JP3945067B2 - Aqueous dispersion and method for producing the same - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性分散液及びその製造方法に関する。詳しくは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして有用な水溶性カチオン性高分子を、水性媒体中に安定な分散液として保持し、高い有効成分濃度と良好な取扱性とを兼ね備えた水性分散液及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶性カチオン性高分子は、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして広く使用されている有用な物質である。特にN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルを含む共重合体を加水分解して得られる一般式(1)で示されるようなアミジン構造を有するポリマー(以下、ポリアミジン)は、汚泥の凝集脱水剤や紙用添加剤として良好な性能を示すことが知られている(特開平6−123096号公報等)。
【0003】
【化1】

Figure 0003945067
【0004】
(式中、R1、R2は水素原子又はメチル基を、X-は陰イオンを表す。)
一般にこのような水処理薬剤に要求される凝集性能は分子量に依存し、分子量が高いほど優れた凝集性能を示す。しかし高分子量の水溶性カチオン性高分子の水溶液は、極めて高い溶液粘度を有するため、数%以下の低濃度でなければ取り扱うことができない。このことは製造プロセス、製品物流、使用プロセス等において、極めて大きな制限となる。このため、水溶性カチオン性高分子の製品形態としては従来、固体粉末が主流であった。しかし固体粉末は粉塵を生じやすく、また使用に先立つ溶解工程で非常に長い時間が必要であるなどの作業上の問題点がある。また粉末を製造する際の加熱乾燥工程で熱劣化を生じやすく、分子量が低下して凝集性能が低下したり、不溶解分が生成して異物が混入するなど品質上の問題点も生じていた。
【0005】
上記の粉末製品の問題を解決するため、油中水型エマルションが提案され製品化されている。油中水型エマルションでは連続相としてイソパラフィン等の有機溶媒を用い、水溶性カチオン性高分子の高濃度水溶液が分散相として存在している。このため有効成分濃度が高く、かつ液粘度が低いので取扱性に優れている。特開平2−222404号公報および特開平5−309208号公報においては、N−ビニルカルボン酸アミドから誘導されるカチオン性高分子の油中水型エマルションが開示されている。しかし油中水型エマルションでは有機溶媒や乳化剤が多量に必要であるため臭気や引火性、環境負荷の増大等の問題点があった。
【0006】
この問題を解決するため、水性媒体であって、かつ水溶性カチオン性高分子に対しては貧溶媒であるような、水性媒体と水溶性カチオン性高分子の組合せを選び、水性媒体中に水溶性カチオン性高分子を分散状態で保持し、高い有効成分濃度と優れた取扱性を兼ね備えた水性分散液の開発が行われている。例えば、特公平6−51755号公報においては、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド共重合体を硫酸塩濃厚水溶液に分散させた水性分散液が開示されている。また特開平9−296013号公報においては、N−ビニルホルムアミド単独あるいはN−ビニルホルムアミドと(メタ)アクリロニトリルの共重合体を、ポリエチレングリコール水溶液中で重合し、次いで酸加水分解し、水溶性カチオン性高分子の分散液を得る方法が開示されている。
【0007】
また、ポリアミジンに関してもかかる水性分散液の開発が行われている。例えば特開平9−296013号公報には、最終製品においてポリエチレングリコール等の濃度が比較的高い範囲にある場合、最終製品は分散状態となることが示されている。これはポリアミジンは水溶性高分子であるが、ポリエチレングリコール等とは相溶しないため、ポリエチレングリコール等の高濃度水溶液中では相分離して存在する現象を利用したものである。また、特開平8−188699号公報には、アミジン構造を有するポリマーを、硝酸塩水溶液中に分散させた水性分散液が開示されている。さらに、特開平9−296013号公報には、アミジン構造を有するポリマーを、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの混合塩水溶液に分散させた水性分散液が開示されている。これらはポリアミジンが特定の塩の高濃度水溶液に対して溶解度が低いことを利用したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリアミジンの水性分散液において、分散媒体としてポリエチレングリコール等の水溶液を用いた場合、安定な分散液を得ることができるのは還元粘度1以下の低分子量のものに限られ、このような製品は凝集剤としての性能が劣る。還元粘度2以上の高分子量の製品を得ようとすると分散粒子径が大きくなり、ポリアミジンが沈降し、ケーキ状の塊になり取扱できなくなるという問題点がある。これはN−ビニルホルムアミドと(メタ)アクリロニトリルから、前駆体ポリマーを得る際に、ポリエチレングリコール等の存在下で得た粒子の粒径が大きいことと、加水分解によってポリアミジンを得る際に、ポリアミジン粒子の付着性が強く、粒子同士が合着し大粒径化する作用によると考えられる。
【0009】
さらに分散媒体として高濃度の硝酸塩水溶液を用いる場合には、危険物である硝酸塩をかなり多量に用いなければならないため、製品の安全性に問題がある。硫酸塩水溶液を用いる場合には、多価アニオン塩を多量に含むため、架橋によってカチオンポリマーが不溶化し性能低下を引き起こす可能性がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のような問題点に鑑み鋭意検討した結果、従来とは全く異なる方法で水溶性カチオン性高分子の安定な水性分散液が得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明の第一の要旨は、N−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとを含むモノマー混合物を水性媒体中で共重合して実質的に水に不溶な共重合体の水性分散液を得、次いでこれを酸加水分解して水性分散液を製造する方法であって、共重合反応を、水溶性カチオン性高分子化合物(但しN−ビニルピロリドンを(共)重合させたものを除く)とポリエチレングリコールとを含む系内で行うか、又は0.1〜10%の水溶性カチオン性高分子化合物及び5〜30%のポリエチレングリコールを含む系内で行うことを特徴とする方法に存する。
第二の要旨は、酸加水分解反応後、沸点が60℃ないし100℃であり水に対する溶解度が10%以上であるようなアルコール及び/又はケトンを、系中に存在する水に対して10%以上存在させて、60℃ないし100℃の温度において、アミジン化率が30%以上となるまで熟成反応を行うことを特徴とする方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明に用いられる一般式CH2=CHNHCOR(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドとしては、N−ビニルホルムアミド及びN−ビニルアセトアミドが挙げられるが、N−ビニルカルボン酸アミド重合体の加水分解物を得る目的のためには重合体の加水分解性の良いことからN−ビニルホルムアミドが好ましい。また、共重合成分としては(メタ)アクリロニトリルを必須成分とするので、N−ビニルカルボン酸アミドとの共重合性を考慮すればアクリロニトリルが好ましい。
【0012】
かかるN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとを含むモノマー混合物を共重合して重合体を得、次いでこれを酸で加水分解すると、N−ビニルカルボン酸アミドから生成した一級アミノ基と、隣接する(メタ)アクリロニトリルのシアノ基が反応してアミジン構造を有するポリマーが生成する。使用されるN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルのモル比率は特に制限はないが、1:1に近い方が加水分解後のアミジン構造が多く含まれるようになると期待されるので好ましい。また、モル比率は好ましくは95:5〜5:95、さらに好ましくは60:40〜40:60である。
【0013】
N−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルを含むモノマー混合物の共重合は水性媒体中で行うのが最も一般的である。ここでいう共重合体は一般に水に不溶であり、重合の進行に伴って重合体が析出する、いわゆる分散重合となる。この分散重合の場合、条件によっては重合体が塊状に固化し、撹拌が困難となり反応が制御できなくなることがあるので、分散重合は分散剤の存在下に行うことが一般的である。分散剤としては界面活性剤等も使用しうるが高分子分散剤が一般的に優れた効果を示す。
【0014】
本発明においては、N−ビニルカルボン酸アミドと、(メタ)アクリロニトリルとを含むモノマー混合物を水性媒体中で共重合する際に、水溶性カチオン性高分子化合物と、ポリエチレングリコールの存在下に重合することを必須の要件とする。ポリエチレングリコールのみの存在下に得られた重合粒子は大きく、重合体が高分子量である場合には特に大きくなる。かかる重合粒子を加水分解して水溶性カチオン性高分子の水性分散液を得た場合に、分散液の粒子径は重合粒子径を反映して大きく沈降しやすい。一方、水溶性カチオン性高分子化合物のみの存在下に得られた重合粒子は、ポリエチレングリコールを用いた場合に比較すれば粒子径は遙に小さいが、かかる重合粒子を加水分解すると加水分解の進行に伴って粒子同士が凝集し塊状となり、分散液は得られない。また水溶性カチオン性高分子化合物のみの存在下に重合粒子を得、加水分解時にポリエチレングリコールを存在させても加水分解時の粒子凝集は抑制できずやはり分散液は得られない。
