JP3937935B2 - 情報処理装置用無線通信カード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置のカードスロットに挿入可能に構成され、その情報処理装置と外部装置との間での無線データ通信を可能とする無線通信カードに関し、特に、ノイズ混入による通信品質の悪化を抑制することの可能な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)等の情報処理装置と外部装置との間において無線データ通信を可能にする無線通信カード(例えば無線LANカード、携帯電話システムの通信方式によるデータ通信用カード等)が、既に実用化されている。この無線通信カードは、外部装置に向けて送信するデータの変調、および外部装置から受け取ったデータの復調に関する処理を行う。
【0003】
図29に示す従来の無線通信カード50は、基板54上に形成された送受信処理部(図示せず)や、無線通信用のアンテナ素子52等を備える。アンテナ素子52は、筐体内に挿入されない場所に位置する1/4波長(の整数倍)モノポールアンテナとして構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アンテナ素子が1/4波長モノポールアンテナである場合で説明すると、図29に示すように、アンテナ素子52の高周波電流Ioによって、基板54のグランド部を流れる電流Isが励起される。すると、電流Isの流れる部分と1/4波長モノポールアンテナとが擬似的に半波長ダイポールアンテナとして動作し、情報処理装置等において発生した高周波ノイズが通信信号に混入してしまうという問題が生じる。特に、この種の無線通信カードは、情報処理装置のカードスロットに深く挿入され、情報処理装置のノイズ発生源の近くにこの擬似的な1/2ダイポールアンテナが配置されることになり、高周波ノイズを拾い易い。したがって、情報処理装置用の無線通信カードにおいてこの種のノイズの混入を抑制することは、非常に重要な課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる無線通信カードは、情報処理装置のカードスロットに挿入可能に構成され、該情報処理装置と外部装置との無線によるデータ通信を可能とする無線通信カードにおいて、基板グランド部を有する基板と、カードスロットへの挿入方向に伸びる基板中心線から離間して配置される半波長型アンテナ素子と、を備え、前記半波長型アンテナ素子を一対の1/4波長放射電極で構成し、一対の1/4波長放射電極のうち、一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたこと、を特徴とする。
【0006】
ここで、図1を参照して、本発明にかかる無線通信カードの作用について説明する。図1は本発明にかかる無線通信カード10の一例の概略構成を示す図である。図1では、上側が情報処理装置に無線通信カード10を装着したときに露出する側、下側が情報処理装置の内部側(カードスロットの奥側)に相当する。また白抜きの矢印は、無線通信カード10のカードスロットへの挿入方向を示す。基板12はほぼ長方形に形成されており、その長手方向がカード10の挿入方向に一致している。このカード10には、1/4波長放射電極14a,14bを有する半波長型アンテナ素子14が設けられている。
【0007】
かかる構成の無線通信カード10の基板12においても、1/4波長放射電極14aに流れる高周波電流によって励起される励起電流Isaと、1/4波長放射電極14bに流れる高周波電流によって励起される励起電流Isbとが生じる。半波長型アンテナ素子14の場合、二つの1/4波長放射電極14a,14bに流れる電流の正負が逆となるため、これら電流によって基板12上に励起される励起電流についても、正負が逆となり、これら励起電流Isa,Isbの大きさをほぼ等しくすれば、励起電流Isa,Isbを相殺することができるということを想起するに至った。励起電流Isa,Isbが相殺された場合、基板12(のグランド部)および1/4波長放射電極14a,14bが擬似的にアンテナとして動作することがなくなるから、それによるノイズの混入が抑制される。
【0008】
そして、発明者らは、研究を重ねた結果、励起電流Isa,Isbの大きさは、各1/4波長放射電極14a,14bと、基板12上の基板グランド部と、の間の浮遊容量(静電容量)Ca,Cbの大きさに依存しているため、これら浮遊容量Ca,Cbをほぼ等しくすることで、励起電流Isa,Isbの大きさがほぼ等しくなり、その結果としてノイズの影響を無視できる程度に励起電流Isa,Isbが相殺できることを見出すに至った。なお、ここでいう静電容量とは、使用高周波に対する容量を意味し、半波長型ダイポールアンテナの電界放射を決定している。
【0009】
これら浮遊容量Ca,Cbは、図1の場合のように、半波長型アンテナ素子14が挿入方向に伸びる基板12の中心線Lcについて線対称となるように配置されている場合には、等しくなる。この場合、励起電流Isa,Isbが相殺される。
【0010】
また、半波長型アンテナ素子14が中心線Lcについて線対称ではなく、その長手方向の中央が基板中心線Lcから離間した位置となっている場合においても、種々のパラメータを調整することで、ほぼ等しくすることができる。これを図2を参照して説明する。図2は、有限な大きさの二つの矩形電極16u,16dを種々の姿勢で対向させた場合の静電容量を示す図である。そしてこの考察では、矩形電極16u,16dのうち、小さい方は1/4波長放射電極に相当し、また大きい方は基板グランド部に相当するものとして考えればよい。まず図2(a)に示すように、一般的に二つの電極16u,16d間の静電容量Ca1,Ca2は、それらの距離h1,h2が近いほど大きくなる(すなわち、h1<h2の場合、Ca1>Ca2)。距離h1、h2が近いほど二つの電極間の電界(電気力線)が外部に漏れにくくなることに相当する。また図2(b)に示すように、二つの電極16u,16dがそれぞれ有限の大きさを備える場合、二つの電極16u,16d間の距離hが同じであっても、互いの中心位置ou,od間の距離δ1,δ2が近いほど静電容量は大きくなる(すなわち、δ1<δ2の場合、Cb1>Cb2)。この場合も、距離δ1、δ2が近いほど二つの電極間の電界(電気力線)が外部に漏れにくくなるからである。
【0011】
