JP3936541B2 - バッテリ容量演算方法及びその装置 - Google Patents

バッテリ容量演算方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の負荷に電力を供給するバッテリの充電容量を演算する方法及びその装置に係り、詳しくは、周期的に測定されるバッテリの端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性を用いてバッテリの定負荷放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いてバッテリの充電容量を演算する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旧来の車両における推進駆動源は、ガソリンや軽油等を燃料とするエンジンが主流であるが、近年では、燃焼ガスを直接的には排出しない電動モータを唯一の又は補助的な推進駆動源として使用する車両が登場しており、そのような電動モータを搭載した車両においては、電動モータに電力を供給するバッテリの充電容量を把握しておくことが、走行可能距離等を割り出す上で重要となる。
【0003】
そこで従来から用いられているのが、放電電流の積算値を用いて割り出した積算消費電力をバッテリの満充電容量から差し引いて現在の充電容量を求める電流積算方式や電力積算方式であるが、この方式では、バッテリの個体差や劣化の進行度合い等によって、元々の満充電容量が変化してしまうので、バッテリの現在の充電容量を正確に割り出すことができない。
【0004】
また、バッテリの電解液比重と充電状態との間には一定の直線的な相関があるので、電解液比重を測定すればバッテリの充電状態を把握することができるはずであるが、実際には、充放電中や充放電の終了直後のバッテリにおいては、電解液と電極との間で発生した化学反応により電解液の比重が不均一となってしまうので、正確な電解液比重を測定してバッテリの充電状態を正確に把握することができない。
【0005】
さらに、バッテリの端子電圧を測定してバッテリの充電容量を求めることも考えられるが、放電電流を安定させない限り端子電圧も安定しないので、現実には、バッテリの充電状態と相関のある端子電圧を測定により得ることは期待できない。
【0006】
しかも、図12の特性図に示すように、バッテリを10A刻みで10〜80(A)の各定電流にて放電させると、放電時間(横軸)とバッテリの端子電圧(V:縦軸)との相関は、放電電流が小さいほど放電時間が長い点において相互に異なっているが、放電時間が経過するにつれてバッテリの端子電圧が急激に降下する点において共通している。
【0007】
ここで、図12の特性図の横軸は時間であるが、定電流放電であることと、バッテリ容量が電気量(Ah)で表されることとを考慮すると、この横軸はバッテリ容量と見てよいと考えることができる。
【0008】
そこで、図12の特性図を、定電流放電時における横軸のバッテリ容量と縦軸の端子電圧との相関として見ると、放電電流が小さいほど大きな電力を取り出すことができ、かつ、縦軸側に近いバッテリの満充電状態の付近では容量降下が遅く、縦軸から図12中右側に離れて放電終始電圧に近づくほど急激に容量が降下してしまうことが判る。
【0009】
以上のことから、仮に放電電流を安定させることができたとしても、バッテリの充電容量と端子電圧との間には直線的な相関がないので、バッテリの端子電圧から充電容量を求めることはできないことが判る。
【0010】
そこで注目されるのは、ほぼ直線的な相関があるバッテリの電解液比重と開回路電圧(平衡状態にあるバッテリの開回路状態における端子電圧)との関係と、同じく直線的な相関があるバッテリの電解液比重と充電状態との関係から、直線的な相関が成り立つはずの、バッテリの充電状態と開回路電圧との関係を利用する容量演算方式である。
【0011】
但し、この容量演算方式の唯一の弱点は、バッテリの開回路電圧を測定できるのが、自然放電を除くと充電状態に変化のない非放電時に限られることであり、換言すると、充電状態に変化の生じる放電時にはバッテリの開回路電圧を測定することができないことである。
【0012】
したがって、バッテリの充電状態と開回路電圧との関係を利用する容量演算方式を用いる上での最大のポイントは、バッテリの放電時に如何にして開回路電圧を見つけるか、ということになる。
【0013】
ところで、バッテリの放電時に測定できるのは、バッテリの端子電圧と放電電流であるが、図12の特性図から、バッテリの充電状態が変わらなくても放電電流が上がればバッテリの端子電圧が下がるのは明らかであるから、端子電圧と放電電流との間には、負の相関を示す電圧−電流特性(I−V特性)があり、また、この負の相関を示す電圧−電流特性は、バッテリの充電状態が変わると変化することが判る。
【0014】
そこで、バッテリの電圧−電流特性をバッテリの充電状態に応じて複数求めるために、次のような測定を行う。
【0015】
まず、或る電流Ia とこの電流Ia よりも低い電流Ib とが周期的に交互に現れるパルス状の電流によるバッテリの放電を連続して行い、そのときに放電電流とは逆位相で現れるバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V1 )、(Ib ,V2 )、(Ia ,V3 )、(Ib ,V4 ),…を、放電電流のパルス周期(例えば1ms)に同期し連続して所定数(例えば100サンプル)サンプリングする。
【0016】
そして、所定数サンプリングしたバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V01)、(Ib ,V02)、(Ia ,V03)、(Ib ,V04),…から、最小二乗法により、V=a1 I+b1 なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数a1 ,b1 を得て、この式V=a1 I+b1 を、上記したサンプリングの間における容量に対応したバッテリの電圧−電流特性として位置づける。
【0017】
次に、上記と同様の放電によって、パルス状の電流Ia ,Ia によるバッテリの放電を連続して行い、そのときに放電電流とは逆位相で現れるバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V11)、(Ib ,V12)、(Ia ,V13)、(Ib ,V14),…を連続して所定数サンプリングし、これらから、最小二乗法により、V=a2 I+b2 なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数a2 ,b2 を得て、この式V=a2 I+b2 を、上記したサンプリングの間における容量に対応したバッテリの電圧−電流特性として位置づける。
【0018】
以後、同様にして、V=an I+bn なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数an ,bn を得て、この式V=an I+bn を、バッテリの徐々に減少する互いに異なる容量に対応した電圧−電流特性として位置づけることで、100%から0%までの各容量に対応したバッテリの電圧−電流特性を得る。
【0019】
尚、各所定数サンプリングしたバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,Vn1)、(Ib ,Vn2)、(Ia ,Vn3)、(Ib ,Vn4),…と、これらに最小二乗法を適用して得られる直線的な電圧−電流特性式V=an I+bn との関係を、図13に模式的に示した。
【0020】
ここで、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性式に、仮想の定電流値である仮想電流値Isを各々代入し、それによって求まるVを、バッテリの定負荷放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧Vnと定義すると、図14のグラフに示すような定電流放電特性が得られる。
【0021】
そして、仮想電流値Isとして正のいずれの値を代入しても、その仮想電流値Isによる定電流放電特性は、横軸に取った容量が図14中右側に進んで0に近づくにつれて推定電圧Vnが急激に低下するという、非直線的な特性となり、理論上開回路電圧を示すはずの仮想電流値Is=0Aの場合においても、定電流放電特性は同様の特性を示すことが判る。
【0022】
但し、図14のグラフによれば、仮想電流値Isが小さければ小さいほど、容量が0に近づくにつれて推定電圧Vnが低下する度合いが小さくなっているため、あくまで仮想の領域であるが、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性式に仮想電流値Isとして負の値を代入して、その負の値の仮想電流値Isによる定電流放電特性をグラフに示すと、図15に示すように、この場合においては、仮想電流値Is=−10Aを境に、容量0に近い領域の推定電圧Vnの特性変化が変極する。
【0023】
したがって、理論上では、仮想電流値Isを−10Aとすると、定電流放電における推定電圧Vnがバッテリの容量に対して直線的な特性を示すことになる。
【0024】
そこで、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性を、縦軸を放電電流Iとし横軸を端子電圧Vとした同一平面上に展開した、図16のグラフ上において、定電流放電における推定電圧Vnがバッテリの容量に対して直線的な特性を示すことを検証してみる。
【0025】
まず、各電圧−電流特性式の傾きを表す係数a1 ,a2 ,…,an が各々異なり、かつ、各電圧−電流特性式の切片を表す係数b1 ,b2 ,…,bn も各々異なることから、図16中の現実に存在する正の放電電流領域においては、バッテリ容量の変化に対して端子電圧Vが直線的に変化する放電電流値Iは存在しない。
【0026】
しかし、図16中の想像上の領域である負の放電電流領域においては、放電電流値I=−10Aの時に、バッテリの容量に対して端子電圧Vが直線的に変化する特性を示すことになり、この放電電流値I=−10Aにおける各容量に対応するバッテリの端子電圧Vが、推定電圧Vnであるということになる。
【0027】
