JP3937567B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工室を構成するスプラッシュカバーに、ワークを出し入れするための出入口及びその出入口を開閉するための扉を設けるようにした工作機械に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
工作機械例えばマシニングセンタは、ベース上に、ワークに対する加工を行う加工ヘッドやそのワークを移動させるXYテーブルを配設すると共に、それらの周囲(四方)を囲むようにスプラッシュカバーを配置して構成される。そして、前記XYテーブルの駆動機構部(ガイドレールやボールねじ機構等)の上面部には、テーブルの動きに合わせて伸縮するが如き動作を行うテレスコープ型のカバー(テレスコカバーと称する)が設けられている。また、前記スプラッシュカバーのうち前壁部には、例えば引き戸式の扉により手動開閉されるワークの出入口が設けられている。
【0003】
ところで、かかる工作機械においては、加工時に生ずるワークの切粉が、テレスコカバー上やベースの床に飛び散ることが起こる。この場合、前記スプラッシュカバーの背壁部には、切粉を排出するための排出口が設けられ、ベースの床にはその排出口に向けて切粉を案内する通路が傾斜面状に設けられている。これにて、落下した切粉を容易に排出することができるようになっている。
【0004】
ところが、前記テレスコカバー上に飛び散った切粉は、そのままテレスコカバー上に残って該テレスコカバーの伸縮動作によって順送りに先端側に送られるといった現象が生じ、その切粉がテレスコカバーの先端(固定段)と前記スプラッシュカバーの裏面との間に存在する僅かな隙間部分に溜ってその隙間を塞ぎ、さらにその上に堆積されていくことが起こる。
【0005】
このようなテレスコカバー上における切粉の堆積が大きくなると、ひどい場合には、テレスコカバーの動作に支障をきたしてしまう虞がある。このとき、テレスコカバーの先端とスプラッシュカバーの裏面との間の隙間を大きくすれば、その隙間から切粉を落下させることができるが、それでは、全体が大形化すると共に、ワークの出入口が加工ヘッドから遠くなって出し入れ作業がしにくくなる不具合を招く。
【0006】
そこで、従来では、適当な時期に、作業者が例えばブラシや小形のほうき等を用いて、ワークの出入口からスプラッシュカバーの裏面側に溜った切粉の除去作業を行うようにしていた。しかしながら、溜った切粉を人手にて除去することは、時間的なロスが大きくなることはもとより、面倒で大変な作業となっていた。特に、切粉が多く溜ると塊り状態となることがあり、除去作業に大きな労力が必要となっていた。そうかといって、自動で切粉の清掃を行うような装置を付加する構成とすれば、大幅なコスト高を招いてしまうことになる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、安価な構成で、且つ作業者の大きな労力を伴うことなく、スプラッシュカバーの裏面側に溜る切粉を除去することができる工作機械を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の工作機械は、移動テーブルの駆動機構部の上面に、基端側から先端側に向けて上面が順に低くなる複数個の単位カバーを相互にスライド移動可能な入れ子状態に有し、且つ、基端側の単位カバーが前記移動テーブルと共に移動し、先端側の単位カバーが前記スプラッシュカバーの裏面側に固定的に配置されるテレスコープ型のテーブルカバーを設けると共に、スプラッシュカバーの出入口を開閉するための扉の裏面部に、該扉の開閉動作に連動して動作し、前記スプラッシュカバーの裏面側に位置する前記先端側の単位カバーの上面に溜る切粉を側方に掃き落とすワイパーを設けたところに特徴を有するものである(請求項1の発明)。
【0009】
これによれば、移動テーブルの駆動機構部の上面を覆うテレスコープ型のテーブルカバーは、移動テーブルの移動に伴い、複数個の単位カバーが相互にスライド移動して伸縮するが如き動作を行う。このとき、加工時に生ずるワークの切粉が、テーブルカバー上に飛び散ることが起こるが、その切粉は、テーブルカバーの伸縮動作によって順送りに先端側に送られるといった現象が生じ、先端側の単位カバーの上面に溜まるようになる。そして、作業者がワークの出し入れのために扉を開閉操作することにより、それに連動してワイパーがスプラッシュカバーの裏面側に位置する前記先端側の単位カバーの上面に溜る切粉を側方に掃き落とすようになる。従って、ワークの出し入れを行う度に、定期的に切粉の除去作業が行われることになり、これにより、スプラッシュカバーの裏面側に多くの切粉が溜ることがなくなる。また、1回に除去する切粉の量も少ないため軽い力で除去作業を行うことができる。さらに、切粉の除去作業に特別な時間を要することなく、しかも、扉の裏面部にワイパーを設けるだけで複雑な機構や動力などが必要ないので、安価に済ませることができる。
