JP3948846B2 - 地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置 - Google Patents

地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地熱を利用して流体を熱水と蒸気の混合体とし、その混合体から蒸気を得て、その蒸気を発電用蒸気タービン等に供給することを目的とした蒸気の採取設備に関し、特に地中の地熱流体貯留層に存在している地熱流体を直接利用することなしに蒸気を採取しようとする蒸気採取用の密閉型流体循環装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発電用として地熱エネルギーが開発利用されている。従来の蒸気採取方法は、地下深部で蒸気と熱水とが高圧下で地熱流体となって共存している地熱流体貯留層を地上から狙って坑井を掘削して地熱流体を地上へ自噴させ、その地熱流体を気水分離器に導入して蒸気と熱水とに分離し、蒸気を地熱発電用として利用していた。
【0003】
しかしながら、地熱発電の場合には数万KWの発電のために多量の蒸気を必要とするので、一般には10本以上、あるいは数十本に及ぶ蒸気採取井を掘削することが必要になる。その上、蒸気採取にあたってはこれら各採取井から配管によって一地点に集めるための配管を敷設する必要があり、山間部に点在する採取井からの配管は長距離となることが普通であり、多大の建設費を必要とするという欠点があった。
【0004】
さらに、自噴した地熱流体を気水分離器に導入して、蒸気と熱水とに分離し、蒸気は地熱発電用に利用し、熱水は地熱流体の枯渇防止及び地核変動防止のために最終的には再び地下に還元してやることが必要となり、そのための還元坑井も掘削して置く必要があった。
【0005】
また、高温高圧下の地熱流体中にはかなりのアルカリ土類金属が溶解しており熱水中のアルカリ土類が炭酸塩となって析出し、スケールとなって採取井や還元井に付着し、採取井や還元井を閉塞状態にしてしまう恐れがあるために、坑井内へ薬注管を挿入する等、スケール防止対策にも注意を払わなければならないという煩わしさもあった。また、場所によっては地熱流体に有害な物質が含まれていることもあり、公害対策の点でも相当の注意を払わなければならなかった。
【0006】
そして、これらの欠点を解決することを目的に本発明者は先に特開平9−112407号公報により、密閉型の流体循環装置の熱交換部を地熱エネルギーを有する地中に通し、その熱交換部に地上より流体を供給し、供給された流体を地熱によって昇温し、蒸気と熱水を発生させて清浄で安全な蒸気を得ることができる蒸気の採取装置を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特開平9−112407号公報に示した従来の技術においては地熱エネルギーにより高温に昇温された流体は外管の内壁と内管の外周面とによって形成された上昇側流路に沿ってそのまま一気に上昇して行くために地層浅部の低温地層域で冷やされた流体も一緒に取水部を通して気水分離器へ送り出されてしまうので熱効率が低下してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来の蒸気採取設備用の密閉型流体循環装置と比較して熱効率が極めて優れている地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を達成するため、本発明の請求項1に係る地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置は、外部に設けてある高圧給水装置と連通し、該高圧給水装置から供給される流体を取り入れる給水部と、地熱によって昇温されて熱水と蒸気の混合体となった流体より蒸気を取り出す蒸気取り出し部と、互いにそれぞれ順次連通している給水側上部流路と給水側下部流路と上昇側下部流路と上昇側上部流路とを内部に備え、下側が熱交換部とされた装置本体とからなり、該装置本体の該熱交換部を地熱エネルギーを有する地中に通すことによって前記高圧給水装置により内部に供給された流体を地熱によって昇温し、昇温されて熱水と蒸気の混合体となった該流体から蒸気を採取するようにした地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置において、前記装置本体は、下