このような性質を利用すれば、例えば、基板グランド部に対する半波長型アンテナ素子の相対的な位置にあわせて、半波長型アンテナ素子上の点が、該素子の延伸によって生ずる、基板グランド部に対する距離を変化させることで、上記二つの浮遊容量をほぼ等しくすることができる。具体的には、例えば、基板中心線と直交する方向に延伸する二つの1/4波長放射電極のうち、基板中心線から遠い位置にある1/4波長放射電極については基板グランド部との離間距離を小さくし、他方、基板中心線から近い位置にある1/4波長放射電極については基板グランド部との離間距離を大きくする。こうすることで、方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の浮遊容量と、他方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の浮遊容量とをほぼ等しくし、基板上に生じる励起電流を相殺することができる。
【0012】
た、例えば、二つの1/4波長放射電極のうち、基板中心線から遠い位置にある1/4波長放射電極については基板グランド部(基板)の端辺と平行にし、他方、基板中心線から近い位置にある1/4波長放射電極については根元から先端に向かうにつれて基板グランド部の端辺からの距離が長くなるようにその延伸方向を設定する。こうすることで、上記二つの浮遊容量をほぼ等しくし、基板上に生じる励起電流を相殺することができる。
【0013】
また、例えば、方の1/4波長放射電極の大きさと他方の1/4波長放射電極の大きさとを異ならせることにより、上記二つの浮遊容量をほぼ等しくすることができる。具体的には、例えば、二つの1/4波長放射電極のうち、基板中心線から遠い位置にある1/4波長放射電極を大きく、他方、基板中心線から近い位置にある1/4波長放射電極を小さくする。こうすることで、上記二つの浮遊容量をほぼ等しくし、基板上に生じる励起電流を相殺することができる。
【0014】
また、例えば、基板グランド部に対する半波長型アンテナ素子の相対的な位置にあわせて、方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の比誘電率と、他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の比誘電率と、を異ならせる部品を設けることにより、上記二つの浮遊容量をほぼ等しくすることができる。例えば、二つの1/4波長放射電極のうち、基板中心線から遠い位置にある1/4波長放射電極と基板グランド部との間には導体部品を設け、かつ基板中心線から近い位置にある1/4波長放射電極と基板グランド部との間には特に部品を追加しない。こうすることで、各1/4波長放射電極と基板グランド部との間の浮遊容量を等しくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図3は、本実施形態にかかる無線通信カード10が情報処理装置18に装着された状態を示す斜視図、また図4〜図28は、各実施形態にかかる無線通信カード10の要部を示す斜視図である。
【0016】
図3に示すように、無線通信カード10は、情報処理装置18(例えばノート型のパーソナルコンピュータ等)の例えば側面に設けられたカードスロット(PCカードスロット)に挿入/取出自在に構成される。この無線通信カード10は、通信データの変復調にかかる処理を行う。具体的には、無線通信カード10は、情報処理装置18から受け取った通信データを、基板(図3では図示せず)上に構成される送信処理部(図示せず)において変調し、変調した通信データを外部の無線通信装置(図示せず)に向けて半波長型アンテナ素子14から送信する。また無線通信カード10は、外部の無線通信装置から半波長型アンテナ素子14を介して受信した通信データを、同じく基板上に構成される受信処理部(図示せず)において復調し、復調した通信データを情報処理装置18に伝送する。無線通信カード10の挿入先側に設けられたインタフェイスコネクタ(図示せず)と、カードスロットの奥側に設けられたインタフェイスコネクタ(図示せず)とが電気的に接続され、これらコネクタを介して無線通信カード10と情報処理装置18との間のデータ伝送が行われる。
【0017】
以下、図4〜図28を参照して、各実施形態における無線通信カード10の基板12および半波長型アンテナ素子14について説明する。各図では、実際の無線通信カード10に設けられる外部筐体や、送受信にかかる構成については図示しておらず、半波長型アンテナ素子14と基板12(基板グランド部12a)との間の浮遊容量に関する構成と、半波長型アンテナ素子14への給電に関する構成の一部(給電部20、バラン回路22;図4のみ)についてのみ示している。
【0018】
図4〜図28の実施形態において、基板12はそれぞれ略長方形に構成されており、その長手方向が無線通信カード10のカードスロットへの挿入方向に一致し、その短手方向がインタフェースコネクタ(図示せず)の幅方向(基板中心線Lcに直交する方向)に一致している。なお、無線通信カード10は、その表面側および裏面側から例えば樹脂製の図示しない外部筐体(ケーシング)によって、基板12が一体的に狭持されることにより、形成される。また、これら実施形態では、基板(例えば誘電体基板等)12の表面には、基板グランド部12aとしての導体膜(例えば銅箔等)が形成されている。そしてこれら実施形態においては、特に言及しない限り、導体膜が基板12の表面上の全体を被覆して基板グランド部12aが形成されているものとする。そして、その場合、基板グランド部12aの重心は、基板12の表面の重心に一致する。
【0019】
図4〜図23の実施形態では、半波長型アンテナ素子14は、基板12の長手方向の端辺12b(基板端辺12b)の近傍において、その延伸方向が該基板端辺12bに沿うように配置される。また、半波長型アンテナ素子14の長手方向中央部は基板中心線Lcから離間して配置されている。なお、図4〜図23においては、右上側がカードスロットの奥側、左下側が情報処理装置18に装着されたときに露出する側となるが、各図では、その露出側についてのみ示している。
【0020】
図4〜図11の実施形態では、いずれも、半波長型アンテナ素子14は、その一端から他端にかけて一直線には形成されず、その途中で折り曲げて構成されている。すなわち、これら実施形態では、半波長型アンテナ素子14の延伸方向が長手方向の途中で変化していることになる。そしてこれら実施形態では、こうした構成によって、片方の1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12aの間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12aの間の静電容量と、をほぼ等しくしている。
【0021】
