JP3939603B2 - 中継伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム、特にPMP(ポイント・ツー・マルチポイント)型の自営無線通信システムにおいて、端末局を利用して適応的多段中継を行なうことにより、高速デジタル伝送を実現する中継伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及に伴い、自営無線通信分野においても大量のデータを高速で送受信するシステムに対する要望が高まってきている。
【0003】
従来、公衆移動通信サービスにおいては、高速のデータ伝送サービスを実現するためには、一つの基地局当たりのゾーン半径を小さくするとともに、単位面積当たりに基地局の設置されている密度(置局密度)を上げる(マイクロセル化)という方法が取られている。このように置局密度を上げることにより基地局−移動局間の伝搬損失を低く抑えることができ、BER(ビット誤り率)を低く保持したまま通信することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自営無線通信システムにあっては、置局密度を上げるために多くの地点に基地局を設置すること、及び、交換局から各基地局までのエントランス回線を全て整備することが必要となることから、インフラコストが増大するという不具合があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の基地局を設置しなくても端末局を利用して適応的に中継、或いは適応的に多段中継を行なうことにより、高速デジタル伝送を実現する中継伝送システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、中継伝送システムとして、端末局を利用して多段中継を行なわせ、高速のデータ伝送を行なうことを要旨とするものである。
【0007】
このような中継伝送により、本発明ではインフラコストを低く抑えながら、大量のデータを高速で送受信する無線通信システムが実現される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
1.システム構成の説明
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態として、中継伝送システムにおいて構築された中継網の一接続構成例を模式的に示す図である。図1において、符号Cはこの中継網の基地局となる本部局である。符号RMS1〜RMS9はそれぞれ端末局によって構成された中継局を、MS101〜MS115は中継機能を有していない端末局を表している。上記本部局Cと中継局RMS1〜RMS9により中継網を構築し、各端末局は本部局Cと直接、若しくは、中継局を介して本部局との通信を行う。この実施の形態においては、図1中で本部局Cと中継局RMS1〜RMS9のうち各局間を結ぶ線は互いに直接接続が可能な通信区間を表す。すなわち、例えば本部局Cは中継局RMS1、RMS2、RMS3、RMS4とリンク回線構成が可能(すなわち、直接通信することが可能な状態をいう)であり、その他の中継局とはリンク回線構成はできない。なお、このリンク回線構成の可能、不可能は当該中継網自身による後述のルート検索動作により検索される。
【0009】
2.本部局の構成
図2は上記通信システムにおいて用いられる本部局Cの一構成例を示すブロック図である。この本部局Cは、電波を送受信するアンテナ1と、無線送受信動作を行なう無線部2と、送受信用の信号を変復調する変復調部3と、受信電波の品質を解析するBER推定部4およびCNR推定部5と、送受信信号を符号化・復号するチャネルコーデック部6と、本部局Cにおける無線通信動作のタイミングをコントロールするタイミング制御部7と、無線通信動作全体をコントロールする無線制御部8とを備えている。また、この本部局Cは、中継網におけるルートの探索、ルート情報(後述するリンク行列)の各中継局への通知、ビーコン送出、位置登録処理、パケット中継サービス等、無線通信プロトコル処理動作を行うためのプロトコル制御部9と、このプロトコル制御を実行するために必要な階層構造を管理する階層構造管理部10と、この本部局Cにより管轄される中継網におけるリンク行列を管理するリンク行列管理部11と、中継網内におけるリンク回線構成が可能な区間を探索するためのポーリング制御部12と、リンク行列をもとに各中継局との最適ルートを検索する適応ルート選択部13と、中継局RMS1〜RMS9及びMS101〜MS115等の管轄する全無線局に関するデータを格納する無線局データベース14とを備えている。また、プロトコル制御部9はネットワークインタフェース部15を介して有線ネットワーク16に接続されている。
【0010】
3.固定端末局の構成
図3は、固定端末局を中継局に利用する場合の例であり、本発明の通信システムにおいて用いられる中継局RMS1〜RMS9(ここではRMS1で代表させる。他の中継局も同様の構成を有することができる。)の一実施の形態の回路構成および外部設備との接続状態を表すブロック図である。この中継局RMS1は、上に説明した本部局Cと基本的に同様な構成を有しており、電波を送受信するアンテナ21と、無線送受信動作を行なう無線部22と、送受信用の信号を変復調する変復調部23と、受信電波の品質を解析するBER推定部24およびCNR推定部25と、送受信信号を符号化・復号するチャネルコーデック部26と、中継局RMS1における無線通信動作のタイミングをコントロールするタイミング制御部27と、本部局C或いは他の中継局との間における無線通信動作をコントロールする無線制御部28とを備えている。また、この中継局RMS1は、中継網におけるルートの検索、ルート情報の本部局からの通知受信(リンク行列配送)、ビーコン送出、位置登録処理、パケット中継サービス等、無線通信プロトコル処理動作をコントロールするためのプロトコル制御部29と、当該局が本部局を代行する場合に必要となる階層構造管理部30、ポーリング制御部32、及び、無線局データベース34と、本部局から配送されたリンク行列を管理するリンク行列管理部31と、リンク行列をもとに各中継局との最適ルートを検索する適応ルート選択部33とを備えている。また、プロトコル制御部29はネットワークインタフェース部35を介して外部の有線ネットワーク36に接続されている。
【0011】
4.移動端末局の構成
図4は、移動端末局を中継局に利用する場合の例であり、中継局(ここではRMS9で代表させる。他の中継局も同様の構成を有することができる。)の回路構成の例および外部装置(DTE)との接続状態を表すブロック図である。この中継局RMS9の構成は図3に示された中継局とほぼ同じ構成を有している。したがって、図3に示した中継局と同じ機能部については同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。この構成例と図3に示した中継局との違いは、アンテナに複数のアンテナ部を有していない単一アンテナ方式のアンテナ装置が用いられ、そのためにアンテナ切替部が取り付けられていない点、本部代行時に必要となる階層構造管理部30、ポーリング制御部32、無線局データベースが搭載されていない(または機能を停止している)点、および、プロトコル制御部29が有線ネットワークに接続されず、DTEインタフェース部37を介して端末装置であるDTE38に接続されている点である。
なお、中継機能を有していない端末局MS101〜MS115の構成は、RMS9とほぼ同様であり、その違いはリンク行列管理部31が搭載されていない(または機能を停止している)点である。
【0012】
かかる構成を有する本部局Cおよび中継局RMS1〜RMS9を用いた無線通信システムの本部局開局から中継サービスに至る各種動作について、以下説明する。
【0013】
(動作例1)
5.適応ルーティング動作の概要説明
この実施の形態に係る通信システムの最初の段階における適応ルーティング動作を説明する。図5は適応ルーティングの全体動作を説明するフロー図である。図5において、本部局Cが開局されると(ステップST1)、ルート探索動作を行なうために階層的中継局探索ポーリングを行なう(ステップST2)。これは、所定の地点に設置された本部局Cおよび各中継局RMS1〜RMS9がリンク回線構成可能な相手中継局を探索する動作である。
【0014】
本実施の形態において、本部局Cは、通常、建物などに固定設置され、有線ネットワーク等に接続された交換機能を有するセンター装置を想定している。一方、中継局は、特に一地点に固定されているものではなく、任意に移動して(例えば中継車搭載、人による可搬装置携行)、通信や中継を行なえる端末装置を想定している。また、中継局は、端末局のうちの特定の局が予め中継局に指定されている場合と、本部局Cが端末局の中から任意に中継局に指定する場合とが有り得る。前者の場合、本部局C−中継局、中継局相互間のリンク・プロトコル(使用周波数、信号フォーマット等)は、予め当該局に設備することが可能であることから、中継局−移動局間のエア・プロトコル(使用周波数、信号フォーマット等)とは必ずしも同一とする必要はない。一方、後者の場合は、リンク・プロトコルとエア・プロトコルは同一であることが望ましい。
