JP3949715B2 - 新規ヘモポイエチン受容体 - Google Patents
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Description
この明細書中に引用されている多数の刊行物の詳細な図書目録は明細書の末尾にまとめられている。明細書中に引用されているヌクレオチドおよびアミノ酸配列の配列番号は図書目録の後に定義されている。
以下の明細書および請求の範囲を通じて、特に断らないかぎり、「含む(comprise)」、またはその変形(comprisesまたはcomprising)は述べられているそのもの、またはそのものの一群の包含を意味するのみならず、他のものまたは他のものの群の排除を意味するものではない。
種々の細胞の増殖、分化および機能はサイトカインとして知られている分泌調節剤によって制御されている。そのようなサイトカインの1種はインターロイキン(IL)−11であり、機能的に多面的な分子であり(1,2)、IL−6−依存性形質細胞腫細胞系、T11 65(3)の増殖を刺激する能力がその最初の特徴である。IL−11の他の生物学的作用は多能力的ヘモポイエチン親細胞増殖の誘導(4,5,6)、巨核球および血小板形成の促進(7,8,9,10)、重大な段階の蛋白合成の刺激(11)および脂肪細胞リポ蛋白リパーゼ活性の阻害(12,13)を含む。IL−11の別の多面的機能は、特にヘモポイエチン受容体との相互作用のレベルでの研究にとって、重要なヘモポイエチン分子である。
IL−11受容体の構造は十分知られていない。gp130に対する抗体の中和がTF−1細胞のIL−11依存性増殖を阻害し(14)、従って、gp130は受容体の一部を形成するというのはあり得ることである。
ヘモポイエチン受容体族の構成員は一般にα−およびβ−鎖を含む(15,16,17)。しかしながら、本発明以前は、IL−11受容体鎖の存在に関して情報はなかった。本発明前の主要な研究において、本発明者らはヘモポイエチン受容体の配位子の先の知識が必要でないヘモポイエチン受容体のクローニング方法を開発した。そのクローニング方法は、初めてIL−11受容体の詳細な分子分析を可能にしたもので、IL−11受容体α−鎖のクローニングに成功した。従って、本発明は、ヘモポイエチン受容体をクローニングにするための一般化された方法、特に、IL−11受容体に基づくアゴニスト、アンタゴニスト、治療剤および診断試薬の範囲を開発する基礎を提供するヘモポイエチン受容体の構成要素鎖をクローニングする方法を提供するものである。
従って、本発明の1つの態様は、ヘモポイエチン受容体または変異体、誘導体、構成要素、部分、断片、相同体、類似体、またはそれらと均等なペプチドまたはポリペプチドをコードするかまたは相補的なヌクレオチドの配列を含む遺伝分子であって、上記受容体が、配列番号1:
Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser
(式中、Xaaはアミノ酸である)を有するアミノ酸配列を含む遺伝分子である。
さらに具体的には、本発明は、IL−11受容体または変異体、誘導体、構成要素、部分、断片、相同体、類似体、またはそれらと均等なペプチドまたはポリペプチドをコードするかまたは相補的なヌクレオチドの配列を含む遺伝分子であって、上記受容体が、配列番号1:
Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser
(式中、Xaaはアミノ酸である)
を有するアミノ酸配列を含む遺伝分子である。
本発明の別の態様は、ヘモポイエチン受容体および、特にIL−11受容体、またはそれらの構成要素または部分をコードするかまたは相補的な遺伝子配列を識別するかまたは/およびクローニングする方法であって、配列番号1:
Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser
(式中、Xaaはアミノ酸残基である)
を有する配列を含むアミノ酸の配列から設計された1個またはそれ以上の縮重オリゴヌクレオチドを用いて遺伝子材料の試料をスクリーニングすることを特徴とする方法である。
配列番号1で定義された配列は、ヘモポイエチン受容体のαおよびβ鎖の両方および特にIL−11受容体中に確認されたものである。従って、本発明の方法は受容体全長などのα−鎖またはβ−またはα−およびβ−鎖の両方の組み合わせをコードしている遺伝子配列のクローニングに応用できる。
遺伝分子はヒトに限らず、家畜類(例えば、羊、牛、豚、やぎ、馬)、実験動物(例えば、ねずみ、ラット、マウス)、ペット(例えば、猫、犬)または捕獲野生動物などの哺乳動物由来のものである。最も好ましいのはヒトおよび哺乳動物(例えばネズミ)由来のものである。遺伝子材料の原料は、これに限定されるものではないが、肝細胞、骨髄細胞、胎盤細胞、肝癌細胞などの特定の細胞型からのゲノムライブラリーまたはmRNAから得られるcDNAライブラリーであってもよい。好ましくは、cDNAライブラリーであり、発現ライブラリーであってもよい。さらに、変異体の生産のために、cDNAライブラリーは変異体ライブラリーの原因である高い誤謬率のポリメラーゼチェインリアクション(PCR)によっても製造することができる。
「スクリーニング」なる用語は標的クローンの同定に好都合なあらゆる手段を含む。例えば、コロニーハイブリダイゼーションはオリゴヌクレオチドプローブを用いて採用することができ、またはもし発現ライブラリーが調製されれば、例えば、スクリーニングは酵素活性また抗体相互作用でもできる。「構成要素」、「部分」または「フラグメント」なる用語は、個々に、α−鎖およびβ−鎖またはそれらの部分を含む。好ましくは、「構成要素」、「部分」および「フラグメント」なる用語は機能的および、より好ましくは、機能的なα−またはβ−鎖である。
遺伝分子は一本鎖または二本鎖状、直鎖状または環状DNA(例えば、ゲノムDNA)、cDNAまたはmRNA、またはそれらの組み合わせであってもよい。遺伝分子は、IL−11受容体遺伝子配列の発現を容易にする発現ベクター成分などのベクターもまた含んでいてもよい。
具体的な態様において、遺伝子配列はIL−11受容体のα−鎖をコードしており、好ましい実施態様において、配列番号2に記載されているヌクレオチド配列をコードしているネズミIL−11受容体α−鎖であるか、または配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれらと均等である、部分、誘導体、フラグメント、一部分、誘導体、相同体、類似体またはペプチドを含む。別の好ましい実施態様において、遺伝子配列はヒトIL−11受容体のα−鎖をコードしており、配列番号4に記載のヌクレオチド配列を含むか、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれらと均等である、部分、誘導体、フラグメント、一部分、誘導体、相同体、類似体またはペプチドまたはポリペプチドを含む。従って、遺伝子配列はIL−11受容体の全長、または、α−鎖またはβ−鎖などのばらばらのそれらの部分であって、機能的または機能的でないかのいずれかでであるか、または、Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser(式中、Xaaがアミノ酸残基である)で示されるアミノ酸配列を有することを特徴とするそれらの部分に対応していてもよい。さらに、遺伝子配列またはそれらの部分は、IL−11受容体のα−またはβ−鎖をコードするmRNAに対するアンチセンス分子(複数あり)として働くこともである。このようなアンチセンス分子は遺伝子治療またはアゴニストまたはアンタゴニストの理論的設計において有用であり得る。
関連の実施態様において、IL−11受容体または、配列番号:2または4が低いスリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るヌクレオチドの配列を含む、それらの構成要素、部分またはフラグメントをコードしている遺伝子配列を提供する。さらに関連する実施態様において、遺伝子配列は、下記の表:
から選ばれるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし得る能力によって定義されるか、それらの相補的配列またはそれらの組み合わせである。
本発明は配列番号:1〜6によって定義されるオリゴヌクレオチド、および/またはそれらの標識形態またはそれらに対するヌクレアーゼ介在作用を減少させて安定させたオリゴヌクレオチドにも及ぶ。
スリンジェントの程度の定義のために、Sambrook et al(26)の9.52−9.57頁の洗浄工程を高ストリンジェトと見なすとの記載を、便宜的にここに引用して本明細書の記載とする。ここで、低ストリンジェトとはSDS0.1−0.5w/v%、37−45℃、2−3時間であると定義する。ハイブリダイゼーションに関与する原料および核酸の濃度によって別のストリンジェトな条件、例えば、SDS0.25−0.5w/v%、≧45℃、2−3時間である、ここで中程度と見なされるか、またはSambrook et alに記載の高いストリンジェトな条件を採用することができる。
本発明は特にIL−11受容体α−鎖(IL−11rα)のクローニングによって例示されるようなヘモポイエチン受容体α−鎖またはβ−鎖のクローニングに有用である。しかしながら、これは本発明がヘモポイエチン受容体のα−またはβ−鎖を含むすべてのヘモポイエチン受容体のクローニング方法に及ぶものと理解されなければならない。実施例中のα−鎖に関する記載は完全な受容体またはα−またはβ−鎖を含むそれらの種々の部分に対する便法上の表記であるとみなされる。
さらなる実施態様において、遺伝子配列は異種の遺伝子配列と融合し、それによって、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、エリスロポイエチン、トロンボポイエチン、成長ホルモン、プロラクチン、CNTF、G−CSF、GM−CSF、gp130についての受容体またはそれらのサブユニット、またはIL−12のp40サブユニットとの融合分子をコードしている。
遺伝分子は一本または二本鎖状、直鎖または環状DNA(例えば、ゲノムDNA)、cDNAまたはmRNAまたは、DNA:RNAハイブリッドの形態のようなそれらの組み合わせであってもよい。この遺伝分子は、IL−11受容体またはその構成要素または部分の発現を容易にする発現ベクター成分などのベクターもまた含んでいてもよい。好ましい実施態様において、配列番号:3(ネズミ)または配列番号:5(ヒト)に記載のアミノ酸配列を有するIL−11のα−鎖をコードしているか、またはすべてまたはそれらの一部分の部分、誘導体、フラグメント、一部分、構成要素、相同体または類似体を含む。最も好ましくは、遺伝子配列は配列番号:2(ネズミ)または配列番号:4(ヒト)に記載のヌクレオチド配列を含むか、またはすべてまたはそれらの一部分の部分、誘導体、フラグメント、一部分、構成要素、相同体または類似体を含む。
