JP3940225B2 - 金属材料表面の欠陥原因判定方法 - Google Patents

金属材料表面の欠陥原因判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属材料表面の欠陥の原因を迅速に明らかにするための欠陥原因判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料は種々の目的に用いられている。例えば、強度を利用した、構造材料として用いられている。また、金属材料の光沢を利用した表皮材としての利用も多い。特に、自動車用材料としては光沢の善し悪しが売り上げに影響することは周知の事実である。特に、自動車用の鋼材は表面の異常に関して非常に厳しい要求がなされている。しかし、現在製造されている鋼材は表面の異常が皆無とは言えない。鋼材の表面の異常には、機械的に発生した疵の他に、鋼材に含まれる介在物、あるいは連続鋳造時に巻き込まれた潤滑パウダー、さらには酸化スケールのような異物が原因となる「ヘゲ疵」とよばれる欠陥が生じることがある。この様な欠陥の存在する鋼材は商品としての価値を失い、経済的損失となると共に、製造エネルギー等の無駄を招くこととなる。そのため、この様な欠陥を生じさせない為の方策を早急に採ることが望ましく、そのためには欠陥の発生原因を迅速に解明することが必要となる。
【0003】
鋼材表面に生じた欠陥は、鋼中に存在する介在物等の異物が圧延工程で表面に達し、更に圧延されることにより圧延方向に伸ばされて、線状の疵を表面に呈することとなる。この様な線状欠陥の発生原因は、欠陥と正常部に存在する元素を分析し、欠陥に高濃度に存在する元素組成を判定することにより判定することができる。
【0004】
例えば、Alのような介在物に特徴的な元素が欠陥に高濃度に検出されれば、欠陥の発生原因はアルミナ系の介在物であると考えられる。また、鉄以外に高濃度の他種元素が検出されなければ、スケールによる欠陥の発生と考えられることとなる。この様に、原因を明らかにすることにより、異物の混入する可能性のある工程を限定することができ、迅速な対応が可能となって、欠陥の発生原因を除去し、その発生を防止することができる。
【0005】
従来、原因究明のための分析方法として、蛍光X線分析や、電子顕微鏡観察が行われていた。しかし、これらの分析には、試料を切断加工したり、研磨したりする必要があったために、試料調整に時間を要すること、また、顕微鏡観察では観察範囲の制限などで、原因を見落とす可能性が多かった。
【0006】
これを解決する目的で、発光分光分析法を用いる方法が提案されている。例えば、特開昭62−162947号公報には、鋼材表面上への放電を、欠陥を横切って連続して走査し、得られる発光スペクトルの強度を正常部と欠陥とで対比する方法が開示されている。しかしながら、鋼板表面が油、錆、アルミナ、シリカ等の絶縁物で覆われていると放電が起こらず分析できない。また、放電による発光は極表層のみでしか起こらず、例えば10μmの深さに異物があっても検出できないという欠点を有していた。
【0007】
そこで、パルスレーザーを用いて鋼材表面から試料を採取し、分析する方法が提案された。即ち、特開平7−159299号公報にはパルスレーザー光を用いて、欠陥と正常部を照射し、表面から微粒子を発生させ、これを搬送管を用いて搬送して、検出部で成分濃度を検出し、その成分濃度の違いから、欠陥の原因を判定する方法が開示されている。
【0008】
なお、特許公報第2697462号は、金属試料を多数回のレーザー光照射により励起して発光させ、分光分析する方法が開示されている。この特許発明では、金属試料中の各金属成分元素の存在形態別の定量分析を迅速にできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平7−159299号公報に開示されている方法では、微粒子を発生させてから搬送するまでに微粒子の混合が起こり、欠陥の原因となる元素組成の濃度が薄められ、判定困難になるおそれがあること、ならびに搬送時に試料である微粒子が搬送管に付着することが原因でメモリー効果が生じることなど、信頼性に欠ける問題点がある。
【0010】
