2の処理は、
    前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、
    前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを特徴とする請求項5に記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラム。
  20. 複数の楕円体に対して複数の索引を事前に作成し、作成された索引の中から望ましい索引を選択して問合せ処理を行う空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記第2の処理は、
    前記複数の楕円体のうち、任意の楕円体に対する索引構造を作成するための行列において、当該行列の固有値を計算することによって当該行列式が1となるように当該行列を正規化し、正規化された当該行列をユークリッド空間における行列に変換する第2の変換行列を導出し、当該第2の変換行列を用いて元の空間における全ての点をユークリッド空間における点に変換して、変換された当該点を用いて前記任意の楕円体に対する索引構造を前記複数の楕円体ごとに作成してメモリに格納し、
    前記複数の索引構造を当該メモリから読み出して、読み出した当該複数の索引構造の中から前記問合せ行列と非類似度を最小とする索引構造を選択し、選択した索引構造に含まれる包囲矩形を、元の空間における索引構造とすることを特徴とする請求項9に記載の空間変換に基づく楕円体問合せプログラムを記録した記録媒体。
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