本発明はさらに、ヘモポイエチン受容体類の構成員またはそれらの構成要素または部分をクローニングするのに有用なキットに関する。上記キットは、仕切られた形態で、配列番号:1:
Trp−Ser−Xaa−Trp−Ser
(式中、Xaaはアミノ酸残基である)のアミノ酸配列に基づくヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドの少なくとも1種を含むのに適した第1番目の区画を含んでおり、上記キットはさらに、配列番号:1のアミノ酸配列に基づく1個またはそれ以上のヌクレオチドおよび/またはヘモポイエチン受容体遺伝子配列のハイブリダイゼーション検出に必要な試剤を含むのに適した1個またはそれ以上の区画を含む。このキットはまた使用説明書とともに包装されていてもよい。好ましくは、オリゴヌクレオチドはこれに限定されるものではないが、配列番号:6〜10のオリゴヌクレオチドを含む。
さらに、本発明の別の態様は哺乳動物IL−11受容体α−鎖の全長または部分に対応するアミノ酸配列を含む組換ポリペプチドに関する。好ましくは哺乳動物はヒトまたはマウスなどのげっ歯類である。ポリペプチドは、α−鎖の全長、またはそれらの機能的な部分、フラグメントまたは誘導体または、アゴニストまたはアンタゴニスト的性質を有する一部分、フラグメントまたは誘導体であってもよい。好ましい実施態様において、このポリペプチドは配列番号3(ネズミ)または配列番号5(ヒト)に記載の配列と実質的に同じアミノ酸配列、すなわち、少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約65%、なおさらに好ましくは少なくとも約75−80%、もっと好ましくは少なくとも約90−95%または配列番号3または配列番号5の記載の配列とさらに類似性を有するアミノ酸配列を含む。
このポリペプチドは、GST、別のサイトカイン、受容体成分またはgp130を含む、これと融合する追加のアミノ酸配列を含有していてもよい。製造のために用いられる細胞によって、非グリコシル化またはグリコシル化されていてもよい。従って、このポリペプチドは、原核細胞(例えば、E.coliまたはBacilli種)中、または真核細胞(例えば、BA/F3細胞などの哺乳動物細胞[18]、酵母細胞、昆虫細胞)中で産生され得る。
組換ポリペプチドヘモポイエチン受容体特性の変異体および誘導体は、アミノ酸の置換、欠失、および/または付加体を含む。さらに、アミノ酸は、疎水性、親水性、電気陰性度、立体障害側鎖、相互作用および/または官能基などが似たような性質を有する他のアミノ酸で置換されていてもよい。
アミノ酸置換は典型的には単一の残基であり;挿入は通常、約1−10個のアミノ酸残基のオーダーのものであり;削除は約1−20個の残基の範囲のものである。削除または挿入は好ましくは、隣接する対においてなされる。すなわち、2残基の削除または2残基の挿入である。
上記のアミノ酸変異体は、固相ペプチド合成などの当業者に周知のペプチド合成技術または組換DNA操作によって容易に製造されるものである。公知の配列を有するDNAの所定の部位の置換変異をさせる技術は周知であり、例えば、M13突然変異誘発による。置換、挿入または削除変異体として明示する変異体蛋白質の製造のためのDNA配列の操作は当分野では周知である。
本発明の組換ヘモポイエチン受容体ポリペプチドの組換または合成変異体および誘導体の他の例としては、炭水化物、脂質および/または蛋白質またはポリペプチドなどのリガンドと結合したいずれかの分子に単一または複数の置換、削除および/または付加したものを含む。本発明では具体的には当該リガンドの自然発生または部分変化したグリコシル化形態が予期される。
ここで予期される当該ポリペプチドのアミノ酸変化には、アミノ酸および/またはカルボキシル末端融合および単一または複数のアミノ酸の配列間挿入などの挿入が含まれる。一般に、アミノ酸配列内の挿入はアミノまたはカルボキシル末端融合よりも少なく、1〜4の残基のオーダーである。挿入アミノ酸配列変異体は1個またはそれ以上のアミノ酸残基が蛋白質の所定の部位に導入されたものである。削除変異体は配列から1個またはそれ以上のアミノ酸の除去を特徴とする。置換変異体は配列内の少なくとも1個の残基が削除され、その場所に異なる残基が挿入されたものである。このような置換は表1に従って行われ得る。
用語「類似体」および「誘導体」もまた、インビボまたはインビトロにおいて、安定性および/または効果が増強されたことを特徴とする、リガンドのいずれかの機能的化学的均等物もまた含む。用語「類似体」および「誘導体」は上記のリガンドのいずれかのアミノ酸誘導体もさらに含む。ここに予定されるヘモポイエチンポリペプチド受容体の類似体の例として、側鎖の修飾、非天然アミノ酸の組み込みおよび/または分子の誘導体化およびそのペプチドまたはそれらの類似体上に立体配座的制約を課す架橋剤または他の方法の使用を挙げることができるが、これに限定されるものではない。本発明で予定される側鎖の修飾の例には、アルデヒドとの反応ついでNaBH4による還元による還元アルキル化;メチルアセトアミドによるアミド化;無水酢酸によるアシル化;シアン化物によるアシル基のカルバモイル化;2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアシル基のトリニトロベンジル化;コハク酸無水物とテトラヒドロフタル酸無水物によるアミノ基のアシル化;およびピリドキサール−5’−ホスフェート、ついでNaBH4による還元のリジンのピリドキシル化を含まれる。
アルギニン残基のグアニジン基は2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサールおよびグリオキサールなどの試薬との異項環縮合生成物の形成によって修飾され得る。
カルボキシル基はO−アシルイソウレア形成後、例えば、相当するアミドへの誘導体化を経るカルボジイミド活性化によって修飾され得る。
スルヒドリル基はヨード酢酸またはヨードアセトアミドによるカルボキシメチル化;システイン酸への過ギ酸酸化;他のチオール化合物との混合ジスルフィドの形成;マレイミド、無水マレイン酸または他の置換マレイミドとの反応;4−4クロロマーキュリベンゾアート、4−クロロマーキュリフェニルスルホン酸、フェニルマーキュリクロリド、2−クロロマーキュリ−4−ニトロフェノールおよび他の水銀化合物を用いての水銀誘導体の形成;アルカリ性pHでのシアン化物とのカルボモイル化などの方法によって修飾され得る。
トリプトファン残基は、例えば、N−ブロモスクシンイミドによる酸化または2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミドまたはスルフリルハライドとのインドール環のアルキル化などによって修飾され得る。一方、チロシン残基はテトラニトロメタンによる3−ニトロチロシン誘導体のニトロ化によって変化され得る。
ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾はヨード酢酸誘導体によるアルキル化またはシエチルピロカルボネートによるN−カルベトキシ化によって行われ得る。
蛋白合成中の非天然アミノ酸および誘導体導入の例としてはノルロイシン、4−アミノラク酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタノイックアシッド、6−アミノヘキサノイックアシッド、t−ブチルグリシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチン、ザルコシン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイックアシッド、2−チエニルアラニンおよび/またはアミノ酸のD−異性体の使用が挙げられるが、これに限定されるものではない。
架橋剤は、例えば、3D配座の安定化のために用いられ、n=1からn=6の(CH2)nスペーサーを有する二官能性イミドエステル、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよび、通常、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび、マレイミドまたはジチオ分子(SH)またはカルボジイミド(COOH)などの別の基特異的分子を含んでいる異項性二官能性試剤などの二官能性架橋剤が用いられる。さらに、ペプチドは、例えば、CαおよびNα−メチルアミノ酸の組み込み、アミノ酸のCαおよびCβ原子間の2重結合の導入およびNおよびC末端間、2個の側鎖間または1個の側鎖とNまたはC末端間のアミド結合形成などの共有結合の導入によって環状ペプチドまたは類似体の形成によって立体配座的に束縛され得る。
従って、本発明は、IL−11受容体のα−鎖の同定的特徴を有するペプチドまたはポリペプチドおよびアミノ酸および/またはそれらの化学的類似体に及ぶ。
従って、IL−11受容体またはIL−11α−鎖の性質を有するポリペプチドには、天然由来分子、それらの組換、合成および類似体形が含まれ、それらの変異体、誘導体およびヒト−および非−ヒト相同体にはアミノ酸およびグリコシル化変異体が含まれる。
組換IL−11受容体α−鎖およびこれをコードする遺伝子配列の利用によって、初めてIL−11の欠乏、IL−11の過剰量または正常な内在性IL−11濃度の異常作用を含む種々の症状を処置するための広範なアゴニスト、アンタゴニスト、治療剤および診断剤の開発が可能になった。従って、本発明は、これらのアゴニスト、アンタゴニスト、治療剤および診断剤、および1またはそれ以上のこれらを含む組成物、医薬組成物および試剤にも及ぶものである。
さらに、本発明は下記の図面および実施例によって詳述されるが、これに限定されるものではない。
図面の説明:
図1は、IL−11受容体α鎖(IL−Nr1)のヌクレオチド配列、予測アミノ酸配列およびcDNA構造の表現である;(A)IL−11rα cDNAの構造であり、5’および3’非翻訳領域(実線)および予測シグナル配列を含むコード領域
成熟細胞外ドメイン(□)、膜貫通ドメイン
および細胞質ドメイン
を示す。完全に配列された各IL−11rα cDNAクローンのサイズと位置関係を下に示す。
図2は、Nr1とヘモタンパク質受容体ファミリーの他のメンバーとの比較である;マウスNr1、マウスIL−6受容体α鎖、ヒトCNTF受容体α鎖、ヒトIL−12のp40サブユニットおよびマウスGMSF受容体α鎖のアミノ酸配列アラインメントである。アラインメントは眼によって行った。
