JP3934029B2 - マルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置 - Google Patents

マルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上を流れるパケットを追跡するためのマルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置に関するものであり、特に、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができるマルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図25は、従来のパケット追跡システムの構成を示すブロック図である。同図に示したパケット追跡システムは、ネットワークを流れるパケットを追跡するためのシステムである。同図において、ネットワーク10A、10B、10Cおよび10Dは、パケットのルーティングを行うためのルータ20、21、22および23を経由して、相互接続されている。
【0003】
ネットワーク10Bには、ハブ30が設けられている。また、ネットワーク10Cには、ハブ31が設けられている。ホスト40Aは、パケットの送出元としてのコンピュータ装置であり、ネットワーク10Aに接続されている。サーバ40Cは、上記パケットの送出先としてのコンピュータ装置であり、ネットワーク10Cに接続されている。
【0004】
プロトコルアナライザ50Aは、ネットワーク10Aを通過するパケットを監視し、通信プロトコルの解析を行うための装置であり、ネットワーク10Aに接続されている。プロトコルアナライザ50Bは、ネットワーク10Bを通過するパケットを監視し、通信プロトコルの解析を行うための装置であり、ネットワーク10Bにハブ30を介して接続されている。プロトコルアナライザ50Cは、ネットワーク10Cを通過するパケットを監視し、通信プロトコルの解析を行うための装置であり、ハブ31を介して、ネットワーク10Cに接続されている。
【0005】
上記構成において、ホスト40Aからサーバ40Cへパケットが送出されると、該パケットは、ネットワーク10Aを通過した後、ルータ20によりルーティングされる。このとき、プロトコルアナライザ50Aでは、ネットワーク10Aにおけるパケットの通過が確認される。
【0006】
そして、パケットは、ハブ30およびネットワーク10Bを通過した後、ルータ22によりルーティングされる。このとき、プロトコルアナライザ50Bでは、ネットワーク10B(ハブ30)におけるパケットの通過が確認される。
【0007】
ここで、ルータ22とハブ31との間で障害が発生しているとすると、パケットは、ネットワーク10Cを通過しない。このとき、プロトコルアナライザ50Cでは、ネットワーク10Cにおけるパケットの非通過が発見され、障害箇所が特定される。このように、従来のパケット追跡システムでは、パケットの通信到達チェックや障害箇所の特定が行われる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−8998号公報
【特許文献2】
特開2002−218007号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、従来のパケット追跡システムでは、ネットワーク全体に亘って、複数台のプロトコルアナライザ(プロトコルアナライザ50A、50Bおよび50C)を設置し、パケットの通信到達チェックを行う旨を述べた。
【0010】
しかしながら、プロトコルアナライザが非常に高価(数百万〜数千万)な装置であり、図25に示したように、複数台のプロトコルアナライザを同時に設置して通信到達チェックや障害箇所の特定を行うことは、オペレータに要する稼動コストや、装置コストが非常に高くつくという問題があった。
【0011】
従って、従来においては、通常、1台のプロトコルアナライザを順次移動させながら、複数箇所でパケットの通過を監視し、通信プロトコルの解析を行うという、非常に時間も労力もかかる方法が採られている。
【0012】
さらに、従来では、高度な専門知識を有する熟練者でなければ、プロトコルアナライザの操作を行うことが困難であるため、例えば、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェック等を容易に行うことができないという問題もあった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができるマルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法にあっては、通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定する調査パケット設定工程と、前記通信ネットワークを介して前記調査パケットを前記送出先装置へ送出する送出工程と、前記通信ネットワークの要所にそれぞれ配置され各要所を通過した前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報をそれぞれ保持する複数のパケットプリンティング装置へ、前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信する検索要求工程と、前記複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける前記検索要求に対応する前記パケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に前記調査パケットの追跡ルートを特定する追跡ルート特定工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定し、通信ネットワークを介して調査パケットを送出先装置へ送出し、複数のパケットプリンティング装置へ、調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信し、複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける検索要求に対応するパケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に調査パケットの追跡ルートを特定することとしたので、追跡ルートに基づいて、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。
【0016】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法にあっては、前記調査パケット設定工程では、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて前記調査パケットを設定し、前記追跡ルート特定工程では、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて調査パケットを設定し、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うこととしたので、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。
【0018】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法にあっては、前記追跡ルート特定工程では、前記通信ネットワークの構成図に前記追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、通信ネットワークの構成図に追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することとしたので、障害箇所等をわかりやすく報知することができる。
【0020】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法にあっては、前記調査パケット設定工程と、送出工程と、検索要求工程および前記追跡ルート特定工程とは、それぞれ独立的に設けられた複数の装置により実行されることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、調査パケット設定工程と、送出工程と、検索要求工程および追跡ルート特定工程とを、それぞれ独立的に設けられた複数の装置により実行されることとしたので、負荷分散を図ることができる。
【0022】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法にあっては、前記複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることとしたので、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0024】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡プログラムは、上記の発明のいずれか一つに記載されたマルチプロトコルパケット追跡方法をコンピュータに実行させるためのものであり、コンピュータ読み取り可能となり、これによって、上記発明のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行することができる。
【0025】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡装置にあっては、通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定する調査パケット設定手段と、前記通信ネットワークを介して前記調査パケットを前記送出先装置へ送出する送出手段と、前記通信ネットワークの要所にそれぞれ配置され各要所を通過した前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報をそれぞれ保持する複数のパケットプリンティング装置へ、前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信する検索要求手段と、前記複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける前記検索要求に対応する前記パケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に前記調査パケットの追跡ルートを特定する追跡ルート特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定し、通信ネットワークを介して調査パケットを送出先装置へ送出し、複数のパケットプリンティング装置へ、調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信し、複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける検索要求に対応するパケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に調査パケットの追跡ルートを特定することとしたので、追跡ルートに基づいて、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。
【0027】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡装置にあっては、前記調査パケット設定手段は、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて前記調査パケットを設定し、前記追跡ルート特定手段は、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて調査パケットを設定し、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うこととしたので、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。
【0029】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡装置にあっては、前記追跡ルート特定手段は、前記通信ネットワークの構成図に前記追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、通信ネットワークの構成図に追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することとしたので、障害箇所等をわかりやすく報知することができる。
