JP3948322B2 - 監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視カメラシステムに関する。本発明はまた、監視カメラシステムの制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、監視カメラの機能として、特定の色を発見したり追尾する機能が望まれている。このような機能は、例えば、赤い服を着た幼児が危険な場所に入ることを検出したり、学校や保育園に設けた監視カメラで子供の服の色を追尾することにより、親が子供の行動を家庭や会社でモニタできる点で有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特定の色の検出や追尾のためには、対象となる色を予め記憶する必要がある。色の指定にはサンプル色から選択する方法があるが、実際の色と一致するサンプル色を選択するのは一般に困難である。
【0004】
そこで、本発明は、色情報など監視対象に関する情報を簡便に指定できる監視カメラシステムを提供することを目的とする。
【0005】
本発明はまた、色情報など監視対象に関する情報を簡便に指定できる監視カメラシステムの制御プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る監視カメラシステムの第1の形態は、
カメラと、
カメラで撮影した動画像を表示する手段と、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように上記カメラの姿勢制御を行う手段と、
上記カメラ姿勢制御手段により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大する手段と、
上記拡大手段に拡大させた動画像を静止画像に切り替える手段と、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶する手段と、
カメラで撮影した画像と、上記記憶手段により記憶された上記監視対象に関する情報とを比較することにより、カメラで撮影した画像上で監視対象を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
かかるシステムでは、静止画状態で監視対象に関する情報の指定ができるので、ユーザは容易に指定を行うことができる。なお、検出手段により監視対象を検出するために用いる撮影画像は、動画に限らず静止画でもよい。
【0008】
監視対象に関する情報として色情報が最も好適であるが、監視対象に関する情報の種類は本発明を限定するものではない。例えば、人の顔の指定をすることも可能である。
【0009】
本発明に係る監視カメラシステムの第2の形態は、
複数のカメラと、
少なくとも一つのカメラで撮影した動画像を表示する手段と、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように、表示された動画像を撮影するカメラの姿勢制御を行う手段と、
上記カメラ姿勢制御手段により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大する手段と、
上記拡大手段に拡大させた動画像を静止画像に切り替える手段と、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶する手段と、
複数のカメラで撮影した画像と、上記記憶手段により記憶された上記監視対象に関する情報とを比較することにより、複数のカメラで撮影した画像上で監視対象を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
かかるシステムでは、一つのカメラで撮影した静止画上で指定した監視対象に関する情報(例えば色情報)を利用して、他のカメラで撮影した画像上でも監視対象を検出できる。
【0011】
本発明に係る制御プログラムの第1の態様は、
カメラと、該カメラで撮影した動画像を表示する手段とを備えた監視カメラシステムの制御プログラムにおいて、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るようにカメラの姿勢制御を行い、
上記のカメラの姿勢への制御により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大し、
拡大された動画像を静止画像に切り替え、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶し、