図3は、Nr1 mRNAの逆転写酵素ポリメラーゼ鎖分析の写真的表現である;調製した細胞質RNAの由来は次のとおりである;レーン2,3T3−L1細胞;レーン3,BAd細胞;レーン4,UMR−106細胞;レーン5,PC13細胞;レーン6,NFS細胞;レーン7,FDCP−1細胞;レーン8,32D細胞、レーン9,D35細胞;レーン10,M1細胞;レーン11,J774細胞;レーン12,WEHI−3B D細胞;レーン13,ヒト骨髄;レーン14,;レーン15,マウス脾臓;レーン16,マウス胸腺;レーン17,マウス卵巣;レーン18,マウス子宮;レーン19,睾丸;レーン20,マウス精巣;レーン21,マウス脳;レーン22,マウス心臓;レーン23,マウス腎臓;レーン24,マウス大腿筋;レーン25,マウス肝臓;およびレーン26,マウス唾液腺。各RNA1μgのサノウルおよびRNAを含まないコントロール(レーン1)を、逆転写酵素なしで行った反応と同じ反応において逆転写に付した。5%の第1ストランドcDNA反応物を、Nr1特異的プライマー(上部パネル)あるいはコントロールGAPDH(下部パネル)とともにPCRに付した。PCR産物を1.0%w/vのアガロースゲル上で分解し、ニトロセルロースに移し、GAPDHまたはNr1に特異的な内部オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成させた。
図4は、種々の細胞系へのIL−11の結合の等飽和度のスキャッチャード分析プロットを示すグラフである;(A)親のBa/F3細胞(●)、Nr1を発現するBa/F3細胞(○)、Nr1およびLIF受容体を発現するBa/F3(■);(B)LIF受容体およびgp130を発現するBa/F3細胞(●)、Nr1およびgp130を発現するBa/F3細胞(■)、Nr1,LIF受容体およびgp130を発現するBa/F3細胞(○);(C)親M1細胞(●)、Nr1発現M1細胞(○);および(D)3T3−L1細胞(■)を、10〜100倍過剰の非標識IL−11の存在あるいは不在下において、種々の濃度の標識IL−11とともにインキュベートした。氷上で18時間インキュベートした後、結合および遊離IL−11をウシ胎児血清とともに遠心分離して分離した。結合および遊離の125I−IL−11をγカウンターで定量し、データをスキャッチャード分析で表現した。各ケースにおいて、データを細胞数に対して標準化し、106個の細胞に対する結合として示した。
図5は、種々の細胞系に対するIL−11結合の分子特異性を示す:指定の受容体を発現するBa/F3細胞を、60000cpm(Ba/F3 Nr1)または6000cpmの125I−IL−11(Ba/F3 Nr1/gp130およびBa/F3 Nr1/gp130/LIF受容体)を含む培地100μl中、20ngのIL−11または200ngのIL−6,LIF,OSMあるいはIL−3の存在または不在下で、インキュベートした。氷上で18時間インキュベートした後、結合および遊離IL−11をウシ胎児血清とともに遠心分離して分離した。結合および遊離の125I−IL−11をγカウンターで定量し、結合量を競合者不在下で観察された結果のパーセントで表した。
図6は、IL−11に応答してNr1を発現するM1細胞の分化を示す;300個の親M1細胞(左パネル)またはNr1を発現するM1細胞(右パネル)を指定の濃度のLIF(○)またはIL−11(●)を含む1mlの半固体寒天上で培養した。7日後、分化した細胞を含むコロニーの割合を決定した。
図7は、種々の組み合わせのNr1、gp130およびLIF受容体を発現するBa/F3細胞のファクター依存性増殖を示す;およBa/F3細胞、Nr1発現Ba/F3細胞、Nr1およびLIF受容体発現Ba/F3細胞、LIF受容体およびgp130発現Ba/F3細胞、Nr1およびgp130発現Ba/F3細胞、Nr1,LIF受容体およびgp130発現Ba/F3細胞を、1ウエル当たり200個、15μl容で、指定の濃度のIL−11(●)、IL−3(□)またはLIF(○)、あるいは3μg/mlのIL−6および500ng/mlの可溶性IL−6受容体α鎖(▲)とともにインキュベートした。48時間後、生存する細胞の数を計数した。
図8は、ヒトIL−11受容体α鎖の複合ヌクレオチド配列および予測アミノ酸配列を示す。予測アミノ酸配列を慣例の1文字コードを用いて記載する。星印は、停止コドンを表す。4つの保持されたシステイン残基、WSTWSモチーフおよびポテンシャルアスパラギン結合グリコシル化サイト(NXS/T)を太字および下線で示す。ポテンシャルシグナル配列および膜貫通領域を細下線および2重下線でそれぞれ示す。コンセンサスポリアデニル化シグナルを下部および太字にて示す。枠領域は、200個のアミノ酸ヘモタンパク質ドメイン(D200)を表し、これは破線でマークされる2つの100アミノ酸サブドメイン(SD100)からなる。2つの矢印は、cDNAクローンに存在するイントロン配列の位置を示す。
図9は、ヒト(H)およびマウス(M)IL−11受容体α鎖の予測アミノ酸配列の比較を示す。星印は同一であることを示す。#印はアラインメントを改善するために導入されたギャップを示す。
図10は、(A)マウスIL−11受容体α鎖cDNAプローブ(445bpのSphI/SacIフラグメント)および(B)ヒトIL−11受容体α鎖cDNAプローブ(#17.1クローン由来の560bpのPstI/XbaIフラグメント)の、HindIIIで切断されたヒト(H)およびマウス(M)ゲノムDNAへの種交差ハイブリッド形成を説明するサザンブロットを示す写真的表現である。ナイロン膜は、高ストリンジェント条件下で処理した(0.2 X SSC、0.1%w/vSDS,65℃)。曝露は、強化スクリーンを用いて−70℃で16時間行った。
図11は、ヒトIIrα cDNAの構造を図式的に表現したものであり、5’および3’非翻訳領域(実線)およびシグナル配列を含むコード領域
細胞外ドメイン(□)、膜貫通領域
細胞質部分(■)およびポリAテール(AAAA)を示す。保持されたシステイン残基(C)およびWSTWSモチーフのおよその位置を示す。分析用に選択された4つのcDNAクローンのサイズと位置関係を下に示す。イントロンのおよその位置をbpで示す(V)。クローンの長さはイントロンなしで描かれている。PstI部位(矢印)における連結によって、#9.1および#17.1のクローンから混成のcDNAを得、発現実験に用いた。
図12は、ヒトIL−11rαを発現するように処理されたM1細胞(□)、マウスIL−11rαを発現するM1細胞(●)おおび親のM1細胞(○)に結合するヒトIL−11rの飽和等温線のスキャッチャード分析のグラフである。10〜100倍過剰の非標識IL−11の存在下において、種々の濃度の標識IL−11とともに細胞をインキュベートした。氷上で18時間インキュベートした後、結合および遊離IL−11をウシ胎児血清とともに遠心分離して分離した。結合および遊離のIL−11をγカウンターで定量し、データをスキャッチャード分析で表現した。各ケースにおいて、データを細胞数に対して標準化し、106個の細胞に対する結合として示した。非特異的結合の量は、加えた全標識IL−11の0.1〜1%であった。高親和性結合は、ヒトIL−11rα(Kd=250pM)およびマウスIL−11rα(Kd=275pM)を発現するM1細胞に見られた。親M1細胞はいかなる特異的結合も示さなかった。
図13は、親M1細胞、ならびにヒトIL−11(1000U/ml)およびマイシLIF(1000U/ml)に応答してヒトIL−11受容体α鎖を発現するように処理されたM1細胞(M1/hIL−11rα)形態を示す写真的表現である。細胞の形態は5日間インキュベートした後に検査した。パネルa、bおよびcは、標準生理的食塩水(パネルa)、LIF(パネルb)およびIL−11(パネルc)で処理した親M1細胞を示す。パネルdは、IL−11(X400)で刺激されたM1/hIL−11rα細胞を表す。
図14は、親Ba/f3細胞(▲)、ヒトIL−11受容体α鎖を発現するように処理されたBa/F3細胞(Ba/F3+hIL−11rα)およびヒトIL−11受容体α鎖ならびにヒトgp130を発現するように処理されたBa/F3細胞(Ba/F3+hIL−11rα+gp130)の増殖を示すグラフである。3つのクローン細胞系(Ba/F3+hIL−11rα)(●)が不応答であることが立証された。ヒトgp130分子が発現した後、すべての細胞系がIL−11応答性であった(白抜き記号)。ヒトIL−11の連続希釈効果が示されている。結果は、2回の実験における3個の平均から得たものである。すべての細胞はIL−3において増殖した。
本明細書では、以下のアミノ酸残基に対応する1文字および3文字略語を用いた。
次の略語を、本明細書において採用した。
IL−11:インターロイキン11
IL−11r:インターロイキン11受容体
IL−11rα:インターロイキン11受容体α鎖
D:ドメイン
SD:サブドメイン
Nr1:インターロイキン11r
実施例1
ライブラリー・スクリーニング
市販のλgt10およびλZAPにクローニングした成体マウス肝臓cDNAライブラリー(クローンテック,CA,USAおよびストラタジーン,CA,USA)を用いて菌株LE392の大腸菌に感染させた。感染した細菌を20個の150mm寒天プレートを成長させて、プレート当たりおよそ50000プラークを得た。次いで、直径150mmの2重のナイロン膜[コロニー/プラーク・スクリーン(登録商標),NEN・リサーチ・プロダクツ,MA,USA]にプラークを移し、細菌を溶菌し、100℃で1分間の乾燥滅菌によるオートクレーブ処理によって、DNAを固定した。0.1%w/vのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.1×SSC(SSCとは、150mMの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸ナトリウム・二水和物である)で室温にてフィルターを2回濯ぎ、2mg/mlのウシ血清アルブミン、2mg/mlのフィコール、2mg/mlのポリビニルピロリドン、100μMのATP、10μg/mlのtRNA、2mMのピロリン酸ナトリウム、2mg/mlのサケ精子DNA、0.1%NP40および200μg/mlのナトリウムアジドを含む6×SSC中、37℃で一夜プレハイブリダイゼーションを行った。プレハイブリダイゼーション緩衝液を除去した。960μCiのγ32P−ATP[ブレサテック,S.A.,オーストラリア]を用い、T4ポリヌクレオチドキナーゼでハイブリダイゼーション用の縮重オリゴヌクレオチド(表1中、HYB1,HYB2およびHYB3)1.2μgをリン酸化した。プレパックゲル濾過カラム[NAP−5;ファルマシア,ウプサラ,スウェーデン]を用いて結合しなかったATPを標識オリゴヌクレオチドから分離した。0.1%w/vのSDS(NP40よりもむしろこれが適当)および106〜107cpm/mlの標識オリゴヌクレオチドを含む該プレハイブリダイゼーション緩衝液80ml中、フィルターを37℃で一夜ハイブリダイズさせた。6×SSC、0.1%v/vSDSを用い、室温にて2回簡略に濯ぎ、1.5リットルの同じ緩衝液を入れた振とうウォーターバス中で45℃にて30分間濯ぎ(2回)、次いで、6×SSC中で室温にて簡略に濯いだ。次いで、フィルターをドライブロットし、展開の7〜14日前に強化スクリーンを用いて−70℃にてオートラジオグラフィーフィルムに接触させた。
