JP3931665B2 - Gas barrier laminate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種包装材料、成形材料として好適なガスバリアー性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品などの包装に用いられる包装材料においては、内容物の品質を保護する観点からガスバリアー性、特に酸素、水蒸気、二酸化炭素及び香気(アロマ、フレーバー)のバリアー性が重要な品質である。
このようなバリアー性素材を使用した包装材料は菓子袋、カツオパック、レトルトパウチ、ハムやソーセージなどの肉類包装、魚介類の包装、乳製品の包装、みそ類の包装、茶・コーヒー類の包装、炭酸ガス飲料容器、化粧品、農薬及び医薬品の包装など、多くの分野で利用されている。
一方、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂は強度、耐熱性、透明性などが優れているため広く包装材料として用いられている。
しかし、これらの熱可塑性樹脂からなるフィルムを包装素材として用いる場合、ガスバリアー性が不十分なため、ガスバリアー性を有する熱可塑性樹脂や、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、珪素蒸着フィルムなどと積層して包装材料とする方法が一般的である。
【0003】
ガスバリアー性の高い熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール(以下PVA)、ポリエチレンビニルアルコール(EVOH、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物)、ポリアルコール(ポリケトンの還元物)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などが挙げられるが、PVAやEVOHのような水酸基による水素結合によってバリアー性を発揮している高水素結合性樹脂は、高湿度(例えば20℃・80%RH以上)でのバリアー性が急激に低下する問題がある。また、PVDCは高湿度条件下でのバリアー性は優れているが高温時でのバリアー性の低下が大きい。また、PVDCは塩素化合物であるため、焼却時にダイオキシンの発生などの問題が生じるおそれがあり、地球環境問題に対する意識の高まりのため包装材料としての使用を極力控えようとするのが最近の情勢である。
【0004】
高湿度条件下での高水素結合性樹脂のガスバリアー性向上の方法として、高水素結合性樹脂に無機層状化合物を加えたガスバリアー層(特開平7−251489号公報)が示されている。
しかし、この技術で得られるガスバリアー層は、高水素結合性樹脂が親水性の極性基を有し、この極性基が水分子と水素結合することにより、樹脂自体が膨潤しやすい。膨潤した分子鎖の中は酸素分子が通りやすいため、ガスバリアー性が悪化する。従って、無機層状化合物の添加されているものの、高湿度条件下における満足すべきガスバリアー性が得ることはできない。また、高湿度条件下でのガスバリアー性を向上させるため無機層状化合物の配合量を増やすと、ガスバリアー層の透明性が低下、曇り度(ヘーズ)が大きくなり、包装材料として限られた分野でしか使用できなくなる。
【0005】
また、珪酸アルカリ金属塩溶液によりガスバリアー層を形成する従来技術がある。例えば、珪酸アルカリ金属塩溶液とカップリング剤からなる水性液を重合体成形品の表面に塗布して薄膜を形成させてガスバリアー性積層体を得る方法(特開平8−238711号公報)や、珪酸ナトリウム水溶液と珪酸リチウム水溶液を混合し、この混合物からガスバリアー素材を得る方法が挙げられる(特開平7−18202号公報)。
前者は蒸着などの操作を施すことなく、ガスバリアー性積層体を安価に製造できる利点があるが、ガスバリアー性が未だ不十分な場合があり、また塗膜強度や耐水性が劣るという問題が残る。
また後者のような珪酸アルカリ金属塩を主剤としたガスバリアー層は、珪酸アルカリ金属塩被膜の耐水性不足、及びクラック発生の問題を、完全に解決しているとは言い難い。
【0006】
一方、金属アルコキシドの加水分解によりガスバリアー層を形成する従来技術がある。例えば、特許第2556940号公報には、アルコキシシラン、シランカップリング剤及びポリビニルアルコールを含有する組成物を重縮合し、主成分が直鎖状ポリマーよりなる複合ポリマーからガスバリアー性積層フィルムを形成する技術が記載されている。しかしこの方法でも、高湿度条件下におけるガスバリアー性については満足のいく結果が得られていない。
【0007】