【0015】
本実施の形態では、リンク・プロトコルとエア・プロトコルは同一で、中継局は予め指定されている(本部局の無線局データベースに登録済みである)ものとして記述している。なお、上記本部局Cそのものも移動可能な装置であっても一向に構わない。さらに本発明では、本部局C、中継局ともに固定されている(建物の中に固定設置されている)場合においても、その有効性に変わりはない。何故なら、この固定設置された本部局Cと中継局の関係においても、当初はリンク回線構成可能な状態であった本部局Cと中継局間、或いは中継局相互の区間に、後になって高層ビル等が建造されリンク回線構成が不可能になる場合が考えられる。このような場合には、再び本部局Cからポーリングを行なって別のルート探索を行なう必要が生じるからである。しかし、この実施の形態においては、少なくとも中継局は移動可能であるものとして説明する。
【0016】
上記のように少なくとも中継局は移動可能であるから、各地点に中継局が設置(或いは配置)された最初の時点では、本部局Cがどの中継局とリンク回線構成可能か、或いは中継局RMS1〜RMS9の各中継局はどの中継局とリンク回線構成可能かは不明である。この状況下でリンク回線構成可能なルートを探索するのが階層的中継局探索ポーリングである。
【0017】
この階層的中継局探索が行なわれると、階層構造とリンク行列が確定する(ステップST3)。階層構造とは、本部局Cから各中継局までのツリー状有階位網のトポロジーを表すもので、初期段階における制御メッセージ転送のルート選択に使用する。一方、リンク行列とは、本部局C及び全中継局の各局相互間でのリンク回線構成の可否及び可の場合の通信品質を記録した表(配列変数)である。リンク行列の情報は、ステップST2の過程で本部局Cに集められる。本部局Cは、これを階層構造の情報をもとに各中継局RMS1〜RMS9へ効率的に配送する(ステップST4)。
【0018】
次に、リンク行列の情報を配送された各中継局RMS1〜RMS9は、当該情報を利用して自局から本部局Cまでの全ルート検索を行ない、その中から最適ルートの候補を確定する(ステップST5)。次いで、各中継局RMS1〜RMS9はビーコンを送出し、中継品質等の情報を移動局(端末局、すなわち、ユーザ局)に向けて報知する(ステップST6)。これを受けて移動局は、位置登録を開始する(ステップST7)。以降、位置登録が完了した移動局から、中継サービスが開始される(ステップST8)。
【0019】
中継サービスが開始されると、パケット中継サービスが行なわれる(ステップST9)。パケット中継サービス中においても、リンク区間の伝搬路上にビル建設等が行われることによる遮蔽損失の増加(固定設置の中継局の場合)や中継局の位置移動(車両に搭載または人に携行された中継局の場合)等に伴うリンク回線品質変動を監視するため、本部局Cは周期的に中継局のポーリングを行ない、必要に応じて中継ルートの更新及び移動局への報知情報の更新を行う(ステップST10)。また、移動局の位置移動等に伴い、時宜、移動局からの位置登録更新が行なわれる(ステップST11)。
【0020】
(動作例2:ルート探索動作の詳細)
6.階層的中継局探索ポーリング
(1)1次中継局探索プロトコル
図6乃至図8は図5に示された動作フロー中の階層的中継局探索ポーリング(ステップST2)の動作を詳細に説明するフロー図である。図6において、本部局Cが開局されて(ステップST1)中継局探索動作に入ると、本部局Cは無線局データベース14から中継局(中継局数をNsとする。この実施の形態では中継局はRMS1からRMS9までありNs=9である)のデータを抽出する(これを中継局リストと言う。図11。ステップST201)とともに、1次〜n次中継局リスト(階層構造リスト)、及び、リンク行列を初期化する(ステップST202)。
【0021】
次に本部局Cは変数iに1を設定し(ステップST203)、中継局リスト中の第i番目の中継局をポーリングする(ステップST204)。これにより中継局RMS1に対するポーリングが行なわれる。本部局Cは一定時間内にポーリングに対する応答があったか否かをチェックし(ステップST205)、ポーリング応答があればその中継局i(=RMS1)を1次中継局として1次中継局リスト及びリンク行列を更新し(ステップST206、207)、応答がなければリスト更新を行わずにリンク行列のみを更新する(ステップST207)。1次中継局リスト更新では、応答があった中継局の番号が1次中継局の欄に書込まれる。また、リンク行列更新では、0行i列及びi行0列にポーリング信号(下り受信)及びポーリング応答信号(上り受信)から観測された回線品質情報、本実施例では下りBER推定値と上りBER推定値のうち大きい方(回線品質が悪い方)の値が書き込まれる。
【0022】
以降同様に、変数iの値をインクリメントしながら(ステップST209)、i=Naとなるまで(ステップST208)、ポーリング〜リンク行列更新(ステップST204〜207)を繰り返す。本実施の形態においては、本部局Cが全中継局のポーリングを行なった結果、中継局RMS1、RMS2、RMS3、RMS4からポーリング応答があり、それ以外の中継局からはポーリング応答がなかったことが分かる。図1に示したシステム構成例の場合の上記シーケンスを図9(<step1>本部局Cポーリング)に示す。 したがって、図12に示すように、中継局RMS1、RMS2、RMS3、RMS4が1次中継局として階層構造リストに計上され、それぞれ1次中継局番号1、2、3、4が付けられる。
【0023】
(2)2次中継局探索プロトコル
図6のフロー図において、全中継局のポーリング動作を完了すると、階層構造リスト(図12)の1次中継局の列の行数をカウントし、その値を1次中継局数としてNaに設定する(図7ステップST211。この時点では、中継局番号の重複を許容している。)。本部局Cは変数iに1を設定し(ステップST212)、階層構造リストの1次中継局リスト中の第i中継局に対して、リンク行列の当該中継局の行で未確認の中継局が存在する場合(ステップST213)、それらの中継局に対してポーリングを行なうことを指示する(ステップST214)。一方、リンク行列の当該中継局の行で未確認の中継局が存在しない場合は、無処理で次のステップ(ステップST220)に移行する。
【0024】
本部局Cはポーリング指示後、第i中継局からのポーリング一括応答を1次中継局より受信し(ステップST215)、ポーリング一括応答メッセージから応答局リストを抽出する(ステップST216)。ポーリング一括応答メッセージには、応答局数、応答中継局番号、応答局リンク回線品質情報が含まれている。本部局CはステップST216において抽出した応答局リストを基に応答局の有無をチェックし、応答局がある場合は1次中継局が第i中継局の欄の右側に2次中継局欄を応答局数分確保し、若番順に応答中継局番号を書き込むことにより、階層構造リストを作成・更新する(図13ステップST218)。次いで、各応答中継局番号の中継局リスト上の順序番号をjとし、i行j列及びj行i列にポーリング一括応答メッセージで通知された回線品質情報、本実施例では当該リンク区間(第i中継局−第j中継局)の下りBER推定値と上りBER推定値のうち大きい方(回線品質が悪い方)の値を書き込むことにより、リンク行列の更新を行う(ステップST219)。応答局がない場合は、無処理で次のステップ(ステップST220)に移行する。
【0025】
以降同様に、変数iの値をインクリメントしながら(ステップST221)、i=Naとなるまで(ステップST216)、ポーリング指示〜リンク行列更新(ステップST211〜215)を繰り返す。図1に示したシステム構成例の場合の上記シーケンスを、図9(<step2−1>RMS1ポーリング 〜 <step2−4>RMS4ポーリング)に示す。
【0026】
(3)3次以降の中継局探索プロトコル
図7のフロー図において、全1次中継局へのポーリング指示が完了すると、本部局Cは中継次数としてn=3を設定するとともに(ステップST231)、階層構造リスト(図13)のn−1次中継局の列の行数をカウントし、その値をn−1次中継局数としてNaに設定する(図8ステップST232。この時点では、中継局番号の重複を許容している。)。
【0027】