図4〜図6の実施形態は、半波長型アンテナ素子14の1/4波長放射電極14a,14bを、基板12の長手方向側の外方に、棒状のダイポールアンテナ素子として構成した例である。
【0022】
図4の実施形態では、基板中心線Lcに近い側の1/4波長放射電極14aを、根元点p1から途中点p3までは基板端辺12bから離間する方向(すなわち基板グランド部12aの重心との距離が増大する方向;例えば基板中心線Lcに沿った方向)に延伸し、該途中点p3から端点p2までは基板端辺12bと平行な方向に延伸している。一方、基板中心線Lcから遠い側の1/4波長放射電極14bについては、その根元点p4から端点p5まで基板端辺12bと平行な方向に延伸している。
【0023】
ここで、図4中の破線に示すように、1/4波長放射電極14aに替えて、半波長型アンテナ素子14が一直線状となるように1/4波長放射電極14cを設けた場合を仮定する。このとき、1/4波長放射電極14cと基板グランド部12aとの間の静電容量は、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)に近い分、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きくなる。これに対し、1/4波長放射電極14aは、1/4波長放射電極14cに比べて基板グランド部12aの重心から離間しているから、該1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量は、1/4波長放射電極14cと基板グランド部12aとの間の静電容量より小さい。このことから、上記構成において、1/4波長放射電極14aの屈曲点(途中点p3)の位置や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくできるのがわかる。
【0024】
図5の実施形態では、1/4波長放射電極14aを、根元点p1から端点p2に向けて基板端辺12bから徐々に離間する方向(すなわち、基板グランド部12aの重心との距離が漸増する方向)に延伸し、一方、1/4波長放射電極14bについては、基板端辺12bと平行な方向に延伸している。この場合も、上記図4の実施形態と同様、1/4波長放射電極14aの延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。
【0025】
また図4および図5の実施形態のように、一方側の1/4波長放射電極14aを基板グランド部12aの重心から遠ざけるのではなく、逆に、他方側の1/4波長放射電極14bを基板グランド部12aの重心に近づけることによって、半波長型アンテナ素子14を構成する二つの1/4波長放射電極14a,14bの基板グランド部との間の静電容量のバランスを調整してもよい。その一例が図6の実施形態である。
【0026】
図6の実施形態では、1/4波長放射電極14aを、基板端辺12bと平行な方向に延伸し、一方、1/4波長放射電極14bについては、根元点p4から途中点p6までは基板端辺12bと平行な方向に延伸し、該途中点p6から端点p5までは、基板端辺12bに近づく方向(すなわち、基板グランド部12aの重心との距離が漸減する方向;例えば基板中心線Lcと平行で基板12の外側から中心側に向かう方向)に延伸している。
【0027】
ここで、図6中の破線に示すように、1/4波長放射電極14bに替えて、半波長型アンテナ素子14が一直線状となるように1/4波長放射電極14dを設けた場合を仮定する。このとき、1/4波長放射電極14dと基板グランド部12aとの間の静電容量は、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)から遠い分、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量より小さくなる。これに対し、1/4波長放射電極14bは、1/4波長放射電極14dに比べて基板グランド部12aの重心に近いから、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量は、1/4波長放射電極14dと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きい。このことから、上記構成において、1/4波長放射電極14bの屈曲点(途中点p6)の位置や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくできるのがわかる。
【0028】
図7〜図11の実施形態は、半波長型アンテナ素子14の1/4波長放射電極14a,14bを、基板12の表面上に、板状のアンテナ素子として構成した例である。
【0029】
図7の実施形態では、基板中心線Lcから近い側の1/4波長放射電極14aを、根元点p7から途中点p9までは基板グランド部12aから離間する方向(すなわち基板グランド部12aとの距離が漸増する方向;例えば基板12の表面に垂直な方向)に延伸し、該途中点p9から端点p8までは基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸している。一方、基板中心線Lcから遠い側の1/4波長放射電極14bについては、その根元点p10から端点p11まで基板12の表面に平行な方向かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸している。
【0030】
ここで、図7中の破線に示すように、1/4波長放射電極14aに替えて、半波長型アンテナ素子14が一直線状となるように1/4波長放射電極14eを設けた場合を仮定する。このとき、1/4波長放射電極14eと基板グランド部との間の静電容量は、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)に近い分、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きくなる。これに対し、1/4波長放射電極14aは、1/4波長放射電極14eに比べて基板12の表面に遠いから、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量は、1/4波長放射電極14eと基板グランド部12aとの間の静電容量より小さい。このことから、上記構成において、1/4波長放射電極14aの屈曲点(途中点p9)の位置や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくできるのがわかる。
【0031】
