JP3947956B2 - モノクロ画像データ生成装置、モノクロ画像データ生成方法およびモノクロ画像データ生成プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノクロ画像データ生成装置、モノクロ画像データ生成方法およびモノクロ画像データ生成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータにて扱う画像は通常ドットマトリクス状の画素からなる画像データにて構成されており、カラーの場合はR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色成分の階調値を特定するなどして画像データを構成する。デジタルカメラやコンピュータ上のアプリケーション等においては利用者の様々なニーズに応じた画像処理が可能であり、その機能の一つとしてカラー画像をモノクロ化することが行われている。カラー画像データからモノクロ画像データを生成するためには、従来から各色成分に所定の重み係数を乗じて輝度成分を算出し、当該輝度成分の階調値データをモノクロ画像データとするようなことが行われている。この場合、上記RGBの各色成分の視覚感度を考慮して輝度Yの階調値をRGB階調値に基づいてY=0.3R+0.59G+0.11Bとして算出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、以下の問題があった。
すなわち、カラー画像データからモノクロ画像データを生成する際に各色成分の視覚感度を考慮しているものの、画像の特徴を全く考慮していないので個々の画像で最適な変換処理ができていなかった。例えば、各色成分において鮮鋭性が非常に異なり、鮮鋭性が大きくまた画像に細かな変化がある色成分がB成分であった場合、上式においてはB成分の寄与が小さいことから元のカラー画像での鮮鋭性や画像の微細な変化がモノクロ画像データにほとんど反映されなくなってしまう。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、元画像の階調値変動を反映させつつモノクロ画像データを生成可能なモノクロ画像データ生成装置、モノクロ画像データ生成方法およびモノクロ画像データ生成プログラムの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ドットマトリクス状の画素の色成分からなるカラー画像データを入力するカラー画像データ入力手段と、各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出するにあたり、上記入力したカラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較して鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えて重み係数を算出する重み係数算出手段と、上記入力したカラー画像データの各色成分のそれぞれに上記算出した重み係数を乗じて輝度成分からなるモノクロ画像データを生成する輝度成分算出手段とを具備する構成としてある。
【0005】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、カラー画像データ入力手段によってドットマトリクス状の画素の色成分からなるカラー画像データを入力し、重み係数算出手段で各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出する。そして、輝度成分算出手段にてカラー画像データの各色成分のそれぞれに上記算出した重み係数を乗じて輝度成分からなるモノクロ画像データを生成する。上記重み係数算出手段では、上記入力したカラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較して鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えることによって重み係数を算出する。
【0006】
すなわち、色成分毎の鮮鋭性が相対的に大きな色成分が相対的に大きく変更されながら重み係数が決定されるので、元画像の色成分毎の情報を的確に反映したモノクロ画像データを生成することができる。ここで、重み係数算出手段は鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えることができればよく、鮮鋭性が大きな色成分の重み係数の絶対値が他の色成分の重み係数の絶対値より大きくなることまで要求しているわけではない。
【0007】
この重み係数算出手段における重み算出の具体例として請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は、色成分毎に予め決定された所定の基本定数を保持しており、鮮鋭性が相対的に大きな色成分においては当該基本定数に対して相対的に大きな補正を行って上記重み係数を算出する構成としてある。
【0008】
すなわち、各色成分が輝度成分に対して寄与する重みが予め基本定数によって規定されているとともに、鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対する基本定数を相対的に大きく補正する。従って、鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えることができる。ここで、基本定数は各色成分が輝度に対して寄与する重みを予め規定することができればよく、上述の従来例のように視覚感度に基づいて規定しても良いし、利用者が予め任意の定数を規定してもよい。
【0009】