配向複写フィルター上で陽性を呈したプラークを選び、0.5%w/vのゼラチンおよび0.5%nv/vのクロロホルムを含む100mM NaCl、10mM MgCl2、10mMトリスHCl,pH7.4(1ml)で溶離し、4℃で貯蔵した。2日後、LE392細胞を、第1プラグからの該溶出液で感染させ、第2スクリーンに再コロニー形成させた。ハイブリッド形成プラークが純粋になるまで、このプロセスを繰り返した。
実施例2
陽性プラークの分析
使用説明書にしたがってプロメガ・マジック・ラムダDNAカラム[プロメガ・コーポレイション,WI,USA]を用い、陽性・プラークからDNAを調製した。各陽性バクテリオファージからのDNA100ngを、fmolシーケンシングキット[プロメガ・コーポレイション,WI,USA]を用い、33P標識オリゴヌクレオチドプライマーgt10for、gt10revおよびHYB1,HYB2またはHYB3のいずれかで、シークエンシングを行った。生成物を6%w/vポリアクリルアミドゲルで分割し、ブラスト・データベース比較プログラムおよびプログラムのウイスコンシンスイートを用い、各クローンの配列を分析した。
ひとつのクローン(Nr1−AZ−36)の配列は、ヘモタンパク質受容体ファミリーに特徴的なモチーフを含んでいた。2つのオリゴヌクレオチド,#26および#60(ヌクレオチド946〜970および1005〜1034;図1;表2)を、この配列から設計し、オリジナルの肝臓ライブラリーおよび2つの他の成人肝臓cDNAライブラリー由来の第1フィルターの再スクリーニングに用いた。ジデオキシ法(18)およびファルマシアT7ポリメラーゼ・シーケンシングキット[ファルマシア,ウプサラ,スウェーデン]を用い、最初に単離されたcDNAクローン,Nr1−AZ−36および4つの他のcDNAクローン(Nr1−30.2,30.3,30.4および30.17)の両方の鎖の完全なシークフエンシングを行った。FASTAプログラムを用い、新規受容体の配列をEMBLおよびゲンバンク・データベースと比較した。既知のサイトカイン受容体とのアラインメントを目視によって行った。
別に、より迅速な陽性プラークの分析法において、WSXWSモチーフに対する縮重オリゴヌクレオチドの使用を確認した。
第1の陽性プラークを同定し、採取した。
5μlの第1プラーク溶出液をポリメラーゼ鎖反応に付した[Mg含有10×PCR緩衝液5μl(ベーリンガー・マンハイム)、10mMのdATP,dCTP,dGTPおよびdTTP1μl(プロメガ・コーポレイション)、100μg/mlの各プライマー2.5μlおよびTaqポリメラーゼ0.5μl(ベーリンガー・マンハイム)]。使用した該プライマーは、ハイブリダイゼーションで用いたWSXWSプライマーとライブラリーをクローニングしたλ−バクテリオファージに対して特異的なプライマーを組み合わせて用いた。96℃で2分間;96℃で30秒を25サイクル;55℃で30秒および72℃で2分間、不定期に4℃というプロトコルを用い、パーキン・エルマー9600装置にて、PCRを行った。
PCRしたもの20μlを、TAE中、1%w/vアガロースゲル上での電気泳動に付した。ジーン・クリーン試薬を用い、いずれの生成物をも単離し、33P標識WSXWSプライマーとfmolシーケンシングキット[プロメガ・コーポレイション]または非標識WSXWSプライマーおよび蛍光ジデオキシヌクレオチドと自動ヂーケンサーのいずれかを用いてシークエンシングした。次いで、該配列を用いて、ヘモタンパク質ファニリーの受容体に共通のモチーフをチェックする。
実施例3
逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応
1μgのポリA+細胞質RNAを用い、第1鎖cDNA合成を行った。50mMのトリスHCl(pF8.3)、20mMのKCL、10mMのMgCl2、5mMのジチオスレイトール、1mMの各dNTP、20μg/mlのオリゴ(dT)15および25ユニットのAMV逆転写酵素[ベーリンガー・マンハイムGmbH,マンハイム,ドイツ]からなる溶液20μl中、42℃で60分間、逆転写を行った。逆転写酵素を反応液から除く以外は同条件下にて、各RNAサンプルに対してコントロール反応を行った。逆転写反応混合物を水100μlで希釈し、5μlを用いて、各PCR反応を行った。200μMの各dNTP、1μMの各プライマーおよび2.5UのTaqポリメラーゼ[ベーリンガー・マンハイム,マンハイム,ドイツ]を含む反応緩衝液[ベーリンガー・マンハイム,マンハイム,ドイツ]50μl中でPCR反応を行った。IL−11受容体α鎖(Nr1)cDNAの増幅に用いたプライマー(ヘモタンパク質受容体ファミリーの他のメンバーをもつ相同体Y由来)は、少なくともひとつのイントロンをもつことが予測された。これらのオリゴヌクレオチドは#449および#285(ヌクレオチド133〜156およびヌクレオチド677〜661;図1;表2)であるが、一方GAPDHcDNAプライマーの増幅には、#495および#496を用いた(表2)。パーキン・エルマー・セッタス・サーマル・サイクラー(パーキン・エルマー・セッタス,CA,USA)を用い、94℃で2分間を30サイクル;60℃で2分間;および72同条件下で3分間、PCRを行った。反応混合物のアリコートを、1.0%w/vアガロースゲル上での電気泳動に付し、DNAをズィータプローブ膜に移した。リードおよびマン(19)の記載に基づいてサザンブロット法を行った。末端標識オリゴヌクレオチド(IL−11受容体α鎖に対して#489およびGAPDHに対して#741;表2)を用いてハイブリダイゼーションを行った。
実施例4
発現の構築
Nr130.3を用いて30flおよび30rl(表2)をプライマーとするPCRを行い、小さな5’または3’非翻訳領域を含むcDNAを生産した。BstXIアダプター[インビトロゲン,CA,USA]を用い、該PCR産物をpEF−BOS(21)のBstXIサイトへクローニングした。cDNA挿入物の両鎖についてシークエンシングを行った。ヒトLIF受容体およびマウスgp130をコードするcDNAもpEF−BOS中にサブクローニングした。トランスフェンクト前に、pEF−BOS中の受容体cDNAをAatIIで切断して線状にした。PGKプロモーターから転写された選択可能なマーカーであるプロマイシントランスフェラーゼ(pPGKpuropA)およびネオマイシントランスフェラーゼ(pPGKpneopA)をコードするcDNAおよびβ−グロブリン3’−非翻訳領域を含むpBluescript誘導体をScaIで切断して線状にした。
実施例5
細胞トランスフェクション
電気穿孔によって細胞を安定にトランスフェクトさせた。簡略に述べると、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、5×106個/mlの濃度でPBSに再懸濁させた。4×106個の細胞を、BstXIサイトへクローニングされたNr1,gp130またはLIF受容体を含むかまたは含まないpEF−BOS20μlおよび選択可能なマーカーpPGKpuroまたはpPGKneoとともに、0.4mmの電気穿孔キュベットに配した。氷上で10分間DNAおよび細胞をインキュベートし、バイオーラド・ジーン・パルサー[バイオーラド・ラボラトリーズ,CA,USA]を用いて270Vおよび960μFにて電気穿孔した。細胞を培養培地1mlと混合し、FCS3mlとともに遠心分離し、培養培地100mlに再懸濁した。次いで、細胞を24ウエルのディッシュに配した。2日後、1.2mg/mlの濃度のジェネチシン(geneticin)、M1細胞に対して40μg/mlの濃度、Ba/F3細胞に対して5μg/mlの濃度のプロマイシンの添加によって選択を開始した。10〜14日後、増殖した細胞のクローンをフラスコに移し、膨張させた後、受容体の発現についてテストした。
実施例6
サイトカイン
マウスIL−3およびIL−11をペプロテック[NJ,USA]から購入し、pGEXシステムを用いてヒトLIFおよびヒトOSMを生産した[本質的に(25)の記載に基づいて]。
実施例7
生物学的アッセイ
Lux60マイクロウエルHL−Aプレート[ナンク・インコーポレイテッド,IL,USA]を用い、サイトカインに応答したBa/F3細胞の増殖を測定した。20%v/vの新生児ウシ血清を含むDME中で細胞を3回洗浄し、同じ培地に2×104個/mlの濃度で再懸濁させた。3μg/mlの精製組換えIL−3、IL−11またはLIFもしくはIL−6および500ng/mlの可溶性IL−6受容体α鎖を含む連続希釈液5μlとともに細胞懸濁物のアリコートを培養ウエルに配した。空気中に10%v/vのCO2を含む完全湿潤インキュベーター内で37℃にて2日間インキュベートした後、反転顕微鏡を用いて生存細胞を計数した。
サイトカインに応じたM1細胞の差異をアッセイするために、300個の細胞を、20%v/vFCS,0.3v/v寒天およびIL−6,IL−11,LIFあるいはOSMの連続希釈液0.1ml付加したDME1mlを入れた35mmのペトリ皿で培養した。空気中に10%v/vのCO2を含む完全湿潤雰囲気中、37℃で7日間培養した後、M1細胞のコロニーを計数し、分散細胞を含んでいるかあるいは緊密に密集した中心部の周りの冠状の分散細胞を含んでいるかを区別して分類した。
実施例8
IL−11との結合の実験
50mMリン酸ナトリウム、150mMのNaCl(PBS)、0.02%v/vのTween20および0.02%w/vナトリウムアジド,pH7.4に、IL−11を100μg/mlの濃度で溶かした。ボルトンおよびハンターの方法(24)にしたがってIL−11を放射標識した。簡略に述べると、150mMのホウ酸ナトリウム,pH8.5、20μl中、室温にてモノヨウ化ボルトン−ハンター試薬[ニュー・イングランド・ニュクリア,MA,USA]を加え、2μgのIL−11をインキュベートした。2時間後、同じ緩衝液中の1Mグリシン100μlを反応物に加えて反応を停止し、0.02%v/vTween20および0.02%w/vナトリウムアジドを含むPBSで平衡化したプレパックセファデックスG−25カラム[PD−10;ファルマシア,ウプサラ,スウェーデン]を用い、非結合のボルトン−ハンター試薬から標識されたタンパク質を分離した。該125IL−11を使用する前に、0.02%v/vTween20および0.02%w/vナトリウムアジドを含む50mMトリスHCl、pH7.5で10倍に希釈し、同じ緩衝液で平衡化したCM−セファロースCL−4Bの250μlカラム[PD−10;ファルマシア,ウプサラ,スウェーデン]に供した。カラムを5mlの平衡緩衝液で洗浄し、10%v/vFCSを含むDMEの5mlアリコートで連続溶離した。この段階で、前述の方法(21)で125I−IL−11調製物をアッセイしたところ、約80%であった。125I−IL−11の特異的放射活性は約130000cpm/ngであり、これは自己置換分析法(22)によって測定した結果である。
