JP3935437B2 - トランスコバラミンii分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、診断分析方法の改善、特に、トランスコバラミンの分析に関する。
コバラミン、あるいはビタミンB12は、食物中に見られるビタミンB複合体の一部を形成する水溶性ビタミンである。その核となる分子は、必須のコバルト原子を取り囲む4つのピロールユニットのコリン環からなる。コバラミンは、動物または植物により合成することができず、腸内で食物から吸収しなければならない唯一のビタミンである。しかしながら、コバラミンは、肝臓に貯えることができる。コバラミンは、微生物により、特に、嫌気性菌および酵母菌により合成される。
コバラミンは、ビボでは、補酵素およびコバラミン酵素として機能し、三つの型の反応を触媒する。(i)分子内転移、例えば、L−メチルマロニルCoAからスクシニルCoAの形成。(ii)メチル化、例えば、ホモシステインのメチル化によるメチオニンの形成、および(iii)ある微生物における、リボヌクレオチドのデオキシリボヌクレオチドへの還元。哺乳類では、(i)および(ii)で特別に述べた2の酵素反応のみが、コバラミンを補酵素として必要とすることが知られている。
消化の過程では、ハプトコリンと呼ばれる唾液タンパク質、以下、HCと表すが(このものは、また、当技術分野では、集合名詞的に、RバインダーまたはトランスコバラミンIおよびIIと表される。)、それが消化管上部の中でコバラミンと結合し、複合体を形成し、それは胃を通過する。膵酵素は、前記コバラミンハプトコリン(ホロHC)複合体を回腸内で消化し、コバラミンを放出し、そのコバラミンは、つぎに胃粘膜から分泌される内因子と呼ばれるタンパク質と結合し、さらなる複合体を形成する。前記コバラミン内因子複合体は、末端回腸の裏地(lining)の中で特定のレセプターと結合し、その上で、放出因子により解離させられ、そして、前記コバラミンは、回腸の膜を通して、血管走行の中に活発に輸送される。
コバラミンは、検出可能な量の遊離形態では身体内を循環しない。おそらく、99%ほどのコバラミンは、トランスコバラミンまたはアルブミンの一つと結合している。
コバラミンを目標とする組織に輸送する原因であると信じられているタンパク質は、重要な微量タンパク質であるトランスコバラミンII(以下、トランスコバラミンまたはTCとする)であり、それなしでは、コバラミンは、細胞膜を通過することができない。この重要な代謝機能にもかかわらず、血清中の約6〜25%のコバラミンしかTCに結合せず、かつ、ほとんどは、HCにより運ばれる。TCは、血清、精液および脳脊髄液(cerebro-spinal fluid)中に最初に発見された45kDaの単一鎖のポリペプチドである。コバラミンに結合したTCあるいはホロTCは、細胞膜上の特定のレセプターに付着し、そして、いったん結合すると、前記ホロTCの複合体は、飲作用により細胞内に取り込まれる。
TCは、肝臓、脈管内皮、腸細胞(enterocyte)、マクロファージおよび繊維芽細胞により合成され、主としてアポTCの形態で、すなわち、結合したコバラミンなしで循環する。このものの半減期は、ほぼ90分と短い。
血漿中の全コバラミンの4分の1未満がTCと結合している。残りは、上に述べた他のトランスコバラミンまたはアルブミンと結合している。
コバラミンは食物から吸収しなければならないが、胃機能障害につながる任意の状態、例えば胃腸炎、または胃萎縮につながる状態、または機能的ハプトコリン、内因子、放出因子、TCもしくはTCレセプターを生産できないことは、コバラミンの吸収障害および結果としての欠乏症につながり得る。
ある個体群の個体、例えば、高齢の妊娠した女性、慢性または急性の胃腸病患者、自己免疫疾患に苦しむそのような個体、悪性貧血およびエイズに苦しむ家族歴を持つそのような個体は、特に、コバラミン欠乏症に陥りやすい。
コバラミン欠乏症の臨床症状は、多様でありかつ多数であるが、しかし、根本的には、貧血、巨赤芽球の造血(haematopoiesis)ならびに神経系統の機能的および構造的な障害に関係している。コバラミン欠乏症と診断された個体の約60%は貧血症であるが、しかし、多くの場合、神経症状だけが、観測される臨床症状である。約10%の患者は、精神医学的な症状を示し、かつ、約40%は、神経的および精神医学的の両方の症状を示す。
あるコバラミン欠乏症の現われ、特に、精神神経性効果は、早急に発見され、かつコバラミン療法により苦痛を和らげなければ元に戻せないので、コバラミン欠乏症の早期診断は、患者のための良い予想を確立するために重要である。
それゆえ、個体のコバラミンレベルを、適切かつ効果的な方法で、その個体がコバラミン欠乏症に苦しむか否かを確立する観点から、正確に評価することが望ましい。
血漿中コバラミン、すなわちHCまたはTCと結合したコバラミン(およびコバラミン類似物質)の総量の測定が、コバラミン欠乏を評価するための試みとして使用されてきている。この技術は、正常であると考えられる個体群における広範囲の濃度分布につながり、それゆえに、広い基準範囲を生み出す。個体に関しては、しかしながら、その個体について正常であると考えられる有効なコバラミンの範囲は極めて狭い。代謝活性コバラミンの濃度が自身の基準範囲から外に移動した個体であっても、その血漿中コバラミン総含有量は、個体群にとって正常であると考えられる範囲内に止まることが観測されたことがある。そのような環境下では、コバラミン欠乏症は、発見されないまま進行する可能性がある。そのような信頼性に欠ける方法は、明らかに望ましくなく、また、そのような血清または血漿中のコバラミンの測定は、診断上、低い感度および特異性しか持たないことがよく認識されている。
微生物学的定量は、成長についてコバラミンに依存する微生物に関係し、血漿中コバラミン濃度を測定するために用いられるが、適切な基準範囲を確立することの困難さに加え、これらの方法は、コバラミンの抽出と変換とを必要とし、それは、実験室での迅速なスクリーニングのためには、非常に時間を消費し、煩雑であり、全体として適切でない。
コバラミン欠乏を評価するために他にとり得る方法は、血漿中の代謝物質の蓄積を測定することに関係し、コバラミンを、その変換として必要とする。血漿中マロン酸メチルおよび血漿中ホモシステインのレベルは、コバラミン欠乏症の個体においては増加し、ビタミンB12欠乏症との相関関係についての候補物質分子であることを実証している。しかしながら、ホモシステイン評価に基づいた方法は、複雑であり、実用的でなく、不十分な特異性および感度しか示さないことが示されている。マロン酸メチルの測定に基づく方法は、正確で信頼できるが、扱いにくく、かつ、ガスクロマトグラフィーおよびマススペクトルを組み合わせた分析を必要とし、かつ、それゆえに高価であり、これもまた日常的な臨床のスクリーニングには適していない。