部が地熱エネルギーを有する地中まで通され、上部で前記給水部と前記蒸気取り出し部に連通している密閉長尺円筒状の外管と、該外管の内壁と、該外管の内部天井から該外管の内部垂直下方の所定の位置まで延在している上部内管の外壁と、該上部内管の下端部外周側に設けられたリング状の底板とによって形成された密閉二重筒状の給水側上部流路と、該給水側上部流路の該リング状の底板の下部に設けられている少なくとも2本の連通管に連通し、前記外管と同心状に該外管内部の垂直下方に延在して、その先端が該外管の底部近傍まで延びている少なくとも1つからなる下部内管の内側に形成された給水側下部流路と、該給水側下部流路を形成している該下部内管の外側に該下部内管と同心状に上下方向に連続接近して複数設けられた漏斗状の巻き込み分離装置と該下部内管の外壁とにより形成された巻き込み戻り流路と、該巻き込み戻り流路を形成している複数の漏斗状の巻き込み分離装置の外壁と前記外管の内壁とにより形成された上昇側下部流路と、前記密閉二重筒状の給水側上部流路を形成している前記上部内管の内側に形成された上昇側上部流路とからなり、外部に設けてある前記高圧給水装置と連通している前記給水部が前記装置本体の前記給水側上部流路と連通結合され、地熱により昇温された前記流体から蒸気を取り出し外部の設備に蒸気を供給する前記蒸気取り出し部が前記装置本体の前記上昇側上部流路と連通結合されている構成とする。
【0010】
地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置を前記のように構成し、外部に設けてある高圧給水装置により給水部から装置本体内部に所定の水位になるまでの流体を順次供給してやることにより、供給された流体は地熱エネルギーを有する地中に通されている装置本体の熱交換部で昇温され、熱水と蒸気の混合体となる。そしてその混合体からは水分を多く含んだ蒸気が装置本体内の空間に放出され、放出された蒸気は上昇側下部流路を上昇して行く。
【0011】
そして、水分を多く含んだ蒸気中の水分は上昇側下部流路を上昇して行く過程で外管の内壁と下部内管の外壁との温度差と上昇する蒸気の上昇気流の気圧差による渦流によって漏斗状の巻き込み分離装置により徐々に巻き込み戻り流路側に巻き込まれ巻き込み戻り流路を下降し、下部の流体と一緒になり再度地熱エネルギーにより昇温される。一方、上昇を続ける蒸気は水分が十分に除かれた蒸気となり更に地熱によって加熱されながら高温高圧の蒸気となって上昇側下部流路を上昇し、上昇側上部流路を経て蒸気取り出し部へと向かう。
【0012】
次に、本発明の請求項2に係る蒸気採取用の密閉型流体循環装置は、請求項1における蒸気採取用の密閉型流体循環装置の巻き込み戻り流路が、給水側下部流路を形成している下部内管の外側で該下部内管と同心状に上下に連続して設けられた中管の内壁と該下部内管の外壁とによって形成され、該中管の外側には上下方向に複数の切頭円錐状の巻き込み分離装置用つばが開き側を上にして接合されており、該中管の該巻き込み分離装置用つばの接合部の上側には該巻き込み分離装置内に巻き込まれた熱水が前記巻き込み戻り流路に流れ込むための熱水戻り用孔が円周に沿って複数穿設されている構成とする。
【0013】
請求項2に係る当該発明は、基本的には請求項1に係る発明と同じであるが、請求項1に係る発明においては下部内管の外側に同心状に上下方向に連続接近して複数設けられていた漏斗状の巻き込み分離装置を、上下に連続して設けた中管に複数の切頭円錐状の巻き込み分離装置用つばを開き側を上に向け閉じ側内周縁で密着接合し、その接合部の上側に複数の熱水戻り用孔を穿設することにより上下に一体構造としたものである。
【0014】
次に、本発明の請求項3に係る蒸気採取用の密閉型流体循環装置は、請求項1及び、請求項2における蒸気採取用の密閉型流体循環装置の装置本体を構成している外管の熱交換部以外の管と上部内管と連通管と下部内管、及び、蒸気取り出し部を構成している管をそれぞれ断熱管により構成するものとする。
【0015】
請求項3に係る当該発明は、請求項1、及び請求項2に係る発明をより具体的にした発明であり、蒸気取り出し部を構成している管と、装置本体を構成している外管の熱交換部を除く部分、即ち低温地層部に接する部分の外管と、給水側の各流路と上昇側の各流路とをそれぞれ隔てている上部内管と、連通管と、下部内管とを例えば二重管式断熱管とすることにより熱損失が少なく、効率の良い流体循環装置としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1において符号1は密閉型流体循環装置であり、その密閉型流体循環装置1の長さは下側の熱交換部6が地中の地熱エネルギーを有する地層Aまで及ぶ長さとされ、掘削によって地中に設けられた穴に通されている。