さらに、請求項3にかかる発明は、上記請求項2に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段が行う補正は、上記補正により変化する基本定数の範囲が所定の範囲内に限定されるようにして行われる構成としてある。すなわち、上記基本定数は上記視覚感度や利用者の意図等に基づいて各色成分の輝度に対する寄与を予め規定したものであり、この基本定数に対して非常に大きな補正をすると視覚感度や利用者の意図等から大きく離れたモノクロ画像が生成されてしまう。そこで、基本定数に対する変化を限定することによって、視覚感度や利用者の意図等から大きく離れたモノクロ画像を生成することを防止することができる。ここで、基本定数に対する変化を限定する所定の範囲は適宜調整することができ、例えば±50%に制限するなど利用者の意図などに応じて種々の範囲とすることができる。
【0010】
さらに、重み係数算出手段においては種々の手法によって鮮鋭性を比較することができる。そのため、上記重み係数算出手段は、画像の鮮鋭性を色成分毎に比較する構成としてある。すなわち、鮮鋭性が高い画像は画素間の階調値差が大きいし、微細領域で鮮鋭性が細かく変化している画像は画素間の鮮鋭性が大きいので、この鮮鋭性を比較することによって画像データにおける鮮鋭性を比較することができ、元画像の鮮鋭性を反映したモノクロ画像を生成することができる。
【0011】
単に鮮鋭性を高くするには、上記従来例のようにしてモノクロ画像を生成した後にいわゆるアンシャープマスクことによっても実現することができるが、この場合の鮮鋭性は元画像の鮮鋭性を反映させない人工的なものである。しかし、本発明によれば高鮮鋭部位や鮮鋭部分が細かく変化する色成分の階調値を重み係数において相対的に大きく加味するので、元画像の鮮鋭性をモノクロ画像に反映させて自然なモノクロ画像にすることができる。
【0012】
さらに、鮮鋭性を比較する際の具体的な構成例として請求項4にかかる発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は上記カラー画像データについて画像を所定の領域毎に分割し当該領域毎に鮮鋭性を比較し、当該領域毎に上記重み係数を算出するとともに当該領域毎の重み係数に所定の加重係数を乗じた加重平均を画像全体の重み係数とする構成としてある。
【0013】
すなわち、必ずしもモノクロ化する画像の全体を一度に比較する必要はなく、画像を所定の領域に分割するとともにそれぞれの領域で鮮鋭性を比較しても良い。このとき、各領域毎に重み係数を算出可能であるが、各領域毎に異なる重み係数で色変換を行うと領域間でトーンジャンプが発生するおそれがあるので、各領域毎の重み係数に所定の加重係数を乗じて加重平均として画像全体の重み係数とすれば好適である。ここで、加重係数は種々の観点から規定することができ、上記分割した領域の面積比や画素数比等を採用可能である。
【0014】
さらに、この加重係数を規定するための具体的な構成例として請求項5にかかる発明は、上記請求項4に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は、カラー画像データに基づく画像において上記所定の領域が中央に近づくほど大きな加重係数を乗じる構成としてある。すなわち、一般的な画像においては中央にその画像の主たる像が配置される傾向が強いので、かかる構成によって主たる像の鮮鋭性を的確に反映させつつモノクロ画像データを生成することができる。むろん、利用者に領域を選択させて任意の領域の加重係数を大きくする構成等を採用することもできる。
【0015】
重み係数算出手段において鮮鋭性を比較するための他の構成例として請求項6にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は、カラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較するのに代えて、画像のコントラストを色成分毎に比較する構成としてある。すなわち、コントラストが高い画像においても画素間の階調値差が大きいので、このコントラストを比較することによって画像データにおける鮮鋭性を比較することができ、元画像のコントラストを反映したモノクロ画像を生成することができる。上記従来例のようにしてモノクロ画像を生成した後にコントラストを変更すると人工的な変更になるが、この場合も元画像のコントラストを反映させることによって自然なモノクロ画像にすることができる。
【0016】
以上のような比較対象について鮮鋭性を比較するための具体的な構成例として請求項7にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は、上記カラー画像データを周波数空間値に変換するとともに当該周波数空間値を所定の値域で積算し、当該積算値を鮮鋭性として比較する構成としてある。すなわち、ドットマトリクス状の画像データにおいて色成分の階調値は、例えば赤成分の階調値をR(x,y)などとして2次元空間の関数として規定されるのが一般的である。
【0017】
この2次元空間を実空間として周波数空間値に変換すると実空間中で広がりを有する領域全体の特性を周波数空間中のスペクトルとして把握することができる。従って、実空間中の総ての領域についてカラー画像データの鮮鋭性を微細に解析することなく、当該領域の鮮鋭性を把握することができる。より具体的な例としては各色成分毎の階調値を2次元空間中の離散的な関数であるとし、これを離散的フーリエ変換により周波数空間値に変換する構成が採用可能である。
【0018】
このようにして変換された周波数空間のスペクトルによれば画像内の空間周波数分布、すなわち、画像内における鮮鋭部位の分布が分かるので、この周波数空間のスペクトルを色成分毎に積算することによって画像全体の色成分毎の鮮鋭性を容易に比較することができる。ここで、むろん離散的フーリエ変換を高速フーリエ変換(FFT)によって実行することも可能である。
【0019】
さらに、上記比較対象について鮮鋭性を比較するための具体的な構成例として請求項8にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、上記重み係数算出手段は、上記カラー画像データについて平滑化処理を行い、平滑化の前後それぞれにおいて注目画素と周辺画素との階調値の差分を計算するとともに当該差分値のヒストグラムを算出し、平滑化の前後のヒストグラムの差を積算し、当該積算値を鮮鋭性として比較する構成としてある。
