JP3937925B2 - 情報処理システム及び情報処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触覚を呈示することによりコミュニケーションを行う情報処理システム及び情報処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット等の双方向通信手段の普及により、互いに離れた場所にいる人々の間で、画像や音声などによるコミュニケーションが盛んに行われている。現在はこのように視覚や聴覚を利用するコミュニケーションのみであるが、触覚呈示機器の発展及び普及により、将来的には触覚を利用する触覚コミュニケーションが行われることが予想される。
【0003】
このような、触覚コミュニケーションに使われる触覚呈示機器としては、例えば、文献1:Scott Brave, Hiroshi Ishii, Andrew Dahley, “Tangible Interfaces for Remote Collaboration and Communication”(Published in the Proceedings of CSCW'98, p1-10, November 14-18(1998) )に開示されているものがある。これは、掌で操作するローラー状の装置を用い、これに対称型バイラテラルサーボ系による制御を行って、掌の触覚を利用する触覚コミュニケーションを2人で行うものである。なお、対称型バイラテラルサーボ系とは、2つの制御対象に対して互いの位置誤差を測定し、これを修正する方向の力を双方に与える制御系である。
【0004】
文献1では、さらに3人でコミュニケーションを行う際の、触覚呈示機器の制御方法が示唆されている。すなわち、ローラー状の装置を3人で操作する場合に、3つある各ローラーの回転目標値を全てのローラーの回転位置を平均することにより求め、この回転目標値に応じて3つのローラー状の装置を制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
3人以上の操作者による触覚コミュニケーションにおいては、一の操作者に対する触覚の呈示は、他の複数の操作者による触覚呈示機器の操作に即応することが求められる。他の複数の操作者が触覚呈示機器を操作してから一の操作者へ触覚を呈示するまでに間があくと、一の操作者と他の操作者とが上記したような触覚呈示機器を操作することによる「一体感」が弱まってしまう。
【0006】
この点において、文献1に示されている触覚呈示機器は、3つあるローラー状の各装置のいずれかを操作したときに、他の各装置がこれに応じて制御される際の即応性が低い。このため、3人の操作者間の「一体感」が乏しい。
【0007】
本発明は、この問題点を解決するためになされたものであり、3人以上の人同士が触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による触覚呈示機器の操作に即応して、他の操作者へ触覚を呈示することができる情報処理システム、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による情報処理システムは、変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、N個の操作部それぞれが有する可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、N個の操作部それぞれが有する可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、N個の操作部のうちの特定の操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、N個の操作部のうちの特定の操作部を除く他の操作部それぞれが有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成し、その変位指令値を呈示手段に与える変位指示手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この情報処理システムにおいては、N個の操作部のうちの特定の操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、N個の操作部のうちの特定の操作部を除く他の操作部それぞれが有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力に基づいて生成している。このように変位指令値を生成することによって、3人以上の操作者同士が触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部への変位入力に即応して、他の操作者へ触覚を呈示することができる。
【0011】
また、変位指示手段は、変位指令値を、N個の操作部のうち特定の操作部を除く他の操作部それぞれが有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成している。これによって、各操作者それぞれの変位入力が触覚の呈示に対して略等しく関与することができる。
【0012】
また、情報処理システムは、変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、N個の操作部それぞれが有する可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、N個の操作部それぞれが有する可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、N個の操作部それぞれが、能動側及び受動側のどちらであるかを選択する選択手段と、N個の操作部のうち選択手段によって受動側を選択された受動側操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、N個の操作部のうち選択手段によって能動側を選択された能動側操作部が有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成し、その変位指令値を呈示手段に指示する変位指示手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
情報処理システムが選択手段を備え、能動側及び受動側を定めて上記のように変位指令値を生成することによって、3人以上の操作者同士が触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部の操作に即応して、他の操作者へ触覚を呈示することができる。
【0015】
また、情報処理システムは、変位指示手段が、受動側操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、能動側操作部が有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成している。これにより、能動側操作部が複数の場合に、能動側操作部を操作する各操作者それぞれの変位入力が、受動側操作部での触覚の呈示に対して略等しく関与することができる。
【0016】
また、情報処理システムは、変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、N個の操作部それぞれが有する可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、N個の操作部それぞれが有する可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、N個の操作部それぞれが、能動側及び受動側のどちらであるかを選択する選択手段と、N個の操作部のうち選択手段によって受動側を選択された受動側操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、N個の操作部のうち選択手段によって能動側を選択された能動側操作部が有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力に基づいて生成し、その変位指令値を呈示手段に指示する変位指示手段とを備え、変位指示手段が、能動側操作部のうち特定の能動側操作部が有する可動部を呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、特定の能動側操作部を除く他の能動側操作部それぞれが有する可動部について入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成することを特徴とする。これにより、能動側操作部が複数の場合に、能動側操作部を操作する各操作者それぞれの変位入力が、能動側操作部での触覚の呈示に対して略等しく関与することができる。
【0017】