【0015】
ところが、水溶性カチオン性高分子化合物とポリエチレングリコールとの共存下に重合して得られた重合粒子は極めて小さく、またこのような重合粒子を加水分解すると、加水分解が進行しても粒子同士の付着が抑制され良好な分散性を保ったポリアミジン水性分散液が得られることが判明した。このような効果が得られる原因は不明であるが、重合の進行に従って重合粒子が析出する際に、水溶性カチオン性高分子化合物とポリエチレングリコールの双方が、同時に重合粒子表面に固定され、重合粒子表面を覆っているものと考えられる、また水溶性カチオン性高分子化合物は粒子の表面に電荷を与えることで粒子間の反発を生じ、細かい粒子径を与え、ポリエチレングリコールも粒子の表面を保護し、加水分解反応の進行に伴う粒子表面の付着性の増加を緩和し、粒子付着を抑制しているものと考えられる。従ってこれら2種類の保護剤は重合時に同時に系に存在している必要があり、その場合に顕著な効果をあらわす。
【0016】
本発明で用いられるポリエチレングリコールは、通常、重量平均分子量が1,000〜1,000,000、好ましくは6,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜40,000のものが用いられる。ポリエチレングリコールは分子量の異なる2種類以上の混合物であってもよい。また他のモノマーとの共重合体であってもよい。具体的にはエチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体が例示されうる。また末端基が何らかの形で修飾されていてもよい。具体的には末端メチルエーテル化ポリエチレングリコール、末端アセチル化ポリエチレングリコール等が例示されうる。ポリエチレングリコールは系中に0.5〜50%、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜20%、さらに好ましくは5〜10%添加するのがよい。添加量が多すぎると系の粘度が高くなりすぎるため却って分散性を阻害する。また添加量が少なすぎると保護効果が低下する。ポリエチレングリコールの添加方法は重合開始時に一括して存在させてもよく、重合時には一部のみを添加し残部は変性工程以降で添加してもよい。
【0017】
本発明でポリエチレングリコールとともに用いられる水溶性カチオン性高分子化合物は、特に種類を制限されるものではないが、ポリビニルアミンあるいはその塩、ポリアミジンあるいはその塩、ポリエチレンイミンあるいはその塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ(2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)あるいはその四級塩、カチオン化澱粉から選ばれる1種類以上の構造を含む化合物であることが好ましい。重合後の加水分解工程で変化しないものとして、特にポリビニルアミンあるいはその塩、ポリアミジンあるいはその塩、ポリエチレンイミンあるいはその塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましく、さらに好ましくはポリビニルアミンあるいはその塩、ポリアミジンあるいはその塩である。これら水溶性カチオン性高分子化合物はその構造においてホモポリマーであっても共重合体であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。またN−ビニルカルボン酸アミドは中性以外のpHでは容易に加水分解されるので、これら水溶性カチオン性高分子化合物は重合系に存在している状態で中和されている必要がある。これら水溶性カチオン性高分子の添加量は、重合系に対して0.1〜10%添加することが好ましい。添加量が多すぎると系の粘度が高くなりすぎるため却って分散性を阻害する。また添加量が少なすぎると効果が低い。これら水溶性カチオン性高分子化合物の分子量は特に限定されないが、数平均分子量で1,000〜10,000,000のものが使用される。
【0018】
分散効果は、一般的により高分子量のものの方が大きいが、かかる高分子量のものを系中に添加した場合重合系の液粘度が高くなり単位操作が困難になってしまう場合がある。このような場合は中性の無機塩の共存が液粘度の低下に有効である。このような中性塩としては、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、硝酸リチウム等が好ましい。
【0019】
N−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルを含むモノマー混合物はこれらと共重合可能な他のモノマーを含むことができる。このようなモノマーとしては(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、α−オレフィン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、N−ビニルピロリドン等が例示されうるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる場合に、特に分散液の分散安定性が向上する。この理由は明確ではないが、重合体中に疎水基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれることにより共重合体粒子が疎水的になり粒子付着が抑制され、重合体粒子の付着が抑制される効果が考えられる。さらに、重合後の加水分解工程では(メタ)アクリル酸アルキルエステルと1級アミノ基が反応してラクタムを形成し、結果、ポリアミジンに疎水性が付与され粒子付着が抑制される効果があるものと推察される。
【0020】
重合反応時の系中のモノマー濃度は5〜50%の範囲で操作される。好ましくは10〜40%、さらに好ましくは15〜30%である。モノマー濃度が高すぎる場合は、重合の進行に伴って重合体濃度が上昇し、分散状態が維持できなくなる。モノマー濃度が低すぎる場合は高分子量ポリマーを得ることが困難であるし、生産性が低下する。系中へのモノマーの供給方法としては反応初期に一括仕込みをしてもよく、連続的に供給してもよいが、高分子量体を得るためには一括仕込みが好ましい。
【0021】
重合の開始剤としては、通常のラジカル重合に用いられる一般的な開始剤が使用され、具体的にはアゾ系開始剤、有機過酸化物、過硫酸塩並びにレドックス触媒が例示されうる。好ましくはアゾ系開始剤であり、さらに好ましくは水溶性のアゾ開始剤である。具体的には、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸塩などが例示されうる。このような開始剤は通常モノマーに対して0.01〜5重量%の範囲で用いられ、開始剤は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。また反応途中に追加することも可能である。
【0022】
重合反応は不活性ガス雰囲気下で行われるのが好ましい。重合温度は通常30〜100℃で操作される。急激な内温上昇を防ぎ安定な分散状態を維持するためには強撹拌下で操作することが好ましい。
【0023】
上記のようにして得られた重合体の水性分散液は、加水分解に先立って未反応のN−ビニルカルボン酸アミドを分解しておくことが望ましい。また、N−ビニルカルボン酸アミドの分解には公知の任意の方法を用いることができるが、特開平5−86127号公報に示されているように、ヒドロキシルアミン類を用いることが望ましい。
【0024】
また、共重合体の加水分解の方法は特に制限されるものではなく公知の方法が使用できるが、N−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルを含む共重合体は塩基性条件では不溶性ポリマーを生成し易いため、酸性条件で加水分解することが望ましい。使用する酸としては塩酸、臭化水素、弗化水素、硝酸、硫酸、燐酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸等が例示されるが、特に好ましくは塩酸である。これらの酸は単独の化合物として添加してもよく、水溶液などの溶液として添加してもよい。また2種類以上の混合物として添加してもよい。
N−ビニルカルボン酸アミドの加水分解率は酸の添加量、反応温度、反応時間を適宜調節することによって所望の値に調節される。通常は加水分解率が5モル%以上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上となるような条件が選ばれる。すなわち酸の使用量は、重合体中のN−ビニルカルボン酸アミドに対して、0.05〜3当量、好ましくは0.5〜2当量、さらに好ましくは0.7〜1.5当量である。加水分解反応の条件としては、温度は40〜130℃、好ましくは60〜100℃である。温度が低すぎると反応の進行が遅く、温度が高すぎると製品の性能が劣化する。反応時間は、通常0.5〜10時間程度である。反応は系の組成と温度条件に応じて加圧下で実施してもよい。N−ビニルカルボン酸アミドユニットは加水分解によって酸残基を生じるので、加水分解反応時にアルコールを添加しておくと酸残基をエステルとして溜去することができる。アルコールとしては特にメタノールが好ましい。
【0025】
N−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルを含む共重合体を加水分解すると、加水分解によってアミノ基が生じ、次いでアミノ基と隣接するシアノ基が反応してアミジンを形成する。重合体に含まれるシアノ基のうち、アミジンに転化した割合をアミジン化率として表すと、アミジン化率が高いほど凝集性能が良好である。アミジン化率としては20%以上が好ましく、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。アミジンは通常の加水分解反応条件でも生成するが、高温であるほど速やかに生成するため、加水分解反応終了後、充分なアミジン化率になるまで系を加熱熟成することが好ましい。加熱熟成反応は60〜150℃、好ましくは70〜120℃、さらに好ましくは80〜100℃で実施される。
【0026】
