JP3941087B2 - 定量可能な輸液セット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定量可能な輸液セットに関する。さらに詳しくは、精密な薬液を静脈内に投与する際に使用される定量可能な輸液セットである。
【0002】
【従来の技術】
抗生物質、抗癌剤、狭心症治療剤などの薬剤や幼児や子供などへ輸液を投与する場合は、これらの薬剤や輸液が少量であることを注意深く守られなくては、患者の生命が危険にさらされることがある。このように精密な薬液管理を必要とする薬剤を患者に投与する場合、図4に示すような透明なプラスチック容器に目盛りを付した定量筒(106)を瓶針(101)の下に設けた輸液セット(100)が従来から用いられる。
【0003】
このような定量筒(106)を備えた輸液セット(100)を使用する場合、使用者は薬液ボトルに瓶針(101)を穿通し、定量筒(106)内に薬液を流入させ、定量筒(106)の目盛りと薬液の面を見ながら所定量に達すると上部クランプ(102)を閉じて、患者へ薬液の投与を行っていた。このように、使用者は定量筒(106)の近くで薬液の液面を確認する必要があり、特に薬液が無色透明な液体の場合は液面の確認作業が難しいという問題があった。そこで、定量筒の目盛部に対応した反対側の壁面をフィルムやテープを用いて着色するとで、薬液の液面を正確に読みとることを可能にした定量筒付き輸液セットが提案されている(特開平5−42221号公報)。
しかしながら、この定量筒を用いても、依然として使用者は定量筒の近くで、液面を見ながらクランプ操作を行う必要があり、作業が繁雑で時間を要していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、定量筒内の液面の確認作業が不要であり、任意の薬液量を正確に設定することが可能な輸液セットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的のために種々鋭意検討の結果、定量筒内を液密に摺動可能な摺動部材を採用することにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、上端部に通気孔と流入口を有し、かつ内部に中空の押子を有する摺動部材が液密に設けられた目盛り付き定量筒と、前記押子の下端と連結された点滴筒とを含んでなる定量可能な輸液セットである。
また、本発明は、輸液収容容器と連結する導入手段と、上端部に通気孔と流入口を有し、かつ内部に中空の押子を有する摺動部材が液密に設けられた目盛り付き定量筒と、前記導入手段と定量筒の前記流入口に連結される可撓性チューブと、前記押子の下端と連結された点滴筒と、該点滴筒の下端に連結される可撓性チューブを備えてなる定量可能な輸液セットである。
【0007】
ここで、定量筒は下端の内側に摺動部材の離脱を防止するストッパーを設けられていることが好ましい。また、キャップは混注部を有していても良く、通気孔には疎水性フィルターを有していても良い。さらにまた、可撓性チューブにはクランプを有していることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施態様を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の輸液セットを示す平面図、図2は定量筒の下端付近を示す拡大断面図、図3は定量筒キャップ付近を示す拡大断面図、図4は従来の定量筒付き輸液セットを示す平面図である。
【0009】
図1に示すように、本発明の輸液セット(1)は、輸液ラインの一端の可撓性チューブ(12)に輸液収容容器と連結する導入手段(11)を、輸液ラインの他端の可撓性チューブ(18)に注射針(19)を設け、この導入手段(11)と注射針(18)の間に、薬液を定量可能な定量筒(13)を設け、さらに、この定量筒(13)と注射針(19)の間に、点滴筒(17)を設けた構成になっている。そして、導入手段(11)と定量筒(13)の中間に可撓性チューブ(12)の開閉手段としての上部クランプ(121)を付設しており、輸液収容容器からの薬液流入を制御している。また、点滴筒(17)と注射針(19)の中間には、点滴速度調整手段としての下部クランプ(181)を付設して、点滴筒(13)内での薬液の滴下を確認しながら点滴速度の調整ができる構成になっている。
ここで、図1においては、可撓性チューブ(18)の一端に注射針(19)を備えた構成を例示したが、この構成は目的や用途に応じて注射針、タコ管、ゴム管、Y字管、コネクター、三方活栓またはこれらを組み合わせたものが適宜選択して設けられる。
【0010】
定量筒(13)の上端には、図3に示すように、フィルター(143)を備えた通気孔(141)と、導入手段からの薬液を定量筒(13)内に流入させる流入口(142)と、適宜必要な薬液を注入すことが可能な混注部(143)を有する定量筒キャップ(14)を備えた構成になっている。そして、定量筒(13)の内部には、図2に示すように、定量筒(13)内周壁に沿って液密に摺動可能でかつ排出口(151)を有する摺動部材(15)と、この排出口(151)と点滴筒(17)の上端部に連結される硬質材料で形成された中空の押子(16)を有する構成とし、押子(16)を上下に動かすことにより任意の薬液量を自由に設定することが可能になっている。
【0011】
定量筒(13)は、その内壁に定量筒内の体積に対応した目盛り(131)が付されており、下端の内側には摺動部材の離脱を防止するストッパー(132)が設けられ、上端には通気孔(141)、流入口(142)、混注部(143)等が用途に応じて設けられている。定量筒(13)は内部の薬液を容易に視認可能な透明な樹脂材料、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等が用いられる。図1および3において、定量筒(13)の上端に通気孔(141)、流入口(142)、混注部(143)等を設けた定量筒キャップ(14)を設けて、該キャップを定量筒(13)に溶着または嵌合させたものを示したが、通気孔(141)、流入口(142)、混注部(143)等を定量筒(13)と一体成形で設けてもよい。定量筒キャップ(14)の形成材料としては、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等が挙げられる。また、定量筒(13)の内壁面は、シリコーンコーティングを施すことで、摺動部材の摺動性を高めることが可能である。