また、情報処理システムは、選択手段が、操作部に設けられる力センサ、押スイッチ、接触検知センサのいずれかであることを特徴としてもよい。また、情報処理システムは、選択手段が、変位入力の大きさ及び速さの双方またはいずれか一方に基づいてN個の操作部それぞれが能動側及び受動側のどちらであるかを選択することを特徴としてもよい。また、情報処理システムは、選択手段が、キー入力、マウス操作、音声入力のいずれかに基づいてN個の操作部それぞれが受動側及び能動側のどちらであるかを選択することを特徴することを特徴としてもよい。これらのうちいずれかの選択手段によって、各操作者もしくはシステム管理者は各操作部が能動側及び受動側のどちらであるかを好適に選択することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による情報処理システム及び情報処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0019】
図1は、本発明による情報処理システムの第1実施形態を示す外観図である。また、図2は、図1に示した情報処理システム1の内部構成を示すブロック図である。この情報処理システム1は、第1情報処理装置10a、第2情報処理装置10b、第3情報処理装置10c、及びサーバ50によって構成されている。また、第1情報処理装置10aないし第3情報処理装置10c及びサーバ50はネットワーク90を介して互いに接続されている。以下に、第1情報処理装置10a及びサーバ50の内部構成について説明する。第2情報処理装置10b及び第3情報処理装置10cの内部構成は第1情報処理装置10aの内部構成と同様であるため、説明及び図示を省略する。
【0020】
第1情報処理装置10aは、通信部11、本体部13、操作部14から構成されている。通信部11は、ネットワーク90を介してサーバ50に接続されている。そして、サーバ50の通信部51と所定の周期で通信を行っている。
【0021】
操作部14は、入出力部15を有している。入出力部15は、第1情報処理装置10aを操作する第1操作者の指先等に対し、可動部152を変位させることにより触覚を呈示する。また、入出力部15は、第1操作者の指先による、可動部152に対する変位の入力を受ける。そして、可動部152の変位は変位検出センサ151によって検出され、第1情報処理装置10aの可動部152の変位を示す第1変位情報が本体部13へ送られる。この操作部14の構成については、後に詳細に説明する。
【0022】
本体部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を含み、通信部11及び操作部14による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部13は、呈示手段132及び入力手段133を有している。これらの手段は、本体部13が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0023】
入力手段133は、第1変位情報を操作部14より入力する。そして、入力手段133は、第1変位情報を通信部11へ出力する。通信部11は、第1変位情報をネットワーク90を介してサーバ50へ送信する。
【0024】
サーバ50は、通信部51及び本体部52から構成されている。通信部51は、第1情報処理装置10aから第1変位情報を受け取る。同様に、通信部51は第2情報処理装置10bから第2変位情報を受け取り、第3情報処理装置10cから第3変位情報を受け取る。そして、これらの変位情報を本体部52へ送る。
【0025】
本体部52は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、通信部11による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部52は、変位情報受信手段521及び変位指示手段522を有している。これらの手段は、本体部52が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0026】
変位情報受信手段521は、第1変位情報ないし第3変位情報をネットワーク90及び通信部51を介して入力する。そして、すべての変位情報が揃った後に、これらの情報を変位指示手段522へ出力する。
【0027】
変位指示手段522は、第1変位情報ないし第3変位情報を変位情報受信手段521より入力する。そして、変位指示手段522は、第2変位情報及び第3変位情報に基づいて第1変位指令値を生成する。また、変位指示手段522は、第3変位情報及び第1変位情報に基づいて第2変位指令値を生成し、第1変位情報及び第2変位情報に基づいて第3変位指令値を生成する。変位指示手段522は、このようにして生成した第1変位指令値ないし第3変位指令値を、通信部51へ送る。そして、通信部51は、第1変位指令値を第1情報処理装置10aへ送信する。同様に、通信部51は、第2変位指令値を第2情報処理装置10bへ、第3変位指令値を第3情報処理装置10cへそれぞれ送信する。
【0028】
ここで、第1変位指令値ないし第3変位指令値の生成方法の一例について説明する。いま、第1変位指令値である、第1情報処理装置10aの可動部152の目標位置をXr1とする。例えば、目標位置Xr1は、以下の数式(1)により求める。
Xr1=(X2+X3)/2 ・・・(1)
(X2:第2変位情報、X3:第3変位情報)
同様に、第2変位指令値である目標位置Xr2、及び第3変位指令値である目標位置Xr3は、それぞれ以下の数式(2)、(3)により求める。
Xr2=(X3+X1)/2 ・・・(2)
Xr3=(X1+X2)/2 ・・・(3)
(X1:第1変位情報)
第1情報処理装置10aの通信部11は、サーバ50より第1変位指令値を入力する。そして、通信部11は、第1変位指令値を呈示手段132へ出力する。
【0029】
呈示手段132は、通信部11より第1変位指令値を入力する。そして、この第1変位指令値に応じた変位を呈示させるために、可動部152を制御する。すなわち、呈示手段132は、可動部152の変位を検出する変位検出センサ151より可動部152の変位を受け取り、これが変位指令値に追従するように可動部152に対してフィードバック制御を行う。具体的には、第1情報処置装置10aの呈示手段132は以下の数式(4)
F1=K(Xr1−X1) ・・・(4)
(K:所定の比例ゲイン)
による復元力F1を可動部152に与えるような制御を行う。なお、第2情報処置装置10b及び第3情報処置装置10cの呈示手段(図示せず)も同様に、以下の数式(5)、(6)
F2=K(Xr2−X2) ・・・(5)
F3=K(Xr3−X3) ・・・(6)
による復元力F2もしくはF3を、それぞれの可動部152に与えるような制御を行う。
【0030】
ここで、図3は、操作部14の構成を示す断面図である。この操作部14は、従来のマウスと略同様の形態を有している。操作部14は、入出力部15として可動部152、固定部材153、及び支持部材154を有している。固定部材153は、弾性撓みが可能な支持部材154を介して、本体141の上部に固定されている。可動部152は、固定部材153に対して平行に変位可能である。そして、この可動部材が能動的に変位することによって、可動部152に触れる第1操作者の指先等に対し触覚を呈示する。
【0031】
また、操作部14は、スイッチ163及び信号処理回路164を有している。操作部14を操作する第1操作者の指などが可動部152を押下すると、固定部材153はスイッチ163を押圧する。そして、信号処理回路164は、その押下されたか否かを示す信号を出力する。
【0032】
さらに、操作部14は、ボール161及び回転量検出手段162を有している。ボール161は、本体141の底部にあって回転が可能であり、基準面(例えば机上面やマウスパッド)上を本体141が移動することによりボール161は回転する。また、回転量検出手段162は、例えばエンコーダ等の回転角測定デバイスからなり、ボール161の回転方向及び回転量を検出する。
【0033】
なお、上記したスイッチ163、信号処理回路164、ボール161、及び回転量検出手段162は、本実施形態では用いられない。これらは、後述する第5実施形態において好適に用いられる。
【0034】
図4は、入出力部15の構成を示すブロック図である。変位検出手段155は、変位検出センサ151とともに、固定部材153に対する可動部152の変位(移動方向及び移動量)を検出し、検出結果を位置指定手段156へ出力する。
【0035】
位置指定手段156は、変位検出手段155より連続的に得られる検出結果を積算して、固定部材153に対する可動部152の相対位置を求めて第1変位情報を生成する。そして、位置指定手段156は、第1変位情報を本体部13に含まれる呈示手段132及び入力手段133へ出力する。
【0036】
呈示手段132は、前述した数式(4)を用いて可動部152を制御する。呈示手段132は、可動部152に復元力F1を与える信号である変位信号を変位制御手段157へ出力する。変位制御手段157は、固定部材153に対して可動部152をこの変位信号に基づいて移動させることにより、この可動部152に触れている第1操作者の指先等に変位を呈示する。
【0037】
図5は、入出力部15の固定部材153及び可動部152のより詳細な構成図である。同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のA−A矢印断面図である。入出力部15は、側縁部が上方に突出した略板状の固定部材153と、この固定部材153に対して所定平面に平行な方向に移動可能な可動部152と、固定部材153の側縁部と可動部152との間に両者を連結する弾性部材153a〜153dとを有する。弾性部材153a〜153dそれぞれは、弾性を有する樹脂やバネなどであり、可動部152の周囲の4箇所に設けられている。そして、弾性部材153a〜153dそれぞれは、一端が可動部152に接合され、他端が固定部材152の側縁部に接合されている。