【0031】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡装置にあっては、前記調査パケット設定手段と、前記送出手段と、前記検索要求手段および前記追跡ルート特定手段とは、それぞれ独立的に設けられた複数の装置に設けられていることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、調査パケット設定手段と、送出手段と、検索要求手段および追跡ルート特定手段とを、それぞれ独立的に設けられた複数の装置に設けることとしたので、負荷分散を図ることができる。
【0033】
つぎの発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡装置にあっては、前記複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることとしたので、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかるマルチプロトコルパケット追跡方法、マルチプロトコルパケット追跡プログラムおよびマルチプロトコルパケット追跡装置の実施の形態1〜7について詳細に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。同図において、同図に示したマルチプロトコルパケット追跡システムは、複数種類の通信プロトコルのうち調査対象の通信プロトコルに応じた調査パケット450を追跡し、通信プロトコルに応じたネットワーク上の障害を調査するためのシステムである。
【0037】
同図において、ネットワーク100A、100B、100C、100Dおよび100E(以下、略して100A〜100Eと記載する場合がある)は、例えば、イントラネット内のネットワークであり、同図に示した接続状態で、ルータ(図示略)等を介して相互接続されている。
【0038】
すなわち、ネットワーク100Aは、ネットワーク100Bに接続されており、ネットワーク100Bは、ネットワーク100Cに接続されている。また、ネットワーク100Cは、ネットワーク100Dおよびネットワーク100Eに接続されている。
【0039】
パケットプリンティング装置200A、200B、200C、200Dおよび200E(総称して、パケットプリンティング装置200と記載する場合がある)は、ネットワーク100A、100B、100C、100Dおよび100Eに対応して設けられており、各ネットワークを流れるパケットの通過状態を監視するための装置である。
【0040】
従って、ネットワーク100A、100B、100C、100Dおよび100Eは、パケットプリンティング装置200A、200B、200C、200Dおよび200Eに監視される監視対象ネットワークとされている。
【0041】
また、パケットプリンティング装置200A、200B、200C、200D、および200Eのそれぞれは、タッピングなどの手法を用いてIP(Internet Protocol)アドレスなどの論理接続を持たない接続方式(ステルス接続方式)により接続されている。したがって、これらのパケットプリンティング装置200A、200B、200C、200Dおよび200Eのそれぞれは、監視対象ネットワーク内の他の装置から自己の存在を隠すことができる。
【0042】
一方、パケットプリンティング装置200A、200B、200C、200Dおよび200Eは、監視対象ネットワーク(ネットワーク100A、100B、100C、100Dおよび100E)とは独立に存在する管理用ネットワーク150にもIP接続方式で接続されている。
【0043】
なお、図1においては、管理用ネットワーク150が監視対象ネットワーク(ネットワーク100A、100B、100C、100D、100E)とは独立して存在するものとしているが、この接続形態に限定されるものではなく、監視対象ネットワークと論理的、物理的に同一な通信回線であってもよいし、物理的に同一であって、論理的に異なる通信回線であってもよい。
【0044】
ここで、IP接続方式は、上述したステルス接続方式とは異なり、管理用ネットワーク150に接続された他の装置(後述する調査パケット設定装置300、パケット送出装置400、管理システム装置500)から認識可能な接続方式である。
【0045】
これらのパケットプリンティング装置200A、200B、200C、200Dおよび200Eは、それぞれが接続されている監視対象ネットワーク(ネットワーク100A、100B、100C、100Dおよび100E)を通過するパケットのコピーを取り込み、コピーしたパケットを一意に特定するためのパケット特定情報を生成するとともに、このパケット特定情報を記憶する。
【0046】
ここで、パケット特定情報として最も一般的なのがハッシュ値と呼ばれるものである。このハッシュ値の生成には、ハッシュ関数と呼ばれる一方向性関数が用いられる。この一方向性関数に基づいて、パケットに含まれる文字、数字などを含んだ可変長の文字列データが固定長のデータに要約される。この要約された固定長データをハッシュ値と呼んでいる。なお、これ以降、このパケット特定情報をハッシュ値として説明する。
【0047】
図2(a)は、図1に示した調査パケット450の構造を示す図である。この調査パケット450は、図1に示した追跡(通過)ルートLの基点であるパケット送出装置400から、追跡ルートLの終点である送出先装置180Dへ向けて送出されるパケットである。この調査パケット450は、複数種類の通信プロトコルに対応している。
【0048】
この調査パケット450は、IPパケットであり、IPヘッダ、プロトコルヘッダおよびペイロードから構成されている。IPヘッダは、図2(e)に示したように、IPのバーションを表すVersionと、IPヘッダの長さを表すヘッダ長、交換するデータの種類によって、遅延、スループット、信頼性の優先順位を指定するためのTOS(サービス・タイプ)と、IPパケットの全長を表すトータル長と、IPパケットを識別するための識別子と、分割された最後のデータであるか否かを表すフラグと、本来のデータの位置を表すフラグメントオフセットという情報を備えている。
【0049】
さらに、IPヘッダは、通過可能なルータの残り個数(ホップ数)を表すTTL(Time To Live)と、通信プロトコルの番号に対応するProtocol番号と、IPヘッダ自身の内容が正しくやりとりできたか否かを検出するためのヘッダチェックサムと、IPパケットの送出元(この場合、パケット送出装置400:図1参照)に付与されたIPアドレスを表す送出元IPアドレスと、当該IPパケットの送出先(この場合、送出先装置180D:図1参照)に付与されたIPアドレスを表す送出先IPアドレスと、IPヘッダを32ビットの倍数の大きさにするために付加されるPAD部という情報を備えている。
【0050】
図2(a)に戻り、プロトコルヘッダは、トランスポートプロトコルを規定するためのヘッダであり、図2(b)〜(d)に示したように通信プロトコルに応じて、設定される。すなわち、図2(b)に示した調査パケット450(TCP(Transmission Control Protocol)パケット)は、通信プロトコルの一つとしてのTCPに対応するパケットである。
【0051】
この調査パケット450(TCPパケット)には、プロトコルヘッダ(図2(a)参照)として、通信プロトコルの一つとしてのTCPに対応するTCPヘッダが設定されている。このTCPは、メールやファイル転送等に利用される通信プロトコルであり、二つのプロセス間でデータ転送を行うための仮想回線を確立するためのコネクション型プロトコルである。
【0052】
TCPヘッダは、図2(f)に示したように、送出元(この場合、パケット送出装置400:図1参照)のポートを表す送出元ポート、送出先(この場合、送出先装置180D:図1参照)のポートを表す送出先ポート、シーケンス番号、ACK番号、オフセット、・・・、ウィンドウサイズおよびTCPチェックサムから構成されている。
【0053】
また、図2(c)に示した調査パケット450(UDP(User Datagram Protocol)パケット)は、通信プロトコルの一つとしてのUDPに対応するパケットである。この調査パケット450(UDPパケット)には、プロトコルヘッダ(図2(a)参照)として、UDPに対応するUDPヘッダが設定されている。このUDPは、非接続型(コネクションレス)のデータグラム・プロトコルである。
【0054】
UDPヘッダは、図2(g)に示したように、送出元(この場合、パケット送出装置400:図1参照)のポートを表す送出元ポート、送出先(この場合、送出先装置180D:図1参照)のポートを表す送出先ポート、UDPパケット長およびUDPチェックサムから構成されている。
【0055】
また、図2(d)に示した調査パケット450(ICMP(Internet Control Message Protocol)パケット)は、通信プロトコルの一つとしてのICMPに対応するパケットである。
【0056】
この調査パケット450(ICMPパケット)には、プロトコルヘッダ(図2(a)参照)として、ICMPに対応するICMPヘッダが設定されている。このICMPは、エラーメッセージや制御メッセージに関する通信プロトコルである。ICMPヘッダは、図2(h)に示したように、ICMPタイプ、ICMPコード、ヘッダチェックサム、フィールド1およびフィールド2から構成されている。
【0057】
図3は、図1に示したパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の構成を示すブロック図である。同図において、タッピング装置201は、接続する監視対象ネットワーク(ネットワーク100A、100B、100C、100D、100E)を通過するパケット(図1では、調査パケット450)のコピーを作成する。
【0058】
プリンティング制御部202は、あらかじめ、ハッシュ値を生成する方式(ハッシュ関数)をパケットプリンティング部203に指示しておく。パケットプリンティング部203は、プリンティング制御部202に指示された方式(ハッシュ関数)で、タッピング装置201がコピーしたパケットのハッシュ値を生成し、このハッシュ値に、パケットから抽出したTTL、パケットの通過時刻を表すタイムスタンプを関連付けて、これらの情報をキャッシュ部205へ渡す。
【0059】
キャッシュ制御部204は、キャッシュ部205に記憶されているハッシュ値の量を認識する。ここで、キャッシュ部205に記憶されているハッシュ値が一定量以上であった場合、キャッシュ制御部204は、キャッシュ部205に記憶されている最も古いハッシュ値を破棄する。
【0060】
キャッシュ部205に記憶されているハッシュ値が一定量以下であった場合、キャッシュ制御部204は、キャッシュ部205に記憶されている情報の最後尾に新しいハッシュ値、TTL、タイムスタンプを追加して記憶させる。このように、キャッシュ制御部204は、キャッシュ部205に記憶されているハッシュ値が常に一定量以下になるよう制御する。
【0061】
パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)は、監視対象ネットワーク(ネットワーク100A、100B、100C、100D、100E)を通過するパケットに対し、上述の動作を行っている。
【0062】
追跡エージェント部206は、管理用ネットワーク150と接続され、管理システム装置500からの検索要求を受け付け、キャッシュ部205の検索結果を検索応答として管理システム装置500へ返す機能を備えている。
【0063】
図1に戻り、調査パケット設定装置300は、調査パケット450を生成するために必要な調査パケット生成情報を設定する装置であり、管理用ネットワーク150を介して、パケット送出装置400および管理システム装置500と通信可能とされている。
【0064】
図4は、図1に示した調査パケット設定装置300の構成を示すブロック図である。同図において、パケット構成情報/プロトコル情報DB(データベース)301は、調査パケット生成情報の生成に必要なパケット構成情報やプロトコル情報を格納するデータベースである。
【0065】
この調査パケット生成情報は、調査内容入力で指定された通信プロトコルに応じて調査パケット生成情報設定部302で生成され、図9に示したように、送出元IPアドレス、送出元ポート、送出先IPアドレス、送出先ポート、ネットワークサービス名、TTL等から構成されている。従って、調査パケット生成情報設定部302においては、調査内容入力に応じて、調査パケット450で使用される通信プロトコルが設定される。
【0066】
図4に戻り、調査パケット生成情報送信部303は、調査パケット生成情報設定部302で生成された調査パケット生成情報を、管理用ネットワーク150を介して管理システム装置500およびパケット送出装置400へ送信する。
【0067】
図1に戻り、パケット送出装置400は、調査パケット設定装置300からの調査パケット生成情報に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450(図2(a)〜(d)参照)を生成する機能を備えている。また、パケット送出装置400は、マルチプロトコルパケット追跡に関する調査時に、生成された調査パケット450を、例えば、送出先装置180Dへ送出する機能を備えている。