更に特開平11−129379号公報には、無機層状化合物と樹脂と金属アルコキシドの加水分解物からなるガスバリアー性積層体が記載されている。この方法は、無機層状化合物と樹脂を主剤とした塗料に、金属アルコキシドの加水分解物を更に添加するものであるが、後添した金属アルコキシドの加水分解物は樹脂と急激に縮合、ランダムな3次元網目構造をとるように反応が進行するため、このように形成されたガスバリアー層はポーラスなものとならざるを得ず、無機層状化合物が添加されていても高バリアー性は期待できない。
【0008】
本発明者らは、珪酸縮合物を用いたガスバリアー層について鋭意検討した。
珪酸縮合物とは、珪酸アルカリ金属塩、もしくはコロイダルシリカのことをさす。珪酸アルカリ金属塩は別名水ガラスと呼ばれ、珪酸ナトリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムなどが挙げられる。コロイダルシリカは、珪酸アルカリ金属塩からイオン交換樹脂を用いて脱アルカリ処理したのち縮合させコロイダル粒子としたものに代表される。
【0009】
珪酸アルカリ金属塩やコロイダルシリカは、その一次粒子がナノメーター以下あるいはナノメーターレベルの超微粒子であり、溶液中ではモノマー、ダイマー、トリマー、オクトマーなどと、これらが縮合したオリゴマーなどを数多く含んでおり、これら粒子は反応性の官能基を表面に有し、被膜形成時に各粒子が敷き詰められるだけでなく、乾燥すると縮合反応を起こして均一なバリアー性の膜を作る。
【0010】
本発明者らは、鋭意検討の結果、珪酸縮合物と平板状顔料を組み合わせによりガスバリアー層のクラック発生を防止したガスバリアー性積層体(特開2001−199016号公報)を出願した。しかし、珪酸縮合物と平板状顔料だけでは、高温高湿で長期に保持された場合に耐水性が不足し、支持体からの剥がれ脱落やクラックなどが発生する場合があり、使用条件に制約があった。
【0011】
この問題について更に検討した結果、珪酸縮合物と反応して縮合を促進する含窒素化合物を用い、ガスバリアー層の耐水性と支持体への密着性が向上したガスバリアー性積層体を得た(特願2000−067858号)。
しかし、珪酸縮合物の膜は無機質であるため、硬く、傷がつきにくいという利点があるが、一方で、包装用材料として使用する場合、使用用途によっては耐屈曲性が不足する場合がある。また、珪酸縮合物として珪酸アルカリ金属塩を使用する場合、珪酸アルカリ金属塩が強アルカリ性であるため、空気中の水分や炭酸ガスを吸収して塗膜が白変(白華現象)し、外観が損なわれるという欠点を有する。
【0012】
そこで本発明者らは、珪酸縮合物を含むガスバリアー層上に、更に高水素結合性樹脂を含むオーバーコート層を設けて柔軟性を付与し、塗膜の白変化が低減されたガスバリアー性積層体を提案した(特願2000−220059号)。
しかし、上記ガスバリアー性積層体においても、白華現象の防止は完全ではなく、更に、高湿度条件下でのガスバリアー性は短時間においては十分であるが、高湿度下で長時間(24時間以上)経過した後には不十分であった。
更に本発明者らは、白華現象の防止のために、バリアー層中あるいは水素結合性樹脂を含む第二のガスバリアー層中に酸性物質を含ませることで、白華現象あるいは高湿度、長時間における酸素バリアー性に良好なガスバリアー性積層体を提案した。
このようにして得られたガスバリアー性積層体は、通常そのままの形態では包装用積層体として使用されることは少なく、その多くは他のフィルムや積層体、紙、アルミ箔(これら全てを含めて他の基材とここでは称す)と積層して使用される。
他の基材と積層させる目的は、ヒートシール適性を向上させたり、包装体としての強度を上げたり、バリアー性を更に向上させるためなどである。
積層方法としては、ガスバリアー性積層体と他の基材を接着剤を介して接着する方法(ドライラミネート)や、また、他の基材が熱可塑性樹脂からなる場合には、該熱可塑性樹脂をガスバリアー性積層体上に押出しながら積層(押出ラミネート)する方法、また他の基材をガスバリアー性積層体に熱圧着させながら積層させる等の公知の方法がある。
他の基材と積層される場合には、該基材とガスバリアー性積層体の密着強度が包装体として用いる際に非常に重要である。密着強度が弱い場合は、他の基材とガスバリアー性積層体の間で剥離(デラミ)が発生して外観を著しく損ねたり、包装されたものを開封する時に、開封しづらくなるといった問題が発生する。
しかしながら、珪酸縮合物を含むガスバリアー層を有するガスバリアー性積層体は、他の基材との密着強度が弱くなる傾向があることが判明した。
【0013】