本発明の条件では加水分解工程および加熱熟成工程を通じて、生成するポリアミジンは、水性媒体に溶解せず分散状態を保っている。しかしながら、アミジンは付着性が強く、高温において特にその傾向が強い。このため例えばアミジン化率が30%以上であるようなアミジン化率の高い製品を得ようとする場合、加熱熟成工程において粒子付着が起きやすく、粗大粒子が生成し、製品が沈降したり、条件によっては分散を保持できなくなり撹拌不可能になるといった問題点があった。本発明者らは、加熱熟成工程を、沸点が60℃ないし100℃であり、水に対する溶解度が10%以上であるようなアルコール及び/又はケトンを、系中に在する水に対し10%以上の存在させて熟成反応を行うことにより、このような粒子付着をほぼ完全に抑制できることを見出した。アルコール、ケトンとしては具体的にはメタノール、エタノール、N−プロパノール、イソプロパノール、メチルエチルケトンが例示されるが、特にイソプロパノールが好ましい。これらの化合物は単独で用いても混合物として用いてもよい。
【0027】
またこれらの化合物の存在量は、系中に存在する水に対して10%以上で効果があり、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。加水分解時に使用したアルコールが残存していれば、これを利用することもできるし、加水分解時に使用したアルコールを留去してから改めて添加しても良い。熟成反応は系の組成、反応温度に応じて加圧下で実施してもよい。熟成反応終了後、アルコール、ケトンは系中に存在したままであっても性能上の問題はないが、安全性、臭気等の問題から除去することが好ましい。これらを除去するには、60℃以下の温度で、減圧下に溜去すれば、分散粒子の付着を起こさずに除くことができる。
【0028】
一方、アミジン化率が30%を下回るアミジン化率の低い製品を得ようとする場合には、加熱熟成工程において粒子付着による問題点は起こりにくいので、当該工程においてアルコール及び/又はケトンを、系中に存在する水に対し10%以上の存在させる必要もない。
【0029】
本発明によって得られたポリアミジン水性分散液は水性媒体中にポリアミジンの高濃度水溶液が相分離状態で析出分散しており、分散粒子径は小さく沈降を起こさずに安定に保存することができる。この相分離現象はアミジン構造を有するポリマーとポリエチレングリコールの非相溶性を利用したものである。従って両者が高い濃度で存在する場合には分散状態を保っているが、水性分散液を水で大希釈すると均一に混和するようになる。分散粒子の粒子径は非常に細かいため、希釈溶解に要する時間は固体粉末状製品に比べて極めて短い。
【0030】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
(物性測定)
ポリアミジンは多量のイソプロパノールから沈澱精製し乾燥したものを還元粘度、カチオン当量、NMR測定に用いた。
還元粘度は重合体を1NNaCl水溶液に溶解し(濃度0.1g/dl)、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
カチオン当量は、pH=2.5で、トルイジンブルーを指示薬とし、1/400N PVSK溶液により滴定した。
製品濃度は、分散液のカチオン当量と、沈澱精製したサンプルのカチオン当量との比率から求めた。
アミジン化率は、20%D2O/80%H2O溶媒に約5%の濃度でサンプルを溶解し、13C−NMRを用いて測定した。δ122ppm(シアノ基)とδ172ppm(アミジン基)の強度から(2)式を用いてアミジン化率を算出した。
【0032】
【数1】
Figure 0003945067
【0033】
(ここでσ122:シアノ基の強度、σ172:アミジン基の強度である。)分散液の平均粒子径は、GALAI製レーザースキャン・画像解析方式粒度分布アナライザーModel CIS−1を用いて測定した。
【0034】
(実施例1)
ポリアミジン塩酸塩(三菱化学製ダイアクリヤー(登録商標)MK6450、還元粘度3.7dl/g)14gと塩化ナトリウム70gを脱塩水878.7gに均一に溶解し、アンモニア水を用いてpH=6.5に調整した。ポリエチレングリコール(三洋化成製PEG20000)140g、モノマーとしてN−ビニルホルムアミド161g(純度91%、N−ビニルホルムアミドとして146.5g)とアクリロニトリル133.5gを加えて均一に溶解した。内面テフロン(登録商標)コーティングした2Lのジャケット付きステンレス反応器に、前記調製液を入れ、10℃まで冷却したのち窒素を充分に流通させて溶存酸素を除去した。窒素の流通を止め、45度まで加熱し、2,2’−アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(和光純薬製V50)の10%水溶液を2.8g添加した。ジャケットを徐々に昇温し、5時間かけて内温を55℃に到達させた。この間重合の進行に伴って重合粒子が析出しスラリーとなった。その後1時間かけて内温を70℃まで昇温し、70℃で1時間保持した。さらに1時間かけて90℃まで昇温し、90℃で2時間保持して重合を完結させた。内容物は均一なスラリーとなり、N−ビニルホルムアミドの転化率は94%、アクリロニトリルの転化率は99%であった。
内温を60℃まで冷却し、硫酸ヒドロキシルアミン16.9gを加え、60℃で1時間反応させて残存するN−ビニルホルムアミドを分解した。ここにメタノール198gと35%塩酸239gを添加した後、内温を70℃まで昇温した。70℃で3時間保持して加水分解反応を行った。
ここにさらにイソプロパノール420gを添加し、ジャケット温度を85℃に設定して昇温した。内温の上昇に伴ってメタノールと蟻酸メチルが溜出した。溜出終了後、内温80℃に保ち、イソプロパノールの還流下に15時間保持し、熟成工程を実施した。反応終了後、内温を45℃まで冷却した。最初150torrから、最終的には50torrの減圧下にイソプロパノールを溜去した。 得られた製品は均一な分散液であり、平均粒子径は137μmであった。製品を1ヶ月間静置しても沈降は認められず分散状態を維持していた。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様の重合反応操作を行い重合体スラリーを得た。
続いて実施例1と同様に、硫酸ヒドロキシルアミン16.9gを加え、残存するN−ビニルホルムアミドを分解した。ここにメタノール198gと35%塩酸239gを添加した後、内温を70℃まで昇温した。70℃で8時間保持して加水分解反応を行った。反応終了後、内温を60℃まで冷却した。最初400torrから最終的には200torrの減圧下に3時間かけて蟻酸メチルとメタノールを溜去した。
得られた製品は均一な分散液であり、製品を1ヶ月間静置しても沈降は認められず分散状態を維持していた。分析値を表1に示す。アミジン化率の低い製品は加熱熟成工程でイソプロパノールを使用することなく製造可能であることがわかった。
【0036】
(実施例3)
重合時の組成を、ポリアミジン塩酸塩14g、塩化ナトリウム70g、脱塩水879.1g、ポリエチレングリコール140g、N−ビニルホルムアミド156.7g(純度91%、N−ビニルホルムアミドとして142.6g)、アクリロニトリル118.2g、アクリル酸メチル19.2gとした以外は実施例1と同様の操作を行った。内容物は均一なスラリーとなり、N−ビニルホルムアミドの転化率は95%、アクリロニトリルの転化率は99%であった。
続いて実施例1と同様に硫酸ヒドロキシルアミン16.5gを加え、残存するN−ビニルホルムアミドを分解した。ここにメタノール193gと35%塩酸232gを添加し、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
ここにさらにイソプロパノール420gを添加し、実施例1と同様に熟成工程を実施した後、イソプロパノールを溜去した。
得られた製品は均一な分散液であり、平均粒子径は54μmであった。製品を1ヶ月間静置しても沈降は認められず分散状態を維持していた。この結果からアクリル酸エステルを共重合させると特異な効果を示すことがわかった。
【0037】
(比較例1)
重合時にポリエチレングリコールを用いない以外は実施例1と同様な操作を行った。
すなわち重合時の組成を、ポリアミジン塩酸塩(MK6450)14g、塩化ナトリウム70g、脱塩水1018.7g、N−ビニルホルムアミド161g(純度91%、N−ビニルホルムアミドとして146.5g)、アクリロニトリル133.5gとした以外は実施例1と同様の操作を行った。内容物は均一なスラリーとなり、N−ビニルホルムアミドの転化率は94%、アクリロニトリルの転化率は97%であった。
続いて実施例1と同様に、硫酸ヒドロキシルアミン16.9gを加え、残存するN−ビニルホルムアミドを分解した。ここにポリエチレングリコール(三洋化成PEG20000)140gを添加して均一に溶解させた。さらにメタノール198gと35%塩酸239gを添加し、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
ここにさらにイソプロパノール420gを添加し、実施例1と同様に熟成工程を実施した。3時間後、内容物はスラリーを保持できなくなり、急激に増粘し、撹拌不可能となった。
このことから、ポリエチレングリコールが重合反応時に存在している必要があることがわかった。
【0038】
(比較例2)
重合時にポリアミジンを用いない操作を行った。
すなわち重合時の組成を、脱塩水962.7g、ポリエチレングリコール(三洋化成製PEG20000)140g、N−ビニルホルムアミド161g(純度91%、N−ビニルホルムアミドとして146.5g)、アクリロニトリル133.5gとした以外は実施例1と同様の操作を行った。内容物は均一なスラリーとなり、N−ビニルホルムアミドの転化率は95%、アクリロニトリルの転化率は99%であった。スラリーの粒径は500〜1000μmとかなり大きかった。
続いて実施例1と同様に、硫酸ヒドロキシルアミン16.9gを加え、残存するN−ビニルホルムアミドを分解した。ここにメタノール198gと35%塩酸239gを添加し加水分解反応を行った。
ここにさらにイソプロパノール420gを添加し、実施例1と同様に熟成工程を実施した後、イソプロパノールを溜去した。