【0017】
密閉型流体循環装置1は、上部に設けられた給水部3と蒸気取り出し部4と密閉長尺円筒状の装置本体2とにより構成され、給水部3は地上の所定の位置に設けてある高圧給水装置20と連通結合されており、その高圧給水装置20から装置本体2内に流体Wが供給されるようになっている。また蒸気取り出し部4は同じく地上の所定の位置に設けてある発電用タービン21などと連通結合されており、装置本体2の熱交換部6で地熱エネルギーによって昇温されて熱水と蒸気の混合体となった流体から放出される湿った蒸気から、渦流を利用して蒸気から水分を分離回収するための巻き込み分離装置16によって水分が十分に取り除かれた高温高圧の蒸気を取り出し、取り出した蒸気を蒸気取り出し部4の先端近傍に設けてある圧力調整装置22によって所定圧の蒸気として発電用タービン21へと供給し、発電用タービン21を回す。その後、蒸気は冷却装置23により熱水に変えられて熱水貯留槽27に戻される。
【0018】
一方装置本体2は密閉長尺円筒状の外管5により外壁が形成され、その外管5は下側の熱交換部6が地中の地熱エネルギーを有する地層Aまで届くに十分な長さとされ、地熱エネルギーを有する地層深部まで掘削された穴に通されている。尚、図1において、符号25は注水装置を示し、雨水や河川水等を引き込んだ貯水槽26や直接河川等から流体を追加補充するための装置であり、符号24は硬水軟化装置を示し、それぞれ蒸気採取設備の一部を構成している。
【0019】
装置本体2の外管5の内部天井からはその外管5の内部垂直下方に向かって所定長さの上部内管12が延びており、その上部内管12の下端部外周側にはリング状の底板13が上部内管12の下端部外周と外管5の内壁とにそれぞれ密着して一体になるように設けられて密閉状の有底二重筒状の給水側上部流路7を形成し、その上部で給水部3と連通結合されている。そして上部内管12の内側は上昇側上部流路11とされ、その上部で蒸気取り出し部4と連通結合されている。
【0020】
また、上部内管12の下端部外周と外管5の内壁と密着一体とされているリング状の底板13には下方に向かって少なくとも2本の連通管14が設けてあり、その連通管14は、外管5の軸心近傍の所定の位置で一体とされその下部に設けられた下部内管15と連通している。下部内管15は上部内管12の下方で外管5と同心状に垂直下方に延在し、その下端部が外管5の底部近傍まで延びてその内側が給水側下部流路8を形成している。そして給水部3から高圧給水装置20によって装置本体2の内部に所定の水位を維持するように順次供給される流体Wは給水側上部流路7を通り、連通管14を経て給水側下部流路8に送られて装置本体2の底部近傍まで送られ装置本体2の下部に蓄えられる。
【0021】
一方、下部内管15と外管5の間には複数の漏斗状の巻き込み分離装置16が下部内管15の外周面か、外管5の内壁、またはその両方にリブ状の取り付け板等(図示せず)によって移動不能に固定されている。そして、下部内管15の外壁と上下に複数設けられている漏斗状の巻き込み用分離装置16の内壁によって巻き込み戻り流路9が形成され、巻き込み用分離装置16の外壁と外管5の内壁とによって上昇側下部流路10が形成されているので、外管5の底部近傍まで送られ所定の水位で蓄えられた流体Wは外管5の熱交換部6を介して地熱エネルギーによって加熱昇温され、熱水と蒸気の混合体となる。そして、装置本体2内部の流体が所定の水位に保たれてその上部が空間とされているので、その空間に向けてその混合体から水分を多く含んだ蒸気が放出され、その水分を多く含んだ蒸気は上昇側下部流路10を上昇し、上部内管12の内側の上昇側上部流路11へと向かう。
【0022】
この時、蒸気中の水分は外管の内壁と下部内管の外壁との温度差と上昇する蒸気の上昇気流の気圧差によって生じる渦流によって漏斗状の巻き込み分離装置の方に吸い込まれるため水分を多く含んだ蒸気は上昇するにつれて乾いた蒸気となって上部内管12の内側の上昇側上部流路11を経て蒸気取り出し部4に至り、発電用タービン21へと送られる。また、蒸気取り出し部4の先端近傍には圧力調整装置22が設けられており、装置本体2の内部の圧力が所定の圧力に設定されることによって内部に蓄えられている流体が一気に蒸気となってしまうことが回避される。