カメラで撮影した画像と上記監視対象に関する情報とを比較することにより、カメラで撮影した画像上で監視対象を検出することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る制御プログラムの第2の態様は、
複数のカメラと、少なくとも一つのカメラで撮影した動画像を表示する手段とを備えた監視カメラシステムの制御プログラムにおいて、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように、表示された動画像を撮影するカメラの姿勢制御を行い、
上記のカメラの姿勢への制御により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大し、
拡大された動画像を静止画像に切り替え、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶し、
複数のカメラで撮影した画像と上記監視対象に関する情報とを比較することにより、複数のカメラで撮影した画像上で監視対象を検出することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明に係る監視カメラシステムは、少なくとも一つのカメラとカメラで撮影した映像を表示する表示部とを備え、監視中に表示部に動画表示を行い、監視対象色を設定する際に動画を静止画に切替え、ユーザが静止画上で色指定を行うためのものである。図1は、このような機能を実現するための本発明に係る監視カメラシステムの一実施形態を示す概略図である。図2は、図1の監視カメラシステムの制御ブロック図である。
【0015】
具体的に、監視カメラシステム2は、概略、一つ又はそれ以上(図の例では4つ)の監視エリアE1〜E4を監視するための一つ又はそれ以上(図の例では4つ)の監視カメラ装置4(4A、4B、4C、4D)(以下、単にカメラと称する。)と、複数のカメラ4による監視・追尾、検出色の設定などの処理を行うプログラムを搭載した制御部6と、各監視エリアE1〜E4内にそれぞれ設けられたセンサS1〜S4と、4つのカメラ4の監視映像を同時に表示することのできるディスプレイ8と、制御部6に対しユーザが適当な指示を入力するための入力装置9とを備える。各カメラ4は、後述するように、制御部6からの指示により、監視エリアE1〜E4を巡回する通常監視動作、特定の監視エリアで異常を検出した場合にそのエリアを集中的に監視する集中監視動作、及び対象物の追尾を行う追尾動作のいずれかを行う。
【0016】
制御部6は、各カメラ4の視野制御を行う指示部10と、カメラ4から送信された画像を処理する画像処理部12と、各カメラ4に関連する各種情報を管理するための複数カメラ状態管理部14と、センサS1〜S4に対応づけられた監視エリアE1〜E4の情報(例えば、センサS3は監視エリアE3内にあるという情報)を記憶するセンサ・監視エリア情報記憶部16と、巡回時間、追尾実行時間、走査時間(これらは後述する。)などユーザが入力装置9を介して設定した各種時間を記憶する設定時間記憶部18とを含む。カメラ4から画像処理部12に画像データが送られると、画像記憶部19に記憶される。画像記憶部19内のデータに基づいて画像処理部12からディスプレイ8に動画像データあるいは静止画像データが送信されるようになっている。
【0017】
ディスプレイ8は、図3(a)に示すように、システム起動時に、システム2に監視を行わせる監視モードと各種設定を行うための設定モードのいずれかをユーザが選択できるよう選択メニュー画面が表示される。設定モードとして、図3(b)に示すように、監視エリアとしてユーザが任意のエリアを選択し、この監視エリアを画角が捉えるようカメラの視野を設定するための「監視エリアの設定]メニュー、各カメラをどのような順序で巡回させるかを設定するための「巡回順の設定」メニュー、各監視エリアでの巡回時間を設定する「巡回時間の設定」メニュー、及び監視エリアの異常を検出するのに色検出を用いる場合に検出色を設定するための「検出色の設定」メニューが用意されている。監視エリア、巡回順、及び巡回時間の設定に関しては、本出願人により本願と同日に出願された「監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御プログラム」で詳細に説明されており、本願では説明しない。
【0018】