得られた製品は均一な分散液であったが、その粒子径は5μmから500μmまで広い分布を有していた。1ヶ月静置すると上澄みが生じ、粗大粒子の沈澱が生じたことがわかった。
このことから、微細で安定な水性分散液を得るためには、ポリアミジンが重合反応時に存在している必要があることがわかった。
【0039】
【表1】
Figure 0003945067
【0040】
【発明の効果】
本発明によって得られる水性分散液は、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして有用なポリアミジンを、水性媒体中に安定な分散液として保持した、高い有効成分濃度と良好な取扱性とを兼ね備えた製品である。また品質的には水に容易に急速に溶解し、粉塵を生成せず、分子量低下や不溶解分の生成などの問題点もない。また油中水型エマルションのような有機溶媒や乳化剤を必要とせず、臭気や引火性、環境負荷の増大等の問題点がない。
このように本製品は従来にない性質を兼ね備えた優れたものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aqueous dispersion and a method for producing the same. Specifically, a water-soluble cationic polymer useful as a flocculant in the field of water treatment, particularly in wastewater treatment, and as a papermaking agent in the paper industry, is retained as a stable dispersion in an aqueous medium, and has a high active ingredient concentration. The present invention relates to an aqueous dispersion having good handleability and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
The water-soluble cationic polymer is a useful substance that is widely used as a flocculant in the field of water treatment, particularly in wastewater treatment, and as a papermaking agent in the paper industry. In particular, a polymer having an amidine structure represented by the general formula (1) obtained by hydrolyzing a copolymer containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile (hereinafter referred to as polyamidine) is an agglomeration dehydration of sludge. It is known that it exhibits good performance as an additive or a paper additive (Japanese Patent Laid-Open No. 6-123096).
[0003]
[Chemical 1]
Figure 0003945067
[0004]
(Wherein R 1 , R 2 Is a hydrogen atom or a methyl group, X - Represents an anion. )
In general, the aggregation performance required for such water treatment chemicals depends on the molecular weight, and the higher the molecular weight, the better the aggregation performance. However, an aqueous solution of a high-molecular-weight water-soluble cationic polymer has an extremely high solution viscosity and cannot be handled unless it has a low concentration of several percent or less. This is an extremely large limitation in the manufacturing process, product distribution, usage process, and the like. For this reason, solid powder has been the mainstream as a product form of the water-soluble cationic polymer. However, solid powder tends to generate dust, and there are operational problems such as a very long time required for the melting step prior to use. In addition, heat degradation is likely to occur during the heat-drying process when producing powder, resulting in quality problems such as a decrease in molecular weight and agglomeration performance, or generation of insolubles and contamination by foreign matter. .
[0005]
In order to solve the above-mentioned problems of powder products, water-in-oil emulsions have been proposed and commercialized. In a water-in-oil emulsion, an organic solvent such as isoparaffin is used as a continuous phase, and a high concentration aqueous solution of a water-soluble cationic polymer is present as a dispersed phase. For this reason, since the active ingredient concentration is high and the liquid viscosity is low, the handleability is excellent. JP-A-2-222404 and JP-A-5-309208 disclose water-in-oil emulsions of cationic polymers derived from N-vinylcarboxylic acid amides. However, since water-in-oil emulsions require large amounts of organic solvents and emulsifiers, they have problems such as odor, flammability, and increased environmental load.
[0006]
In order to solve this problem, a combination of an aqueous medium and a water-soluble cationic polymer, which is an aqueous medium and is a poor solvent for the water-soluble cationic polymer, is selected. Aqueous dispersions that retain a cationic cationic polymer in a dispersed state and have both a high active ingredient concentration and excellent handling properties have been developed. For example, Japanese Patent Publication No. 6-51755 discloses an aqueous dispersion in which an acryloyloxyethyldimethylbenzylammonium chloride copolymer is dispersed in a concentrated sulfate aqueous solution. In JP-A-9-296013, N-vinylformamide alone or a copolymer of N-vinylformamide and (meth) acrylonitrile is polymerized in an aqueous polyethylene glycol solution, followed by acid hydrolysis, and water-soluble cationic properties. A method for obtaining a polymer dispersion is disclosed.