【0023】
次に、図2は本発明の別の実施の形態を示す図であり、装置本体2内部の巻き込み分離装置16を別の構成とした密閉型流体循環装置1である。図において、給水側下部流路8を形成している下部内管15の外側にはその下部内管15と同心状に上下に連続した中管17が下部内管15の外周面か、外管5の内壁、またはその両方にリブ状の取り付け板等(図示せず)によって移動不能に設けてありその中管17の外側には上下方向に複数の切頭円錐状の巻き込み分離装置用つば18が開き側を上に向け閉じ側内周縁が中管17の外周に密着接合されている。そして、中管17には巻き込み分離装置用つば18が密着接合されているすぐ上側に円周に沿って複数の熱水戻り用孔19が開けられている。
【0024】
この構成によって、下部内管15の外壁と中管17の内壁により巻き込み戻り流路9が形成され、外管5の内壁と下部内管15の外壁との温度差と上昇する蒸気の上昇気流の気圧差により生じる渦流によって巻き込み分離用つば18を介して巻き込み戻り流路9側に巻き込まれた蒸気中の水分は熱水戻り用孔19を通って巻き込み戻り流路9へと導かれ、その巻き込み戻り流路9を下降して下部に蓄えられている流体や順次供給される流体と一緒になって再度地熱エネルギーにより昇温される。
【0025】
次に、図1及び図2で説明した密閉型流体循環装置1において、蒸気取り出し部4を構成している管と、装置本体2を構成している外管5の熱交換部6以外の部分を構成している管と、上部内管12と、連通管14と、下部内管15とを、例えば、二重管式断熱管によって構成することにより、熱損失が少なくなり、熱効率が極めて優れた密閉型の流体循環装置となる。
【0026】
また、図1及び図2においては、上部内管12の下端部外周と外管5の内壁と密着一体とされているリング状の底板13から下方に向かって設けられた少なくとも2本の連通管14は外管5の軸心近傍の所定の位置で一体とされ、その下部に設けられた1本の下部内管15と連通している構成について説明したが、下部内管15の本数を連通管14の本数と同数とし、それぞれの連通管14と下部内管15を連通結合させ、その少なくとも2本とした下部内管15を一体に束ねて複数の給水側下部流路8を構成してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明の地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置によれば、地熱エネルギーにより十分に昇温されて熱水と蒸気の混合体となった流体から放出される高温の蒸気は上昇側下部流路を上昇して行く過程で漏斗状の巻き込み分離装置によって水分が十分に取り除かれるので蒸気の温度低下が防止され、その結果圧力の高い蒸気のままで上部の蒸気取り出し部へと向かって上昇して行く。
【0028】
また、蒸気が上昇して行く途中でその一部が低温地層域により冷やされる前に蒸気は装置本体の中央部にある上昇側上部流路へと向かうようになっており、この上昇側上部流路を囲んでいる給水側上部流路には常に100℃前後の熱水が外部から供給されるようになっているので、低温地層域の範囲を通過する場合でも蒸気の温度の低下は僅かなものに抑えられ、この部分での熱損失も極めて少ないものとなる。
【0029】
一方、巻き込み分離装置によって分離回収された熱水は巻き込み戻り流路に沿って下降し、装置本体の下部に蓄えられている流体や順次高圧給水装置によって供給される流体と一体となり、地層深部の地熱エネルギーによって再度昇温されて上昇側下部流路を上昇して行く。そしてこの繰り返しによって、上昇側上部流路には十分に昇温されて高圧となった蒸気のみが送られることになるので極めて効率の良い、しかも極めてクリーンな蒸気を得ることができる。
【0030】
また、装置本体を構成している外管の熱交換部以外の部分を構成している管、即ち低温地層部に接する部分の外管や、給水側の各流路と上昇側の各流路とを隔てている上部内管や、連通管、そして下部内管を断熱管とすることにより更に熱効率の良い地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略系統図である。
【図2】別の実施の形態の一部分を示す概略一部断面図である。
【符号の説明】