次に本部局Cは変数iに1を設定し(ステップST233)、階層構造リストのn−1次中継局リスト中の第i中継局宛に、当該中継局に対してポーリング指示メッセージ未送出の場合(ステップST234)で、かつ、リンク行列の当該中継局の行で未確認の中継局が存在する場合(ステップST235)、階層構造リスト中で最上位局に当たる1次中継局に対して、それらの中継局に対してポーリング指示メッセージの転送を中継ルートを指定して指示する(ステップST236)。一方、当該中継局に対してポーリング指示メッセージ既送出の場合(ステップST234)、又は、リンク行列の当該中継局の行で未確認の中継局が存在しない場合(ステップST235)は、無処理で次のステップ(ステップST242)に移行する。本部局Cはポーリング指示メッセージの転送指示後、第i中継局からのポーリング一括応答を1次中継局より受信し(ステップST237)、ポーリング一括応答メッセージから応答局リストを抽出する(ステップST238)。前述のように、ポーリング応答メッセージには、応答局数、応答中継局番号、応答局リンク回線品質情報が含まれている。
【0028】
次に本部局Cは応答局リスト中に応答局があるか否かをチェックし(ステップST239)、応答局がある場合は、ステップST238において抽出した応答局リストを基にn次中継局までの階層構造リストを作成・更新し(ステップST240)、次いでリンク行列を更新する(ステップST241)。一方、応答局がない場合は、無処理で次のステップ(ステップST242)に移行する。以降同様に、変数iの値をインクリメントしながら(ステップST244)、i=Naとなるまで(ステップST243)、ポーリング指示メッセージ転送〜リンク行列更新(ステップST236〜241)を繰り返す。
【0029】
次に本部局Cは、ステップST243においてi=Naとなったときは、nが許容最大中継段数に達しているか否かをチェックする(ステップST245)。このときnが許容最大中継段数に達していない場合は、nをインクリメントし(ステップST246)、階層構造リスト(図14)のn−1次中継局の列の行数をカウントしてn−1次中継局数Naに設定する(ステップST232)。以下、nが許容最大中継段数に達するまでステップST232〜ステップST245までの処理動作を繰り返し実行する。そして、ステップST242においてポーリング指示メッセージ未送出の中継局がなくなった場合、およびステップST245においてnが許容最大中継段数に達した場合は、一連の中継局探索処理動作を終了して、初期階層とリンク行列の確定状態(ステップST3)へと移行する。図1に示したシステム構成例の場合の上記シーケンスを、図10(<step3−1>RMS1経由RMS5ポーリング 〜 <step4−1>RMS2−RMS6経由RMS7ポーリング)に示す。
【0030】
7. 探索結果の構造化処理(階層構造リスト、リンク行列)
本部局Cは、前記の階層的中継局探索ポーリング(ST2)が終了すると、階層構造リストとリンク行列が得られる(ST3)。図13〜図15はそれぞれ1次中継局探索後〜4次中継局探索後に得られる階層構造リストを示している。また、図16は、4次中継局まで探索したときに得られるリンク行列(本実施の形態では回線品質としてBERを適用した例を示している。)を示している。無線通信システム全体のルーティング制御の観点からは、本部局が掌握した上記階層構造リストとリンク行列から、各中継局までの最適ルートを本部局が検索して、その結果のみを各中継局に送付する方法と、リンク行列を全中継局に配送して、各中継局が個別に最適ルート検索を行う方法とが考えられる。
【0031】
本発明においては、本部局以外の中継局(特に有線ネットワークに接続されている固定の中継局。後述するスタート局、エンド局がともに中継局の場合。)との接続も考慮して、後者の方法を例として記述するものとする。なお、リンク行列の配送方法については、実施の形態2において詳述することとし、先にルート検索アルゴリズム及び最適ルート検索アルゴリズムについて説明する。
【0032】
8.ルート検索アルゴリズム
図19は、本部局C若しくは各中継局RMS1〜RMS9の適応ルート選択部が、ビーコン送出(ST6)に先立って、図16のリンク行列、図17のリンク可能局数表、及び、図18の検索順位表を使ってルート検索を行なう(ST5)ときの処理アルゴリズムを説明するフロー図である。
【0033】
以下に本アルゴリズムで使用する変数及び配列変数の定義を記述する。
■M(i,j)
リンク行列を表す配列変数。無線局iと無線局jの対向区間におけるBER推定値が書き込まれている。但し、リンク構成が可能でない場合はNullコードを書き込まれる。i,jの数値範囲はそれぞれ0〜nでnは中継局数。
【0034】
エンド・エンドの回線品質を評価するためには各区間の受信入力レベル(dBμ)ではなく、加法性のあるCNR(搬送波電力対雑音電力比)真数値の逆数、若しくは、BER(ビット誤り率)推定値等を用いる必要がある。本実施の形態では、無線局iと無線局jの区間のBER推定値をリンク行列の要素M(i,j)で表すものとする。また、対向区間では上り回線と下り回線の2つの回線品質が測定されるが、回線品質保証の観点から、回線品質の悪い方の回線の値を採用しリンク行列が対称行列(M(i,j)=M(j,i))となるよう作成する(図20参照)。本配列変数は、本部局Cより配送されたデータをもとに各中継局のリンク行列管理部が生成し、適応ルート選択部に供給する。
【0035】
■I(x)
リンク可能局数を表す配列変数。リンク行列の第x行のNullコードでないセルの個数が書き込まれている。xの数値範囲は0〜nで無線局番号に対応している。本配列変数は、生成されたリンク行列をもとにリンク行列管理部が生成し、適応ルート選択部に供給する。
【0036】
■Q(x、y)
検索順位を表す配列変数。リンク行列の第x行のNullコードでないセルの列番号(無線局番号に対応)を若番順に並べたもの。配列サイズはn×m(m=max{I(x)})となるが、m>I(x)となる行の第I(x)列以降の列にはNullコードを書き込む。xの数値範囲は0〜nで無線局番号に対応し、yの数値範囲は1〜I(x)で、無線局xからリンク可能な無線局への方路番号(方路番号には絶対的な意味はなく、ルート検索時にのみ使用される仮の番号である。)に対応している。本配列変数は、生成されたリンク行列をもとにリンク行列管理部が生成し、適応ルート選択部に供給する。
【0037】
■A
多段中継の起点となる無線局(スタート局と言う。通常は本部局がスタート局となる。)の無線局番号を示す変数。
【0038】
■B
多段中継の終点となる中継局(エンド局と言う。当該中継局が端末局への中継サービスを行う。)の無線局番号を示す変数。
【0039】
■Fk
k次中継局の中継局番号を表す変数。従って、F0=A、Fn=Bとなる。
【0040】
■c
ルートカウンタ。スタート局Aからエンド局Bに至る各ルートに管理番号を付与するための変数。
【0041】
図19のフロー図は、ST3〜TS10が1段中継ルート(本部局C−中継局−移動局)の有無を、ST11〜ST19が2段中継ルート(本部局C−中継局−中継局−移動局)の有無を、ST20〜ST29が3段中継ルート(本部局C−中継局−中継局−中継局−移動局)の有無を検索する処理ブロックとなっている。本実施例では割愛されているが、これを任意の段数まで拡張することは容易である。
【0042】
各中継局の適応ルート選択部は、本部局Cからリンク行列を配送され、リンク行列管理部よりM(i,j)、I(x)、Q(x、y)の供給を受けると、全ルート検索を開始する。通常、適応ルート選択部は、スタート局番号Aを本部局Cの局番号である0に、エンド局番号Bを自局番号に設定する(ST1)。
続いてルートカウンタcをリセット(c=0。ステップST2)すると、1段中継ルートの検索を開始する。
【0043】
(1)1段中継ルート検索
先ず、変数I1を1(ステップST3)として、F1にQ(A,I1)を代入する(ステップST4)。そして、F1がスタート局番号Aと重複(F1=A)していないかどうかをチェックし(ステップST5)、重複していない場合(N)は、引き続き、エンド局Bと一致するかどうかをチェックする(ステップST6)。ST5で重複している場合(Y)は、次の中継局を検索するため、I1<I(A)の間(ステップST9)、I1をインクリメントして(ステップST10)、ST4〜ST9の処理を繰り返す。ST6で一致した場合(Y)は、ルートカウンタcをインクリメントして(ステップST7)、メモリR(c)にルート情報[A,B]を書き込み(ステップST8)、次の中継局を検索するため、I1<I(A)の間(ステップST9)、I1をインクリメントして(ステップST10)、ST4〜ST9の処理を繰り返す。ST6で一致しなかった場合(N)は、2段中継ルートを検索するため、ST11に移行する。
【0044】
(2)2段中継ルート検索
