JP3936436B2 - 表認識方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表が記載されている文書および帳票から枠の位置を認識する表認識装置および光学式文字読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、以下の説明で用いる語句を定義する。「枠」とは、帳票上において、縦罫線と横罫線で囲まれた矩形領域であり、正しく検出された場合にはその領域内に他の罫線を含まない領域であると定義する。「表」とは、連結した枠の集合体であると定義する。「表認識」とは、表を含む画像から枠の位置を認識することと定義する。
【0003】
従来のOCR(光学式文字読取装置)では、表形式の文書を認識する際には、あらかじめ読み取りたい枠の座標を正確に定義しておく必要があった。
【0004】
これに対し、表の座標を定義せず、自動的に表を認識する従来手法の例としては特開平6―52356号公報がある。この方法では、罫線の並び順に着目して表を認識している。縦罫線を左から右方、横罫線を上から下方向に出現順に番号付けし、この罫線符号の組み合わせにより枠の位置を検出している。
【0005】
一方、2本の罫線の交点に着目して表を認識する従来手法もある。ICDAR95、301頁から304頁(Antonie Ting他、"A Syntactic Business Form Classifier、" ICDAR95(Third Inernational Conference on Document Analysis and Recognition)、 1995年)に論じられている方法では、罫線の交点を符号化することにより表を認識している。この方法では、罫線の交点の形状を、向きの異なる4種類のL型と、4種類のT型、および1種類の十字型に分類し、矩形の四隅となるべき4つの交点の組み合わせを検出することにより枠を抽出している。
【0006】
罫線のかすれの補正に関する従来技術としては、特公平4―18351公報に記載された技術がある。これは、2本の罫線の端点間の距離と方向の連続性を評価して、距離と方向の連続性の値が基準値以内であれば、2本の罫線を接続して1本の罫線とするものである。
【0007】
また、表認識における交点のかすれ補正については、MVA96、139頁から142頁(Hiroshi Shinjo 他、"A Connecting Method for Disappeared Corner Patterns in Form Documents、" MVA96(IAPR Workshop on Machine Vision Applications)、1996年)に論じられている。この方法では、表の最も外側の罫線の交点のかすれを補正している。
【0008】
帳票上の文字を読取るには、枠内の文字行の位置を抽出する必要がある。文字行抽出の従来例としては、MIV89、282頁から287頁("A New Method of Document Structure Extraction using Generic Layout Knowledge、" MIV89 ( International Workshop on Industrical Application of Machine Intelligence and Vision )、 1989年)において連結成分融合法として論じられている。ここで連結成分とは、画像中において連結した黒画素塊である。この方法では、連結成分の位置関係から、文字らしいと判断される大きさの連結成分同士を次々と融合して文字行領域を抽出する。位置関係の判定には、融合対象の連結成分同士のX座標やY座標の差などの特徴量を、あらかじめ指定してあるしきい値と比較する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平6―52356号公報に記載の表認識方法では、罫線にかすれやノイズが存在すれば、正しく表認識できない。これは、罫線の出現順が変わるために罫線の符号付けを誤るためである。また、上記ICDAR95、301頁から304頁に記載の表認識方法では、枠の四隅の交点にかすれがないことが前提となっているので、罫線の交点がかすれている場合には正しく表認識できない。
【0010】
したがって、本発明の第1の課題は、罫線にかすれがやノイズが存在する場合でも、高精度に表を認識することである。
【0011】
また、上記特公平4―18351公報に記載の罫線かすれ補正方法では、罫線と罫線以外の直線成分とを区別することができないので、誤って罫線以外の直線成分を接続する場合がある。
【0012】
したがって、本発明の第2の課題は、罫線と罫線以外の直線成分を区別することにより、罫線のかすれのみを正しく補正することである。
【0013】
また、上記特公平4―18351公報に記載の罫線かすれ補正方法では、直線性のある罫線のかすれのみしか扱えないため、交点のかすれを補正することはできない。また、上記MVA96、139頁から142頁に論じられている交点かすれ補正方法では、表の最も外側の罫線の交点のかすれしか補正していないため、表の内部の交点のかすれは補正できない。
【0014】
したがって、本発明の第3の課題は、表の内部に罫線の交点のかすれが発生しても正しくかすれを補正することである。
【0015】
また、上記MIV89、282頁から287頁に記載の文字行抽出方法では、罫線と文字が接触した場合に、正しく文字行の位置を認識できない。これは、文字と罫線が接触しているために、罫線と文字を含む連結成分を生成することになり、文字領域のみの連結成分が生成されないからである。
【0016】
したがって、本発明の第4の課題は、文字と罫線が接触している帳票に対しても、正しく文字行の位置を認識することである。
【0017】