そこで本発明者らは、前記密着強度の向上について鋭意検討したところ、珪酸縮合物を含むガスバリアー層上に、疎水性樹脂を含むオーバーコート層を設けることで、他の基材との密着強度が強くなることを見出した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高湿度条件下大気中に長期間放置した場合においても優れたガスバリアー性を有すると同時に、他の基材との密着性にも優れた、包装用材料として好適なガスバリアー性積層体を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の方法をとる。
【0016】
即ち、本発明の第1は、支持体の少なくとも片面にガスバリアー層が形成されたガスバリアー性積層体において、ガスバリアー層が珪酸アルカリ金属塩あるいはコロイダルシリカから選ばれる少なくとも一種の珪酸縮合物及び平板状顔料を含み、前記ガスバリアー層上に疎水性樹脂を含むオーバーコート層が形成され、該疎水性樹脂がカチオン性を示す官能基を有するガスバリアー性積層体である。
本発明の第2は、支持体の少なくとも片面にガスバリアー層が形成されたガスバリアー性積層体において、ガスバリアー層が珪酸アルカリ金属塩あるいはコロイダルシリカから選ばれる少なくとも一種の珪酸縮合物及び平板状顔料を含み、前記ガスバリアー層上に疎水性樹脂を含むオーバーコート層が形成され、該オーバーコート層に、カチオン性の物質もしくは酸性物質の少なくともいずれかが含まれているガスバリアー性積層体である。
【0017】
本発明の第3は、珪酸縮合物が、一般式M2O・nSiO2(n>0、M=Na、K、Li)で表される珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムから選ばれた少なくともいずれか一種以上である本発明の第1〜2のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0018】
本発明の第4は、平板状顔料が、スメクタイト粘土及び雲母族から選ばれた少なくともいずれか一種以上である本発明の第1〜3のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0019】
本発明の第5は、疎水性樹脂が、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系共重合体から選ばれた少なくともいずれか一種以上である本発明の第1〜4のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0023】
本発明の第6は、酸性物質が、リン酸化合物、硫酸化合物、炭酸化合物、ホウ素化合物、珪酸化合物から選ばれた少なくともいずれか一種以上である本発明の第2〜5のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0024】
本発明の第7は、ガスバリアー層が、珪酸以外の酸性物質を含む本発明の第1〜6のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0025】
本発明の第8は、珪酸以外の酸性物質が、リン酸化合物、硫酸化合物、炭酸化合物、ホウ素化合物から選ばれた少なくともいずれか一種以上である本発明の第7記載のガスバリアー性積層体である。
【0026】
本発明の第9は、ガスバリアー層が有機官能基を有する金属アルコキシドの加水分解縮合物を含む本発明の第1〜8のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0027】
本発明の第10は、支持体とガスバリアー層の間にアンカー層が存在する本発明の第1〜9のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0028】
本発明の第11は、アンカー層が含窒素化合物あるいは高水素結合性樹脂から選ばれた少なくともいずれか一種以上を含む本発明の第10記載のガスバリアー性積層体である。
【0029】
本発明の第12は、オーバーコート層上に熱可塑性樹脂層を積層した本発明の第1〜11のいずれかに記載のガスバリアー性積層体である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳述する。
本発明におけるガスバリアー層とは、珪酸アルカリ金属塩あるいはコロイダルシリカから選ばれた少なくともいずれかの一種以上の珪酸縮合物と、平板状顔料を含むものである。
【0031】
珪酸縮合物のうち、珪酸アルカリ金属塩とはM2O・nSiO2(Mはアルカリ金属、n>0)で表される化合物である。通常は濃厚水溶液として取り扱われる。
アルカリ金属Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム等である。また、本発明においては、アンモニウムなどのカチオン性イオンもMの範疇に含まれるものとする。nはモル比ともいい、0.5〜10程度の範囲が好適である。モル比0.5未満では珪酸の縮合による膜形成能が低下したり、アルカリ金属塩の含有量が多すぎるため、耐水性、耐湿性が低下する場合が多く、白華現象も起きやすい。また、モル比が10を越えた場合には、クラックの発生などの塗工面の不具合が発生する恐れがある。