本質的に前述の方法(22)にしたがって結合実験を行った。簡略に述べると、20mMのHepes,pH7.4および10%v/vウシ胎児血清(RHF)を含むRPMI−1640培地40μl中、5×103〜2×106cpmの125I−IL−11とともに、100倍過剰の非標識IL−11の存在または不在下で、5×105〜1.5×107個の細胞を氷上で一夜インキュベートした。他の実験では、一定量の125I−IL−11および増加量の非標識IL−11または非標識IL−3,IL−6,LIF,OSMまたはGCSFで受容体を飽和させた。180μlのウシ胎児血清とともに急速遠心分離を行って、細胞に結合した125I−IL−11と遊離の125I−IL−11とを分離し、γ−カウンターを用いて定量した。
実施例9
配列の類似性に基づいたサイトカイン受容体のクローニング
ヘモタンパク質受容体ファミリーのメンバーは、相対的に低レベルの配列類似性を示す。このファミリーの受容体の特徴のひとつは、5個のアミノ酸からなるモチーフTrp−Ser−Xaa−Trp−Ser(WSXWS)である(15,16,17)。新規ヘモタンパク質受容体のクローニングを試みて、成体マウス肝臓cDNAライブラリーから得た106個のプラークを、WSXSWモチーフに対応する縮重オリゴヌクレオチドでスクリーニングした。第1フィルター上で2回行った結果陽性であったλ−バクテリオファージのプラークをとり、溶離し、プラーク肥大を連続して2ラウンド行って単離した。次いで、純粋なハイブリッド形成プラークのシークエンシングを行った。
この技術は、マウスLIF受容体、IL−7受容体、gp130および本明細書において“Nr1”と呼ぶヘモタンパク質受容体ファミリーのメンバーに関連性を示す新規配列をコードする数個のcDNAの同定において有用であった。この新規受容体をコードするcDNA(Nr1−AZ−36)の完全なシークエンシングを行ったところ、ポリアデニル化シグナルおよび伸長ポリAテールが含まれていたが、5’末端で明らかに端を切断されていた(図1)。
実施例10
全長Nr1cDNAの単離および新規サイトカイン受容体の特徴解明
全長Nr1cDNAを単離するために、オリジナルのライブラリーおよび第2の成体マウス肝臓cDNAライブラリーを、Nr1−AZ−36クローンの5’末端から設計されたオリゴヌクレオチドでスクリーニングした(#26および#60;表2)。8個のcDNAクローンを単離し、4個を完全にシークエンシングした(図1)。cDNA配列の分析により、長さが432アミノ酸であるタンパク質をコードする1269bpのオープンリーディングフレームが明らかになった。予測一次配列は潜在性疎水性リーダー配列(1〜23残基)、2つの潜在性N結合グリコシル化サイトを含む細胞外ドメイン(24〜367残基)、膜貫通ドメイン(368〜393残基)およびショート細胞質テール(394〜432残基)を包含した。成熟受容体のコア分子量は約3600ダルトンであることが初期に算出されている。
細胞外ドメインは、100個のアミノ酸サブドメイン(SD100)に先立つプロリン残基、4つの保存されたシステイン残基、一連の極性および疎水性残基およびWSXWSモチーフを含む古典的ヘモタンパク質ドメイン(D200;15)(図1および図2)に特徴的な残基を含んでいた。新規受容体のヘモタンパク質受容体ドメインは、膜貫通ドメインの前にある87個のアミノ酸免疫グロブリン様ドメインとそれに続く37個のアミノ酸のあとに存在した。その全構造とその一次配列(図2)に関しては、新規受容体はIL−6受容体α鎖(アミノ酸同一性は24%)、CNTF受容体α鎖(アミノ酸同一性は22%)およびIL−12のp40サブユニット(アミノ酸同一性は16%)に最も類似していた。
実施例11
Nr1m RNAの発現
Nr1m RNAの発現の分布をノーザンブロット法および逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応を用いて分析した(RT−PCR)。15の一次組織サンプルおよび17の細胞系由来のポリアデニル化RNAの調査中に、前脂肪細胞系3T3−L1由来のRNAのみが、ノーザンブロットにおいて長さ約2.0kbの検出可能なハイブリッド形成バンドを呈した。これは、単離された最長Nr1 cDNAの長さ約1650bpに匹敵し、このクローンが5’末端で完了しないことを示唆する。
ノーザンブロットから示唆されたNr1 mRNAの発生量の低さから、より感受性の高い検出手段としてのRT−PCRの使用に想到した。3T3−L1のみであるが、すべてのサンプルが、RT−PCRによって判断されるように、GADPH mRNAを含んでおり、間質細胞Bad、胚癌細胞系PC13および因子依存性ヘモタンパク質細胞系FDCP−1およびD35はNr1 mRNAを発現した(図3)。ヘモタンパク質組織骨髄、脾臓および胸腺ならびに肝臓、脳、心臓、腎臓、筋肉および唾腺を含む広範囲の一次組織もまた陽性であった(図3)。数種の細胞系および組織由来のmRNAサンプルにおいて、Nr1の転写物は検出できなかった。このようなネガティブな結果は、mRNA分析のための、より一層定量的なアプローチを用いる確認を必要とする。コントロール実験では、逆転写に付されなかったmRNAにおいてPCRを行った。これらのサンプルではNr1産物は検出されなかった。
実施例12
Nr1はIL−11に対する低親和性受容体であり、gp130と相互作用して高親和性のIL−11受容体を生産する
IL−6およびCNTF受容体α鎖との配列類似性および3T3−L1細胞における発現という事実によって、Nr1が、gp130および/またはLIF受容体と相互作用してシグナルトランスダクション可能な高親和性の受容体を生産する受容体α鎖であることが論証された。LIF,OSMおよびIL−11については、構造的にIL−6受容体α鎖に類似した受容体α鎖について記載されたものがこれまでにないので、これらのサイトカインは、Nr1の同起原のリガンドとして魅力的な候補者である。
LIF,OSMまたはIL−11が新規受容体に結合するかどうかを試験するために、因子依存性ヘモタンパク質細胞系Ba/F3およびマウス白血病細胞系M1を、Nr1をコードするcDNAを含むベクターEF−BOSに安定にトランスフェクトさせた。親M1細胞は、LIF受容体およびgp130を発現し、したがって125I−LIFおよび125I−OSMを結合した。M1細胞においてNr1が発現しても、125I−LIFあるいは125I−OSMのいずれかとも結合しなかった。これとは逆に、Ba/F3細胞はLIF受容体もgp130も発現せず、125I−LIFおよび125I−OSMとの結合は、親Ba/F3細胞またはNr1発現細胞のいずれにおいても観察されなかった。
親M1またはBa/F3細胞においては、125I−IL−11の結合を検出することはできなかった(図4AおよびC)。しかし、驚いたことには、各タイプの細胞において、Nr1が発現することにより、125I−IL−11を結合する能力が獲得されることから、Nr1がIL−11受容体のα鎖であることが示唆された。
飽和結合等温線のスキャッチャード形質転換によって、IL−11の受容体に対する親和性が2つの細胞タイプの間で相違することが示された(図4A対4C)。125I−IL−11のNr1を発現するBa/F3細胞に対する結合は、非常に親和性が低かった。この相互作用の見かけの平衡解離定数(KD)は、約10pMであると算出され、細胞はその表面に平均2000〜8000の受容体を発現した(図4A)。Nr1 cDNAをトランスフェクトされたM1細胞は、同じ程度の数のIL−11受容体を発現したが(図4C)、相互作用の親和性は、より高かった(KD=400〜800pM)。Nr1をトランスフェクトされたM1細胞上に発現したIL−11受容体の親和性は、天然に3T3−L1細胞上に発現した受容体と同定度であった(図4D)。
Nr1が発現される細胞のタイプに依存して低親和性あるいは高親和性の受容体が生じることに対するひとつの説明は、Nr1それ自身は本質的にIL−11に対する親和性が低いけれども、M1細胞が、高親和性複合体の生産に必要な過剰の追加の受容体成分を発現するというものである。gp130に対する抗体を中和すると、IL−11誘発性TF−1増殖が阻害されるが、このことは、IL−11受容体シグナルトランスダクションにおけるgp130の役割に関する間接的な証拠である。この提案を直接的に試験するために、gp130および/またはLIF受容体を、親Ba/F3細胞またはNr1発現Ba/F3細胞において発現させた。
親Ba/F3細胞およびgp130ならびにLIF受容体を(単独または組み合わせて)発現するBa/F3細胞は、IL−11を結合しなかった(図4AおよびB)。Nr1およびLIFを発現するBa/F3細胞は、IL−11受容体α鎖を単独で発現する細胞から区別することが不可能である非常に低い親和性でIL−11を結合した(図4A)。逆に、gp130とNr1がBa/F3細胞においてともに発現するとき、IL−11に対する親和性が高い受容体が生産された(図4B)。これらの受容体の親和性は、IL−11受容体α鎖を発現する3T3−L1およびM1細胞によって発現された受容体の親和性に類似していた(図4B)。
Nr1は、IL−11に特異的な受容体であるように思われる。125I−IL−11のNr1を発現するBa/F3細胞に対する結合は、非標識IL−11によって競合されたが、IL−6、LIF、OSMあるいはIL−3では競合されなかった(図5)。さらに入り組んだ状況が、Nr1がgp130およびLIF受容体とともに発現される細胞において存在する。Nr1およびgp130を発現するBa/F3細胞に対する125I−IL−11の結合は、OSMおよび非標識IL−11によって競合されるが(図5)、Nr1、gp130およびLIF受容体を発現するNr1細胞への結合は、LIFならびにOSMおよびIL−11によって競合される(図5)。
実施例13
IL−11受容体α鎖およびgp130の共発現は、IL−11に対する増殖性および分化誘導性応答を引き起こす
多くのサイトカインが、細胞分化誘導ならびに細胞分裂において影響を及ぼす。分化誘導性の刺激がなければ、親の白血病M1細胞のコロニーは、堅く固まり、未分化の幼若細胞で構成される。IL−11ではなくて、LIF、OSMおよびIL−6に応答して、半固体寒天上で成長するM1コロニーは、マクロファージ分化誘導が導入されるために分散するようになる(図6A)。さらに、LIF、OSMおよびIL−6は、M1細胞のクローン原性を抑制し、その結果コロニー数の減少が促進される。IL−11受容体α鎖を発現するM1細胞は、LIF、OSMおよびIL−6に対して正常の応答を示したが、IL−11で刺激するとマクロファージに分化誘導された(図6B)。LIF、IL−6およびOSMの場合は、IL−11の存在下にNr1を発現するM1細胞が生産するコロニーは、コントロール培養物よりも数が少なく、これらのコロニーの含む細胞数は、より少ない。
