JP3940937B2 - タービン動翼の配列方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ターボ機械等のタービン動翼の配列方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェットエンジン、ガスタービン、スチームタービンなどのターボ機械では、多数のタービン動翼が円板状のディスクの外周に等間隔に取り付けられ、高速回転して用いられる。かかるタービン動翼は、その質量、固定振動数等の相違により、高レベルの振動を引き起こすことがある。
【0003】
すなわち、各タービン動翼は所定の設計公差内で製造されており、この公差により質量、固有振動数などの特性にばらつきが生じ、その影響により流体励振力に対する応答振幅が各翼間でばらつくことが避けられない。このため、翼の配列によっては、特定の翼で高いレベルの振動が生じ破損に至ることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
翼列の配列方法としては、▲1▼ロータアンバランスが小さくなるように翼重量の不均等ベクトルを許容差内におさめるように配置する方法、▲2▼固有振動数が動翼全数の平均値から離れた特異な振動数を有する翼を不均等間隔で配置し、かつ翼重量の不均等ベクトルを許容差内におさめるように配置する方法(特願平5−40039号)、等が知られている。
【0005】
しかし、▲1▼の方法は、翼振動の観点から行われるものではないため、翼振動を低減する効果はほとんどなく、▲2▼の方法は、特異な翼についてのみの配置方法であり、通常のばらつき範囲の翼配列には適用できず、かつ手順に一般性がなく、翼振動を必ずしも十分には低減できない、等の問題点があった。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、所定の設計公差内で製造された複数のタービン動翼を高速回転するディスクの外周に等間隔で取り付け、かつ発生する振動レベルを十分に小さく抑制することができるタービン動翼の配列方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の発明者等は、▲1▼ミスチューン翼が周波数応答に及ぼす影響を解析し、▲2▼振動を抑制する配置についての仮説をつくり、▲3▼仮説に基づく配置を種々のケースについてシュミレーションにより検討し、この仮説の有効性を確認した。本発明はかかる新規の知見に基づくものである。
【0008】
すなわち、本発明によれば、複数のタービン動翼の固有振動数をそれぞれ計測し、該タービン動翼を複数のグループに分割し、これら複数のグループはロータの反回転方向に互いに隣接しており、ロータの反回転方向にタービン動翼の固有振動数が最小値から最大値に徐々に変化して最大値に達すると再び最小値となるパターンを複数回繰り返して一周する配置となるように、固有振動数の小さいタービン動翼から順に、複数のグループにタービン動翼を振り分け、各グループ内のタービン動翼を固有振動数の小さい順にディスクの反回転方向に沿って配列する、ことを特徴とするタービン動翼の配列方法が提供される。また、本発明の好ましい実施形態によれば、前記各グループに同数のタービン動翼を振り分ける。
【0009】
翼の振動レベルの増大は、重量・固有振動数などの特性にばらつきのある各種の振動がディスクを介して連成し、運動エネルギが特定の翼に局在化することにより生じる。本発明によれば、ロータの反回転方向に翼の固有振動数が最小から最大値に達すると再び最小値となるパターンを数回繰り返して一周するように配置することにより、翼配列の組み合わせにより、その局在化を極力小さくし、運動エネルギを分散させ、これにより翼の振動レベルを各翼の特性にばらつきのないものと同等のレベルにまで低減することができる。
【0010】
従って、本発明によれば、重量・固有振動数などの特性にばらつきがある各翼の振動レベルを、翼配列の変更のみで、各翼の特性にばらつきのないものと同等レベルにまで低減でき、かつ本発明の方法は、翼配置を変更するのみで翼振動を抑制できるため、特別な装置、器材を必要とせず、安価であり、更に、特定翼の過大振幅を抑制することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付して使用する。
図1は、複数のタービン動翼を有するブレードディスク構造図である。図1(A)に示すように、複数のタービン動翼1は、円板状のディスク2に周方向に等間隔に取り付けられる。図1(B)は図1(A)の解析モデルである。この図から明らかなように、各タービン動翼1の公差により翼の等価質量、等価減衰、等価剛性等の特性にばらつきがあると、各種の振動がディスク2を介して連成し、運動エネルギが特定の翼に局在化することがある。その影響により流体励振力に対する応答振幅が各翼間でばらつくことは本質的には避けられない。
【0012】
図2は、本発明の方法を模式的に示す図である。この図に示すように、本発明のタービン動翼の配列方法では、翼の固有振動数に注目して、翼配列により翼列の振動を抑制するものである。図2の配列は、回転の逆方向に翼の剛性を最小値から最大値に徐々に変化し、最大値に達すると再び最小値となるパターンを数回繰り返して一周する配置となっている。すなわち、翼の剛性は翼の固有振動数の2乗にほぼ比例の関係にあることから、本発明の方法は、複数(この図では8枚)のタービン動翼1の固有振動数をそれぞれ計測する第1ステップと、タービン動翼1を複数(この例では2つ)のグループに分割する第2ステップと、各グループ内のタービン動翼1を固有振動数の小さい順にディスク2の反回転方向に沿って配列する第3ステップとからなる。なお、以下本発明によるタービン動翼の配列方法を「三角配置」と呼ぶ。
【0013】
また、各グループに属するタービン動翼1の枚数は等しい方がバランスがとれやすく、更に剛性又は固有振動数のばらつき(以下、ミスチューンとよぶ)の程度は、各グループで等価であることが好ましい。従って、これを実現するために、固有振動数の小さい順に、各グループに同数のタービン動翼を振り分けるのがよい。