図8の実施形態では、1/4波長放射電極14aを、根元点p7から端点p8に向けて基板グランド部12aから徐々に離間する方向に延伸し、一方、1/4波長放射電極14bについては、基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸している。この場合も、上記図7の実施形態と同様、1/4波長放射電極14aの延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。
【0032】
図9の実施形態では、1/4波長放射電極14aを、基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸し、一方、1/4波長放射電極14bについては、根元点p10から端点p11まで基板グランド部12の重心に近づく方向(すなわち、基板グランド部12aの重心との距離が漸減する方向;例えば基板中心線Lcと平行で基板12の外側から内側に向かう方向)に延伸している。
【0033】
ここで、図9中の破線に示すように、1/4波長放射電極14bに替えて、半波長型アンテナ素子14が一直線状となるように1/4波長放射電極14fを設けた場合を仮定する。このとき、1/4波長放射電極14fと基板グランド部12aとの間の静電容量は、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)から遠い分、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量より小さくなる。これに対し、1/4波長放射電極14bは、1/4波長放射電極14fに比べて基板グランド部12aの重心に近いから、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量は、1/4波長放射電極14fと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きい。このことから、上記構成において、1/4波長放射電極14bの延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくできるのがわかる。
【0034】
図10の実施形態では、1/4波長放射電極14aを、基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸し、一方、1/4波長放射電極14bについては、根元点p10から途中点p12までは基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸し、該途中点p12から端点p11までは基板12の表面(すなわち基板グランド部12a)に近づく方向(例えば基板12の表面に垂直な方向)に延伸している。この実施形態では、1/4波長放射電極14b(の一部)と基板グランド部12aとの距離を、上記1/4波長放射電極14f(図10中に破線で示す)と基板グランド部12aとの距離より短くすることで、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくしている。
【0035】
図11の実施形態では、図10の実施形態にかかる半波長型アンテナ素子14において、その1/4波長放射電極14bの先端部14b2をさらに折り曲げ、当該先端部14b2が基板12の表面に平行かつ基板中心線Lcに垂直な方向に延伸するように構成している。かかる構成においても、図10の実施形態の場合と同様に、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。
【0036】
以上図4〜図11の実施形態では、基板グランド部12aの重心からの距離が異なる二つの1/4波長放射電極14a,14bのうちいずれか一方について、基板グランド部12aからの距離、あるいは基板グランド部12aの重心からの距離を適切に調節することで静電容量のバランスを図った。しかし、二つの1/4波長放射電極14a,14bの双方について、基板グランド部12aからの距離、あるいは基板グランド部12aの重心からの距離を適切に設定した場合においても、これらのバランスを図ることができるのは言うまでもない。また1/4波長放射電極14a,14bを、複数箇所で折り曲げたり、二次元あるいは三次元の曲線状に折り曲げたり、あるいは、半波長型アンテナ素子14の延伸方向位置に応じて、さらに細かく、基板グランド部12aからの距離、基板グランド部12aの重心からの距離、半波長型アンテナ素子14の曲率(延伸方向)を変化させたりすることによっても、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくできることは、容易に理解できよう。
【0037】
ところで、基板グランド部12aの形状および配置を工夫することによっても、それらをバランスさせることができる。その例が図12および図13の実施形態である。
【0038】
図12および図13の実施形態では、基板端辺12bより外側に、基板中心線Lcから離間した位置を中心として基板端辺12bと平行に伸びる棒状のダイポールアンテナとして、1/4波長放射電極14a,14bを有する半波長型アンテナ素子14が設けられる。そして、基板12上の1/4波長アンテナ素子14aに近い部分においては、基板グランド部12aが形成されず、基板本体12cが露出している。基板12上の表面全体に基板グランド部12aが形成され、かつこのような配置および形状の半波長型アンテナ素子14が設けられた場合には、基板グランド部12aの重心との距離の違いにより、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量が、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きくなる。本実施形態では、1/4波長放射電極14aに近い側で基板本体12cを露出させる分、それを露出させなかった場合に比べ、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの距離(または基板グランド部12aの重心との距離)がより長くなり、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量が小さくなる。このことから、適切な位置および形状で基板本体12cを露出させることにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくできるのがわかる。また、図12の実施形態と図13の実施形態とでは、基板グランド部12aの形状(すなわち基板本体12cの露出部の形状)が異なるが、その形状は、基板12上に形成される回路構成や、静電容量の大きさなどによって適宜決定すればよい。