【0020】
すなわち、実空間中で鮮鋭性を比較することもできその手法は様々であるが、一例としていわゆるデルタヒストグラムを使用することができる。デルタヒストグラムにおいては、鮮鋭性の高い画像では隣接画素間の階調値差が大きくぼやけた画像ではその差が小さいことを利用しており、比較対象の画像データを色成分毎に平滑化する。元の色成分毎の画像データにおいて所定の注目画素とその周囲の画素との階調値差分を計算し、平滑化した画像データにおいても同様に階調値差分を計算すると、鮮鋭性が高く、また、鮮鋭部分が細かく変化するほどその差分値が大きい傾向にあるはずである。そこで、この差分値のヒストグラムを算出し平滑化前後のヒストグラムの差を積算すれば、鮮鋭性が高く、鮮鋭部分が細かく変化する色成分でこの積算値が大きくなる。従って、この積算値、すなわちデルタヒストグラムを比較することによって色成分毎の鮮鋭性を比較することができる。
【0021】
このようなモノクロ画像データ生成装置はかかる制御に従って処理を進めていく上で、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然であり、方法としても適用可能であることは容易に理解できる。このため、請求項9にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。すなわち、必ずしも実体のある装置などに限らず、その方法としても有効であることに相違はない。さらに、請求項2〜請求項8に対応する方法も実現可能であることは言うまでもない。
【0022】
また、上記モノクロ画像データ生成装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例としてモノクロ画像データ生成装置を制御するためのソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえないし、当該ソフトウェア自体としても発明は成立する。このため、上記請求項10にかかる発明においても基本的には同様の作用となる。むろん単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものであって、適宜変更可能である。さらに、請求項2〜請求項8に対応するプログラムも実現可能であることは言うまでもない。
むろん、このプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。上記媒体とは異なるが、供給方法として通信回線を利用して行なう場合であれば通信回線が伝送媒体となって本発明が利用されることになる。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。むろん、このプログラム自体に発明の思想が反映されていることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,請求項9,請求項10,にかかる発明によれば、元画像の色成分毎の情報を的確に反映したモノクロ画像データを生成可能なモノクロ画像データ生成装置、モノクロ画像データ生成方法およびモノクロ画像データ生成プログラムを提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して容易に相対的に大きな変更を加えることができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、視覚感度や利用者の意図等から大きく離れたモノクロ画像を生成することを防止することができる。
【0024】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、所定の領域毎に重み係数を算出することができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、主たる像の鮮鋭性を的確に反映させつつモノクロ画像データを生成することができる。
さらに、容易に階調値変動を比較することができるとともに元画像の鮮鋭性を反映したモノクロ画像を生成することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、容易に鮮鋭性を比較することができるとともに元画像のコントラストを反映したモノクロ画像を生成することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、実空間中の総ての領域についてカラー画像データの鮮鋭性を微細に解析することなく、当該領域の鮮鋭性を把握することができる。
【0025】
さらに、請求項8にかかる発明によれば、デルタヒストグラムを比較することによって色成分毎の鮮鋭性を比較することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)モノクロ化処理の概略:
(3)鮮鋭性の解析:
(4)モノクロ画像データの生成:
(5)第2実施形態:
(6)他の実施形態:
【0027】
(1)本発明の構成:
図1は本発明を実施するモノクロ画像データ生成装置の概略ハードウェア構成を示しており、図2は本発明がアプリケーションプログラム(APL)上に複数のモジュールとして実現された場合における概略構成図を示している。すなわち、本実施形態においてはコンピュータ上で実行されるAPLにて本発明にかかる処理によってカラー画像データをモノクロ画像データに変更可能である。まず、図1に示す概略ハードウェア構成について説明する。コンピュータ10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能となっている。
【0028】
また、システムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクドライブ15とフレキシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、ハードディスクドライブ15に記憶されたOS20やアプリケーションプログラム25等がRAM14に転送され、CPU11はROM13とRAM14に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