【0038】
また、可動部152には4つのコイル152a〜152dが固定されている。同図(a)において、中心を原点とし、右方向をX軸方向とし、上方向をY軸方向とすると、コイル152aはX座標値が正の領域にY軸をまたいで設けられている。また、コイル153bはX座標値が負の領域にY軸をまたいで設けられている。また、コイル153cはY座標値が正の領域にX軸をまたいで設けられている。また、コイル153dはY座標値が負の領域にX軸をまたいで設けられている。
【0039】
図6は、入出力部15の触覚呈示機構を説明する平面図である。固定部材153には4つの磁石158a〜158dが固定されている。磁石158aは、X座標値が正であってY座標値も正である領域に、その磁束がコイル152a及び152cの双方を貫くように設けられている。磁石158bは、X座標値が負であってY座標値が正である領域に、その磁束がコイル152b及び152cの双方を貫くように設けられている。磁石158cは、X座標値が負であってY座標値も負である領域に、その磁束がコイル152b及び152dの双方を貫くように設けられている。磁石158dは、X座標値が正であってY座標値が負である領域に、その磁束がコイル152a及び152dの双方を貫くように設けられている。これらのうち磁石158a及び158cそれぞれは、可動部152に対向する側がS極となるように配置され、磁石158b及び158dそれぞれは、可動部152に対向する側がN極となるように配置されている。
【0040】
コイル152a〜152dと磁石158a〜158dとの間の相対的な位置関係について換言すれば以下のとおりである。コイル152aは、磁石158aおよび158dそれぞれが作る磁界に対して、X軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。コイル152bは、磁石158bおよび158cそれぞれが作る磁界に対して、X軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。コイル152cは、磁石158aおよび158bそれぞれが作る磁界に対して、Y軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。また、コイル152dは、磁石158cおよび158dそれぞれが作る磁界に対して、Y軸と平行な方向に電流が横切るように設けられている。
【0041】
変位制御手段157はコイル152a〜152dそれぞれに対して独立に変位信号としての電流を流すことができる。そして、コイル152a〜152dそれぞれに流れる電流の大きさ及び方向と、磁石158a〜158dそれぞれが作る磁界との間で、フレミングの左手の法則に応じた相互作用が生じる。これにより、コイル152a〜152dそれぞれに推力が生じて、これらの推力と弾性部材153a〜153dそれぞれの応力とに応じて、固定部材153に対して可動部152が移動する。そして、この可動部152により、可動部152上に触れている第1操作者の指先等に変位が呈示される。
【0042】
図7は、入出力部15の固定部材153と可動部152との摺動機構を説明する断面図である。磁石158a〜158dが固定された固定部材153の下面、および、コイル152a〜152dが固定された可動部152の上面それぞれに、両者が互いに摺動可能なように、摺動部材159aおよび159bが設けられている。摺動部材159aおよび159bそれぞれは、摩擦係数が小さいフッ素樹脂、潤滑油が含浸された樹脂および金属などが好適に用いられる。
【0043】
なお、図7には、摺動機構だけでなく、可動部152の上面にある表面層171、および、この表面層171の中央付近に設けられた感圧部170も示されている。図8は、操作部14の感圧部170を説明する断面図である。表面層171は、人の指や掌などが接離し易いように平坦に仕上げられている。感圧部170は、表面層171に人の指などが触れたことを検出するものである。感圧部170は、シリコーンゴムおよび導電性粉末を混合した材料を用いた感圧導電性ゴム170aを導電性プラスティック層170bおよび170cで挟んだ構成となっている。そして、導電性プラスティック層170bと導電性プラスティック層170cとの間に電圧を印加し、感圧部170に人の指などが触れたときの接触圧による電気抵抗値の変化を検出して、これにより接触の強さを検出する。この感圧部170は、本実施形態では用いられず、後述する第5実施形態において好適に用いられる。
【0044】
図9は、入出力部15に含まれる変位検出センサ151を説明する断面図である。変位検出センサ151は、固定部材153に固定された発光素子(例えば発光ダイオード)151a、受光素子(例えばフォトダイオード)151b、及び可動部152の下面に描かれた光学模様(例えば、等間隔の濃淡模様、市松模様、など)151cを含む。発光素子151aから出射された光は光学模様151c上に照射され、光学模様151cで反射された光は受光素子151bにより受光される。受光素子151bによる受光量は、発光素子151aから出射された光が光学模様151c上に入射する位置における反射率に応じたものである。
【0045】
したがって、受光量に応じて受光素子151bから出力される電気信号の変化に基づいて、固定部材153に対する可動部152の変位量を検出することができる。また、このような変位検出センサ151をX軸方向およびY軸方向それぞれについて設けることにより、固定部材153に対する可動部152の変位量及び変位方向を検出することができる。この変位検出センサ151からの出力信号は第1の変位検出手段155に送られ、第1の変位検出手段155において積算されて第1変位情報が生成される。
【0046】
ここで、入出力部15の触覚呈示動作について説明する。変位制御手段157によりコイル152a〜152dそれぞれに変位信号である電流が流れると、フレミングの左手の法則に従って、コイル152a〜152dそれぞれに推力が働き、これにより可動部152が移動する。
【0047】
まず、コイル152aおよび152bそれぞれについて考えると、固定部材153に垂直な方向であるZ軸方向に磁界が生じており、この磁界中にX軸方向に電流が流れると、Y軸方向への推力が生じる。コイル152aに時計回りの方向に電流を流すと、コイル152aにはY軸の正の向きの推力が働く。また、コイル152bに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル152bにはY軸の正の向きの推力が働く。電流が流れる方向を変えることで推力が働く方向を変えることができ、また、電流値を変えることで推力の大きさを変えることができる。
【0048】
同様に、コイル152cおよび152dそれぞれについて考えると、固定部材153に垂直な方向であるZ軸方向に磁界が生じており、この磁界中にY軸方向に電流が流れると、X軸方向への推力が生じる。コイル152cに時計回りの方向に電流を流すと、コイル152cにはX軸の正の向きの推力が働く。また、コイル152dに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル152dにはX軸の正の向きの推力が働く。電流が流れる方向を変えることで推力が働く方向を変えることができ、また、電流値を変えることで推力の大きさを変えることができる。
【0049】
固定部材153に対して可動部152を平行移動させるだけでよい場合には、コイル152aおよび152bそれぞれを互いに結線して、コイル152aおよび152bそれぞれに同一方向の推力を与え、また、コイル152cおよび152dそれぞれを互いに結線して、コイル152cおよび152dそれぞれに同一方向の推力を与えればよい。
【0050】
また、Z軸をほぼ中心として固定部材153に対して可動部152を回転させる方向に推力を生じさせることもできる。すなわち、コイル152aおよびコイル152bそれぞれに時計回りの方向に電流を流すと、コイル152aにはY軸の正の向きの推力が働き、コイル152bにはY軸の負の向きの推力が働くので、固定部材153に対して可動部152を反時計回りの方向へ回転させる回転モーメントが生じる。コイル152aおよびコイル152bそれぞれに反時計回りの方向に電流を流すと、コイル152aにはY軸の負の向きの推力が働き、コイル152bにはY軸の正の向きの推力が働くので、固定部材153に対して可動部152を時計回りの方向へ回転させる回転モーメントが生じる。また、コイル152aおよびコイル152bそれぞれに流れる電流の値の比を変えることで、回転中心を変えることができる。コイル152cおよびコイル152dそれぞれについても同様である。
【0051】
図10は、本実施形態による情報処理システムの動作を示すフローチャートである。図10を用いて、本実施形態による情報処理方法について説明する。なお、本情報処理システムでは各情報処理装置の動作はほぼ同じなので、図10では1個の情報処理装置の動作についてのみ示している。
【0052】