2段中継ルート検索では、当初、変数I2を1(ステップST11)として、F2にQ(F1,I2)を代入する(ステップST12)。そして、F2がスタート局番号A、1次中継局番号F1と重複(F2=A,F2=F1)していないかどうかをチェックし(ステップST13、14)、重複していない場合(N)は、引き続き、エンド局Bと一致するかどうかをチェックする(ステップST15)。ST13,14で重複している場合(Y)は、次の中継局を検索するため、I2<I(F1)の間(ステップST18)、I2をインクリメントして(ステップST19)、ST12〜ST18の処理を繰り返す。ST15で一致した場合(Y)は、ルートカウンタcをインクリメントして(ステップST16)、メモリR(c)にルート情報[A,F1,B]を書き込み(ステップST17)、次の中継局を検索するため、I2<I(F1)の間(ステップST18)、I2をインクリメントして(ステップST19)、ST12〜ST18の処理を繰り返す。ST15で一致しなかった場合(N)は、3段中継ルートを検索するため、ST20に移行する。
【0045】
(3)3段中継ルート検索
3段中継ルート検索では、当初、変数I3を1(ステップST11)として、F3にQ(F2,I3)を代入する(ステップST21)。そして、F3がスタート局番号A、1次中継局番号F1、2次中継局番号F2と重複(F3=A,F3=F1,F3=F2)していないかどうかをチェックし(ステップST22、23、24)、重複していない場合(N)は、引き続き、エンド局Bと一致するかどうかをチェックする(ステップST25)。ST22、23、24で重複している場合(Y)は、次の中継局を検索するため、I3<I(F2)の間(ステップST28)、I3をインクリメントして(ステップST29)、ST21〜ST28の処理を繰り返す。ST25で一致した場合(Y)は、ルートカウンタcをインクリメントして(ステップST26)、メモリR(c)にルート情報[A,F1,F2,B]を書き込み(ステップST27)、次の中継局を検索するため、I3<I(F2)の間(ステップST28)、I3をインクリメントして(ステップST29)、ST21〜ST28の処理を繰り返す。図19では、ST25で一致しなかった場合(N)は、4段中継ルートを検索を行わず、ST28に移行しているが、4段以上のルートについても同一形式の処理で検索し続けることが可能である。
【0046】
(4)検索結果
図20に、図1に示したシステム構成例で中継局RMS3に関して算出された9段中継ルートまで検索した結果を示す(A=0、B=3)。本例の場合、9局の中継局による組合せで16通りのルートが存在していることが分かる。
【0047】
9.最適ルート検索アルゴリズム
最適ルートの定義は、そのシステムの目的、用途、トラヒック条件等により異なることが想定される。以下に種々の条件における最適ルート検索アルゴリズムについて記述する。
【0048】
(1)ルート内総和最小条件
この最適ルート条件は、次式で示される中継品質評価関数P(k)を最小とする変数F1〜Fn-1の組として与えられる。その際、F1〜Fn-1の各変数の中にA、Bは含まれず、かつ、無線局番号の重複もないことが条件となる。ここで、P(k)(kは中継段数で1〜n)は、そのルートが存在する場合は、
P(1)=M(A,B)
P(2)=M(A,F1)+M(F1,B)
P(3)=M(A,F1)+M(F1,F2)+M(F2,B)

P(n)=M(A,F1)+M(F1,F2)+M(F2,F3)+・・・
・・・+M(Fn-1,B)
で与えられる。
【0049】
前節のルート検索アルゴリズムに基づきルート検索が完了すると、次に、適応ルート選択部は最適ルート検索を行う。ルート検索結果(図20)より、各ルート番号毎に、本部−1次間を第1区間、1次−2次間を第2区間、2次−3次間を第3区間、以下同様として、各区間のBERをリンク行列より求める。即ち、ルート番号1の場合は第1区間の値はM(0,1)、第2区間はM(1,2)、第3区間はM(2,3)となる。
【0050】
図21に示すように、各区間のBERの値をリンク行列より求め、その総和(総合BER)を計算することにより、中継品質の順位を確定することができる。因みに、図20のような検索結果の場合、第1位はルート番号1(0−1−2−3。3段中継)、第2位はルート番号8(0−2−3。2段中継)、第3位はルート番号4(0−1−5−6−2−3。5段中継)となり、必ずしも直結の0−3(1段中継。ルート番号11)が中継品質最良とはならないことが分かる。
【0051】
(2)中継段数最小条件
中継遅延時間を極力短縮したいシステム、或いは、中継トラヒックの負荷を極力軽減したいシステムにおいては、最適ルートの定義として、「中継段数最小」を採用するものとする。この場合、ルート検索で得られた結果(図20)から、中継次数最小のルートを選択する。図20の例では、ルート番号11の本部−RMS3直結のルートが選択される。
【0052】
10.回線品質推定
本実施の形態における無線通信システムにおいては、本部局Cおよび中継局RMS1〜RMS9はいずれも、BER推定部4およびCNR推定部5或いはBER推定部24およびCNR推定部25を有しており、前述のポーリング指示メッセージ等の制御メッセージは、誤り訂正符号化(BCH符号、RS符号、畳込み符号等)が施されていることを前提としている。本実施の形態では回線品質指標としてBERを例に記述してきたが、中継サービスの方式によっては他の回線品質指標を使用することが妥当である場合がある。以下に、種々の中継サービス方式における回線品質指標について記述する。
【0053】
(1)CNR真数値の逆数
中継サービスの方式をリアルタイムのベースバンド再生中継方式(この場合、接続方式は回線交換方式となる。)とした場合、リンク回線品質の指標としてはCNRを使用することが妥当である。この場合は、CNR推定部は無信号時に無線部から通知されるAGC情報と復調部から通知されるベースバンド信号の平均電力の情報から算出される雑音電力値と、制御メッセージ受信時に無線部・復調部から通知される同情報から算出される平均受信電力値との比から、CNRの真数値の逆数(=雑音電力÷受信電力)を算出する。但し、マルチパス環境下にあっては、上記のような測定法に基づくCNR推定では正確に回線品質を評価することができない。そこで、信号サイズがある程度大きい無線通信システムにおいては、BER推定部が出力するBER推定値をもとに、CNR推定部に図22に示すCNR対BER標準カーブを具備し、BER推定値からCNR値を推定するものとする。これにより、無線部・変復調部からの情報に基づいて算出されたCNRが30dBであっても、マルチパス等により上記BERが2E−04であった場合は、CNR対BER標準カーブより、約16dB(従って、CNRの真数値の逆数は10^(−16/10)=0.025)と推定することができる。
【0054】
一方、信号サイズが小さく(例えば1000ビット以下。この場合、BERが1E−03以下のBERは測定困難。)、上記方法の適用が不合理なシステムの場合は、同期検波が可能な変調方式に関してはテンプレート上に写像された受信シンボルと最も近いシンボル点との信号空間上のユークリッド距離の2乗平均値を正規化雑音電力としてCNRの真数値の逆数を算出する。遅延検波が可能な変調方式で受信信号の振幅変動の補正が困難な場合は、差動信号空間内の単位円上に受信シンボルを写像して、受信シンボルとテンプレート上の最も近いシンボル点のユークリッド距離の2乗平均値を正規化雑音電力としてCNRの真数値の逆数を算出する。なお、CNR推定部で算出されたCNRの真数値の逆数は、チャネルコーデック部を介してプロトコル制御部に通知され、必要に応じてポーリング応答メッセージ等の情報要素として使用される。
【0055】
(2)BER
中継サービスの方式をビット再生中継方式(この場合、接続方式は回線交換方式となる。)とした場合、リンク回線品質の指標としてはBERを使用することが妥当である。この場合、BER推定部は、制御メッセージを受信するごとにチャネルコーデック部から提供されるビット再生系列と誤り訂正符号の復号系列を利用して、復号系列から再符号化系列を生成して、これとビット再生系列と比較することにより直接算出する。
【0056】
一方、信号サイズが小さく(例えば1000ビット以下。この場合、BERが1E−03以下のBERは測定困難。)、上記方法の適用が不合理なシステムの場合は、測定したCNRから、図22のCNR対BER標準カーブを逆に辿って、BER推定を行うものとする。算出されたBERはチャネルコーデック部を介して、プロトコル制御部に通知され、必要に応じてポーリング応答メッセージ等の情報要素として使用される。
【0057】
(3)無線パケット消失率
中継サービスの方式を誤り訂正中継方式(この場合、接続方式は回線交換方式、パケット交換方式のいずれもが可能となる。)とした場合、リンク回線品質の指標としては無線パケット消失率(無線回線のビット誤りにより、正しくパケットが送達できない確率)を使用することが妥当である。しかしながら、少ない通信量の中で、無線パケット消失率を観測することは困難であることから、これに代わる手段として、実測したBERまたはCNRを利用して、無線パケット消失率を推定すると言う方法が考えられる。
【0058】