【0039】
また、図14の実施形態のように、二つの1/4波長放射電極14a,14bの大きさを異ならせることによっても、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量と、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。図14の実施形態では、二つの1/4波長放射電極14a,14bのうち、基板グランド部12aの重心から遠くに位置する1/4波長放射電極14bを、基板グランド部12aの重心の近くに位置する1/4波長放射電極14aより大きくすることで、それらのバランスを図っている。
【0040】
図15〜図23の実施形態では、基板12の表面上方に設けられた1/4波長放射電極14a,14bと基板グランド部12aとの間の静電容量を調整する部品または部材を設けることにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とのバランスを図っている。
【0041】
そのうち図15〜図18の実施形態では、半波長型アンテナ素子14の1/4波長放射電極14a,14bは、それぞれ板状のアンテナ素子として構成され、基板12の表面の上方において、1/4波長放射電極14a,14bが、一直線上に延伸し、かつ基板端辺12bおよび基板12の表面(すなわち基板グランド部12a)に対して平行となるように設けられている。この場合、基板グランド部12aと1/4波長放射電極14a,14bとの相対的な位置関係のみから考えれば、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)に近い1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量は、基板グランド部12aから遠い1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量より大きくなる。この静電容量のアンバランスを補償するため、図15〜図18の実施形態では、それが設けられていない場合に比べて1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量を大きくする静電容量増大部品24a〜24dを、基板12上に備えている。
【0042】
図15の実施形態では、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間に静電容量増大部品24aが設けられている。この静電容量増大部品24aとしては、例えば、基板12表面に実装された金属導体や比較的大きな部品(例えばフィルタ等)などを用いることができる。
【0043】
図16の実施形態では、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間に静電容量増大部品24bが設けられている。本実施形態では、実装部品のノイズ混入抑制のために基板12上に設けられた導体金属からなるシールドケース23の一部を、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の領域(またはその近傍)まで延伸させ、静電容量増大部品24bとして用いている。
【0044】
図17および図18の実施形態では、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間に、基板12の表面上に設けられその上側端面が1/4波長放射電極14bの下面に接する静電容量増大部品24c,24dが設けられている。この静電容量増大部品24c,24dとしては、例えば、誘電体(例えばセラミック、樹脂材料、複合誘電材等)などを用いることができる。また、この場合、静電容量増大部品24c,24dは、1/4波長放射電極14bを支持する支持部材としても機能する。なお、図17の実施形態では静電容量増大部品24cは1/4波長放射電極14bの一部(端部側)のみを支持し、図18の実施形態では静電容量増大部品24dは1/4波長放射電極14bの全面を支持している。これら静電容量増大部品24c,24dの設置位置(支持位置)や大きさを、静電容量増大部品24c,24dの比誘電率や、基板グランド部12aに対する1/4波長放射電極14a,14bの位置関係などに応じて適宜設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。
【0045】
図19〜図23の実施形態では、誘電体基体26a〜26fの表面上に膜状の1/4波長放射電極14a,14b(ハッチングで示す)が形成されている。誘電体基体26a〜26fは、例えばセラミック、樹脂材料、複合誘電材等からなる。誘電体を装荷することにより、半波長型アンテナ素子14をより小型化することができるとともに、誘電体基体26a〜26fが1/4波長放射電極14a,14bの支持部材として機能する分、その形状および基板グランド部12aに対する姿勢をより確実に保つことができるようになる。また、1/4波長放射電極14a,14bが誘電体基体26a〜26fとともに一体化されるため、半波長型アンテナ素子14の基板12への実装がより容易になるという利点もある。なお、各誘電体基体26a〜26fの上面の1/4波長放射電極14a,14bおよび基板12上の給電回路(図示せず)の間は、各誘電体基体26a〜26fの側面に形成され1/4波長放射電極14a,14bの一部として機能する側面導体部14as,14bsを介して接続される。
【0046】
図19の実施形態では、1/4波長放射電極14a,14bは、長手方向に傾斜する上面(すなわち基板12に接触する面と反対側の面)を有する細長い誘電体基体26aの該上面に、所定間隔を隔てて形成されている。そして、1/4波長放射電極14a,14bの形成された誘電体基体26aは、基板端辺12bの近傍において、その(底面の)長手方向が基板端辺12bに平行かつ基板中心線Lcに垂直となり、かつ基板中心線Lcに近い側の高さが高くかつ基板中心線Lcから遠い側の高さが低くなるように、配置される。この場合、基板グランド部12aの重心(または基板中心線Lc)に近い1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの距離は、基板グランド部12aの重心から遠い1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの距離より長くなる。すなわちこのような構成によれば、上記図7および図8の実施形態の場合と同様、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量と、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。ただし、図7および図8の実施形態の場合と異なり、本実施形態では1/4波長放射電極14a,14bと基板グランド部12aとの間に誘電体基体26aが存在することになる。このため、1/4波長放射電極14a,14bと基板グランド部12aとの間の距離や上面の傾斜角度などは、誘電体基体26aの比誘電率や、基板グランド部12aと誘電体基体26aとの相対的な位置関係に応じて適宜設定すればよい。
