JP3949742B2 - 油溜めの通気管から油を分離する装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する利用分野】
本発明は、油溜めの通気管から油を分離する装置に関し、具体的には、オイルレス空気圧縮機の油溜めから油を分離する装置に関する。本装置は通気管路を経て油溜めへ接続し、油が空気から分離されるフィルターを備えている。
【０００２】
【従来の技術】
油溜めの通気管、具体的には、空気圧縮機の油溜めの通気管には、拡散エアロゾルと凝縮エアロゾルとから成る油エアロゾルが多く含まれている。油溜めの通気管が外気へ直接に開いていると、油を含んだ空気が、空気圧縮機へ吸引される。空気圧縮機、殊に冷却装置もまた、油により汚染される。従って、油を油溜めの通気管から分離する装置を使用することが必要である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
過剰圧力は気密性に対し非常に不利であるので、この様な装置は、油溜め内の過剰圧力を必ず防止しなければならない。
【０００４】
上記タイプの既知の装置では、油溜めの通気管路はフィルターへ直接に開いている。このために、油溜め内の圧力は、フィルターエレメントの汚染状態に依存し、従って、油溜め内に過剰圧力が発生する危険がある。
【０００５】
ほかの既知の装置では、通気管路は、不足圧力が発生する室に組み込まれたフィルターへ接続されている。装置をオフに切り換え、ポンプにより油を吸い出すことにより、油は室から放出されるだけである。この装置は、構造が多数の構成要素のために非常に複雑であり、上記構成要素のどれかが故障すると、油は、油溜めから装置へ吸い込まれる。
【０００６】
そのほかの既知の装置の場合、フィルターはリング状の回転フィルターであって、ケースに取り付けられ、羽根を備えており、従って、空気の流れは、フィルターにより発生する。遠心力により、フィルター内に形成された油滴が振り回されて、壁へ突き当たる。油は格納体の底に収集され、そこから、油溜めへ送り返される。十分な遠心力をえるために、フィルターは、直径が比較的に大きくなければならず、従って、比較的に大きい空間を取る。汚染された空気は、回転フィルターとケースとの間に漏出することがある。
【０００７】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は、これらの不利な点を改善し、構造がシンプルである油溜めの通気管から油を分離する装置を提供することを目的としており、この装置は、信頼性があり、また、装置の一つ以上の構成要素が故障または磨耗した時に、油溜め内に圧力が蓄積するのを排除する。
【０００８】
この目的は、装置が、一方で、空気を油溜めから吸引する吸引ポンプを通気する管路を有し、他方で、油溜めと外気との間に接続路を有する本発明により達成される。
【０００９】
通常の通気の流量、すなわち、例えば、空気圧縮機の流入路を経て油溜めに流入する空気の流量より大きい流れが、第１の通気管路及び第２の通気管路を経て吸引されるように、本装置は実際に大きさが設定されている。
【００１０】
油溜めと外気との間の接続路を経て、第１の通気管路及び第２の通気管路を経て吸引される流量と通常の通気流量との差に等しい空気の流量が、油溜めへ流れる。
【００１１】
密閉部の働きに不利な、油溜め内の過剰または不足圧力が決して発生しないように、吸引ポンプから吸引された流量と、油溜めおよび吸引ポンプとフィルターとを有する管路とに並行な外気との間の接続路の大きさとは、好適に選択される。
【００１２】
本発明の有利な実施態様により、油溜めおよび吸引ポンプとフィルターとを有する管路とに並行な外気との間の接続路は、フィルターにおいて分離された油がギヤーケースへ流れ戻るようにも働く。
【００１３】
フィルターにおいて分離された油の流れは、好適に重力により行われる。
【００１４】
本発明の特別な実施態様により、フィルターは、空気の出口を備え、戻り管路を経て油溜めへ接続した室内に取り付けられている。
【００１５】
フィルター内で分離された油は、重力により好適に、この室に収集され、戻り管路を経て油溜めへ送り戻される。
【００１６】
フィルターが取り付けられている室と油溜めとの間の戻り管路を経て、通気管路を経て吸引された流量と通常の通気流量との差に等しい空気の流れが、油溜めへ流れる。
【００１７】
室へ流れ込む流量、この室の空気の出口の大きさ、および戻り管路の大きさは、密閉部の働きに不利である油溜め内に過剰または不足圧力がないように、好適に選択される。
【００１８】
本発明の有利な実施態様により、吸引ポンプは、圧縮空気回路が接続し、その不足圧力部がその管路を経て油溜めへ接続している噴射器である。
【００１９】
この噴射器は可動部分を備えていないので、摩滅しにくい。
【００２０】
これにより、好適に、圧力調整器または制限器が、圧縮空気回路に取り付けられる。