すなわち、図22はCNR対BERの標準カーブであったが、同様に予めBER対無線パケット消失率の標準カーブ、若しくは、CNR対無線パケット消失率の標準カーブをCNR推定部4、CNR推定部24に具備することにより、制御メッセージ受信時に測定されるBERやCNRから、無線パケット消失率を推定することが可能となる。これにより、リンク行列の要素として、無線パケット消失率を用いることが可能となり、各区間の無線パケット消失率の総和でルート相互間の比較を行うことが可能となる。BER推定部で算出された無線パケット消失率は、チャネルコーデック部を介して、プロトコル制御部に通知され、必要に応じてポーリング応答メッセージ等の情報要素として使用される。
【0059】
(実施の形態2)
11.リンク行列配送アルゴリズム
次に、本発明における第2の実施の形態として、リンク行列の各中継局への配送方式について説明する。第7節(探索結果の構造化処理)で説明したように、各中継局へ与えるルーティング情報及びその送付方法としては、本部局Cが個々の中継局までの最適ルートを予め検索し、その結果を個別に各中継局に配送する方法と、全中継局へのリンク行列の配送とが考えられる。前者の場合は個別配送となるため、その通信回数は中継局数分、即ち、nとなるが、後者の場合は、同一情報の配送となるため、以下に示すような効率的な配送方法が考えられる。
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る、中継伝送システムにおけるリンク行列の配送方式を説明する図である。この図における中継伝送システムは、上記第1の実施の形態にかかる中継伝送システムとは異なった中継局数及びリンク回線で構成されている。そして、本部局Cには1次中継局として、中継局1、中継局7、中継局8、中継局9が接続され、1次中継局1には2次中継局として、中継局2、中継局5、中継局6が接続されている。また、2次中継局2には3次中継局として、中継局3および中継局4が分岐して接続された構成となっている。なお、中継局7、中継局8、中継局9は単独の1次中継局であり、中継局5、中継局6は単独の2次中継局である。
【0060】
先ず本部局Cは、実施の形態1の手順に基づいて中継局の階層構造リストを作成する。その階層構造リストの例を図24に示す。この階層構造リストから、各ルートの最遠点、即ち、3次中継局である中継局3、中継局4、2次中継局である中継局5、中継局6、及び、1次中継局である中継局7、中継局8、中継局9に対してリンク行列を多段中継により配送すれば、それ以外の中継局を全て経由することとなる。その際、経由局となる各中継局では、配送されているリンク行列を取得することが可能であり、配送応答メッセージの中継においても、自局の配送応答情報を付加して中継することが可能である。
【0061】
なお、階層構造リストが図15の例のように、同一中継局が複数リスト上に現れる場合は、予めより下位の位置にある中継局を消去しておくものとする。図15の例では、4次中継局のi=5のRMS9、2次中継局のi=1のRMS2、i=2のRMS3、i=4のRMS3、i=7のRMS8が消去対象となる。
上記のように整理された階層構造リストを分析することにより、本部局Cは、中継局1−中継局2経由中継局3・中継局4、中継局1経由中継局5・中継局6、中継局7、中継局8、中継局9の合計5回の通信により、リンク行列配送が可能となることが認識できる。本部局Cは、各通信毎にトランザクション管理用のメッセージ番号を付して、リンク行列の配送を行う。なお、メッセージ番号は同一期間内に発行される他の制御メッセージのメッセージ番号と重複さえしていなければよいテンポラリな番号で、連番である必要はない。後述するように、各局が応答メッセージを受信したとき、このメッセージ番号により、どの指示メッセージに対する応答メッセージであるかを容易に判別することが可能となる。
【0062】
(1)メッセージ番号 0x00F2の動作
そこで、先ず本部局Cからは中継局3および中継局4にリンク行列を配送するため、メッセージ番号「0x00F2」を付けて中継局1へ送信する。この送信データは更に中継局2を経由して中継局3および中継局4へ送信される。リンク行列を受け取った中継局3および中継局4は応答メッセージをそれぞれ中継局2に返送し、以降、中継局2、中継局1の順に転送されて、本部局Cへ送達する。
【0063】
図25は、このリンク行列の配送および応答メッセージの送信動作を説明するタイムチャートである。同図中▲1▼〜■はリンク行列の配送および応答メッセージの送信動作の全手順で、このうち▲1▼〜▲8▼がメッセージ番号0x00F2に関する手順を示している。リンク行列は、先ず本部局Cから中継局1へ送られ▲1▼、次に中継局2へ送られ▲2▼、さらに中継局3へ送られる▲3▼。中継局3はこの実施の形態のリンク構成では最終段中継局であるから、中継局2へ応答メッセージを送信する▲4▼。中継局2は、次に中継局4へリンク行列を送る▲5▼。中継局4は最終段中継局であるから、中継局2へ応答メッセージを送信する▲6▼。中継局3および中継局4から応答メッセージを受け取った中継局2は両方の応答メッセージを合わせた応答メッセージを中継局1へ送信する▲7▼。中継局1は中継局2から送られてきた応答メッセージを本部局Cへ送信する▲8▼。
【0064】
上記メッセージ番号「0x00F2」のリンク行列配送指示メッセージを配送する処理動作において、中継局1および中継局2は、特に配送先に指定されなかったが、リンク行列情報の取り込みは可能である。したがって、この実施の形態では上記中継局1および中継局2はその中継動作の中でリンク行列情報を受信格納する。したがって、次に本部局Cが2次中継局へ向けてリンク行列を配送するときは中継局2は配送先リストからは除外される。
【0065】
(2)メッセージ番号0x00F3の動作
次に、本部局Cは中継局5および中継局6にリンク行列を配送するため、メッセージ番号「0x00F3」を付けて中継局1へ送信する▲9▼。この送信データは中継局1により中継局5に送信され■、中継局5からの応答が返ると■、引き続き中継局6へ送信される■。中継局6より応答を受信する■と、中継局1は本部局Cへ応答を返す■。
【0066】
(3)メッセージ番号0x00F4〜6の動作
更に、本部局Cは孤立した1次中継局である中継局7、中継局8、および中継局9にリンク行列を配送するため、それぞれに異なるメッセージ番号を付与し、個別配送して、個別に応答をとる。(■■には「0x00F4」、■■には「0x00F5」、■■には「0x00F6」が付与される。)
【0067】
以上のように、より一層下位(下段)の中継局へのリンク行列の配送処理動作において中継動作を行なった中間の中継局へのリンク行列の個別配送を省略することにより、同一情報の配送を効率的に実現することができる。
【0068】
12.メッセージフォーマット
(1)制御メッセージフォーマット
図26はこれまでに説明してきた各種制御メッセージのフォーマットを示す図である。制御メッセージは、メッセージ種別、発ID,着ID、メッセージン番号、中継段数N、終段中継局数M、メッセージ発行局ID、1次中継局ID〜N−1次中継局ID、N次中継局ID−1〜N次中継局ID−M、及び、制御情報要素から構成される。「中継段数」から「N次中継局ID−M」まではルート情報である。当該制御メッセージを中継する際、各局は、自局のIDを「発ID」に、対向局のIDを「着ID」に表示し、「メッセージ番号」以降をそのまま中継する。すなわち、本部局が当該メッセージをリンク回線に送出する場合は、発IDに本部局IDを、着IDに1次中継局IDを設定する。これを受けた1次中継局は、発IDに自局のIDを着IDに2次中継局IDを設定する。以下、同様にして中継され、N−1次中継局が当該メッセージを受信すると、終段中継局数Mが1の場合はN−1次中継局と同様の動作となるが、Mの値が2以上の場合は、その局数に応じて、指定のN次中継局ID-1〜Mを順次着IDに設定して、制御メッセージをM回送出する。
【0069】
図9、図10における階層的中継局探索ポーリングでは、本部局が直接ポーリングを行う場合は「ポーリング」、1次中継局にポーリングを指示する場合は「ポーリング指示」、2次中継局以降の中継局にポーリングを指示する場合は1次中継局に対して「ポーリング転送指示」と言う制御メッセージを発行する。これらの制御メッセージを中継する中継局は、その位置に応じて、ポーリング転送指示をポーリング指示に(N−2次中継局の場合)、ポーリング指示をポーリング(N−1次中継局の場合)に変換するが、メッセージ番号は不変とする。なお、当該制御メッセージにおいては、制御情報要素を省略することができる。
【0070】