また、本発明の第5の課題は、表認識機能により、あらかじめ枠の位置が指定されていない表形式の帳票から文字位置を検出して、文字を認識する文字認識装置を実現することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題は、罫線にかすれがやノイズが存在する場合でも、高精度に表の枠構造を認識することである。この課題に対する解決手段は、表形式帳票の表面画像を入力し、帳票画像から罫線を抽出し、罫線の交点と端点を抽出し、罫線の交点と端点の形状を符号化し、表の構成要素である矩形枠の四隅に相当する右上角、左上角、右下角、左下角に相当する交点形状符号を検出することにより、枠の位置を検出する表認識方法を提供することである。この表認識方法では、枠の四隅の角に着目して枠を抽出する。したがって、枠の四隅の以外であれば罫線がかすれていても正しく表を認識できる。また、この表認識方法では、交点だけでなく端点も符号化している。通常、枠を構成する罫線は必ず他の罫線と交わっているので、端点は罫線のかすれであるとみなすことができる。したがって、交点だけでなくかすれも合わせて符号化していることになり、かすれの補正が容易になる。
【0019】
本発明の第2の課題は、罫線と罫線以外の直線成分を区別することにより、罫線のかすれのみを正しく補正することである。また、本発明の第3の課題は、表の内部に罫線の交点のかすれが発生しても正しくかすれを補正することである。これらの課題に対する解決手段は、枠の位置を検出した後に、枠の抽出結果を用いて罫線のかすれを判定し、かすれた罫線を近傍の罫線と接続することによりかすれを補正し、罫線の接続により生成された交点と既存の交点を用いて、枠の位置を再検出することにより、罫線のかすれによる表認識の誤りを防ぐ表認識方法を提供することである。この表認識方法では、枠の構成に寄与する罫線だけがかすれ補正の対象となるため、誤ってノイズ成分に対してかすれ補正処理をすることがない。また、この表認識方法では、表内部の交点のかすれも補正することができる。
【0020】
本発明の第4の課題は、表認識の後、文字と罫線が接触している帳票に対しても正しく文字行の位置を認識することである。この課題に対する解決手段は、表を認識することにより個々の枠領域を特定し、入力画像から枠領域の画像を切り出し、罫線を除去し、枠内の文字行の領域を認識し、文字行領域の画像から1文字ごとの画像を切出し、文字を認識する光学式文字読取方法を提供することである。この光学式文字読取方法では、文字行の領域を認識する前に罫線を除去するため、枠と罫線が接触していても正しく文字行の領域を認識できる。
【0021】
本発明の第5の課題は、表認識機能により、あらかじめ枠の位置が指定されていない表形式の帳票から文字位置を検出して読取る文字認識装置を実現することである。この課題に対する解決手段は、表を認識することにより個々の枠領域を特定し、入力画像から枠領域の画像を切り出し、枠内の文字行の領域を認識し、文字行内の文字を認識することを特徴とする光学式文字読取方法を提供することである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の一実施例である表認識システムの構成図である。スキャナ101により帳票100の画像(帳票画像)を入力する。入力された画像データは、認識/修正用計算機102のメモリや二次記憶装置等に記録される。次に、認識/修正用計算機102において、画像上の罫線を抽出し、表を認識する。認識は、計算機102の有するプロセッサが、メモリや二次記憶装置に事前に記録されている後述する処理フロー(プログラム)を実行することで行われる。認識結果や途中結果は、必要に応じて認識/修正用計算機102の画面上に表示される。認識結果に誤りがある場合には、認識/修正用計算機102上で認識結果を修正する。認識結果は、データベース103に格納される。
【0024】
図2は、表認識の処理フローを示す図である。ステップ200(画像入力)において帳票画像を入力する。ステップ201(罫線抽出)において帳票画像から縦罫線と横罫線を抽出する。ステップ202(交点/端点検出)において、ステップ201で抽出した罫線の交点と端点の形状と位置を検出する。ステップ203(枠抽出)において、ステップ202で検出した交点から枠の四隅である左上角、右上角、左下角、右下角に相当する交点を検出して、枠を抽出する。なお、この処理フローにおいて、情報量を減らすために、画像の縮小処理をステップ200とステップ201の間に入れてもよい。また、帳票画像の傾きの補正処理をステップ200とステップ201の間に入れてもよい。もしくは、画像全体ではなく罫線の傾きのみを補正する処理をステップ201とステップ202の間に入れてもよい。
【0025】
図3は、認識対象である表形式の帳票画像を、説明のために簡略的に示した図である。帳票画像上には、横罫線(300から304)、縦罫線(305から309)、文字行(310から313)、下線(314から316)がある。横罫線300と301は本来1本の罫線であるが、317でかすれのために2本になっている。以下、図3の帳票画像を入力例として、処理の過程を説明する。
【0026】
図4は、図3の帳票画像に対する、図2のステップ201の罫線抽出処理の結果を示す図である。図4(a)が横罫線の抽出結果、図4(b)が縦罫線の抽出結果である。罫線抽出方法の例としては、画像上で長いランを抽出し、長いランを輪郭追跡することにより実現できる。ここで、ランとは、同じスキャンライン上で連続する黒画素の集合体である。以下に、横罫線を例として罫線抽出処理を説明する。スキャン方向がY方向(上から下)のランを生成し、長いランを抽出する。この処理により、縦罫線や文字を構成する短いランは除去される。次に、抽出された長いランを輪郭追跡する。得られた輪郭のうち、横方向に細長い輪郭を罫線とする。縦罫線の場合は、スキャン方向がX方向(左から右)のランを生成した後に、横罫線抽出と同様の処理をすればよい。図4の(a)では、下線(314から316)も罫線として抽出されている。この下線はノイズ成分とみなされる(これについて後述する)。
【0027】
図46は、図2のステップ202で罫線の端点と交点の形状に対応して付加する符号(交点符号)の例である。交点符号0は、罫線がないことを表す。交点符号1から4は、罫線の端点を表す。これらは、他の罫線と交差していない端点である。したがって、表認識時にはかすれと判定される。交点符号5と6は、罫線の一部分であることを表す。交点符号7から10は、2本の罫線がL字型に交差した交点を表す。交点符号11から14は、2本の罫線がT字型に交差した交点を表す。交点符号15は、2本の罫線が十字型に交差した交点を表す。なお、処理の必要性に応じて、交点符号0と5と6は省略してもよい。図46の右から2番目の列(枠の四隅)は、交点の形状に応じて、枠の左上角、右上角、左下角、右下角のうち、どの角になりうるかを示している。
【0028】