そこで、この仮想電流値Is=−10Aにおけるバッテリの容量とこれに対して直線的な相関を有する推定電圧Vnとの関係をグラフに表すと、図17に示すように、縦軸の満充電時の開回路電圧Vsと放電終止時の開回路電圧Veとの間に推定電圧Vnが存在することになり、この推定電圧Vnに対応する横軸の容量上の値が、バッテリの残存容量、つまり、充電状態SOC(State of charge )ということになる。
【0028】
したがって、推定電圧Vnはバッテリの開回路電圧に代わるものであるということができ、開回路電圧が測定できない放電時においても、その放電が、電力を供給する負荷が放電中に変化しない定負荷放電であれば、その放電中に微妙に変動するバッテリの端子電圧と放電電流とを測定することで、その定負荷放電におけるバッテリの端子電圧と放電電流との相関である電圧−電流特性を求めて、その特性式(V=aI+b)に仮想電流値Is=−10Aを代入して推定電圧Vnを求めることで、この推定電圧Vnからバッテリの充電状態SOCを求めることができる。
【0029】
そして、図17の縦軸上における推定電圧Vnと満充電時の開回路電圧Vsとの比に換算して、満充電容量に対する現在の充電状態SOCを求めると、
SOC={(Vn−Ve)/(Vs−Ve)}×100(%)
となる。
【0030】
しかし、正確を期して、電力(V×Ah)の比に換算して満充電容量に対する現在の充電状態SOCを求めると、
Figure 0003936541
となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バッテリの放電中には、図18に示すように、純抵抗(バッテリのオーミック抵抗)の影響による電圧降下、つまり、純抵抗に放電電流を乗じたIR降下や、放電側分極による電圧降下が生じ、逆に、バッテリの充電中には、これら純抵抗の影響による電圧上昇や充電側分極による電圧上昇が生じる。
【0032】
特に、図18に示すように、バッテリの放電時に生じる放電側分極に含まれる、電極の表面上で酸化還元反応を進行させるための活性化分極や、物質移動の結果として電極表面と溶液バルクとの間に生じた反応物や生成物の濃度差による濃度分極は、放電電流の増減に対して多少遅れて反応するため、放電電流の値に比例するような直線的相関を示さない。
【0033】
そのため、上述したように、バッテリの充電状態SOCを求めるために、放電時に測定できないバッテリの開回路電圧に代わって推定電圧Vnを求める場合、その前段階として、端子電圧と放電電流とを放電中に測定してバッテリの電圧−電流特性を求めると、その端子電圧が放電時の分極による電圧降下を含んでいることから、求めたバッテリの電圧−電流特性やその電圧−電流特性から推定した推定電圧Vnが、バッテリの充電状態SOCだけでなく分極による電圧降下を反映したものとなってしまい、よって、この推定電圧Vnをそのまま用いたのでは、バッテリの充電状態SOCを正確に求めることができない。
【0034】
しかも、前回の充放電による分極に伴う電圧上昇や電圧降下が残った状態で放電が開始されると、充電側分極についてはこれを相殺するような放電側分極が発生しないと、また、放電側分極についてはこれを上回るような電圧降下を生じさせるだけの分極が新たに発生しないと、平衡状態から放電を開始したバッテリとは異なる電圧−電流特性を示す。
【0035】
したがって、このような状況を考慮するとなおさら、バッテリの放電時の放電電流と端子電圧とから求める電圧−電流特性により、バッテリの開回路電圧に代わる推定電圧Vnを推定して、この推定電圧Vnを用いてバッテリの充電状態SOCを求める場合には、如何にして、同じ条件の下で電圧−電流特性を求めて推定電圧Vnを推定するかが重要となる。
【0036】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、放電時に測定できるバッテリの端子電圧と放電電流との相関から求められる、バッテリの定負荷放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を用いて、バッテリの充電状態を求めるに当たり、推定電圧を求める機会として利用するバッテリの放電が、前回の充放電による分極に伴う電圧上昇や電圧降下を解消しないまま行われたものである場合であっても、バッテリの充電状態を正確に演算することのできるバッテリ容量演算方法と、この方法を実施する際に用いて好適なバッテリ容量演算装置とを提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項3記載の本発明は、バッテリ容量演算方法に関するものであり、請求項4乃至請求項6記載の本発明は、バッテリ容量演算装置に関するものである。
【0038】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法は各種の充電容量におけるバッテリの電圧―電流特性を表わす式に基づいて、前記充電容量の変化に対応して直線的に変化する電圧を与える電流の値を仮想電流として、あらかじめ、求めておき、前記バッテリが、少なくとも放電直前に該バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行う毎に、前記定負荷放電の放電電流値が最大電流値から減少する間に周期的に測定した、前記バッテリの端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を表わす式を求め、求められた前記電圧−電流特性を表わす式において前記仮想電流を代入して、推定電圧を算出し、この推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算することを特徴とする。この推定電圧は、バッテリの充電容量を反映した電圧として、平衡状態のバッテリの開回路電圧の代わりに、放電時のバッテリの充電状態を知る手がかりとするべく、あらかじめ求められた仮想電流を放電時の電圧―電流特性を表わす式へ代入することにより求められる。
【0039】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法は、請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値を、前記車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値とした。
【0040】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ容量演算方法は、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、前記バッテリの放電電流値が前記所定の大電流値よりも低く、かつ、前記セルモータ以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下するまでの間に、周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とから、前記電圧−電流特性を求めるようにした。
【0041】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置は、図1の基本構成図に示すように、車両の負荷に電力を供給するバッテリ13の、放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による該バッテリの定負荷放電における前記バッテリの放電電流が、最大電流値から減少し始めたことを検出する放電電流減少開始検出手段と、前記バッテリの放電電流が最大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した後に、周期的に測定される前記バッテリの端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を表わす式を求める特性割出手段23Aと、前記特性割出手段により求められた電圧−電流特性を表わす式において、各種の充電容量におけるバッテリの電圧―電流特性を表わす式に基づいてあらかじめ求められた前記充電容量の変化に対応して直線的に変化する電圧である推定電圧を与える電流を、仮想電流値として代入して、前記バッテリの定負荷放電状態における充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電時における前記バッテリの推定電圧Vnを算出する推定電圧推定手段23Bとを備えており、前記推定電圧推定手段が推定した前記バッテリの推定電圧を用いて前記バッテリ13の充電容量を演算することを特徴とする。
【0042】
さらに、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置は、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、少なくとも放電直前に前記バッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値が、前記車両のセルモータ5始動時に必要とする所定の大電流値であり、前記放電電流減少開始検出手段Aが、前記バッテリ13の定負荷放電において、該バッテリ13の放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを検出するように構成されているものとした。
【0043】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ容量演算装置は、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段Aが検出した前記バッテリ13の放電電流が、前記セルモータ5以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下したことを検出する放電電流低下検出手段Cをさらに備えており、前記特性割出手段23Aが、前記バッテリ13の放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段Aが検出した後、前記目標電流値に低下したことを前記放電電流低下検出手段Cが検出するまでの間、前記周期的に測定される前記バッテリ13の端子電圧と放電電流とから前記電圧−電流特性を求めるものとした。
【0044】