監視モードにおいて、ディスプレイ8上で4分割されたブロックに表示させる画像の巡回による切替えは、図4(a)に示すように各カメラに割り当てる表示ブロックを固定して行ってもよいし(例えばカメラ4Aで撮影される映像は常に左上のブロックに表示する。)、あるいは、図4(b)に示すように各監視エリアに割り当てる表示ブロックを固定して行ってもよい(例えば監視エリアE1を撮影する映像は常に左上のブロックに表示する。)。なお、図4に示す巡回方法は、各カメラが同じ監視エリアを監視しないよう同期巡回させる場合であるが、各カメラが監視エリアを各々独立して巡回させるようにしてもよい。
【0019】
複数カメラ状態管理部14で管理される情報には、図5に示すように、カメラ4毎に、システム内でのカメラ4の設置位置の座標、各監視エリアEi(i=1〜4)に関する下記の情報、カメラ4の現在の視野、ユーザが入力装置9を介して当該カメラ4の選択指示があった場合に選択情報を示すユーザ選択情報などが含まれる。監視エリアEiの情報には、該エリアEiを画角に捉えるためのカメラ4の視野情報、監視エリアEiを監視するための方法、監視エリアEiの巡回順を示す番号「n」(n=1〜4)(例えば、カメラ4Aは、一巡回当たり監視エリアE3を「2」番目に監視する。)が含まれる。監視エリアEiを画角に捉えるための各カメラ4の視野情報は、設定モードにおいて設定される。監視方法は、ユーザが「色検出の設定」メニューで検出色を設定しない限り、動体検出が選択されるようになっている。
【0020】
各カメラ4は、追尾機能及びズーム機能を有するパン・チルトカメラであり、図6に示すように、指示部10からの指示によりパン・チルト角及び撮影倍率を変更するアクチュエータ20と、カメラ4で撮影した画像上で異常を検出する画像異常検出部22と、カメラに関連する各種情報を管理するためのカメラ状態管理部24とを備える。本願では、カメラの視野制御には、必要に応じて撮影倍率を変更するための制御も含む。各カメラ4には、ある監視エリアE1〜E4のセンサS1〜S4からの信号を受信するための入力端子(図示せず)が設けてある。センサの検出信号は、カメラの上記入力端子を介してカメラ状態管理部24に送信されるようにしてある。なお、センサの検出信号は指示部10に直接送信されるようにしてもよい。図1の例では、センサS1〜S4からの信号は、それぞれカメラ4A〜4Dに送信される。
【0021】
画像異常検出部22は、画像フレームの差分に基づいて画像上の移動物体を検出する動体検出部26と、設定モードで設定された色を画像上で検出する色検出部28と、カメラ4のレンズが何らかで覆われたことを検出するレンズ覆い検出部30とを有する。
【0022】
各カメラ4のカメラ状態管理部24で管理される情報には、画像異常検出部22で異常を検出したか否かを示す「画像異常検出情報」、該カメラ4に検出信号を送信するセンサSで異常を検出したか否かを示す「センサ異常検出情報」、カメラ4が追尾を行っているか否かを示す「追尾実行情報」などが含まれる。これらの情報は、後述するように指示部10により適宜参照される。
【0023】
センサは監視エリア以外にも設置してもよい。すなわち、カメラ4の通常の巡回では映さないエリアにもセンサ(図の例ではエリアE5、E6内にS5、S6の2つ)(以下、監視エリア外センサという。)を設け、このセンサで異常を検出した場合に、カメラ4が異常を検出したエリアを集中的に撮影するようにする。監視エリア外センサに対応して、制御部6には、該センサで異常を検出したか否かを示す「エリア外センサ異常検出情報」を管理するセンサ状態管理部32が設けられる。
【0024】
入力装置9には、検出色の決定を行うカメラを選択する選択キー、動画像を静止画像に切替える切替キー、指定した候補色を検出色として決定したり決定を解除するための決定・解除キー、ディスプレイ8上でカーソルを移動させるマウスなどが含まれる。検出色の設定時、画像処理部12は、選択キーによりいずれかのカメラが選択されると、選択されたカメラの動画像のみをディスプレイ8上に拡大して表示するようにしてある。続いて切替キーを押すと、画像処理部12は、動画像を静止画像に切替えるようになっている。さらに静止画像の任意の点をカーソルで指定して、マウスをクリックすると、指定点の色が、指定点の色の近似色と合わせて、指定色として点滅表示されるようになっている。さらに決定キーによる操作により、指定色が、ディスプレイ制御部6の検出色記憶部34に検出色として記憶されるようになっている。画像記憶部19に記憶された動画像データ及び静止画像データは、例えばYUV形式の色データを0〜255の256段階(8ビット)で表わしたデジタルデータである。画像処理部12は、カーソルで指定した点の周辺画素(例えば10画素)の色データを抽出し、近似色のデータと合わせて、検出色データとして検出色記憶部34に記憶させるようになっている。例えば、カーソルで指定した色のデータがY:150、U:70、V:80の場合、画像処理部12は、例えば近似幅30として、上限及び下限すなわちY:(135、165)、U:(55、85)、V:(65、95)を検出色記憶部34に記憶させる。なお、色の表記形式として他の形式、例えばRGB形式を用いた場合も同様である。