また、上記公報で開示された技術では、試料面をパルスレーザー光の照射位置を移動させ、所定の線に沿って所定の幅、かつ一定深さで採取する。さらに、異常の原因成分が存在する深さがあらかじめ予想困難な場合、分析深さを深くして試料を採取する。これらのことから、分析時間が長くなり、原因除去の迅速な対応が不可能となる。また、多くのエネルギが無駄に消費される。ちなみに、上記特許公報第2697462号の発明も、レーザー光の照射は試料全面に及ぶように、スキャンニングしながら行う。
【0011】
この発明は、このような問題点を解決し、金属材料表面の欠陥の原因を確実にかつ迅速に明らかにすることができる欠陥発生原因判定方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の金属材料表面の欠陥原因判定方法は、金属材料表面を観察しながら目視により検出した欠陥部にパルスレーザー光の照射位置を固定し、尖頭出力が6MW以上、120MW以下であるパルスレーザー光を前記照射位置に照射し、照射部より発生する発光光を分光分析して得られた発光スペクトルと、正常部に前記パルスレーザー光を照射し、照射部より発生する発光光を分光分析して得られた発光スペクトルとを、パルス毎に比較することにより、欠陥部と正常部の深さ方向に存在する測定元素の発光強度の差から、欠陥部を生じさせた原因を判定する。
【0013】
金属材料の表面性状の変質した部分を欠陥部という。例えば鋼材の場合、欠陥部の発生原因としてアルミナ系介在物、潤滑パウダー系介在物、およびスケールが知られている。アルミナ系介在物は鋼材の正常部よりAlが多量に含まれ、潤滑パウダー系介在物にはCaが多く含まれていること、スケールにはAl、Caとも鋼材の正常部と同程度に含まれていることが知られている。また、アルミニウム材の場合、Cuが含まれているが、部分的に濃化すると、その部位の化成性不良の原因となることが知られている。
【0014】
したがって、鋼材の欠陥部の発光スペクトル中のAl発光強度が正常部より強ければその欠陥部にAlが多量にあることを示し、アルミナ系介在物が欠陥の原因であることを示している。また、欠陥部の発光スペクトル中のCa発光強度が強ければその欠陥部にCaが多量にあることを示し、潤滑パウダー系介在物が欠陥の原因であることを示している。欠陥部があるにもかかわらずAl、Caも欠陥部と正常部の発光強度に差がなければ、スケールが発生原因であると判定できる。一方、アルミニウム材では欠陥部の発光スペクトル中のCu発光強度が正常部より強ければ、Cuの濃化が表面欠陥の原因であると判定できる。
【0015】
欠陥部の発生原因が知られていない材料のときは、例えば欠陥を有する材料を欠陥部で切断し、その研磨した切断面を顕微鏡で観察することにより正常部とは異質な部分を特定する。さらに、その異質な部分を元素分析を行うことにより、欠陥部を生じさせた原因を明らかにすることができる。このとき用いる元素分析法は例えばX線プローブマイクロアナライザー(EPMA)法が挙げられるが、その他の公知の分析法を用いてもよい。このようにして欠陥部を生じさせた原因がわかれば、以後の欠陥原因判定法に利用して行けばよい。
【0016】
ある元素が欠陥の発生原因となっているものであるかどうかは、パルス毎の正常部と欠陥部の発光スペクトルの比較から、その元素の正常部の発光強度と欠陥部の発光強度との差によって判断する。発光強度の差が測定値のばらつきの大きさ以上であれば、欠陥の発生原因となる元素と判断する。例えば、欠陥の原因とはならない元素の、正常部の発光強度と欠陥部の発光強度の差を、測定値のばらつきの大きさとする。または、上記発生原因とならない元素について、正常部で複数パルス(数パルス程度)照射し、発光強度を測定し、そのばらつきを測定値のばらつきの大きさとする。
【0017】
この発明のレーザー発光分光に関する機構は必ずしも明確にはなっていないが、概略以下のような機構で進んでいると考えられる。パルスレーザー光が、金属材料表面に達すると表面近傍の金属材料成分がパルスレーザー光のエネルギーで蒸発または飛散し、同じパルスレーザー光によって惹起されたプラズマにより加熱される。その結果、表面近傍から飛散した金属材料成分は、原子またはイオンの励起状態になっている。この励起状態の原子またはイオンが、プラズマの温度が下がるに従い基底状態に落ちつくと考えられる。その際、その原子またはイオンに特有な発光を生じるので、この発光光を分光分析することによりそこに存在する元素が特定できる。
【0018】