請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、バッテリが行う定負荷放電の放電電流が、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値に達すると、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極による電圧降下や電圧上昇が仮に放電開始前に残存していても、その残存する電圧降下を上回る、放電電流値に応じた大きさの放電側分極が発生した状態となり、或は、その残存する電圧上昇が解消した上で、放電電流値に応じた大きさの放電側分極が新たに発生した状態となる。
【0045】
一方、平衡状態にあるバッテリが、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行っても、その放電電流値に達すると、その放電電流値に応じた大きさの放電側分極が発生した状態となる。
【0046】
したがって、バッテリが、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行うと、その定負荷放電の開始前にバッテリが平衡状態にあったか、それとも、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極状態が完全には解消しきれていない状態にあったかに拘わらず、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値から放電電流が減少している間のバッテリの端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性により推定されるバッテリの推定電圧は、同じ値となる。
【0047】
そして、バッテリが、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行うと、その度に、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極による電圧降下や電圧上昇が仮に放電開始前に残存していても、その残存する電圧降下や電圧上昇の影響が排除された後の、放電電流値が、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値から減少する間に周期的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性が求められ、この前回の放電において発生した分極の影響が排除された電圧−電流特性を用いて、バッテリの現在の推定電圧が推定され、この推定電圧の値から、バッテリの充電状態が演算されることになる。
【0048】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値は、その車両の他の負荷に対してバッテリからの電力が仮に複数同時に供給されている場合であっても、その場合の電流値を上回ることから、このセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値を、少なくとも放電直前にバッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値とすることで、放電電流が所定の大電流値に達した際に、前回の放電によって発生した放電側分極による電圧降下を上回る電圧降下がバッテリの端子電圧に発生した状態に至ることになる。
【0049】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、バッテリの放電電流値が所定の大電流値から減少して、セルモータ以外の車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の目標電流値に低下すると、その状態でバッテリの端子電圧に残存している放電側分極による電圧降下には、セルモータ以外の車両の負荷に電力を供給することで発生した放電側分極による電圧降下成分は表面上現れず、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流が目標電流値に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみが、表面上現れた状態となる。
【0050】
したがって、所定の大電流値による定負荷放電を行ったバッテリの放電電流値が、所定の大電流値から減少して目標電流値に低下するまでの間に、周期的に測定した端子電圧と放電電流とから、バッテリの電圧−電流特性を求めると、この電圧−電流特性から推定した推定電圧は、セルモータ以外の車両の負荷が今なお駆動されているとしても、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流が目標電流値に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみを、純粋に反映したものになることになる。
【0051】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、図1に示すように、バッテリ13が行う定負荷放電の放電電流が、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値に達すると、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極による電圧降下や電圧上昇が仮に放電開始前に残存していても、その残存する電圧降下を上回る、放電電流値に応じた大きさの放電側分極が発生した状態となり、或は、その残存する電圧上昇が解消した上で、放電電流値に応じた大きさの放電側分極が新たに発生した状態となる。
【0052】
一方、平衡状態にあるバッテリ13が、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行っても、その放電電流値に達すると、その放電電流値に応じた大きさの放電側分極が発生した状態となる。
【0053】
したがって、バッテリ13が、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行うと、その定負荷放電の開始前にバッテリ13が平衡状態にあったか、それとも、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極状態が完全には解消しきれていない状態にあったかに拘わらず、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値から放電電流が減少している間のバッテリ13の端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性により推定されるバッテリ13の推定電圧は、同じ値となる。
【0054】
そして、バッテリ13が、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行うと、バッテリ13の放電電流が最大電流値から減少し始めたことを放電電流減少開始検出手段Aが検出する度に、前回の放電において発生した放電側や充電側の分極による電圧降下や電圧上昇が仮に放電開始前に残存していても、その残存する電圧降下や電圧上昇の影響が排除された後の、放電電流値が最大電流値から減少する間に周期的に測定したバッテリ13の端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性が特性割出手段23Aにより求められ、この前回の放電において発生した分極の影響を排除して特性割出手段23Aにより求められた電圧−電流特性を用いて、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電時におけるバッテリ13の推定電圧が推定電圧推定手段23Bにより推定され、この推定電圧推定手段23Bにより推定された推定電圧の値から、バッテリ13の充電状態が演算されることになる。
【0055】
さらに、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、車両のセルモータ5始動時に必要とする所定の大電流値は、その車両の他の負荷に対してバッテリ13からの電力が仮に複数同時に供給されている場合であっても、その場合の電流値を上回ることから、このセルモータ5始動時に必要とする所定の大電流値を、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値とすることで、バッテリ13による定負荷放電の放電電流が所定の大電流値から減少し始めたことを放電電流減少開始検出手段Aが検出した時点では、それ以前に放電電流が所定の大電流値に一旦達していて、前回の充放電によって発生した分極を解消するのに十分な放電側分極がバッテリ13に発生した状態に至っていることになる。
【0056】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、バッテリ13の放電電流値が所定の大電流値から減少して、セルモータ5以外の車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の目標電流値に低下したことを放電電流低下検出手段Cが検出した時点では、その状態でバッテリ13の端子電圧に残存している放電側分極による電圧降下には、セルモータ5以外の車両の負荷に電力を供給することで発生した放電側分極による電圧降下成分は表面上現れず、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流が目標電流値に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみが、表面上現れた状態に至っていることになる。
【0057】
したがって、バッテリ13の放電電流が所定の大電流値から減少し始めたことを放電電流減少開始検出手段Aが検出した後、目標電流値に低下したことを放電電流低下検出手段Cが検出するまでの間に、周期的に測定した端子電圧と放電電流とから特性割出手段23Aがバッテリ13の電圧−電流特性を求めると、この電圧−電流特性から推定電圧推定手段23Bが推定した推定電圧は、セルモータ5以外の車両の負荷が今なお駆動されているとしても、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流が目標電流値に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみを、純粋に反映したものになることになる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるバッテリ容量演算方法を、本発明によるバッテリ容量演算装置と共に、図面を参照して説明する。