【0068】
図5は、図1に示したパケット送出装置400の構成を示すブロック図である。同図に示したパケット送出装置400において、調査パケット生成情報受信部401は、調査パケット設定装置300から送信された調査パケット生成情報(図9参照)を管理用ネットワーク150を介して受信する。
【0069】
パケット構成情報/プロトコル情報DB402は、調査パケットの生成に必要なパケット構成情報やプロトコル情報を格納するデータベースである。調査パケット生成部403は、図10および図11に示したように、調査パケット生成情報受信部401で受信された調査パケット生成情報や、パケット構成情報/プロトコル情報DB402に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450(図2(a)〜(d)参照)を生成する。
【0070】
図5に戻り、調査パケット送出部404は、調査パケット生成部403で生成された調査パケット450を、例えば、送出先装置180D(図1参照)へ送出し、パケットプリンティング装置200で順次コピーされる。調査パケット情報生成部405は、図11に示したように、調査パケット生成部403で生成された調査パケット450にヘッダを付けて、調査パケット情報を生成する。
【0071】
図5に戻り、調査パケット情報送信部406は、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット情報を管理システム装置500へ送信する機能を備えている。送出済情報送信部407は、調査パケット送出部404より、調査パケット450が送出された場合に、調査パケット450が送出済みであることを表す送出済情報を、管理用ネットワーク150を介して管理システム装置500へ送信する機能を備えている。
【0072】
図1に戻り、管理システム装置500は、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)と通信可能な装置であり、パケット追跡マネージャとしての機能を備えている。
【0073】
図6は、図1に示した管理システム装置500の構成を示すブロック図である。同図に示した管理システム装置500において、パケット受信部501は、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット設定装置300から送信された調査パケット生成情報(図4参照)、またはパケット送出装置400から送信された調査パケット情報(図5、図11参照)を受信する機能を備えている。
【0074】
送出済情報受信部502は、管理用ネットワーク150を介して、パケット送出装置400から送信された送信済情報(図5参照)を受信する機能を備えている。パケット処理部503は、送出済情報受信部502で送出済情報が受信されたことをトリガーとして、調査パケット情報または調査パケット生成情報から調査パケットを生成する機能を備えている。
【0075】
図7は、図6に示したパケット処理部503の構成を示すブロック図である。同図において、処理選択部503aは、パケット受信部501で受信された情報(調査パケット情報または調査パケット生成情報)に基づいて、後段の処理を選択する。
【0076】
具体的には、調査パケット情報が受信された場合、処理選択部503aは、調査パケット情報抽出部503bの処理を選択する。調査パケット情報抽出部503bは、調査パケット情報(図11参照)から調査パケット450(図1参照)と同一の調査パケットを抽出する。
【0077】
一方、調査パケット生成情報が受信された場合、処理選択部503aは、調査パケット生成情報抽出部503cの処理を選択する。調査パケット生成情報抽出部503cは、調査パケット生成情報(図9参照)から調査パケットの生成に必要な情報を抽出する。
【0078】
調査パケット生成部503dは、調査パケット生成情報抽出部503cで抽出された情報およびパケット構成情報/プロトコル情報DB503eに基づいて、調査パケット450(図1参照)と同一の調査パケットを生成する。
【0079】
図6に戻り、プリンティング制御部504は、あらかじめ、ハッシュ値を生成する方式(ハッシュ関数)を、パケットプリンティング部505に指示しておく。なお、パケットプリンティング装置200のプリンティング制御部202(図3参照)で指定される方式と、管理システム装置500のプリンティング制御部504で指定される方式は常に同じ方式である。
【0080】
パケットプリンティング部505は、プリンティング制御部504から指示された方式(ハッシュ関数)で、パケット処理部503(図7参照)からの調査パケットのハッシュ値を生成する。追跡要求部506は、パケットプリンティング部505で生成されたハッシュ値を含む検索要求をパケットプリンティング装置200に送信するとともに、パケットプリンティング装置200からの検索結果を受信する。
【0081】
そして、パケットプリンティング装置200のそれぞれから送信された検索結果と、監視対象ネットワークおよび管理用ネットワーク150の構成情報を記憶する構成情報DB507とに基づいて、追跡ルート作成部508が、図1に示した調査パケット450の追跡ルートL(障害発生箇所を含む)を作成する。
【0082】
このようにして、追跡ルート作成部508が作成した調査パケット450の追跡ルートの情報がシステム管理者等に通知される。システム管理者等は、この追跡ルートの情報に基づき、調査パケット450で用いられた通信プロトコルに対応付けて障害の発生箇所の特定と、障害発生箇所を通過できなかった調査パケット450およびその通信プロトコルの特定が可能となる。
【0083】
つぎに、実施の形態1の動作について、図8に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図1に示したネットワーク100Aに接続されたパケット送出装置400から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0084】
図8に示したステップSA1では、図4に示した調査パケット設定装置300の調査パケット生成情報設定部302は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。
【0085】
ステップSA2では、調査パケット生成情報送信部303は、管理用ネットワーク150を介して、上記調査パケット生成情報を管理システム装置500およびパケット送出装置400の双方へ送信する。
【0086】
そして、ステップSA3では、管理システム装置500のパケット受信部501(図6参照)は、調査パケット設定装置300から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。
【0087】
一方、ステップSA4では、パケット送出装置400(図5参照)の調査パケット生成情報受信部401は、調査パケット設定装置300から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。ステップSA5では、調査パケット生成部403は、上記調査パケット生成情報、パケット構成情報/プロトコル情報DB402に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0088】
ステップSA6では、図5に示した調査パケット送出部404は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送され、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で受信(コピー)される。
【0089】
具体的には、調査パケット450がネットワーク100Aを通過した際、ステップSA7では、パケットプリンティング装置200A(図3参照)のタッピング装置201は、ネットワーク100Aを通過した調査パケット450をコピーする。
【0090】
ステップSA8では、パケットプリンティング装置200Aのパケットプリンティング部203(図3参照)は、調査パケット450からハッシュ値を生成する。ステップSA9では、パケットプリンティング装置200Aのキャッシュ部205(図3参照)には、パケットプリンティング部203で生成されたハッシュ値、TTL、タイムスタンプの情報が保存される。
【0091】
つぎに、調査パケット450がネットワーク100Bを通過した際、ステップSA7では、パケットプリンティング装置200B(図3参照)のタッピング装置201は、ネットワーク100Bを通過した調査パケット450をコピーする。
【0092】
ステップSA8では、パケットプリンティング装置200Bのパケットプリンティング部203は、調査パケット450からハッシュ値を生成する。ステップSA9では、パケットプリンティング装置200Bのキャッシュ部205には、パケットプリンティング部203で生成されたハッシュ値、TTL、タイムスタンプの情報が保存される。
【0093】
つぎに、調査パケット450がネットワーク100Cを通過した際、ステップSA7では、パケットプリンティング装置200C(図3参照)のタッピング装置201は、ネットワーク100Cを通過した調査パケット450をコピーする。
【0094】
ステップSA8では、パケットプリンティング装置200Cのパケットプリンティング部203は、調査パケット450からハッシュ値を生成する。ステップSA9では、パケットプリンティング装置200Cのキャッシュ部205には、パケットプリンティング部203で生成されたハッシュ値、TTL、タイムスタンプの情報が保存される。
【0095】
そして、ネットワーク100Cを通過した調査パケット450は、ネットワーク100Dの送出先装置180Dへ向けてルーティングされるが、ネットワーク100Cとネットワーク100Dとのリンクで発生した障害(ある原因により、所定の通信プロトコルに応じたパケットを通さない等)により、ネットワークDに伝送されない。
【0096】
この場合には、ネットワーク100Dを監視対象ネットワークとするパケットプリンティング装置200Dには、調査パケット450がコピー(受信)されない。従って、パケットプリンティング装置200Dのキャッシュ部205には、調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されていない。
【0097】
ステップSA10では、パケット送出装置400(図5参照)の送出済情報送信部407は、調査パケット450を送出先装置180Dへ送出したことを表す送出済情報を、管理用ネットワーク150を介して管理システム装置500へ送信する。
【0098】
そして、ステップSA11では、送出済情報が管理システム装置500(図6参照)の送出済情報受信部502に受信され、管理システム装置500で調査パケット450の追跡に関する処理が開始される。ステップSA12では、図7に示した処理選択部503aで調査パケット生成情報抽出部503cの処理が選択され、調査パケットの生成に必要な情報である調査パケット生成情報を抽出する。
【0099】
ステップSA13では、抽出された調査パケット生成情報、パケット構成情報/プロトコル情報DB503eに基づいて、調査パケット生成部503dで調査パケットが生成される。この調査パケットは、パケット送出装置400から送出先装置180Dへ送出された調査パケット450と同一のものである。
【0100】
ステップSA14では、パケットプリンティング部505(図6参照)は、パケット処理部503で生成された調査パケットからハッシュ値を生成する。ステップSA15では、管理システム装置500の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケットプリンティング装置200Aを選択する。
【0101】
ステップSA16では、管理システム装置500の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Aの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図1参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0102】
ステップSA17では、パケットプリンティング装置200Aの追跡エージェント部206(図3参照)は、管理システム装置500からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0103】
この場合、パケットプリンティング装置200Aのキャッシュ部205には、パケット送出装置400から送出された調査パケット450がネットワーク100Aを通過した際に、該調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されている。従って、パケットプリンティング装置200AにおけるステップSA17の検索結果は、OK(調査パケット通過)である。
