JP3940867B2 - ジェットバーナ式乾燥粉砕装置 - Google Patents

ジェットバーナ式乾燥粉砕装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジェットバーナの有する超高速にして高温の噴出ガスを利用し、対象とする被処理物を加熱処理して乾燥粉砕する装置に係り、より詳しくは、処理された後の乾燥粉粒物及び/ 又は分離液体を経済的に安価で所望の性状で取り出すことを可能としたジェットバーナ式乾燥粉砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音速で燃焼ガスを噴出するところのジェットバーナを利用した乾燥粉砕装置は、従来から知られており、そのような装置としては、特公昭53-4935 号公報などに示されているものがあり、これを図3に示す。
【0003】
この技術によれば、被処理物39が供給される密閉構造の処理槽1の上部にジェットバーナ2aを設置し、ジェットバーナ2aの噴出口4aから超音速の火焔ジェット流となって噴出する噴出ガス25aを、処理槽1 内に蓄積されて滞留する被処理物39に吹き付けることにより、被処理物39の燃焼を伴うことなく、滞留する被処理物39に混合状態で含まれている水分または油分などの蒸発成分32は気化するとともに、その固形成分は乾燥されて、分かれた状態となる。一方、噴出ガス25aは処理槽1内における蒸発成分32の気化、ガス流の反転、および蒸発成分32と固形成分との攪拌にそのエネルギーを奪われる。そして、 蒸発成分32と固形成分30は混合した状態で処理槽1の固気排出口6に連結されたダクト40を通して槽外に排出され、その後、第1コレクター33および第2コレクター34において固形成分30は蒸発成分32および噴出ガスから分離回収される。
【0004】
滞留被処理物39は噴出ガス25aの噴出圧力および衝撃波によって破砕可能であり、また噴出ガス25aの噴出圧力は燃焼排ガスに乗せて軽量物を飛散させうるに足りる十分な運動エネルギーを有しているので、処理槽壁との間に充填されている滞留被処理物39の層は破砕乾燥される。また処理槽壁との間に充填されている滞留被処理物39の層は断熱作用をなす保護層を形成し、この結果、て処理槽の壁寄りの部分は、槽の中央部分の高温にもかかわらず、低温に維持される。
【0005】
また、ジェットバーナ2aから噴出する噴出ガス25aの火焔ジェット流は、6 kg/cm2 G程度の圧力の供給空気を使用して作られ、温度は 1500 〜2000K、流速は 1000 〜1300 m/sec程度の超音速に設定されており、燃料および空気の供給量を増減することにより、火炎温度および噴出速度を増加・減少させうるとともに発熱量を任意に調整している。この超音速で高温のジェットフレームを滞留被処理物39中に噴射させることは、熱伝達係数がきわめて大きく、 そのような噴射仕様にて、滞留被処理物39中の水分および油分のきわめて迅速な蒸発を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のジェットバーナ2aを用いた乾燥粉砕方法は、ガソリン、ケロシン等の燃料と燃焼空気との爆燃によって超音速の高熱噴流たる噴出ガス25aを、ジェットバーナ2aより噴出させるものである。この噴出ガス25aは、実用上1200〜1300m/sec 程度の超音速で2000〜2400゜K程度の火焔を6 kg/cm2 程度の噴出圧力で噴出するように従来調整されている。この噴出ガス25aは超音速であるが故に、ガス体が分散することなく集中的、直線的に放出される。又、噴出ガス25aの流れは超音速であるが故に、周囲気体の粘性による巻き込み量が少ないという性質があり、このため周囲ガスの捲き込み混合による冷却がなされず、高温のまま滞留被処理物39に吹き付けられる。このため、処理槽1内の滞留被処理物39は、高温超音速の噴出ガス25aと直接接触することとなり、よって滞留被処理物39は高い熱伝達を得て、噴出ガス25aの接触した部分は瞬時に乾燥される。
