JP3936624B2 - 嵌め込み式音発生玩具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピースが嵌め込まれることによって音を発する嵌め込み式音発生玩具に関し、特に文字の学習に好適な嵌め込み式音発生玩具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の嵌め込み式音発生玩具には、実開昭60−94288号公報に記載されているように、異なる具象物を象った複数のブロックと、この各ブロックがそれぞれ嵌脱自在な複数の嵌合凹部と、複数の前記嵌合凹部の底面にそれぞれ配置されたスイッチとを具備し、前記各ブロックが前記嵌合凹部に嵌合された際に、前記スイッチがONとなり、前記各具象物に対応した音を発するようにしたものがある。
【0003】
しかしながら、上記従来技術によれば、各ブロックが嵌め込まれたときのみ音を発するという単調な動作であったため、幼児等が飽き易いという問題があった。
そこで、動作を若干複雑にすることで幼児等に容易に飽きられないようにすることが望まれるが、そのために複雑な操作を必要とする構成としたのでは、幼児等が操作できなくなってしまうため、工夫を要する。
また、上記従来技術では、複数の嵌合凹部にそれぞれスイッチを配設し、それら複数のスイッチをそれぞれ配線しなければならないため、製造に時間がかかり、配線ミスを生じ易く、量産性が悪いという問題を有する上、複数のスイッチを備えているので、幼児等にとっては重たくて分厚く持ち運びし難いという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、幼児等にとって簡単な操作により各ピースに対応する複数パターンの音を発するようにすることで、幼児等に興味を引き起こさせて遊ばせながら効果的な学習を行わせることができ、更には、量産性に優れている上、幼児等でも持ち運び易い軽量且つ薄肉な嵌め込み式音発生玩具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための技術的手段によれば、第一の発明は、表面に複数の嵌合孔を形成した被嵌合板と、前記複数の嵌合孔にそれぞれ嵌脱される複数のピースと、前記各ピースが前記嵌合孔内で押圧されたことを検知する検知手段と、該検知手段による検知信号に基づいて音を発する発音手段とを備え、上記ピースには、それぞれ異なる文字が表示され、上記発音手段は、上記検知手段による上記ピース毎の検知信号をカウントし、そのカウントされた回数が一回目の場合に、前記各文字の発音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発し、カウントされた回数が二回目の場合には、同文字を用いた単語の発音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発し、カウントされた回数が三回目の場合には、前記単語に関連する音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発することを特徴とする。
【0006】
ここで、上記検知手段とは、前記各ピースが前記嵌合孔内で押圧されたことを検知し自動復帰するものであれよく、好ましくは、プレート状あるいはフィルム状に構成されて所定の押圧検知部位が押圧される毎に信号を発する所謂メンブレンスイッチを、その押圧検知部位が前記嵌合孔内に位置するように前記被嵌合板の裏面側に配設すればよいが、自動復帰型の押しボタンスイッチを前記各嵌合孔内に配設することも可能である。また、前記メンブレンスイッチ、又は、前記押しボタンスイッチ、その他の形態のスイッチを、前記各ピースの裏面に設けるようにしても構わない。
また、上記発音手段は、上記検知手段による上記ピース毎の検知信号をカウントし、そのカウントされた回数に応じて異なる音を発する電子回路であり、具体例としては、音声データを記憶した音声記憶装置、上記検知手段による検知信号に応じて前記記憶装置から音データや音声データを呼び出しスピーカーへ出力する処理を行うCPU、該CPUを動作させるための制御プログラムを記憶した記憶装置等、を備えた電子回路が用いられる。
また、上記発音手段が発する音には、例えば、文字の発音、言葉の発声、動物の鳴き声、パトカーや救急車のサイレンの音、汽笛、楽器の音、音楽、童話や物語等を朗読している音声等を含む。
【0007】
更に、第二の発明は、上記検知手段は、複数の押圧検知部位を表面に有する薄板状スイッチ基盤を、上記被嵌合板の裏面側に配置してなり、該薄板状スイッチ基盤の前記各押圧検知部位を、対応する上記嵌合孔内に臨ませていることを特徴とする。