【００２１】
圧縮空気管路が、実際に、圧縮空気源が接続されている圧縮空気回路へ接続している。
【００２２】
本発明の特徴を明確に説明するために、油溜めの通気管から油を分離する装置の次の好適な実施態様が、付属図面を引用して、すべての点において制限的でない実施例として説明されている。
【００２３】
【発明の実施の形態】
図１は、油溜めの管路から油を分離する装置が取り付けられているオイルレス空気圧縮機の油溜め１の油溜めを図示している。
【００２４】
この装置は、主に、フィルター２、油溜め１と前記フィルター２との間にある第１の通気管路３及び第２の通気管路４、第１の通気管路３及び第２の通気管路４の吸引ポンプ５、および油溜め１と外気との間の接続路６を有する。
【００２５】
第２の通気管路４は、垂直に取り付けられている直立したリング状のフィルター２の内部へ接続している。フィルター２は、空気からエアロゾルの形で油を収集するスポンジ材から構成しており、従って、フィルター２から垂れ落ちる大きな油滴が形成される。
【００２６】
フィルター２の下に、油を収集する受け皿７が備えられている。
【００２７】
本装置の働きは次の通りである。
【００２８】
吸引ポンプ５は、油で汚染された空気の流れＱ１を第１の通気管路３及び第２の通気管路４を経て油溜め１から吸引する。この流れＱ１が、通常の油溜め通気管の流量ＱＳ、即ち、空気圧縮機の流入管を経て、殊に、ローター軸の回りの密閉部を経て油溜め１へ送られる流量より大きいように、本装置の第１の通気管路３及び第２の通気管路４大きさは選択される。
【００２９】
流れＱ１は、第２の通気管路４を経てフィルター２を通るように指向する。
【００３０】
接続路６を経て、空気の流れＱ１〜ＱＳは、環境から油溜め１へ流れ、従って、平衡状態に達すると、この油溜め内の空気の含有量は一定であり、その結果として、圧力も一定である。
【００３１】
流れＱ１〜ＱＳは、外気から油溜め１へ一定に流れるので、汚染された空気は、もはや、油溜め１から接続路６を経て外気へ流れない。
【００３２】
密閉部の働きに不利である油溜め１内の過剰または不足圧力が決して発生しないように、流量Ｑ１と接続路６の大きさとが好適に選択される。
【００３３】
図２は実施態様の変形を示す。
【００３４】
図２に示された装置の実施態様は、受け皿７が戻り管路８を経て油溜め１へ接続している点で上述の装置と異なる。フィルター２において分離され、受け皿７に収集された油は、この変形において接続路６に相当する戻り管路８を経て油溜め１へ送り返される。
【００３５】
図２に示された装置の働きは、さらに、図１に示された装置の働きと同じである。
【００３６】
図３は本装置のもう一つの変形を図示している。
【００３７】
図３に示された装置の実施態様は、フィルター２が室９に組み込まれている点で、図２に示された装置と異なる。室９は、外気への出口１０を備えている。室９の底部は、戻り管路８を経て油溜め１へ接続している。この戻り管路は、室９と出口１０と一体に成って、上述の接続路６を形成している。
【００３８】
流量Ｑ１、戻り管路８の大きさ、および出口１０の大きさが、密閉部の働きに不利である油溜め１内の過剰または不足圧力が決して発生しなしいように好適に選択されるならば、図３に示された装置の働きは、図１に示された装置の働きと同じである。
【００３９】
図４は、図３の装置の有利な変形を図示している。
【００４０】
吸引ポンプ５は、圧縮空気通気路１１が接続している入口にある噴射器５Ａから成っており、その出口１０は、第２の通気管路４を経てフィルター２へ開いており、その不足圧力部分は、第１の通気管路３を経て油溜め１へ接続している。
【００４１】
圧縮空気通気路１１は、圧縮空気が空気圧縮機、または、ほかの圧縮空気源から送られている圧縮空気回路の一部である。この圧縮空気通気路１１において、制限器または圧力調整器１２が噴射器５Ａの上流に取り付けられている。
【００４２】
この変形の働きは、次の通りである。
【００４３】
圧縮空気の流れＱＥが、圧力調整器１２を経て噴射器５Ａへ送られると、油で汚染された一定流量Ｑ１の空気が、第１の通気管路３を経て油溜め１から吸引される。この第１の通気管路３の大きさは、この流量Ｑ１が通常の油溜め通気管の流量ＱＳより大きいように選択されている。
【００４４】
噴射器５Ａにおいて、この汚染された空気は、圧縮された空気と混合され、この混合体の流れＱＥ＋Ｑ１は、第２の通気管路４を経てフィルター２を通過して流れる。
【００４５】
清浄化された空気の一部、即ち、ＱＥ＋ＱＳに等しい流れは、出口１０を経て外気へ漏出する。フィルター２内に形成された油滴は、重力により、フィルター２から垂れ落ち、戻り管路８を経て油溜め１へ送り返される。
【００４６】
油と共に、清浄化された空気の流れＱ１−ＱＳは、戻り管路８を経て油溜め１へ送り返され、従って、平衡状態に達すると、この油溜め内の空気の含有量は一定であり、その結果、圧力は一定である。