【0007】
しかし、このような局部的な高温加熱は、 乾燥物に熱劣化をもたらす。乾燥物を再利用する場合、熱劣化は致命的な欠陥となるので、温度の低い噴出ガス25を生成せしめて被処理物を乾燥することが要求されていた。
又、 処理槽の中央部が高温であるにもかかわらず処理槽の壁部分が低温に維持されるような断熱作用を営む保護層たる滞留被処理物39の層を、処理槽の壁と中央部との間に形成し、そしてそれを常に存在せしめることは、滞留する被処理物39の塊のうち噴出ガス25aと直接接触する被処理物39の表面の水分が噴出ガス25aの迅速な熱伝達によって急速に蒸発し尽くされて、固形の膜が滞留被処理物39の表面に形成され、そしてその固形膜が被処理物39表面上を広がって成長し、さらに固形膜の形成された滞留被処理物39が処理槽の壁面に固着し、槽壁から容易には剥れにくいものとなり、やがて、そのような固形膜で覆われた滞留被処理物39の塊が処理槽の運転を不能に陥れるという危険性を有していた。
例えば、被処理物39として澱粉質を含んだ汚泥を乾燥粉砕する場合にあっては、 滞留被処理物39の層は、運転時間の経過と共に処理槽の壁に固着し、成長し、遂には処理槽の運転不能をひき起こす。
又、 処理槽内に滞留被処理物39の層を生成することは、 乾燥粉砕に必要な槽容積を減じることとなり、所定量の乾燥物を得ることはできない。
以上の問題を解決するためには、温度のより低いガス体で被処理物を乾燥粉砕処理し、かつその際、処理槽1内の被処理物の滞留をなくすべく被処理物の攪拌混合を行うことが必要とされる。
【0008】
他方、被処理物の処理槽内の攪拌混合を激し過ぎるものにすると、未乾燥の被処理物も同時に、固気排出口6より排出されてしまい、所望の乾燥粉粒物を得ることが困難となる。
又、ジェットバーナからの噴出ガス25aを温度1500Kで噴射速1200m/sec 程度の超音速のガスに設定するためには、ジェットバーナにおいて圧力6 kg/cm2 G程度の供給空気を使用しなければならず、従って、6 kg/cm2 G程度の空気を製造するために、本装置の運転費が大変高価なものになる。
【0009】
又、上記の従来技術のジェットバーナを利用した乾燥粉砕装置では、被処理物28が水分と油分( 特に、 加熱によって液化するもの) と固体分との混合物であるとき、被処理物28の水分は加熱によって蒸発し、 そして破砕された固体分は液体分の分離によってより軽くなって処理槽1より排出されるけれども、 加熱によっても蒸発しない油分あるいは加熱によって液化する固体分は、処理槽1内に液の状態で残留し、処理槽1より排出されずに蓄積される。又、 被処理物28の中に例えば石のごとき異物が存在したときにも、 そのような異物は処理槽より排出されずに蓄積され、運転中において処理槽から取り出すことができない。
【0010】
又、上記の従来技術のジェットバーナを利用した乾燥粉砕装置においては、処理槽1の上部温度検出端36で処理槽1内の温度を測定し、制御装置38が測定された温度に基づいて、被処理物供給機19(供給機駆動機構22)の運転を制御して被処理物28の供給量を増減せしめることにより、処理槽1内の温度を所定の温度に保持するという温度制御方法が採られていた。