蒸発または飛散した金属材料の表面近傍から飛散した金属材料成分は、パルスレーザー光のエネルギーをもらって照射面よりクレーター状に飛び散る。その結果、照射面には既表面より下部に新しい表面が生成する。そして、次のパルスレーザー光が照射されたとき、先に生成した新たな表面に対し、上記の過程が繰り返されることにより、分析面が試料内部へ進行する。この様な過程を経ることで、深さ方向への分析も容易にかつ試料の混合の影響なしに得られる。
【0019】
パルスレーザー光による発光は、放電機構による発光と異なり、試料の絶縁性には影響されず、また金属材料表面の形状または熱履歴による選択的放電による位置依存性もなく、目的とする欠陥を位置選択的に発光させることができる。
【0020】
上記金属材料表面の欠陥原因判定方法において、パルスレーザー光の尖頭出力を6MW以上、更に好ましくは20MW以上、かつ120MW以下とする。このような尖頭出力でレーザー光を照射すると、分光分析のために、材料成分を蒸発または飛散させることができ、かつ十分な発光強度が得られる。
【0021】
前記パルスレーザー光を集光し、照射部でのレーザー光照射面積を2.5mm以下としてもよい。これにより、高い照射エネルギー密度が得られ、欠陥部特定が容易となるとともに、分光分析時間を短縮することができる。
【0022】
また、減圧下または不活性ガス雰囲気下で前記パルスレーザー光を照射し、照射部より発光光を発生させるようにしてもよい。材料へのパルスレーザー光の照射および発光観察を大気中で行うと、大気中の酸素が材料に含まれる炭素、酸素、窒素などの元素からの発光を吸収してしまう。減圧下または不活性ガス雰囲気下でパルスレーザー光を照射することにより、上記発光の吸収が防がれる。特に、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中での照射が簡便でよい。しかし、材料表面の欠陥の発生原因を判定するために、炭素、酸素、窒素などの元素に特に注目する必要がなければ、大気中でも十分である。
【0023】
この発明の実施の1形態として金属材料表面の欠陥原因判定装置は、パルスレーザー発振器と、パルスレーザー発振器から発振されたパルスレーザー光を集光するためのレーザー光集光レンズと、平面内で任意方向に移動可能な試料台と、試料台を収納した試料室と、分光分析装置とを備えている。さらに、試料面に位置合わせ用可視レーザー光を照射する位置合わせ用レーザー発振器と、位置合わせ用レーザー光が前記パルスレーザー光の照射位置と一致するように配置されたダイクロイックミラーと、試料面を撮影するビデオカメラとを備えている。
【0024】
欠陥部にパルスレーザー光を照射する前に、位置合わせ用レーザー光を試料面に照射する。位置合わせ用レーザー光が目的の欠陥部を照射するように、試料台を移動する。このとき、ビデオカメラで欠陥部を撮影し、その映像を見ながら試料台を移動し、位置合わせする。これにより、試料の形状によらず、迅速に位置合わせできる。位置合わせが終わると、パルスレーザー光を照射し、分光分析を行う。分光分析中は、パルスレーザ光と位置合わせ用レーザー光とを共に照射してもよく、または位置合わせ用レーザー光を止め、パルスレーザー光のみを照射してもよい。
【0025】
また、上記金属材料表面の欠陥原因判定装置において、前記試料室の発光光観測窓と分光分析装置とを光ファイバで連結してもよい。これにより、試料室と分光分析装置とは、相互の位置関係に拘束されることはなく、互いに自由に配置することができる。
【0026】
さらに、前記試料室内を減圧または雰囲気ガスで置換する手段を設けてもよい。大気中の酸素による、材料中の炭素、酸素、窒素などの元素からの前記発光の吸収を容易に防ぐことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明の金属材料表面の欠陥原因判定方法では、鋼、アルミニウム、銅、これらの合金、その他金属材料を対象としている。鋼材におけるへげ、割れやアルミニウム材における化成性不良などの表面欠陥は、目視で検出する。光学式表面検査装置を用いて、表面欠陥をあらかじめ検出しておいてもよい。
【0028】