同様に、図25においても、本部局が直接リンク行列配送を行う場合は「リンク行列配送」、1次中継局にリンク行列配送を指示する場合は「リンク行列配送指示」、2次中継局以降の中継局にリンク行列配送を指示する場合は1次中継局に対して「リンク行列転送指示」と言う制御メッセージを発行する。これらの制御メッセージを中継する中継局は、その位置に応じて、リンク行列転送指示をリンク行列配送指示に(N−2次中継局の場合)、リンク行列配送指示をリンク行列配送(N−1次中継局の場合)に変換するが、メッセージ番号は不変とする。なお、当該制御メッセージにおいては、制御情報要素の領域にリンク行列の情報が設定される。なお、リンク行列の表現方法として、有効な要素のみを表現する方法(行番号・列番号・BERのセットを並べる。但し対称要素は重複のため除外。)と、対称行列構造の全てを表現する方法(0行1列〜n列、1行2列〜n列、・・・、n−1行n-1列の順にBERのみを送付)がある。
【0071】
(2)応答メッセージフォーマット
図27はこれまでに説明してきた各種応答メッセージのフォーマットを示す図である。応答メッセージは、メッセージ種別、発ID,着ID、メッセージ番号、及び、制御情報要素から構成される。制御メッセージと応答メッセージは、メッセージ番号により対応付けられる。前述したように、メッセージ番号は、制御メッセージを発行する局(通常は本部局)がトランザクション管理用に生成するテンポラリな番号であり、同一時間内に他の制御メッセージと番号が重複しないよう管理されているものである。メッセージ番号による対応付けにより、応答メッセージには、ルート情報の表示を省略することが可能である。
【0072】
また、応答メッセージに付随している制御情報要素の領域には、最終区間で応答があった場合に、N−1次中継局がN次中継局の応答中継局IDを書き込む。(制御情報要素の冒頭に応答局数領域を設け、それに引き続き応答局IDを書き込む。N−1次中継局では複数の応答中継局が存在する可能性がある。)一方、応答がない場合は、応答局数を0として上位局に応答を返す。最終区間以外の区間では、応答が合った場合は、制御情報要素の領域をそのまま上位局に転送し、応答がなかった場合は、応答局数を0として上位局に応答を返す。
【0073】
以上より、制御メッセージ発行局(通常は本部局)において制御メッセージの送達確認が可能となる。階層的中継局探索ポーリングでは、これらの機構を利用して中継局の探索を行っている。
【0074】
なお、ポーリング応答メッセージにおいては、制御情報要素の領域には応答局(N次中継局)がポーリング信号受信時に測定或いは推定した回線品質情報(下り回線品質)を応答中継局IDに続いて書き込むものとする。これを中継するポーリングを行ったN−1次中継局は、当該ポーリング応答信号受信時に測定或いは推定した回線品質情報(上り回線品質)を、上記下り回線品質情報に続いて書き込んだ応答メッセージを生成して上位局に中継するものとする。
【0075】
13.中継局のビーコン送出タイミング
図5のフロー図に示すように、リンク行列配送が完了すると、各中継局はリンク行列から最適ルートを検索し、これをもとに報知メッセージを生成し、移動局に向けてビーコン(周期的に下り報知メッセージを送出することにより、中継局の存在を移動局に認識させることが出来ることから、下り報知メッセージを無線標識になぞらえて「ビーコン」と呼ぶものとする。)を送出する。その際、図28に示すように、各中継局は、リンク行列の配送を受け、応答メッセージを送出したタイミングを基準にして、以降T1秒周期で移動局に対してビーコンを送出する。なお、本部局は、1次中継局からの応答メッセージ受信と次のリンク配送指示メッセージとの間の任意のタイミング、若しくは、全ての1次中継局からの応答メッセージ受信完了後の任意のタイミングを基準として、以降T1秒周期で移動局に対してビーコンを送出する。
【0076】
なお、周期T1は、最初のリンク行列配送指示メッセージ▲1▼送出開始から最後の1次中継局からの応答メッセージ■受信終了までの時間以上の任意の値とする。
但し、本部局のビーコン送出タイミングが、全ての1次中継局からの応答メッセージ受信完了後の任意のタイミングを基準とした場合は、T1は、最初のリンク行列配送指示メッセージ▲1▼送出開始から本部局の初回ビーコン送出終了までの時間以上の任意の値とする。
【0077】
以上のようなタイミングを用いてビーコン送出を行うことにより、各中継局のビーコン送出タイミングが一致することはなく、無用な衝突を防止することが可能となる。
【0078】
14.端末局位置登録と最適ルート選択
上記ビーコン送出により信号を受信した移動局は自局についての位置登録を行なう。図29はこの位置登録動作を説明するフロー図である。端末局MS101〜MS115は、ビーコン受信を開始すると、タイマーを起動し(ステップST701)、カウンタc及びルートメモリが初期化(リセット)する(ステップST702、ST703)。次に、ビーコン受信を行なったか否かをチェックし(ステップST704)、受信していなければ上記起動したタイマーがタイムアウトしたか否かをチェックする(ステップST712)。そして、タイムアウトしていなければ再びビーコン受信を行なったか否かをチェックする(ステップST704)。ステップST704においてビーコン受信している場合は、カウンタcをインクリメントし(ステップST705)、次いで受信した報知メッセージのBERを算出し(ステップST706)、更に当該メッセージ中に表示されている中継回線品質(BER)とステップ706で算出したBERを加算する(ステップ707)。
【0079】
カウンタcの値が2以上でない場合(即ちcが1の場合。ステップ708:N)はステップ707で加算されたBERの値と当該報知メッセージ中に表示されている送信中継局番号をルートメモリに記憶する(ステップST710)。一方、カウンタcの値が2以上の場合(ステップST708:Y)は、ルートメモリに記憶されているBERの値とステップST707で加算したBERの値とを比較する(ステップ709)。そして、ルートメモリに記憶されているBERの値(メモリ値)がステップST707で加算したBERの値(加算値)以下の場合はステップ712に移行し、逆に、加算値がメモリ値未満の場合は、加算値と当該メッセージの送信中継局番号をルートメモリに上書きする(ステップST711)。
【0080】
その後タイマーがタイムアウトしたか否かをチェックする(ステップST712)。また、ステップST712においてタイマーがタイムアウトした場合は、カウンタcについてc=0か否かをチェックし(ステップST713)、ステップST713においてc=0である場合は、再びステップST701に戻ってタイマーを起動させる。ステップST713においてc=0でない場合は、ルートメモリに記憶された中継局に対して位置登録を行なう(ステップST714)。端末局の最適ルート選択の手法は、端末局がビーコン受信に際して表示される回線品質と、自局が測定した当該中継局との回線品質をもとに、トータルの回線品質を評価し(上記の例ではBER加算)、トータルの回線品質が最も良好な中継局に対して位置登録を行なうと言うもので、電源投入時、ゾーン移動時等に適宜実行される。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線通信システムにおいて、端末局を中継局として利用し、当該中継局に適応的に多段中継を行なわせることにより、データ伝送を実現するようにしたため、インフラコストを低く抑えながら、大量のデータを高速で送受信することができる。
【0082】
また、本発明によれば、階層的中継局探索ポーリングにより、端末局の中の中継機能を具備した局を効率的に検索することが出来ると同時に、リンク構造を把握するために必要な情報を収集できる。
【0083】
また、本発明によれば、ルート検索アルゴリズムにより、収集した情報から、効率的に(少ない演算処理で)中継可能な全てのルートを検索することが出来る。
【0084】
また、本発明によれば、上記において、中継段数の上限を設けておくことにより、中継局数が多く中継網が複雑なシステムにおいても、ルート検索時間が過剰に長くなることを防止することが出来る。
【0085】
また、本発明によれば、最適ルート検索アルゴリズム1(ルート内総和最小条件)により、他のルートと比較してビット誤りの少ない経路を選択することが可能となる。
【0086】
また、本発明によれば、最適ルート検索アルゴリズム2(中継段数最小条件)により、他のルートと比較して中継遅延時間の少ない経路を選択することが可能となる。
【0087】
また、本発明によれば、中継サービスとしてベースバンド再生中継を行うシステムの場合、中継ルート選択に際して、ルート毎の各区間の実測CNRの真数値の逆数、或いは実測BERから換算したCNR推定値の真数の逆数の総和を比較することにより、より良好な中継ルートを選択することができる。
【0088】
また、本発明によれば、中継ルート選択に際して、ルート毎の各区間の実測BER、或いは、実測CNRから換算されるBER推定値の総和を比較することにより、より良好な中継回線品質比較を行うことができる。
【0089】