【0012】
通気孔(141)は、外部の雑菌が混入しないようにフィルター(143)が溶着、接着または嵌合により配置されている。フィルター材料としては、気体を透過するが液体を通しにくい疎水性のフィルター材料が好ましく。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0013】
混注部(143)には、雑菌の混入を防ぐために、混注口をカバーする弾性体(144)を設けることが好ましい。この弾性体(144)は複数回の混注が可能なように、再シール性を有する材料、例えば天然ゴムやイソプレンゴムなどを用いることが好ましい。
【0014】
摺動部材(15)は、押子(16)の中央に排出口(151)が設けられている。この排出口(151)は、輸液終了時の薬液の残存量を低減するために、傾斜角度5〜30度のテーパー角度を設けて形成されることが好ましい。摺動部材(15)は定量筒(13)内周壁に沿って液密に摺動可能な材料、例えば熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0015】
押子(16)は、摺動部材(15)の排出口(151)からの薬液を点滴筒(17)へと導く導管であるとともに、定量筒(13)で摺動部材(15)を自在に押動させる機能を有する。このような押子としては、硬質材料でパイプ状に成形したものや、チューブの周壁を硬質材料で補強したもの、またチューブの軸方向に併走した棒を設けて補強したもの等が挙げられる。硬質材料としてはポリプロピレンやポリエチレン等が挙げられる。
【0016】
点滴筒(17)は、滴下口(172)を有する点滴筒キャップ(171)と点滴筒本体(173)と流出口(174)からなる、一般的に使用される点滴筒(17)が用いられる。
【0017】
輸液ラインを構成する可撓性チューブ(12)(18)としては、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン系樹脂等のチューブが挙げられる。特に精密な定量が要求される場合は、薬剤吸着の少ないポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0018】
上下クランプ(121)(181)は、ローラクランプやロバートクランプなどの一般的に使用されるクランプが用途に応じて用いられる。本発明において、下部クランプ(181)は流量調節をする必要性からローラクランプを用いることが好ましいが、上部クランプ(121)はあらかじめ定量筒(13)内で量設定が行われているため、開閉機能のみを有するロバートクランプでもよい。
【0019】
次に、本発明の輸液セット(1)を用いて点滴をする場合の手順の一例を説明する。
まず、患者への投与量を確認し、定量筒内壁に付された目盛り(131)に合わせて、投与量に応じた薬液量になるように押子(16)を上下させ、摺動部材(15)を移動させる。次に、輸液セット(1)の導入手段(11)を輸液収容容器の取り出し口に穿刺し、輸液収容容器を上方に位置させて、内部の薬液を定量筒(13)内へと導入する。このとき、定量筒キャップ(14)の流入口(142)より流入された輸液量に応じて、定量筒(13)内の空気は通気孔(141)を通して外部へ排出され、定量筒(13)内が所定量の輸液で満たされると薬液の流入は止まる。その後、点滴筒(17)をゆっくり押しつぶしてポンピング操作を行い、点滴筒(17)の半分程度まで輸液で満たしたのち、下部クランプ(181)を開いて輸液ライン下部のエアー抜きを行い、下部クランプ(181)を閉じ、ついで上部クランプ(121)を閉じて上部の輸液ラインを閉鎖する。次に、点滴筒(13)内の輸液の滴下速度を確認しながら、下部クランプ(181)を調節し、投与速度を調節する。こうして準備の完了した輸液セットを用いて、輸液は患者へと投与される。
【0020】
【発明の効果】
本発明の輸液セットは、定量筒内の液面の確認を行わなくても、任意の薬液量を正確に設定することがすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸液セットを示す平面図である。
【図2】本発明の定量筒の下端付近を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の定量筒キャップ付近を示す拡大断面図である。
【図4】従来の定量筒付き輸液セットを示す平面図である。
【符号の説明】
1 輸液セット
11 導入手段
12 可撓性チューブ
121 上部クランプ
13 定量筒
131 目盛り
132 ストッパー
14 定量筒キャップ
141 通気孔
142 流入口
143 混注部
145 フィルター
15 摺動部材
16 押子
17 点滴筒
18 可撓性チューブ
181 下部クランプ
Claims (5)
- 輸液収容容器と連結する導入手段と、上端部に通気口と流入口を有し、かつ内部に摺動部材が液密に設けられた、定量筒内の体積に対応した目盛り付き定量筒と、前記導入手段と定量筒の前記流入口に連結される可撓性チューブと、前記摺動部材に設けられる排出口に連結される中空の押子と、前記押子の下端と連結された点滴筒と、該点滴筒の下端に連結される可撓性チューブを備えてなり、前記押子は摺動部材の排出口からの薬液を点滴筒へと導く導管であるとともに、定量筒で摺動部材を自在に押動させる機能を有するものである定量可能な輸液セット。
- 前記定量筒は下端の内側に前記摺動部材の離脱を防止するストッパーを内側に設けてなる請求項1記載の輸液セット。
- 前記定量筒は混注部を有してなる請求項1または2記載の輸液セット。
- 前記通気口は疎水性フィルターを有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の輸液セット。
- 前記可撓性チューブはクランプを有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の輸液セット。
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