図5は、図3の帳票画像に対する、図2のステップ202の端点/交点検出処理の結果を示す図である。図5において、本来は交点符号の番号を示すべきであるが、交点形状を示す方が理解しやすいため、交点符号の代わりに交点形状を表示する。図5では、交点符号0から15のうち、0と5と6は使用していない。
【0029】
図6は、図3の帳票画像に対する、図2のステップ202の端点/交点検出処理の結果を示す図である。図6では、交点符号0から15の全てを使用して表の構造を表現している。図6では、罫線の端点や交点を基準として、仮想的に格子状に表を分割し、各格子点ごとに交点符号を付けている。各格子点は、x方向y方向に付けられた番号によって位置を特定できる。例えば交点600は、格子点(0、0)として表現できる。以降、(x、y)の位置の格子点を格子点(x、y)と表現する。
【0030】
図7は、図3の帳票画像に対して、図2のステップ203の枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形700から707は、抽出された枠を表している。この処理では、枠の左上角、右上角、左下角、右下角の4つを検出することにより枠を抽出する。したがって、下線314から316や罫線のかすれ317は交点を生成しないため、これらの悪影響を受けずに、正しく枠を抽出できる。
【0031】
図8と図9は、図2のステップ203の枠抽出処理フローの一例を示す図である。図9は図8のステップ802の処理の詳細を示した図である。以下、図6を例として図8と図9の処理を説明する。
【0032】
図8において、まずステップ800で格子点のy方向の位置を上から下へ走査する。ステップ800で設定したyの値について、ステップ801において格子点のx方向の位置を左から右へ走査する。ステップ802において、格子点(x、y)を基準として枠検出処理をする。ただし、枠検出の順序はこの処理例と同じでなくてもよい。
【0033】
図6を例として図8の処理を説明する。まず格子点(0、0)に対して枠検出し、次に格子点(1、0)に対して枠検出する。格子点(8、0)の枠検出処理が終われば、次に格子点(0、1)に対して枠検出する。このようにして格子点(8、6)まで枠検出処理を続ける。
【0034】
図9では、格子点(x、y)を左上角に持つ枠を検出する。まず、図9で用いる記号について説明する。ステップ901のXlは枠の左端の格子位置を表す。ステップ908のXrは枠の右端の格子位置を表す。ステップ902のYtは枠の上端の格子位置を表す。ステップ905のYbは枠の下端の格子位置を表す。以下、フローに添って説明する。ステップ900では、格子点(x、y)の交点形状が左上角になりうるか否かを判定する。ここでは、図46の交点符号7、11、13、15のいずれかであれあばよい。交点符号がそれ以外であれば、格子点(x、y)を左上角に持つ枠はないと判定して図9の処理を終了する(911)。格子点が左上角であれば、ステップ901とステップ902で左端の格子位置(Xl)と上端の格子位置(Yt)を格納する。ステップ903では、Yt以上のyの値に対して以下の処理を繰り返す。ステップ904において、格子点(Xl、y)の交点形状が左下角になりうるか否かを判定する。ここでは、図46の交点符号9、11、14、15のいずれかであれあばよい。交点符号がそれ以外であれば格子点(Xl、y+1)について同じ処理を行う。格子点が左下角であれば、ステップ905で下端の格子位置(Yb)を格納する。ステップ906では、Xl以上のxの値に対して以下の処理を繰り返す。ステップ907において、格子点(x、Yb)の交点形状が右下角になりうるか否かを判定する。ここでは、図46の交点符号10、12、14、15のいずれかであれあばよい。交点符号がそれ以外であれば格子点(x+1、Yb)について同じ処理を行う。格子点が右下角であれば、ステップ908で右端の格子位置(Xr)を格納する。ステップ908において、格子点(Xr、Yt)の交点形状が右上角になりうるか否かを判定する。ここでは、図46の交点符号8、12、13、15のいずれかであれあばよい。格子点が右上角であれば、枠検出成功として図9の処理を終了する(909)。ステップ910まで処理が進めば、格子点(x、y)を左上角に持つ枠はないとして図9の処理を終了する。なお、角の検出の順序はこの処理例と同じでなくてもよい。また、枠検出成功の条件は、4つの枠が全て検出する代わりに、3つの角や対角線上の2つの角を検出することにしてもよい。
【0035】
図6を例として図9の処理を説明する。まず、格子点(1、0)について説明する。格子点(1、0)の交点形状を判定する(900)と、図46の交点符号13なので左上角になりうる。したがって、左端と上端の格子点位置を格納する(901と902)。次に、格子点(1、1)の交点形状を判定する(904)と、図46の交点符号6なので左下角になりえない。そこで、格子点(2、1)の交点形状を判定する(904)と、図46の交点符号11なので左下角になりうる。したがって、下端の格子点位置を格納する(905)。以下同様にして、格子点(4、2)を右下角、格子点(4、0)を右上角として検出する。4つの角が揃ったので、図7の701に相当する枠を検出する。次に、格子点(2、0)について説明する。ステップ900において、格子点(2、0)が左上角か否かを判定する。格子点(2、0)の交点形状は図46の交点符号5なので、左上角にはならないしたがって、ステップ911でこの処理を終了する。
【0036】
本発明による表認識方法は、下線などのノイズ線分の影響を受けない。これは、枠の検出において、線分ではなく角に着目しているため、角を作らないノイズ線分は無視されるためである。枠701の例では、枠内に図3の下線314が罫線として抽出されている。しかし、下線314の端点である格子点(2、1)の交点符号は1であり、格子点(3、1)の交点符号は2である。これらの格子点は角ではないので、下線は枠検出では無視される。
【0037】
次に、罫線のかすれを補正する機能を持つ表認識方法について説明する。この処理により、罫線のかすれやノイズによる表認識の誤りを防ぐことができる。
【0038】