【0025】
後述するように、入力装置9の選択キーは、監視モードにおいて、ディスプレイ8に表示される映像に基づいて集中監視エリアを指示部10に指示するためにも用いられる。このとき、指示部10は、特定のカメラに映し出されていた監視エリアに対し、複数のカメラで集中監視させるようカメラの視野を制御する。入力装置9にはさらに、監視モードにおいて監視、追尾動作を強制的に終了させる強制終了キーも含まれる。
【0026】
次に、検出色の設定を行うための処理の一例を示すフローチャートである図7、8、及び、検出色の設定時にディスプレイ8上に表示される画面を示す図9を参照して、検出色の設定方法を説明する。以下では、子供の服の色を検出色として設定するものとして説明する。まず、ステップS1で、設定メニューから「検出色の設定」を選択する。ステップS2で、ユーザは入力装置9を介して検出色を設定するカメラ(4A〜4Dのいずれか)を選択し、選択したカメラが撮影する動画像をディスプレイ8に表示させる。ステップS3で、ユーザは、入力装置9を介して目的の色対象である子供の服を捉えるよう選択カメラの視野制御を行う。
【0027】
ステップS4で、ユーザが表示画面上の任意の点をカーソルCで指定した場合[図9(a)]、ステップS5で、指示部10は、この指定点が画角の中心にくるように選択カメラの姿勢制御を行う[図9(b)]。色対象を表示画面の略中央に移動させるのは、ステップS6でズームアップをしても色対象が表示画面から外れないようにするためである。
【0028】
ステップS6で、指示部10は、撮影倍率を変更して指定点を中心として画像を拡大させ、画像処理部12は、動画表示を停止してディスプレイ8に静止画を表示させる[図9(c)]。このように静止画面を表示させることで、ユーザは検出色の指定を容易に行うことができる。また、画面を拡大させることで、ユーザが検出色の指定をさらに容易に行うことができる。ステップS7で、ユーザが静止画面上で子供の服の一部をカーソルCで指定した場合、フローは図8のステップS8に進む。ステップS8、S9で、画像処理部12は、指定点の周辺画素の色と指定点の周辺画素の色の近似色を合わせて指定色として、指定色のデータを検出色記憶部34に一時的に記憶させる。このように、カーソルで指定した色に幅を持たせることで、子供の服が均一な色を有していなくても服の一部だけでなく子供の服全体を色対象として設定することが可能となる。
【0029】
ステップS10で、画像処理部12は、指定点周辺の指定色を点滅表示させる。ステップS11で、ユーザが入力装置9を介して点滅表示された指定色を検出色として決定指示を行った場合、ステップS12に進み、検出色記憶部34に一時的に記憶させておいた指定色のデータは、検出色のデータとして記憶される。この検出色のデータは、システム2が監視や追尾を行う際に指示部10により参照される。
【0030】
画像処理部12は、ステップS13で、ステップS6で変更した撮影倍率を元に戻し、ステップS14で静止画像から動画像に切替え、検出色の設定フローが終了する。
【0031】
ステップS7でユーザが静止画面上で一定時間で指定を行わない場合(ステップS15)、ステップS13に進み、撮影倍率の初期化及び動画への切替えが行われる。
【0032】
ステップS11で、ユーザが入力装置9を介して点滅表示された指定色を解除する場合、ステップS7に戻り、静止画面上での色指定待機状態に戻る。
【0033】
上記検出色の設定方法では、検出色を有する色対象のほか、背景に含まれる同一色の物体も監視対象になりうるが、色検出とともに動体検出を行うようにすれば、検出色を有する移動物体のみを監視できる。
【0034】