まず、第1情報処理装置10aの可動部152に対して、第1操作者が変位を入力する。第1情報処理装置10aを操作する第2操作者、及び第3情報処理装置10cを操作する第3操作者も同様に、第2情報処理装置10b、第3情報処理装置10cそれぞれの可動部152に対して変位を入力する。そして、第1情報処理装置10aないし第3情報処理装置10cそれぞれの入出力部15において、可動部152の変位を示す第1変位情報ないし第3変位情報それぞれが生成される(入力ステップ、S101)。
【0053】
そして、各個の情報処理装置10a〜10cそれぞれは、サーバ50へ通信部11より第1変位情報ないし第3変位情報それぞれを送信する(S102)。送信された第1変位情報ないし第3変位情報は、サーバ50の通信部51において受信される(S103)。
【0054】
サーバ50の通信部51は、第1変位情報ないし第3変位情報を変位情報受信手段521へ送る。変位情報受信手段521は、第1変位情報ないし第3変位情報が全て揃うと、これらの変位情報を変位指示手段522へ送る。変位指示手段522は、第1変位情報ないし第3変位情報に基づいて、第1変位指令値ないし第3変位指令値を生成する。このとき、変位指示手段522は、該情報処理装置を除く他の情報処理装置からの変位情報に基づいて、これらの変位指令値を生成する。例えば、変位指示手段522は、上述した数式(1)〜(3)のような計算方法を用いてこれらの変位指令値を生成する(変位指示ステップ、S104)。そして、変位指示手段522は、生成された第1変位指令値ないし第3変位指令値を、通信部51へ送る。通信部51は、第1変位指令値を第1情報処理装置10aへ、第2変位指令値を第2情報処理装置10bへ、第3変位指令値を第3情報処理装置10cへそれぞれ送信する(S105)。
【0055】
第1情報処理装置10aの通信部11は、第1変位指令値を受信する。同様に、第2情報処理装置10b及び第3情報処理装置10cそれぞれの通信部11は、第2変位指令値及び第3変位指令値それぞれを受信する(S106)。各情報処理装置の通信部11は、これらの変位指令値それぞれを呈示手段132へ出力する。そして、呈示手段132は、入力した変位指令値に従い、入出力部15の変位制御手段157へ変位信号を送る。変位制御手段157は可動部152を変位させ、操作者に対して触覚を呈示する(呈示ステップ、S107)。以降、S101に戻って上記の処理を繰り返す。
【0056】
以上の構成を有し、動作を行う本実施形態による情報処理システム及び情報処理方法は、以下に述べる効果を有する。すなわち、各個の情報処理装置10a〜10cは、3個の操作部のうちの1個の操作部が有する可動部を呈示手段(呈示ステップ)が変位させるよう指示するための変位指令値を、当該操作部を除く他の2個の操作部の可動部について入力手段(入力ステップ)が受け付けた変位入力を示す変位情報(第1変位情報、第2変位情報または第3変位情報)に基づいて生成している。このように、変位を呈示させる操作部を除く他の操作部の可動部に対する変位入力に基づいて変位指令値を生成することによって、第1操作者ないし第3操作者が互いに触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部に対する変位入力に即応して、可動部を変位させることによる触覚を他の操作者へ呈示することができる。
【0057】
図11は、第1実施形態における、上記した効果を説明するグラフである。図11の各グラフの縦軸は可動部152の変位量を表し、横軸は経過時間を表している。黒丸Aは第1情報処理装置の可動部152の位置、及び第3情報処理装置の可動部152の位置を示し、時刻t=0の初期位置はXaである。また、白丸Bはこれらの可動部152の目標位置(つまり、変位指令値)を示しており、目標位置の更新周期はΔtである。また、四角Cは第2情報処理装置の可動部152の位置を示しており、この可動部152は操作者によって位置Xbに変位入力されている。そして、第1情報処理装置及び第3情報処理装置の可動部152は、この第2情報処理装置の可動部152に追従するように制御されて変位する。
【0058】
ここで、図11(a)は、文献1において示唆されている方法を用いて、各情報処理装置の変位情報を全て平均した値に基づいて変位指令値を生成した場合のグラフである。また、図11(b)は、上記した第1実施形態のように当該情報処理装置を除く他の情報処理装置の変位情報を平均した値に基づいて当該情報処理装置における変位指令値を生成した場合のグラフである。
【0059】
図11(a)に示すグラフでは、第1変位情報ないし第3変位情報の平均値に占める、第2変位情報の割合が小さいために、白丸Bの変化が遅く、これに伴って黒丸Aの変化も遅い。これに対し、図11(b)に示すグラフでは、第1変位情報ないし第3変位情報の平均値に占める、第2変位情報の割合が大きいために、白丸Bの変化が早い。これにより、黒丸Aは素早く四角Cの位置へ追従することができる。つまり、図11(b)は、3個の情報処理装置の可動部152のうちの1つに対して操作者が変位を入力したときに、他の2個の情報処理装置の可動部152はこれに即応して変位することを示している。
【0060】
なお、本実施形態は、情報処理システム及び情報処理方法において3個の操作部を用いた場合の実施形態である。本実施形態による情報処理システムは、上記した構成を有する操作部をN(Nは3以上の整数)個用いて構成することができる。その場合、一の操作者に対する変位の呈示を、他の(N−1)人の操作者のうち2人以上の操作者が可動部に対して入力した各変位情報に基づいて行うと良い。
【0061】
また、本実施形態のように、変位指示手段(変位指示ステップ)は、可動部の変位を指示する変位指令値を、当該可動部を有する操作部を除く他のN−1個の操作部のうち少なくとも2つの操作部の可動部に対する変位入力の平均値に基づいて生成するとよい。これによって、各操作者それぞれの変位入力が触覚の呈示に対して略等しく関与することができる。
【0062】
図12は、本発明による情報処理システムの第2実施形態の内部構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1実施形態のサーバ50の構成を、3つの情報処理装置のうちの1つの情報処理装置が有し、サーバ50を無くした形態である。
【0063】
この情報処理システム2は、第1情報処理装置20a、第2情報処理装置10b、及び第3情報処理装置10cによって構成されている。また、第1情報処理装置20a、第2情報処理装置10b、及び第3情報処理装置10cはネットワーク90を介して互いに接続されている。本実施形態の第2情報処理装置10b及び第3情報処理装置10cは、第1実施形態の第2情報処理装置10b及び第3情報処理装置10cと同様の構成を有しているので、説明を適宜省略する。
【0064】
第1情報処理装置20aは、通信部21、本体部23、操作部14から構成されている。このうち、操作部14は第1実施形態のものと同様の構成を有しているので、説明を省略する。
【0065】
第1情報処理装置20aの通信部21は、ネットワーク90を介して第2情報処理装置10b及び第3情報処理装置10cに接続されている。そして、第1情報処理装置20aの通信部21は、これらの情報処理装置の通信部と所定の周期で通信を行っている。
【0066】
本体部23は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、通信部21及び操作部14による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部23は、呈示手段232、入力手段233、変位指示手段234、及び変位情報受信手段235を有している。これらの手段は、本体部23が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0067】
入力手段233は、第1変位情報を操作部14より入力する。そして、入力手段233は、第1変位情報を変位情報受信手段235へ出力する。
【0068】
変位情報受信手段235は、第1変位情報を入力手段233より入力するとともに、第2変位情報をネットワーク90及び通信部21を介して第2情報処理装置10bより入力する。同様に、第3変位情報をネットワーク90及び通信部21を介して第3情報処理装置10cより入力する。そして、第1変位情報ないし第3変位情報が全て揃った後に、これらの情報を変位指示手段234へ出力する。
【0069】
変位指示手段234は、第1変位情報ないし第3変位情報を変位情報受信手段235より入力する。そして、変位指示手段234は、第2変位情報及び第3変位情報に基づいて第1変位指令値を生成する。また、変位指示手段234は、第3変位情報及び第1変位情報に基づいて第2変位指令値を生成し、第1変位情報及び第2変位情報に基づいて第3変位指令値を生成する。なお、第1変位指令値ないし第3変位指令値の生成方法は、第1実施形態における生成方法と同様である。変位指示手段234は、このようにして生成した第1変位指令値を呈示手段232へ送る。また、変位指示手段234は、第2変位指令値及び第3変位指令値を通信部21へ送る。そして、通信部21は、第2変位指令値を第2情報処理装置10bへ、第3変位指令値を第3情報処理装置10cへそれぞれ送信する。
【0070】