【0104】
ステップSA18では、パケットプリンティング装置200Aの追跡エージェント部206は、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を管理システム装置500へ送信する。
【0105】
ステップSA19では、管理システム装置500(図6参照)の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Aからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0106】
具体的には、追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Aにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100Aを通過したものと特定する。
【0107】
ステップSA20では、追跡要求部506は、ステップSA19の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断する。ここでは、送出先装置180Dが接続されたネットワーク100Dを調査パケット450が通過したことが確認されるか、または障害発生箇所が特定されるまでは、検索継続が必要と判断される。この場合、追跡要求部506は、ステップSA20の判断結果を「YES」とする。
【0108】
ステップSA15では、管理システム装置500の追跡要求部506(図6参照)は、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケットプリンティング装置200Bを選択する。
ステップSA16では、管理システム装置500の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Bの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図1参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0109】
ステップSA17では、パケットプリンティング装置200Bの追跡エージェント部206(図3参照)は、管理システム装置500からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0110】
この場合、パケットプリンティング装置200Bのキャッシュ部205には、パケット送出装置400から送出された調査パケット450がネットワーク100Bを通過した際に、該調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されている。従って、パケットプリンティング装置200BにおけるステップSA17の検索結果は、OK(調査パケット通過)である。
【0111】
ステップSA18では、パケットプリンティング装置200Bの追跡エージェント部206は、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を管理システム装置500へ送信する。
【0112】
ステップSA19では、管理システム装置500(図6参照)の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Bからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0113】
具体的には、追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Bにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100Aおよびネットワーク100Bを通過したものと特定する。
【0114】
ステップSA20では、追跡要求部506は、ステップSA19の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「YES」とする。
【0115】
ステップSA15では、管理システム装置500の追跡要求部506(図6参照)は、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケットプリンティング装置200Cを選択する。
【0116】
ステップSA16では、管理システム装置500の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Cの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図1参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0117】
ステップSA17では、パケットプリンティング装置200Cの追跡エージェント部206(図3参照)は、管理システム装置500からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0118】
この場合、パケットプリンティング装置200Cのキャッシュ部205には、パケット送出装置400から送出された調査パケット450がネットワーク100Cを通過した際に、該調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されている。従って、パケットプリンティング装置200CにおけるステップSA17の検索結果は、OK(調査パケット通過)である。
【0119】
ステップSA18では、パケットプリンティング装置200Cの追跡エージェント部206は、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を管理システム装置500へ送信する。
【0120】
ステップSA19では、管理システム装置500(図6参照)の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Cからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0121】
具体的には、追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Cにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100A、ネットワーク100Bおよびネットワーク100Cを通過したものと特定する。
【0122】
ステップSA20では、追跡要求部506は、ステップSA19の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「YES」とする。
【0123】
ステップSA15では、管理システム装置500の追跡要求部506(図6参照)は、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケットプリンティング装置200Dを選択する。
【0124】
ステップSA16では、管理システム装置500の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Dの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図1参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0125】
ステップSA17では、パケットプリンティング装置200Dの追跡エージェント部206(図3参照)は、管理システム装置500からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0126】
この場合、ネットワーク100Cとネットワーク100Dとの間で発生した障害により、パケット送出装置400から送出された調査パケット450がネットワーク100Dに進入していないため、パケットプリンティング装置200Dのキャッシュ部205には、該調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されていない。従って、パケットプリンティング装置200DにおけるステップSA17の検索結果は、NG(調査パケット非通過)である。
【0127】
ステップSA18では、パケットプリンティング装置200Dの追跡エージェント部206は、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=NG)を管理システム装置500へ送信する。
【0128】
ステップSA19では、管理システム装置500(図6参照)の追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Dからの検索結果(=NG)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0129】
具体的には、追跡要求部506は、パケットプリンティング装置200Dにおけるハッシュ値の検索結果がNGであるため、調査パケット450がネットワーク100A、ネットワーク100Bおよびネットワーク100Cまで通過したが、ネットワーク100Dを通過していないと特定する。
【0130】
すなわち、追跡要求部506は、ネットワーク100Cとネットワーク100Dとの間で発生した障害の箇所、この障害により通過できない所定の通信プロトコル(調査パケット450で用いられた通信プロトコル)を特定する。
【0131】
ステップSA20では、追跡要求部506は、ステップSA19の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「NO」とする。ステップSA21では、追跡要求部506は、調査パケット450の追跡を終了する。
【0132】
なお、実施の形態1においては、調査パケット設定装置300で、調査パケット450における通信プロトコルを変えて、上述したパケットの追跡を繰り返し実行することにより、障害が発生する通信プロトコルと、障害が発生しない通信プロトコルとを容易に判別することが可能となる。
【0133】
以上説明したように、実施の形態1によれば、送出先装置180Dへ送出するための調査パケット450を通信プロトコル毎に設定し、通信ネットワークを介して調査パケット450を送出先装置180Dへ送出し、複数のパケットプリンティング装置200(200A〜200E)へ、調査パケット450を特定するためのパケット特定情報(ハッシュ値)を含む検索要求を送信し、複数のパケットプリンティング装置200(200A〜200E)のそれぞれにおける検索要求に対応するパケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に調査パケット450の追跡ルートを特定することとしたので、追跡ルートに基づいて、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。
【0134】
また、実施の形態1においては、調査パケット設定装置300で、調査パケット450における通信プロトコル、宛先アドレス(送出先IPアドレス)、差し出しアドレス(送出元IPアドレス)を変えて、調査パケットを設定し、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うようにしてもよい。
【0135】
この場合には、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができる。ここで、宛先アドレス、差し出しアドレスの変更は、アドレスを詐称してパケットを送出する場合を想定している。
【0136】
また、実施の形態1によれば、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400、管理システム装置500を独立的に設けることとしたので、負荷分散を図ることができる。
【0137】
(実施の形態2)
さて、前述した実施の形態1においては、図8に示したように、調査パケット設定装置300から管理システム装置500およびパケット送出装置400の双方へ調査パケット生成情報を送信する構成について説明したが、図13に示したように、パケット送出装置420で生成された調査パケットに対応する調査パケット情報を管理システム装置520へ送信する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態2として説明する。
【0138】
図12は、本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図1に示した調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500に代えて、調査パケット設定装置320、パケット送出装置420および管理システム装置520が設けられている。