血漿中コバラミンの総量に対するものとして、TCに結合したコバラミンを測定することもまた、コバラミン欠乏症の可能性についての信頼できる臨床上の検出手段(indictor)を提供するであろうことが提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1参照。)。しかしながら、ホロTC濃度を定量するためのそのような努力は、今日までは、ほとんど間接的であり、ホロTC濃度を、血漿中コバラミンの総量とTCを除去した血漿中のコバラミン濃度との差として確立している。
そのようなTCの除去は、硫酸アンモニウム(例えば、非特許文献3参照。)、マイクロシリカ(例えば、非特許文献4、非特許文献5参照。)、マイクロファイングラス(microfine glass)(例えば、非特許文献6参照。)または固定化された抗TCポリクローナル抗体(例えば、非特許文献7参照。)への吸着によって成し遂げられる。全血漿中およびTC除去フラクション(depleted fraction)中のコバラミン濃度は、ラジオイムノアッセイまたは酵素イムノアッセイのような当業者に周知の方法により行われる。これらの方法は、自動化のまたは非自動化の日常的なスクリーニングには適していない。なぜならば、これらは、複雑で、時間がかかり、かつ、使用される前記吸着材の低い程度の特異性が、ホロTCとホロHCの不十分な分離につながり、さらに、ホロTCを多く見積もることにつながるからである。前記吸着材のロット間ばらつきはさらなる誤差を導き、かつ、さらに重要なことには、一の大きな体積から他の大きな体積の引き算は、受け入れられない不正確さおよび非信頼性につながる
TCを評価するための他の試みは、TCを、HCを含む他の血漿成分と、その親油性を利用して分離することに関係する。そのように、ヘパリンセファロース、シリカゲルまたはセルロースをそれぞれ用いて、TCをHCと分離する方法を開示されている(例えば、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10参照。)。これらの方法は、しかしながら、前記と同じ吸着材に頼るため、前記間接的方法と同じ欠点により損害を被る。また、ホロTCの低い血漿中濃度は、これらの方法を、すでに存在するコバラミン定量方法と組み合わせることを不適切にする。ホロTCの正常範囲は35〜160pMであり、35pM未満の数値は、一般的に、コバラミン欠乏症を示すと考えられている。血漿中コバラミンのためのもっとも日常的な方法について報告されている分析感度は、約40pMであるが、実際問題として、それはしばしばはるかに高く、典型的には約90pMである。このゆえに、正常なホロTCの血漿中レベルは、前記コバラミンの定量のための日常的な方法における前記感度限界よりも下かまたはその近くである。
TCに結合したコバラミンを定量するための方法として最近認識された、あるいは最も正確であるかもしれない方法は、TCをシリカに吸着させることと、つぎに、コバラミンを含む前記結合したフラクションを、イムノアッセイ(例えば、非特許文献11参照。)、または微生物学的検定法により検定することに関係し、後者の方が一見すると、最良の結果を生むように見える。この方法は、わずか20の検定を実行するのに、丸1労働日を必要とする。これは、非常に高価につき、かつ、非実用的であり、日常的な臨床上の診断の研究室における調査にほとんど適していない。
ホロTC濃度を測定するための代替方法として、例えば、無細胞試料を、TCに特異的な抗体が固定された磁化粒子、ならびに非重複、非固定、放射性同位体で識別したホロTCに特異的な抗体と接触させる等がある(例えば、特許文献2参照。)。前記粒子を磁界により分離して洗浄し、それらの放射能を測定することで、前記試料のホロTC含量の測定する。しかしながら、この方法は、較正を必要としているため、医師または医師助手による患者への治療の時よりも、臨床学的実験での使用により適している。
US4,680,273号 WO 00/17659号 Herbert et al. (1990) Am. J. Hematol. 34:132-139 Wickramasinghe and Fida (1993) J. Clin. Pathol. 46:537-539 Carmel (1974) Am. J. Clin. Pathol. 62:367-372 Herzlich & Hubert (1988) Lab. Invest. 58:332-337 Wickramasinghe & Fida (1993) J. Clin. Pathol. 46:537-539 Vu et al. (1993) Am. J. Hematol. 42:202-211 Lindemans et al. (1983) Clin. Chim. Acta 132:53-61 Kapel et al. (1988) Clin. Chim. Acta 172:297-310 Benhayoun et al. (1993) Acta Haematol. 89:195-199 Toft et al.(1994) Scand. J. Clin. Lab. Invest. 54:62 Kuemmerle et al. (1992) Clin. Chem. 38/10: 2073-2077
以上のことから、現在、治療の時で簡単かつ実施可能なホロTCのアッセイが必要とされている。
本発明は、そのような単純なアッセイを以下のようにして行うことができる方法を提供する。ホロTC含量だけでなくTC飽和量、すなわちホロ型のTCの割合を、2つの標識した特異的結合相手、具体的には1つはホロTCのためのもの、他方はアポTC、もしくはホロTCおよびアポTCのためのものを使用して、それら2つのラベルからのシグナル比を測定することで行うことができる方法を提供する。さらには、そのようなアッセイは、体積に依存しないため、使用する液体試料(例えば、体液)の量を正確に測定する必要がない。これは、治療時に使用するにあたって大きな利点である。
すなわち、一つの形態から見ると、本発明は、トランスコバラミン飽和度を測定するための分析方法であって、液体試料中に含まれるトランスコバラミンを、トランスコバラミン固定化リガンドを固定化した多孔質基質及びレポーターで標識したトランスコバラミン結合相手と接触させて、前記基質に固定化されたレポーター標識からのシグナルを検出する方法であり、前記リガンドが、下記のa)又はb)であり、前記結合相手が、下記c)又はd)であることを特徴とする。
a)ホロトランスコバラミンと特異的に結合可能な第1のリガンド及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2のリガンド、
b)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1のリガンドならびにホロ及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2のリガンド、
c)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1の結合相手及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2の結合相手、
d)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1の結合相手ならびにホロ及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2の結合相手。