パルスレーザー光は、金属材料表面で金属成分を蒸発もしくは飛散させることができ、更に発光させることができるパルスレーザーの尖頭出力が6MW以上、120MW以下であるものがよい。6MWより高い尖頭出力であると、十分な発光強度を得ることができ、原因判定作業の迅速化の点から、6MW以上とする。更には20MW以上であることがより好ましい。また、120MWより強い尖頭出力であると、試料表面より離れたところでの雰囲気をブレークダウンすることにより、パルスレーザー光が金属材料表面に到達しないことになり、金属材料表面から金属成分が蒸発もしくは飛散させられず成分元素を判定するための発光が得られない。レーザーパルスの周波数は、例えば1〜30Hz程度である。
【0029】
集光レンズは照射部でのレーザー光照射面積が2.5mm以下になるように集光できるものである。このように照射面積を絞ることにより、発光に必要なエネルギーを照射部に与えることができる。なお、照射面積は、欠陥の原因となる異質部分を他の部分と分離して同定できるように1.5mm以下にすることが好ましい。
【0030】
この発明では、金属材料表面を観察しながら目視により検出した欠陥部に照射位置を固定してパルスレーザー光を前記照射位置に照射する。正常部に照射するパルスレーザー光のパルス数はあらかじめ設定されており、例えば10〜600パルス程度である。製品全面にわたり表面粗さのばらつきが小さく、汚れ、さびなどがない場合、正常部の発光強度は製品1個(本、枚)または1ロットについて1箇所の発光強度を比較の基準とすることができる。判定精度を高めるために、欠陥部ごとに欠陥部近くの正常部の発光強度を測定し、欠陥部と正常部との発光強度を比較してもよい。試料面の汚れなどにより、最初の数パルス程度の発光強度が異常に大きくなることがある。したがってこのような場合、正常部、欠陥部とも最初の数パルス以後の発光強度を測定値とする。
【0031】
パルス毎に欠陥部の発光スペクトルの発光強度を正常部のものと比較すると、スペクトル線により欠陥部に含まれる、正常部以外の測定元素が特定される。特定された測定元素により、欠陥の原因を判定する。欠陥発生原因となる異質部分の大きさは、例えば10〜50μm程度である。数μm程度の大きさの異質部分も検出することができるが、この程度の大きさの異質部分が表面欠陥の発生原因となることはほとんどない。
【0032】
図1は、この発明の実施の1形態として欠陥原因判定装置を模式的に示す斜視図である。欠陥原因判定装置は、主としてXYステージ10、試料室40、パルスレーザー光照射装置50、位置合わせ装置60、分光分析装置70およびコンピューター80から構成されている。
【0033】
XYステージ10は、基台12が上下位置調整装置17によりテーブル1上に支持されている。上下位置調整装置17は、基台底面の4隅にそれぞれ配置されており、サーボモーターで駆動される送りねじ(いずれも図示しない)を備えている。基台12の上にXステージ20が載っている。Xステージ20は、基台12の案内面14、15に案内されてX軸方向に移動可能である。基台12にナット25が固定されており、X軸送りねじ26がナット25にはめ合っている。また、X軸送りねじ26はXステージのねじ(図示しない)にはめ合っている。X軸送りねじ26は、サーボモーター27により回転駆動される。Xステージ20の上にYステージ30が載っている。Yステージ30は、Xステージ20の案内面22、23に案内されてY軸方向に移動可能である。Xステージ20と同様に、Yステージ30にナット35が固定されており、ナット35にはY軸送りねじ36がはめ合っている。Y軸送りねじ36はYステージ30のねじ(図示しない)にはめ合っている。Yステージ30は上面に試料Sが載せられ、試料台となっている。Yステージ30上の試料SはX軸送りねじ26でX軸方向に、Y軸送りねじ36でY軸方向の位置が決められる。
【0034】
試料室40は、XYステージ10を収納するようにしてテーブル1の上に着脱可能に固定されている。試料室40の内部は、気密が保たれている。試料室40の上面にレーザー光照射窓42が、側面に発光光観測窓43がそれぞれ設けられている。試料室40の底部に、配管45が接続されている。配管45には真空ポンプ46および電磁弁47が取り付けられている。大気中の酸素による前記炭素などからの発光吸収を防ぐことができる程度に、真空ポンプ46により試料室40内を減圧する。試料室40内を不活性ガス雰囲気にする場合、真空ポンプの代りに例えばアルゴンガスボンベを接続する。
【0035】
