JP3948824B2 - 延伸フィルムの製造方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は延伸フィルムの製造方法およびその装置に関し、さらに詳しくはプラスチックフィルムへの水性塗剤の塗布(コーティング)工程を有し、その後の乾燥を特定の手段で行う延伸フィルムの製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムに易接着性、易滑性、帯電防止性、ガスバリア性、隠蔽性、インク等の受理性、光学的反射防止性、防曇性等の機能を付与する為、該フィルムに機能付与の塗剤をコーティングすることが広く行われている。この塗剤は、通常、無溶剤、溶液または分散液の状態で塗布され、乾燥またはキュアリングされてプラスチックフィルムと一体化される。
【0003】
このようなプラスチックフィルムの製造においては、近年、高生産性等の要請から、塗剤の高速塗布が要求され、コーティング後の乾燥方法も従来の方法では満足できない場合が生じてきた。特にプラスチックフィルムにコーティングを施した後に、プラスチックフィルムを巾方向に延伸し、又は巾方向と走行方向に同時に延伸する工程を有する製造プロセスにおいては、塗剤の乾燥が追いつかず、延伸工程におけるプラスチックフィルムの温度低下によって延伸が不可能になる場合が生じてきた。
【0004】
このような不都合に対し、従来の技術では、▲1▼延伸工程におけるプラスチックフィルムの温度低下に対して加熱用の空気の温度を上げる、▲2▼空気の風速を上げ熱伝達率を向上させる、▲3▼コーティングの塗布厚みを薄くする等の対策が採られてきた。
【0005】
しかし、▲1▼空気の温度を上げた場合には、プラスチックフィルムの塗剤非塗布部の熱結晶化が進むことにより延伸性の低下を招き、▲2▼空気の風速を上げた場合には、プラスチックフィルムのおどりや風による塗布むら、塗布欠点を招き、▲3▼コーティング厚みを薄くした場合には、塗布の均一性の低下による塗布斑、塗布欠点が生じたり、インク受理性等の所定の塗剤機能が発現できない、という問題が生じる。
【0006】
非塗布部の熱結晶化については特に問題となっており、公知の技術として特開昭60−264226号公報に示される方法などがあるが、生産性の面から考えると必ずしも得策ではない。また特開平10−24261号公報に示される乾燥空気を用いる方法は、更に高速度で塗布、製造する場合や、塗布厚みを厚くし高性能のインク受理層や、バリヤー性、隠蔽性等を形成する目的にはまだ不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、生産性を向上させるためにプラスチックフィルムの製造速度を上げようとしても、塗剤、特に水性塗剤の乾燥が追いつかないために延伸できない、もしくは乾燥が追いついても目標とする品質が得られない、更には、機能品質を向上する為に高塗布量を塗布する目的には乾燥が追いつかないといった問題が生じている。
【0008】
本発明者らはこのような実状に鑑み、水性塗剤の乾燥の速度向上法を検討した結果、プラスチックフィルムに塗布した水性塗剤の乾燥に近赤外線ヒーターと加熱空気の組合わせが有効で、これにより優れた生産性が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、水は近赤外線の波長帯を良く吸収するが、プラスチックフィルムは比較的近赤外線を吸収し難い特徴をもつこと、そしてフィルム幅方向に均一に近赤外線ヒーターを照射した場合、塗布部分は水の近赤外線の吸収により温度上昇し、乾燥が促進されるが、非塗布部のフィルムだけの部分は近赤外線の吸収が比較的少なく加熱され難く、非塗布部のフィルム温度上昇は抑えられることになることを見出した。加えて、塗剤の乾燥工程に引き続いて、テンター法により横方向もしくは縦、横方向に同時に延伸することにより、本発明の効果が顕著に発揮されること、つまり延伸を開始する時点で塗布部と非塗布部の温度差が大きいと、温度の高い部分から選択的に延伸が始まったり、熱結晶化により、延伸斑、厚薄斑、更に顕著な場合は延伸中に破断し、極めて好ましくない状態となるが、これを回避するには、塗布部と非塗布部の温度差が一定水準以下にすることが必要であり、前記近赤外線ヒーターによる加熱が極めて効果的となることを見出した。更に、乾燥には近赤外線ヒーターと加熱空気との併用が好ましいこと、これは塗膜が乾燥すると、塗膜の表面に蒸発した高湿度の空気が滞留し乾燥速度を低下させる為、加熱空気はこの高湿度蒸気を除去する効果をも発揮し、さらに加熱空気による塗膜及びフィルムが昇温し乾燥能力の向上に寄与できることを見出した。