【0059】
図2は本発明のバッテリ容量演算方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ容量演算装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であり、図2中引用符号1で示す本実施形態のバッテリ容量演算装置は、エンジン3に加えてモータジェネレータ5を有するハイブリッド車両に搭載されている。
【0060】
そして、このハイブリッド車両は、通常時はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力によりモータジェネレータ5をモータとして機能させて、エンジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をドライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行を行わせるように構成されている。
【0061】
また、このハイブリッド車両は、減速時や制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ13を充電させるように構成されている。
【0062】
尚、モータジェネレータ5はさらに、不図示のスタータスイッチのオンに伴うエンジン3の始動時に、エンジン3のフライホイールを強制的に回転させるセルモータとして用いられるが、その場合にモータジェネレータ5は、このハイブリッド車両に搭載された他の電動負荷が同時に複数動作している状態よりも多くの電力を単独で消費する。
【0063】
ちなみに、本実施形態のハイブリッド車両においては、スタータスイッチはオフであるものの、不図示のアクセサリスイッチやイグニッションスイッチとか、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイッチ(図示せず。)がオンであるために、エアコン、オーディオ機器、パワーウィンド、ヘッドライト、並びに、ルームランプ(いずれも図示せず。)等が作動している場合、バッテリ13から流れる放電電流は、それらの電装品が同時に複数作動していても35A(アンペア)に満たない。
【0064】
逆に、アクセサリスイッチがオンされ、その上でスタータスイッチがオンされて、エンジン3を始動させるためにモータジェネレータ5をセルモータとして作動させる際には、例え他の電装品が何も作動していなくても、およそ250A(アンペア)に達する放電電流がバッテリ9から瞬時的に流れる。
【0065】
したがって、本実施形態のバッテリ容量演算装置1においては、バッテリ13の放電電流が目標電流値=35A(下限)から最大電流値=250A(上限)までの間にあるかどうかが、モータジェネレータ5をセルモータとして作動させるための定負荷放電が行われていることを見分けるための目安となる。
【0066】
尚、スタータスイッチのオンによりモータジェネレータ5によってエンジン3が始動されると、イグニッションキー(図示せず。)の操作解除に伴って、スタータスイッチがオフになってイグニッションスイッチやアクセサリスイッチのオン状態に移行する。
【0067】
話を構成の説明に戻して、本実施形態のバッテリ容量演算装置1は、上述したバッテリ13の充電状態を演算するもので、アシスト走行用のモータやセルモータとして機能するモータジェネレータ5等、電装品に対するバッテリ13の放電電流Iや、ジェネレータとして機能するモータジェネレータ5からのバッテリ13に対する充電電流を検出する電流センサ15と、バッテリ13に並列接続した無限大抵抗を有し、バッテリ13の端子電圧Vを検出する電圧センサ17と、エンジン3が配置されたエンジンルーム(図示せず)の温度hを検出する温度センサ19とを備えている。
【0068】
また、本実施形態のバッテリ容量演算装置1は、上述した電流センサ15、電圧センサ17、及び、温度センサ19の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記する。)21におけるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)23と、このマイコン23に接続された不揮発性メモリ(以下、「NVM」と略記する。)25,27とをさらに備えている。
【0069】
そして、前記マイコン23は、CPU23a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM23cの他、前記I/F21及びNVM25,27が各々接続されており、また、上述した不図示のスタータスイッチ、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続されている。
【0070】
前記RAM23bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムと、前記NVM25にバッテリ13の開回路電圧OCVが格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度h1 と、後述する処理によって推定される、定負荷放電状態における推定上の端子電圧Vである推定電圧Vnの推定時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h2 とに応じて、前記NVM27に格納、記憶されている残存電圧降下値e0 を補正するための補正データとが格納されている。
【0071】
尚、ROM23cに格納されている残存電圧降下値e0 の補正データは、図3に示すグラフのように、温度0゜Cの時の補正係数を「1」とした場合の、温度0゜C〜温度55゜Cの各温度における補正係数を表した、いわば、温度対補正係数のテーブルのようなものである。
【0072】
前記NVM25には、充電容量の変化に応じて変化する前記バッテリ13の平衡状態、即ち、充放電時の分極による電圧上昇や電圧降下が完全に解消して残っていない状態における端子電圧Vが、バッテリ13の開回路電圧OCVとして格納、記憶されると共に、その開回路電圧OCVが格納、記憶された時点で温度センサ19が検出したエンジンルームの温度が、バッテリ13自体又は周辺の温度h1 として格納、記憶される。
【0073】
尚、ハイブリッド車両が製造された当初の時点では、実装時に別途計測されたバッテリ13の端子電圧Vが、開回路電圧OCVとしてNVM25に予め格納、記憶されていると共に、その開回路電圧OCVが格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度が、バッテリ13自体又は周辺の温度h1 としてNVM25に予め格納、記憶されている。
【0074】
前記NVM27には、不図示のイグニッションスイッチのオンに伴って、モータジェネレータ5によりエンジン3を始動させるためにバッテリ13が瞬時的に定負荷放電を行った際に、その定負荷放電中に電流センサ15や電圧センサ17により検出されたバッテリ13の端子電圧Vと放電電流Iとの相関を基にして、後述する処理によって推定される、定負荷放電状態における推定上の端子電圧Vである推定電圧Vnを、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVから差し引いた、バッテリ13の放電終了時における残存分極の影響による残存電圧降下量である残存電圧降下値e0 が、格納、記憶される。
【0075】
尚、上述した電流センサ15、電圧センサ17、及び、温度センサ19の出力は、I/F21を介して常時マイコン23のCPU23aに取り込まれる。
【0076】
次に、前記ROM23cに格納された制御プログラムに従いCPU23aが行う処理を、図4乃至図7のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
バッテリ13からの給電を受けてマイコン23が起動しプログラムがスタートすると、CPU23aは、まず、図4にメインルーチンのフローチャートで示すように、初期設定を実行する(ステップS1)。
【0078】
このステップS1における初期設定では、RAM23bのワークエリアに設けられたフラグエリアのフラグのリセットやタイマエリアのゼロリセット及びタイムカウントの開始等を行う。
【0079】
ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、開回路電圧更新処理(ステップS3)と充電状態演算処理(ステップS5)とを続けて行った後、バッテリ13からの給電が断たれたか否かを確認し(ステップS7)、断たれていない場合は(ステップS7でN)、ステップS3にリターンし、断たれた場合は(ステップS7でY)、終了処理を行った後(ステップS9)、一連の処理を終了する。
【0080】
そして、ステップS3の開回路電圧更新処理においては、図5にサブルーチンのフローチャートで示すように、RAM23bのタイマエリアにおけるタイマ値Tが、最大分極発生状態からの分極解消に必要な所定時間Thを超えているか否かを確認し(ステップS3a)、所定時間Thを超えていない場合は(ステップS3aでN)、開回路電圧更新処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、超えた場合は(ステップS3aでY)、電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値をI/F21から取得すると共に(ステップS3b)、温度センサ19の検出した不図示のエンジンルームの温度hのA/D変換値をI/F21から取得する(ステップS3c)。
【0081】
続いて、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVと、その開回路電圧OCVが格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度h1 を、ステップS3b及びステップS3cで取得したバッテリ13の端子電圧Vやエンジンルームの温度hのA/D変換値に更新し(ステップS3d)、RAM23bの平衡状態フラグエリアのフラグFを「1」に設定した後(ステップS3e)、開回路電圧更新処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0082】