パルスレーザー光照射装置50は、YAGパルスレーザー発振器52、全反射鏡54、および集光レンズ57を備えている。YAGパルスレーザー発振器52から水平方向に射出されたパルスレーザー光PLは、全反射鏡54で下方に向かって90゜偏向される。集光レンズ57を内蔵した鏡筒56が、上記試料室40のレーザー光照射窓42に取り付けられている。集光レンズ57は、上下動可能である。下方に向かうパルスレーザー光PLは、レーザー光照射窓42を透過してYステージ30上の試料Sに照射される。YAGレーザー発振器52の代わりに、例えばCOレーザー発振器を用いてもよい。
【0036】
位置合わせ装置60は、He−Neレーザー発振器62およびCCDビデオカメラ66を備えている。ダイクロイックミラー66が、全反射鏡54の下方に配置されている。He−Neレーザー発振器62からの、水平方向のHe−Neレーザー光HLは、ダイクロイックミラー64で下方に向かって90゜偏向される。
He−Neレーザー光HLがパルスレーザー光PLの光軸と一致するように、ダイクロイックミラー64は配置されている。ダイクロイックミラー64は、パルスレーザー光PLは透過するが、可視光であるHe−Neレーザー光HLは反射する。ビデオカメラ66は、ダイクロイックミラー64の下方に配置された半透鏡68に向かい合っており、Yステージ30上の試料Sを撮影する。ビデオカメラ66は、信号線(図示しない)を介してモニター67に接続されている。モニター67は、ビデオカメラ66からのビデオ信号により試料S面の映像を映し出す。なお、位置合わせレーザー光としてHe−Neレーザーの代わりに、例えばArレーザー光を用いてもよい。試料室40の、試料Sを観察できる位置に試料観察窓を設けることができる場合、半透鏡68を省略し、ビデオカメラ66を試料観察窓に取り付けてもよい。
【0037】
分光分析装置70は、集光レンズ74が前記発光光観測窓43に取り付けられている。集光レンズ74の鏡筒72の射出側コネクター76と分光分析装置70の入射側コネクター77とが、光ファイバ79を介して接続されている。分光分析装置70は、信号線(図示しない)を介してコンピューター80に接続されている。分光分析装置70の分光器は、マルチチャンネル型分光器やモノクロ型分光器などが例示できるが、目的とする元素組成が発する発光光を分光できるものであれば、いずれの形式の分光器でもよく、公知の分光器を用いることができる。試料室40と分光分析装置70を結ぶ光ファイバ79の代わりに、通常の金属管を光伝送管として用いてもよい。
【0038】
コンピューター80は、分光分析装置70からのデータ信号(波長に対する発光強度の時間変化)を演算処理し、その結果をモニター82に表示する。
【0039】
上記装置による欠陥原因判定方法ついて説明する。製品から採取した試料Sについて、まず目視により検出した欠陥部近くの正常部にパルスレーザ光PLを照射し、正常部を分光分析する。パルスレーザー発振器52より発したパルスレーザー光PLは集光レンズ57によって集光され、レーザー光照射窓42から試料室40内に導入される。集光されたパルスレーザー光PLは、Yステージ30上に設置した試料Sに照射される。このとき、試料Sへの照射位置は、試料厚さおよび目的とする照射面積に応じて基台12を上下動し、パルスレーザー光PLの焦点近傍に設定する。基台12を上下動する代わりに、集光レンズ57を上下動してもよい。パルスレーザー光PLの照射により試料S上に発光した発光光Pの一部は、試料室40の発光光観測窓43を通り、集光レンズ74および光ファイバー77を経て分光分析装置70に導かれる。パルス毎に分光分析装置70で分析された正常部の分析結果はコンピューター80に記憶される。
【0040】
つぎに、欠陥部にパルスレーザー光PLを照射し、欠陥部について分光分析する。試料表面の欠陥Fは小さいものであるために、照射位置を欠陥Fに正確に合わせなければならない。パルスレーザー光PLを照射する前に、位置合わせレーザー光HLを用いて照射位置を欠陥Fに合わせる。He−Neレーザー発振器62からのHe−Neレーザー光、つまり位置合わせレーザー光HLは、ダイクロイックミラー64で下方に向かって偏向される。ついで、位置合わせレーザー光HLは集光レンズ57およびレーザー光照射窓42を経てYステージ30上の試料Sに照射される。位置合わせレーザー光HLの試料面での反射像は、ビデオカメラ66で撮影され、モニター67上で観察される。モニター67の映像を見ながら、Xステージ20およびYステージ30をそれぞれ変位させ、照射位置を欠陥Fに合わせる。パルスレーザー光PLの光軸と位置合わせレーザー光HLの光軸とは一致しているので、パルスレーザー光PLは欠陥Fに正確に照射される。欠陥部には照射位置を固定し、パルスレーザー光PLを前記照射位置に照射する。欠陥部の分光分析方法は、正常部の前記方法と同じである。