【0010】
このとき、前記ワイパーを、弾性体から構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、切粉が溜った部分に対して、ワイパーを弾性的に圧接させながら摺動させることによって、切粉を確実に除去させることができるようになる。
【0011】
そして、テーブルカバーの先端部とスプラッシュカバーの裏面との間の隙間の上面を塞ぐ隙間カバーを設けるようにすることができる(請求項3の発明)。これによれば、隙間カバーにより、隙間内に切粉が侵入して溜ることを防止することができ、より一層効果的となる。
【0012】
また、前記ワイパーを、上下方向に位置調整可能に構成することができ(請求項4の発明)、これにより、切粉の掃き落としの際のワイパーの接触圧力等を自在に調整することができるようになる。さらには、移動テーブルの駆動機構部の側部に、該駆動機構部への切粉の侵入を防止するための側部カバーを設けるようにしても良く(請求項5の発明)、これにより、前記ワイパーにより掃き落とされた切粉等が駆動機構部に対して側方から侵入することを防止することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図4は、本実施形態に係る工作機械(マシニングセンタ)1の正面の外観構成を概略的に示しており、この工作機械1は、ベース2上に、全体として矩形ボックス状をなすスプラッシュカバー3により前後左右を囲まれて構成される加工室4 (図1参照)を有している。
【0014】
また、前記スプラッシュカバー3の前壁部の中央部には、ワーク(図示せず)を出し入れするための出入口5が形成されており、この出入口5は、詳しくは後述する引き戸式の扉6,7により開閉されるようになっている。さらに、前記スプラッシュカバー3の前壁部のうち、前記出入口5の右側には、表示装置8やキーボード9等を有する操作パネル10が設けられている。尚、図示はしないが、スプラッシュカバー3の左右の側壁部には、夫々メンテナンス用の点検ハッチが設けられており、スプラッシュカバー3の背壁部には、下部に位置して切粉排出用の排出口が設けられている。
【0015】
そして、詳しい図示及び説明は省略するが、前記スプラッシュカバー3内(加工室4)には、前記ワークに対する加工を行う加工ヘッド、この加工ヘッドの主軸にセットされる工具を自動で交換する工具交換装置、ワークがセットされて移動される移動テーブル11(図1,図3に部分的に図示)等が前記ベース2上に配設されている。
【0016】
前記移動テーブル11は、周知のXYテーブルよりなり、図1,図3に示すように、ワークがセットされるテーブル主体12、このテーブル主体12をX軸 (左右)方向に自在に移動させるユニット化されたX軸駆動機構部13、このX軸駆動機構部13をY軸(前後)方向に自在に移動させるY軸駆動機構部14を備えて構成されている。これにて、テーブル主体12ひいてはワークが水平方向に自在に移動されるようになっているのである。
【0017】
このとき、前記Y軸駆動機構部14は、加工室4内の中央部を前後方向に延び、前記X軸駆動機構部13をY軸方向に案内するガイドレール15や、例えばボールねじ機構やモータ等からなる移動機構16(図3に概略的に図示)を備えて構成されている。そして、このY軸駆動機構部14のうち前記X軸駆動機構部13よりも前側の上面部及び左右の側面部を覆うようにして、テレスコープ型のテーブルカバー17(以下、テレスコカバー17と称する)が設けられている。
【0018】
このテレスコカバー17は、図1に示すように、下面が開口した薄形矩形箱状をなすこの場合4個の単位カバー17a,17b,17c,17dを入れ子状態に有してなり、前後方向に相互にスライド移動することにより、前記X軸駆動機構部13の前後の移動に合わせて伸縮するが如き動作を行うようになっている。このとき、基端側の単位カバー17aの後端部が前記X軸駆動機構部13に連結されており、また、先端側の単位カバー17dの前端部が、前記スプラッシュカバー3の前壁部の裏面との間に僅かな隙間を存して前記ベース2に固定されている。尚、図示はしないが、Y軸駆動機構部14のうちのX軸駆動機構部13よりも後ろ側、及びX軸駆動機構部13(テーブル主体12の左右両側)についても、テレスコープ型のテーブルカバーにより覆われている。