【0047】
図20の実施形態にかかる誘電体基体26bは、図19の実施形態にかかる誘電体基体26aの傾斜する平面状の上面に替えて、長手方向に曲がる曲面状の上面を備える。具体的には、上面基板12の上方に凸となるようにし、1/4波長放射電極14aは基板12(基板グランド部12a)とほぼ平行に、また1/4波長放射電極14bは、曲率を高くして、1/4波長放射電極14bの根元側から端部側への延伸方向が基板グランド部12a側を指向するように形成する。このような形状としても、図19の実施形態と同様、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量とをほぼ等しくすることができる。そして、この場合にも、1/4波長放射電極14a,14bと基板グランド部12aとの間の距離や上面の曲面形状、曲率などは、誘電体基体26bの比誘電率や、基板グランド部12aと誘電体基体26bとの相対的な位置関係に応じて適宜設定すればよい。
【0048】
図21の実施形態にかかる誘電体基体26cは、直方体として形成され、その長手方向が基板端辺12bに平行となるように設けられる。そして、その上面(すなわち基板12に接触する面と反対側の面)に、1/4波長放射電極14a,14bが、所定間隔を隔てて形成されている。そして本実施形態では、1/4波長放射電極14bは、上面の長手方向側端辺p13から誘電体基体26cの長手方向側端面26c1に沿って基板グランド部12a(基板12)側に折れ曲がるように延伸している。一方、1/4波長放射電極14aは、誘電体基体26cのもう一方の長手方向側端面26c2に折れ曲がっていない。このような構成により、上記図10の実施形態にかかる半波長型アンテナ素子14と同様の効果が得られる。なお、1/4波長放射電極14a,14bのそれぞれの長さや、1/4波長放射電極14bの先端の折り曲げ部の長さなどは、半波長型アンテナ素子14の基板グランド部12aに対する相対的な位置や静電容量の大きさなどによって適宜調整すればよい。
【0049】
図22の実施形態にかかる誘電体基体26dは、外形としては上記図21の実施形態と同様の直方体として形成される。ただし、本実施形態にかかる誘電体基体26dは、1/4波長放射電極14aの下方に孔28を備える。この孔28を設けた場合、それを設けない場合に比べ、1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量は小さくなる。すなわち、このような構成により、基板グランド部12aの重心に近い1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量と、基板グランド部12aの重心から遠い1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量と、を等しくすることができる。また、孔28は、必ずしも貫通させる必要はないし、また図22の四角形断面以外の形状としてもよい。
【0050】
図23の実施形態では、その上面に1/4波長放射電極14aの形成される誘電体基体26eと、その上面に1/4波長放射電極14bの形成される誘電体基体26fとが、長手方向に縦列に配置されている。そして、誘電体基体26fの比誘電率を誘電体基体26eの比誘電率より高く設定することで、基板グランド部12aの重心に近い1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量と、基板グランド部12aの重心から遠い1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量とをほぼ等しくしている。
【0051】
図24〜図28の実施形態では、半波長型アンテナ素子14は、その延伸方向がほぼ基板12の幅方向の端辺12d(基板端辺12d)の近傍において該基板端辺12dに沿うように配置される。この場合においても、上記図4〜図23の実施形態と同様の手法またはそれらの組み合わせにより、片方の1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。なお、図24〜図28においては、左上側がカードスロットの奥側、右下側が情報処理装置18に装着されたときに露出する側となるが、各図では、その露出側についてのみ示している。
【0052】
図24の実施形態は、半波長型アンテナ素子14を、基板12の短手方向側の外方に、棒状のダイポールアンテナ素子として構成した例である。本実施形態では、1/4波長放射電極14aを、1/4波長放射電極14bに比べて基板端辺12dから離間した位置に配置する。ここで、1/4波長放射電極14bと一直線状に並び基板端辺12dに平行な1/4波長放射電極14gを仮定したとき、該1/4波長放射電極14gが1/4波長放射電極14bより基板グランド部12aの重心に近い分、1/4波長放射電極14gおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量より大きくなる。1/4波長放射電極14aは1/4波長放射電極14gより基板12の外方に位置するから、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14gおよび基板グランド部12a間の静電容量より小さい。すなわち、上記構成において1/4波長放射電極14aの基板端辺12dからの距離や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。
【0053】