ここで、上記薄板状スイッチ基盤には、好ましい一例として所謂メンブレンスイッチが用いられる。
【0009】
更に、第三の発明は、上記ピースは、その表面に表示した文字又は図柄の形状に略模倣した外形形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この嵌め込み式音発生玩具Aは、表面に複数の嵌合孔11を形成した被嵌合板10と、前記複数の嵌合孔10にそれぞれ嵌脱される複数のピース12と、前記各ピース12が前記嵌合孔11内で押圧されたことを検知する検知手段20と、該検知手段20による検知信号に基づいて音を発する発音手段30とを備え、前記各ピース12が押圧される回数に応じて異なる音を発する。
【0011】
被嵌合板10と複数のピース12は、一枚の矩形状の厚紙に枠状に連続した切り込みを複数入れることで、該厚紙が分離されたものである。
前記製造方法によって分離された被嵌合板10には、複数のピース12を容易に嵌脱可能で、且つ貫通状の複数の嵌合孔11(図2及び3参照)が形成される。
前記各ピース12は、その表面に、文字、及び該文字に関連する図柄を印刷してなり、その外形形状は、前記文字の外形形状に略模倣して形成されている。
【0012】
また、各ピース12を対応する嵌合孔11に嵌合させた状態で、各ピース12外周上における所定部位と対応する嵌合孔11との間には、指掛け空間部13(図2及び図6参照)が確保されるようにしてある。
この指掛け空間部13は、幼児等が指を引っ掛けてピース12を被嵌合板10から容易に外せるようにするものであり、上記厚紙に切り込みが入れられる際に、ピース12外周上における所定部位に、指が入る程度の大きさの枠状の切り込みが入れられることで形成されたものである。
【0013】
上記構成の被嵌合板10は、矩形板状の検知手段20上に接着固定される。
検知手段20は、複数の押圧検知部位21を表面に有する薄板状スイッチ基盤であり、好ましくは、合成樹脂フィルム上に導電性のペーストの回路パターンをスクリーン印刷し、スペーサーなどの部材を重ねることでスイッチの機能を持たせた所謂メンブレンスイッチが用いられる。
【0014】
そして、この検知手段20の表面には、嵌合孔11に対応する部位に、ピース12に表示された文字と同一の文字20aおよび該文字20aに関連する言葉20b(例えば、図2に示すように「お」という文字および該文字を頭文字とした言葉「おっとせい」)が印刷されている。したがって、幼児等は、嵌合孔11内の検知手段20表面に印刷された文字20aおよび該文字20aに関連する言葉20bを目印にして、各ピース12を嵌合孔11へ嵌め合わせることになる。
更に、本実施の形態の好ましい一例によれば、同検知手段20の表面に、前記文字20aの書き順を示す矢印20cおよび番号20dを印刷することで、文字20aの書き順も学習できるようにしている。
また、前記検知手段20への表示は、上記した文字20aや言葉20b,矢印20c、番号20dに限定されるものでなく、例えば、前記文字20aに関連する図柄、あるいは、前記文字20aが英文字である場合にその英文字を頭文字とした英単語および該英単語の意味を示す日本語等であっても構わない。
【0015】
前記押圧検知部位21は、押圧されることにより接点がONになり、その押圧が開放されることにより接点が自動復帰する極薄状のスイッチを内在した部位である。
【0016】
尚、各ピース12の外周側面と、対応する嵌合孔11内周面との間のクリアランスc(図3参照)は、上記検知手段20の押圧検知部位21に内在するスイッチが自動復帰可能な程度に設定されている。すなわち、各ピース12は、対応する嵌合孔11内に嵌合押圧された後、押圧検知部位21内で自動復帰する前記極薄状のスイッチにより極僅かに押し上げられることになる。
【0017】
そして、上記構成の検知手段20は、各押圧検知部位21を、対応する被嵌合板10の嵌合孔11に臨ませた状態で、被嵌合板10の裏面と後述する台紙40との間にサンドイッチ状に配置されて接着されている。
【0018】
台紙40は、上記被嵌合板10と略同程度の大きさを有する矩形板状の部材であり、厚紙や合成樹脂板等から形成されている。そして、この台紙40のー辺よりには、発音手段30が配設されている。
【0019】
発音手段30は、台紙40の一辺よりに固定された合成樹脂製のケース31内に、音声デー夕を記憶した音声記憶装置32、音声を発するスピー力33、上記検知手段20による検知信号に応じて前記記憶装置32から音声データを呼び出しスピーカーへ出力する制御部34、該制御部34の電源である電池35等を電気配線した回路(図4参照)を具備するとともに、同合成樹脂製のケース31の外表面に、前記制御部34に電気配線された音声ボリュ一ム繰作付き電源スイッチ36を露出している。