一つの実施形態において、本発明の分析方法は、以下の工程を含む。
(i)トランスコバラミンを含む液体試料を、トランスコバラミン固定リガンドが固定されている多孔質基質と接触させる工程。
(ii)前記(i)工程の前、間または後において、前記試料のトランスコバラミンを、トランスコバラミンに対する第1および第2のレポーター標識結合相手と接触させる工程。ここで、前記第1の結合相手は、ホロトランスコバラミンおよびアポトランスコバラミンの双方に結合可能であるか、またはアポトランスコバラミンに特異的な結合相手であって、前記第2の結合相手は、ホロトランスコバラミンに特異的な結合相手である。
(iii)前記基質に固定された結合相手のレポーター標識からのシグナルを検出し、そのシグナルから前記試料中のトランスコバラミン飽和度を測定する工程。
また、前記基質は、ホロトランスコバラミンに特異的な結合相手であるリガンドが固定された第1の領域、およびアポトランスコバラミンに特異的な結合相手であるリガンドもしくはホロトランスコバラミンおよびアポトランスコバラミンの双方に固定可能であるリガンドが固定された第2の領域を持ち、さらに前記工程(iii)は、前記第1の領域および前記第2の領域からのシグナルを検出することを含む。
特異的な結合相手またはリガンドは、その特定の化学構造またはコンホメーションの効力によって、かつ、単に体液由来の試料中の多くの成分に共通するであろう一般的な物理化学的性質(例えば、親油性)によってでなく、TC(すなわち、アポTCおよび/または必要に応じてホロTC)と結合するものを意味する。
前記特異的結合相手またはリガンドは、例えば、抗体、抗体フラグメント、単一鎖の抗体、抗体フラグメント二量体、三量体もしくは四量体、またはアポTCおよび/またはホロTCに親和性を有する化合物、より具体的には、細胞表面の受容体、ポリペプチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、小有機化合物等である。ほかの特異的な結合相手またはリガンドは、コンビナトリアルケミストリー、ファージ提示ライブラリまたはDNAもしくはRNAの特異的結合配列から選択してもよい。
前記結合リガンドが抗体である場合、それはポリクローナル抗体であっても良いが、好ましくはモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体の方がポリクローナル抗体よりもはるかに大きい特異性および均質性を持たせて生産することができ、かつ、体液の他の成分、特に他のトランスコバラミンおよび適切には前記標的分析物の他のコンホメーションすなわちアポ形態との交差反応性を減少させる。モノクローナル抗体により与えられる均質性および再生産性は、ポリクローナル抗体のそれと比べて、検定において前記分析物がそのように低い濃度であるときに必要なより優れた精度を確立する。その他、それは、抗体フラグメント、例えば、F(ab)、F(ab’)2またはF(v)断片であっても良い。前記抗体または抗体フラグメントは、一価または二価であって良く、かつ、ハイブリドーマ技術により生産されても合成由来でも、また、組替えDNA技術または化学合成により発生させても良い。一本鎖抗体または他の抗体誘導体もしくは疑似物質を、例えば使用することができる。前記抗体は、必要に応じて、前記アポTCタンパク質および/またはホロTCタンパク質のあらゆるエピトープ、構成要素または構造により産生してもよい(directed or raised)。
本発明の分析方法に使用するホロTCに特異的な結合相手またはリガンド(sbp)は、(アポTCと比較して)ホロTCに対して少なくとも10倍の特異性を持つ必要があり、好ましくは少なくとも50倍であって、少なくとも100倍であることがより好ましい。すなわち、アポTCの量が過剰で、それが少なくとも10倍であっても、前記ホロTCsbpの多くが、アポTCよりもホロTCに結合する必要があるということである。それゆえ、宿主動物での抗体産生による選択よりもむしろ、ビトロの方法を使用して前記ホロTCsbpを選択することが好ましい。したがって、候補ホロTCsbpのスクリーニングは、ビトロのライブラリ、例えば、ファージ提示抗体(特に、単一鎖の抗体)のライブラリ、オリゴヌクレオチドライブラリまたは化学ライブラリを用いて行うことが好ましい。また、ホロTCに対する前記ホロTCsbpの親和性は、ナノモーラー濃度のホロTCを検出できることが好ましい。
例えば、候補ホロTCsbpは、基質(例えば、ビーズまたはシート)上にホロTCを、例えば、アミド結合により固定して選択してもよいし、過剰な固定されていないアポTCの存在下で、前記ライブラリをピックアップしてもよい。ついで、前記基質を完全に洗浄して、ホロTCに結合した候補を解離し、前記ライブラリの型にあった従来の手法により同定してもよい。
ついで、候補をアポTCへの交差反応試験をし、アポTCよりもホロTCに対して十分な選択性を有する候補を選択してもよい。また、候補ホロTCsbpをスクリーニングして、HCに交差反応するsbpを除外することが望ましい。
最も好ましくは、前記ホロTCsbpの結合領域を非ペプチド、例えば、有機小分子またはオリゴヌクレオチド(例えば、20〜50mer)とすることである。
候補アポTCsbpを同様の方法で選択してもよい。しかしながら、ホロTCsbpおよび非重複TCsbp(すなわち、アポTCおよびホロTCのどちらとも結合するもの)を使用することが好ましく、TCsbpは、下記文献等によりよく知られている(例えば、Quadros et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 222: 149-154 (1996)およびMcLean et al., Blood 89: 235-242 (1997)を参照。)。
ある候補ホロTCsbpおよびTCまたはアポTCsbpを一旦選択して、それらを従来の方法によりレポーター標識してもよい。
前記レポーターは、異なるリガンドが前記基質の異なる領域に結合していれば、同一であってもよい。しかしながら、異なるレポーターを使用することがよく、すなわちそれらのシグナルが識別できることが好ましい。
前記sbpのレポーター基は、いかなる従来のレポーター、例えば、発光体または吸収体、特に、電磁放射線または電磁吸収体、酵素であってもよく、放射性同位体で標識すること等も少なからず好ましい。酵素レポーター基を使用する場合、検出するシグナルは、前記酵素により触媒された反応からのシグナル、例えば、発行光である。すなわち、前記検出するシグナルは、直接または間接的に前記レポーター基により生じるものであればよい。
本発明においてsbpの標識に使用する検出可能な発色化合物または蛍光化合物の適当な例としては、アントラキノン、アゾ染料、アジン染料、例えば、オキサジンおよびチアジン、トリアジン、天然型顔料、例えば、ポルフィルン、フィコビリタンパク質、例えば、フィコエリチンおよびフィコキアニン、クロロフィルおよびその類似体ならびに誘導体、カロチノイド、アクリニジン、キサンチン、例えば、フルオレセインおよびローダミン、インディゴ染料、チオキサンチン、クマリン、ポリメチン、例えば、ジアリルメチンならびにトリアリルメチンおよびフタロシアニンならびに金属フタロシアニンの誘導体があげられる。