図10は、表認識の処理フローを示す図である。ステップ200の画像入力とステップ201の罫線抽出、ステップ202の交点/端点検出、ステップ203の枠抽出は図2と同じである。図10の処理では、一度枠抽出を行った結果を用いて罫線のかすれを検出し、補正する。以下、処理フローについて説明する。ステップ203で枠抽出した後、ステップ1001で罫線のかすれを検出する。罫線のかすれが検出されなければ(1002)、処理を終了する(1003)。かすれが検出されれば、かすれを補正し(1004)、枠抽出処理(203)に戻る。あらかじめ設定した繰り返しの最大数まで、もしくはかすれが無くなるまで、203から1004までの処理を繰り返す(1000)。なお、情報量を減らすために、ステップ200とステップ201の間に、画像の縮小処理を入れてもよい。また、帳票画像の傾きの補正処理をステップ200とステップ201の間に入れてもよい。もしくは、画像全体ではなく罫線の傾きのみを補正する処理をステップ201とステップ202の間に入れてもよい。
【0039】
以下、5種類の罫線かすれパターンについて、図10の罫線かすれ検出(1001)と罫線かすれ補正(1004)の詳細な処理方法を説明する。なお、以降のかすれ補正方法では、かすれ部分の長さ等、距離の情報を利用していない。しかし、補正するかすれの最大長さを制限する等の距離の情報を併用してもよい。
【0040】
第1のパターンのかすれとして、枠の上下左右の辺となる罫線(以下、枠罫線と記述)の端点のかすれについて説明する。このパターンのかすれ検出では、枠罫線の端点は必ず他の罫線と交わるということを条件(前提条件)とする。したがって、枠罫線の端点が他の罫線と交わっていなければ、この罫線はかすれていると判定することができる。かすれの検出対象を枠罫線に限定することにより、誤って文字の下線などを他の罫線と接続することを防ぐ。
【0041】
以下、第1パターンのかすれについて、図11から図13を用いてかすれ検出とかすれ補正方法の概要を説明した後、図12と図14と図15を用いてかすれ検出方法を説明し、図16から図20を用いてかすれ補正方法を説明する。
【0042】
まず、第1パターンのかすれ検出と補正処理の概要を説明する。
【0043】
図11は、枠罫線の端点がかすれている帳票画像の例である。帳票画像上には、横罫線(1100から1103)、縦罫線(1104から1108)、文字行(1109から1112)、下線(1113から1115)がある。罫線1101は、左端点側がかすれているため、罫線1105と交わっていない。
【0044】
図12は、図11の帳票画像に対して、図10のステップ203までの枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形1200から1206は、抽出された枠を表している。罫線1101は、左側端点において縦罫線1105罫線と交わっていないため、本来2つとして抽出されるべき枠が1つの枠1201として誤抽出されている。以下、図12を例として図10の処理を説明する。ステップ1001のかすれ検出処理では、罫線1101の左端点である格子点(2、2)がかすれた端点であると判定する。この理由は、罫線1101が枠1202の下側の枠罫線であり、枠1203の上側の枠罫線であるにもかかわらず、枠罫線の両端点は必ず他の罫線と交わるという前提条件に反するためである。かすれが検出されたので、ステップ1004のかすれ補正処理を行う。ここでは、罫線1101を左側延長線上で最も近い罫線1105と接続する。その結果、格子点(2、2)の交点符号は図46における1から5になり、格子点(1、2)の交点符号は図46における6から11になる。一方、下線1113から1115は枠罫線ではないので、左右の端点とも他の罫線と交わっていないにもかかわらず、かすれ補正の対象にしない。
【0045】
かすれ補正後の枠抽出処理の結果を図13に示す。図12で1つの枠(1201)として抽出された領域は、格子点(1、2)の交点を補正することにより、1300と1301の2つの枠として抽出されている。
【0046】
次に、第1パターンのかすれ検出方法について説明する。
【0047】
図14と図15は、図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理の詳細なフローの例である。図15は図14のステップ1401と1402の詳細処理の詳細なフローの例である。ステップ1403と1404は縦罫線に対して図15と同様の処理を行う。
【0048】
図14では、全ての枠に対して(1400)、ステップ1401から1404において上下左右の枠罫線の端点がかすれていないか検査する。
【0049】
図15では、上下の枠罫線である横罫線の端点のかすれを検査する。まず、枠罫線の左側の端点を検出する(1500)。左側端点が検査済みか否かを判定し(1501)、検出済みでなければ、左側端点で縦罫線と交わっているか否かを判定する(1502)。縦罫線と交わっていなければ、左側端点をかすれ端点としてリストに登録する(1503)。次に、枠罫線の右側の端点を検出する(1504)。右側端点が検査済みか否かを判定し(1505)、検出済みでなければ、右側端点で縦罫線と交わっているか否かを判定する(1506)。縦罫線と交わっていなければ、右側端点をかすれ端点としてリストに登録する(1507)。
【0050】
図12を例として図14と図15の処理を説明する。枠1200と1201の枠罫線は、全て端点で他の罫線と交わっているのでかすれ端点はない。枠1202では、下側の枠罫線1101が左側端点で縦罫線と交わっていないので、格子点(2、2)をかすれ端点として登録する。枠1203では、上枠罫線1101は枠1202の下枠罫線として既に検査済みなので、かすれ検出は行わない。以下、同様の処理を繰り返す。
【0051】
次に、第1パターンのかすれ補正方法について説明する。このパターンのかすれ補正では、補正可能なかすれを限定する。限定内容は、「かすれ補正対象の2点間を結ぶ線分に直交する罫線は1本以下」である。したがって、2本以上の罫線と交差するような広い範囲のかすれは補正の対象としない。かすれの範囲を限定することにより、補正の誤りを防ぐことができる。なお、上記の限定条件の他に、かすれ部分の長さの最大値を決め、この値以上であれば補正しないという条件を用いることもできる。
【0052】
図16から図18は、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理の詳細なフローの例である。図17は図16のステップ1600の詳細を示しており、図18はステップ1601の詳細を示している。
【0053】