【0041】
照射位置合わせに位置合わせレーザー光HLを用いない場合、例えば試料台30を基準位置に位置させ、パルスレーザー光PLの通過位置を、あらかじめ試料台30面上のXY座標表示(試料台の直交する2辺をX軸、Y軸とする)で測定しておく。一方、欠陥部の位置を試料S面上のXY座標表示(例えば長方形試料の2辺をX軸、Y軸とする)で測定しておく。上記試料Sの2辺を試料台30の2辺に合わせて、試料Sを試料台30に載置する。そして、測定する欠陥部の位置がパルスレーザ光PLの通過位置に一致するように、試料台30を送る。試料台30および欠陥部のX、Y軸方向の位置は、X軸送りねじ26およびY軸送りねじ36のそれぞれの回転数と、送りねじピッチとにより知ることができる。試料Sが長方形でない場合、試料面にX軸およびY軸を適当にとる。
【0042】
正常部および欠陥部にパルスレーザー光を照射する場合、必ずしも正常部を先に照射する必要はなく、欠陥部を最初に照射してもよい。正常部および欠陥部のそれぞれについて、パルスごとに発光スペクトルの発光強度を比較する。また、正常部および欠陥部のそれぞれ複数箇所について分光分析し、正確さを高めるようにしてもよい。その場合、それぞれ発光強度を算術平均し、試料の正常部や欠陥部の元素の存在量を算出することも可能である。さらに、欠陥部に照射したパルスごとの発光スペクトルの発光強度とそのパルス数により、欠陥原因となった異質部分の表面からの深さ、および大きさを測定することも可能である。
【0043】
【実施例】
次に、この発明を更に実施例により説明する。鋼板生じた欠陥部と正常部をこの発明の方法により分析し、欠陥の原因を解析した。金属試料として、厚さ0.2mmから2mmの金属板を用いた。また、金属板の種類は、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板を用いた。
【0044】
表1に分析条件を示す。
【表1】
Figure 0003940225
【0045】
本実施例および参考例では、図1に示す装置で、Qスイッチを備えたYAGレーザー発振器を用いた。また、集光レンズには石英を用い、発光光透過窓には合成石英を用いた。分光器にはマルチチャンネル型分光器を用いた。
【0046】
参考例1)
試料Aに対するパルスレーザー光照射位置を図2に示す。欠陥部と正常部にそれぞれ600回パルスレーザー光を照射したときの測定元素の平均発光強度を図3に示す。欠陥部には、Ca、Alが正常部に比較して多量に認められる。このことから、試料Aの欠陥の原因は潤滑パウダーであることが判る。
【0047】
参考例2)
試料Bに対するパルスレーザー光照射位置を図4に示す。欠陥部と正常部にそれぞれ300回パルスレーザー光を照射したときの測定元素の平均発光強度を図5に示す。欠陥部に正常部と比較して高濃度に存在する元素はない。このことから、試料Bの欠陥の原因はスケールであることが判る。
【0048】
参考例3)
試料Cに対するパルスレーザー光照射位置を図6に示す。欠陥部と正常部にそれぞれ150回パルスレーザー光を照射したときの測定元素の平均発光強度を図7に示す。欠陥部には、Alが正常部に比較して多量に認められる。このことから、試料Cの欠陥の原因はアルミナ系介在物であることが判る。
【0049】
参考例4)
試料Dに対するパルスレーザー光照射位置を図8に示す。欠陥部と正常部にそれぞれ300回パルスレーザー光を照射したときの測定元素の平均発光強度を図9に示す。欠陥部には、Ca、Alが正常部に比較して多量に認められる。このことから、試料Dの欠陥の原因は潤滑パウダーであることが判る。
【0050】
参考例5)
試料Eに対するパルスレーザー光照射位置を図10に示す。化成処理後に変色した欠陥部と正常部にそれぞれ200回パルスレーザー光を照射したときの測定元素の平均強度を図11に示す。欠陥部にはCuが正常部に比較して多量に認められる。このことから、試料Eにおける化成不良部の原因は、Cuの濃化であることが認められる。