[0007]
In addition, such an aqueous dispersion has been developed for polyamidine. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 9-296013 discloses that when the final product has a relatively high concentration of polyethylene glycol or the like, the final product is in a dispersed state. This is because polyamidine is a water-soluble polymer, but is incompatible with polyethylene glycol and the like, and therefore utilizes a phenomenon that exists in phase separation in a high-concentration aqueous solution of polyethylene glycol and the like. JP-A-8-188699 discloses an aqueous dispersion in which a polymer having an amidine structure is dispersed in an aqueous nitrate solution. Further, JP-A-9-296013 discloses an aqueous dispersion in which a polymer having an amidine structure is dispersed in a mixed salt aqueous solution of sodium chloride and sodium sulfate. These take advantage of the low solubility of polyamidine in high-concentration aqueous solutions of specific salts.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, in an aqueous dispersion of polyamidine, when an aqueous solution such as polyethylene glycol is used as a dispersion medium, a stable dispersion can be obtained only with a low molecular weight having a reduced viscosity of 1 or less. Is inferior in performance as a flocculant. If an attempt is made to obtain a high molecular weight product having a reduced viscosity of 2 or more, there is a problem that the dispersed particle size becomes large, polyamidine settles, becomes a cake-like lump and cannot be handled. This is because when the precursor polymer is obtained from N-vinylformamide and (meth) acrylonitrile, the particle size of the particles obtained in the presence of polyethylene glycol or the like is large, and when the polyamidine is obtained by hydrolysis, the polyamidine particles This is considered to be due to the action of the particles adhering together to increase the particle size.
[0009]
Furthermore, when a highly concentrated aqueous nitrate solution is used as a dispersion medium, there is a problem in the safety of the product because nitrate, which is a dangerous substance, must be used in a considerably large amount. When an aqueous sulfate solution is used, a large amount of polyvalent anion salt is contained, so that the cationic polymer may be insolubilized by cross-linking and cause a decrease in performance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above problems, the present inventors have found that a stable aqueous dispersion of a water-soluble cationic polymer can be obtained by a completely different method from the conventional method, and have reached the present invention. That is, the present invention First The gist is , N -A monomer mixture comprising vinyl carboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is copolymerized in an aqueous medium to obtain an aqueous dispersion of a substantially water-insoluble copolymer, which is then hydrolyzed with an aqueous solution. Dispersion How to manufacture And the copolymerization reaction is carried out by using a water-soluble cationic polymer compound (except for (co) polymerized N-vinylpyrrolidone) and polyethylene glycol. Or in a system containing 0.1 to 10% water-soluble cationic polymer compound and 5 to 30% polyethylene glycol Characterized by doing Who Lies in the law.
The second gist is After the acid hydrolysis reaction, an alcohol and / or ketone having a boiling point of 60 ° C. to 100 ° C. and a water solubility of 10% or more is present in an amount of 10% or more with respect to the water present in the system, At temperatures between 60 ° C and 100 ° C Until the amidineization rate reaches 30% or more Perform aging reaction It is characterized by Lies in the way.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
General formula CH used in the present invention 2 N-vinylcarboxylic amide represented by = CHNHCOR (wherein R represents a hydrogen atom or a methyl group) includes N-vinylformamide and N-vinylacetamide. For the purpose of obtaining a combined hydrolyzate, N-vinylformamide is preferred because of the good hydrolyzability of the polymer. Further, since (meth) acrylonitrile is an essential component as a copolymerization component, acrylonitrile is preferable in consideration of copolymerizability with N-vinylcarboxylic acid amide.
[0012]
A monomer mixture containing such N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is copolymerized to obtain a polymer, which is then hydrolyzed with an acid, and a primary amino group generated from N-vinylcarboxylic acid amide, Adjacent (meth) acrylonitrile cyano groups react to form a polymer having an amidine structure. The molar ratio of N-vinylcarboxylic acid amide to be used and (meth) acrylonitrile is not particularly limited, but a ratio close to 1: 1 is preferable because it is expected that a larger amount of amidine structure after hydrolysis is included. The molar ratio is preferably 95: 5 to 5:95, more preferably 60:40 to 40:60.
[0013]
The copolymerization of a monomer mixture containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is most commonly performed in an aqueous medium. The copolymer here is generally insoluble in water, and is a so-called dispersion polymerization in which the polymer is precipitated as the polymerization proceeds. In the case of this dispersion polymerization, depending on the conditions, the polymer solidifies in a lump, and stirring becomes difficult and the reaction cannot be controlled. Therefore, the dispersion polymerization is generally performed in the presence of a dispersant. As the dispersant, a surfactant or the like can be used, but the polymer dispersant generally shows an excellent effect.
[0014]
In the present invention, when a monomer mixture containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is copolymerized in an aqueous medium, it is polymerized in the presence of a water-soluble cationic polymer compound and polyethylene glycol. This is an essential requirement. Polymerized particles obtained in the presence of only polyethylene glycol are large, especially when the polymer has a high molecular weight. When the polymer particles are hydrolyzed to obtain an aqueous dispersion of a water-soluble cationic polymer, the particle diameter of the dispersion reflects the polymer particle diameter and tends to settle. On the other hand, polymer particles obtained in the presence of only the water-soluble cationic polymer compound have a much smaller particle size than when polyethylene glycol is used. However, hydrolysis of such polymer particles proceeds the hydrolysis. As a result, the particles aggregate to form a lump, and a dispersion cannot be obtained. Further, even when polymerized particles are obtained in the presence of only the water-soluble cationic polymer compound and polyethylene glycol is present at the time of hydrolysis, particle aggregation at the time of hydrolysis cannot be suppressed, and a dispersion cannot be obtained.
[0015]
However, polymer particles obtained by polymerization in the presence of a water-soluble cationic polymer compound and polyethylene glycol are extremely small. Also, when such polymer particles are hydrolyzed, even if the hydrolysis proceeds, the particles are not separated. It was found that an aqueous polyamidine dispersion in which adhesion was suppressed and good dispersibility was maintained was obtained. The reason why such an effect is obtained is unknown, but when the polymer particles are precipitated as the polymerization proceeds, both the water-soluble cationic polymer compound and the polyethylene glycol are simultaneously fixed on the surface of the polymer particles. The water-soluble cationic polymer compound, which is thought to cover the surface, gives a repulsion between particles by giving a charge to the particle surface, gives a fine particle size, and polyethylene glycol also protects the particle surface. It is considered that the increase in the adhesion of the particle surface accompanying the progress of the hydrolysis reaction is alleviated and the particle adhesion is suppressed. Therefore, these two kinds of protective agents need to be present in the system at the same time as the polymerization, in which case a remarkable effect is exhibited.
[0016]
The polyethylene glycol used in the present invention usually has a weight average molecular weight of 1,000 to 1,000,000, preferably 6,000 to 100,000, more preferably 10,000 to 40,000. . Polyethylene glycol may be a mixture of two or more different molecular weights. Moreover, the copolymer with another monomer may be sufficient. Specifically, a copolymer of ethylene glycol and propylene glycol can be exemplified. Moreover, the terminal group may be modified in some form. Specific examples include terminal methyl etherified polyethylene glycol and terminal acetylated polyethylene glycol. Polyethylene glycol is added to the system in an amount of 0.5 to 50%, preferably 1 to 30%, more preferably 2 to 20%, and still more preferably 5 to 10%. If the amount added is too large, the viscosity of the system becomes too high and the dispersibility is hindered. Moreover, when there are too few addition amounts, a protective effect will fall. The method for adding polyethylene glycol may be present collectively at the start of polymerization, or only a part may be added at the time of polymerization, and the remainder may be added after the modification step.