しかし、この方法では、被処理物28の含水率の変化等により上部温度検出端36の温度が変化した場合、被処理物供給機の運転調節によって被処理物の供給量を増減せしめるが、被処理物供給機19の応答が上部温度検出端36の温度変化に追随できず、上部温度検出端36の温度が激しく上下する兆候が見られる。このため、過剰量の被処理物28が供給されて処理槽1の底に堆積し、そして、そのような堆積物の表面は噴出ガス25aにより瞬時に乾燥されるが、堆積物の内部は徐々にしか乾燥されず、処理槽1の下部に堆積する。これは、上述の現象と同様に、固形膜が形成された被処理物の滞留層を処理槽の中に生じることとなり、従って、該滞留層の処理槽壁への固着、滞留物の局部的な過熱により、得られる乾燥粉粒物の品質の劣化を招く。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するところの本発明の特徴は、ジェットバーナを処理槽の底より十分な距離を取る位置に設置し、そしてジェットバーナへの酸化剤の供給圧力を3 kg/cm2 以下に減じて、超音速でなく亜音速の噴出ガスを生成せしめ、他方処理槽の内部と大気とを遮断し、被処理物を被処理物供給機によって処理槽内に、前記亜音速の噴出ガスと直接接触しないように例えば処理槽の壁に沿って供給することにより、被処理物を乾燥粉砕処理し、次いで、処理槽内の静置分離部にて重力沈降によりある水準以上の乾燥物がその他の未乾燥物と分離され、固気排出口を通ってコレクター部に送られるようにしたことにある。
【0012】
従って、本発明は、より明確には、ジェットバーナを槽底向きに装備した処理槽と、被処理物を前記処理槽内に供給する被処理物供給機と、前記被処理物を前記ジェットバーナから噴出するガス体で乾燥粉砕処理して生じた乾燥物と該処理をした後のガスとの混合流体が前記処理槽の上部から排出される固気排出口と、該固気排出口より排出された前記混合流体を前記乾燥物と前記処理後のガスとに分離するコレクター部とを備えた乾燥粉砕装置において、
前記処理槽は、ある水準以上の乾燥物をその他の未乾燥物と分離して前記固気排出口に送る静置分離部を備えるとともに、前記ジェットバーナへの3 kg/cm2 G以下の酸化剤の供給によって亜音速のガス体が該ジェットバーナから噴出し、かつ、被処理物は処理槽内の該亜音速のガス体と直接接触しない空間に供給される構造となっていることを特徴とするジェットバーナ式乾燥粉砕装置に関する。
【0013】
本発明の他の特徴は、上記のジェットバーナ式乾燥粉砕装置において、乾燥粉砕処理された物の固形分及び/ 又は液体分を取り出す固液排出口を処理槽の底部に形成し、又必要により固液分離器を固液排出口の近くに併設したことにある。又、液体分及び/ 又は固体分の排出を効率よく行うために、底皿、固液受槽、および、液排出口なども設けられる。
【0014】
本発明の他の特徴は、上記のジェットバーナ式乾燥粉砕装置において、処理槽内に、槽上部の温度を測定する温度検出器及び槽下部、つまり被処理物の温度を測定する温度検出器を設け、そして検出された両方の温度に基づいて、被処理物の供給量及び/ 又はジェットバーナにおける燃料および酸化剤の供給量を制御する制御装置をさらに備えたことにある。
【0015】
又、本発明は、噴流バーナの噴出口の外側に、噴出ガスを冷却する及び/ 又は処理槽内の攪拌を助長する流体を供給する手段を設けてもよい。従って、本発明の他の特徴は、上記のジェットバーナ式乾燥粉砕装置において、ジェットバーナの噴出口の近くに、冷却流体を噴出口から噴出するガス体に向けて供給する冷却手段をさらに備えたことにある。
尚、本発明に関連する先行技術は、例えば特開昭 53-7866号公報、特許第 2537018号公報などにも開示されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のジェットバーナ式乾燥粉砕装置の一実施形態を、図1と図2により説明する。
本発明のジェットバーナ式乾燥粉砕装置は、ジェットバーナ2を槽底向きに装備した処理槽1であって、ジェットバーナ2からの噴出するガス体、即ち噴出ガス25(超音速部25bを含む)で被処理物28を加熱して粉砕乾燥処理しそして該処理によって生じた乾燥物30と該処理をした後のガスとの混合流体が静置分離ゾーン17を経て槽上部の固気排出口6より排出される処理槽1と、被処理物28を処理槽1内に供給する被処理物供給機19と、固気排出口6より排出された混合流体を乾燥物と処理後のガスとに分離回収するコレクター部33、34等と、さらに、処理槽1内の残留液体分及び/ 又は固体分を取出す手段8、9、10、14を主たる構成要素として備えてなる。静置分離ゾーン17では、ある水準以上に乾燥された即ち所望の乾燥度の乾燥物が、重力沈降により、それ以外の未乾燥物と分離される。