呈示手段232は、通信部21より第1変位指令値を入力する。そして、この第1変位指令値に応じた変位を呈示させるために、可動部152を制御する。すなわち、呈示手段232は、可動部152の変位を検出する変位検出センサ151より可動部152の変位を受け取り、これが変位指令値に追従するように可動部152に対してフィードバック制御を行う。なお、この制御方法は、第1実施形態における制御方法と同様である。
【0071】
本実施形態による情報処理システムは、第1実施形態と同様に、以下の効果を奏する。すなわち、第1操作者ないし第3操作者が互いに触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による可動部に対する変位入力に即応して、可動部を変位させることによる触覚を他の操作者へ呈示することができる。
【0072】
本実施形態においては、第1実施形態のサーバ50の構成及び作用を、第1情報処理装置20aが担っている。情報処理システムをこのような構成にすることで、サーバを無くし、システムを簡素化することができる。
【0073】
図13は、本発明による情報処理システムの第3実施形態の内部構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1実施形態のサーバ50の変位指示手段522を、3つの情報処理装置それぞれが有している形態である。
【0074】
この情報処理システム3は、第1情報処理装置30a、第2情報処理装置30b、及び第3情報処理装置30cによって構成されている。また、第1情報処理装置30aと第2情報処理装置30bとは通信ケーブル91aを介して互いに接続されている。同様に、第2情報処理装置30bと第3情報処理装置30cとは通信ケーブル91bを介して互いに接続されている。第3情報処理装置30bと第1情報処理装置30aとは通信ケーブル91cを介して互いに接続されている。本実施形態の第2情報処理装置30b及び第3情報処理装置30cは、第1情報処理装置30aと同様の構成を有しているので、説明及び図示を省略する。
【0075】
第1情報処理装置30aは、通信部31、本体部33、操作部14から構成されている。このうち、操作部14は第1実施形態のものと同様の構成を有している。
【0076】
第1情報処理装置30aの通信部31は、通信ケーブル91aを介して第2情報処理装置30bに、通信ケーブル91cを介して第3情報処理装置30cに、それぞれ接続されている。そして、第1情報処理装置30aの通信部31は、これらの情報処理装置の通信部31と所定の周期で通信を行っている。
【0077】
本体部33は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、通信部31及び操作部14による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部33は、呈示手段332、入力手段333、及び変位指示手段334を有している。これらの手段は、本体部33が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0078】
入力手段333は、第1変位情報を操作部14より入力する。そして、入力手段333は、第1変位情報を通信部31へ出力する。そして、通信部31は、第1変位情報を第2情報処理装置30b及び第3情報処理装置30cへ送信するとともに、第2情報処理装置30bから送信される第2変位情報と、第3情報処理装置30cから送信される第3変位情報とを受信する。
【0079】
変位指示手段334は、第2変位情報及び第3変位情報を通信部31より入力する。そして、変位指示手段334は、第2変位情報及び第3変位情報に基づいて第1変位指令値を生成する。なお、第2情報処理装置30bの変位指示手段(図示せず)は、第1変位情報及び第3変位情報に基づいて第2変位指令値を生成する。また、第3情報処理装置30cの変位指示手段(図示せず)は、第1変位情報及び第2変位情報に基づいて第3変位指令値を生成する。第1変位指令値ないし第3変位指令値の生成方法は、第1実施形態における生成方法と同様である。変位指示手段334は、このようにして生成した第1変位指令値を呈示手段332へ送る。
【0080】
呈示手段332は、変位指示手段334より第1変位指令値を入力する。そして、この第1変位指令値に応じた変位を呈示させるために、可動部152を制御する。すなわち、呈示手段332は、可動部152の変位を検出する変位検出センサ151より可動部152の変位を受け取り、これが変位指令値に追従するように可動部152に対してフィードバック制御を行う。なお、この制御方法は、第1実施形態における制御方法と同様である。
【0081】
本実施形態による情報処理システムは、第1実施形態と同様に、以下の効果を奏する。すなわち、第1操作者ないし第3操作者が互いに触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部に対する変位入力に即応して、可動部を変位させることによる触覚を他の操作者へ呈示することができる。
【0082】
図14は、本発明による情報処理システムの第4実施形態の内部構成を示すブロック図である。本実施形態は、3つの操作部14が、1つの情報処理装置に含まれている形態である。
【0083】
この情報処理システム4は、情報処理装置40によって構成されている。情報処理装置40は、本体部43と、3つの操作部14a〜14cから構成されている。このうち、操作部14a〜14cは第1実施形態の操作部14と同様の構成を有している。
【0084】
本体部43は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、操作部14a〜14cによる各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部43は、呈示手段432a〜432c、入力手段433a〜433c、及び変位指示手段434を有している。これらの手段は、本体部43が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0085】
入力手段433aは、第4変位情報を操作部14aより入力する。また、入力手段433bは、第5変位情報を操作部14bより入力する。また、入力手段433cは、第6変位情報を操作部14cより入力する。ここで、第4変位情報とは、操作部14aの可動部152の変位を示す情報である。また、第5変位情報とは、操作部14bの可動部152の変位を示す情報であり、第6変位情報とは、操作部14cの可動部152の変位を示す情報である。そして、入力手段433aは、第4変位情報を変位指示手段434へ出力する。同様に、入力手段433bは、第5変位情報を変位指示手段434へ出力する。入力手段433cは、第6変位情報を変位指示手段434へ出力する。
【0086】
変位指示手段434は、第4変位情報ないし第6変位情報それぞれを入力手段433aないし入力手段433cより入力する。そして、変位指示手段434は、第5変位情報及び第6変位情報に基づいて第4変位指令値を生成し、第4変位情報及び第6変位情報に基づいて第5変位指令値を生成し、第4変位情報及び第5変位情報に基づいて第6変位指令値を生成する。ここで、第4変位指令値は、操作部14aの可動部152が呈示する変位を指示する値である。同様に、第5変位指令値は、操作部14bの可動部152が呈示する変位を指示する値であり、第6変位指令値は、操作部14cの可動部152が呈示する変位を指示する値である。
【0087】
第4変位指令値ないし第6変位指令値の生成方法は、第1実施形態における第1変位指令値ないし第3変位指令値の生成方法と同様である。変位指示手段434は、このようにして生成した第4変位指令値を呈示手段432aへ、第5変位指令値を呈示手段432bへ、第6変位指令値を呈示手段432cへ、それぞれ送る。
【0088】
呈示手段432aは、変位指示手段434より第4変位指令値を入力する。そして、この第4変位指令値に応じた変位を呈示させるために、操作部14aの可動部152を制御する。すなわち、呈示手段432は、操作部14aの可動部152の変位を検出する変位検出センサ151より可動部152の変位を受け取り、これが変位指令値に追従するように可動部152に対してフィードバック制御を行う。また、呈示手段432bも同様に、第5位指令値に応じた変位を呈示させるために、操作部14bの可動部152を制御する。呈示手段432cも同様に、第6位指令値に応じた変位を呈示させるために、操作部14cの可動部152を制御する。なお、これらの制御方法は、第1実施形態における可動部152の制御方法と同様である。
【0089】
本実施形態による情報処理システムは、第1実施形態と同様に、以下の効果を奏する。すなわち、第1操作者ないし第3操作者が互いに触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部に対する変位入力に即応して、可動部152を変位させることによる触覚を他の操作者へ呈示することができる。
【0090】
また、本実施形態においては、情報処理システムの構成及び動作を、1個の情報処理装置40が担っている。情報処理システムをこのような構成にすることで、システムをさらに簡素化することができる。
【0091】