【0032】
尚、モル比が10を越える高モル比の珪酸アルカリ金属塩は一般には市販されていないが、但し、無定形シリカやコロイダルシリカに各種アルカリ金属水酸化物を添加して溶解する方法や、市販の珪酸アルカリ金属塩に、無定形シリカやコロイダルシリカを溶解する方法にて調製することが可能であり、このように調製された珪酸アルカリ金属塩も本発明では使用可能である。高モル比の珪酸アルカリ金属塩を使用する場合は、特定の形状をした非常に薄い平板状顔料を使用したり、0.5μm以下の極薄膜を形成するとこにより、薄膜厚さ方向の収縮が表面の収縮と同程度になるようにすると、クラックは発生しにくくなる。
【0033】
珪酸縮合物のうちコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムを無機酸で中和したり、シリコンエステルやシリコンハライドを加水分解することによって得ることができる。また、珪酸ナトリウムなど珪酸アルカリ金属塩をカチオンイオン交換樹脂層に通した後、アルカリでpHを調整し、その後加熱してコロイダルシリカの核を生成し、その液に更に上記カチオン交換樹脂層を通した珪酸ナトリウム液をゆっくりと滴下することによりにより得られる。滴下の速度を急激にすると縮合が急激に進み、アグリゲーションが発生しポーラスな構造となるため好ましくない。ゆっくりと滴下することにより核表面のシラノール基に順次モノマーがデポジットして粒子が成長する。pHを適度に調整し、滴下速度をゆっくりとすることでコロイダルシリカを数nmから数μmの任意の大きさまで成長させることができる。本発明で用いるコロイダルシリカの粒子径は数nm〜数百nmの範囲が好ましい。また、異なる粒子径のコロイダルシリカを組み合わせて使用することにより、充填率を大きくすることもできる。
【0034】
コロイダルシリカは、珪酸アルカリ金属塩と比較すると、成膜性やガスバリアー性に劣る場合がある。その場合、コロイダルシリカにアルカリ金属塩を添加してコロイダルシリカの表面のシロキサン結合を開裂させることで成膜性とガスバリアー性を向上させることができる。
【0035】
本発明に使用する珪酸縮合物としては、珪酸アルカリ金属塩とコロイダルシリカでは、ガスバリアー性の面だけから考えると、珪酸アルカリ金属塩がより好ましい。
珪酸アルカリ金属塩としては、アルカリ金属がナトリウムである珪酸ナトリウムの場合、モル比0.5のオルト珪酸ナトリウム(Na2O・1/2SiO2あるいはNa4SiO4)、モル比0.67のセスキ珪酸ナトリウム(3Na2O・2SiO2あるいはNa6Si2O7)、モル比1のメタ珪酸ナトリウム(Na2O・SiO2あるいはNa2SiO3)、モル比2の二珪酸ナトリウム(Na2O・2SiO2あるいはNa2Si2O5)、モル比4の四珪酸ナトリウム(Na2O・4SiO2あるいはNa2Si4O9、別名:珪酸ソーダ4号)などがある、また、日本工業規格JIS−K−1408で定められた珪酸ソーダ1号(モル比2)、2号(モル比2.5)、3号(モル比3)、メタ珪酸ナトリウム1種、メタ珪酸ナトリウム2種がある。
【0036】
アルカリ金属がカリウムである珪酸カリウムにおいてもその組成は種々なものがあるが、一例としてメタ珪酸カリウム(K2O・SiO2)、四珪酸カリウム(K2O・4SiO2・H2O、別名二珪酸水素カリウム)が挙げられる。アルカリ金属がリチウムである珪酸リチウムは、オルト珪酸リチウム(Li2O・1/2SiO2)、メタ珪酸リチウム(Li2O・SiO2)、3.5珪酸リチウム、7.5珪酸リチウム(Li2O・7.5SiO2)などがある。
また、例えばテトラメチルアンモニウムイオンをカウンターイオンとする珪酸アンモニウムのようなアンモニウム塩も、本発明においては珪酸アルカリ金属塩の範疇とする。
【0037】
これら珪酸アルカリ金属塩は、モル比によって縮合度が異なり、粒子径も異なってくる。その大きさはモル比が小さくなると液中への溶解度が大きくなるなどして明確に決めることはできないが、動的光散乱法から類推すると数nm以下のものが大部分であり、ガスバリアー層として密にパッキングすることができる。これら珪酸アルカリ金属塩は、二種類上混合して使用してもかまわないし、珪酸アルカリ金属塩とコロイダルシリカを二種類以上混合して使用してもかまわない。また、成膜性を上げるためにアルカリ金属塩を加えて使用してもかまわない。
【0038】