図16の処理では、かすれ補正を2段階に分ける。まず、同一直線上にある罫線と接続する(1600)。この時、接続対象の罫線がなければそのままにしておく。次に、1600で接続されなかったかすれ罫線の端点を、直交関係にある罫線と接続する(1601)。接続対象を同一直線上の罫線と直交する罫線を分けるのは、同一直線上の罫線を補正対象とする場合に、「かすれ補正対象の2点間を結ぶ線分に直交する罫線は1本以下」という限定条件を利用するためである。この条件により、図19のような帳票画像が図20のようにかすれた場合に、罫線2000と罫線2001を誤接続することを避けることができる。図20では、かすれのため、罫線1908が2002と2003に、罫線1909が2004と2005に分れており、罫線1903と1904が2000と2001のように短くなっている。図16から図18の処理を行うことにより、誤って罫線2001と2001を接続せず、2002と2003、2004と2005を接続した後に、それらの罫線に2000と2001を接続する。詳細については、図17と図18を用いて後述する。
【0054】
図17は、図16のステップ1600の詳細な処理の例を示す図である。以下、図20を例としてこの処理を説明する。この処理では、かすれていると検出された端点の数だけ、以下の処理を繰り返す(1700)。まず、かすれた端点側の同一線上に他の罫線があるか否かを判定する(1701)。罫線があれば、同一線上にある罫線の端点とかすれた端点との間に、直交する罫線の本数が1本以下であるかを判定する(1702)。1本以下であれば、この2本の罫線を接続する(1703)。このとき、図20の2002と2003は、かすれによって2本に分れているために、実際には罫線2000の延長線と直交しない。しかし、このような罫線も、1本の直交する罫線とみなすことにする。2000の端点2006と罫線2001の端点2007の間に直交する罫線は、2002と2003を1本とみなした罫線と2004と2005を1本とみなした罫線の2本である。したがって、直交する罫線の数が1本以下でないため、罫線2000と2001は接続対象としない。一方、端点2008と2009の間には直交する罫線は1本だけなので、罫線2002と2003は接続対象となる。端点2011と2012も同様である。罫線を接続すれば、接続した端点をかすれ端点のリストから削除する(1704)。図20では、端点2006、2007、2008、2011をかすれ端点のリストから削除する。次に、罫線を接続した場合に、接続後の罫線の端点が他の罫線と交わっているか否かを判定する(1705)。接続後の罫線の端点が他の罫線と交わっていなければ、新しいかすれ端点とみなしてかすれ端点リストに追加登録する(1706)。ただし、既にこの端点がリストに登録されていれば登録しない。図20では、罫線2002と2003を接続した後、端点2010が他の罫線と交わっているか否かを判定する。端点2010はどの罫線とも交わっていないので、2010をかすれ端点として追加登録する。一方、罫線2004と2005を接続した場合は、端点2013が罫線1905と交わっているので、かすれ端点のリストには登録しない。
【0055】
図18は、図16のステップ1601の詳細な処理を示している。この処理は、ステップ1600で補正されずに残ったかすれ端点について行う。この処理では、かすれていると検出された端点の数だけ、以下の処理を繰り返す(1800)。まず、かすれ端点側に罫線を延長した線と直交関係にある罫線が存在するか否かを判定する(1801)。直交する罫線があれば、その中で最もかすれ端点に近い罫線まで、かすれた罫線を延長する(1802)。罫線が延長されれば、評価対象のかすれ端点をかすれ端点のリストから削除する(1803)。図20では、罫線2003を端点2010から罫線1905に延長し、端点2010をかすれ端点のリストから削除する。
【0056】
第2のパターンのかすれとして、孤立交点について説明する。孤立交点とは、枠の四隅以外の交点と定義する。孤立交点が検出されれば、帳票上の他の交点がかすれていると判定する。孤立交点の検出によりかすれを判定する理由は、他の交点がかすれているために、孤立交点が枠の四隅として選択されなかったとみなすからである。
【0057】
以下、第2パターンのかすれ検出と補正について、図21と図22を用いて処理の概要を説明し、図22から図24を用いてかすれ検出方法の詳細を説明し、図22と図25を用いてかすれ補正方法の詳細を説明する。
【0058】
まず、第2パターンのかすれ検出と補正処理の概要を説明する。
【0059】
図21は、かすれた帳票画像の例を示す図である。帳票画像上には、横罫線(2100から2102)と縦罫線(2103から2106)がある。縦罫線2104と2105は本来1本の罫線であるが、かすれのために2本になっている。
【0060】
図22は、図21の帳票画像に対して、図10のステップ203までの枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形2200から2202は、抽出された枠を表している。以下、図22を用いて処理の概要を説明する。格子点(1、0)は2200から2202のどの枠の四隅にもなっていない。したがって、格子点(1、0)を孤立交点と判定する。かすれの補正では、格子点(1、0)の交点形状が下向きのT字型なので、罫線2104を下向きに延長して罫線2101に接続する。交点(1、2)は、交点符号が図46の13から15に変更される。その結果、枠2200は2つに分割される。
【0061】
次に、第2パターンのかすれ検出方法について説明する。
【0062】
図23と図24は、孤立交点の検出に基づく、図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理の詳細なフローの例である。図24は図23のステップ2301の詳細処理の例を示した図である。ステップ2302から2304も図24と同様の処理を行う。
【0063】
図23では、全ての枠に対して(2300)、ステップ2301から2304において上下左右の枠罫線上に存在する孤立交点を検出する。
【0064】
図24では、枠の上側の枠罫線上の孤立交点を検出する。まず、上側の枠形線上で、枠の左端から右端までの間に(2400)、孤立交点がないか検査する(2401)。孤立交点があれば、孤立交点のリストに登録する(2402)。
【0065】