【0010】
一方、従来の熱風及び乾燥空気で乾燥を行う場合は、塗布部は水蒸発により温度上昇が遅く、非塗布部が先に温度上昇をきたし前記の延伸斑を生じさせることに成りやすく、本発明の様に塗布部分を選択的に加熱する手段がなく、結果的に乾燥能力が不十分となる。
【0011】
従って、本発明の目的は、プラスチックフィルムに塗布した水性塗剤の乾燥速度を向上し、かつ優れた延伸性を奏することにより、生産性、品質に優れた延伸フィルムの製造方法、およびその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、本発明によれば、
1.走行するプラスチックフィルムの少なくとも片面に水性塗剤を塗布し、乾燥した後に、該フイルムの走行方向とほぼ直角の方向に延伸する又は該直角の方向と走行方向の両方向に同時に延伸する延伸フィルムの製造方法において、該乾燥を近赤外線放射ヒーターと加熱空気を用いて行うことを特徴とする延伸フィルムの製造方法、及び
2.走行するプラスチックフィルムに水性塗剤を塗布する塗布工程、塗布後の塗膜を乾燥する乾燥工程、そして乾燥後のフィルムを走行方向とほぼ直角の方向に延伸する又は該直角の方向と走行方向の両方向に同時に延伸する延伸工程を備えた延伸フィルムの製造装置において、該乾燥工程が近赤外線放射ヒーターによる乾燥手段と加熱空気による乾燥手段を備えていることを特徴とする延伸フィルムの製造装置
によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラスチックフィルムの製造装置は、走行するプラスチックフィルムの少なくとも片面に水性塗剤を塗布する手段を有するプラスチックフィルムの製造装置において、塗布工程と延伸工程の間に、近赤外線ヒーターによる加熱と加熱空気による加熱との併用により前記塗剤を乾燥する手段を有する乾燥工程を設けたことに特徴がある。そして、この延伸工程は、フィルムの走行方向とほぼ直角の方向に延伸する工程、又は該直角方向と走行方向とに同時に延伸する工程からなる。
【0014】
本発明における近赤外線放射ヒーターは、実質的にプラスチックフィルムの温度が加熱空気温度近くに到達しない前段に設置することが好ましい。加熱空気温度に昇温した以降も更に近赤外線ヒーターで加熱することは、フィルムが過昇温になり結晶化が生じたり、省エネルギー上無駄となる。近赤外線ヒーターの放射有効幅は、非塗布幅を含むフィルム全幅が好適である。生産塗布幅が一定であれば、塗布幅に限り照射してもよい。
【0015】
前記近赤外線放射ヒーターとしては、ヘレウス(Heraeus)社ツイン−チューブ(Twin-tube)、金反射膜付き中波長赤外線ラジエーター、金反射膜付き短波長赤外線ラジエーターが例示できる。これらのヒーターは、発熱エレメントの温度により、最大エネルギーの放射波長を1μmから4μm程度に調整できる。該発熱エレメントの温度としては、600〜2000℃の範囲内にあることが好ましい。
【0016】
また、加熱空気による乾燥においては、プラスチックフィルムの全巾にわたり実質的に巾方向に一定の温度の加熱空気を吹き付け、塗剤を乾燥させることが好ましい。
【0017】
本発明における加熱空気による乾燥は、加熱空気を乾燥オーブン内に循環系としてフィルムに送風し、そして循環風量の一部はオーブン外へ排気し、かつこの排気量に見合った量の、循環空気より低湿度の空気を供給する手段からなることが好ましい。この乾燥工程での加熱空気は、加熱エネルギーの低減からもオーブン内で循環使用するのが好ましいが、完全密閉系では湿度上昇があり、乾燥速度が低下する為、より低湿度の一定量の空気を取り入れ置換することが好ましい。この取り入れ空気は室温でもよく、また加熱されていても良い。取り入れ量が多い場合はオーブン内の温度調整の点から加熱されている方が好ましい。