【0029】
シリアル通信用I/O19aにはキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続され、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはパラレル通信用I/O19bを介して接続が可能である。尚、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施例はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくシリアルインタフェースやSCSI,USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0030】
この例では各プログラムの類はハードディスクドライブ15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、ハードディスクドライブ15にインストールされる。そして、ハードディスクドライブ15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。
【0031】
また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が利用される。プリンタ40は図示しないCPU,ファームウェア等を備えており、当該ファームウェアに記載されたプログラムに従って、上記コンピュータ10から送信されるCMYKのデータやページ記述言語等のプリンタコマンドからなる印刷データをパラレル通信用I/Oを介して受信する。そして、プリンタ40では当該データに基づいて所定のモータでヘッドや印刷用紙搬送機構を駆動しつつ印刷を実行する。
【0032】
一方、図2に示すように本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力装置ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力装置DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0033】
APL25はいわゆるフォトレタッチソフトであり、ドットマトリクス状の画素からなるカラー画像データの加工や印刷等を実行することができ、本発明にかかるモノクロ変換を実現するために画像データ入力モジュール25aと重み係数算出モジュール25bと輝度成分算出モジュール25cとを備えている。上記ハードディスクドライブ15にはドットマトリクス上の画素をRGBの各階調値で表現したカラー画像データ15aが保存されている。画像データ入力モジュール25aは当該RGBのカラー画像データ15aを上記RAM14上に読み出すとともに必要に応じてRAM14上のカラー画像データ15aを適宜ディスプレイDRV23や重み係数算出モジュール25bに受け渡す。ディスプレイDRV23にカラー画像データ15aが受け渡されると、同ディスプレイDRV23が当該カラー画像データ15aに基づくカラー画像をディスプレイ18上に表示させる。このように、画像データ入力モジュール25aが上記カラー画像データ入力手段を実現させる。
【0034】
上記画像データ入力モジュール25aが上記カラー画像データ15aを読み出した状態においては、APL25の図示しないモジュールによって種々のレタッチ作業を行うことができる。本実施形態においてはレタッチの一つとしてカラー画像のモノクロ化を行うことが可能であり、APL25が上記ディスプレイDRV23に所定のユーザインタフェース(UI)表示データを受け渡すことによってディスプレイ18上に表示されるUIによって利用者がモノクロ化実行の指示を行うようになっている。
【0035】
図3はかかるモノクロ化実行の指示が可能なUIの一例を示している。同図においてディスプレイ18の画面左側には上記画像データ入力モジュール25aが読み込んでディスプレイDRV23に受け渡したカラー画像データ15aに基づく画像15bが表示されている。同ディスプレイ18の画面右側には上記APL25がディスプレイDRV23に受け渡した表示データに基づくUI18aが表示されている。UI18aでは複数のレタッチ機能選択ボタンが表示されており、その中の一つとしてモノクロ化ボタンが設けられている。利用者が上記マウス32やキーボード31を操作することによってこのモノクロ化ボタンを選択すると所定のコードがシリアル通信用I/O19aを介して入力装置DRV22に入力され、操作内容がAPL25重み係数算出モジュール25bに入力される。
【0036】
重み係数算出モジュール25bはモノクロ化ボタンが選択された旨の入力を受け付けると、上記画像データ入力モジュール25aが取得したカラー画像データ15aの鮮鋭性をRGBの各色成分毎に解析し、当該解析に基づいて各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を決定する。そして、決定した重み係数とともに上記カラー画像データ15aを輝度成分算出モジュール25cに受け渡す。輝度成分算出モジュール25cは受け取ったカラー画像データ15aの各画素について、色成分の階調値に重み係数を乗じるとともに加え合わせて各画素の輝度成分を算出する。このように、重み係数算出モジュール25bが上記重み係数算出手段を実現し、輝度成分算出モジュール25cが上記輝度成分算出手段を実現する。
【0037】
尚、本実施形態において利用者は図示しないAPL25のインタフェースにて印刷指示を行い、モノクロ化後の画像をプリンタ40にて印刷させることができる。当該印刷指示によってAPL25はPRTDRV21に印刷命令とともにモノクロ変換後の画像データを受け渡すようになっており、PRTDRV21はAPL25からの印刷ジョブにかかるモノクロ画像データをCMYKの印刷データに変換する処理など、通常のPRTDRVが実行する処理を行う。この結果、プリンタ40では補正後の画像が印刷される。