図15は、本発明による情報処理システムの第5実施形態の内部構成を示すブロック図である。この情報処理システム5は、第1情報処理装置60a、第2情報処理装置60b、第3情報処理装置60c、及びサーバ70によって構成されている。また、第1情報処理装置60aないし第3情報処理装置60c及びサーバ70はネットワーク90を介して互いに接続されている。以下に、第1情報処理装置60a及びサーバ70の内部構成について説明する。第2情報処理装置60b及び第3情報処理装置60cの内部構成は第1情報処理装置60aの内部構成と同様であるため、説明及び図示を省略する。
【0092】
第1情報処理装置60aは、通信部61、本体部63、操作部14から構成されている。第1情報処理装置60aの通信部61は、ネットワーク90を介してサーバ70に接続されている。そして、サーバ70の通信部71と所定の周期で通信を行っている。
【0093】
操作部14は、入出力部15及び選択手段16を有している。このうち、入出力部15は第1実施形態のものと同様であるので、説明を省略する。選択手段16は、操作者が能動側と受動側のどちらかを選択する手段である。選択手段16としては、例えば図3に示したボール161及び回転量検出手段162を用いて、操作者による操作部14の移動(マウス操作)を検出することにより能動側と受動側のどちらかを選択すると良い。あるいは、図3に示したスイッチ163といった押スイッチ及び信号処理回路164を用いて、操作者がスイッチ163を押下している間は能動側というように、能動側と受動側のどちらかを選択しても良い。あるいは、図7及び図8に示した感圧部170といった接触検知センサを用いて、操作者の指先等が可動部152に接触している間は能動側を選択するといった選択方法でも良い。または、感圧部170を、ある所定の圧力以上の圧力を操作者の指先等から検知すると能動側を選択するといった圧力センサとして選択手段に用いても良い。そして、選択手段16は、第1情報処理装置60aの操作部14が能動側と受動側のどちらかを示す信号である第1選択信号を生成する。
【0094】
本体部63は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、通信部61及び操作部14による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部63は、呈示手段632、第1の入力手段633、及び第2の入力手段636を有している。これらの手段は、本体部63が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0095】
第1の入力手段633は、第1変位情報を操作部14より入力する。そして、第1の入力手段633は、第1変位情報を通信部61へ出力する。また、第2の入力手段636は、第1選択信号を選択手段16より入力する。そして、第2の選択手段636は、第1選択信号を通信部61へ出力する。通信部61は、第1変位情報及び第1選択信号をネットワーク90を介してサーバ70へ送信する。
【0096】
サーバ70は、通信部71及び本体部72から構成されている。通信部71は、第1情報処理装置60aから第1変位情報及び第1選択信号を受け取る。同様に、通信部71は第2情報処理装置60bから第2変位情報及び第2選択信号を受け取り、第3情報処理装置60cから第3変位情報及び第3選択信号を受け取る。そして、これらの変位情報及び選択信号を本体部72へ送る。
【0097】
本体部72は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等を含み、通信部71による各種の情報の入出力を制御し、この情報をもとに演算する。このために、本体部72は、変位情報受信手段721及び変位指示手段722を有している。これらの手段は、本体部72が有するハードディスクまたはROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出し、実行することによって実現される。
【0098】
変位情報受信手段721は、第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号をネットワーク90及び通信部71を介して入力する。そして、すべての変位情報及び選択信号が揃った後に、これらの情報を変位指示手段722へ出力する。
【0099】
変位指示手段722は、第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号を変位情報受信手段721より入力する。そして、変位指示手段722は、第1変位情報ないし第3変位情報のうち、対応する選択信号が能動側を示す変位情報に基づいて、第1変位指令値ないし第3変位指令値を生成し、通信部71へ出力する。そして、通信部71は、第1変位指令値を第1情報処理装置60aへ、第2変位指令値を第2情報処理装置60bへ、第3変位指令値を第3情報処理装置60cへ、それぞれ送信する。
【0100】
ここで、第1変位指令値ないし第3変位指令値の生成方法の一例について説明する。いま、例えば第2情報処理装置60bの操作部14が能動側であって、第1情報処理装置60a及び第3情報処理装置60cの操作部14が受動側であるときは、第1変位指令値である目標位置Xr1は、以下の数式(7)により求めるとよい。
Xr1=X2 ・・・(7)
(X2:第2変位情報)
同様に、第2変位指令値である目標位置Xr2、及び第3変位指令値である目標位置Xr3は、それぞれ以下の数式(8)、(9)により求めるとよい。
Xr2=X2 ・・・(8)
Xr3=X2 ・・・(9)
数式(7)〜(9)では、能動側を選択された第2情報処理装置60bの操作部14の可動部152に対する変位入力を示す第2変位情報X2に基づいて、第1変位指令値ないし第3変位指令値が生成されている。
【0101】
また、例えば第1情報処理装置60aの操作部14と、第2情報処理装置60bの操作部14とが能動側であって、第3情報処理装置60cの操作部14が受動側であるときは、目標位置Xr1ないし目標位置Xr3は、以下の数式(10)〜(12)により求めるとよい。
Xr1=X2 ・・・(10)
Xr2=X1 ・・・(11)
Xr3=(X1+X2)/2 ・・・(12)
数式(10)〜(12)では、能動側を選択された第1情報処理装置60a及び第2情報処理装置60bの操作部14の可動部152に対する変位入力を示す第1変位情報X1及び第2変位情報X2の平均に基づいて、第3変位指令値が生成されている。
【0102】
また、例えば第1情報処理装置60aないし第3情報処理装置60cの操作部14が、全て能動側であるときは、目標位置Xr1ないし目標位置Xr3は、以下の数式(13)〜(15)により求めるとよい。
Xr1=(X2+X3)/2 ・・・(13)
Xr2=(X1+X3)/2 ・・・(14)
Xr3=(X1+X2)/2 ・・・(15)
数式(13)〜(15)では、能動側を選択された第1情報処理装置10aないし第3情報処理装置10cの各変位指令値を、当該情報処置装置を除く他の2つの能動側の情報処理装置における変位情報の平均値に基づいて生成している。
【0103】
第1情報処理装置60aの通信部61は、サーバ70より第1変位指令値を入力する。そして、通信部61は、第1変位指令値を呈示手段632へ出力する。
【0104】
呈示手段632は、通信部61より第1変位指令値を入力する。そして、この第1変位指令値に応じた変位を呈示させるために、可動部152を制御する。このときの制御方法は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0105】
図16は、本実施形態による情報処理システムの動作を示すフローチャートである。図16を用いて、本実施形態による情報処理方法について説明する。なお、本情報処理システムでは各情報処理装置の動作はほぼ同じなので、図16では1個の情報処理装置の動作についてのみ示している。
【0106】
まず、第1情報処理装置60aの可動部152に対して、第1操作者が変位を入力する。第2操作者、第3操作者も同様に、第2情報処理装置60b、第3情報処理装置60cそれぞれの可動部152に対して変位を入力する。そして、第1情報処理装置60aないし第3情報処理装置60cそれぞれの入出力部15において、可動部152の変位を示す第1変位情報ないし第3変位情報それぞれが生成される(入力ステップ、S201)。
【0107】
次に、第1情報処理装置60aの選択手段16に対して、第1操作者が能動側及び受動側のどちらかを選択する。第2操作者及び第3操作者も同様に、第2情報処理装置60b及び第3情報処理装置60cそれぞれの選択手段16に対して能動側及び受動側のどちらかを選択する。そして、第1情報処理装置60aないし第3情報処理装置60cそれぞれの選択手段16において、能動側/受動側を示す第1選択信号ないし第3選択信号が生成される(選択ステップ、S202)。
【0108】
そして、各個の情報処理装置60a〜60cそれぞれは、サーバ70へ通信部61より第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号を送信する(S203)。送信された第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号は、サーバ70の通信部61において受信される(S204)。
【0109】