【0139】
調査パケット設定装置320は、調査パケット生成情報をパケット送出装置420へ送信する機能を備えている。パケット送出装置420は、上記調査パケット生成情報から調査パケットを生成し、この調査パケットを表す調査パケット情報(図5参照)を管理システム装置520へ送信する機能を備えている。
【0140】
つぎに、実施の形態2の動作について、図13に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図12に示したネットワーク100Aに接続されたパケット送出装置420から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0141】
図13に示したステップSB1では、調査パケット設定装置320は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSB2では、調査パケット設定装置320は、管理用ネットワーク150を介して、上記調査パケット生成情報をパケット送出装置420へ送信する。
【0142】
ステップSB3では、パケット送出装置420は、調査パケット設定装置320から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。ステップSB4では、パケット送出装置420は、前述した動作と同様にして、上記調査パケット生成情報等に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0143】
ステップSB5では、パケット送出装置420は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送される。ステップSB6では、調査パケット450がパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で順次受信(コピー)される。
【0144】
ステップSB7では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)は、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSB8では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)のキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0145】
ステップSB9では、パケット送出装置420は、調査パケットに対応する調査パケット情報(図11参照)を生成する。ステップSB10では、パケット送出装置420は、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット情報を管理システム装置520へ送信する。
【0146】
ステップSB11では、管理システム装置520は、パケット送出装置420からの調査パケット情報を受信する。ステップSB12では、管理システム装置520は、調査パケット情報から調査パケットを抽出(図7参照)する。この調査パケットは、パケット送出装置420から送出先装置180Dへ送出された調査パケット450と同一のものである。
【0147】
ステップSB13では、管理システム装置520は、抽出された調査パケットからハッシュ値を生成する。以後、ステップSB14〜ステップSB20においては、図8に示したステップSA15〜ステップSA21と同様の処理が実行される。
【0148】
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0149】
(実施の形態3)
さて、前述した実施の形態1においては、図1に示したパケットプリンティング装置200(200A〜200E)、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500を独立的に設けた場合について説明したが、調査パケット設定装置300とパケット送出装置400とを一つの装置に統合する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態3として説明する。
【0150】
図14は、本発明にかかる実施の形態3の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図1に示した調査パケット設定装置300およびパケット送出装置400に代えて、調査パケット設定/パケット送出装置330が設けられている。
【0151】
この調査パケット設定/パケット送出装置330は、調査パケット設定装置300およびパケット送出装置400(図1参照)の機能を兼ね備えている。
【0152】
つぎに、実施の形態3の動作について、図15に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図14に示したネットワーク100Aに接続された調査パケット設定/パケット送出装置330から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0153】
図15に示したステップSC1では、調査パケット設定/パケット送出装置330は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSC2では、調査パケット設定/パケット送出装置330は、管理用ネットワーク150を介して、上記調査パケット生成情報を管理システム装置500へ送信する。
【0154】
ステップSC3では、管理システム装置500は、調査パケット設定/パケット送出装置330から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。ステップSC4では、調査パケット設定/パケット送出装置330は、前述した動作と同様にして、上記調査パケット生成情報等に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0155】
ステップSC5では、図15に示した調査パケット設定/パケット送出装置330は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送される。ステップSC6では、調査パケット450がパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で順次受信(コピー)される。
【0156】
ステップSC7では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)は、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSC8では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)のキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0157】
ステップSC9では、調査パケット設定/パケット送出装置330は、調査パケット450を送出先装置180Dへ送出したことを表す送出済情報を、管理用ネットワーク150を介して管理システム装置500へ送信する。
【0158】
そして、ステップSC10では、送出済情報が管理システム装置500に受信され、管理システム装置500で調査パケット450の追跡に関する処理が開始される。以後、ステップSC11〜ステップSC20においては、図8に示したステップSA12〜ステップSA21と同様の処理が実行される。
【0159】
以上説明したように、実施の形態3によれば、調査パケット設定装置とパケット送出装置とを統合し調査パケット設定/パケット送出装置330を設けた構成としたので、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0160】
また、実施の形態3は、調査パケット450の送出を調査対象のネットワーク上で行い、追跡調査を別ネットワーク上で行う場合に便利である(両者が分離せざるを得ない場合であって、ネットワークの問題でパケット送出装置を遠隔操作できない場合)。
【0161】
(実施の形態4)
さて、前述した実施の形態3においては、図15に示したように、調査パケット設定/パケット送出装置330から管理システム装置500へ調査パケット生成情報および送出済情報を送信する構成について説明したが、図17に示したように、調査パケット設定/パケット送出装置340から調査パケット情報を管理システム装置520へ送信する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態4として説明する。
【0162】
図16は、本発明にかかる実施の形態4の構成を示すブロック図である。この図において、図14の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図14に示した調査パケット設定/パケット送出装置330および管理システム装置500に代えて、調査パケット設定/パケット送出装置340および管理システム装置520(図12参照)が設けられている。
【0163】
つぎに、実施の形態4の動作について、図17に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図16に示したネットワーク100Aに接続された調査パケット設定/パケット送出装置340から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0164】
図17に示したステップSD1では、調査パケット設定/パケット送出装置340は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSD2では、調査パケット設定/パケット送出装置340は、調査パケット生成情報に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450(図16参照)を生成する。
【0165】
ステップSD3では、調査パケット設定/パケット送出装置340は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送される。ステップSD4では、調査パケット450がパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で順次受信(コピー)される。
【0166】
ステップSD5では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)は、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSD6では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)のキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0167】
ステップSD7では、調査パケット設定/パケット送出装置340は、調査パケットに対応する調査パケット情報(図11参照)を生成する。ステップSD8では、調査パケット設定/パケット送出装置340は、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット情報を管理システム装置520へ送信する。
【0168】
ステップSD9では、管理システム装置520は、調査パケット設定/パケット送出装置340からの調査パケット情報を受信する。ステップSD10では、管理システム装置520は、調査パケット情報から調査パケットを抽出(図7参照)する。この調査パケットは、調査パケット設定/パケット送出装置340から送出先装置180Dへ送出された調査パケット450と同一のものである。
【0169】
ステップSD11では、管理システム装置520は、抽出された調査パケットからハッシュ値を生成する。以後、ステップSD12〜ステップSD18においては、図8に示したステップSA15〜ステップSA21と同様の処理が実行される。
【0170】
以上説明したように、実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の効果を奏する。
【0171】
(実施の形態5)
さて、前述した実施の形態1においては、図1に示したパケットプリンティング装置200(200A〜200E)、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500を独立的に設けた場合について説明したが、調査パケット設定装置300と管理システム装置500とを一つの装置に統合する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態5として説明する。
【0172】