1 密閉型流体循環装置
2 装置本体
3 給水部
4 蒸気取り出し部
5 外管
6 熱交換部
7 給水側上部流路
8 給水側下部流路
9 巻き込み戻り流路
10 上昇側下部流路
11 上昇側上部流路
12 上部内管
13 底板
14 連通管
15 下部内管
16 巻き込み分離装置
17 中管
18 巻き込み分離用つば
19 熱水戻り用孔
20 高圧給水装置
21 発電用タービン
22 圧力調整装置
23 冷却装置
24 硬水軟化装置
25 注水装置
26 貯水槽
27 熱水貯留槽

Claims (3)

  1. 流体を地熱によって昇温し熱水と蒸気の混合体とし、その混合体より蒸気を得るようにした密閉型の流体循環装置であって、
    外部に設けてある高圧給水装置と連通し、該高圧給水装置から供給される流体を取り入れる給水部と、
    地熱によって昇温されて熱水と蒸気の混合体となった流体より蒸気を取り出す蒸気取り出し部と、
    蒸気取り出し部の先端近傍に設けられ取り出した蒸気の圧力調整を行なう圧力調整装置と、
    互いにそれぞれ順次連通している給水側上部流路と給水側下部流路と上昇側下部流路と上昇側上部流路とを内部に備え、下側が熱交換部とされた装置本体とからなり、
    該装置本体の該熱交換部を地熱エネルギーを有する地中に通すことによって前記高圧給水装置により内部に供給された流体を地熱によって昇温し、昇温されて熱水と蒸気の混合体となった該流体から蒸気を採取するようにした地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置において、
    前記装置本体は、下部が地熱エネルギーを有する地中まで通され、上部で前記給水部と前記蒸気取り出し部に連通している密閉長尺円筒状の外管と、
    該外管の内壁と、該外管の内部天井から該外管の内部垂直下方の所定の位置まで延在している上部内管の外壁と、該上部内管の下端部外周側に設けられたリング状の底板とによって形成された密閉二重筒状の給水側上部流路と、
    該給水側上部流路の該リング状の底板の下部に設けられている少なくとも2本の連通管に連通し、前記外管と同心状に該外管内部の垂直下方に延在して、その先端が該外管の底部近傍まで延びている少なくとも1つからなる下部内管の内側に形成された給水側下部流路と、
    該給水側下部流路を形成している該下部内管の外側に該下部内管と同心状に上下方向に連続接近して複数設けられた漏斗状の巻き込み分離装置の当該巻き込み分離装置の内壁と該下部内管の外壁とにより形成された巻き込み戻り流路と、
    該巻き込み戻り流路を形成している複数の漏斗状の巻き込み分離装置の外壁と前記外管の内壁とにより形成された上昇側下部流路と、
    前記密閉二重筒状の給水側上部流路を形成している前記上部内管の内側に形成された上昇側上部流路とからなり、
    外部に設けてある前記高圧給水装置と連通している前記給水部が前記装置本体の前記給水側上部流路と連通結合され、
    地熱により昇温された前記流体から蒸気を取り出し外部の設備に蒸気を供給する前記蒸気取り出し部が前記装置本体の前記上昇側上部流路と連通結合されていることを特徴とする地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置。
  2. 巻き込み戻り流路が、給水側下部流路を形成している下部内管の外側で該下部内管と同心状に上下に連続して設けられた中管の内壁と該下部内管の外壁とによって形成され、該中管の外側には上下方向に複数の切頭円錐状の巻き込み分離装置用つばが開き側を上にして接合されており、該中管の該巻き込み分離装置用つばの接合部の上側には該巻き込み分離装置内に巻き込まれた熱水が前記巻き込み戻り流路に流れ込むための戻り用孔が円周に沿って複数穿設されていることを特徴とする請求項1記載の地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置。
  3. 装置本体を構成している外管の熱交換部以外の管と上部内管と連通管と下部内管、及び、蒸気取り出し部を構成している管とがそれぞれ断熱管からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の地熱を利用した蒸気採取用の密閉型流体循環装置。
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