【0017】
本発明のジェットバーナ式乾燥粉砕装置を、図2により、さらに説明する。
処理槽1の側壁には、被処理物28を槽内に供給する被処理物供給機19が所定の位置、すなわち、槽内に供給される被処理物28が高温の噴出ガス25に当たらずに槽壁に沿って、つまりジェットバーナ2からの噴出ガス25と直接接触しない空間に供給されうる位置に配備されている。
処理槽1の上部には、ジェットバーナ2が槽底向きに設置されている。又、処理槽1の上部には、被処理物28が乾燥粉砕され粉粒物状となった乾燥物30、噴出ガス25と被処理物28から加熱分離された蒸気とが混ざり合った流体、即ち混合ガス32を排出するための固気排出口6が設けられている。ジェットバーナ2を備えた処理槽1の固気排出口6は、配管41によりサイクロン33と、そして配管42によりバグフィルター34とそれぞれ接続されている(図1)。要するに、これらのコレクター部は、混合ガス32より乾燥物30及びガスを分離回収する。
又、排出口6の近傍には、通過する混合ガス32の温度を検知する手段である上部温度検出器36が設置され、又、処理槽1の下部には、槽1内の被処理物28の温度を検知する下部温度検出器37が設置されている。
さらに、燃料23及び酸化剤24をジェットバーナ2に送る配管には、図1には記載していないが、燃料及び酸化剤をそれぞれ計量加圧する手段が設けられており、そして制御装置38は、その計量加圧手段の動作を調節して、燃料及び酸化剤の流量(供給量)を制御することができる。又、制御装置38は、配線を介して、酸化剤計量手段等の他、温度検知手段である上部温度検出器36及び下部温度検出器37、並びに、被処理物供給機19の供給機駆動機構22と接続している。
又、処理槽1の下部には、固液受槽10が設けられ、これを介して液体分及び固体分が取り出される。
一方、サイクロン33、バグフィルタ34で分離された乾燥粉は、払出しコンベヤ35で取り出される。
【0018】
次に、図2により、本発明におけるジェットバーナ2を使用する乾燥粉砕処理について説明する。
処理槽1に取付けられたジェットバーナ2の燃焼室3には、燃料23 (灯油、メタンガス等) と酸化剤24 (圧縮空気、酸素等) が供給され、燃焼後の燃焼ガスと余剰の酸化剤が噴出ガス25となって、噴出口4より超音速で直線的に噴射され、次いで噴出ガス25は速度を減じ、音速領域を一瞬のうちに通過した後亜音速領域となり、放射状に噴射される。このため、噴出ガス25は音速領域直後から周囲の温度の低いガス等を捲き込むことにより冷却され、その後、被処理物28及び中間被処理物29に接触、攪拌する。この捲き込みによる循環ガス27の量は、処理槽1の底部に近づくほど増大し、例えば灯油90L/hrを完全燃焼させた場合には、噴出口4と槽底の底皿8との中間の槽壁近傍の位置にて噴出ガス25の噴出量の30〜50倍に達する。しかるに、従来のジェットバーナ2から噴射される噴出ガス25aは超音速で噴射される為、噴射ガス速度が音速に減じるまで周囲のガス等の捲き込み流がほとんど生じず、噴出ガス25aの温度は冷却されない。この噴出ガス25aの超音速領域の長さは、例えば灯油60〜90L/hrを完全燃焼させそして燃焼室3の圧力が5.5 kg/cm2 G程度の場合には、400mmにも達する。本発明におけるジェットバーナ2の噴出ガス25は、音速領域直後から周囲ガス等を捲き込むことにより、冷却され、被処理物28は冷却された噴出ガス25と接触することから、噴出ガス25との接触時の被処理物28の熱ダメージは軽減され、さらに、それのみならず、噴出ガス25の冷却は処理槽1の槽内全体の攪拌を助長する。処理槽1の槽内全体の攪拌は、被処理物同士の衝突を頻繁に行わせ被処理物28及び中間被処理物29の破砕を効率よく行わせしめる。