【0019】
ここで、前記扉6,7及びその周辺部分について、図1及び図2を参照しながら述べる。これら扉6,7は、例えば鉄板等から縦長矩形状に構成されると共にその中央部に夫々ガラス窓部18(図2,図4参照)を有して構成され、前記出入口5の右左部を夫々塞ぐように設けられている。そのうち右側の扉6は奥側に位置し、左側の扉7はその手前側に位置されるようになっている。また、図4に示すように、右側の扉6の前面の右側下部には手掛部19が設けられている。
【0020】
このとき、図1に一部示すように、前記スプラッシュカバー3の前壁部の背面側には、前記出入口5の縁部部分の上下部に夫々位置して左右方向に延びる案内レール20(下部側後列の一部のみ図示)が前後2列に設けられている。この場合、手前側の案内レールは、左側の扉7を保持し且つ左右方向に案内するためのもので、スプラッシュカバー3の前壁部の背面側にて、前記出入口5の中央部分から該前壁部の左端部ほぼ一杯まで延びて設けられている。また、奥側の案内レール20は、右側の扉6を保持し且つ左右方向に案内するためのもので、前記出入口5の右端部から前壁部の左端部ほぼ一杯まで延びて設けられている。
【0021】
前記扉6,7には、案内レール20を上下両側から挟むようにして転動するコロ21,21が設けられる。そのうち上側のコロ21は、扉6の底面に取付けられ、下側のコロ21は、扉6の背面側下端部に上下位置調整可能に取付けられ案内レール20の下方に回り込むように延びる支持板22に取付けられるようになっている。このとき、図2に示すように、前記支持板22(ひいては下側のコロ21)は、扉6の左右両端部に位置して設けられている。
【0022】
これにて、扉6は、案内レール20により案内され、スムーズに左右方向に移動して出入口5の右半部を開閉するようになっている。このとき、扉6は出入口5の幅寸法と同等のストロークで移動されるのであるが、詳しく図示はしないが、扉6は、扉7に対して重なり合ったところで該扉7と連結状態とされ、扉6を左方に半分以上開放させると、扉7も扉6と一緒に移動するようになり、扉6,7の双方を左方一杯に移動させることによって、出入口5のほぼ全体を開放させた状態とすることができるようになっている。
【0023】
また、その状態から扉6を右方に移動させることにより、扉7も扉6と一緒に移動し、出入口5を閉塞させることができるようになっている。尚、図1に示すように、前記扉6,7の裏面部には、案内レール20の裏側を覆うように、レール保護カバー23が設けられ、切粉が案内レール20部分に侵入することが防止されるようになっている。
【0024】
さて、前記扉6に設けられた支持板22のうち右側(図2では左側)のものには、ワイパー取付板24を介して、スプラッシュカバー3の裏面側(テレスコカバー17の先端部上面)に溜る切粉を側方に掃き落とすためのワイパー25が設けられる。このうちワイパー取付板24は、例えばやや縦長の矩形状の鉄板からなり、その板面を左右方向に向けた状態で、上端部が支持板22にねじ止め固定されている。
【0025】
そして、前記ワイパー25は、弾性体この場合矩形状をなすゴム製の板からなり、その上端部が、前記ワイパー取付板24の下端部に形成された上下方向に長い長孔24aを介して、座金26との間に挟まれるようにしてねじ27によりねじ止めされている。このとき、ワイパー25は、その下端縁部が、前記テレスコカバー17の先端の単位カバー17dの先端側部分の上面に摺動する高さ位置となるように取付けられる。
【0026】
これにて、前記扉6が左右方向に開閉動作されると、それに連動してワイパー25も左右方向に移動してテレスコカバー17(単位カバー17d)の先端部の上面を左右方向に摺動し、テレスコカバー17上に溜っていた切粉を側方に掃き落とすようになっているのである。このとき、前記長孔24a内におけるねじ止め位置の調整によって、ワイパー25の上下方向の取付位置の調整が可能とされているのである。
【0027】