【0018】
また、塗剤の乾燥工程においては、プラスチックフィルムの温度を測定し、測定結果に基づいて、フィルムの温度が設定範囲内となるように製造条件を制御することが好ましい。さらに、塗剤の乾燥終了時の、塗剤塗布部のプラスチックフィルムの温度と塗剤非塗布部のプラスチックフィルムの温度との差を0℃〜20℃の範囲に納めることが好ましい。
【0019】
本発明の方法およびその装置のより具体的な態様を例示すると、
本発明の方法および装置は、水性塗剤の塗布、塗剤の乾燥を行った後、プラスチックフィルムをその走行方向とほぼ直角の方向に延伸する、又は該走行方向とその直角方向に同時に延伸する延伸プラスチックフィルムの製造方法および製造装置における前記塗剤の乾燥工程において、塗剤の乾燥およびプラスチックフィルムを延伸可能温度に昇温するために近赤外線放射ヒーターと一定温度の加熱空気を用い、塗布した塗剤の乾燥を促進させる手段を有するものである。
【0020】
また、プラスチックフィルムの乾燥、昇温工程において、フィルム走行方向の所定の位置におけるプラスチックフィルムの温度が設定値を下回らないよう製造条件を制御するプラスチックフィルムの製造方法およびその装置である。
【0021】
本発明においてプラスチックとは、延伸することによって分子配向とともに結晶化が起こる熱可塑性プラスチックであり、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリビニルアルコール等またはこれらを主成分とする共重合物または混合物であり、延伸可能な範囲で有機物または無機物を含んでいてもよい。
【0022】
フィルムの結晶化挙動はX線回折法または示差熱分析法によって確認できる。これらプラスチックは、延伸によって分子が配向するとともに結晶化開始温度が低下し、延伸後熱履歴を受けると容易に結晶化が進むことで特徴づけられる。ここで結晶化開始温度とは、加熱により結晶化が始まる温度であり、プラスチックフィルムを室温から毎分160℃の一定速度で昇温させながら測定した示差熱分析曲線において最初に発現する発熱ピークの立ち上がり部の接線とベースラインとの交点が示す温度とする。
【0023】
本発明における近赤外線放射ヒーターによる乾燥は、発熱エレメントの温度調整で、最大エネルギーの放射波長を1μmから4μm程度に調整して行うのが好ましい。該発熱エレメントの温度としては、600〜2000℃の範囲内にあることが好ましい。
【0024】
前記近赤外線放射ヒーターによる乾燥は、加熱空気による乾燥の前段に行うのが好ましいが、フィルム温度が加熱空気温度に等しいか、それより低い温度にある範囲で行うのが好ましい。さらには、フィルム温度が加熱空気温度と、それより30℃低い、さらには20℃低い温度の範囲内に達する温度で行うのが好ましい。
【0025】
本発明におけるプラスチックフィルムに吹き付ける加熱空気の温度は、フィルムの全巾にわたり実質的に巾方向に一定の温度であることが好ましい。また、この温度は、プラスチックフィルムの熱結晶化を進めないために、塗剤の乾燥および延伸に影響を与えない範囲で可能な限り低いことが好ましく、例えばポリエステルフィルムでは、80℃〜120℃の範囲とすることが好ましい。この温度調整はオーブン内のヒーターによって行うことが出来る。
【0026】
この装置を用いてプラスチックフィルムを製造した場合においても、製造条件の変化によりフィルムの温度が低下することにより延伸性が低下し、該フィルムの破れを招くことがある。これを回避するため、プラスチックフィルムの走行方向の所定の位置において、フィルムの温度測定を行い、その結果を前記工程の制御に使用する。ここで、所定の位置としては、塗剤の乾燥工程の終了地点や延伸の開始地点などが挙げられ、また、これら以外にも塗剤の乾燥工程内におけるプラスチックフィルムの温度変化を見るため、該工程内に少なくとも1カ所以上の測定点を設けることが好ましい。また、ここでの制御とは、乾燥工程において空気の風速や空気の温度などをフィルムの製造条件に合うように、つまり予め定められた所定の設定範囲内に調整することを指す。このときのプラスチックフィルムの温度は、延伸性の良い範囲に管理することが好ましい。管理する温度範囲は、製造するプラスチックフィルムの種類によって異なるが、ポリエステルフィルムにおいては90〜110℃の範囲に管理することが好ましい。