また、ステップS5の充電状態演算処理では、図6にサブルーチンのフローチャートで示すように、スタータスイッチ以外のスイッチの状態がオフからオンに移行したか否かを確認し(ステップS5a)、移行していない場合は(ステップS5aでN)、後述するステップS5fに進み、移行した場合は(ステップS5aでY)、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iが0A(アンペア)であるか否かを確認する(ステップS5b)。
【0083】
バッテリ13の放電電流Iが0A(アンペア)でない場合は(ステップS5bでN)、RAM23bのタイマエリアにおけるタイムカウントを終了させると共にタイマ値Tをゼロリセットし(ステップS5c)、平衡状態フラグエリアのフラグFを「0」に設定した後(ステップS5d)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、バッテリ13の放電電流Iが0A(アンペア)である場合は(ステップS5bでY)、スタータスイッチがオンされたか否かを確認する(ステップS5e)。
【0084】
スタータスイッチがオンされていない場合は(ステップS5eでN)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、オンされた場合は(ステップS5eでY)、後述するステップS5jに進む。
【0085】
一方、ステップS5aにおいてスタータスイッチ以外のスイッチの状態がオフからオンに移行していない場合(N)に進むステップS5fでは、スタータスイッチ以外のスイッチの状態がオンからオフに移行したか否かを確認し、移行していない場合は(ステップS5fでN)、後述するステップS5hに進み、移行した場合は(ステップS5fでY)、RAM23bのタイマエリアにおけるタイムカウントを開始させた後(ステップS5g)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0086】
また、ステップS5fにおいてスタータスイッチ以外のスイッチの状態がオンからオフに移行していない場合(N)に進むステップS5hでは、スタータスイッチがオンされたか否かを確認し(ステップS5h)、オンされていない場合は(ステップS5hでN)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、オンされた場合は(ステップS5hでY)、ステップS5jに進む。
【0087】
ステップS5e及びステップS5hにおいてスタータスイッチがオンされた場合(Y)に各々進むステップS5jでは、図7のフローチャートに示すように、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iが250A(アンペア)に達した後に250A(アンペア)から減少し始めたか否かを確認する。
【0088】
バッテリ13の放電電流Iが250A(アンペア)に達した後に250A(アンペア)から減少し始めていない場合は(ステップS5jでN)、そのようになるまでステップS5jをリピートし、250A(アンペア)に達した後に250A(アンペア)から減少し始めた場合は(ステップS5jでY)、電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流IのA/D変換値と、電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値とを、対にしてI/F21から取得し(ステップS5k)、その取得した、電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iが35A(アンペア)まで低下した否かを確認する(ステップS5m)。
【0089】
バッテリ13の放電電流Iが35A(アンペア)まで低下していない場合は(ステップS5mでN)、ステップS5kにリターンし、低下した場合は(ステップS5mでY)、それまでの間にステップS5kにおいて対にして取得された、複数組のバッテリ13の端子電圧Vと放電電流IとのA/D変換値を利用し、そのデータの相関性を確認するための相関係数rを算出してその値が−0.9≧r≧−1.0の許容範囲内にあるか否かを確認する(ステップS5n)。
【0090】
相関係数rが許容範囲内にあって相関がOKである場合は(ステップS5nでY)、後述するステップS5tに進み、相関係数rが許容範囲内になく相関がOKでない場合は(ステップS5nでN)、ステップS5kで取得した、電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VとのA/D変換値の対を破棄した後(ステップS5p)、平衡状態フラグエリアのフラグFが「0」であるか否かを確認する(ステップS5r)。
【0091】
フラグFが「0」である場合は(ステップS5rでY)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、「0」でない場合は(ステップS5rでN)、フラグFを「0」に設定した後(ステップS5s)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0092】
また、ステップS5nにおいて相関係数rが許容範囲内にあって相関がOKである場合(Y)に進むステップS5tでは、ステップS5kで取得した、電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VとのA/D変換値の対に、最小二乗法を適用して、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを割り出し、次に、定電流放電における推定電圧Vnがバッテリ13の容量に対して直線的な特性を示すようになる仮想電流値Is=−10A(アンペア)を、ステップS5tで割り出した電圧−電流特性式V=aI+bに代入して、推定電圧Vnを推定する(ステップS5v)。
【0093】
これと共に、温度センサ19の検出した不図示のエンジンルームの温度hのA/D変換値を、推定電圧Vnの推定時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h2 としてI/F21から取得した後(ステップS5w)、平衡状態フラグエリアのフラグFが「0」であるか否かを確認する(ステップS5x)。
【0094】
フラグFが「0」である場合は(ステップS5xでY)、後述するステップS5Bに進み、「0」でない場合は(ステップS5xでN)、NVM25に格納、記憶されている開回路電圧OCVからステップS5vで推定した推定電圧Vnを差し引いて残存電圧降下値e0 を求め(ステップS5y)、NVM27に格納、記憶されている残存電圧降下値e0 をステップS5yで求めた残存電圧降下値e0 に更新し(ステップS5z)、更新されたNVM27の残存電圧降下値e0 に、ステップS5vで推定した推定電圧Vnを加算して、補正後推定電圧Vn´を求めた後(ステップS5A)、後述するステップS5Dに進む。
【0095】
また、ステップS5xにおいて平衡状態フラグエリアのフラグFが「0」である場合(Y)に進むステップS5Bでは、ステップS5vで取得した推定電圧Vnの推定時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h2 と、NVM25に格納、記憶されている、バッテリ13の開回路電圧OCVがNVM25に格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度h1 とに基づいて、ROM23cに格納されている補正データの係数によって、NVM27に格納、記憶されている残存電圧降下値e0 を補正して補正後残存電圧降下値e0 ´を求め、続いて、この補正後残存電圧降下値e0 ´をステップS5vで取得した推定電圧Vnに加算して補正後推定電圧Vn´を求めた後(ステップS5C)、ステップS5Dに進む。
【0096】
ステップS5AやステップS5Cにおいて補正後推定電圧Vn´を求めた後に各々進むステップS5Dでは、ステップS5AやステップS5Cにおいて求めた補正後推定電圧Vn´を、電圧比による算出式、
SOC={(Vn´−Ve)/(Vs−Ve)}×100(%)
又は、電力比による算出式、
Figure 0003936541
(但し、Vsは満充電時の開回路電圧、Veは放電終止時の開回路電圧)
のいずれかの式に代入して、バッテリ13の充電状態SOCを求める。
【0097】
続いて、平衡状態フラグエリアのフラグFが「0」であるか否かを確認し(ステップS5E)、「0」である場合は(ステップS5EでY)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、「0」でない場合は(ステップS5EでN)、平衡状態フラグFを「0」に設定した後(ステップS5F)、充電状態演算処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0098】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、図7のフローチャートにおけるステップS5tが、請求項中の特性割出手段23Aに対応する処理となっており、図7中のステップS5vが、請求項中の推定電圧推定手段23Bに対応する処理となっている。
【0099】
また、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、電流センサ15と、図7中のステップS5jとにより、請求項中の放電電流減少開始検出手段Aが構成されており、電流センサ15と、図7中のステップS5mとにより、請求項中の放電電流低下検出手段Cが構成されている。
【0100】
また、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、バッテリ13の放電電流Iに関して、250A(アンペア)が請求項中の所定の大電流値に相当しており、35A(アンペア)が請求項中の目標電流値に相当している。