【0014】
図3は、シュミレーション結果の一例を示す図であり、(A)は各系の最大振幅の確率分布、(B)は最適配置の周波数応答、(C)は最悪配置の周波数応答を示している。この図は図2に示したタービン翼が8枚の場合である。タービン翼が8枚の場合の配列の数は、315通りある。
図3(B)(C)の左図は、固有振動数のばらつき(ミスチューン)の配列順序の例を示しており、右図は、定格回転数を1とした速度(周波数)の変化に対する翼振動の振幅を示している。また、右図における○印は各タービン翼を予め調整(Tuned) してばらつきを無くした場合を示している。なお、完全に調整した場合の最大振幅は1.0となる。
【0015】
この図から、本発明によるタービン動翼の配列方法は、(B)に示す最適配置と一致しており、本発明の方法の有効性を示している。
【0016】
図4は、シュミレーション結果の別の例を示す図であり、タービン翼が24枚の場合である。この場合、組み合わせは1022通りあり、(B)(C)はこのうち1000通りをランダムに抽出の上解析し、良い配列と悪い配列に区分けしたものである。なお、図4における各図の記載内容は、図3と同じである。
図4のシュミレーション結果から、本発明による三角配置では(A)に示すように約1.16の翼振動振幅となり、これは、1000通りのうちの良い配列(B)の最大振幅と一致する。また、1000通りのうちの悪い配列(C)では、最大振幅は約1.68である。従って、本発明のタービン動翼の配列方法、すなわら、三角配置では、完全に調整した場合の最大振幅1.0には必ずしも達しないが、1022通りの組み合わせのうちの、1000通り内での良い配列とほぼ一致する配置を配列することができる。
【0017】
言い換えれば、重量・固有振動数などの特性にばらつきがある各翼の振動レベルを、翼配列の変更のみで、各翼の特性にばらつきのないものと同等レベルにまで低減できるといえる。また、本方法は、翼配置を変更するのみで翼振動を抑制できるため、特別な装置、器材を必要とせず、安価であり、かつ、特定翼の過大振幅を抑制することが可能である。
【0018】
図5は、シュミレーション結果の更に別の例を示す図である。この図はタービン翼が80枚の場合である。この場合、組み合わせは10116 通りあり、(B)(C)はこのうち200通りをランダムに抽出の上解析し、図4と同様に良い配列と悪い配列に区分けしたものである。また、図5における各図の記載内容は、図3乃至図4と同じである。
【0019】
図5のシュミレーション結果から、本発明による三角配置では(A)に示すように約1.18の翼振動振幅となり、これは、10116 通りのうちの200通りのうちの良い配列(B)の最大振幅約1.28よりも小さい。一方、200通りのうちの悪い配列(C)の最大振幅は約1.58である。従って、本発明のタービン動翼の配列方法(三角配置)は、完全に調整した場合の最大振幅1.0には達しないが、10116 通りの組み合わせのうちの、200通りなかでの良い配列よりも更に振幅を小さくできる配列を容易に実現することができる。
【0020】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、重量・固有振動数などの特性にばらつきがある各翼の振動レベルを、翼配列の変更のみで、各翼の特性にばらつきのないものと同等レベルにまで低減できる。また、本方法は、翼配置を変更するのみで翼振動を抑制できるため、特別な装置、器材を必要とせず、安価であり、かつ、特定翼の過大振幅を抑制することが可能である。また、本発明の方法は、ジェットエンジン、ガスタービン、スチームタービンなど、広範囲のターボ機械の動翼に適用することができる。
【0022】
従って、本発明のタービン動翼の配列方法は、所定の設計公差内で製造された複数のタービン動翼を高速回転するディスクの外周に等間隔で取り付け、かつ発生する振動レベルを十分に小さく抑制することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のタービン動翼を有するブレードディスク構造図である。
【図2】本発明の方法を模式的に示す図である。
【図3】シュミレーション結果の一例を示す図である。
【図4】シュミレーション結果の別の例を示す図である。
【図5】シュミレーション結果の更に別の例を示す図である。
【符号の説明】
1 タービン動翼
2 ディスク
Claims (2)
- 複数のタービン動翼の固有振動数をそれぞれ計測し、該タービン動翼を複数のグループに分割し、これら複数のグループはロータの反回転方向に互いに隣接しており、
ロータの反回転方向にタービン動翼の固有振動数が最小値から最大値に徐々に変化して最大値に達すると再び最小値となるパターンを複数回繰り返して一周する配置となるように、固有振動数の小さいタービン動翼から順に、複数のグループにタービン動翼を振り分け、各グループ内のタービン動翼を固有振動数の小さい順にディスクの反回転方向に沿って配列する、ことを特徴とするタービン動翼の配列方法。 - 前記各グループに同数のタービン動翼を振り分ける、ことを特徴とする請求項1に記載のタービン動翼の配列方法。
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JP20811096A JP3940937B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | タービン動翼の配列方法 |
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1996
- 1996-08-07 JP JP20811096A patent/JP3940937B2/ja not_active Expired - Fee Related
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