また、本発明によれば、中継サービスとして誤り訂正中継を行うシステムの場合、中継ルート選択に際して、ルート毎の各区間の実測BER或いは実測CNRから換算される無線パケット消失率の総和を比較することにより、より良好な中継ルートを選択することができる。
【0090】
また、本発明によれば、最適ルート情報ではなく、リンク行列を配送することで、各中継局が独自に任意のルート検索が可能となる。
【0091】
また、本発明によれば、上記により、本部局以外への中継も可能となることから、本部局障害時の固定中継局によるバックアップや中継トラヒックの分散に資することができる。
【0092】
また、本発明によれば、階層構造を利用することで、リンク行列の効率的な配送が行える。
【0093】
また、本発明によれば、上記の応答タイミングを利用することで、対移動局向けビーコンの衝突を回避することができる。
【0094】
また、本発明によれば、複数の中継局のビーコンを受信可能な移動局は、ビーコンに中継局番号と中継ルート品質情報を表示することで、ビーコン受信品質と合わせて、端末局−本部局トータルの回線品質を比較することが可能となり、オーバーオールの最適ルート選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における無線通信システムによって構築されるシステム構成例の中で中継網構成の一例を表す図
【図2】本発明の一実施の形態における無線通信システムに用いられる本部局の回路構成の一例を表すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態における無線通信システムに用いられる固定中継局の回路構成の一例を表すブロック図
【図4】本発明の一実施の形態における通信システムに用いられる移動中継局の回路構成の他の一例を表すブロック図
【図5】前記実施の形態に係る中継網における適応ルーティングの全体動作を説明するフロー図
【図6】前記実施の形態に係る中継網に関して図5に示された動作フロー中の1次中継局探索処理の動作を詳細に説明するフロー図
【図7】前記実施の形態に係る中継網において図6に続き2次中継局探索処理の動作を詳細に説明するフロー図
【図8】前記実施の形態に係る中継網において図7に続き3次以降の中継局探索処理の動作を詳細に説明するフロー図
【図9】前記実施の形態に係る中継網における階層的中継局探索処理(図6、図7)の通信プロトコル動作を説明するシーケンス図
【図10】図9に続き前記実施の形態に係る中継網における階層的中継局探索処理(図8)の通信プロトコル動作を説明するシーケンス図
【図11】図6の1次中継局探索処理において使用される中継局リストを表形式で表した図
【図12】図6の1次中継局探索処理後に得られた階層構造リストを表形式で表した図
【図13】図7の2次中継局探索処理後に得られた階層構造リストを表形式で表した図
【図14】図8の中で、3次中継局探索処理後に得られた階層構造リストを表形式で表した図
【図15】図8の中で、4次中継局探索処理後に得られた階層構造リストを表形式で表した図
【図16】前記実施の形態に係る中継網の階層的中継局探索処理動作により明らかとなった各局間のリンク回線構成の可否及び可の場合の回線品質を表形式で表した図(リンク行列)
【図17】前記実施の形態に係る中継網の階層的中継局探索処理動作により明らかとなった各局の通信可能局数を表形式で表した図
【図18】前記実施の形態に係る中継網のルート検索をするに当たっての各局からみた検索範囲と順位を表形式で表した図
【図19】図16、図17、および図18の表を使って中継可能な全ルートを検索する処理動作を説明するフロー図
【図20】前記実施の形態において中継可能な全ルートを検索する処理動作により得られた本部局−中継局(RMS3)間ルート検索結果の一例を表す図
【図21】前記実施の形態において中継可能な全ルート検索結果から最適ルート検索を行う際に得られるルート毎の回線品質(総合BER)及びその順位を表形式で表した図
【図22】前記実施の形態において、回線品質を推定する際に使用するCNR対BER標準カーブを示す図
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る中継伝送システムにおいて、リンク行列の配送方式を説明する図
【図24】前記第2の実施の形態において、本部局により作成されたリンク行列配送のための中継局の階層構造リストの例を示す図
【図25】前記第2の実施の形態において、リンク行列の配送および応答メッセージの送信動作を説明するシーケンス図
【図26】前記実施の形態1、及び、実施の形態2において、共通に使用される下り制御メッセージのフォーマットの一例を表した図
【図27】前記実施の形態1、及び、実施の形態2において、共通に使用される上り応答メッセージのフォーマットの一例を表した図
【図28】前記第2の実施の形態において、ビーコン送出動作を説明するためのタイムチャート
【図29】前記第2の実施の形態において、ビーコンを受信した移動局による端末局位置登録動作を説明するフロー図
【符号の説明】
1、21 アンテナ
2、22 無線部
3、23 変復調部
4、24 BER推定部
5、25 CNR推定部
6、26 チャネルコーデック部
7、27 タイミング制御部
8、28 無線制御部
9、29 プロトコル制御部
10、30 階層構造管理部
11、31 リンク行列管理部
12、32 ポーリング制御部
13、33 適応ルート選択部
14、34 無線局データベース
15、35 ネットワークインタフェース部
16、36 有線ネットワーク
37 DTEインタフェース部
38 DTE
C 本部局
RMS1〜RMS9 中継局
MS101〜MS115 端末局

Claims (12)

  1. 本部局と、中継局として設定された複数の端末局とから構成され、前記本部局から前記各中継局へポーリングを行なって、前記本部局とリンク回線構成可能な前記中継局を探索して1次中継局とし、
    前記1次中継局のリンク回線構成未確認の中継局にポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを2次中継局とし、
    前記1次中継局を介して前記2次中継局に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを3次中継局とし、
    以下同様にして、前記1次中継局からN−1次中継局を介してN次中継局(3≦N)に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索(階層的中継局探索ポーリング)してこれをN+1次中継局とし、
    これを全中継局のポーリング応答が得られるまで順次実行して階層構造を決定し、
    前記階層構造を解析することにより得られるルート情報に基づき、前記各中継局に多段中継を行なわせ、
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定されたCNR真数値の逆数とし、
    その総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることにより、データ伝送を実現することを特徴とする中継伝送システム。
  2. 本部局と、中継局として設定された複数の端末局とから構成され、前記本部局から前記各中継局へポーリングを行なって、前記本部局とリンク回線構成可能な前記中継局を探索して1次中継局とし、
    前記1次中継局のリンク回線構成未確認の中継局にポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを2次中継局とし、
    前記1次中継局を介して前記2次中継局に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを3次中継局とし、
    以下同様にして、前記1次中継局からN−1次中継局を介してN次中継局(3≦N)に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索(階層的中継局探索ポーリング)してこれをN+1次中継局とし、
    これを全中継局のポーリング応答が得られるまで順次実行して階層構造を決定し、
    前記階層構造を解析することにより得られるルート情報に基づき、前記各中継局に多段中継を行なわせ
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定されたBERとし、
    前記実測または推定されたBERの総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることにより、データ伝送を実現することを特徴とする中継伝送システム。
  3. 本部局と、中継局として設定された複数の端末局とから構成され、前記本部局から前記各中継局へポーリングを行なって、前記本部局とリンク回線構成可能な前記中継局を探索して1次中継局とし、