【００４７】
室へ流れ込む流れＱ１＋ＱＥ、戻り管路８の大きさ、および 出口１０の大きさは、密閉部の働きに不利である油溜め１内の過剰または不足圧力が決して発生しなしいように好適に選択される。
【００４８】
噴射器５Ａへの圧縮された空気は、空気圧縮機またはほかの圧縮空気源から送られ、すでに清浄化され、乾燥されているので、フィルター２の寿命は比較的に長い。
【００４９】
図５は、図４による変形の実際的実施態様を示す。
【００５０】
戻り管路８、室９、出口１０、および第１の通気管路３の切断部は、小さい鉢状の構成要素１３に一体化されている。圧力調整器１２、噴射器５Ａ、第２の通気管路４、および第１の通気管路３の残りの部分は、固定ボルト１５により構成要素１３へ固定されている蓋状のもう一つの構成要素１４に一体化されている。
【００５１】
この全体は、フランジ状の取り付け盤１６によりギヤケースの油溜め１へ接続されている。
【００５２】
本発明は、実施例として説明され、添付図面に示された実施態様に決して限定されるものではなく、かえって、油分離のこの種の装置は、すべての種類の変形により製作することが出来、それでもなお、請求項に定義された発明の範囲を逸脱するものでない。
【図面の簡単な説明】
【図１】空気通気管から油を分離する本発明の装置が取り付けられている油溜めを示している。
【図２】油分離装置の変形を示している。
【図３】油分離装置の変形を示している。
【図４】油分離装置の変形を示している。
【図５】図４の変形の実際的実施態様を示している。
【符号の説明】
１…油溜め
２…フィルター
３…第１の通気管路
４…第２の通気管路
５…吸引装置
５Ａ…噴射器
６…接続路
７…受け皿
８…戻り管路
９…室
１０…出口
１１…圧縮空気回路
１２…圧力調整器

Claims (7)

1. オイルレス空気圧縮機の油溜め（１）の通気管から油を分離する装置にして、油溜め（１）に接続された第１の通気管路（３）及びフィルター（２）に接続された第２の通気管路（４）を経て油溜め（１）へ接続しかつ油が空気から分離されるフィルター（２）を備えている油溜めの通気管から油を分離する装置において、一方で、油溜め（１）から空気を吸引する吸引装置（５）を通気する第１の通気管路（３）及び第２の通気管路（４）を備え、他方で、油溜め（１）と外気との間の接続路（６）を備え、フィルター（２）により分離された油が油溜め（１）へ流れ戻る戻り管路（８）をフィルター（２）と油溜め（１）との間に有し、当該戻り管路（８）が当該油溜め（１）と外気との間の接続路（６）の少なくとも一部と一致することを特徴とする油溜めの通気管から油を分離する装置。
2. 通常の通気流量（ＱＳ）、すなわち、流入管を経て油溜め（１）に流入する空気流量より大きい流れ（Ｑ１）が、第１の通気管路（３）及び第２の通気管（４）を経て吸引されるように、前記流入管の大きさが設定されていることを特徴とする請求項１に記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。
3. フィルター（２）が、空気出口（１０）を備えかつ戻り管路（８）を経て油溜め（１）へ接続している室（９）内に取り付けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。
4. 吸引装置（５）は、圧縮空気通気路（１１）が接続されかつその不足圧力部分が第１の通気管路（３）を経て油溜め（１）へ接続されている噴射器（５Ａ）であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１つに記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。
5. 圧力調整器（１２）が圧縮空気通気路（１１）内に取り付けられていることを特徴とする請求項４に記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。
6. 戻り管路（８）、室（９）、空気出口（１０）及び油溜め（１）と噴射器（５Ａ）との間に配置された第１の通気管路（３）が、第一構成要素（１３）として一体化され、他方、圧力調整器（１２）、噴射器（５Ａ）、および噴射器（５Ａ）とフィルター（２）との間に配置された第２の通気管路（４）が、第二構成要素（１４）として一体化され、当該第二構成要素（１４）が接続部（１５）により当該第一構成要素（１３）へ接続されていることを特徴とする請求項４または５に記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。
7. 圧縮空気通気路（１１）が圧縮空気源の圧縮空気回路へ接続されていることを特徴とする請求項４から６のいずれか１つに記載の油溜めの通気管から油を分離する装置。

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