図22を例として図23と図24の処理を説明する。まず、枠2200の上側の枠罫線2100について孤立交点を検出する(2301)。格子点(1、0)は孤立交点なので(2401)、孤立交点リストに登録する(2402)。枠2200の下、左、右側の枠罫線については、孤立交点は存在しない。枠2201と2202の枠罫線上にも孤立交点は存在しない。なお、この処理例では枠罫線上の孤立格子点のみを検出したが、枠罫線以外の孤立交点を検出してもよい。
【0066】
次に、第2パターンのかすれ補正方法について説明する。
【0067】
図25は、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理の詳細なフローの例である。この処理では、孤立交点の数だけ、以下の処理を繰り返す(2500)。まず、孤立交点を構成する罫線のうち、枠罫線以外の罫線を延長し(2501)、最初に交差する罫線に接続する(2502)。
【0068】
図22を例として図25の処理を説明する。まず、孤立交点である格子点(1、0)を構成する罫線のうち、枠罫線でない罫線2104を下側に延長し(2501)、罫線2101に接続する(2502)。この結果、格子点(1、1)の交点符号は図46における4から6になり、格子点(1、2)の交点符号は図46における13から15になる。
【0069】
第3のパターンのかすれとして、外枠罫線のかすれについて説明する。ここで、外枠罫線とは表の最も外側の枠罫線であると定義する。
【0070】
第3のパターンのかすれに対する、図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理は、外枠罫線にかすれがないかどうかを判定することである。外枠罫線のの検出方法としては、表の最も外側の罫線を選択するなどの方法をとればよい。この時に、表は連続する枠の集合体であるので、連続する枠の領域を表の領域として検出した後に、表の最も外側の罫線を選択すれば、表の外側のノイズ成分を外枠罫線として検出することはない。
【0071】
第3のパターンのかすれに対する、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理は、かすれた外枠罫線同士を接続することである。
【0072】
図26は、表の外枠の罫線がかすれた帳票画像の例である。帳票画像上には、横罫線(2600から2602)、縦罫線(2603から2605)がある。罫線2602は、罫線2605と交わっているはずであるが、かすれのために交わっていない。以下、図26の帳票画像を入力例として、外枠罫線のかすれ補正処理の過程を説明する。6本の罫線のうち、外枠罫線として選択されるのは、2600、2602、2603、2605の4本である。このうち、罫線2602は端点2606がかすれており、罫線2605は端点2607がかすれている。そこで、罫線2602と2607を延長してかすれを補正する。
【0073】
第4のパターンのかすれとして、枠領域の重複について説明する。このパターンでは、複数の枠の間に重複した領域があれば、罫線がかすれていると判定する。枠領域の重複の検出によりかすれを判定する理由は、枠の四隅を検出して枠を抽出する場合、交点のかすれにより、枠を重複して抽出する場合があるからである。
【0074】
図27は、重複した枠が検出される帳票画像の例である。帳票画像上には、横罫線(2700から2702)、縦罫線(2703から2706)がある。罫線2704は、罫線2705と交わっているはずであるが、かすれのために交わっていない。
【0075】
図28は、図22の帳票画像に対して、図10のステップ203までの枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形2800から2803は、抽出された枠を表している。縦罫線のかすれのために、格子点(1、2)の形状が十字型ではなくT字型になっている。このために、枠2800と枠2801、枠2801と枠2803がそれぞれ重複した領域をもつ。以下、図28を例として、処理の例を説明する。
【0076】
第4のパターンのかすれに対する、図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理は、重複する枠の存在を検出することである。重複する枠があれば、リストに登録する。図28では、枠2800と枠2801、枠2801と枠2803重複しているとして登録される。
【0077】
第4のパターンのかすれに対する、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理の1つの例は、重複すると判定された枠の枠罫線のかすれを補正することである。枠2800と枠2801の例では、枠2801の左側枠罫線2704と罫線2705を接続することにより、かすれを補正する。罫線の接続により、格子点(1、1)の交点符号は図46における4から6になり、格子点(1、2)の交点符号は図46における13から15になる。この結果、枠2800と枠2801が分割されて4つの枠が検出される。
【0078】
第4のパターンのかすれに対する、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理のもう1つの例は、重複すると判定された枠の枠罫線を延長して直交する罫線に接続することである。図29は、枠領域が重複した帳票画像の例である。帳票画像上には、横罫線(2900から2902)、縦罫線(2903から2905)がある。図30は、図29の帳票画像に対して、図10のステップ203までの枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形3000と3001は、抽出された枠を表している。枠3000と枠3001は重複している。しかし、図27と図28で説明したかすれ補正方法では重複を救済することはできない。そこで、罫線2901と罫線2904の両方もしくは一方を延長して直交する罫線と接続する。この結果、枠3000と枠3001の重複が解消されて、罫線2901と罫線2904の両方を延長した場合は4つ、罫線2901と罫線2904の一方を延長した場合は3つの枠が抽出される。
【0079】
第5のパターンのかすれとして、枠として抽出されない領域について説明する。このパターンでは、表の領域内に枠として抽出されない領域があれば、罫線がかすれていると判定する。枠として抽出されていない領域の検出によりかすれを判定する理由は、枠の四隅を検出して枠を抽出する場合、交点のかすれにより、枠が抽出されない場合があるからである。