【0020】
音声記憶装置32は、上記各ピース12に表示された文字の発音、同文字を用いた単語の発声、該単語に関連する音等の複数パターンの音声データを記憶した読み出し専用の半導体メモリ(ROM)である。
【0021】
制御部34は、制御プログラムを記憶したROM、前記制御プログラムの指令によって検知手段20からの押圧信号に応じた動作をするCPU(中央処理装置)、音声記憶装置32から呼び出した音声データを増幅してスピー力33へ出力する増幅回路等を備えた電子回路である。
【0022】
そして、この制御部34は、検知手段20における任意の押圧検知部位21が押圧された際に、その押圧検知部位21に対応し、且つ同押圧検知部位21が押圧された回数に応じた音声データを、音声記憶装置32から呼び出し、音声ボリュ一ム繰作付き電源スイッチ36によって調整された音量に増幅し、音声信号としてスピー力33へ出力する。
【0023】
而して、上記構成の嵌め込み式音発生玩具Aによれば、任意のピース12を対応する嵌合孔11へ嵌合すると、その嵌合の際の押圧力によって前記嵌合孔11へ臨む押圧検知部位21が押圧され、該押圧検知部位21内のスイッチが一回ONにされ自動復帰する。そして、発音手段30が、前記押圧検知部位21に対応し且つ同押圧検知部位21が一回押圧されたことに対応する音声を発する(図5参照)。
更に、嵌合された前記同一のピース12が、他のピース12が嵌合される前に再度押圧されると、発音手段30は、前記同一の押圧検知部位21に対応し且つ同押圧検知部位21が二回押圧されたことに対応する音声を発する。
その後は、制御部34内の制御プログラムに予め設定された回数だけ、前記動作を繰り返すことになる。
【0024】
尚、上記各ピース12表面の表示、及び音声記憶装置32内の複数パターンの音声データ、制御部34を動作させる制御プログラム等は、当該嵌め込み式音発生玩具Aの使用目的や学習内容に応じて適宜設定されるものであるが、本実施の形態の好ましい一例では、当該嵌め込み式音発生玩具Aをひらがな及び日本語の単語の学習用に構成(図1及び図6参照)し、複数のピース12にそれぞれ異なる平仮名文字及び該平仮名文字に関連する図柄を印刷し、音声記憶装置32に、前記各平仮名文字の発音、及び各平仮名文字を頭文字又は末尾文字とした単語の発音、該単語に関連する音を、音声データとして記憶する。
この記憶された音声データについて、より具体的に説明すれば、例えば、前記平仮名文字の発音を「お」とし、前記単語の発音を「おっとせい」とし、その単語に関連する音を「おっとせいの鳴き声」としたり、あるいは、前記平仮名文字の発音を「た」とし、前記単語の発音を「たいこ」とし、その単語に関連する音を「太鼓の音」としたりする。
そして、制御部34は、検知手段20の任意の押圧検知部位21が押圧された回数が一回目の場合に、その押圧検知部位21に対応するピース12に表示された平仮名文字の発音の音声データを音声記憶装置32から読み出してスピー力33から発し、前記押圧回数が二回目の場合に、前記平仮名文字を頭文字又は末尾文字とした単語の発音の音声データを、音声記憶装置32から読み出して、音声としてスピー力33から発し、更に、前記押圧回数が三回目の場合に、前記単語に関連する音の音声データを音声記憶装置32から読み出して、音声としてスピー力33から発するように、内在する記憶装置内の制御プログラムを構成する。
【0025】
また、他の好ましい一例として、当該嵌め込み式音発生玩具Aをアルファベット及び英単語の学習用に構成する場合(図7参照)には、複数のピース12にそれぞれ異なるアルファベット及び該アルファベットに関連する図柄を印刷し、音声記憶装置32には、前記アルファベットの発音、及び各アルファベットを頭文字とした英単語の発音、該英単語に対応する意味の日本語の発音を、音声データとして記憶する。より具体的に説明すれば、例えば、前記アルファベットの発音を「A」とし、前記英単語の発音を「Apple」とし、前記日本語の発音を「りんごだよ」とする。
そして、制御部34は、検知手段20の任意の押圧検知部位21が押圧された回数が一回目の場合に、その押圧検知部位21に対応するピース12に表示されたアルファベットの発音の音声データを音声記憶装置32から読み出して、音声としてスピー力33から発し、前記押圧回数が二回目の場合に、前記アルファベットを頭文字とした英単語の発音の音声データを音声記憶装置32から読み出して、音声としてスピー力33から発し、更に、前記押圧回数が三回目の場合に、前記英単語に対応する意味の日本語の発音の音声データを音声記憶装置32から読み出して、音声としてスピー力33から発するように、内在する記憶装置内の制御プログラムを構成する。