また、本実施形態では、図1及び図2に示すように、前記単位カバー17dの前端部と、前記スプラッシュカバー3の前壁部の裏面との間に形成されている隙間の上面を塞ぐようにして、隙間カバー28が設けられている。この隙間カバー28は、図1に示すように、スプラッシュカバー3の前壁部の裏面から、単位カバー17dの前端上縁部に向けてやや下降傾斜するように設けられ、図2に示すように、テレスコカバー17(単位カバー17d)よりも左右方向に長く構成されている。これと共に、本実施形態では、その隙間の左右の側面部を塞ぐような横カバー29も設けられている。
【0028】
さらに、本実施形態では、図1及び図3に示すように、前記Y軸駆動機構部14の移動機構16の前部の左右両側部に、前記テレスコカバー17の下部(ガイドレール15の取付部分)と前記ベース2の床との間を塞ぐように位置して、切粉の侵入を防止するための側部カバー30が傾斜状(上面から見てハ字状)に設けられている。
【0029】
次に、上記構成の作用について述べる。上記構成の工作機械1にあっては、扉6,7を開放した状態で、例えば作業者の手によって、移動テーブル11のテーブル主体12上にワークがセットされる。そして、扉6,7が閉じられた後、所定のNCプログラムに従って加工作業が実行され、ワークが移動テーブル11によって水平方向に移動されながら、加工ヘッドによるそのワークに対する加工 (フライス削り、穴あけ、中ぐり、リーマ加工等)が施される。加工後のワークは、作業者によって扉6,7が開放されて取出される。
【0030】
しかして、上記加工時においては、ワークの切粉が発生し、加工室4内において加工ヘッドの周囲に飛び散るようになる。その切粉のうち、ベース2の床に飛び散ったものについては、スプラッシュカバー3の背壁部に設けられた排出口から容易に排出することができるようになっている。一方、テレスコカバー17上に飛び散った切粉は、そのままテレスコカバー17上に残って該テレスコカバー17の伸縮動作によって順送りに先端側に送られる現象が生じ、単位カバー17dの先端部上面に溜ることになる。
【0031】
ところが、前記扉6の裏面部にワイパー25が設けられているので、1個のワークに対する加工作業が行われて扉6,7が開閉されるごとに、作業者による扉6の開閉動作に連動してワイパー25が単位カバー17dの先端部上面を左右方向に摺動し、単位カバー17dの先端部上面に溜る切粉を側方(ベース2の床上)に掃き落とすようになる。
【0032】
このとき、ワイパー25はゴム製なので、単位カバー17dの上面に対してワイパー25を弾性的に接触させながら摺動させることによって、切粉を確実に掃き落とすことができる。尚、ワイパー25は、ワイパー取付板24に対して上下方向の位置調整が可能なので、ワイパー25が単位カバー17dの上面に適切な力で摺接するような高さ位置に予め調整しておくことにより、摺接力が弱過ぎて切粉を掃き落とすことができなかったり、摺接力が強過ぎて扉6開閉時の抵抗が大きくなり過ぎるといった不具合を未然に防止することができる。
【0033】
これにより、作業者がワークの出し入れのために扉6の開閉作業を行う度に定期的に切粉の除去作業が行われることになり、テレスコカバー17上に多くの切粉が溜ったり、それらが塊となったりすることがなくなり、テレスコカバー17の動作に支障をきたしてしまうことを未然に防止することができる。このとき、1回に除去する切粉の量は少ないため、扉6の開閉時の抵抗がさほど大きくなることはなく、軽い力で除去作業を行うことができ、また、扉6,7の開閉時にいわば自動で切粉の除去作業が行われるので、切粉の除去作業のための特別な時間を要することもないのである。
【0034】
また、前記テレスコカバー17の先端の単位カバー17dと、スプラッシュカバー3の前壁部の裏面との間に僅かな隙間が形成される事情があるが、本実施形態では、隙間カバー28が設けられているので、その隙間部分に切粉が侵入して溜ることを未然に防止することができる。この場合、その隙間部分の側方をも覆う横カバー29を設けたことにより、隙間への切粉の侵入防止効果は一層高くなる。
【0035】
さらには、Y軸駆動機構部14の前部の下部両側部に、側部カバー30を設けたので、加工時に飛び散った切粉や、掃き落とされた切粉が、Y軸駆動機構部14の内部に側方から侵入することも防止することができる。また、本実施形態では、扉6,7の裏面部にレール保護カバー23を設けたので、切粉が案内レール20部分に侵入して扉の開閉動作に支障をきたすといったことも防止することができるものである。
【0036】