【0080】
図31は、枠として抽出されない領域が発生する帳票画像の例である。帳票画像上には、横罫線(3100から3103)、縦罫線(3104から3107)がある。罫線3105は、罫線3106と交わっているはずであるが、かすれのために交わっていない。
【0081】
図32は、図31の帳票画像に対して、図10のステップ203までの枠抽出処理の結果と検出した交点形状を示す図である。点線の四角形3200から3202は、抽出された枠を表している。縦罫線のかすれのために、罫線3101、3102、3106、3107に囲まれた領域が枠として抽出されていない。以下、図32を例として、処理の例を説明する。
【0082】
第5のパターンのかすれに対する、図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理の例は、枠として抽出されない領域を検出することである。
【0083】
第5のパターンのかすれに対する、図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理の例は、枠として抽出されない領域を囲む罫線のかすれを補正することである。図32では、罫線3106を3105と接続する。この結果、格子点(1、1)の交点符号は図46における9から11になり、格子点(1、2)の交点符号は図46における3から6になる。この結果、枠3201と枠3202の間にもう一つ枠が検出されて、枠として抽出されない領域が無くなる。
【0084】
図33は図10のステップ1001の罫線かすれ検出処理のもう一つのフローの例である。ステップ3300からステップ3304において、これまでに説明した5種類のかすれパターンを検出する。なお、図33では、5種類のかすれパターンを検出しているが、4種類以下でもよい。
【0085】
図34は図10のステップ1004の罫線かすれ補正処理のもう一つのフローの例である。これまでに説明した5種類のかすれパターンのそれぞれについて、検出されたかすれを補正する。なお、図34では、5種類のかすれパターンを補正しているが、4種類以下でもよい。
【0086】
図35は、本発明による表認識方法を用いた光学式文字認識装置の処理フローの例である。ステップ3500から3503の処理は、図2や図10の処理を用いることができる。以下、図35の処理を、図3に示す帳票画像の例と図7に示す図3の帳票画像に対する枠抽出結果を用いて説明する。ステップ3500から3503を実行することにより、図3の帳票画像から、図7の700から707の8個の枠が抽出される。ステップ3504の枠内画像切出しでは、700から707の枠について、枠内の画像のみを切り出す。枠700内の画像を切り出した例を図36に示す。なお、図36の点線による四角形3600は、枠の領域を示すものであり、帳票上に記載されているものではない。ステップ3505の文字行抽出では、ステップ3504で切出された画像から文字行の領域を抽出する。図36の例では、「12」と記載された部分が行として抽出される。文字行抽出方法の例としては、従来の技術に記載の連結成分融合法などがある。ステップ3506の文字行領域画像切出しでは、ステップ3504で切り出された画像から文字行の領域の画像のみを切り出す。ステップ3507の文字切出しでは、ステップ3506で切り出された文字行領域の画像から、1文字ごとの領域を特定して切出す。図36の例では、「1」と「2」の領域が切出される。ステップ3508の文字認識では、ステップ3507で切り出された1文字ごとの画像から、文字を特定する。
【0087】
図37は、本発明による表認識方法を用いた光学式文字認識装置の処理フローのもう一つの例である。図37の処理は、図35の処理のステップ3504と3505の間にステップ3700を追加したものである。以下、図37の処理を、図38に示す帳票画像の例を用いて説明する。
【0088】
図38では、「123」と記載された文字行3806上に罫線3801が交差している。この画像に対して、ステップ3504で文字行3806を含む枠内画像を切出した結果が図39である。この例では、文字行が枠からはみ出しているので、枠の領域より少し広い領域(3900)を切り出している。図39の画像に対して、ステップ3505で連結成分融合法を用いて文字行抽出をしても、文字行3806は抽出されない。この理由は、文字と罫線が交差しているため、文字単独の連結成分が生成されないためである。そこで、ステップ3700で、図39の画像から罫線3901から3904を除去する。罫線を除去した画像を図40に示す。この結果、文字領域のみの連結成分を生成することができるため、正しく文字行を抽出することができる。
【0089】
図41は、図3の帳票画像に対する表認識結果を表示する方法の例である。表示領域4108上に、帳票画像と枠抽出結果4100から4107を表示する。枠抽出結果は、罫線上に重ねて表示してもよいし、図41のように実際の枠の領域より少し内側に表示してもよい。
【0090】
図42は、図3の帳票画像に対する表認識結果を表示する方法の例である。表示領域4208上に、帳票画像と枠抽出結果4200から4207を表示する。枠抽出結果は、枠領域の色もしくは模様を変えて表示することにより、個々の枠領域をわかりやすく表示する。枠抽出結果は、罫線上に重ねて表示してもよいし、図41のように実際の枠の領域より少し内側に表示してもよい。
【0091】
図43と図44は、図3の帳票画像に対する表認識結果を表示する方法の例である。表示領域(4300、4400)上に、帳票画像と枠抽出結果、および検出した交点の形状を表示する。
【0092】
図45は、図3の帳票画像に対する表認識結果を表示する方法の例である。表示領域4500上に、検出した交点や端点の形状を表示する。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、罫線にかすれやノイズが存在する場合でも、高精度に表を認識することができる。また、本発明による表認識機能付きOCRでは、枠の位置をあらかじめ指定しなくても枠内の文字を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である表認識システムの構成図である。
【図2】表認識の処理フローを説明する図である。