サーバ70の通信部61は、第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号を変位情報受信手段721へ送る。変位情報受信手段721は、第1変位情報ないし第3変位情報、並びに第1選択信号ないし第3選択信号が全て揃うと、これらの変位情報並びに選択信号を変位指示手段722へ送る。変位指示手段722は、これらの変位情報並びに選択信号に基づいて、第1変位指令値ないし第3変位指令値を生成する。このとき、変位指示手段722は、受動側の操作部14の可動部152の変位を指示する変位指令値を、能動側の操作部14の可動部152に対する変位入力を示す変位情報の平均値に基づいて生成する。また、変位指示手段722は、能動側の操作部14の可動部152の変位を指示する変位指令値を、該操作部14を除く他の能動側の操作部14の可動部152に対する変位入力を示す変位情報の平均値に基づいて生成する。例えば、変位指示手段722は、上述した数式(7)〜(9)、あるいは数式(10)〜(12)のような計算方法を用いてこれらの変位指令値を生成する(変位指示ステップ、S205)。
【0110】
変位指示手段722は、第1変位指令値ないし第3変位指令値を通信部71へ送る。そして、通信部71は、第1変位指令値を第1情報処理装置60aへ、第2変位指令値を第2情報処理装置60bへ、第3変位指令値を第3情報処理装置60cへ、それぞれ送信する(S206)。
【0111】
第1情報処理装置60aの通信部61は、第1変位指令値を受信する。同様に、第2情報処理装置60b及び第3情報処理装置60cそれぞれの通信部61は、第2変位指令値及び第3変位指令値それぞれを受信する(S207)。
【0112】
各情報処理装置の通信部61は、これらの変位指令値それぞれを呈示手段632へ出力する。そして、呈示手段632は、入力した変位指令値に従い、入出力部15の変位制御手段157へ変位信号を送る。変位制御手段157は可動部152を変位させ、操作者に対して触覚を呈示する(呈示ステップ、S208)。以降、S201に戻って上記の処理を繰り返す。
【0113】
以上の構成を有し、動作を行う本実施形態による情報処理システム及び情報処理方法は、以下に述べる効果を有する。すなわち、情報処理システム(情報処理方法)が上記した選択手段(選択ステップ)を備え、能動側及び受動側を定めて上記のように変位指令値を生成することによって、3人以上の操作者同士が触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部の操作に即応して、他の操作者へ触覚を呈示することができる。
【0114】
図17は、第5実施形態における、上記した効果を説明するグラフである。図17の縦軸、横軸、黒丸A、白丸B、及び四角Cの意味はすべて図11と同様である。
【0115】
ここで、図17(a)は、文献1において示唆されている方法を用いて、各情報処理装置の変位情報を全て平均した値に基づいて変位指令値を生成した場合のグラフである。また、図17(b)は、上記した第5実施形態のように能動側/受動側を選択し、能動側(第2情報処理装置60b)の操作部14に対する変位入力に基づいて受動側(第1情報処理装置60a及び第3情報処理装置60c)の変位指令値を生成した場合のグラフである。
【0116】
図17(a)に示すグラフでは、第1変位情報ないし第3変位情報の平均値に占める、第2変位情報の割合が小さいために、白丸Bの変化が遅く、これに伴って黒丸Aの変化も遅い。これに対し、図17(b)に示すグラフでは、第2変位情報が第1変位指令値及び第3変位指令値となっている(四角Cの位置が、白丸Bの位置となっている)ため、白丸Bの変化が早い。これにより、黒丸Aは素早く四角Cの位置へ追従することができる。つまり、図17(b)は、3個の操作部14のうちの1つが能動側を選択され、この能動側の操作部14に対して操作者が変位を入力したときに、他の受動側の操作部14の可動部152はこれに即応して変位することを示している。
【0117】
なお、本実施形態は、情報処理システム及び情報処理方法において3個の操作部を用いた場合の実施形態である。本実施形態による情報処理システムは、上記した構成を有する操作部をN(Nは3以上の整数)個用いて構成することができる。その場合、受動側を選択した操作者に対する変位の呈示を、能動側を選択した操作者が可動部152に対して入力した変位情報(複数の場合は、平均値などを用いると良い)に基づいて行うと良い。また、能動側を選択した操作者に対する変位の呈示を、該操作者を除く、能動側を選択した操作者が可動部に対して入力した変位情報(複数の場合は、平均値などを用いると良い)に基づいて行うと良い。
【0118】
また、受動側の操作部が複数の場合には、本実施形態のように、変位指示手段(変位指示ステップ)は、受動側の操作部の可動部の変位を指示する変位指令値を能動側操作部の可動部に対する変位入力の平均値に基づいて生成すると良い。また、変位指示手段(変位指示ステップ)は、能動側操作部の可動部の変位を指示する変位指令値を当該能動側操作部を除く他の能動側操作部の可動部に対する変位入力の平均値に基づいて生成すると良い。例えば、情報処理システムが5個の操作部を備え、そのうち3個が能動側、2個が受動側を選択されているときは、能動側の操作部に対する変位指令値Xr1ないしXr3、及び受動側の操作部に対する変位指令値Xr4及びXr5は、以下のように計算するとよい。
Xr1=(X2+X3)/2 ・・・(16)
Xr2=(X1+X3)/2 ・・・(17)
Xr3=(X1+X2)/2 ・・・(18)
Xr4=(X1+X2+X3)/3 ・・・(19)
Xr5=(X1+X2+X3)/3 ・・・(20)
(X1〜X3:能動側の操作部の変位情報)
このように変位指令値を生成することによって、能動側操作部を操作する各操作者それぞれの変位入力が、受動側操作部及び能動側操作部での触覚の呈示に対して略等しく関与することができる。
【0119】
また、本実施形態のように、選択手段(選択ステップ)は、操作部に設けられる押スイッチまたは接触検知センサ、またはマウス操作によれば、操作者は能動側及び受動側のいずれかを好適に選択することができる。また、選択手段(選択ステップ)はこれらに限るものではなく、例えば操作者による、可動部に対する変位入力の大きさ及び速さの双方またはいずれか一方に基づいて、能動側及び受動側のどちらかを選択してもよい。また、可動部152に対する変位入力時の力を力センサによって測定し、所定の値を境に能動側及び受動側のどちらかを選択するのも好適である。また、情報処理装置にさらにキーボードなどのキー入力装置を備えて、操作者によるキー入力によって能動側及び受動側のどちらかを選択してもよい。あるいは、情報処理装置にさらにマイクなどの音声入力装置を備えて、操作者による音声入力によって能動側及び受動側のどちらかを選択してもよい。
【0120】
また、上記した選択手段(選択ステップ)は、いずれも操作部を操作する操作者が能動側及び受動側のいずれかを選択している。選択手段(選択ステップ)はこれに限らず、例えば選択手段がサーバに備えられるとともに、サーバを操作するシステム管理者等が各操作者に対し能動側/受動側を選択してもよい。情報処理システム(情報処理方法)がこれらの選択手段(選択ステップ)のいずれかを備えることによって、操作者は能動側及び受動側のいずれかを好適に選択することができる。
【0121】
また、例えば数式(8)では、能動側の操作部14に対する変位指令値が当該操作部14の可動部152の現在位置となっている。このように能動側の操作部14を制御すると、操作者は無負荷状態で可動部152を動かしているように感じる。こういった無負荷状態を避けたい場合には、能動側の操作部14へ与える変位指令値を、例えば受動側の操作部14における変位入力に基づいて生成してもよい。また、受動側の操作部14が複数の場合には、これらの変位入力の平均値に基づいて生成してもよい。
【0122】
本発明による情報処理システム及び情報処理方法は、上記した各実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、操作部14としては、上記した構成のもの以外にも、次に示すような操作部を好適に使用できる。
【0123】
図18は、操作部80の構成を示す側面断面図である。この操作部80は、可動部81、接続ケーブル82、アクチュエータ83、変位センサ84、コントローラ85、及び押スイッチ86から構成されている。
【0124】
可動部81は、円盤状の上部と円筒状の下部からなる。これらが、円の中心軸が一致するように接合されており、操作部80において軸方向に変位可能なように設けられている。そして、可動部81はアクチュエータ83によって軸方向に変位する力を加えられる。また、可動部81の上下方向の変位は変位センサ84によって測定され、変位データがコントローラ85へ送られる(矢印84a)。コントローラ85は、接続ケーブル82を介して本体部(図示せず)から変位指令値を入力するとともに、この変位指令値に変位データが追従するように、可動部81に対して力を加える。こうして、可動部81が変位することにより、操作者に対して触覚を呈示する。
【0125】
また、可動部81は操作者によって軸方向に動作されることにより変位入力される。この変位入力は、変位センサ84における変位データといった変位情報に変換され、接続ケーブル82を介して本体部へ出力される。また、押スイッチ86は、選択手段として用いることができ、押下されることにより選択信号をコントローラ85へ送る(矢印86a)。コントローラ85は、選択信号を接続ケーブル82を介して本体部へ出力する。