同様に、広範囲の放射性化合物をシグナル形成標識として使用してもよく、中でも、ヨウ素125標識した化合物を使用してもよい。
あるいは、前記sbpと、化学発光シグナルを生成できる天然化合物または合成化合物とを結合させて、前記シグナルを既知の方法により分析してもよい(例えば、Cormier, M.J. et al.; Chemiluminescence and Bioluminescence, Plenum Press, New York 1973参照。)。適当な化学発光化合物には、ルシフェリン、シュウ酸エステル、1,2−ジオキソエタン、ルミノールまたはそれらの誘導体等があげられるが、これらに限定されない。適当であれば、過酸化水素、酵素、例えば、ルシフェラーゼ、アルカリフォスファターゼまたは別の化学薬品を使用して、使用したシグナル発生分子からの化学発光シグナルを発生させてもよい。
複数のレポーター分子、例えば、酵素、発色団、蛍光団等を持つ高分子の「土台」に、前記sbpを結合することが好ましい。このようにすると、前記シグナルを、例えば、数百倍に増幅することができる。高分子の土台としては、例えば、デキストラン(例えば、アミデックス)、ポリエチレングリコールおよびデンドリマー(例えば、スターバーストデンドリマー)等が含まれる。
本発明において、強力な陰イオン性シグナルを発生する分子を使用することは好ましくない。その理由としては、それらは試料中に存在する血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)等と結合する傾向があるからである。使用するものの特に適当な例としては、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミンBまたはN−(レソルフィン−4−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸−N−ヒドロキシスクシニイミド−エステル)(resos)等があげられる。
前記レポーターが発光体または光吸収体である場合、前記レポーターが、前記シグナルを増幅させるために複数の発色団または蛍光団を含むことが特に好ましい(特に、前記標識したホロTCsbp)。特に好ましいレポーター群の一つは、時間遅延蛍光可能なレポーター群であって、別のものとしては誘引発光可能な群である。レポーターの具体例としては、β−ガラクトシダーゼおよびチキンアルカリフォスファターゼ等があげられる。
親和性分子、例えば、分離を目的とした抗体および抗体フラグメントを、例えば、前記リガンドを結合または共役させることにより、既知の固体担体または基質に固定することは、当業者に知られている。また、前記固体担体または基質は、従来幅広く使用されて、分離または固定することが提案されており、当業者に既知の方法により使用することができる。そのような固相は、例えば、小片、シート、ゲル、フィルター、膜、ファイバーまたはキャピラリー等の形状をとっていてもよい。前記リガンドを前記多孔質基質に結合させる方法は、大変よく知られていて、文献に広く記載されている。
本発明の方法において、前記基質は、多孔質シートまたは多孔質小片(例えば、セルロース系材料、好ましくはニトロセルロース)であることが好ましく、非多孔質担体上に貼り付けることが特に好ましく、また、適宜、毛細管現象により前記基質への前記液体試料の吸収を促進させるために背後に吸収支持剤を併用してもよい。すなわち、ある一つの好ましい実施形態において、好ましくは、吸収層に支持されている前記基質層は、ディップスティック上にマウントされている。別の好ましい実施形態において、好ましくは吸収層に支持されている前記基質層が、前記基質層の露出した表面に前記液体試料を適用し、前記基質層からのシグナルを読み取るための孔をもつプラスチックのケージングに担持されている。
シグナル発生は、必要に応じて、選択した標識に適した方法、例えば、光や酵素標識用基質を曝露することにより行うことができ、シグナルの検出は、前記放出されたシグナルを検出するために適当な検出器、例えば、放射能検出器または光検出器により行うことができる。特に、前記シグナルが光シグナルであれば、デジタルカメラを前記検出器として使用することが好ましく、必要であれば、フィルター、プリズムまたは前記検出器を所望の波長帯に到達させることを確実にするための別の手段を付していてもよい。
前記2つの標識したsbpからのシグナルの検出を、同時または連続して行ってもよいが、同時検出が好ましい。
検出シグナル操作を行い、TC飽和度の定量的指標、半定量的指標または定性的指標を得る。その方法は、例えば、コンピュータで行い、前記アッセイを行うために使用する機械内に組み込まれたものや前記アッセイの処理を制御するために手配されたもので行うことが好ましい。前記シグナルを形成する標識が前記sbpと異なる場合、前記アッセイは、通常の方法によって較正し、前記シグナル比(Sa/SbまたはSa/(Sa+Sb)、ここで、Saは、前記ホロTCsbpシグナルであり、Sbは、前記TCまたはアポTCsbpシグナルである。)をTC飽和値に変換することを必要とする。したがって、前記アッセイは、必要に応じて、アポTCおよびホロTCを既知の比率で含む較正基準を提供してもよい。
その他の実施形態において、本発明のいかなる方法も、表面プラズモン共鳴(SPR)検出器内のチップ型の基質の表面で行うことができる。このような方法の場合、特異的なリガンドまたは基質を活性させた標識の必要性がなくなり、前記表面に結合する特異的な結合リガンドまたは特異的な結合相手の付加質量により直接、結合を検出する。この形態の好ましい例において、TCIIバインダーは、SPR“チップ”の表面上に固定する(例えば、前記チップの金メッキにより、チオール接合TCIIバインダーの吸着または前記バインダーとデキストランメッキチップとのアミド結合により)。ついで、前記チップを前記表面プラズモン共鳴検出器中におき、前記試料を含む溶液を前記チップ上溢れさせ、固定されたリガンドに前記試料からホロTCおよびアポTCを結合させる。ついで、アポTCに特異的な第1の特異的なバインダーまたはアポTCおよびホロTCの双方に特異的な第1の特異的なバインダーを含む溶液を前記チップ上に溢れさせ、表面プラズモン共鳴により前記結合を測定し、第1のシグナルを得る。ついで、この第1の特異的なバインダーを洗い流してもよい。ついで、ホロTCのみに特異的な第2の特異的なバインダーを、前記チップ上を通過させる。ホロTCへの結合に呼応する第2のシグナルを表面プラズモン共鳴により検出する。ついで、前記第1のSPRと第2のSPRとの違いを用いて、前記TCII飽和度を計算する。SPRを使用することにより、「標識」または「レポーター標識」として記載したあらゆるリガンドまたは特異的な結合相手を、あらゆる付加標識または活性標識なしで、質量により検出することができる。この場合、前記「標識」は、単に、前記特異的な結合相手またはリガンドの質量である