【0101】
次に、上述のように構成された本実施形態のバッテリ容量演算装置1の動作(作用)について説明する。
【0102】
まず、ハイブリッド車両のモータジェネレータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェネレータ5がモータとして機能するように作動していて、それに伴いバッテリ13が放電を行っている状態、或は、モータジェネレータ5がジェネレータとして機能するように作動していて、それに伴いバッテリ13が充電を行っている状態では、NVM25に格納、記憶されている開回路電圧OCVと、その開回路電圧OCVがNVM25に格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度h1 の更新や、NVM27に格納、記憶されている残存電圧降下値e0 の更新は、いずれも行われず、また、推定電圧Vnの推定とこれを用いた充電状態SOCの演算、更新も行われない。
【0103】
次に、スタータスイッチのオンに伴って、ハイブリッド車両のモータジェネレータ5がセルモータとして機能するように作動し、これに伴いバッテリ13が250A(アンペア)を超える所定の大電流値による定負荷放電を行うと、その放電におけるバッテリ13の放電電流Iが35A(アンペア)という目標電流値に低下するまでの間、電流センサ15及び電圧センサ17により検出されたバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vが、対となって周期的に収集され、一定の相関関係を満たすものであった場合には、これらに最小二乗法を適用して、バッテリ13の直線的な電圧−電流特性式V=aI+bが割り出され、定電流放電における推定電圧Vnがバッテリ13の容量に対して直線的な特性を示すようになる仮想電流値Is=−10A(アンペア)を、この電圧−電流特性式V=aI+bに代入することで、推定電圧Vnが推定される。
【0104】
そして、推定電圧Vnの推定時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h2 と、NVM25に格納、記憶されている、バッテリ13の開回路電圧OCVがNVM25に格納、記憶された時点のバッテリ13自体又は周辺の温度h1 とに差があれば、その差に応じて、NVM27に格納、記憶されている残存電圧降下値e0 が温度補償のために補正され、この補正された補正後残存電圧降下値e0 ´を、先に推定された推定電圧Vnに加算することで、補正後推定電圧Vn´が求められ、この補正後推定電圧Vn´を、電圧比又は電力比のいずれかの算出式に代入することで、バッテリ13の充電状態SOCが演算されて、その結果が、表示や容量管理のデータとして提供される。
【0105】
この場合、推定電圧Vnを推定するのに用いるバッテリ13の電圧−電流特性式V=aI+bを求めるために、対となって周期的に収集される、バッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vが、250A(アンペア)という、ハイブリッド車両における最大の負荷であるセルモータとして機能させるモータジェネレータ5に対する放電の際に収集されたものであり、しかも、他の負荷に複数同時にバッテリ13の電力が供給されていても到達しない35A(アンペア)を超える放電電流Iが流れている状態で収集されたものである。
【0106】
このため、モータジェネレータ5以外の負荷にバッテリ13の電力が同時に供給されていて、それによる放電側分極による電圧降下が生じていても、モータジェネレータ5に対する放電の終了時における残存分極の影響による残存電圧降下量として求められた残存電圧降下値e0 を、推定した推定電圧Vnに加算することで、バッテリ13の実際の充電状態SOCを正確に演算することができる。
【0107】
また、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、スタータスイッチのオンに伴って、バッテリ13が250A(アンペア)を超える定負荷放電を行った場合、その放電開始前の段階で、最大分極発生状態からの分極解消に必要な所定時間Thを超えて、バッテリ13が充放電を行っていないと、前回にバッテリ13が充放電を行った際に発生した分極による電圧変動(電圧上昇又は電圧降下)が完全に解消して平衡状態となっているものとして、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVが、この時点で検出されたバッテリ13の端子電圧Vに更新される。
【0108】
このため、バッテリ13の容量変化によって開回路電圧OCVが変動しても、バッテリ13が平衡状態となる毎に、NVM25に格納、記憶される開回路電圧OCVを最新の値に更新して、バッテリ13の充電状態SOCの演算精度を高く維持することができる。
【0109】
同様に、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、セルモータとして機能させるモータジェネレータ5に対するバッテリ13の放電が、バッテリ13が平衡状態にある状況から行われると、NVM27に格納、記憶されているバッテリ13の残存電圧降下値e0 が、放電開始前に更新されたNVM25の開回路電圧OCVから、放電後に推定された推定電圧Vnを差し引いた、最新の残存電圧降下値e0 に更新される。
【0110】
このため、バッテリ13の状態変化に伴って残存電圧降下値e0 が変動しても、バッテリ13が平衡状態となる毎に、NVM27に格納、記憶される残存電圧降下値e0 を最新の値に更新して、バッテリ13の充電状態SOCの演算精度を高く維持することができる。
【0111】
さらに、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、NVM25に開回路電圧OCVを格納、記憶した時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h1 と、推定電圧Vnの推定時点におけるバッテリ13自体又は周辺の温度h2 とが異なる場合に、その相違に応じた温度補償のための補正が残存電圧降下値e0 に対して行われ、推定電圧Vnに加算してバッテリ13の充電状態SOCを演算するのに用いられるのが、補正後残存電圧降下値e0 ´となることから、残存電圧降下値e0 を求めた時点と、この残存電圧降下値e0 を推定電圧Vnに加算してバッテリ13の充電状態SOCを演算する時点とで、開回路電圧OCVの値に変化を及ぼすバッテリ13自体又は周辺の温度hの変化が生じていても、それを考慮に入れてバッテリ13の充電状態SOCを精度良く演算することができる。
【0112】
ちなみに、本実施形態で採用した上述の、残存電圧降下値e0 の温度補償のための構成や、開回路電圧OCV及び(又は)残存電圧降下値e0 の更新のための構成の一部又は全部は、必要とされる精度との関係において支障がない限り、省略しても良い。
【0113】
そして、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、推定電圧Vnを推定するのに用いるバッテリ13の電圧−電流特性式V=aI+bを求めるために、バッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vを対にして周期的に収集する期間を、バッテリ13が250A(アンペア)を超える定負荷放電を行った場合に、その放電電流Iが250A(アンペア)から減少する間に限っており、250A(アンペア)に向かって放電電流Iが増加する間を排除しているが、これは次の理由による。
【0114】
即ち、一般にバッテリ13の放電時における電圧−電流特性は、図8のグラフに示すように、放電電流Iの増加時と減少時とで異なり、実際にバッテリ13が250A(アンペア)を超える定負荷放電を行った場合の放電電流Iと端子電圧Vとを測定してみると、図9のグラフに示すように、放電によりバッテリ13に発生した分極による電圧降下が放電電流Iの減少に伴って解消するペースが、放電電流Iの増加に伴う発生のペースに対して遅れることから、放電電流Iの増加時よりも減少時の方が放電電流Iに対して端子電圧Vが低くなる。
【0115】
しかも、前回の充放電による電圧上昇や電圧降下が残った状態でバッテリ13の放電が開始されると、図10のグラフに一般的な傾向を示すように、放電電流Iの増加中における電圧−電流特性が、先に図8のグラフを参照して説明した、平衡状態から放電を開始した場合の放電電流Iの増加中における電圧−電流特性とは異なってしまう。
【0116】
したがって、放電電流Iの増加中と減少中とでバッテリ13の電圧−電流特性が同じ特性とならず、しかも、放電電流Iの増加中における電圧−電流特性については、放電の開始前のバッテリ13が平衡状態にあったか否かによっても異なることを考慮すると、少なくとも、本実施形態のバッテリ容量演算装置1のように、放電電流Iが減少している間に限って周期的に収集したバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vのみを用いて、バッテリ13の電圧−電流特性式V=aI+bを求めることが好ましい。
【0117】
ちなみに、本実施形態のバッテリ容量演算装置1では、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVが、図8中の放電電流Iの増加中における電圧−電流特性線の、放電電流I=0A(アンペア)上の点を示すことになり、放電電流Iが250A(アンペア)から35A(アンペア)に減少する間に収集したバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vのみを用いて求めた、バッテリ13の電圧−電流特性から推定される推定電圧Vnが、図8中の放電電流Iの減少中における電圧−電流特性線の、仮想電流値Is=−10A(アンペア)上の点を示すことになる。
【0118】
そして、バッテリ13の電圧−電流特性式V=aI+bを求めるために、バッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vを対にして周期的に収集する期間を、バッテリ13の放電電流Iが250A(アンペア)から減少する間に限定するに当たって、本実施形態のバッテリ容量演算装置1のように、35A(アンペア)に至るまでの間に限る必要は、必ずしもない。