【0126】
図3〜9に示した操作部14だけでなく、このような操作部80によっても、上記した各実施形態の情報処理システム(情報処理方法)を好適に実施することができる。
【0127】
また、上記した各実施形態において、呈示手段は、数式(4)〜(6)により計算されるF1ないしF3を用いて可動部を制御している。呈示手段はこれらの数式以外に、速度に比例する緩衝項を加えた下記の数式(21)〜(23)
F1=K(Xr1−X1)+B(Xr1’−X1’) ・・・(21)
F2=K(Xr2−X2)+B(Xr2’−X2’) ・・・(22)
F3=K(Xr3−X3)+B(Xr3’−X3’) ・・・(23)
(K:所定の比例ゲイン、B:所定の微分ゲイン、Xr1’:Xr1の時間微分、Xr2’:Xr2の時間微分、Xr3’:Xr3の時間微分、X1’:X1の時間微分、X2’:X2の時間微分、X3’:X3の時間微分)
によっても好適に可動部14を制御することができる。また、数式(21)〜(23)のようにF1ないしF3を計算する場合、各情報処理装置においてXr1’ないしXr3’を計算しても良いし、サーバにおいてXr1’ないしXr3’を計算し、各情報処理装置へ送信してもよい。
【0128】
また、上記した各実施形態においてサーバより各情報処理装置へ送信される変位指令値は、数式(1)〜(3)、数式(7)〜(9)、数式(10)〜(12)、または数式(13)〜(15)により求められる値そのものである必要はなく、この値の比例値であっても良いし、1つ前の周期における変位指令値からの変化量であっても良い。こういった変位指令値を用いる場合、情報処理装置側において可動部の制御に際し好適な値に変換するとよい。
【0129】
また、上記した各実施形態において、変位情報受信手段は、第1変位情報ないし第3変位情報(並びに、第1選択信号ないし第3選択信号)をまとめて変位指示手段へ送っている。変位情報受信手段は、各情報処理装置へ送信する変位指令値を更新する更新周期の間であれば、各変位情報(並びに選択信号)を個別に変位指示手段へ送ってもよい。
【0130】
また、各情報処理装置からサーバへそれぞれの変位情報を送信し、サーバが各情報処理装置へそれぞれが必要な変位情報を送信してもよい。この場合、例えば以下の数式(24)〜(26)
F1=K(X2−X1)+K(X3−X1) ・・・(24)
F2=K(X1−X2)+K(X3−X2) ・・・(25)
F3=K(X1−X3)+K(X2−X3) ・・・(26)
によるF1ないしF3を各情報処理装置において用いることにより、各情報処理装置は可動部を変位させ、触覚を呈示することができる。
【0131】
【発明の効果】
本発明による情報処理システム(情報処理方法)は、N個の操作部のうちの特定の操作部が有する可動部を呈示手段(呈示ステップ)が変位させるよう指示するための変位指令値を、N個の操作部のうちの特定の操作部を除く他の操作部それぞれが有する可動部について入力手段(入力ステップ)が受け付けた変位入力に基づいて生成している。これによって、3人以上の操作者同士が触覚コミュニケーションを行う際に、一の操作者による操作部への変位入力に即応して、他の操作者へ触覚を呈示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報処理システムの第1実施形態を示す外観図である。
【図2】第1実施形態による情報処理システムの内部構成を示すブロック図である。
【図3】操作部の構成を示す断面図である。
【図4】入出力部の構成を示すブロック図である。
【図5】入出力部の固定部材及び可動部のより詳細な構成図である。
【図6】入出力部の変位呈示機構を説明する平面図である。
【図7】入出力部の固定部材と可動部との摺動機構を説明する断面図である。
【図8】操作部の感圧部を説明する断面図である。
【図9】入出力部に含まれる変位検出センサを説明する断面図である。
【図10】第1実施形態による情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態による情報処理システム及び情報処理方法の効果を説明するグラフである。
【図12】本発明による情報処理システムの第2実施形態の内部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明による情報処理システムの第3実施形態の内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明による情報処理システムの第4実施形態の内部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明による情報処理システムの第5実施形態の内部構成を示すブロック図である。
【図16】第5実施形態による情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図17】第5実施形態による情報処理システム及び情報処理方法の効果を説明するグラフである。
【図18】他の操作部の構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…情報処理システム、10a…第1情報処理装置、10b…第2情報処理装置、10c…第3情報処理装置、11…通信部、13…本体部、132…呈示手段、133…入力手段、14…操作部、15…入出力部、151…変位検出センサ、152…可動部、50…サーバ、51…通信部、52…本体部、521…変位情報受信手段、522…変位指示手段、90…ネットワーク。

Claims (6)

  1. 変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、
    前記N個の操作部のうちの特定の操作部が有する前記可動部を前記呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、前記N個の操作部のうちの前記特定の操作部を除く他の操作部それぞれが有する前記可動部について前記入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成し、その変位指令値を前記呈示手段に与える変位指示手段と
    を備えることを特徴とする情報処理システム。
  2. 変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、
    前記N個の操作部それぞれが、能動側及び受動側のどちらであるかを選択する選択手段と、
    前記N個の操作部のうち前記選択手段によって受動側を選択された受動側操作部が有する前記可動部を前記呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、前記N個の操作部のうち前記選択手段によって能動側を選択された能動側操作部が有する前記可動部について前記入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成し、その変位指令値を前記呈示手段に指示する変位指示手段と
    を備えることを特徴とする情報処理システム。
  3. 変位することが可能な可動部を各々有するN(Nは3以上の整数)個の操作部と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部に対する変位入力を受け付ける入力手段と、
    前記N個の操作部それぞれが有する前記可動部を変位させて触覚を呈示させる呈示手段と、
    前記N個の操作部それぞれが、能動側及び受動側のどちらであるかを選択する選択手段と、
    前記N個の操作部のうち前記選択手段によって受動側を選択された受動側操作部が有する前記可動部を前記呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、前記N個の操作部のうち前記選択手段によって能動側を選択された能動側操作部が有する前記可動部について前記入力手段が受け付けた変位入力に基づいて生成し、その変位指令値を前記呈示手段に指示する変位指示手段と
    を備え、
    前記変位指示手段は、前記能動側操作部のうち特定の能動側操作部が有する前記可動部を前記呈示手段が変位させるよう指示するための変位指令値を、前記特定の能動側操作部を除く他の能動側操作部それぞれが有する前記可動部について前記入力手段が受け付けた変位入力の平均値に基づいて生成することを特徴とする情報処理システム。
  4. 前記選択手段は、前記操作部に設けられる力センサ、押スイッチ、接触検知センサのいずれかであることを特徴とする請求項2または3記載の情報処理システム。
  5. 前記選択手段は、前記変位入力の大きさ及び速さの双方またはいずれか一方に基づいて前記N個の操作部それぞれが能動側及び受動側のどちらであるかを選択することを特徴とする請求項2または3記載の情報処理システム。
  6. 前記選択手段は、キー入力、マウス操作、音声入力のいずれかに基づいて前記N個の操作部それぞれが受動側及び能動側のどちらであるかを選択することを特徴とする請求項2または3記載の情報処理システム。
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