[0017]
The water-soluble cationic polymer compound used together with polyethylene glycol in the present invention is not particularly limited in kind, but polyvinylamine or a salt thereof, polyamidine or a salt thereof, polyethyleneimine or a salt thereof, polydiallyldimethylammonium chloride. , Poly (2-dimethylaminoethyl (meth) acrylate) or a quaternary salt thereof, and a compound containing one or more structures selected from cationized starch. Polyvinylamine or a salt thereof, polyamidine or a salt thereof, polyethyleneimine or a salt thereof, and polydiallyldimethylammonium chloride are preferable, and polyvinylamine or a salt thereof, a polyamidine or a salt thereof is particularly preferable as it does not change in the hydrolysis step after polymerization. Salt. These water-soluble cationic polymer compounds may be homopolymers or copolymers in their structure, or may be a mixture of two or more. Moreover, since N-vinylcarboxylic acid amide is easily hydrolyzed at a pH other than neutral, these water-soluble cationic polymer compounds need to be neutralized in a state where they exist in the polymerization system. The addition amount of these water-soluble cationic polymers is preferably 0.1 to 10% with respect to the polymerization system. If the amount added is too large, the viscosity of the system becomes too high and the dispersibility is hindered. If the amount is too small, the effect is low. The molecular weight of these water-soluble cationic polymer compounds is not particularly limited, but those having a number average molecular weight of 1,000 to 10,000,000 are used.
[0018]
The dispersion effect is generally larger for the polymer having a high molecular weight. However, when such a polymer having a high molecular weight is added to the system, the liquid viscosity of the polymerization system becomes high and unit operation may be difficult. In such a case, the coexistence of a neutral inorganic salt is effective in reducing the liquid viscosity. As such a neutral salt, sodium chloride, sodium nitrate, ammonium chloride, ammonium nitrate, potassium chloride, lithium nitrate and the like are preferable.
[0019]
The monomer mixture containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile can contain other monomers copolymerizable therewith. Examples of such a monomer include (meth) acrylic acid alkyl ester, styrene, α-olefin, alkyl vinyl ether, (meth) acrylamide, (meth) acrylic acid, N-vinylpyrrolidone, and the like. When the alkyl ester is contained, the dispersion stability of the dispersion is particularly improved. The reason for this is not clear, but the presence of (meth) acrylic acid alkyl ester having a hydrophobic group in the polymer makes the copolymer particles hydrophobic, thereby suppressing particle adhesion and polymer particle adhesion. The effect is considered. Furthermore, in the hydrolysis step after polymerization, the (meth) acrylic acid alkyl ester and the primary amino group react to form a lactam. As a result, the polyamidine is imparted with hydrophobicity and has the effect of suppressing particle adhesion. Inferred.
[0020]
The monomer concentration in the system during the polymerization reaction is controlled in the range of 5 to 50%. Preferably it is 10 to 40%, More preferably, it is 15 to 30%. If the monomer concentration is too high, the polymer concentration increases with the progress of polymerization, and the dispersed state cannot be maintained. When the monomer concentration is too low, it is difficult to obtain a high molecular weight polymer, and productivity is lowered. As a method for supplying the monomer into the system, batch charging may be performed at the initial stage of the reaction or continuous supply, but batch charging is preferable in order to obtain a high molecular weight product.
[0021]
As the polymerization initiator, general initiators used in ordinary radical polymerization are used, and specific examples include azo-based initiators, organic peroxides, persulfates, and redox catalysts. An azo initiator is preferable, and a water-soluble azo initiator is more preferable. Specifically, 2,2′-azobis-2-amidinopropane dihydrochloride, 2,2′-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, and the like can be exemplified. Such an initiator is usually used in an amount of 0.01 to 5% by weight based on the monomer, and the initiator may be used alone or in combination of two or more. It is also possible to add it during the reaction.
[0022]
The polymerization reaction is preferably performed in an inert gas atmosphere. The polymerization temperature is usually operated at 30 to 100 ° C. In order to prevent a sudden rise in internal temperature and maintain a stable dispersion state, it is preferable to operate under strong stirring.
[0023]
The aqueous dispersion of the polymer obtained as described above is desirably decomposed unreacted N-vinylcarboxylic amide prior to hydrolysis. Any known method can be used for decomposing N-vinylcarboxylic acid amide, but it is desirable to use hydroxylamines as disclosed in JP-A-5-86127.
[0024]
In addition, the hydrolysis method of the copolymer is not particularly limited, and a known method can be used. However, a copolymer containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is an insoluble polymer under basic conditions. Since it is easy to produce | generate, it is desirable to hydrolyze on acidic conditions. Examples of the acid to be used include hydrochloric acid, hydrogen bromide, hydrogen fluoride, nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, sulfamic acid, alkanesulfonic acid and the like, with hydrochloric acid being particularly preferred. These acids may be added as a single compound or may be added as a solution such as an aqueous solution. Moreover, you may add as a 2 or more types of mixture.
The hydrolysis rate of N-vinylcarboxylic acid amide is adjusted to a desired value by appropriately adjusting the amount of acid added, the reaction temperature, and the reaction time. Usually, the conditions are selected such that the hydrolysis rate is 5 mol% or more, preferably 50 mol% or more, more preferably 70 mol% or more. That is, the amount of acid used is 0.05 to 3 equivalents, preferably 0.5 to 2 equivalents, more preferably 0.7 to 1.5 equivalents, relative to the N-vinylcarboxylic acid amide in the polymer. . As conditions for the hydrolysis reaction, the temperature is 40 to 130 ° C, preferably 60 to 100 ° C. If the temperature is too low, the reaction proceeds slowly, and if the temperature is too high, the performance of the product deteriorates. The reaction time is usually about 0.5 to 10 hours. The reaction may be carried out under pressure depending on the system composition and temperature conditions. Since an N-vinylcarboxylic acid amide unit produces an acid residue by hydrolysis, the acid residue can be distilled off as an ester when an alcohol is added during the hydrolysis reaction. As the alcohol, methanol is particularly preferable.
[0025]
When a copolymer containing N-vinylcarboxylic acid amide and (meth) acrylonitrile is hydrolyzed, an amino group is generated by hydrolysis, and then the cyano group adjacent to the amino group reacts to form amidine. When the ratio of the cyano group contained in the polymer converted to amidine is expressed as an amidine conversion rate, the higher the amidine conversion rate, the better the aggregation performance. The amidation rate is preferably 20% or more, more preferably 50% or more, and further preferably 60% or more. Amidine is generated even under normal hydrolysis reaction conditions, but it is generated more rapidly as the temperature is higher. Therefore, it is preferable to heat and age the system after the hydrolysis reaction until a sufficient amidination rate is obtained. The heat aging reaction is performed at 60 to 150 ° C, preferably 70 to 120 ° C, more preferably 80 to 100 ° C.
[0026]
Under the conditions of the present invention, the produced polyamidine is not dissolved in the aqueous medium and maintained in the dispersed state through the hydrolysis step and the heat aging step. However, amidine is highly adherent and is particularly prone to high temperatures. For this reason, for example, when trying to obtain a product having a high amidation rate such that the amidation rate is 30% or more, particle adhesion is likely to occur in the heat aging step, coarse particles are generated, the product settles, In some cases, dispersion cannot be maintained and stirring becomes impossible. The inventors of the present invention conducted a heat aging step in which an alcohol and / or ketone having a boiling point of 60 ° C. to 100 ° C. and a solubility in water of 10% or more is 10% or more with respect to the water present in the system. It has been found that such particle adhesion can be almost completely suppressed by carrying out the aging reaction in the presence of. Specific examples of alcohol and ketone include methanol, ethanol, N-propanol, isopropanol, and methyl ethyl ketone, with isopropanol being particularly preferred. These compounds may be used alone or as a mixture.