図25の実施形態は、半波長型アンテナ素子14の1/4波長放射電極14a,14bを、基板12の表面の上方に、板状のアンテナ素子として構成した例である。本実施形態では、露出側に位置する1/4波長放射電極14bと基板グランド部12a(基板12)との距離より、情報処理装置側に位置する1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの距離を大きくしている。ここで、1/4波長放射電極14bと一直線状に並び基板グランド部12a(基板12の表面)に平行な1/4波長放射電極14hを仮定したとき、該1/4波長放射電極14hは1/4波長放射電極14bより基板グランド部12aの重心に近い分、1/4波長放射電極14hおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量より大きくなる。1/4波長放射電極14aは1/4波長放射電極14hに比べ基板グランド部12aとの距離が長いから、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14hおよび基板グランド部12a間の静電容量より小さい。すなわち、上記構成において1/4波長放射電極14aの基板グランド部12aとの距離や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。
【0054】
図26の実施形態は、半波長型アンテナ素子14の1/4波長放射電極14a,14bを、基板12の表面上に、板状のアンテナ素子として構成し、1/4波長放射電極14bの端部を、基板グランド部12aに近づく方向(例えば基板12の表面に垂直な下方)に折り曲げて構成した例である。ここで、1/4波長放射電極14aと一直線状に並び基板グランド部12a(基板12の表面)に平行な1/4波長放射電極14iを仮定したとき、該1/4波長放射電極14iが1/4波長放射電極14aに比べて基板グランド部12aの重心から遠い分、1/4波長放射電極14iおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量より小さくなる。1/4波長放射電極14bは、その先端部が1/4波長放射電極14iに比べて基板グランド部12a側に近い分、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量は、1/4波長放射電極14iおよび基板グランド部12a間の静電容量より大きい。すなわち、上記構成において1/4波長放射電極14bの折り曲げ位置や延伸方向を適切に設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。
【0055】
図27の実施形態では、1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間に、基板12の表面上に設けられその上側端面が1/4波長放射電極14bの下面に接する静電容量増大部品24eが設けられている。この静電容量増大部品24eの設置位置(支持位置)や大きさを、静電容量増大部品24eの比誘電率や、基板グランド部12aに対する1/4波長放射電極14a,14bの位置関係などに応じて適宜設定することにより、1/4波長放射電極14aおよび基板グランド部12a間の静電容量と、1/4波長放射電極14bおよび基板グランド部12a間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。
【0056】
図28の実施形態では、その上面に1/4波長放射電極14aの形成される誘電体基体26gと、その上面に1/4波長放射電極14bの形成される誘電体基体26hとが、長手方向に縦列に隣接配置されている。そして、誘電体基体26hの比誘電率を誘電体基体26gの比誘電率より高く設定することで、基板グランド部12aの重心に近い1/4波長放射電極14aと基板グランド部12aとの間の静電容量と、基板グランド部12aの重心から遠い1/4波長放射電極14bと基板グランド部12aとの間の静電容量とをほぼ等しくしている。
【0057】
なお、上記図5〜図28の実施形態にかかる半波長型アンテナ素子14については、図4に示すような回路構成により、給電部20からバラン回路22を介して1/4波長放射電極14a,14bの双方に給電を行うことができる。また、これに替えて、給電部20から半波長型アンテナ素子14に対して不平衡給電を行うこともできる。また、適宜平衡回路を設けたり、片側を接地したりすることも可能である。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。また、上記実施形態を複数組み合わせることによっても、片方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の静電容量と、をほぼ等しくすることができる。また本発明は、携帯電話等の通信機器についても同様に適用可能である。すなわち、内部基板の周縁部に半波長型アンテナ素子を備える通信機器において、上記実施形態に示したのと同様の手法またはそれらの組み合わせを用いて、半波長型アンテナ素子の片方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極および基板グランド部間の静電容量とを、ほぼ等しくすることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線通信カードにおいて、アンテナ素子によって基板に励起される電流が抑制され、この励起電流による情報処理装置から通信データへの高周波ノイズの混入が抑制される。このため、該無線通信カードにおける通信品質の劣化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる無線通信カードにおける半波長型アンテナ素子による励起電流の相殺の概念を示す説明図である。
【図2】 二つの電極の相対的な位置関係に応じたそれら電極間の静電容量の大小関係を示す説明図である。
【図3】 本発明の実施形態にかかる無線通信カードの情報処理装置への装着状態について示す図である。
【図4】 本発明の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図5】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図6】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図7】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図8】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図9】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図10】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図11】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図12】