    前記1次中継局のリンク回線構成未確認の中継局にポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを2次中継局とし、
    前記1次中継局を介して前記2次中継局に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索してこれを3次中継局とし、
    以下同様にして、前記1次中継局からN−1次中継局を介してN次中継局(3≦N)に必要最小限のポーリングを指示してリンク回線構成可能な端末局を探索(階層的中継局探索ポーリング)してこれをN+1次中継局とし、
    これを全中継局のポーリング応答が得られるまで順次実行して階層構造を決定し、
    前記階層構造を解析することにより得られるルート情報に基づき、前記各中継局に多段中継を行なわせ、
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定された無線パケット消失率とし、
    前記無線パケット消失率の総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることにより、データ伝送を実現することを特徴とする中継伝送システム。
  4. ルートの起点となるスタート局からルートの終点となるエンド局へのルート選択のための前記階層構造解析に当たって、前記スタート局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して1次中継局とし、
    この1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときは前記1次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して2次中継局とし、前記2次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    以下順次、
    N次中継局が前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときはこのN次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索してN+1次中継局とし、前記N+1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックすることにより、
    リンク構成可能な全てのルートを検索し、
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定されたCNR真数値の逆数とし、
    その総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることを特徴とするルート探索方法。
  5. ルートの起点となるスタート局からルートの終点となるエンド局へのルート選択のための前記階層構造解析に当たって、前記スタート局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して1次中継局とし、
    この1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときは前記1次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して2次中継局とし、前記2次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    以下順次、
    N次中継局が前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときはこのN次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索してN+1次中継局とし、前記N+1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックすることにより、
    リンク構成可能な全てのルートを検索し、
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定されたBERとし、
    前記実測または推定されたBERの総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることを特徴とするルート探索方法。
  6. ルートの起点となるスタート局からルートの終点となるエンド局へのルート選択のための前記階層構造解析に当たって、前記スタート局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して1次中継局とし、
    この1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときは前記1次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索して2次中継局とし、前記2次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックし、
    以下順次、
    N次中継局が前記エンド局のときは、これを1つのルートの候補とし、
    前記エンド局でないときはこのN次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局をリンク行列から検索してN+1次中継局とし、前記N+1次中継局が前記エンド局であるか否かをチェックすることにより、
    リンク構成可能な全てのルートを検索し、
    前記ルート探索の結果から、各ルート候補間の比較を行うに当って、リンク行列の要素を各区間の実測または推定された無線パケット消失率とし、
    前記無線パケット消失率の総和が最小のルートを最適ルートとし、前記各中継局に適応的多段中継を行なわせることを特徴とするルート探索方法。
  7. 前記リンク行列からN次中継局とリンク回線構成可能な全ての中継局を検索する場合、
    前記リンク行列の各行毎に有効な列の数および有効な列番号を列記したリストを作成し、前記リストに基づいて有効な列のみを検索することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のルート探索方法。
  8. 前記ルート検索に当って、所定の段数を予め設定しておき、この段数になってもエンド局に到達しない場合は、その段以降のルート検索処理を打切り、次のルートの検索処理に移行することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載のルート探索方法。
  9. 前記本部局において、前記階層的中継局探索ポーリングにより得られた情報のうち、リンク行列を各中継局に配送し
    本部局は、リンク行列を各中継局に配送する際、階層構造を利用して中継ルートを決定し、そのルート上に位置する1次中継局からN−1次中継局を介してN次の最遠端中継局に向けて配送し、
    その信号を中継する前記1次中継局から前記N−1次中継局は、中継過程で前記リンク行列を取得し、
    前記本部局は、前記1次中継局から前記N−1次中継局へのリンク行列配送を省略することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中継伝送システム。
  10. リンク行列の配送を中継した前記N−1次中継局は、N次の最遠点中継局からの配送応答メッセージを上位局に中継する際、前記N次の最遠点中継局が複数存在した場合はその全ての中継局の配送応答メッセージの到着を待ち、
    前記配送応答メッセージの受信の有無の情報を含む応答メッセージを一括で上位局に送信し、
    前記N−1次中継局より上位の中継局は、前記配送応答メッセージを自局の上位局に中継することを特徴とする請求項9記載の中継伝送システム。
  11. 前記中継局は、前記リンク行列の配送応答メッセージを送信したタイミングを記憶し、その時点を基準に前記各中継局が同一周期で端末局に対してビーコン送出を行なうことを特徴とする請求項9または10記載の中継伝送システム。
  12. 前記各中継局は、前記ビーコン信号の中に報知メッセージを有し、その報知メッセージには中継局番号及び当該中継局の中継回線品質を表示し、
    前記端末局は、位置登録動作を実行するに際して、複数の中継局からのビーコンを受信できる場合、
    各ビーコン信号に含まれている報知メッセージの中の中継回線品質の数値と、当該移動局が当該ビーコン信号を受信に際して測定又は推定した回線品質の数値を加算し、
    前記各中継局毎の前記加算結果を比較して、数値が最小となる中継局に対して位置登録を行うことを特徴とする請求項11記載の中継伝送システム。
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