【0038】
(2)モノクロ化処理の概略:
以下、上記構成におけるモノクロ化処理の概略を説明する。図4は本発明にかかるモノクロ化処理の動作概略を示す概念図である。同図に示すように、カラー画像データ15aはR成分とG成分とB成分との各色成分の階調値fr,fg,fbから構成されており、この各色成分毎に鮮鋭性が解析される。この解析においては各色成分毎の鮮鋭部位の細かさを相対的に比較する。一方、RGBの各色成分が輝度成分Yに対して寄与する重み係数に関して、基本定数a0,b0,c0が予め与えられている。ここで、基本定数a0,b0,c0は視覚感度等に基づいて決定可能な定数であり、例えばそれぞれ「0.3,0.59,0.11」である。
【0039】
モノクロ化処理においては、これらの基本定数a0,b0,c0を補正して係数a3,b3,c3を得ており、これらの係数a3,b3,c3を各色成分の階調値fr,fg,fbと乗じて加え合わせることによって各画素の輝度成分Yを算出する。このときこの補正量は上記色成分毎に解析した鮮鋭部分の細かさに依存しており、鮮鋭部分が細かく変化する色成分に関しては基本定数を他の基本定数より大きく補正して係数a3,b3,c3を算出する。従って、鮮鋭部分の変化が細かい色成分に関しては視覚感度に基づく重みより大きく寄与し、元画像の鮮鋭性に応じたモノクロ画像データが生成される。
【0040】
(3)鮮鋭性の解析:
次に、上記鮮鋭性の解析について詳細に説明する。この解析においては図5に示すようなカラー画像データ15aの各色成分のそれぞれを離散的な2次元の関数と考える。すなわち、ドットマトリクス状の画素は原点Oからm方向に何番目,n方向に何番目と言うようにして特定され、mとnとを正の整数とするとfr,g,b(m,n)として各色成分の階調値関数を考えることができる。ここで、fr,g,bはRGBの各成分についてそれぞれ独立した関数fr,fg,fbをまとめて示している。また、同図においてmの最大値は「M−1」でありnの最大値は「N−1」である。
【0041】
m,nにて規定される空間を実空間とすれば、上記fr,g,b(m,n)を以下の式(1)に示すようにしてフーリエ変換(DFT)することによって鮮鋭性を周波数空間で考えることができる。
【数1】
ここで、MNはカラー画像データ15aの画素数であり、u,vは周波数空間の変数であり、Σはmについて「m=0」〜「m=M−1」,nについて「n=0」〜「n=N−1」まで加え合わせることを示している。このフーリエ変換はいわゆるFFTによって高速に計算することが可能であり、公知のアルゴリズムによって計算可能である。
【0042】
図6はこのフーリエ変換結果の絶対値を2乗したパワースペクトルの一例を示しており、周波数空間の変数であるu,vのいずれかを「0」とした一方向へのパワースペクトルを示している。同図に示すようにパワースペクトルは空間周波数u,vの分布状況を示しており、このu,vの値を考察することによって画像全体の鮮鋭性分布を考察することができる。
【0043】
図7は、明度に関する視覚の空間周波数特性(VTF)を示すグラフであり、観察距離L=350mmについて示している。同図において横軸は空間周波数(cycle/mm)であり縦軸はVTFである。空間周波数は単位長さ中に白黒の縞模様がペアでいくつ存在するかを示す数値として捉えることができ、例えば、空間周波数1cycle/mmにおいては1mm中に白い縞と黒い縞とが一つずつ存在するような状態と考えることができる。
【0044】
同図に示すように、1cycle/mm付近でVTFが極大を有していることから、観察距離L=350mmにおいては1mm中に白い縞と黒い縞とが一つずつ存在するような状態の画像が最も人間の目にはっきり認識されると言える。1cycle/mmより大きな空間周波数においてはVTFは単調減少であり、画像が細かくなるほど人間の目に認識されにくくなることを示している。本実施形態においては空間周波数が3〜7cycle/mmの領域を鮮鋭部分の変化が細かい領域として上記基本定数の補正に反映させる。
【0045】
すなわち、3〜7cycle/mmの画像は1mm中に縞模様が3〜7ペア存在するような画像であって鮮鋭部分が非常に細かく変化し、複雑な画像であるとともに多くの情報を有する。このような領域にてVTFは高くないが、この領域によって画像全体の印象は大きく左右され、画像の情報としては重要である。しかし、印象としては大きいものの人間の目が画像変化を明確に区別しにくいので、この領域のパワースペクトルが大きな色成分についてモノクロ化する際の重みが小さいと、モノクロ化されたときにこの画像変化がほとんど認識されなくなって鮮鋭性を忠実に反映していないモノクロ画像データを生成してしまう。
【0046】
そこで、本実施形態においては、パワースペクトルを3〜7cycle/mmの領域(u,v平面においてドーナツ形の領域)で積算し、この積算値が大きい色成分については上記基本定数を大きく補正するように構成している。尚、空間周波数が7cycle/mm以上のものはいわゆるホワイトノイズと考えられ、画像にとって重要な情報でないことから、かかる領域を除外している。むろん、上記3〜7cycle/mmという数値は一例であり、考慮すべき鮮鋭性の変化度合によって数値を変更可能であるし、利用者の選択等によって変更可能に構成することもできる。
【0047】
(4)モノクロ画像データの生成:
以下、上記解析に基づいてカラー画像データからモノクロ画像データを生成する処理を図8,図9に示すフローチャートに沿って説明する。利用者がコンピュータ10においてAPL25を実行し、画像の読み出しを指示すると、上記画像データ入力モジュール25aがステップS100においてHDD15からRGBの各色成分のカラー画像データ15aを読み出す。さらに利用者が上記図3に示すUIにてモノクロ化ボタンを選択すると、重み係数算出モジュール25bがステップS110において上記カラー画像データ15aのR成分fr(m,n)について上記図5に示すFFT変換を実施する。この変換結果Fr(u,v)が得られると、さらにステップS120にてFr(u,v)の絶対値を2乗して図6に示すようなパワースペクトルを得るとともに空間周波数が3〜7cycle/mmの領域C内の値を積算してPrとする。