図18は、本発明にかかる実施の形態5の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図1に示した調査パケット設定装置300および管理システム装置500に代えて、調査パケット設定/管理システム装置350が設けられている。さらに、同図においては、図1に示したパケット送出装置400に代えて、パケット送出装置451が設けられている。
【0173】
この調査パケット設定/管理システム装置350は、調査パケット設定装置300および管理システム装置500(図1参照)の機能を兼ね備えている。パケット送出装置451は、パケット送出装置400の機能も備えている。
【0174】
つぎに、実施の形態5の動作について、図19に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図18に示したネットワーク100Aに接続されたパケット送出装置451から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0175】
図19に示したステップSE1では、調査パケット設定/管理システム装置350は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSE2では、調査パケット設定/管理システム装置350は、管理用ネットワーク150を介して、上記調査パケット生成情報をパケット送出装置451へ送信する。
【0176】
ステップSE3では、パケット送出装置451は、調査パケット設定/管理システム装置350から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。ステップSE4では、パケット送出装置451は、前述した動作と同様にして、上記調査パケット生成情報等に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0177】
ステップSE5では、パケット送出装置451は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送される。ステップSE6では、調査パケット450がパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で順次受信(コピー)される。
【0178】
ステップSE7では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)は、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSE8では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)のキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0179】
ステップSE9では、調査パケット設定/管理システム装置350は、調査パケット生成情報から調査パケットの生成に必要な情報を抽出する。ステップSE10では、調査パケット設定/管理システム装置350は、抽出された情報等に基づいて、調査パケットを生成する。この調査パケットは、パケット送出装置451から送出先装置180Dへ送出された調査パケット450と同様のものである。
【0180】
ステップSE11では、調査パケット設定/管理システム装置350は、生成された調査パケットからハッシュ値を生成する。以後、ステップSE12〜ステップSE18においては、図8に示したステップSA15〜ステップSA21と同様の処理が実行される。
【0181】
以上説明したように、実施の形態5によれば、調査パケット設定装置と管理システム装置とを統合し調査パケット設定/管理システム装置350を設けた構成としたので、オペレータが調査パケット設定/管理システム装置350のみを操作すれば良く、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0182】
(実施の形態6)
さて、前述した実施の形態1においては、図1に示したパケットプリンティング装置200(200A〜200E)、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500を独立的に設けた場合について説明したが、調査パケット設定装置300と管理システム装置500とを一つの装置に統合するとともに、パケット送出装置400とパケットプリンティング装置200とを一つの装置に統合する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態6として説明する。
【0183】
図20は、本発明にかかる実施の形態6の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図1に示した調査パケット設定装置300および管理システム装置500に代えて、調査パケット設定/管理システム装置360が設けられている。さらに、同図においては、図1に示したパケット送出装置400およびパケットプリンティング装置200A、200B、200C、200D、200Eに代えて、パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eが設けられている。
【0184】
この調査パケット設定/管理システム装置360は、調査パケット設定装置300および管理システム装置500(図1参照)の機能を兼ね備えている。パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eは、パケット送出装置400およびパケットプリンティング装置200A、200B、200C、200D、200Eの機能を兼ね備えている。
【0185】
つぎに、実施の形態6の動作について、図21に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図20に示したネットワーク100Aに接続されたパケット送出/パケットプリンティング装置460Aから、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0186】
図21に示したステップSF1では、調査パケット設定/管理システム装置360は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSF2では、調査パケット設定/管理システム装置360は、管理用ネットワーク150を介して、上記調査パケット生成情報をパケット送出/パケットプリンティング装置460Aへ送信する。
【0187】
ステップSF3では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、調査パケット設定/管理システム装置360から送信された上記調査パケット生成情報を受信する。ステップSF4では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、前述した動作と同様にして、上記調査パケット生成情報等に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0188】
ステップSF5では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送され、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aで受信されるとともに、ステップSF6では、調査パケット450がパケット送出/パケットプリンティング装置460B、460Cで順次受信(コピー)される。
【0189】
ステップSF7では、パケット送出/パケットプリンティング装置460B、460Cは、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSF8では、パケット送出/パケットプリンティング装置460B、460Cのキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0190】
ステップSF9では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、受信(コピー)した調査パケット450からハッシュ値を生成する。ステップSF10では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aのキャッシュ部(図示略)には、ハッシュ値等が保存される。
【0191】
ステップSF11では、調査パケット設定/管理システム装置360は、調査パケット生成情報から調査パケットの生成に必要な情報を抽出する。ステップSF12では、調査パケット設定/管理システム装置360は、抽出された情報等に基づいて、調査パケットを生成する。この調査パケットは、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aから送出先装置180Dへ送出された調査パケット450と同様のものである。
【0192】
ステップSF13では、調査パケット設定/管理システム装置360は、生成された調査パケットからハッシュ値を生成する。ステップSF14では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eの中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aを選択する。
【0193】
ステップSF15では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図20参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0194】
ステップSF16では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、調査パケット設定/管理システム装置360からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部(図示略)を検索する。
【0195】
この場合、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aのキャッシュ部(図示略)には、自身から送出された調査パケット450がネットワーク100Aを通過した際に、該調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されている。従って、パケット送出/パケットプリンティング装置460AにおけるステップSF16の検索結果は、OK(調査パケット通過)である。
【0196】
ステップSF17では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aは、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を調査パケット設定/管理システム装置360へ送信する。
【0197】
ステップSF20では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0198】
具体的には、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Aにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100Aを通過したものと特定する。
【0199】
ステップSF21では、調査パケット設定/管理システム装置360は、ステップSF20の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断する。ここでは、送出先装置180Dが接続されたネットワーク100Dを調査パケット450が通過したことが確認されるか、または障害発生箇所が特定されるまでは、検索継続が必要と判断される。この場合、調査パケット設定/管理システム装置360は、ステップSF21の判断結果を「YES」とする。
【0200】
ステップSF14では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eの中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bを選択する。
【0201】
ステップSF15では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図20参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0202】
ステップSF18では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bは、調査パケット設定/管理システム装置360からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索し、この場合、検索結果をOK(調査パケット通過)とする。
【0203】