【0027】
本発明に使用する塗剤はとくに限定するものではなく、ガス遮断性、ヒートシール性、印刷適性、蒸着適性、表面滑性等を改善するための高分子溶液または高分子分散液であり、例えばポリビニリデン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アミノアクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂およびこれら樹脂の混合組成物を用いることができる。
【0028】
塗剤には、乳化剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、粘度調整剤等の各種添加物を目的に応じて適宜添加することができる。
【0029】
本発明に使用する水性塗剤とは、水を主成分とする溶媒に所望の機能を付与する剤を溶解および/又は分散せたものを指し、各種添加物を目的に応じて適宜添加することができる。塗剤の固形分濃度は、0.5重量%以上、さらには1重量%以上とすのが好ましく、また20重量%以下、さらには15重量%以下とするのが好ましい。
【0030】
次に、本発明の一態様について、その作用とともに説明する。
例えば,未延伸プラスチックフィルムを、ダイから押し出された溶融シートを回転する冷却ドラム上において冷却固化して製膜し、次に縦延伸機においてフィルムの走行方向(縦方向)に延伸する。この際、延伸倍率の増大とともにプラスチックフィルムは配向結晶化が進み、結晶化開始温度が下がる。配向結晶化が進むと,後段の横方向(幅方向)の延伸性は低下する。
【0031】
縦方向の延伸に引き続いてプラスチックフィルムの少なくとも片面に水性塗剤を塗布(コーティング)し、横延伸機、例えばテンターへ送る。横延伸機において、塗剤を乾燥させるとともに、コーティングされたプラスチックフィルムを目標とする横延伸条件まで昇温する。この乾燥工程において、本発明では、近赤外線ラジエーターと加熱空気を用いてプラスチックフィルムを目標とする横延伸条件まで昇温する。これにより、塗剤の乾燥を促進させ、空気温度、風速等を大幅に変更すること無く、更に塗剤の塗布厚みを増加させても、従来よりも速い製造速度にてプラスチックフィルムを製造することが可能となる。
【0032】
コーティングの方法はとくに限定するものではなく、例えばグラビアロール法、リバースロール法、エアナイフコート法、メタリングバーコート法、ダイコート法またはこれらの組み合わせによる各種コーティング法を採用することができ、塗剤の特性と目標とする塗布厚みにより適宜選択できる。
【0033】
コーティングは、例えば、縦延伸したプラスチックフィルムの両側端部を残して行われる。これは全面にコーティングを行った場合、横延伸工程においてテンタークリップを汚したり、延伸切断を起こし易くなるためである。また、テンタークリップ把持部は勿論のこと、縦延伸プラスチックフィルムの両端部からは最終的に中央部と同じ性状のプラスチックフィルムが得難く、最終的に製品の対象とはならないため、その部分をトリミングして原料に戻す、いわゆるリサイクルのためにも製品対象外の部分までコーティングすることは得策ではない。
【0034】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
乾燥したポリエチレンテレフタレートを押出機にて290℃で溶融押出し、ダイからシート状に吐出された溶融シートを静電印加装置を用いて回転する冷却ドラム上に密着させ、冷却固化して未延伸シートを作成した。
【0036】