前記基質に適用する試料は、体液または組織由来液体が好ましく、より好ましくは無細胞液体、特に哺乳類由来の血漿または血清、さらに特に人または患者由来の血漿または血清である。
さらなる形態からみると、本発明は、下記のものを含むアッセイキットを提供する。
TC固定リガンドが表面上に固定された多孔質基質;
トランスコバラミンに対する第1のレポーター標識結合相手および第2のレポーター標識結合相手。なお、前記第1の結合相手は、ホロトランスコバラミンおよびアポトランスコバラミンの双方を結合可能なものかまたはアポトランスコバラミンに特異的な結合相手であり、前記第2の結合相手は、ホロトランスコバラミンに特異的な結合相手であり;
洗浄剤(任意);
酵素レポーター標識のための基質(任意);
アポTCおよびホロTCを既知の比率で含む少なくとも1つの較正基準(任意);および
前記レポーター標識からのシグナルを検出できる検出器(任意)。
代替方法において、前記トランスコバラミン飽和度は、前記基質の異なる領域の2つのリガンドに結合させることにより測定することができ、第1の領域にホロ-TCを固定し、第2の領域にアポTC(またはアポTCおよびホロTC)を固定し、前記基質と前記TCを含む試料およびTCのためのレポーター標識したsbpとを接触させる。本発明のさらなる形態を形成するこの方法において、前記基質の異なる領域から前記シグナルを読み取り、前記シグナル比、すなわちSa/(Sa+Sb)またはSa/Sb(ここで、Saは前記ホロTCリガンド領域からのシグナルであって、Sbは前記アポTCまたはホロTCおよびアポTCリガンド領域からのシグナルである)は、TC飽和値の指標となる。本発明のこの形態または別の形態において、前記基質の「領域」は、例えば、膜の表面の異なる部分であっても、ディップスティック上の異なる膜表面であっても、ケーシングの異なる膜であっても、分離ビーズの異なる組(例えば、磁化できる一組、他のもの)であってもよい。
この構成において、本発明の分析方法は、例えば、下記工程を含む。
(i)トランスコバラミンを含む液体試料と、その異なる領域において第1および第2のトランスコバラミン固定リガンドが固定されている多孔質基質とを接触させる工程。ここで、前記第1のリガンドは、ホロトランスコバラミンに特異的に結合でき、前記第2のリガンドは、アポトランスコバラミンまたはアポトランスコバラミンおよびホロトランスコバラミンを固定できる。
(ii)前記工程(i)の前、間または後に、トランスコバラミンのためのレポーター標識した結合相手と前記試料のトランスコバラミンを結合させる工程。
(iii)前記基質の異なる領域上に固定した前記結合相手のレポーター標識からのシグナルを検出し、そこから前記試料中のトランスコバラミン飽和度を測定する工程。
したがって、さらなる形態からみると、本発明は、以下のものを含むアッセイキットを提供する。
異なる領域で、第1のトランスコバラミン固定リガンドおよび第2のトランスコバラミン固定リガンドが固定されている多孔質基質。ここで、前記第1のリガンドはホロトランスコバラミンに特異的に結合可能で、前記第2のリガンドはアポトランスコバラミン、またはアポトランスコバラミンおよびホロトランスコバラミンを固定可能である。;
トランスコバラミンのためのレポーター標識した結合相手。;
洗浄剤(任意);
酵素レポーター標識のための基質(任意);
アポTCおよびホロTCを既知の比率で含む少なくとも1つの較正基準(任意);および
前記レポーター標識からのシグナルを検出できる検出器(任意)。
以下の実施例および図面を用いて本発明についてさらに説明するが、本発明は、これらに限定されない。
図1は、TCリガンドが固定されている基質を示し;
図2は、2つの領域をもつ基質を示し、第1はホロTCIIに特異的な固定されたリガンドを含み、第2はアポTCIIに特異的な固定されたリガンドを持ち;
図3は、前記表面上に固定されたTCの抗体を持つ表面プラズモン共鳴検出器内のチップを示す。
図1において、「標識−sbp1」は、第1の標識を持つ第1の特異的な結合相手を示し、「sbp−標識2」は、結合した第2の標識を持つ第2の特異的な結合相手を示す。標識1からのシグナルは、前記ホロTCレベルに対応し、標識2からのシグナルが、全アポおよびホロTCレベルに対応することがわかる。
図2において、ホロTCIIは第1の領域(左側)に結合し、アポTCIIは第2の領域(右側)に結合していることがわかる。前記「sbp−標識1」は、結合した標識1を持つTCに特異的な結合相手を示す。このように、前記2つの領域からのシグナルは、前記ホロTC量およびアポTC量をそれぞれ示す。
図3において、チップ表面が、第1のモノクロナール抗体(mAb1)の結合により修飾されている。これは、試料のアポTCおよびホロTCへ結合する。また、前記第2の抗体(mAb2)は、ホロTCまたはアポTCに結合し、これにより、全TC量のSPRシグナルを得ることができる。前記第3の抗体(mAb3)は、ホロTCのみに結合するため、前記ホロTC量を示すSPRシグナルを得ることができる。
ホロTCsbpの生成
A)ビーズ上へのホロTCの固定
0.1M 2−(N−モルホリン)−エタンスルホン酸(MES)(pH5.0)中の0.2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミド(EDAC)1mlと0.1M MES(pH5.0)中の2%(w/v)カルボン酸を修飾したビーズ(直径1μm、Merck−Estapor社製)1mLとを混合した。前記混合物をバス・ソニケーション(bath sonication)して前記試薬を分散させ、ついで、室温で一時間、上下に回転させた。前記混合物を300gで遠心し、そのペレットを0.1M MES(pH7.0)で洗浄して遠心し、ついで1.0mLの脱イオン水で再懸濁した。プラスチック製の小さなバイアル瓶中で、前記EDAC活性化ビーズと0.1M 3−[N−モルホリノ]−プロパンスルホン酸(MOPS)(pH7.5)中の1mg/mLホロTCとを同量で混合し、室温で一晩回転させた。その後、前記混合物を0.05%Tween20(水溶液)で2回洗浄して、さらに5mg/mL BSAを含む50mM Tris緩衝液(pH7.4)で2回洗浄した。約10μg/mgのホロTCの単層を持つ被覆したビーズを、50mM Tris緩衝液(pH7.4)、0.15M NaClおよび1mg/mL BSA中で0.1%となるように保存した。
B) (i)前記目的分子としてのホロTCをもつアプタマーライブラリのバイオパンニング(biopanning)
化学工程および酵素工程の組み合わせにより、二本鎖DNA配列のライブラリを準備した。具体的には、40のヌクレオチド長の1014〜1015の一本鎖DNA(ssDNA)配列を合成し、ついで、酵素手法により二本鎖に変換した後、PCR増幅した。第2に、その二本鎖DNAを転写して、一本鎖RNAまたは修飾RNAのライブラリを得た。第3に、そのRNAライブラリを対象とする目的分子で調べた。その選択された分子を逆転写して、PCRにより増幅した(DNAライブラリに対してPCRが十分な程度にまで)。前記対象に結合した配列の部分集合は、第2回目のバイオパンニングのためにプールした。前記選択工程は、だいたい7〜15回行う。