図10、11は、図7、8に示す検出色の設定方法の変形例を示すフローチャートである。図7のステップS6では、指示部10が撮影倍率を変更して指定点を中心として画像を拡大させ後で、画像処理部12が動画表示を停止してディスプレイ8に静止画を表示させたが、図10のステップS6’では、画像処理部12は、動画像から静止画像に切り替えた後で、指定点を中心として静止画像データを切出し、拡大する。この場合、図8のステップS13に対応して指示部10はカメラの撮影倍率を変更する必要はなく、図11に示すように、ステップS12で検出色記憶部34に検出色を記憶した後、ステップS14に進み静止画像から動画に切替わる。
【0035】
図12〜図17は、本実施形態に係る監視カメラシステムにより監視を行うための処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、複数の監視エリアのいずれかで異常を検出した場合に、複数のカメラの視野を制御して、同じ監視エリアを複数のカメラで多方向から監視するためのものである。図1、2、5、6も参照して、まず、ステップS1201でシステムを起動してディスプレイ8に選択メニューを表示させる。ステップS1202でディスプレイ8に表示した選択メニューから監視モードを選択し、ディスプレイ8に監視映像を表示させる。
【0036】
指示部10は、ステップS1203で、視野制御を行うカメラN(=4A、4B、4C、4D)を選択し、ステップS1204で、カメラNに関して複数カメラ状態管理部14で管理された各監視エリアの「巡回順番号」及び「カメラの視野情報」を参照し、これらの情報に従いカメラNのアクチュエータ20を制御し、これによりカメラNの視野に最初に巡回すべき監視エリアが入るようにする。ステップS1205で、指示部10は、カメラNに関して複数カメラ状態管理部14で管理された各監視エリア情報の「監視方法(動体検出又は色検出)の情報」を参照し、この情報に従いカメラNに監視方法を指示する。カメラN以外のカメラの視野・監視方法の指示が終了するまで、ステップS1203〜S1205が繰り返される(ステップS1206)。全カメラの視野・監視方法の指示が終了する(すなわち、各カメラが最初に巡回すべき監視エリアの撮影を開始する。)と、フローはステップS1207に進む。
【0037】
ステップS1207で現在の巡回位置での巡回時間が終了する前に、ユーザが入力装置9を介して監視停止指令を行うと(ステップS1208)、ディスプレイ8は初期画面である選択メニューを表示する(ステップS1209)。
【0038】
ステップS1207で現在の巡回位置での巡回時間が終了した場合、ステップS1203に戻り次に巡回すべき監視エリアを監視するよう各カメラの視野を制御する(ステップS1203〜S1206)。
【0039】
ステップS1207で現在の巡回位置での巡回時間が終了する前に、指示部10がユーザから監視停止指令を受けていない場合、ステップS1210に進む。ステップS1210では、現在の巡回位置での巡回中、各カメラ4のカメラ状態管理部24の「画像・センサ異常検出情報」の確認を行う。
【0040】
詳しくは、図13のサブルーチンを参照して、まずステップS1301で、指示部10は、各カメラ4のカメラ状態管理部24の「画像異常検出情報」を順次参照する。ステップS1302で、あるカメラ4が異常を検出したことを確認した場合、フローはステップS1303に進む。ステップS1302に関して、各カメラの監視フローは図13を用いて後述する。ステップS1303で、異常が検出されたカメラが現在監視しているエリアを「集中監視エリア」として設定するとともに、このカメラを「基準カメラ」として設定し、異常検出情報の確認のフローを終了する。
【0041】
ステップS1302で異常が検出されない場合、フローはステップS1304に進む。ステップS1304で、指示部10は、各カメラ4内のカメラ状態管理部24の「(エリア内)センサ異常検出情報」を順次参照するとともに、センサ状態管理部32の「エリア外センサ異常検出情報」を参照する。
【0042】
ステップS1305で異常が検出されると、フローはステップS1306に進む。ステップS1306で、指示部10は、センサ・監視エリア情報記憶部16に記憶された監視エリアの情報を参照して、検出されたセンサが配置された監視エリアを「集中監視エリア」として設定し、異常検出情報の確認のフローを終了する。
【0043】
ステップS1305で異常が検出されない場合、フローはステップS1307に進む。ステップS1307で、指示部10は、複数カメラ状態管理部14で管理される各カメラ4の「ユーザ選択情報」を参照する。
【0044】
ステップS1308でユーザによるカメラ4の選択を検出した場合、フローはステップS1309に進む。ステップS1309で、指示部10は、ユーザが選択したカメラが現在監視しているエリアを「集中監視エリア」として設定するとともに、このカメラを「基準カメラ」として設定し、異常検出情報の確認のフローを終了する。