又、燃料23の供給量は、主に被処理物の乾燥の度合いにより決められるが、酸化剤24の供給量は、燃料の完全燃焼に見合う量以上の供給量であればよい。又、乾燥物30の燃焼温度以下で処理槽1内の温度を制御して被処理物28を乾燥する場合( 例えば、貝殻の乾燥粉砕に当たって、上部温度検出器36の温度200℃で制御した場合) においては、余剰の酸化剤を供給することができる。この場合、乾燥物30は処理槽1内において燃焼しない。さらには、酸化剤の燃焼後の酸素濃度が被処理物28及び乾燥物30の燃焼酸素濃度以下となるように制御装置38で酸化剤24の供給量を制御することにより、余剰の酸化剤を供給することができる。余剰酸化剤の供給により被処理物の攪拌を増大せしめるとともに、余剰酸化剤の供給量を増減することに依り処理槽1内の被処理物の乾燥度を制御することができる。
【0019】
処理槽1に供給された被処理物28は、上記記載の作用によりジェットバーナ2で加熱、乾燥、粉砕され、そして、乾燥粉砕されたものは、噴流ガス25、循環ガス27、及び、中間被処理物29の加熱により発生した蒸気の混合ガス26によって激しく攪拌混合される。而して、所要の加熱時間を経て乾燥粉砕された乾燥物(粉粒物)30は、混合ガス26の上昇気流に同伴されて固気排出口6に達する。ここで、処理槽1内の混合攪拌が激し過ぎると、所望の乾燥度に達しない生乾きの乾燥物まで、固気排出口6より排出される場合がある。そこで、本発明の装置は、この循環流を伴う混合攪拌部分(以下、乾燥粉砕ゾーンという) の上方に、気流による混合攪拌の作用を減じ、上昇気流を主体とする部分( 以下、静置分離ゾーンという) を設けている。静置分離ゾーン(静置分離部)は、重力沈降により、所望の乾燥度に達した乾燥物30を、そのような乾燥度に達していない生乾きの乾燥物と分離する。静置分離ゾーンにおける槽断面積は乾燥粉砕ゾーンにおける槽断面積よりもより広い断面積に設定されるか、あるいは、静置分離ゾーンにおける槽断面積は乾燥粉砕ゾーンにおける槽断面積と同等の断面積であるが、静置分離ゾーンの垂直距離をより長くして、処理槽1の半径方向および円周方向の攪拌力を減少せしめる構造としてもよい。
以上のように、本発明における処理槽1は、ある水準以上の乾燥物30をその他の未乾燥物と分離して固気排出口に送る静置分離部を備えるとともに、ジェットバーナへの3 kg/cm2 G以下の酸化剤の供給によって亜音速のガス体がジェットバーナから噴出し、かつ、被処理物は処理槽内の亜音速のガス体と直接接触しない空間に供給される構造となっている。
【0020】
従来のジェットバーナ2aでの供給空気圧は6 kg/cm2 G程度であったが、本発明におけるジェットバーナ2への供給空気圧は3 kg/cm2 G程度に減少している。しかし、そのような低圧の噴出ガス25の噴射により、処理槽1内の被処理物を、熱ダメージを受けることなく、十分乾燥し、満足に粉砕することができ、そして所望品質の乾燥物30を得ることができた。又、これにより、この種の乾燥粉砕装置において消費される空気圧縮エネルギーを約25%低減することができた。
汚泥を被処理物とし、乾燥粉砕処理を行った場合の本装置の運転結果を次の表1に示す。
【表1】
Figure 0003940867
【0021】
粉砕され難い異物31(例えば石など)が被処理物28の中に混入している場合、そのような異物31は、固気排出口6から排出されず、処理槽1の底部に蓄積され、そしてそのような蓄積物は、増大していくとともに、処理槽1の底部に埋まていく。