明確なプライマーアニーリング配列に挟まれた40ヌクレオチドの連続配列を含む配列([5'-GGGAGGACGATGCGG-(N)40-CAGACGACTCGCCCGA-3'](配列番号1))をゲル精製した合成鋳型DNA5nmolを、プライマー5'-TAATACGACTCACTATAGGGAGGACGATGCGG-3'(配列番号2)および5'-TCGGGCGAGTCGTCTG-3'(配列番号3)でPCRを4サイクル行うことにより、増幅させた。前記PCR由来の鋳型DNA(約5×1014分子)約800pmolを3mLの転写反応液中のT7RNAポリメラーゼによりビトロで転写した。ここで、前記転写反応液は、40mM TrisHCl(pH8.0)、12mM MgCl2、1mMスペルミジン(Spermidine)、5mMジチオセレイトール(DTT)、0.002% Triton X−l00(v/v)、4%ポリエチレングリコール(w/v)、グアニジン−5’−トリホスフェート(GTP)、2’−NH2CTPおよび2’−NH2UTP(CTP=シチジン5’−トリホスフェートおよびUTP=ウリジン5’−トリホスフェート)前記各ATPを2mMずつ含む。全長転写生成物を、変性条件下で、8%ポリアクリルアミドゲルで精製し、結合緩衝液(10mM TrisHCl、0.1mM EDTA、2.5mM MgCl2、pH6.8)中に懸濁して70℃に加熱し、氷上で冷却した。
前記溶液中にビーズ上に固定した約10μgのホロTCおよび競合相手として100μgの固定されていないアポTCを加え、それらとともに、37℃で15分間、前記RNAプールを培養した。前記ビーズを遠心により分離し、その後すぐに5mLの結合緩衝液で洗浄した。pHを低くすることによりそのビーズから結合したRNA分子を溶離し、エタノール沈殿により回収し、プライマーとしてDNA配列5'-TCGGGCGAGTCGTCTG-3'(配列番号4)を用いて、鳥類の骨髄細胞症ウィルス転写酵素(Life Science)により、48℃で45分間逆転写した。前記cDNAのPCR増幅の後に、得られた二本鎖のDNA鋳型をビトロで転写して第2の選択用のRNAを得た。前記結合液中のビーズで覆われたホロTCの量を断続的に減らし、徐々に選択圧を増加させた。ホロTC用の豊富なRNAプールの親和性が十分に増加するまで、前記選択工程を繰り返した。この時点で、cDNAをプライマー5'-CCGAAGCTTAATACGACTCACTATAGGGAGGACGATGCGG-3'(配列番号5)および5'-GCCGGATCCTCGGGCGAGTCGTCTG-3'(配列番号6)でPCRにより増幅させ、前記PCR産物の5'-末および3'-末にBamHIおよびHindII制限酵素認識部位(下線部)をそれぞれ導入した。前記PCR産物をBamHIおよびHindII、酵素で短くし、エレクトロポレーションにより大腸菌由来のSURE(ストラテジーン)に導入した。プラスミドを単一のバクテリアクローンから短離し、選別し、従来技術で適当なもの、例えば、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, pp C1.に記載の方法を用いて配列を決定した。
RNAヌクレアーゼ耐性を比較するために、前記RNA分子をその糖の2'の位置で、例えば、アミノ置換等により改変しても良い。
前記ライブラリがRNAアプタマーに基づくものであろうとssDNAアプタマーに基づくものであろうと、もしくは前記ライブラリが偏っていようとなかろうと、前記バイオパンニング(biopanning)手法は本質的には同じものである。要するに、その違いは、ssDNAライブラリが転写を必要としていないことである。
(ii)ファージ提示ペプチドまたは抗体ライブラリとホロTCとのバイオパンニング
1pmolのファージ提示ライブラリを、100μL PBS−Tween10μgのビーズ上に固定したホロTCおよび100μgのアポTC、1mg/mL BSAまたは3% BLOTTOと混合した。(BLOTTOは、100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム中の5%w/v脱脂粉乳、pH7.4、0.01%消泡剤A、0.01%チメロサール(thimerosal)のことである)。その混合物を4℃で一晩インキュベートし、前記ビーズを遠心により選別し、1mL PBS−Tweenで9回洗浄し、標準食塩水で1回洗浄して、緩衝能力を除去した。前記ビーズを600μLの0.1Mグリシン−HCl緩衝液(pH2.2)に再懸濁して、15分後にそのビーズを3000gで3分間の遠心により選別した。その上清を除去して、36μLの2M Tris(pH9.0)で中和して、400μLの大腸菌(例えば、K91−Kan)と混合した。プラスミドを単一のバクテリアクローンから単離して、標準的な方法、例えば、Sambrook J. et al., supraに記載の方法により配列を決定した。前記結合反応および抽出反応を少なくとも3回行った。前記結合反応でBSAおよびBLOTTOを交互に使用して、これらのタンパク質に結合するファージの濃縮を抑制した。
セルロース紙上へのTC特異的な結合剤の固定
セルロース紙(例えば、Whatman No. 52)を最初に脱イオン水で3分間膨張させ、ついで、3%CNBr(aq)で処理した。そのpHを1mM NaOHの添加により10.5まで上昇させた。30分後、前記セルロース紙を500mLの5μM NaHCO3で12回、500mLの脱イオン水で2回、500mLの25%アセトン、50%アセトンならびに75%アセトンでそれぞれ2回ずつ洗浄した。最後に、500mLアセトンで4回洗浄し、室温で空気乾燥させた。
抗TC抗体の共有結合を、100mLの0.1M NaHCO3で10μg/mLまで前記抗体を希釈することにより行い、20gのcut paperを添加した。前記混合物を4℃で3時間穏やかに撹拌し、ついで室温で10分間10mL 0.5mM NaHCO3で2回洗浄し、30分間100mLの0.1M酢酸ナトリウム(pH4.0)で洗浄し、0.15M NaCl、0.1%Tweenおよび0.1%ゼラチンを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で2回洗浄した。前記抗体を充填した紙は、少量の前記緩衝液に保存した。
ついで、前記抗体を充填した紙の一部分を柔軟性のあるプラスチック製のディップスティックに付着させた。
分析