【0045】
ステップS1308でユーザによるカメラ4の選択を検出しない場合、異常検出情報の確認のフローを終了する。
【0046】
図14は、各カメラの監視フローを示す。まず、ステップS1401で、各カメラ4は、指示部10から監視方法及び監視エリアへの視野制御の指令を受け、アクチュエータ20はカメラ視野を監視エリアに向け、画像異常検出部22は監視を開始する。ステップS1402で、あるカメラ4の画像異常検出部22が画像上の異常を検出した場合、ステップS1403に進み、当該カメラ4のカメラ状態管理部24の「画像異常検出情報」に異常が存在することを記録し、監視フローを終了する。上述したように、各カメラ4の「画像異常検出情報」は画像上の異常の発見を目的として指示部10が適宜参照するためのものである。ステップS1402で、画像異常検出部22が画像上の異常を検出しない場合、フローはステップS1404に進む。ステップS1404で、各カメラ4が、対応する監視エリアのセンサから信号を受信した場合(例えば、カメラ4Bが監視エリアE2のセンサS2から信号を受信した場合)、ステップS1403に進み、当該カメラ4のカメラ状態管理部24の「センサ異常検出情報」に異常が存在することを記録し、監視フローを終了する。上述したように、各カメラ4の「センサ異常検出情報」はセンサによる異常の発見を目的として指示部10が適宜参照するためのものである。なお、ステップS1404で、各カメラ4が、対応する監視エリアのセンサから信号を受信しない場合、ステップS1402に戻り、画像異常検出部22による画像上の異常検出が行われる。
【0047】
図12に戻って、ステップS1211では、ステップS1210で集中監視エリアの設定がされない場合、ステップS1203に戻り次に巡回すべき監視エリアを監視するよう各カメラの視野を制御する(ステップS1203〜S1206)。
【0048】
ステップS1211で、ステップS1210で集中監視エリアの設定がされた場合、ステップS1212に進み集中監視制御フローを開始する。
【0049】
図14のサブルーチンを参照して集中監視制御フローを説明する。以下の説明では、監視エリアE4が「集中監視エリア」として設定されたとする。
【0050】
まず、ステップS1501で、設定された集中監視エリアE4への視野制御を行うカメラNを選択する。カメラNは、図12の異常検出情報の確認のフローで「基準カメラ」が設定された場合(すなわち、カメラ4で得た画像上の異常を検出した場合、あるいはユーザがディスプレイ8を見て集中監視エリアを指示した場合)、基準カメラを除く3つのカメラのいずれかであり、「基準カメラ」が設定されない場合(すなわち、センサが異常を検出した場合)、4つのカメラのいずれかである(但し、センサが異常を検出した監視エリアをいずれかのカメラが監視していた場合は、このカメラを除く。)。
【0051】
ステップS1502で、指示部10は、複数カメラ状態管理部14に管理される情報を参照し、カメラNを集中監視エリアE4に向かせる視野情報にしたがって、集中監視エリアへの視野制御をカメラNのアクチュエータ20に指示する。ステップS1501、S1502を残りのカメラについても行い、全てのカメラ4に集中監視エリアE4を監視させ(ステップS1503)(図18に示すように、ディスプレイ8に表示させる映像は、全て監視エリアE4に切り替わる。)、集中監視制御フローを終了する。
【0052】
図12に戻って、集中監視制御フロー終了後、複数カメラ4による追尾フローを開始する(ステップS1213)。
【0053】
図16のサブルーチンを参照して追尾フローを説明する。ステップS1601で、集中監視エリアE4の設定が基準カメラで得た画像の色検出に基づく場合、ステップS1602に進み、追尾時の対象検出方法を色検出に設定する(すなわち、残りのカメラの異常検出方法を色検出に設定する。)。ステップS1601で、集中監視エリアE4の設定が基準カメラで得た画像の色検出以外に基づく場合(すなわち、基準カメラで得た画像の動体検出に基づく場合、監視エリアE4のセンサS4の異常検出に基づく場合、及びユーザが集中監視エリアを指示した場合)、ステップS1603に進み、追尾時の対象検出方法を動体検出に設定する(すなわち、全てのカメラの異常検出方法を動体検出に設定する。)。
【0054】