又、被処理物28中に含有されている液体分及び固体分の内、加熱によっても蒸発分離しない成分(例えば、油分、脂肪分)は、噴出ガス25による加熱により、粘度が低下し、液体物として分離されて処理槽1内に残留する。この単離された液体物は、噴出ガス25により処理槽1の壁面に押し付けられ、槽壁の傾斜に沿って槽底部に溜る。そして、この液体物の増大とともに、処理槽1の底部が閉塞される。あるいは、処理槽1の底部に単離された液体を回収することが必要とされる場合もある。被処理物28を所謂3相分離( 気体と液体と固体に分離) する場合である。例えば、ハム残渣の乾燥粉砕分離にあっては、処理槽1内で、その水分は蒸気として分離されて固気排出口6より取出され、その動物性油分は液体分として分離しされて液排出口12より取出され、その固体分は乾燥物として固気排出口6より取出され、従って、液体分および固体分は製品として回収することができる。
又、処理槽1の底部に設置した底皿8は、シール機構15を介して底皿駆動機14と接続されており、上下に移動することができる。底皿8は、処理槽1の底部壁と隙間をもち、この隙間から、単離された液体物は流下して固液分離機9に達し、ここで、同伴された固体物は分離される。他方、液体物は、固液受槽10に達し、液排出口12より取出される。固液受槽10は、シール機構15により外部と遮断されており、槽10内に溜った液体物及び固体物は固液排出管11より取出される。なお、必要に依り、均圧管13が被処理物供給機19及び固液受槽10と接続されている。
食肉残さを被処理物とし、乾燥粉砕処理を行った場合の本装置の運転結果を次の表2に示す。
【表2】
Figure 0003940867
【0022】
又、本実施例では、上部温度検出器36に加えて、処理槽1の下部に、下部温度検出器37が設けられている。処理槽1内の攪拌混合が良好なときは、処理槽1の底部は噴出ガス25及び循環ガス27により円滑に攪拌されているため、処理槽1内の上部温度検出器36で測定された温度を基準として、被処理物28の供給量及びジェットバーナ2における燃料燃焼量の制御を満足になすことができる。でも、過剰量の被処理物28が処理槽1内に供給されると、被処理物28は処理槽1の底に堆積し、下部温度検出器37は堆積した被処理物28と接触し、被処理物28それ自体の温度(低温)を検知し、制御装置38に指示することになる。従って、下部温度検出器37による極端な低温の検知は、処理槽1の底における被処理物28の堆積を意味することから、制御装置38は、温度検出器37により測定された温度に基づいて、被処理物供給機19の駆動機構22を運転制御することにより、被処理物28の処理槽1への過剰供給を抑制することができる。又、下部温度検出器37により異常な低い温度が検知されたとき、制御装置38は、処理槽1への余剰酸化剤の供給を増加することにより、処理槽1底部における混合攪拌をより活発に増大させることもできる。図4及び図5は、そのような制御の結果を示す。
【0023】
又、処理槽1内の噴出口4の外側(近く)には、噴流ガス25を適度に冷却するために、噴出ガス冷却体供給管16が取り付けられている。この供給管16はジェットバーナ2からの噴出ガス25に向けて冷却体を供給する。噴出ガス25は、この冷却体との接触によって冷却される。冷却体として水を使用した場合、その水の一部は、噴出ガス25との接触で蒸発し、噴出ガス25を冷却する。残りの水は、水滴となって処理槽1の底部に落下し、噴出ガス25の勢いで加速されて被処理物等と高速で衝突し、よって、処理槽1の下部における混合攪拌を助ける。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、乾燥粉砕処理において、ジェットバーナの噴出ガスを亜音速領域で使用することにより、伝熱媒体であるガス温度を下げ、処理槽内の混合攪拌をより改良し、熱ダメージを受けることなく所望品質の良好な乾燥粉砕物を得ることができ、又被処理物を固体、液体及び気体の3相に分離することもできるという効果が得られる。