このように本実施形態によれば、扉6の裏面部にワイパー25を設けて該扉6の開閉動作に連動してテレスコカバー17の先端の単位カバー17dの上面に溜る切粉を掃き落とす構成としたので、テレスコカバー上に溜った切粉を人手にて除去しなければならなかった従来のものと異なり、作業者に手間や大きな労力を強いることなく、スプラッシュカバー17の裏面側に溜る切粉を除去することができるという優れた効果を奏する。しかも、複雑な機構や動力などが必要なく、極めて簡単な構成で済み、安価に済ませることができるものである。
【0037】
尚、上記実施形態では、扉6,7を引き戸式のものとしたが、それに限らず、例えば2枚の扉板をヒンジを介して連結し先端部を左右方向に直線的に移動させるようにしたいわゆる折畳み式の扉や、奥側に開く観音開き式の扉、横方向に開閉される鎧戸式の扉等であっても良く、要するに、その開閉動作によってワイパーの掃き落とし動作を行えるものであれば良い。また、ワイパーの材質や形状としても、ゴム製の板に限らず、プラスチック板等であっても良く、ブラシ状に構成しても良い。
【0038】
その他、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、例えばワークの出入口をスプラッシュカバーの側面部に設けるようにしたものにも適用でき、また、移動テーブルの構成やワイパーの取付け構成については種々の変形が可能であり、さらには、隙間カバー28や横カバー29、側部カバー30等は必要に応じて設ければ良い等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の工作機械によれば、スプラッシュカバーの出入口を開閉するための扉の裏面部に、該扉の開閉動作に連動して動作し、前記スプラッシュカバーの裏面側に溜る切粉を側方に掃き落とすワイパーを設けたので、安価な構成で、且つ作業者の大きな労力を伴うことなく、スプラッシュカバーの裏面側に溜る切粉を除去することができるという優れた実用的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すもので、要部の縦断右側面図
【図2】 スプラッシュカバーの前壁部の要部の背面図
【図3】 前壁部を取除いて示す要部の正面図
【図4】 工作機械の概略的正面図
【符号の説明】
図面中、1は工作機械、2はベース、3はスプラッシュカバー、4は加工室、5は出入口、6,7は扉、11は移動テーブル、14はY軸駆動機構部、17はテレスコカバー(テーブルカバー)、17a〜17dは単位カバー、20は案内レール、21はコロ、22は支持板、23はレール保護カバー、24はワイパー取付板、24aは長孔、25はワイパー、27はねじ、28は隙間カバー、29は横カバー、30は側部カバーを示す。
Claims (5)
- スプラッシュカバーにより周囲を囲まれて構成される加工室内に、ワークに対する加工を行う加工ヘッド及び前記ワークを移動させる移動テーブルを備えると共に、前記スプラッシュカバーに、前記ワークを出し入れするための出入口及びその出入口を開閉するための扉を設けたものにおいて、
前記移動テーブルの駆動機構部の上面に、基端側から先端側に向けて上面が順に低くなる複数個の単位カバーを相互にスライド移動可能な入れ子状態に有し、且つ、基端側の単位カバーが前記移動テーブルと共に移動し、先端側の単位カバーが前記スプラッシュカバーの裏面側に固定的に配置されるテレスコープ型のテーブルカバーを設けると共に、
前記扉の裏面部に、該扉の開閉動作に連動して動作し、前記スプラッシュカバーの裏面側に位置する前記先端側の単位カバーの上面に溜る切粉を側方に掃き落とすワイパーを設けたことを特徴とする工作機械。 - 前記ワイパーは、弾性体から構成されていることを特徴とする請求項1記載の工作機械。
- 前記テーブルカバーの先端部と前記スプラッシュカバーの裏面との間の隙間の上面を塞ぐ隙間カバーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の工作機械。
- 前記ワイパーは、上下方向に位置調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の工作機械。
- 前記移動テーブルの駆動機構部の側部には、該駆動機構部への切粉の侵入を防止するための側部カバーが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の工作機械。
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