ステップS1604で、指示部10は、ステップS1602又はS1603で設定した追尾方法での追尾の開始を各カメラ4に指示する。ステップS1605でユーザが入力装置9を介して追尾停止を指示しない限り、ステップS1606に進み、指示部10は、各カメラのカメラ状態管理部24の「追尾実行情報」を参照し、各カメラが現在追尾を行っているか否かを確認する。ステップS1607で一台でも追尾中のカメラがある場合は追尾を続行し、全てのカメラが追尾を停止した場合、追尾フローを終了する。なお、その後は、図12に示すようにステップS1203に戻って、システムは複数カメラによる巡回監視を再開する。ステップS1605でユーザが追尾終了を指示した場合も、システムは追尾動作を終了し、複数カメラによる巡回監視を再開する。
【0055】
図17は、各カメラ4の追尾フローを示す。ステップS1701で、各カメラ4は、指示部10から追尾方法の指令を受け追尾を開始する。ステップS1702で、各カメラ4のカメラ情報管理部24の「追尾実行情報」に追尾開始を記録する。ステップS1703で、追尾対象を見失う(すなわち画角外に追尾対象が移動した場合)まで、あるいは設定時間記憶部18に記憶された追尾実行時間を過ぎるまで、追尾を行う。ステップS1704で追尾を停止し、ステップS1705で各カメラ4のカメラ情報管理部24の「追尾実行情報」に追尾停止を記録し、各カメラでの追尾フローを終了する。
【0056】
以上、本発明に係る具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれらに限らず、種々改変可能である。例えば、カメラ4内に搭載された画像異常検出部22及びカメラ状態管理部24は制御部6側に設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、選択メニューとして監視モードと設定モードが分けて用意されていたが、監視モード中にユーザによる検出色の設定指令を受け付け強制的に色監視を行うことができるようにしてもよい。
【0058】
図19は、巡回監視中に検出色を設定し、この検出色で監視、追尾を行うための処理の一例を示すフローチャートである。図2も参照して、ステップS1901でシステム2が巡回監視を行っている状態(図12のステップS1203〜S1211)で、ステップS1902でユーザが検出色設定指示を指示部10に行った場合、フローはステップS1903に進む。ステップS1903で検出色の設定を行う。検出色の設定は、例えば図8、9を用いて説明したのと同様の方法で行われ、検出色の情報は検出色記憶部34に記録される。
【0059】
ステップS1904で、指示部10は、各カメラ4の監視方法を色検出に設定する。ステップS1905で、各カメラは、検出色記憶部34に記録された検出色情報に基づいて、検出色を有する対象物(例えば子供)が画角に入れば追尾を開始し、画角から出れば追尾を停止する。
【0060】
ステップS1906で、ステップS1903で設定した検出色による監視をユーザが強制的に終了させた場合、ステップS1907で、各カメラの視野はステップS1902で検出色設定指示を受ける前の巡回監視時の状態に戻るとともに、ステップS1908で各カメラの監視方法は巡回監視時の状態に戻る。なお、本フローでは、ステップ1906でユーザが検出色監視の強制終了を行う場合に限ってシステムは巡回監視の状態に戻るが、検出色監視の開始(ステップS1903の検出色設定後)から一定時間経過後に巡回監視時の状態に戻るようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、静止画状態で監視対象に関する情報(例えば色情報)の指定ができ、したがってユーザにとって使い勝手のよい監視カメラシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る監視カメラシステムの一実施形態を示す概略図。
【図2】 図1の監視カメラシステムの制御ブロック図。
【図3】 (a)システム起動時の表示画面を示す図。(b)設定メニュー画面を示す図。
【図4】 (a)各カメラに割り当てる表示ブロックを固定して切替えを行う場合の表示画面を示す図。(b)各監視エリアに割り当てる表示ブロックを固定して切替えを行う場合の表示画面を示す図。
【図5】 図2の複数カメラ状態管理部に管理される情報を示す図。
【図6】 各カメラの構成を示す図。
【図7】 検出色の設定プロセスの第1の部分を示すフローチャート。
【図8】 検出色の設定プロセスの第2の部分を示すフローチャート。
【図9】 検出色の設定プロセスでの表示画面を示す図。