ステップSF19では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bは、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を調査パケット設定/管理システム装置360へ送信する。
【0204】
ステップSF20では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0205】
具体的には、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Bにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100Aおよびネットワーク100Bを通過したものと特定する。
【0206】
ステップSF21では、調査パケット設定/管理システム装置360は、ステップSF20の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「YES」とする。
【0207】
ステップSF14では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eの中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cを選択する。
【0208】
ステップSF15では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図20参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0209】
ステップSF18では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cは、調査パケット設定/管理システム装置360からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索し、検索結果をOK(調査パケット通過)とする。
【0210】
ステップSF19では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cは、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を調査パケット設定/管理システム装置360へ送信する。
【0211】
ステップSF20では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0212】
具体的には、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Cにおけるハッシュ値の検索結果がOKであるため、調査パケット450がネットワーク100A、ネットワーク100Bおよびネットワーク100Cを通過したものと特定する。
【0213】
ステップSF21では、調査パケット設定/管理システム装置360は、ステップSF20の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「YES」とする。
【0214】
ステップSF14では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460A、460B、460C、460D、460Eの中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dを選択する。
【0215】
ステップSF15では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図20参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0216】
ステップSF18では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dは、調査パケット設定/管理システム装置360からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0217】
この場合、ネットワーク100Cとネットワーク100Dとの間で発生した障害により、調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されていない。従って、パケット送出/パケットプリンティング装置460DにおけるステップSF18の検索結果は、NG(調査パケット非通過)である。
【0218】
ステップSF19では、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dは、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=NG)を調査パケット設定/管理システム装置360へ送信する。
【0219】
ステップSF20では、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dからの検索結果(=NG)を受けて、調査パケット450の追跡ルートを特定する。
【0220】
具体的には、調査パケット設定/管理システム装置360は、パケット送出/パケットプリンティング装置460Dにおけるハッシュ値の検索結果がNGであるため、調査パケット450がネットワーク100A、ネットワーク100Bおよびネットワーク100Cまで通過したが、ネットワーク100Dを通過しなかったと特定する。
【0221】
すなわち、調査パケット設定/管理システム装置360は、ネットワーク100Cとネットワーク100Dとの間で発生した障害の箇所、この障害により通過できない所定の通信プロトコル(調査パケット450で用いられた通信プロトコル)を特定する。
【0222】
ステップSF21では、調査パケット設定/管理システム装置360は、ステップSF20の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「NO」とする。ステップSF22では、調査パケット設定/管理システム装置360は、調査パケット450の追跡を終了する。
【0223】
以上説明したように、実施の形態6によれば、調査パケット設定装置と管理システム装置とを統合し調査パケット設定/管理システム装置360を設け、さらにパケット送出装置とパケットプリンティング装置とを統合したパケット送出/パケットプリンティング装置460A等を設けた構成としたので、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0224】
また、実施の形態6によれば、ネットワーク上にパケット送出/パケットプリンティング装置460(460A、460B、460C、460D、460E)を複数配置した場合には、パケット送出装置の設置台数の増加と、システム全体における装置の設置台数の削減を同時に実現することができ、かつパケット送出機能を備えた装置の増加によって、様々なルートの調査を同時に行うことができる。
【0225】
(実施の形態7)
さて、前述した実施の形態1においては、図1に示したパケットプリンティング装置200(200A〜200E)、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500を独立的に設けた場合について説明したが、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500を一つの装置に統合する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態7として説明する。
【0226】
図22は、本発明にかかる実施の形態7の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。同図においては、図1に示した調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500に代えて、統合管理システム装置570が設けられている。
【0227】
この統合管理システム装置570は、調査パケット設定装置300、パケット送出装置400および管理システム装置500(図1参照)の機能が統合されたものである。
【0228】
つぎに、実施の形態7の動作について、図23に示したフローチャートを参照しつつ説明する。以下では、図22に示したネットワーク100Aに接続された統合管理システム装置570から、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を、ネットワーク100Dに接続された送出先装置180Dへ向けて送出し、調査パケット450を追跡することにより、障害発生箇所、通信プロトコルを特定するための動作について説明する。
【0229】
図23に示したステップSG1では、統合管理システム装置570は、調査内容入力に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット生成情報(図9参照)を設定する。ステップSG2では、統合管理システム装置570は、前述した動作と同様にして、上記調査パケット生成情報等に基づいて、所定の通信プロトコルに対応する調査パケット450を生成する。
【0230】
ステップSG3では、統合管理システム装置570は、調査パケット450を送出先装置180Dへ向けて送出する。これにより、調査パケット450は、追跡ルートLに沿って、ネットワーク100A→ネットワーク100B→ネットワーク100C→という順序で伝送される。ステップSG4では、調査パケット450がパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)で順次受信(コピー)される。
【0231】
ステップSG5では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)は、調査パケット450からハッシュ値をそれぞれ生成する。ステップSG6では、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C)のキャッシュ部205には、ハッシュ値等がそれぞれ保存される。
【0232】
ステップSG7では、統合管理システム装置570は、ステップSG2で生成された調査パケット450からハッシュ値を生成する。ステップSG8では、統合管理システム装置570は、パケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の中から、検索要求先のパケットプリンティング装置として、例えば、パケットプリンティング装置200Aを選択する。
【0233】
ステップSG9では、統合管理システム装置570は、パケットプリンティング装置200Aの位置を確認した後、管理用ネットワーク150を介して、調査パケット450(図22参照)に対応するハッシュ値を含む検索要求を送信する。
【0234】
ステップSG10では、パケットプリンティング装置200Aは、統合管理システム装置570からの検索要求を受け付け、検索要求に含まれるハッシュ値をキーとして、キャッシュ部205を検索する。
【0235】
この場合、パケットプリンティング装置200Aのキャッシュ部205には、調査パケット450に対応するハッシュ値が保存されている。従って、パケットプリンティング装置200AにおけるステップSG10の検索結果は、OK(調査パケット通過)である。
【0236】
ステップSG11では、パケットプリンティング装置200Aは、管理用ネットワーク150を介して、検索結果(=OK)を統合管理システム装置570へ送信する。
【0237】
ステップSG12では、統合管理システム装置570は、パケットプリンティング装置200Aからの検索結果(=OK)を受けて、調査パケット450の追跡ルート(ネットワーク100Aを通過)を特定する。
【0238】
ステップSG13では、統合管理システム装置570は、ステップSG12の特定に基づいて、検索継続が必要であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「YES」とする。以後、前述した動作が繰り返される。そして、ステップSG13の判断結果が「NO」になると、ステップSG14では、統合管理システム装置570は、調査パケット450の追跡を終了する。
【0239】
以上説明したように、実施の形態7によれば、調査パケット設定装置、パケット送出装置および管理システム装置とを統合し統合管理システム装置570を設けた構成としたので、設置や操作の手間を軽減させることができる。
【0240】
以上本発明にかかる実施の形態1〜7について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこれらの実施の形態1〜7に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0241】