【図3】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図4】図3で示した帳票画像に対する罫線抽出処理の結果を示す図である。
【図5】図3で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果を示す図である。
【図6】図3で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果を示す図である。
【図7】図3で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図8】図2のステップ203の処理フローの例である。
【図9】図8のステップ802の処理フローの例である。
【図10】罫線のかすれ補正機能をもつ表認識の処理フローを説明する図である。
【図11】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図12】図11で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図13】図11で示した帳票画像に対する罫線かすれ補正処理の結果を示す図である。
【図14】図10のステップ1001の処理フローの例である。
【図15】図14のステップ1401と1402の処理フローの例である。
【図16】図10のステップ1004の処理フローの例である。
【図17】図16のステップ1600の処理フローの例である。
【図18】図16のステップ1601の処理フローの例である。
【図19】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図20】かすれのある帳票画像の説明図である。
【図21】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図22】図22で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図23】図10のステップ1001の処理フローの例である。
【図24】図23のステップ2301の処理フローの例である。
【図25】図10のステップ1004の処理フローの例である。
【図26】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図27】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図28】図27で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図29】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図30】図29で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図31】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図32】図31で示した帳票画像に対する交点/端点検出処理の結果と枠抽出処理の結果を示す図である。
【図33】図10のステップ1001の処理フローの例である。
【図34】図10のステップ1004の処理フローの例である。
【図35】本発明の表認識方法を用いた文字認識装置の処理フローの例である。
【図36】図3で示した帳票画像に対する枠内画像切出し処理の結果を示す図である。
【図37】本発明の表認識方法を用いた文字認識装置の処理フローの例である。
【図38】認識対象である帳票画像の説明図である。
【図39】図38で示した帳票画像に対する枠内画像切出し処理の結果を示す図である。
【図40】図39で示した枠内画像に対する罫線除去処理の結果を示す図である。
【図41】本発明の表認識方法の結果を表示する例である。
【図42】本発明の表認識方法の結果を表示する例である。
【図43】本発明の表認識方法の結果を表示する例である。
【図44】本発明の表認識方法の結果を表示する例である。
【図45】本発明の表認識方法の結果を表示する例である。
【図46】表の罫線の交点や端点に付加する符号の例である。
【符号の説明】
100 帳票、
101 スキャナ、
102 認識/修正用計算機、
103データベース、
300〜304、314〜317 横罫線、
305〜309 横罫線。
Claims (4)
- 表形式帳票の表面画像を入力し、表の枠構造を認識する表認識方法において、
帳票画像から罫線を抽出し、
罫線の交点と端点を抽出し、
罫線の交点と端点との形状を符号化し、罫線の交点及び端点以外の部分は罫線の一部であると符号化し、罫線以外の領域は罫線なしであると符号化し、
表の構成要素である矩形枠の四隅に相当する右上角、左上角、右下角、左下角に相当する交点形状符号を検出して枠の位置を検出し、
該枠の検出結果を用いて、既に検出された枠の罫線である枠罫線のかすれを判定し、
該かすれた枠罫線を近傍の罫線と接続することによりかすれを補正し、
該接続により生成された交点の形状を符号化し、
新たに生成された交点形状符号と既に検出されている交点形状符号とを検出して、枠の位置を再検出することを特徴とする表認識方法。 - 請求項1に記載の表認識方法において、
枠の位置を検出した後に、上記枠罫線の一端が他の罫線と交差していない場合に、この一端はかすれていると判定し、
当該枠罫線を近傍の罫線と接続し、
該接続により生成された交点の形状を符号化し、
新たに生成された交点形状符号と既に検出されている交点形状符号とを検出して、枠の位置を再検出することを特徴とする表認識方法。 - 請求項1に記載の表認識方法において、
複数の連続する枠の位置を検出した後に、該複数の連続する枠の領域である表の外枠の枠罫線を検出し、
外枠の枠罫線にかすれがあれば、この枠罫線のかすれを補正し、
該枠罫線のかすれ補正により生成された交点の形状を符号化し、
新たに生成された交点形状符号と既に検出されている交点形状符号とを検出して、枠の位置を再検出することを特徴とする表認識方法。 - 請求項1記載の表認識方法において、
表を認識することにより個々の枠領域を特定し、
入力画像から枠領域の画像を切り出し、
枠内の文字行の領域を認識し、
文字行領域の画像から1文字ごとの画像を切出し、
文字を認識することを特徴とする表認識方法。
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