【0048】
このような積算はG成分とB成分とにおいても実施され、ステップS130では、上記カラー画像データ15aのG成分fg(m,n)についてFFT変換を実施する。そして、ステップS140にて上記と同様の領域CについてFg(u,v)の絶対値を2乗したパワースペクトルを積算してPgとする。さらに、ステップS150では、上記カラー画像データ15aのB成分fb(m,n)についてFFT変換を実施し、ステップS160にて領域CについてFb(u,v)の絶対値を2乗したパワースペクトルを積算してPbとする。
【0049】
ステップS200においては上記積算値Pr,Pg,Pbの相対的な大きさの差異を反映するようにして上記基本定数a0,b0,c0を補正するために、積算値比率Ka,Kb,Kcを算出する。ここで、積算値比率は積算値の総和(Pr+Pg+Pb)で各積算値Pr,Pg,Pbを除したものである。ステップS210においては、上記基本定数a0,b0,c0のそれぞれに積算値比率Ka,Kb,Kcを乗じたものをさらに基本定数a0,b0,c0に加えて第1中間係数a1,b1,c1を算出する。ここで、基本定数a0,b0,c0と積算値比率Ka,Kb,Kcとの積のそれぞれは積算値Pr,Pg,Pbが大きいものほど大きくなるので、積算値Pr,Pg,Pbが大きいものほど基本定数の補正量が大きくなっている。
【0050】
ステップS220においては係数を乗じることによって輝度成分Yの階調値が飽和することの無いように、第1中間係数a1,b1,c1のそれぞれを第1中間係数の総和(a1+b1+c1)で除して正規化し、第2中間係数a2,b2,c2を算出する。また、鮮鋭性を反映させながらモノクロ画像データを生成すると言っても上記基本定数a0,b0,c0は視覚感度等に基づいて決定された定数であり、この定数値から著しく離れた係数にしてしまうと自然なモノクロ画像にならない。そこで、本実施形態では補正量が基本定数値の±50%以内になるように制限しており、ステップS230にて上記基本定数c0と第2中間係数c2との差の絶対値を基本定数c0で除したものが「0.5」より大きいか否かを判別している。
【0051】
同ステップS230にて「0.5」より大きいと判別されないときにはステップS240にて係数c3に第2中間係数c2を代入する。ステップS230にて「0.5」より大きいと判別されたときにはステップS235にて基本定数c3に対して最大補正量の補正を行った値を係数c3とする。すなわち、「c0<c2」のときは「c3=c0*(1+0.5)」とし、「c0>c2」のときは「c3=c0*(1−0.5)」とする。
【0052】
さらに、ステップS245においては上記基本定数a0と第2中間係数a2との差の絶対値を基本定数a0で除したものが「0.5」より大きいか否かを判別する。同ステップS245にて「0.5」より大きいと判別されないときにはステップS255にて係数a3に第2中間係数a2を代入する。ステップS245にて「0.5」より大きいと判別されたときにはステップS250にて基本定数a3に対して最大補正量の補正を行った値を係数a3とする。すなわち、「a0<a2」のときは「a3=a0*(1+0.5)」とし、「a0>a2」のときは「a3=a0*(1−0.5)」とする。
【0053】
係数c3,a3を決定した後には、正規化された状態を維持するためにステップS260にて「b3=1−a3−c3」として係数b3を決定する。以上のようにして重み係数算出モジュール25bが係数a3,b3,c3を算出すると、上記輝度成分算出モジュール25cはステップS270にてこれらの係数を用いてモノクロ画像データを生成する。すなわち、各画素において係数a3,b3,c3のそれぞれに各色成分毎の階調値fr,fg,fbを乗じることによって各画素のデータを輝度成分Yからなるモノクロ画像データとする。
【0054】
(5)第2実施形態:
上記実施形態においては、鮮鋭性の解析に当たりフーリエ変換を行って周波数空間で解析していたが、必ずしも上記態様に限られず他の手法を採用することも可能である。以下、デルタヒストグラムを使用して鮮鋭性を解析する態様を第2実施形態として説明する。第2実施形態におけるハードウェア構成は上記第1実施形態と同様であり、制御系を構成する各モジュールも上記第1実施形態と同様であるが、重み係数算出モジュール25bにて係数a3,b3,c3を算出する際の解析手法すなわち上記図8に該当する処理が異なっている。
【0055】
図10は第2実施形態における積算値P’r,g,bの算出手順を示すフローチャートであり、本実施形態において利用者がコンピュータ10にてAPL25を実行し、画像の読出を指示すると、上記画像データ入力モジュール25aがステップS300においてHDD15からRGBの各色成分のカラー画像データ15aを読み出す。さらに利用者が上記図3に示すUIにてモノクロ化ボタンを選択すると、ステップS310において上記カラー画像データ15aの各色成分毎に平滑化フィルタを適用する。この平滑化フィルタは公知の種々のものを採用することができ、例えば、所定の注目画素とその周りの画素との計9画素の階調値を平均化して注目画素の階調値とするようなフィルタ等を採用することが可能である。
【0056】
次に、ステップS320では、上記ステップS300にて取得したカラー画像データ15aのRGBの各色成分と平滑化フィルタ適用後のカラー画像データの各色成分とにおいて階調値差を算出する。図11はこのステップS320における階調値差の算出手法を示す一例であり、各色成分の画素の階調値をf(i,j)で表している。ステップS320においては、注目画素f(i,j)と当該注目画素に隣接する8画素f(i−1,j−1),f(i,j−1),f(i+1,j−1),f(i−1,j),f(i+1,j),f(i−1,j+1),f(i,j+1),f(i+1,j+1)との階調値差の絶対値をそれぞれ算出している。