例えば、前述した実施の形態1〜7のそれぞれにおいては、前述したパケット追跡機能を実現するためのプログラムを図24に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体1000に記録して、この記録媒体1000に記録されたプログラムを同図に示したコンピュータ900に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
【0242】
同図に示したコンピュータ900は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)910と、キーボード、マウス等の入力装置920と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)930と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)940と、記録媒体1000からプログラムを読み取る読取装置950と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置960と、装置各部を接続するバス970とから構成されている。
【0243】
CPU910は、読取装置950を経由して記録媒体1000に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述したパケット追跡機能を実現する。なお、記録媒体1000としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0244】
また、実施の形態1〜7においては、管理システム装置等で、調査パケット450の追跡ルートの特定結果(通信到達チェックの結果、障害箇所)を監視対象ネットワーク(ネットワーク100A〜100E)の構成を表すネットワーク構成図に反映させたものを、オペレータに提示するように構成してもよい。これにより、障害箇所等をわかりやすくオペレータに報知することができる。
【0245】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定し、通信ネットワークを介して調査パケットを送出先装置へ送出し、複数のパケットプリンティング装置へ、調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信し、複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける検索要求に対応するパケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に調査パケットの追跡ルートを特定することとしたので、追跡ルートに基づいて、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができるという効果を奏する。
【0246】
また、本発明によれば、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて調査パケットを設定し、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うこととしたので、通信プロトコル毎にきめ細かな通信到達チェックや障害箇所の特定を低コストかつ容易に行うことができるという効果を奏する。
【0247】
また、本発明によれば、通信ネットワークの構成図に追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することとしたので、障害箇所等をわかりやすく報知することができるという効果を奏する。
【0248】
また、本発明によれば、調査パケット設定工程と、送出工程と、検索要求工程および追跡ルート特定工程とを、それぞれ独立的に設けられた複数の装置により実行されることとしたので、負荷分散を図ることができるという効果を奏する。
【0249】
また、本発明によれば、複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることとしたので、設置や操作の手間を軽減させることができるという効果を奏する。
【0250】
また、本発明によれば、上記の発明のいずれか一つに記載されたマルチプロトコルパケット追跡方法をコンピュータに実行させることとしたので、上記発明のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行することができるという効果を奏する。
【0251】
また、本発明によれば、調査パケット設定手段と、送出手段と、検索要求手段および追跡ルート特定手段とを、それぞれ独立的に設けられた複数の装置に設けることとしたので、負荷分散を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した調査パケット450の構造を説明する図である。
【図3】図1に示したパケットプリンティング装置200(200A、200B、200C、200D、200E)の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した調査パケット設定装置300の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示したパケット送出装置400の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示した管理システム装置500の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示したパケット処理部503の構成を示すブロック図である。
【図8】同実施の形態1の動作を説明するフローチャートである。
【図9】図1に示した調査パケット設定装置300および管理システム装置500の動作を説明する図である。
【図10】図1に示した調査パケット設定装置300およびパケット送出装置400の動作を説明する図である。
【図11】図1に示したパケット送出装置400の動作を説明する図である。
【図12】本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図13】同実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明にかかる実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図15】同実施の形態3の動作を説明するフローチャートである。
【図16】本発明にかかる実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図17】同実施の形態4の動作を説明するフローチャートである。
【図18】本発明にかかる実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図19】同実施の形態5の動作を説明するフローチャートである。
【図20】本発明にかかる実施の形態6の構成を示すブロック図である。
【図21】同実施の形態6の動作を説明するフローチャートである。
【図22】本発明にかかる実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図23】同実施の形態7の動作を説明するフローチャートである。
【図24】本発明にかかる実施の形態1〜7の変形例の構成を示すブロック図である。
【図25】従来のパケット追跡システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100A,100B,100C,100D,100E ネットワーク
180D 送出先装置
200A,200B,200C,200D パケットプリンティング装置
300 調査パケット設定装置
400 パケット送出装置
450 調査パケット
500 管理システム装置
320 調査パケット設定装置
420 パケット送出装置
520 管理システム装置
330 調査パケット設定/パケット送出装置
340 調査パケット設定/パケット送出装置
350 調査パケット設定/管理システム装置
451 パケット送出装置
360 調査パケット設定/管理システム装置
460A,460B,460C,460D,460E パケット送出/パケットプリンティング装置
570 統合管理システム装置

Claims (11)

  1. 通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定する調査パケット設定工程と、
    前記通信ネットワークを介して前記調査パケットを前記送出先装置へ送出する送出工程と、
    前記通信ネットワークの要所にそれぞれ配置され各要所を通過した前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報をそれぞれ保持する複数のパケットプリンティング装置へ、前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信する検索要求工程と、
    前記複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける前記検索要求に対応する前記パケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に前記調査パケットの追跡ルートを特定する追跡ルート特定工程と、
    を含むことを特徴とするマルチプロトコルパケット追跡方法。
  2. 前記調査パケット設定工程では、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて前記調査パケットを設定し、前記追跡ルート特定工程では、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチプロトコルパケット追跡方法。
  3. 前記追跡ルート特定工程では、前記通信ネットワークの構成図に前記追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することを特徴とする請求項1または2に記載のマルチプロトコルパケット追跡方法。
  4. 前記調査パケット設定工程と、前記送出工程と、前記検索要求工程および前記追跡ルート特定工程とは、それぞれ独立的に設けられた複数の装置により実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のマルチプロトコルパケット追跡方法。
  5. 前記複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることを特徴とする請求項4に記載のマルチプロトコルパケット追跡方法。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか一つに記載されたマルチプロトコルパケット追跡方法をコンピュータに実行させるためのマルチプロトコルパケット追跡プログラム。
  7. 通信ネットワーク上における送出先装置へ送出するための調査パケットを通信プロトコル毎に設定する調査パケット設定手段と、
    前記通信ネットワークを介して前記調査パケットを前記送出先装置へ送出する送出手段と、
    前記通信ネットワークの要所にそれぞれ配置され各要所を通過した前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報をそれぞれ保持する複数のパケットプリンティング装置へ、前記調査パケットをハッシュ値化したパケット特定情報を含む検索要求を送信する検索要求手段と、
    前記複数のパケットプリンティング装置のそれぞれにおける前記検索要求に対応する前記パケット特定情報と同一のパケット特定情報が保持されているか否かについての各検索結果を受けて、通信プロトコル毎に前記調査パケットの追跡ルートを特定する追跡ルート特定手段と、
    を備えたことを特徴とするマルチプロトコルパケット追跡装置。
  8. 前記調査パケット設定手段は、通信プロトコル、宛先アドレス、差し出しアドレスを変えて前記調査パケットを設定し、前記追跡ルート特定手段は、通信プロトコル毎、宛先アドレス毎、差し出しアドレス毎に調査パケットの通信到達チェック、障害箇所の特定を行うことを特徴とする請求項7に記載のマルチプロトコルパケット追跡装置。
  9. 前記追跡ルート特定手段は、前記通信ネットワークの構成図に前記追跡ルートの特定結果を反映させたものを提示することを特徴とする請求項7または8に記載のマルチプロトコルパケット追跡装置。
  10. 前記調査パケット設定手段と、前記送出手段と、前記検索要求手段および前記追跡ルート特定手段とは、それぞれ独立的に設けられた複数の装置に設けられていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載のマルチプロトコルパケット追跡装置。
  11. 前記複数の装置のうち、二つ以上の装置が一つの装置に統合されてなることを特徴とする請求項10に記載のマルチプロトコルパケット追跡装置。
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