IL−3依存性ヘモタンパク質細胞系Ba/F3を用い、種々のサイトカイ受容体の増殖性シグナル導入能力の研究を行った。Ba/F3細胞は、その増殖においてIL−3に絶対的に依存性があるが、IL−11、LIFあるいはIL−6に応答して増殖することはない。したがって、Nr1、gp130およびLIF受容体が、これらの細胞が応答しうるサイトカインのスペクトルを広げるかどうかを測定した。IL−6単独に対して応答して増殖することができた細胞系はなかったが、他の受容体が共発現するか否かにかかわりなく、gp130を発現する細胞系は、IL−6と可溶性IL−6受容体α鎖の組み合わせに応答して増殖した(図7)。LIFに応答した増殖は、LIF受容体とgp130の共発現を必要としたが(図7)、これらの細胞は、IL−11に応答して増殖することはできなかった。同様に、Nr1単独またはNr1とLIF受容体を発現するBa/F3細胞は、IL−11に応答することはできなかった。IL−11への応答は、Nr1およびgp130の共発現を必要とした(図7)。これらの細胞の半最大増殖は、IL−11の濃度が20〜100pg/mlにおいて生じた。LIF受容体の発現は、Nr1およびgp130を加えても、その応答は変化しなかった(図7)。
実施例14
ヒトIL−11rαのクローニング
マウス受容体との相同性に基づいてヒトIL−11rαをクローニングする可能性を検定するために、マウスIL−11rαcDNAフラグメントをプローブとして用い、マウスおよびヒトのゲノムDNAの分析を行った(方法に関しては実施例13を参照)。図10Aは、高ハイブリダイゼーション緊縮条件下(0.2×SSC,65℃)で試験した場合の、マウスDNAにおける4.8kbと比較した、ヒトDNAにおける14kbの特異的バンドを示す。
次いで、同じマウスプローブ(45bpのSphI/SacIフラグメント)を用い、5つのヒトcDNAライブラリー由来の約106個のプラークをスクリーニングした。このライブラリーは、2つの成熟骨髄ライブラリー[27;クローンテック,カタログ番号HL1058a]およびヒト胎盤由来のライブラリー[クローンテック;カタログ番号HL1008b]、肝臓[クローンテック;カタログ番号HL1001a]およびヘパトーム細胞系[クローンテック;カタログ番号HL1015b]であった。陽性プラークを単離し、ハイブリダイゼーション−スクリーニングを連続的に繰り返して精製した(方法に関しては実施例17を参照)。成熟骨髄ライブラリーおよび胎盤ライブラリーそれぞれから、およそ30個の陽性クローンが得られた。この組織からマウス受容体が単離されるにもかかわらず(前記実施例を参照)、肝臓あるいはヘパトームライブラリーからは陽性クローンは同定されなかった。PCRに基づいた方策による陽性プラークの試験も行った;マウスWSXWSモチーフをコードするアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびクローニングサイトに隣接した領域におけるベクター配列から誘導される適当なオリゴヌクレオチドプライマーで開始されるPCR反応における鋳型としてプラーク溶出液を用いた。詳細な特徴付けは、骨髄ライブラリー由来の3つのクローンを最初に選んで行った。ヒトcDNAからの切断フラグメントを用いるサザンブロット分析によって、マウスIL−11rαを用いて検出されたバンドと等価のバンドが同定されたことによって、ヒトcDNAの同定が完了した(図10B)。これらの各クローン(#9.1,#4.3,#8.2)由来の挿入物のヌクレオチド配列を両方向に向かってシークエンシングした。#9.1のクローン由来の挿入物を用いて骨髄cDNAライブラリーを再スクリーニングするためのプローブを作成し、他の独特のクローン(#17.1,図11)の同定を行う。このクローンのヌクレオチド配列もまた両方向に向かってシークエンシングする。
実施例15
ヒトIL−11rαの配列分析
図11に示したように、#9.1および#4.3クローンは不完全であったが、#8.2および#17.1クローンは完全なコードィング領域を含んでいた。#8.2および#17.1クローンは287kbのイントロン配列を含み、#4.3および#8.2クローンは254kbのイントロン配列を含んでいた。これらの配列はゲノムDNAクローンの分析によってイントロンが確認され、典型的なスプライス供与−受容部位配列を呈し、mRNAの不完全スプライシングに帰するものであった。図8は、4個のIL−11rαクローンからシークエンシングされた混成のヌクレオチド配列を示す。該配列は、3個のクローンに存在する127bpの5’非翻訳領域(UTR)、およびポリアデニル化シグナルとポリAテールを含む3’UTRを含んでいた。432個のアミノ酸(a.a.)のタンパク質をコードすると予測される1269bpのオープンリーディングフレームがあった。予測タンパク質は、潜在的に疎水性のリーダー配列(1〜23a.a.)、細胞外領域(24〜366a.a.)、膜貫通ドメイン(367〜392a.a.)および細胞質テール(393〜423a.a.)を含んでいた。細胞外ドメインは、2つのN結合グリコシル化可能サイトを含んでいた(図8)。マウスIL−11rα(前記実施例参照)に見られるように、および他サイトカイン受容体(15;28)にも共通して、ヒトIL−11rαは細胞外領域に免疫グロブリン様ドメインおよびヘモタンパク質ドメイン(D200,図8)を呈していた。後者は100a.a.である2つのサブドメイン(SD100,図8)からなり、各ドメインに先立った位置のプロリン残基、4つの保存されたシステイン残基、WSXWSモチーフの一連の極性および疎水性残基を含んでいた。変化しうるアミノ酸“S”は、ヒト受容体ではトレオニンとして同定されたが、マウス等価物ではアラニンであった(前記実施例参照)。
同じライブラリーから単離されたクローン間にいくつかの差異があった。#4.3クローンにおけるヌクレオチド置換
の結果、異なるアミノ酸残基
となっていた。#4.3クローンおよび#17.1#クローンは、#8.2クローンとは、コード領域において、ヌクレオチド置換において相異した
が、それにともなうタンパク質の変化はなかった。また、#17.1#クローンおよび#8.2クローンは、3’UTRにおけるひとつの置換
で相異した。これらの差異は、多型の表現として解釈した。
マウスおよびヒトIL−11rα鎖の配列を比較すると、高度の相同性が示された(図12)。全部で核酸レベルで85%、タンパク質レベルで84%の同一性があった。相同性は、細胞外および膜貫通領域において、一層明らかであり、ヒト受容体の方がマウスの等価物よりも8アミノ酸だけ短い細胞質テールでは相対的に少なかった。同定可能なチロシンキナーゼ様ドメインを含むタンパク質はなかった。
実施例16
ヒトIL−11受容体α鎖の発現の結果、ヒトIL−11の特異的結合が行われ、IL−11シグナリングが起こる
マウス骨髄白血病細胞系M1(29)は、LIF、IL−6、OSM、およびIL−11に対するシグナリング分子であるマウスgp130を本質的に発現する。LIF、OSMおよびIL−6に応答して、半固体寒天中の親M1細胞のコロニーはマクロファージへの細胞分化誘導体として分散するようになり、寒天中を移動する能力を獲得する。さらに、コロニー数を減少させるクローン原性の抑制がある。マウスIL−11rαを発現するように処理されたM1細胞は、IL−11との特異的結合を示し、IL−11に応答して分化誘導された(前記実施例参照)。ヒトIL−11rαは、哺乳類発現ベクターEFBOSを用いてマウスM1細胞において発現された(30;実施例15)。IL−11が特異的にこれらの細胞に結合するかどうかを試験するために、125I−標識ヒトIL−11を用いる結合の研究を行った(方法に関しては実施例15を参照)。表3に示すように、ヒトIL−11rαを発現するように処理されたM1細胞(プール#1〜#4)は、ヒトIL−11の有意な特異的結合を示した。陽性コントロール細胞、M1細胞およびマウスIL−11rαを発現しているBa/F3細胞およびマウスgp130(前記実施例参照)もまた、高レベルの結合を示した。予測されたように、親M1細胞では検出可能なIL−11の特異的結合は示されなかった。ヒトIL−11rαを発現するM1細胞へのIL−11の結合の飽和等温線のスキャッチャード分析から、高い親和性の結合が確認された(図13)。みかけの平衡解離定数(Kd)を算出すると250pMであった。これらの細胞は、その表面に平均3190個の受容体を発現した。この結果はマウスIL−11rαを発現するM1細胞(Kd=275pM、および4815受容体/細胞)に匹敵し、ヒトIL−11rαとマウスgp130との相互作用に帰するものであった。
表4は、ヒトIL−11rαを発現するM1細胞の寒天培養実験の結果をまとめたものであり、該細胞のLIFおよびIL−11への応答を示す。上述したように、マウスIL−11rαを発現するM1細胞は、クローン形成が抑制され、IL−11に応答してマクロファージ分化誘導が起こった。逆に、中枢親M1細胞は、IL−11に応答しなかった。IL−11で処理したときにヒトIL−11rαを発現するように処理されたM1細胞の4つのプールは、クローン原性の目覚ましい抑制が示された(表4)。さらに、IL−11で成長するコロニーでは少しのコロニーしか分化誘導表現型を示さなかった。すべての細胞系が予期されるLIFに対する応答を示した。
IL−11およびLIFに応答したマクロファージ分化誘導を評価するために、懸濁培養において、ヒトIL−11rαを発現するM1細胞およびコントロール細胞の検定も行った(31;32)。5日間の培養後にマクロファージの形態を評価した。図13に示されるように、大部分の細胞がIL−11の刺激に応答して、マクロファージ表現型を呈した。マウスIL−11rαを発現するM1細胞についても同様な結果が観察されたが、親M1細胞はIL−11に応答しなかった。したがって、これらの実験によって、単離したヒトcDNAの、機能的受容体タンパク質をコードする能力が証明され、ヒトIL−11rαおよびマウスgp130の間の共同作動によってシグナルトランスダクションが可能になることが明らかになった。
gp130のの必要条件をヒトIL−11受容体シグナリングへ直接的に伝えるために、マウスBa/F3細胞を検定した。これらの細胞は全体としてIL−3にその生存を依存しており、本質的にgp130を発現しない。Ba/F3細胞をヒトIL−11rαを発現するように処理し、共電気穿孔されたプロマイシン耐性遺伝子の発現に基づいて増殖させた。3個のクローン細胞系ができた。放射標識ヒトIL−11の結合によって評価されたように、これらは、低レベルにもかかわらず、ヒトIL−11rαを発現することが確認された[106;97;116;106個の細胞当たりの結合された平均の特異的カウントvs親Ba/F3細胞に対する検出不可能な結合]。図14に示されるように、これらの細胞は、IL−11に対し、不応答であった。次いで、ヒトgp130分子が、これらのクローン細胞系それぞれにおいて発現した。この結果から、Ba/F3細胞におけるヒトIL−11rαの発現および増殖のためのgp130に対する必要条件が確認された。コントロールとして用いた親Ba/F3細胞は、IL−11に応答せず、予期されるとおり、すべての細胞がマウスIL−3に応答して増殖した。