【0026】
本実施の形態の嵌め込み式音発生玩具Aは、上述したように構成されるため、音声記憶装置32内の音声データ及び制御部34内の制御プログラムを変更することによって、発音手段30が発する音の種類や、音を発する条件(押圧検知部位21の押圧回数と発する音の種類との関係等)を容易に変更可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、各ピースが、対応する嵌合孔に嵌め込まれる際に押圧されると、その押圧を検知手段によって検知して発音手段が音を発し、更に同ピースが押圧される毎に、前回発した音と異なる音を発することになる。
したがって、各ピースを複数回押圧するという幼児等にとって簡単な操作により、同一のピースに対応した複数パターンの音を発することができる。ひいては、幼児等に、興味を引き起こさせて遊ばせながら、効果的な学習を行わせることができる。
その上、同一のピースを複数回押圧するという簡単な操作によって、ピースに表示された文字の発音と、その文字を用いた単語の発声と、その単語に関連する音とを順次に発することができ、幼児等の文字学習に飛躍的な効果を奏する。
【0028】
更に、第二の発明によれば、一体の薄板状スイッチ基盤を用いているため、複数のスイッチを配線するようにした従来技術の問題を解消し、製造が容易で量産性に優れている上、幼児等でも持ち運び易い軽量且つ薄肉な嵌め込み式音発生玩具を提供することができる。
しかも、同発明によれば、薄板状スイッチ基盤の各押圧検知部位を、対応する嵌合孔内に臨ませているため、例えば、幼児の親が嵌合孔内の押圧検知部位を指で押圧することで、発音手段から音(例えば「お」という音声)を発生させ、次に、その音を聞いた前記幼児が同嵌合孔にピースを嵌め合わせることで、前記発生した音とは異なる音(例えば「おっとせい」という音声)を前記発音手段から発生させるというような使い方もでき、ひいては、幼児等に、いっそう興味を引き起こさせて遊ばせながら、効果的な学習を行わせることができる。
更に、第三の発明によれば、表面に表示した文字又は図柄の形状に模倣した外形形状の各ピースが嵌め込まれるように構成しているため、各ピース表面の文字又は図柄の概略形状を、幼児等に視覚的且つ触覚的に認識させることができ、いっそう幼児学習を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる嵌め込み式音発生玩具の一例を示す分解斜視図。
【図2】 同嵌め込み式音発生玩具の要部を拡大して示す斜視図。
【図3】 同嵌め込み式音発生玩具の縦断面図。
【図4】 同嵌め込み式音発生玩具の電気配線図。
【図5】 同嵌め込み式音発生玩具の動作説明図。
【図6】 同嵌め込み式音発生玩具の平面図。
【図7】 本発明に係わる嵌め込み式音発生玩具の他例を示す平面図。
【符号の説明】
10:被嵌合板
11:嵌合孔
12:ピース
20:検知手段
21:押圧検知部位
A:嵌め込み式音発生玩具
Claims (3)
- 表面に複数の嵌合孔を形成した被嵌合板と、前記複数の嵌合孔にそれぞれ嵌脱される複数のピースと、前記各ピースが前記嵌合孔内で押圧されたことを検知する検知手段と、該検知手段による検知信号に基づいて音を発する発音手段とを備え、
上記ピースには、それぞれ異なる文字が表示され、
上記発音手段は、上記検知手段による上記ピース毎の検知信号をカウントし、そのカウントされた回数が一回目の場合に、前記各文字の発音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発し、カウントされた回数が二回目の場合には、同文字を用いた単語の発音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発し、カウントされた回数が三回目の場合には、前記単語に関連する音の音声データを音声記憶装置から読み出してスピーカから発することを特徴とする嵌め込み式音発生玩具。 - 上記検知手段は、複数の押圧検知部位を表面に有する薄板状スイッチ基盤を、上記被嵌合板の裏面側に配置してなり、該薄板状スイッチ基盤の前記各押圧検知部位を、対応する上記嵌合孔内に臨ませていることを特徴とする請求項1記載の嵌め込み式音発生玩具。
- 上記ピースは、その表面に表示した文字又は図柄の形状に略模倣した外形形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の嵌め込み式音発生玩具。
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