【0119】
しかし、本実施形態のバッテリ容量演算装置1のように、250A(アンペア)から減少する放電電流Iが35A(アンペア)に至るまでの間に限って、バッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vを対にして周期的に収集するようにすれば、セルモータとして機能させるためのモータジェネレータ5以外の他の負荷にバッテリ13からの電力が同時に供給されていたとしても、それら他の負荷に電力を供給するために発生するバッテリ13の放電による放電側分極を上回る放電側分極が、35A(アンペア)の放電電流Iによるバッテリ13の放電によって発生していることになる。
【0120】
このため、モータジェネレータ5以外の他の負荷に対する電力供給のための放電により発生する放電側分極が、収集されるバッテリ13の放電電流Iやそれから求められるバッテリ13の電圧−電流特性に反映されるのを防ぎ、モータジェネレータ5を作動させるために行った250A(アンペア)の放電によって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流Iが35A(アンペア)に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみを、純粋に反映したものとすることができるので、モータジェネレータ5以外の他の負荷に対する電力供給が行われていてもバッテリ13の充電状態を正確に演算できるようにすることができる点で、有利である。
【0121】
また、本実施形態では、定負荷放電時におけるバッテリ13の電圧−電流特性を、1次の電圧−電流特性式V=aI+bに近似させているが、分極抵抗成分の非直線形の特性の影響も考慮して、1次の電圧−電流特性式V=aI+bに代えて、図11に示すように、定負荷放電時におけるバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vの対から最小二乗法によって得られる、V=aI2 +bI+cなる2次の曲線式に近似させるようにしてもよい。
【0122】
そして、そのようにした場合は、この近似曲線式V=aI2 +bI+cに仮想電流値Is=−10A(アンペア)を代入することで、推定電圧Vnを推定し、推定した推定電圧Vnを用いて最新の残存電圧降下値e0 を求めて更新設定したり、推定した推定電圧Vnに残存電圧降下値e0 を加算してバッテリ13の開回路電圧OCVを演算することになる。
【0123】
このように、バッテリ13の電圧−電流特性を2次の近似曲線式とすれば、放電による分極に起因してバッテリ13に生じる端子電圧Vの電圧降下量の増減のペースに対する、放電電流Iの増減のペースの鈍さが、1次の電圧−電流特性式V=aI+bよりも一層正確に反映されて、この近似曲線式V=aI2 +bI+cを用いて推定される推定電圧Vnの精度や、この推定電圧Vnを用いて演算される開回路電圧OCVの精度を、より高めることができるので、有利である。
【0124】
さらに、本実施形態では、単独で最も多くの電力を消費するモータジェネレータ5の作動時における、250A(アンペア)を超える定負荷放電時のバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vを用いて、分極の影響を含んだ電圧−電流特性式V=aI+bの割り出しを行ったが、少なくとも放電直前にバッテリ13に発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値であれば、放電電流の最大値が250A(アンペア)に遠く及ばないような、モータジェネレータ5以外の負荷の動作に伴うバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vを用いて、分極の影響を含んだ電圧−電流特性式V=aI+bや、上述したV−I特性の2つの近似曲線式M1及びM2の割り出しを行ってもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、車両の負荷に電力を供給するバッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測定してこれら端子電圧と放電電流との相関を示す電圧−電流特性を求め、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの定負荷放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算するに当たり、前記バッテリが、少なくとも放電直前に該バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行う毎に、該定負荷放電の放電電流値が最大電流値から減少する間に周期的に測定した、前記バッテリの端子電圧と放電電流とから、前記電圧−電流特性を求め、この電圧−電流特性を用いて、前記バッテリの現在の推定電圧の推定を行うようにした。
【0126】
このため、定負荷放電における放電電流の増加や減少に対して、放電側分極による電圧降下の増加や減少が遅れて生じるために、放電電流の増加中と減少中とでバッテリの電圧−電流特性が相違し、しかも、前回の充放電によって発生した分極によるバッテリの端子電圧の電圧上昇や電圧降下が残存した状態で、少なくとも放電直前に該バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値によるバッテリの定負荷放電が行われる場合であっても、それらの影響を受けず常に同じ特性として現れる電圧−電流特性部分を用いてバッテリの現在の推定電圧が推定されるようにして、バッテリの充電状態の演算を、前回の充放電によって発生した分極による電圧変動の影響を受けずに精度良く行うことができる。
【0127】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値を、前記車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値とした。
【0128】
このため、請求項1に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、前回の放電によって発生した放電側分極による電圧降下が残っていても、これを上回る電圧降下がバッテリの端子電圧に発生した状態に至らせて、前回の放電によって発生した放電側分極の影響を受けない高精度のバッテリ充電状態の演算を、確実に実現させることができる。
【0129】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ容量演算方法によれば、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、前記バッテリの放電電流値が前記所定の大電流値よりも低く、かつ、前記セルモータ以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下するまでの間に、周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とから、前記電圧−電流特性を求めるようにした。
【0130】
このため、請求項2に記載した本発明のバッテリ容量演算方法において、セルモータ以外の車両の負荷が今なお駆動されているとしても、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下の、放電電流が目標電流値に低下したことにより解消した分を除く残存成分のみを、純粋に反映したバッテリの端子電圧と放電電流とから、セルモータ以外の車両の負荷に対する電力供給による影響を排除した電圧−電流特性と推定電圧とを取得して、バッテリの充電状態を精度良く演算することができる。
【0131】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、車両の負荷に電力を供給するバッテリの、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電時に、この定負荷放電時におけるバッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測定してこれら端子電圧と放電電流との相関を示す電圧−電流特性を求め、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの定負荷放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算するバッテリ容量演算装置において、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による該バッテリの定負荷放電における前記バッテリの放電電流が、最大電流値から減少し始めたことを検出する放電電流減少開始検出手段と、前記バッテリの放電電流が最大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した後に、周期的に測定される前記バッテリの端子電圧と放電電流とから前記電圧−電流特性を求める特性割出手段と、前記特性割出手段が求めた前記電圧−電流特性を用いて、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電時における前記バッテリの推定電圧を推定する推定電圧推定手段とを備えており、前記推定電圧推定手段が推定した前記バッテリの推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算する構成とした。
【0132】
このため、放電電流と共に定負荷放電中に周期的に測定したバッテリの端子電圧が、放電による電圧降下を含んでいて、この端子電圧を用いて求めたバッテリの電圧−電流特性や、この電圧−電流特性から推定したバッテリの現在の推定電圧が、放電による電圧降下を反映したものとなったとしても、推定電圧に反映されている電圧降下成分と同等の、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値によってバッテリが行った定負荷放電の終了時における残存分極の影響による残存電圧降下量である、残存電圧降下値記憶手段に記憶された残存電圧降下値を、バッテリの現在の推定電圧の値に加算することで、推定電圧に反映されている電圧降下成分を残存電圧降下値により相殺し、バッテリの充電状態を正確に演算することができる。