実施例17
ヒトライブラリーのスクリーニング
前記マウスプローブを用いて次のヒトcDNAライブラリーのスクリーニングを行った:2つの骨髄ライブラリー(27;クローンテック、カタログ番号HL1058a)、胎盤ライブラリー(クローンテック、カタログ番号HL1008b)、肝臓ライブラリー(クローンテック、カタログ番号HL1001a)およびヘパトーム細胞ライブラリー(クローンテック、カタログ番号HL1015b)。各ライブラリーから約106個のプラークをニトロセルロース膜に乗せ、真空下で2時間、80℃にてインキュベートして固定した。フィルターを1時間プレハイブリダイズし、次いで、2×SSC,2mg/mlのウシ血清アルブミン、2mg/mlのフィコール,2mg/mlのポリビニルピロリジン,100μMのATP,50μg/mlのtRNA,2mMのピロリン酸ナトリウム,2mg/mlのサケ精子DNA,200μg/mlのナトリウムアジドおよび1%w/vのSDSを含む溶液中、65℃で16時間ハイブリッド形成させた。最後にフィルターを30分間65℃にて0.2×SSC、0.1%SDSで洗浄した。複写のフィルター上の陽性プラークを単離し、さらにハイブリダイゼーションスクリーニングを繰り返して精製した。
ヒトクローン#91.(図11)にも標識をし、これをヒト骨髄cDNAラリブラリー用のプローブとして用いた。
15μgのヒトゲノムDNA(末梢血管白血球から得たもの)およびマウスゲノムDNA(FDCP−1細胞系から得たもの)を制限酵素HindIII[ベーリンガー・マンハイム,ドイツ]で完全に消化した。0.8%w/vアガロースゲル上でDNA断片を分離し、0.4M NaOHを加えてナイロン膜[ジーン・スクリーン・プラス,バイオテクノロジー・システムズ,NENリサーチ・プロダクツ]上に移した。
マウスIL−11rαクローン#30.1(前記実施例参照)由来の445bpの制限酵素SphI/SacI消化断片およびヒトcDNAクローン#17.1由来の制限酵素PstI/SbaI消化断片をプローブとして用いた。100ngのDNAを、ランダム・デカヌクレオチド・ラベリング・キット[ブレーサテック,アデレイド,S.A.,オーストラリア]を用いて標識した。結合した[32P]ATPを、NICKカラム(ファルマシア,ウプサラ,スウェーデン)用い、結合した[32P]ATPを非結合の標識から分離した。膜をプレハイブリダイズし、次いで、製造者推薦の緩衝液中、65℃で一夜ハイブリダイズした。最後に膜30分間65℃にて0.1%SDS、0.2×SSC(30mM塩化ナトリウム、3mMクエン酸トリナトリウム)で洗浄した。
実施例18
ヒトIL−11α陽性プラークの分析
マウスのプローブを使用して単離した陽性プラークをさらにPCRに基づいた方法によってスクリーニングした。純粋プラーク(5μl)からの溶出物を鋳型として2.5U Taqポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム、ドイツ)、供給バッファー、200μM dNTP各々を使用して50μlの容量のPCR反応において使用した。その反応は、250ngのWSXWSのモチーフ
に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドプライマーおよびそのクローニングされたcDNAをフランキングした適切なベクターオリゴヌクレオチドプライマーで開始した:pBluescriptプラスミドにはT3およびT7プロモータープライマーを、適切なγgt10およびγgt11をフォワードおよびリバースプライマーとして使用した。
その鋳型を欠如したコントロール反応をも行った。3つのプラーク(骨髄ライブラリーから単離された#91、4.3、8.2)を選択した。そのcDNAをジデオキシターミネーション法(18)およびファルマシアT7ポリメラーゼシークエンシングキット(ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン)を用いて両鎖についてシークエンシングした。
実施例19
ヒトIL−11rα発現構築物および生物学的アッセイ
全コーディング領域およびポリアデニル化シグナルを含むがイントロン配列は含まない合成cDNA構築物を#9.1(Eco RI/Pst I断片)および#17.1(Pst I/Eco RI断片)からの制限酵素消化断片をライゲーションすることによって作成した。その構築物をBst Iアダプター(インビトロゲン、サン・ディエゴ、カリフォルニア、米国)を用いてpEF−BOS(30)のBst XI部位にクローニングした。それをAat IIで線状にし、M1およびBa/F3細胞にエレクトロポーレーションした。pPGKpuropAおよびpPGKneopAはプロマイシントランスフェラーゼおよびネオマイシントランスフェラーゼをコードするcDNAを含むpBluescript誘導体であり、細胞にコエレクトロポレーションしついで選択マーカーとして使用した。pEF−BOSにクローニングしたヒトgp130をヒトIL−11rαを発現するよう操作したBaF3細胞にエレクトロポレーションした。M1細胞(29)を37℃、10%v/vCO2中で10%v/vウシ胎児血清(FCS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にて増殖させた。Ba/F3細胞をIL−3(34)の源と同様、10% v/v FCSおよびWEHI−3B D-条件化(D-conditioned)培地を含むRPMI−1640培地中で増殖させた。ヒトIL−11rα構築物を安定に発現するM1およびBa/F3細胞を上記のようにエレクトロポレーションによって生成した。細胞をpPGKPuropAとエレクトロポレーションした。ヒトIL−11rαを発現するBa/F3細胞をプロマイシン抗生物質選択で膨張させ、ヒトgp130をpPGKneopAに導入した。これらの細胞をG418中で膨張させた。
生物学的アッセイについて、M1細胞(300/ml)をヒトIL−11(1000U/ml)またはマウスLIF(1000U/ml)または通常の生理的食塩水と、DMEM、20% v/v FCS、0.3% w/vアガー中で培養した。培養物を37℃、10% v/vCO2を含む湿潤大気中でインキュベートした。7日後、コロニー数を数え、分化を標準的基準(35)を使用して評価した。懸濁培養物中において、1.5×104M1細胞を10% v/v FCSおよびIL−11(1000U/ml)を含むまたはIL−11(1000U/ml)を含まず、またはLIF(1000/ml)を含むDMEM 1.5mlにて培養し、ついで上記のようにインキュベートした。メイ−グランウォルドギームザ染色細胞の形態学的検査によって分化を決定した:最小限の200細胞を検査した。
Ba/F3細胞の増殖を上記のようにマイクロウェルアッセイにおいて測定した。簡単には、200細胞/ウェルを以下の刺激を含む15μlの培地中でインキュベートした:通常の生理的食塩水、最終濃度1000単位/mlのマウスインターロイキン−3(IL−3)およびヒトIL−11の連続希釈。生存細胞を48時間後に数えた。
ボルトン−ハンタ−試薬を用いたIL−11のヨウ素化およびM1およびBa/F3細胞での結合実験を前に上記に記載したように行った。
実施例20
サイトカインの出所
マウスIL−3およびヒトIL−11をペプロテク(ロッキー・ヒル、ニュージャージー、米国)から、マウスLIFおよびAMRADをプティ・リミテッド(メルボルン、オーストラリア)より購入した。リガンド結合実験において使用したヒトIL−11をCOS−M6細胞における発現によって得た。簡単には、ヒトIL−11の成熟タンパク質をコードするcDNAをヒトストローマ細胞株197/17(36)由来のcDNAからポリメラーゼチェーンリアクションによって得た。ヒトIL−11成熟コーディング領域をFLAG配列(イーストマンコダック、コネチカット、米国)が続くマウスIL−3シグナル配列をコードする配列を含む発現ベクター由来であるpEF−BOS(30)であるpEF/IL3SIG/FLAGに挿入し、ついでN末端フラッグを有する生物学的に活性なヒトIL−11タンパク質の分泌となるCOS−M6細胞にて発現させた。N末端フラッグヒトIL−11を製造者により推薦されるようにSuperdex 75(ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン)上でのゲル濾過クロマトグラフィーの前にペプチド溶出を行い、抗FLAG M2モノクローナル抗体カラム(イーストマンコダック、コネチカット、米国)にてアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。精製したタンパク質でSDSポリアクリルアミドゲル上にMW 25,000の単一のバンドを得た。
実施例21
IL−11レセプターα鎖に対する抗体をモニター発現に利用できないので、構築物をN末端FLAGエピトープ(インターナショナルバイオテクノロジーズ/イーストマンコダック、コネチカット、米国)を有するマウスIL−11レセプターα鎖の可溶性バージョンを発現させるよう操作した。最初に、哺乳類発現ベクターpEF−BOSの誘導体を産生し、その結果それは、唯一Xba Iクローニング部位が続く、マウスIL−3のシグナル配列をコードするDNA
およびFLAGエピトープ
を含んだ。このベクターをpEF/IL3SIG/FLAGと名付けた。
膜貫通部位または細胞質領域(S24〜Q367)を含まない細胞外ドメインをコードするDNA断片の増幅を使用してPCRを行った。その使用したプライマーは:
可溶性マウスIL−11レセプターα鎖PCR産物をXba Iで消化し、ついでpEF/IL3SIG/FLAGのXba I部位にイン・フレームでクローニングし、pEF−sIL−11αを得た。
可溶性マウスIL−11レセプターα鎖がpEF−SIG−11rαを用いて産生され得ることを確かめるため、COS細胞を一時的にこれらの構築物とトランスフェクションした。簡単には、コンフルエント(confluent)175cm2組織培養フラスコからのCOS細胞をPBSに再懸濁し、ついで0.4cmキュベット(バイオラド)中で非切断pEF−sIL−11rα 20μgでエレクトロポレーションした(バイオラド・ジーン・パルサー;500μF、300V)。2〜3日後、37℃、大気中10% v/vCO2を含む完全に湿潤なインキュベーター中で細胞をタンパク質の発現の分析に使用した。条件化した培地を遠心分離によって回収し、4℃で無菌状態で保存した。