本発明のガスバリアー層中に平板状顔料が存在することにより、ガスバリアー層の体積の収縮に対する抵抗力(クラック防止)を向上させることができる。このような概念はプラスチック成形の分野にある。例えば、ガラス繊維をプラスチックに混練することにより、衝撃が加わった際に破壊に至るクレーズの発生を防止し強化プラスチックとする方法がとられている。本発明でも、平板状顔料を混入することで珪酸縮合物の縮合に伴うクラックの発生を防止し、珪酸縮合物からなる膜の強度を高めるものとすることができる。このような効果を得ることは、炭酸カルシウムに代表される球状顔料では難しく、平板状顔料に特有な効果である。
また、平板状顔料は比表面積が大きく、その表面は親水性であるため、平板状顔料の表面に接している珪酸縮合物のシラノール基は縮合することができない。結果として、大きな比表面積を持つ平板状顔料が珪酸の縮合を阻害してクラックを防止しているとも考えられる。
【0039】
また、平板状顔料は、珪酸縮合物の縮合に伴う収縮によるクラック発生の防止という効果のみならず、ガスバリアー性の向上に対して特異な効果をもたらす。平板状顔料とは、おおむね平板性を有する顔料であり、本発明においては、その長径と厚みの比(アスペクト比)が5以上のものをさす。本発明ではガスバリアー層に珪酸縮合物と平板状顔料を配合し、平板状顔料をガスバリアー層中に魚鱗状に敷き詰めることによりガスの進入を防止するものである。平板状顔料は無機物で結晶性を有するものであり、その平面方向から厚み方向にはガス分子が透過することがない。本発明ではこのような平板状顔料を敷き詰め、平板状顔料が層の厚み方向に幾重にも積み重なることにより、透過しようとするガス分子が平板状顔料を迂回して透過する、いわゆる曲路効果が発揮される。従って、汎用の顔料である炭酸カルシウムのような球形に近い形状の顔料を使用した場合と比較すれば数倍優れたガスバリアー性を得ることができる。
このような平板状顔料は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有している無機層状化合物が好ましい。「層状化合物」とは、層状構造を有する化合物ないし物質であり、「層状構造」とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファンデルワールス力等の弱い結合力によって平行に積み重なった構造やイオンで結合した平板性の高い顔料をいう。
【0040】
本発明に用いる平板状顔料としては、第1にはフィロケイ酸塩鉱物が挙げられる。フィロケイ酸塩鉱物に属するものは板状又は薄片状であり明瞭な劈開性を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物などがある。これらの中でも産出される時の粒子が大きく産出量が多い鉱物、例えば雲母族やタルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。もちろん、組成的にはタルクに類似する合成雲母などの合成品も本発明の範疇に含める。
合成雲母には、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。合成雲母には不純物が少なく、またアスペクト比の大きい雲母を選択できるという利点がある。雲母の合成方法は、水熱合成法(加圧加湿条件下で合成する方法)、固相反応法(タルクとケイフッ化アルカリ500〜800℃で数時間、固相反応させる方法)、熔融法(シリカ、アルカリ、フッ素を含む原料を約1500℃の高温で熔融化して合成する方法)などが挙げられるが、純度、結晶化度、コストの面で熔融法が好ましい。
【0041】
カオリンなどの粘土鉱物も一般的には平板結晶といわれているが、結晶一個をとれば平板の部分はあるが全体としては粒状である。しかし、カオリンのうち、意識的に結晶層を剥離し平板になるように切りだしたデラミカオリンなどは本発明に用いることができる。デラミカオリン等を顔料として使用した場合、ガスバリアー層に用いる顔料の粒子径は膜厚に対応して小さくする必要がある場合があり、これら顔料をボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級して所望の大きさにそろえる必要がある。
【0042】
本発明に用いる平板状顔料の第2は、積み重なった構造やイオンで結合した平板性の高い、いわゆる無機層状化合物である。無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物)、カルコゲン化合物〔式MX2で表わされるジカルコゲン化合物が例示される。ここで、MはIV族(Ti、Zr、Hf)、V族(V、Nb、Ta)又はVI族(Mo、W)の元素を、Xはカルコゲン(S、Se、Te)を示す。〕が挙げられる。
【0043】