次に、該未延伸シートを、複数の周速の異なる加熱ローラ群からなる縦延伸機によりフィルムの走行方向(縦方向)に約4倍に延伸して一軸延伸フィルムとした後、インラインコータにおいてフィルムの下面にポリエステル系水エマルジョン溶液8重量%濃度の塗布液を巾方向に均一なスリットを有するダイコーターを用いて塗布し、平均塗布厚み10μmの塗膜を形成した。このコーティングされた一軸延伸フィルムを、横延伸機で、近赤外線ヒーターによる前段乾燥を行い、続いて乾燥ゾーン(空気温度が90℃のゾーンと120℃のゾーンからなる)にて95℃に昇温した後、延伸ゾーンで95℃から130℃に加熱昇温しながらフィルムの巾方向に3.6倍の延伸を行い、さらに熱固定処理を行って厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを製造した。その際、乾燥ゾーンの加熱空気の一部を外部に排出するとともに、排出量と同量の低湿度空気をオーブンの入り口からフィルムと共に随伴させて乾燥ゾーンに注気させた。
この例では、近赤外線ヒーターの乾燥促進手段を用いない従来の乾燥、昇温手段では横延伸機内でフィルムの破れが頻発するため製造速度の上限速度よりも30m/min速い速度でコーティングフィルムの製造が可能であった。
【0037】
[実施例2]
インラインコータにおいてフィルムの両面に塗剤を平均塗布厚み10μmの塗膜を形成する以外は、実施例1と同様に行った。この場合、両面塗布以外の条件は、実施例1と同じ条件である。
この例では、近赤外線ヒーターの乾燥促進手段を用いない従来の乾燥、昇温手段では横延伸機内でフィルムの破れが頻発し製造速度の上限と考えていた塗布量よりも約2倍の塗布量でのコーティングフィルムの製造が可能であった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、コーティング後の水性塗剤の乾燥工程において近赤外線ヒーターと加熱空気を用いることにより、従来の乾燥条件である空気の温度や空気の風速、コーティングの塗布厚み等を変更することなく、より高い生産性でプラスチックフィルムを製造することができ、また乾燥能力向上によって、塗剤の塗布むらや塗布欠点を発生させることなく生産することが可能となり、かつ高機能をもたらす塗布膜を厚くすることが出来、高品質化に寄与できる。

Claims (7)

  1. 走行するプラスチックフィルムの少なくとも片面に水性塗剤を該フィルムの両側端部を残して塗布した状態で乾燥した後に、該フイルムの走行方向とほぼ直角の方向に延伸する又は該直角の方向と走行方向の両方向に同時に延伸する延伸フィルムを製造するに際して、前記乾燥を近赤外線放射ヒーターと加熱空気を用いて行うことを特徴とする延伸フィルムの製造方法。
  2. 近赤外線放射ヒーターによる加熱乾燥を加熱空気による加熱乾燥より前に行う請求項1に記載の延伸フィルムの製造方法。
  3. 該近赤外線放射ヒーターによる加熱乾燥を、フィルムの温度が前記加熱空気の温度以下にある間に行う請求項2に記載の延伸フィルムの製造方法。
  4. 加熱空気による加熱乾燥を、加熱空気を乾燥オーブン内で循環させてフィルムに送風し、そして循環風量の一部を該オーブン外へ排気し、かつ該オーブンに排気量に見合った量の、循環空気より低湿度の空気を供給することで行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の延伸フィルムの製造方法。
  5. 走行するプラスチックフィルムに水性塗剤を塗布する塗布工程、塗布後の塗膜を乾燥する乾燥工程、そして乾燥後のフィルムを走行方向とほぼ直角の方向に延伸する又は該直角の方向と走行方向の両方向に同時に延伸する延伸工程を備えた延伸フィルムの製造装置において、該乾燥工程が近赤外線放射ヒーターによる乾燥手段と加熱空気による乾燥手段を備えていることを特徴とする延伸フィルムの製造装置。
  6. 近赤外線放射ヒーターによる乾燥手段を加熱空気による乾燥手段より前段に設け、該ヒータによる乾燥をフィルムの温度が加熱空気の温度以下にある間に行う請求項5に記載の延伸フィルムの製造装置。
  7. 加熱空気による乾燥手段が、加熱空気を乾燥オーブン内に循環系としてフィルムに送風し、そして循環風量の一部はオーブン外へ排気し、かつこの排気量に見合った量の、循環空気より低湿度の空気を供給する手段からなる請求項5または6に記載の延伸フィルムの製造装置。
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