【0051】
(実施例
試料Aの欠陥部に存在するCaの深さ方向の分布を調べるために、レーザーパルス毎にCaの発光強度を測定した。その発光強度のスペクトルを図12に示す。Caの発光強度から極表面を除けば試料の300照射パルスまでの表面側ではほとんどCaは存在せず、約500照射パルス付近に最大値を示す。これは、完全に表面にでていない潤滑パウダーが欠陥の原因となって、疵を形成したことを示している。更に、この発明では表面より深く存在するときにも、欠陥にCaが高濃度に存在していることを明らかにできたのみならず、深さ方向の分布も明確に捉えることができた。
【0052】
【発明の効果】
この発明の欠陥原因判定方法によれば、パルスレーザー光を欠陥部および正常部に固定し照射し発光させ、発光光を分光分析して、パルス毎に欠陥部と正常部に存在する測定元素発光強度を比較することにより、金属材料の欠陥の原因を確実にかつ迅速に判定することができる。さらに、レーザー光の掘削効果を用いて、深さ方向の分析ができるので、切断や研磨などの試料前処理なしに、表面まで達していない欠陥の原因を判定することが可能となる。
【0053】
この発明の欠陥原因判定装置によれば、照射位置合わせ手段を用いて位置合わせする。これにより、パルスレーザー光を欠陥部に迅速かつ正確に位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の実施の1形態であって、欠陥原因判定装置を模式的に示す一部破断斜視図である。
【図2】 この発明の参考例1における試料表面の欠陥位置とパルスレーザー光の照射位置を示す図である。
【図3】 参考例1による測定元素の欠陥部と正常部の発光強度を示す図である。
【図4】 この発明の参考例2における試料表面の欠陥位置とパルスレーザー光の照射位置を示す図である。
【図5】 参考例2による測定元素の欠陥部と正常部の発光強度を示す図である。
【図6】 この発明の参考例3における試料表面の欠陥位置とパルスレーザー光の照射位置を示す図である。
【図7】 参考例3による測定元素の欠陥部と正常部の発光強度を示す図である。
【図8】 この発明の参考例4における試料表面の欠陥位置とパルスレーザー光の照射位置を示す図である。
【図9】 参考例4による測定元素の欠陥部と正常部の発光強度を示す図である。
【図10】 この発明の参考例5における試料表面の欠陥位置とパルスレーザー光の照射位置を示す図である。
【図11】 参考例5による測定元素の欠陥部と正常部の発光強度を示す図である。
【図12】 この発明の実施例におけるレーザーパルスごとのCa発光強度を示す図である。
【符号の説明】
1 テーブル
10 XYステージ
12 基台
17 上下位置調整装置
20 Xステージ
30 Yステージ
40 試料室
46 真空ポンプ
50 パルスレーザー光照射装置
52 パルスレーザー発振器
54 全反射鏡
57 集光レンズ
60 位置合わせ装置
62 He−Neレーザー発振器
64 ダイクロイックミラー
66 ビデオカメラ
68 半透鏡
70 分光分析装置
80 コンピューター
S 試料
F 欠陥
P 発光光

Claims (3)

  1. 金属材料表面を観察しながら目視により検出した欠陥部にパルスレーザー光の照射位置を固定し、尖頭出力が6MW以上、120MW以下であるパルスレーザー光を前記照射位置に照射し、照射部より発生する発光光を分光分析して得られた発光スペクトルと、正常部に前記パルスレーザー光を照射し、照射部より発生する発光光を分光分析して得られた発光スペクトルとを、パルス毎に比較することにより、欠陥部と正常部の深さ方向に存在する測定元素の発光強度の差から、欠陥部を生じさせた原因を判定することを特徴とする金属材料表面の欠陥原因判定方法。
  2. 前記パルスレーザー光を集光し、照射部でのレーザー光照射面積が2.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載の金属材料表面の欠陥原因判定方法。
  3. 減圧下または不活性ガス雰囲気下で前記パルスレーザー光を照射し、照射部より発光光を発生させることを特徴とする請求項1または2記載の金属材料表面の欠陥原因判定方法。
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