【0133】
さらに、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値が、前記車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値であり、前記放電電流減少開始検出手段が、前記バッテリの定負荷放電において、該バッテリの放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを検出するように構成されているものとした。
【0134】
このため、請求項4に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、前回の充放電によって発生した分極を解消するのに十分な放電側電極がバッテリに発生した状態に確実に至らせて、前回の充放電による分極の影響を排除した高精度のバッテリ充電状態の演算を確実に実現させることができる。
【0135】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ容量演算装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した前記バッテリの放電電流が、前記セルモータ5以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下したことを検出する放電電流低下検出手段をさらに備えており、前記特性割出手段が、前記バッテリの放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した後、前記目標電流値に低下したことを前記放電電流低下検出手段が検出するまでの間、前記周期的に測定される前記バッテリの端子電圧と放電電流とから前記電圧−電流特性を求める構成とした。
【0136】
このため、請求項5に記載した本発明のバッテリ容量演算装置において、セルモータ以外の車両の負荷が今なお駆動されているとしても、所定の大電流値による放電を行ったことによって発生した放電側分極による電圧降下のうち、バッテリの放電電流が所定の大電流値から減少し始めたことを放電電流減少開始検出手段が検出してから、放電電流が目標電流値に低下したことを放電電流低下検出手段が検出するまでの間に、その放電電流の低下によって解消した電圧降下分を除く残存成分のみを、純粋に反映したバッテリの端子電圧と放電電流とから、セルモータ以外の車両の負荷に対する電力供給による影響を排除した電圧−電流特性と推定電圧とを、特性割出手段と推定電圧推定手段とにより求めて、バッテリの充電状態を精度良く演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリ容量演算装置の基本構成図である。
【図2】本発明のバッテリ容量演算方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ容量演算装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータのROMに格納されている残存電圧降下値の補正データの一例を示すグラフである。
【図4】図2のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図4の開回路電圧更新処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図4の充電状態演算処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】図4の充電状態演算処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図8】平衡状態のバッテリが行う定負荷放電における放電電流の増加時と減少時との一般的な電圧−電流特性差を示すグラフである。
【図9】図2のバッテリが平衡状態から行った250Aの定負荷放電における放電電流の増加時と減少時との電圧−電流特性差を示すグラフである。
【図10】平衡状態でないバッテリが行う定負荷放電における放電電流の増加時と減少時との一般的な電圧−電流特性差を示すグラフである。
【図11】バッテリの定電流放電中にサンプリングした所定数の端子電圧及び放電電流の組に最小二乗法を適用して得られる、2次近似式で表したバッテリの電圧−電流特性の一例を示すグラフである。
【図12】バッテリの定電流放電における端子電圧と放電時間との相関を示すグラフである。
【図13】バッテリの定電流放電中にサンプリングした所定数の端子電圧及び放電電流の組と、これらに最小二乗法を適用して得られる直線的な電圧−電流特性式との関係を模式的に示すグラフである。
【図14】図13に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧により得られる複数の定電流放電特性を示すグラフである。
【図15】図13に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧により得られる複数の仮想上の定電流放電特性を示すグラフである。
【図16】各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性を同一平面上に展開したグラフである。
【図17】図15のグラフにおいて直線的特性を示す仮想上の放電電流値におけるバッテリの容量と図13に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧との関係を示すグラフである。
【図18】バッテリの放電中に発生する電圧降下の内容を示すグラフである。
【符号の説明】
5 セルモータ
13 バッテリ
23 マイクロコンピュータ
23a CPU
23b RAM
23c ROM
23A 特性割出手段
23B 推定電圧推定手段
A 放電電流減少開始検出手段
C 放電電流低下検出手段

Claims (6)

  1. 各種の充電容量におけるバッテリの電圧―電流特性を表わす式に基づいて、前記充電容量の変化に対応して直線的に変化する電圧を与える電流の値を仮想電流値として、あらかじめ、求めておき、
    前記バッテリが、少なくとも放電直前に該バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電を行う毎に、前記定負荷放電の放電電流値が最大電流値から減少する間に周期的に測定した、前記バッテリの端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を表わす式を求め、
    求められた前記電圧−電流特性を表わす式において前記仮想電流値を代入して、推定電圧を算出し、
    この推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算することを特徴とするバッテリ容量演算方法。
  2. 少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値を、前記車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値とした請求項1記載のバッテリ容量演算方法。
  3. 前記バッテリの放電電流値が前記所定の大電流値よりも低く、かつ、前記セルモータ以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下するまでの間に、周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とから、前記電圧−電流特性を求めるようにした請求項2記載のバッテリ容量演算方法。
  4. 放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値による該バッテリの定負荷放電における前記バッテリの放電電流が、最大電流値から減少し始めたことを検出する放電電流減少開始検出手段と、
    前記バッテリの放電電流が最大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した後に、周期的に測定される前記バッテリの端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を表わす式を求める特性割出手段と、
    前記特性割出手段により求められた電圧−電流特性を表わす式において、各種の充電容量におけるバッテリの電圧―電流特性を表わす式に基づいてあらかじめ求められた前記充電容量の変化に対応して直線的に変化する電圧である推定電圧を与える電流を、仮想電流値として代入して、前記バッテリの定負荷放電状態における充電側分極を解消するのに十分な電流値による定負荷放電時における前記バッテリの推定電圧を算出する推定電圧推定手段と
    を備えており、前記推定電圧推定手段が推定した前記バッテリの推定電圧を用いて前記バッテリの充電容量を演算することを特徴とするバッテリ容量演算装置。
  5. 少なくとも放電直前に前記バッテリに発生していた充電側分極を解消するのに十分な電流値は、前記車両のセルモータ始動時に必要とする所定の大電流値であり、前記放電電流減少開始検出手段は、前記バッテリの定負荷放電において、該バッテリの放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを検出するように構成されている請求項4記載のバッテリ容量演算装置。
  6. 前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した前記バッテリの放電電流が、前記セルモータ以外の前記車両の負荷が駆動されている際における最大放電電流値以上の、目標電流値に低下したことを検出する放電電流低下検出手段をさらに備えており、前記特性割出手段は、前記バッテリの放電電流が前記所定の大電流値から減少し始めたことを前記放電電流減少開始検出手段が検出した後、前記目標電流値に低下したことを前記放電電流低下検出手段が検出するまでの間、前記周期的に測定される前記バッテリの端子電圧と放電電流とから前記電圧−電流特性を求める請求項5記載のバッテリ容量演算装置。
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