50μLのヒト血清を、実施例2により調製したディップスティックの膜パッドに塗布した。5分後、前記ディップスティックを100μLのTris緩衝化食塩水(TBS−100mM Tris、pH7.2、150mM塩化ナトリウム)ですすぎ、50μLの検出溶液を添加して5分間インキュベートした。前記検出溶液は、β−ガラクトシダーゼに接合する非重複、抗ヒトTC特異的モノクロナール抗体およびトリ由来のアルカリフォスファターゼに接合する実施例1のホロTCsbp(または非重複抗ヒトTC特異的モノクロナール抗体)を含む。ついで、前記ディップスティックを100μLのTBSですすいだ。TBS中のアルカリフォスファターゼに対する発光基質50μL添加した(例えば、0.25mM Tropix由来のCPD−Star)。前記ディップスティックを照度計で1秒から15分間測定した。ついで、前記ディップスティックを100μLのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)ですすぎ、PBS中のβ−ガラクトシダーゼに対する発光基質(例えば、0.1mM Tropix由来Galacton−Star)を50μLのアルカリフォスファターゼ阻害剤(例えば、40μM シクロヘキサンとリスメチレンスルホネート)を添加した。ついで、前記ディップスティックを再び前記照度計で読み取った。最初の読み取り値が前記ディップスティック上のホロTC量を示すのに対し、2回目の読み取り値は全TC量を示す。それらの比は、前記試料中のTCのコバラミン飽和値に独立した値を示す。
ヒト由来トランスコバラミンおよびヒト由来ホロトランスコバラミンに特異的なマウスモノクロナール抗体の開発
i)免疫
BALB/cメスマウスに、AdjuPrime 免疫変調成分(Pierce, IL, USA)と混合した組み換えヒト由来ホロトランスコバラミンを20μg免疫注射(i.p.)し、その後4週間ごとに20μgのブースター注射した。
ii)細胞融合
最後のブースター注射より4日後に脾臓を取り出し、PEG(ベーリンガー・マンハイム社製(ドイツ))を用いて脾臓嚢胞とHAT(ヒポサンチン,アミノプロテイン,チミジン(Hypoxanthine,Aminopterin,Thymidine);シグマ社製)感受性形質細胞種OUR1(X63-Ag8.653のサブクローン)とを細胞融合した。HAT存在下の培地(10% CPSR3(シグマ社製)添加DMEM/Ham's F12(インビトロゲン社製))を含む5×96Fトレイ(ヌンク(Nunc)社製)に、細胞融合生成物を塗布した。一週間後、HT(シグマ社製)を含む培地でその融合物を育てた。
iii)最初のスクリーニング
2週間後、固相捕捉アッセイを用いて、培地から前記ハイブリドーマをスクリーニングした。ヒツジ由来の抗マウスIgG抗体(メルク−エスタポア社製(Merck-Estapor)(フランス))で被覆した1μm磁化ビーズ1%の懸濁液10μLと前記細胞媒体とを混合し、室温で1時間保持した。マウスモノクロナール抗体と結合した磁化ビーズを、マグネットを用いて単離して、1mLリン酸緩衝液(pH7.2)、0.15M NaClおよび1mg/mLウシ血清アルブミンで4回洗浄した。57Coで標識したコバラミン(ICN、USA)で前処理したプールしたヒト血清(スキャンティボディ社製(Scantibodies)、USA)100μLで洗浄したビーズを再懸濁し、前記血清中のアポトランスコバラミンを57Coで標識したホロTCに変換した。前記混合物を室温で30分間保持して、マグネットを用いてビーズを単離した。前記ビーズに伴う放射能をガンマカウンターで計測した。
iv)クローニング
Balb/c腹膜フィダーセル(10000per cell)でプレシードした96ウェルFトレイ(ヌンク社製(Nunc))上で限界希釈することにより、抗トランスコバラミン抗体に陽性のウェルをクローニングした。陽性のクローンを選別し、100%のサブクローンが特異的な抗体を生成するまでクローニングを繰り返した。10%DMSO(シグマ社製)を含むCPR3(シグマ社製)中に細胞を入れ、液体窒素で凍結することに保存した。
第2のスクリーニング。細胞培地から抗体を前記した磁化ビーズ上に単離した。前記抗体で被覆したビーズ10μLと前述の57Coで標識した血清とを、組み換えヒト由来アポトランスコバラミンまたは組み換えヒト由来ホロトランスコバラミンの濃度を増加させた状態で混合した。
2つの抗トランスコバラミン抗体(mAb1およびmAb2)は、アポトランスコバラミンおよびホロトランスコバラミンの双方に対する親和性に基づいて選択し、1つのモノクロナール抗体(mAb3)は、ホロトランスコバラミンに対する特異性に基づいて選択した。それぞれのクローンをビトロで、テクノマウス社製のCL1000で拡張した(expanded)。タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーにより培地から抗体を精製した。要約すると、前記抗体を含む培地上清を、1M NaCl(結合緩衝液)を含む0.1M Tris(pH8.0)で1:1に希釈し、結合緩衝液で平衡化した前記タンパク質Aカラムに適用した。ついで、前記タンパク質Aカラムをカラムの15倍の容量の結合緩衝液で広範囲にわたって洗浄した。前記抗体を0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)で溶出し、1M Tris緩衝液(pH8.0)でpH7.0に中和して、セファデックスG−25カラムで0.15M NaClを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)に緩衝液を交換した。
TC特異的モノクロナール抗体mAb1のデキストラン被覆表面への固定
前記デキストランで被覆したチップ(ファルマシア社製、スウェーデン)のカルボキシル化した表面を0.05M N−ヒドロキシスクシニイミド(NHS)/0.2M N−エチル−N’−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC)で活性化し、脱イオン水ですすぎ、0.01 HEPES緩衝液(pH7.4)(0.15M NaCl、0.003M EDTAおよび0.005%ポリソルベート(HBS)含有)中で50μg/mLのmAb1(実施例4より)で共有的に被覆した。未反応のNHSは、1Mエタノールアミンにより反応を遮断し、前記チップをHBSで広範囲にわたって洗浄した。
ホロトランスコバラミン、mAb2およびmAb3と固定したmAb1との結合
前記結合の様子は、表面プラズモン共鳴を用いてリアルタイムで追跡し、ビアコア(Biocore)装置(ビアコア社製、スウェーデン)で行った。前記チップに結合する遊離リガンドの量を応答単位(RU)で測定し、なお、前記応答単位とは、結合したリガンドの量と固定したターゲットに対する親和性のどちらも踏まえたものである。mAb1を固定したチップ(実施例5)を前記装置に導入し、5μLの100nMホロトランスコバラミン、5μLの50μg/mL mAb2ならびに5μLの50μg/mL mAb3を連続して注入し、それぞれ注入の間に洗浄工程を行った。前記装置にホロトランスコバラミンを流入した後、565RUのmAb3と前記固定したmAb1とを結合した。ホロトランスコバラミンがない場合は、mAb2もmAb3も前記固定したmAb1を持つチップに結合しなかった。
図1は、TCリガンドが固定されている基質を示す模式図である。 図2は、2つの領域をもつ基質を示す模式図である。 図3は、前記表面上に固定されたTCの抗体を持つ表面プラズモン共鳴検出器内のチップを示す模式図である。
配列番号1 合成鋳型DNA、nはヌクレオチド