その上、本発明によれば、低圧の噴出ガスの利用により、乾燥粉砕処理に消費される空気圧縮エネルギーを大幅に減少することができ、装置の運転費を格段に低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のジェットバーナ式乾燥粉砕装置の全体を示す系統図である。
【図2】本実施例の乾燥粉砕装置におけるジェットバーナを備えた処理槽の構成を示す図である。
【図3】従来のジェットバーナ式乾燥粉砕装置を示す系統図である。
【図4】上部温度検出器および下部温度検出器を基に処理槽内の温度制御を行なった結果を示す図である。
【図5】上部温度検出器を基に処理槽内の温度制御を行なった結果を示す図である。
【符号の説明】
1:処理槽
2:ジェットバーナ
2a:ジェットバーナ
3:燃焼室
3a:ジェットバーナ燃焼室
4:噴出口
4a:噴出口
5:被処理物供給口
6:固気排出口
7:固液排出口
8:底皿
9:固液分離器
10:固液受器
11:固液排出管
12:液排出口
13:均圧管
14:底皿駆動機
15:シール機構
16:噴出ガス冷却体供給管
17:静置分離ゾーン
18:被処理物受槽
19:被処理物供給機
20:送りスクリュー
21:シールスクリュー
22:供給機駆動機構
23:燃料
24:酸化剤
25:噴出ガス
25a:噴出ガス
25b:噴出ガス超音速部
26:混合ガス
27:循環ガス
28:被処理物
29:中間乾燥物
30:乾燥物(粉粒体)
31:異物
32:蒸発成分
33:サイクロン
33a:第1コレクター
34:バグフィルター
34a:第2コレクター
35:払出しコンベア
36:上部温度検出器
37:下部温度検出器
38:制御装置
39:滞留被処理物
40:ダクト
41:配管
42:配管

Claims (4)

  1. ジェットバーナを槽底向きに装備した処理槽と、被処理物を前記処理槽内に供給する被処理物供給機と、前記被処理物を前記ジェットバーナから噴出するガス体で乾燥粉砕処理して生じた乾燥物と該処理をした後のガスとの混合流体が前記処理槽の上部から排出される固気排出口と、該固気排出口より排出された前記混合流体を前記乾燥物と前記処理後のガスとに分離するコレクター部とを備えた乾燥粉砕装置において、
    前記処理槽は、ある水準以上の乾燥物をその他の未乾燥物と分離して前記固気排出口に送る静置分離部を備えるとともに、前記ジェットバーナへの3 kg/cm2 G以下の酸化剤の供給によって亜音速のガス体が該ジェットバーナから噴出し、かつ、被処理物は処理槽内の該亜音速のガス体と直接接触しない空間に供給される構造となっていることを特徴とするジェットバーナ式乾燥粉砕装置。
  2. 請求項1記載の乾燥粉砕装置において、乾燥粉砕処理された物の固形分及び/ 又は液体分を取り出す固液排出口を前記処理槽の底部に形成し、また必要により固液分離器を該固液排出口の近くに併設したことを特徴とするジェットバーナ式乾燥粉砕装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の乾燥粉砕装置において、前記処理槽内に、槽上部の温度を測定する温度検出器及び槽下部の温度を測定する温度検出器を設け、そして検出された両方の温度に基づいて、被処理物の供給量及び/ 又は前記ジェットバーナにおける燃料および酸化剤の供給量を制御する制御装置をさらに備えたことを特徴とするジェットバーナ式乾燥粉砕装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項記載の乾燥粉砕装置において、前記ジェットバーナの噴出口の近くに、冷却流体を該噴出口から噴出するガス体に向けて供給する冷却手段をさらに備えたことを特徴とするジェットバーナ式乾燥粉砕装置。
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