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図13】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図14】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図15】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図16】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図17】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図18】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図19】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図20】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図21】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図22】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図23】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図24】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図25】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図26】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図27】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図28】 本発明の別の実施形態にかかる無線通信カードの基板および半波長型アンテナ素子の斜視図である。
【図29】 従来の無線通信カードにおいて半波長型アンテナ素子によって生じる励起電流を示す図である。
【符号の説明】
10 無線通信カード、12 基板、12a 基板グランド部、12b,12d 基板端辺、12c 基板本体、14(14a,14b) 半波長型アンテナ素子、18 情報処理装置、24a〜24e 静電容量増大部品、26a〜26h 誘電体基体。

Claims (8)

  1. 情報処理装置のカードスロットに挿入可能に構成され、該情報処理装置と外部装置との無線によるデータ通信を可能とする無線通信カードにおいて、
    基板グランド部を有する基板と、
    カードスロットへの挿入方向に伸びる基板中心線から離間して配置される半波長型アンテナ素子と、を備え、
    前記半波長型アンテナ素子を一対の1/4波長放射電極で構成し、一対の1/4波長放射電極のうち、一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたこと、
    を特徴とする情報処理装置用無線通信カード。
  2. 前記半波長型アンテナ素子上の点が、該素子の延伸によって生ずる、基板グランド部に対する距離を変化させることにより、前記一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、前記他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置用無線通信カード。
  3. 前記一方の1/4波長放射電極の大きさと前記他方の1/4波長放射電極の大きさとを異ならせることにより、該一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、該他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置用無線通信カード。
  4. 前記一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の比誘電率と、前記他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の比誘電率と、を異ならせる部品を設けることにより、該一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、該他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置用無線通信カード。
  5. 前記一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、前記他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、をバランスさせる導体部品を設けたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置用無線通信カード。
  6. 前記一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、前記他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、をバランスさせる誘電体部品を設けたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置用無線通信カード。
  7. 情報処理装置のカードスロットに挿入可能に構成され、該情報処理装置と外部装置との無線によるデータ通信を可能とする無線通信カードにおいて、
    基板グランド部としての導体膜が基板表面に形成されており、
    前記導体膜が、前記半波長型アンテナ素子の近傍において、基板中心線に対して非対称な形状に形成されることにより、前記一方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量と、前記他方の1/4波長放射電極と基板グランド部との間の静電容量とが、ほぼ等しくなるようにしたこと、
    を特徴とする情報処理装置用無線通信カード。
  8. 前記半波長型アンテナ素子は半波長ダイポールアンテナであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の情報処理装置用無線通信カード。
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