ついで培地を抗−FLAG抗体アフィニティーカラム(インターナションルバイオテクノロジーズ/イーストマンコダック、コネチカット、米国)上でコロマトグラフィーにかけた。カラムに結合できなかったタンパク質を、そのカラムに結合したマウスIL−11レセプターα鎖タンパク質はug/ml FLAGペプチドの8mlで溶出されるが、PBSで洗い流した。その精製した可溶性マウスIL−11レセプターα鎖をSDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、可溶性のマウスIL−11レセプターα鎖の推定の大きさ同様の約40,000の明らかな分子量の主要なバンドの存在を明らかにし、銀色に染めた。
その精製した可溶性マウスIL−11レセプターα鎖をIL−11の存在下または不在下でM1細胞の分化を刺激する能力を試験した。IL−11および可溶性マウスIL−11レセプターα鎖は単独ではM1分化を刺激できなかったが、しかしながら、組み合わせると、分化は液状および半固体培養の両者において観察された。これらの結果は、可溶性マウスIL−11レセプターα鎖はアゴニストとして作用し、IL−11を膜結合したIL−11レセプターα鎖の不在下でgp130を発現する細胞に影響を及ぼすように努めることができるかもしれないと示している。この点で、可溶性IL−11レセプターα鎖は可溶性IL−6レセプターα鎖と類似である。
当業者は本明細書に記載された発明が、具体的に記載されたもの以外の変化または変更を受け易いことを認識するであろう。本発明には、そのような変化および変更がすべて含まれることを理解すべきである。本発明はまた、本明細書に引用されているかまたは指示されている工程、特徴、組成および化合物のすべてを個別または集合的に含み、および該工程または特徴の任意の2以上のすべての組み合わせをも含む。
配列表
(1)一般的情報
(i)特許出願人(米国以外):アムラド・コーポレイション・リミテッド(米国のみ):ダグラス・ジェイムズ・ヒルトン
(ii)発明の名称:新規ヘモポイエチン受容体
(iii)配列の数:25
(iv)連絡先:
(A)名宛人:デイビス・コリスン・ケイブ
(B)通り:リトル・コリンズ・ストリート1番
(C)市:メルボルン
(D)州:ヴィクトリア
(E)国:オーストラリア
(F)ZIP:3000
(v)コンピューター解読書式:
(A)媒体型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC適合
(C)オペレーティング・システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウエア:PatentIn Release#1.0,バージョン#1.25
(vi)本出願のデータ:
(A)出願番号:AU Provisional
(B)出願日:1994年9月5日
(viii)弁理士/代理人情報:
(A)氏名:ヒューズ・ドクター,イー・ジョン・エル
(C)参照/整理番号:EJH/EK
(ix)電話連絡先情報:
(A)電話番号:+61 3 9254 2777
(B)ファックス番号:+61 3 9254 2770
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.1:
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:1705塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:45..1340
(xi)配列:SEQ ID NO.2:
(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:432アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:SEQ ID NO.3:
(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:1800塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:128..1396
(xi)配列:SEQ ID NO.4:
(2)配列番号5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:423アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:SEQ ID NO.5:
(2)配列番号6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.6:
(2)配列番号7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.7:
(2)配列番号8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.8:
(2)配列番号9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.9:
(2)配列番号10の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.10:
(2)配列番号11の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:25塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.11:
(2)配列番号12の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.12:
(2)配列番号13の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.13:
(2)配列番号14の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.14:
(2)配列番号15の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.15:
(2)配列番号16の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.16:
(2)配列番号17の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.17:
(2)配列番号18の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:17塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
(xi)配列:SEQ ID NO.18:
(2)配列番号19の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA
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(2)配列番号21の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号22の情報:
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(ii)配列の種類:DNA
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(2)配列番号23の情報:
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Claims (23)
- インターロイキン(IL)−11受容体鎖をコードするかまたはそれをコードする配列と相補的なヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子であって、配列番号2または配列番号4で定義される核酸分子の1つまたは両方またはそれらの相補形と65℃にて16時間、2×SSC、2mg/mlのウシ血清アルブミン、2mg/mlのフィコール、2mg/mlのポリビニルピロリドン、100μmのATP、50μg/mlのtRNA、2mMのピロリン酸ナトリウム、2mg/mlのサケ精子DNA、200μg/mlのナトリウムアジドおよび1%w/vのSDSを含む溶液中でハイブリダイズすることができ、次いで65℃にて30分間、0.2×SSCおよび0.1%w/v SDSで洗浄される核酸分子。
- IL−11受容体が哺乳動物由来のものである、請求項1記載の分離された核酸分子。
- IL−11受容体がヒト由来のものである、請求項2記載の分離された核酸分子。
- IL−11受容体がネズミ由来のものである、請求項2記載の分離された核酸分子。
- DNAである、請求項2〜4のいずれか1項記載の分離された核酸分子。
- cDNAである、請求項5記載の分離された核酸分子。
- 配列番号3のアミノ酸配列を含むネズミIL−11受容体のα−鎖をコードしている、請求項5または6記載の分離された核酸分子。
- 配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項7記載の分離された核酸分子。
- 配列番号5のアミノ酸配列を含むヒトIL−11受容体のα−鎖をコードしている、請求項5または6記載の分離された核酸分子。
- 配列番号4のヌクレオチド配列を含む、請求項9記載の分離された核酸分子。
- 配列番号3のアミノ酸配列のアミノ酸24〜367を含むポリペプチドをコードするものである請求項5または6記載の分離された核酸分子。
- 配列番号5のアミノ酸配列のアミノ酸24〜366を含むポリペプチドをコードするものである請求項5または6記載の分離された核酸分子。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の核酸分子を含む組換えベクター。
- 請求項7または8に記載の核酸分子を含む組換ベクター。
- 請求項9または10に記載の核酸分子を含む組換ベクター。
- 請求項11または12に記載の核酸分子を含む組換えベクター。
- 請求項13〜16のいずれかに記載のベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。
- 哺乳類のものである請求項17記載の宿主細胞。
- 細菌である請求項17記載の宿主細胞。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の核酸分子によりコードされるか、または請求項17〜19記載の宿主により製造される、哺乳動物の組換IL−11受容体α−鎖_。
- 哺乳動物がヒトまたはネズミである、請求項20記載の組換IL−11受容体α−鎖。
- 配列番号5のアミノ酸配列を含むものである、請求項21記載の組換IL−11受容体α−鎖。
- 配列番号3のアミノ酸配列を含むものである、請求項21記載の組換IL−11受容体α−鎖。
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