【図10】 検出色の設定プロセスの別の例の第1の部分を示すフローチャート。
【図11】 検出色の設定プロセスの別の例の第2の部分を示すフローチャート。
【図12】 図1の監視カメラシステムを用いた監視・追尾プロセス全体を示すフローチャート。
【図13】 図12のステップS1210の異常検出情報確認のサブルーチンを示すフローチャート。
【図14】 各カメラの監視動作を示すフローチャート。
【図15】 図12のステップS1212の集中監視制御のサブルーチンを示すフローチャート。
【図16】 図12のステップS1213の追尾動作のサブルーチンを示すフローチャート。
【図17】 各カメラの追尾動作を示すフローチャート。
【図18】 集中監視制御フローにおいて、表示画面の切替えの様子を示す図。
【図19】 巡回監視中に強制的に検出色監視を行わせるための処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
2:監視カメラシステム、4A〜4D:カメラ、E1〜E4:監視エリア、S1〜S4:センサ。
Claims (5)
- カメラと、
カメラで撮影した動画像を表示する手段と、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように上記カメラの姿勢制御を行う手段と、
上記カメラ姿勢制御手段により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大する手段と、
上記拡大手段に拡大させた動画像を静止画像に切り替える手段と、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶する手段と、
カメラで撮影した画像と、上記記憶手段により記憶された上記監視対象に関する情報とを比較することにより、カメラで撮影した画像上で監視対象を検出する検出手段とを備えた監視カメラシステム。 - 上記監視対象に関する情報が色情報であることを特徴とする請求項1のシステム。
- 複数のカメラと、
少なくとも一つのカメラで撮影した動画像を表示する手段と、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように、表示された動画像を撮影するカメラの姿勢制御を行う手段と、
上記カメラ姿勢制御手段により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大する手段と、
上記拡大手段に拡大させた動画像を静止画像に切り替える手段と、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶する手段と、
複数のカメラで撮影した画像と、上記記憶手段により記憶された上記監視対象に関する情報とを比較することにより、複数のカメラで撮影した画像上で監視対象を検出する検出手段とを備えた監視カメラシステム。 - カメラと、該カメラで撮影した動画像を表示する手段とを備えた監視カメラシステムの制御プログラムにおいて、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るようにカメラの姿勢制御を行い、
上記のカメラの姿勢への制御により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大し、
拡大された動画像を静止画像に切り替え、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶し、
カメラで撮影した画像と上記監視対象に関する情報とを比較することにより、カメラで撮影した画像上で監視対象を検出することを特徴とする制御プログラム。 - 複数のカメラと、少なくとも一つのカメラで撮影した動画像を表示する手段とを備えた監視カメラシステムの制御プログラムにおいて、
上記表示手段に表示させた動画像のうちの、ユーザの第1の指定により指定された指定点が、画角の中央に来るように、表示された動画像を撮影するカメラの姿勢制御を行い、
上記のカメラの姿勢への制御により画角の中央に来た指定点を中心として動画像を拡大し、
拡大された動画像を静止画像に切り替え、
上記静止画上でユーザの第2の指定により指示された監視対象に関する情報を記憶し、
複数のカメラで撮影した画像と上記監視対象に関する情報とを比較することにより、複数のカメラで撮影した画像上で監視対象を検出することを特徴とする制御プログラム。
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