[0027]
The amount of these compounds is effective at 10% or more with respect to the water present in the system, preferably 20% or more, more preferably 30% or more, and even more preferably 40% or more. is there. If the alcohol used at the time of hydrolysis remains, it can be used, or it may be added again after the alcohol used at the time of hydrolysis is distilled off. The aging reaction may be performed under pressure according to the composition of the system and the reaction temperature. Even if alcohol and ketone remain in the system after completion of the ripening reaction, there is no problem in performance, but it is preferable to remove them from problems such as safety and odor. In order to remove these, if distilled off under reduced pressure at a temperature of 60 ° C. or lower, the particles can be removed without causing adhesion of dispersed particles.
[0028]
On the other hand, when trying to obtain a product having a low amidation rate of less than 30%, problems due to particle adhesion are unlikely to occur in the heating and aging step, and therefore alcohol and / or ketone is used in the step. It is not necessary to be present more than 10% with respect to the water present therein.
[0029]
The aqueous polyamidine dispersion obtained by the present invention has a high concentration aqueous solution of polyamidine precipitated and dispersed in an aqueous medium in a phase-separated state, and the dispersed particle size is small and can be stably stored without causing sedimentation. This phase separation phenomenon utilizes the incompatibility between a polymer having an amidine structure and polyethylene glycol. Accordingly, when both are present at a high concentration, the dispersion state is maintained, but when the aqueous dispersion is largely diluted with water, it is uniformly mixed. Since the particle size of the dispersed particles is very fine, the time required for dilution and dissolution is extremely short compared to a solid powder product.
[0030]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not limited to a following example, unless the summary is exceeded.
[0031]
(Physical property measurement)
Polyamidine was precipitated and purified from a large amount of isopropanol, dried, and used for reduced viscosity, cation equivalent, and NMR measurements.
The reduced viscosity was measured at 25 ° C. using an Ostwald viscometer after dissolving the polymer in a 1N NaCl aqueous solution (concentration: 0.1 g / dl).
The cation equivalent was pH = 2.5 and titrated with 1 / 400N PVSK solution using toluidine blue as an indicator.
The product concentration was determined from the ratio between the cation equivalent of the dispersion and the cation equivalent of the precipitated and purified sample.
Amidination rate is 20% D 2 O / 80% H 2 The sample was dissolved in O solvent at a concentration of about 5% and measured using 13C-NMR. From the intensities of δ 122 ppm (cyano group) and δ 172 ppm (amidine group), the amidine conversion rate was calculated using equation (2).
[0032]
[Expression 1]
Figure 0003945067
[0033]
(Here, σ122: strength of cyano group, σ172: strength of amidine group.) The average particle size of the dispersion was measured using a laser scan / image analysis system particle size distribution analyzer Model CIS-1 manufactured by GALAI.
[0034]
Example 1
14 g of polyamidine hydrochloride (Diaclear (registered trademark) MK6450 manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, reduced viscosity 3.7 dl / g) and 70 g of sodium chloride were uniformly dissolved in 878.7 g of demineralized water, and pH = 6.5 using aqueous ammonia. Adjusted. 140 g of polyethylene glycol (PEG 20000 manufactured by Sanyo Kasei), 161 g of N-vinylformamide as a monomer (purity 91%, 146.5 g as N-vinylformamide) and 133.5 g of acrylonitrile were added and dissolved uniformly. The prepared solution was placed in a 2 L jacketed stainless steel reactor coated with Teflon (registered trademark) on the inside, and cooled to 10 ° C., and then nitrogen was sufficiently passed to remove dissolved oxygen. The flow of nitrogen was stopped, the system was heated to 45 degrees, and 2.8 g of a 10% aqueous solution of 2,2′-azobisamidinopropane hydrochloride (V50 manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added. The temperature of the jacket was gradually raised, and the internal temperature reached 55 ° C. over 5 hours. During this time, with the progress of polymerization, polymer particles were precipitated to form a slurry. Thereafter, the internal temperature was raised to 70 ° C. over 1 hour and held at 70 ° C. for 1 hour. Furthermore, it heated up to 90 degreeC over 1 hour, and it hold | maintained at 90 degreeC for 2 hours, and superposition | polymerization was completed. The content was a uniform slurry, and the conversion rate of N-vinylformamide was 94% and the conversion rate of acrylonitrile was 99%.
The internal temperature was cooled to 60 ° C., 16.9 g of hydroxylamine sulfate was added, and the mixture was reacted at 60 ° C. for 1 hour to decompose the remaining N-vinylformamide. After adding 198 g of methanol and 239 g of 35% hydrochloric acid, the internal temperature was raised to 70 ° C. The hydrolysis reaction was carried out by maintaining at 70 ° C. for 3 hours.
Further, 420 g of isopropanol was added thereto, and the temperature was raised by setting the jacket temperature to 85 ° C. As the internal temperature rose, methanol and methyl formate distilled out. After completion of the distillation, the internal temperature was maintained at 80 ° C., and the aging process was carried out by maintaining for 15 hours under reflux of isopropanol. After completion of the reaction, the internal temperature was cooled to 45 ° C. Isopropanol was distilled off from a pressure of 150 torr at first and finally under a reduced pressure of 50 torr. The obtained product was a uniform dispersion, and the average particle size was 137 μm. Even if the product was allowed to stand for 1 month, no sedimentation was observed and the product was kept dispersed.
[0035]
(Example 2)
The same polymerization reaction operation as in Example 1 was performed to obtain a polymer slurry.
Subsequently, in the same manner as in Example 1, 16.9 g of hydroxylamine sulfate was added to decompose the remaining N-vinylformamide. After adding 198 g of methanol and 239 g of 35% hydrochloric acid, the internal temperature was raised to 70 ° C. The hydrolysis reaction was carried out by maintaining at 70 ° C. for 8 hours. After completion of the reaction, the internal temperature was cooled to 60 ° C. First, methyl formate and methanol were distilled off over 3 hours under a reduced pressure of 400 torr to 200 torr.
The obtained product was a uniform dispersion, and even when the product was allowed to stand for 1 month, no settling was observed and the dispersion was maintained. The analytical values are shown in Table 1. It was found that products with a low amidination rate can be produced without using isopropanol in the heat aging process.
[0036]
(Example 3)
The composition during polymerization was 14 g of polyamidine hydrochloride, 70 g of sodium chloride, 879.1 g of demineralized water, 140 g of polyethylene glycol, 156.7 g of N-vinylformamide (purity 91%, 142.6 g as N-vinylformamide), acrylonitrile 118. The same operation as in Example 1 was performed except that 2 g and 19.2 g of methyl acrylate were used. The content was a uniform slurry, and the conversion rate of N-vinylformamide was 95% and the conversion rate of acrylonitrile was 99%.
Subsequently, 16.5 g of hydroxylamine sulfate was added in the same manner as in Example 1 to decompose the remaining N-vinylformamide. To this, 193 g of methanol and 232 g of 35% hydrochloric acid were added, and a hydrolysis reaction was carried out in the same manner as in Example 1.
To this, 420 g of isopropanol was further added, and the aging step was carried out in the same manner as in Example 1. Then, isopropanol was distilled off.
The obtained product was a uniform dispersion, and the average particle size was 54 μm. Even if the product was allowed to stand for 1 month, no sedimentation was observed and the product was kept dispersed. From this result, it was found that copolymerization of acrylic acid ester showed a unique effect.