【0057】
このような階調値差の算出をカラー画像データ15aのRGBの各色成分と平滑化フィルタ適用後のカラー画像データの各色成分とにおいて実施した後には、ステップS330にてそれぞれ算出結果をヒストグラム化する。図12はこのようにして作成されたヒストグラムの一例である。同図において縦軸はヒストグラム値であり、横軸は階調値差であり、S0r,g,b(l)は元のカラー画像データ15aに関する色成分毎のヒストグラムの一例を示しており、Sr,g,b(l)は平滑化後のカラー画像データの色成分毎のヒストグラムの一例を示している。
【0058】
同図に示すように、平滑化後のヒストグラムは階調値差lが小さい値で頻度が高く、平滑化前の元画像のヒストグラムは平滑化後と比較して階調値差lが大きい値で頻度が高くなる傾向にある。一般的には画像における鮮鋭性が高く、また鮮鋭部分が細かく変化するものほど上記平滑化フィルタの影響を多く受けるので、元画像において鮮鋭性が高く、また、鮮鋭部分が細かく変化する画像であるほど上記図12に示す上記傾向が強く、ハッチを付けた両ヒストグラムの差分の面積が大きくなる。従って、この差分の絶対値を色成分毎に積算することによって色成分毎の階調値変動を比較することが可能になり、本実施形態においてはステップS340にて色成分毎の積算値P’r,g,bを算出する。
【0059】
このようにして色成分毎の積算値P’r,g,bを算出した後には上記図9に示すフローチャートにおいて積算値Pr,g,bの代わりに積算値P’r,g,bを使用して同図に示す処理を実行することによって色成分毎の係数a3,b3,c3を算出することができる。従って、輝度成分算出モジュール25cにてこの係数a3,b3,c3を使用して輝度成分Yを計算することによって色成分毎の鮮鋭性を反映させつつモノクロ画像を生成することができる。
【0060】
(6)他の実施形態:
上記第1および第2実施形態においては、カラー画像データにおいて画素間の階調値の相互関係に基づいて解析を行っていたが、階調値変動を反映させつつモノクロ画像を生成するという意味では、他の手法を採用することもできる。図13はコントラストを使用して階調値変動を解析する手法を説明する説明図である。同図はRGBの各色成分についての階調値のヒストグラムを示しており、各グラフにおいて横軸が階調値であって縦軸がヒストグラムである。
【0061】
同図に示すようにして各色成分についての階調値をヒストグラム化した場合、各色成分の最小階調値から最大階調値までの階調値幅ΔR,ΔG,ΔBを当該各色成分のコントラストと考えることができる。この階調値幅ΔR,ΔG,ΔBも各色成分の階調値変動を反映しているということができる。従って、上記図9に示すフローチャートにおいてこの階調値幅ΔR,ΔG,ΔBを上記積算値Pr,Pg,Pbの代わりに使用して係数a3,b3,c3を算出しても階調値変動を反映したモノクロ画像を生成することが可能になる。
【0062】
上述した実施形態おいては、一枚のカラー画像データ15a全体の階調値変動を解析していたが、必ずかかる構成にすることが必要となるわけではなく一枚の画像を所定領域に分割しつつ係数を算出しても良い。図14は、画像を分割する場合の係数算出を説明するための説明図である。同図に示すように画像は3分割されており、各領域毎に上述の実施形態に示した各種解析を行って図9に示すステップS260までの処理を行うと、各領域毎の係数A3,B3,C3、係数A3’,B3’,C3’、係数A3’’,B3’’,C3’’を決定することができる。
【0063】
領域毎に算出した係数を使用して領域毎にモノクロ化を行うと画像全体においてはトーンジャンプが生じてしまうので、本実施形態では各領域毎の係数を加重平均して最終的な係数a3,b3,c3を算出するようになっている。すなわち、図14に示すように領域毎の加重係数g0,g1,g2を規定するとR成分に関する係数a3は領域毎の係数A3,A3’,A3’’のそれぞれに加重係数g0,g1,g2を乗じたものを加重係数の総和(g0+g1+g2)で除することによって決定することができる。B成分に関する係数b3やG成分に関する係数c3も同様にして決定することができる。
【0064】
また、加重係数値は種々の指標に基づいて決定することができる。例えば各領域の面積比や画素数比等にすることができるし、利用者任意に決定することもできる。さらに、各領域が画像のどの位置に存在するかによって加重計数値を変更することもできる。例えば、画像の中央に位置する領域ほど加重係数を大きくすること等が可能である。かかる構成によれば、画像中の重要な部分からの係数への寄与を大きくすることなどが可能になり、階調値変動のみならず画像中の情報の重要度を係数に反映させることが可能になる。
【0065】
このように、本発明においては、各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出するにあたり、上記入力したカラー画像データの色成分毎の階調値変動を比較して階調値変動が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えて重み係数を算出する。従って、この重み係数を使用して輝度成分を算出することによって元画像の階調値変動を反映したモノクロ画像データを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 モノクロ画像データ生成装置の概略ハードウェア構成図である。
【図2】 本発明が複数のモジュールとして実現された場合における概略構成図である。
【図3】 モノクロ化実行指示用のユーザインタフェースを示す図である。
【図4】 モノクロ化処理の動作概略を示す概念図である。
【図5】 鮮鋭性解析の説明図である。
【図6】 パワースペクトルの一例を示す図である。
【図7】 視覚の空間周波数特性(VTF)を示す図である。
【図8】 モノクロ画像データ生成処理のフローチャートである。
【図9】 モノクロ画像データ生成処理のフローチャートである。