配列番号2 PCR用プライマー
配列番号3 PCR用プライマー
配列番号4 RTPCR用プライマー
配列番号5 PCR用プライマー
配列番号6 PCR用プライマー

Claims (19)

  1. トランスコバラミン飽和度を測定するための分析方法であって、液体試料中に含まれるトランスコバラミンを、トランスコバラミン固定化リガンドを固定化した多孔質基質及びレポーターで標識したトランスコバラミン結合相手と接触させて、前記基質に固定化されたレポーター標識からのシグナルを検出する方法であり、前記リガンドが、下記a)又はb)であり、前記結合相手が、下記c)又はd)であることを特徴とする分析方法。
    a)ホロトランスコバラミンと特異的に結合可能な第1のリガンド及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2のリガンド、
    b)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1のリガンドならびにホロ及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2のリガンド、
    c)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1の結合相手及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2の結合相手、
    d)ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1の結合相手ならびにホロ及びアポトランスコバラミンに結合可能な第2の結合相手。
  2. 請求項1記載の分析方法であって、下記の(i)〜(iii)の工程を含む方法。
    (i)トランスコバラミン固定化リガンドを固定化した多孔質基質と、前記試料を接触させる工程、
    (ii)前記工程(i)の前、間又は後に、レポーターで標識された第1及び第2の結合相手と、前記試料のトランスコバラミンを接触させる工程であって、前記第1の結合相手が、ホロ及びアポトランスコバラミンの双方に結合可能な結合相手、又は、アポトランスコバラミン特異的結合相手であり、前記第2の結合相手が、ホロトランスコバラミン特異的結合相手である工程、及び、
    (iii)前記基質に固定化した前記結合相手のレポーター標識からの信号を検出し、その信号から、前記試料のトランスコバラミン飽和度を測定する工程。
  3. 前記基質上に、ホロ及びアポトランスコバラミンの双方を結合可能な前記リガンドを固定化し、前記第1及び第2のレポーター標識からの信号は、内部で区別可能である請求項2記載の方法。
  4. 請求項1記載の分析方法であって、下記の(i)〜(iii)の工程を含む方法。
    (i)第1及び第2のトランスコバラミン固定化リガンドが、異なる領域に固定化された多孔質基質と、液体試料に含まれるトランスコバラミンを接触させる工程であって、前記第1のトランスコバラミン固定化リガンドが、ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能であり、前記第2のトランスコバラミン固定化リガンドが、アポトランスコバラミン又はアポ及びホロトランスコバラミンを固定化可能である工程、
    (ii)前記工程(i)の前、間又は後に、レポーター標識されたトランスコバラミン結合相手と、前記試料のトランスコバラミンと接触させる工程、及び、
    (iii)前記基質の異なる領域上に固定化した前記結合相手のレポーター標識からの信号を検出し、その信号から、前記試料のトランスコバラミン飽和度を測定する工程。
  5. 前記ホロトランスコバラミン特異的結合相手又は前記ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能なリガンドが、モノクローナル抗体を含む請求項2から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ホロトランスコバラミン特異的結合相手又は前記ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能なリガンドが、アポトランスコバラミンと対比してホロトランスコバラミンに少なくとも10倍の特異性を有する請求項2から5のいずれかに記載方法。
  7. 前記シグナルが、電磁放射線である請求項2から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記シグナルを、デジタルカメラにより検出する請求項7記載の方法。
  9. 前記試料が、血液又は血液由来の液体である請求項2から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記基質が、セルロースシートである請求項2から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記基質が、ディップスティック上にマウントされている請求項2から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記工程(i)において、前記試料を、前記多孔質基質の一方の面に塗布し、前記多孔質基質の対向する面に隣接した吸水性物質により促進される毛管現象により前記多孔質基質内に吸収させる請求項2から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記レポーター標識された特異的結合相手を、自身の質量のみで標識し、表面プラズモン共鳴により検出する請求項2から6のいずれかに記載の方法。
  14. 以下のものを含むアッセイキット。
    TC固定化リガンドが表面上に固定されている多孔質基質、ならびに、
    ホロ及びアポトランスコバラミンの双方に結合可能な結合相手又はアポトランスコバラミン特異的結合相手である第1のレポーター標識トランスコバラミン結合相手、及び、ホロトランスコバラミン特異的結合相手である第2のレポーター標識トランスコバラミン結合相手。
  15. 以下のものを含むアッセイキット。
    ホロトランスコバラミンに特異的に結合可能な第1のトランスコバラミン固定化リガンド、ならびに、アポトランスコバラミン又はアポ及びホロトランスコバラミンを固定化可能な第2のトランスコバラミン固定化リガンドが、異なる領域に固定化された多孔質基質、ならびに、
    トランスコバラミンのためのレポーター標識結合相手
  16. さらに、洗浄剤を含む請求項14又は15に記載のキット。
  17. さらに、酵素レポーター標識のための基質を少なくとも1つ含む請求項14から16のいずれかに記載のキット。
  18. さらに、アポTC及びホロTCを既知の比率で含む較正標準を少なくとも一つ含む請求項14から17のいずれかに記載のキット。
  19. さらに、前記レポーター標識からシグナルを検出可能な検出器を含む請求項14から18のいずれかに記載のキット。
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