[0037]
(Comparative Example 1)
The same operation as in Example 1 was performed except that polyethylene glycol was not used during the polymerization.
That is, the composition at the time of polymerization was 14 g of polyamidine hydrochloride (MK6450), 70 g of sodium chloride, 1018.7 g of demineralized water, 161 g of N-vinylformamide (purity 91%, 146.5 g as N-vinylformamide), 133.5 g of acrylonitrile, The same operation as in Example 1 was performed except that. The content became a uniform slurry, and the conversion rate of N-vinylformamide was 94% and the conversion rate of acrylonitrile was 97%.
Subsequently, in the same manner as in Example 1, 16.9 g of hydroxylamine sulfate was added to decompose the remaining N-vinylformamide. Here, 140 g of polyethylene glycol (Sanyo Kasei PEG 20000) was added and dissolved uniformly. Further, 198 g of methanol and 239 g of 35% hydrochloric acid were added, and the hydrolysis reaction was carried out in the same manner as in Example 1.
To this, 420 g of isopropanol was further added, and the aging step was carried out in the same manner as in Example 1. After 3 hours, the contents could not hold the slurry, rapidly thickened, and could not be stirred.
From this, it was found that polyethylene glycol needs to be present during the polymerization reaction.
[0038]
(Comparative Example 2)
An operation without using polyamidine was performed during the polymerization.
In other words, the composition at the time of polymerization was 962.7 g of demineralized water, 140 g of polyethylene glycol (PEG 20000 manufactured by Sanyo Kasei), 161 g of N-vinylformamide (purity 91%, 146.5 g as N-vinylformamide), and 133.5 g of acrylonitrile. The same operation as in Example 1 was performed. The content was a uniform slurry, and the conversion rate of N-vinylformamide was 95% and the conversion rate of acrylonitrile was 99%. The particle size of the slurry was quite large, 500-1000 μm.
Subsequently, in the same manner as in Example 1, 16.9 g of hydroxylamine sulfate was added to decompose the remaining N-vinylformamide. To this, 198 g of methanol and 239 g of 35% hydrochloric acid were added to conduct a hydrolysis reaction.
To this, 420 g of isopropanol was further added, and the aging step was carried out in the same manner as in Example 1. Then, isopropanol was distilled off.
The obtained product was a uniform dispersion, but its particle size had a wide distribution from 5 μm to 500 μm. It was found that after standing for 1 month, a supernatant was formed and precipitation of coarse particles occurred.
From this, it was found that polyamidine must be present during the polymerization reaction in order to obtain a fine and stable aqueous dispersion.
[0039]
[Table 1]
Figure 0003945067
[0040]
【The invention's effect】
The aqueous dispersion obtained by the present invention is a highly active ingredient in which a polyamidine useful as a flocculant in the field of water treatment, particularly in wastewater treatment, and as a papermaking agent in the paper industry, is retained as a stable dispersion in an aqueous medium. It is a product that combines concentration and good handling. In terms of quality, it dissolves easily and rapidly in water, does not produce dust, and has no problems such as molecular weight reduction or insoluble matter generation. Moreover, an organic solvent and an emulsifier such as a water-in-oil emulsion are not required, and there are no problems such as odor, flammability, and increase in environmental load.
In this way, this product is an excellent product with unprecedented properties.

Claims (9)

一般式CH2=CHNHCOR(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとを含むモノマー混合物を水性媒体中で共重合して実質的に水に不溶な共重合体の水性分散液を製造する方法であって、共重合反応を水溶性カチオン性高分子化合物(但しN−ビニルピロリドンを(共)重合させたものを除く)とポリエチレングリコールの存在下に行うことを特徴とする方法。A monomer mixture containing an N-vinylcarboxylic acid amide represented by the general formula CH 2 = CHNHCOR (wherein R represents a hydrogen atom or a methyl group) and (meth) acrylonitrile is substantially copolymerized in an aqueous medium. A method for producing an aqueous dispersion of a copolymer insoluble in water, wherein the copolymerization reaction is carried out by using a water-soluble cationic polymer compound (except that (co) polymerized N-vinylpyrrolidone) and polyethylene. A method which is carried out in the presence of glycol. モノマー混合物が(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。  The process according to claim 1, characterized in that the monomer mixture comprises (meth) acrylic acid esters. 水溶性カチオン性高分子化合物が、ポリビニルアミンあるいはその塩、ポリアミジンあるいはその塩、ポリエチレンイミンあるいはその塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ(2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)あるいは、その四級塩、カチオン化澱粉から選ばれる1種類以上の構造を含む化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。The water-soluble cationic polymer compound is polyvinylamine or a salt thereof, polyamidine or a salt thereof, polyethyleneimine or a salt thereof, polydiallyldimethylammonium chloride, poly (2-dimethylaminoethyl (meth) acrylate) or a quaternary salt thereof. characterized in that it is a compound containing one or more structures selected from cationic starch, the method according to claim 1 or 2. 一般式CH2=CHNHCOR(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとを含むモノマー混合物を水性媒体中で共重合して実質的に水に不溶な共重合体の水性分散液を生成させ、次いでこれを酸加水分解する水性分散液の製造方法であって、共重合反応を水溶性カチオン性高分子化合物(但しN−ビニルピロリドンを(共)重合させたものを除く)とポリエチレングリコールの存在下に行うことを特徴とする方法。A monomer mixture containing an N-vinylcarboxylic acid amide represented by the general formula CH 2 = CHNHCOR (wherein R represents a hydrogen atom or a methyl group) and (meth) acrylonitrile is substantially copolymerized in an aqueous medium. An aqueous dispersion of a copolymer insoluble in water is produced, and this is then subjected to acid hydrolysis, wherein the copolymerization reaction is carried out with a water-soluble cationic polymer compound (provided that N-vinylpyrrolidone is used). And (in the presence of polyethylene glycol), and in the presence of polyethylene glycol. モノマー混合物が(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。The process according to claim 4 , characterized in that the monomer mixture comprises (meth) acrylic acid esters. 水溶性カチオン性高分子化合物が、ポリビニルアミンあるいはその塩、ポリアミジンあるいはその塩、ポリエチレンイミンあるいはその塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ(2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)あるいはその四級塩、カチオン化澱粉から選ばれる1種以上の構造を含む化合物であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。Water-soluble cationic polymer compound is polyvinylamine or its salt, polyamidine or its salt, polyethyleneimine or its salt, polydiallyldimethylammonium chloride, poly (2-dimethylaminoethyl (meth) acrylate) or its quaternary salt, The method according to claim 4 , wherein the compound comprises one or more structures selected from cationized starches. 加水分解反応をアミジン化率が20%以上となるように行うことを特徴とする、請求項ないしのいずれかに記載の方法。The method according to any one of claims 4 to 6 , wherein the hydrolysis reaction is carried out so that the amidineation rate is 20% or more. 加水分解反応後、沸点が60℃ないし100℃であり水に対する溶解度が10%以上であるようなアルコール及び/又はケトンを、系中に存在する水に対して10%以上存在させて、60℃ないし100℃の温度において、アミジン化率が30%以上となるまで熟成反応を行うことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の方法。After the hydrolysis reaction, an alcohol and / or ketone having a boiling point of 60 ° C. to 100 ° C. and a water solubility of 10% or more is present in an amount of 10% or more with respect to the water present in the system. The method according to any one of claims 4 to 7 , wherein the aging reaction is carried out at a temperature of from 100 to 100 ° C until the amidination rate becomes 30% or more. 請求項ないしのいずれかに記載の方法で得られた水性分散液。An aqueous dispersion obtained by the method according to any one of claims 4 to 8 .
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