【図10】 積算値の算出手順を示すフローチャートである。
【図11】 階調値差の算出手法を示す説明図である。
【図12】 階調値差のヒストグラムを示す説明図である。
【図13】 階調値のヒストグラムを示す図である。
【図14】 画像分割による係数算出の説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ
11…CPU
12…システムバス
13…ROM
14…RAM
15…ハードディスクドライブ
15a…カラー画像データ
15b…画像
16…フレキシブルディスクドライブ
16a…フレキシブルディスク
17…CD−ROMドライブ
17a…CD−ROM
18…ディスプレイ
20…OS
21…プリンタドライバ
22…入力装置ドライバ
23…ディスプレイドライバ
25…アプリケーションプログラム
25a…画像データ入力モジュール
25b…係数算出モジュール
25c…輝度成分算出モジュール
31…キーボード
32…マウス
40…プリンタ
Claims (10)
- ドットマトリクス状の画素の色成分からなるカラー画像データを入力するカラー画像データ入力手段と、
各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出するにあたり、上記入力したカラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較して鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えて重み係数を算出する重み係数算出手段と、
上記入力したカラー画像データの各色成分のそれぞれに上記算出した重み係数を乗じて輝度成分からなるモノクロ画像データを生成する輝度成分算出手段とを具備することを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項1に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は、色成分毎に予め決定された所定の基本定数を保持しており、鮮鋭性が相対的に大きな色成分においては当該基本定数に対して相対的に大きな補正を行って上記重み係数を算出することを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項2に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段が行う補正は、上記補正により変化する基本定数の範囲が所定の範囲内に限定されるようにして行われることを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は上記カラー画像データについて画像を所定の領域毎に分割し当該領域毎に鮮鋭性を比較し、当該領域毎に上記重み係数を算出するとともに当該領域毎の重み係数に所定の加重係数を乗じた加重平均を画像全体の重み係数とすることを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項4に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は、カラー画像データに基づく画像において上記所定の領域が中央に近づくほど大きな加重係数を乗じることを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は、カラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較するのに代えて、画像のコントラストを色成分毎に比較することを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は、上記カラー画像データを周波数空間値に変換するとともに当該周波数空間値を所定の値域で積算し、当該積算値を鮮鋭性として比較することを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - 上記請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のモノクロ画像データ生成装置において、
上記重み係数算出手段は、上記カラー画像データについて平滑化処理を行い、平滑化の前後それぞれにおいて注目画素と周辺画素との階調値の差分を計算するとともに当該差分値のヒストグラムを算出し、平滑化の前後のヒストグラムの差を積算し、当該積算値を鮮鋭性として比較することを特徴とするモノクロ画像データ生成装置。 - ドットマトリクス状の画素の色成分からなるカラー画像データを入力するカラー画像データ入力工程と、
各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出するにあたり、上記入力したカラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較して鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えて重み係数を算出する重み係数算出工程と、
上記入力したカラー画像データの各色成分のそれぞれに上記算出した重み係数を乗じて輝度成分からなるモノクロ画像データを生成する輝度成分算出工程とを具備することを特徴とするモノクロ画像データ生成方法。 - ドットマトリクス状の画素の色成分からなるカラー画像データを入力するカラー画像データ入力機能と、
各色成分が輝度成分に対して寄与する重み係数を算出するにあたり、上記入力したカラー画像データの色成分毎の鮮鋭性を比較して鮮鋭性が相対的に大きな色成分に対して相対的に大きな変更を加えて重み係数を算出する重み係数算出機能と、
上記入力したカラー画像データの各色成分のそれぞれに上記算出した重み係数を乗じて輝度成分からなるモノクロ画像データを生成する輝度成分算出機能とをコンピュータに実行させることを特徴とするモノクロ画像データ生成プログラム。
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