本発明に用いる平板状顔料の第3として、スメクタイト族、バーミキュライト族、などの粘土鉱物を挙げることができる。より具体的には、ディッカイト、ナクライト、スメクタイト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト、マーガライト、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石、等を挙げることができる。また、層状ポリ珪酸塩である、カネマイト、マカタイト、アイラアイト、マカディアイト、ケニアイト等も挙げることができる。このような平板状顔料も無機層状化合物と呼ばれることもある。また、これらの合成品でもかまわない。合成スメクタイトにはナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどが挙げられる。これらは水熱合成や熔融法によって合成することができる。
【0044】
このうちスメクタイト粘土は特に好ましい。スメクタイト粘土は三層構造の結晶からなっており、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチプンサイト、ヘクタイトなどが知られている。また、モンモリロナイトを主成分とし他の成分を含む鉱物であるベントナイトや酸性白土などもスメクタイト粘土の範疇に入る。
【0045】
これらのスメクタイト粘土は、淡黄色あるいは白色の微粉末であり、その大きさは数nm〜数μmで、水中で膨張し独特のコロイド構造を作る。例えば、モンモリロナイトは、二つのシリカの間にアルミナ層がサンドイッチされた三層構造を一単位とし、このフレークが水を介して連なっており、水溶液中ではフレーク間の水のため、フレークはバラバラとなる。
【0046】
また、一般にスメクタイト粘土は水中に分散させると容易にコロイド状分散液、即ちゾルを形成するが、濃度が増すにつれてゲルを形成しやすくなり、顕著なチキソトロピー性を示す。このため、高濃度のスメクタイト粘土分散液を調製することが難しい。このような場合、解膠剤を添加すると安定した流動分散液(ゾル)となり塗料粘度が低下するため好ましい。解膠剤としては、多価リン酸塩、例えばヘキサメタリン酸塩、ポリリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム等)が例示できる。特にピロリン酸ナトリウムは性能/価格比に優れ好ましい。
【0047】
平板状顔料の粒子径は10nmから10μmの間にあるものが好適であり、より好ましくは10nmから5μm程度である。10nm未満であると平板性が有効に働かず、塗工層の乾燥中に支持体に平行に並ぶことが難しく、曲路効果を示しにくい。一方10μmを越えるとヘーズの上昇等の外観不良の原因となったり、や珪酸縮合物の成膜性が低下するため好ましくない。
【0048】
また、本発明に使用可能な平板状顔料は、ガスバリアー性積層体の透明性の点からは、粒径1μm以下であることが好ましい。更にガスバリアー性積層体がフィルムであり、特に透明性が重要視される用途(例えば食品用途)に用いる場合には、この粒径は0.5μm以下であることが更に好ましい。
また、この透明性は、波長500nmの全光線透過率で、80%以上(更に好ましくは85%以上)、ヘーズが0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。このような透明性は、例えば、市販の分光光度計(島津自記分光光度計UV−3100PC型:(株)島津製作所製)で好適に測定することが可能である。
【0049】
平板状顔料は、おおむね平板性を有する顔料であり、本発明では特にその長径と厚みの比であるアスペクト比が5以上であるものをさす。ガスバリアー性の向上の面からは前記アスペクト比が20以上であることが更に好ましい。上記アスペクト比が20未満では、曲路効果が小さく、その用途によってはガスバリアー性の発現が不十分となる場合がある。一方アスペクト比が5000を越える平板状顔料を得ることは技術的に難しく、また経済的にも高価なものとなるので、製造容易性の点から、アスペクト比は5000以下であることが好ましい。
【0050】
平板状顔料のアスペクト比は、顔料の粒子径及び厚さを測定して求めることができる。本発明においては、粉体状の顔料を、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて直接観察し、その平均粒子径を求めた。粒子の厚みは、電子顕微鏡の視野にある鱗片以外の棒状に見える粒子を探し、厚みとして測定した。この測定方法は雲母族のような非膨潤性雲母の粒子径と厚さを求めるのに好適である。尚、平板状顔料の粒子径は、光散乱法の測定装置により平均粒子径を測定することも可能である。
また、粒子の厚みを求めるには、平板状顔料を含む塗料によって塗膜を形成後、その塗膜面を垂直に切断、断面を顕微鏡観察して厚さを測定することも可能である。この測定方法はモンモリロナイトやスメクタイトのような水膨潤性粘土鉱物などの粒子径と厚さを求めるのに特に好適である。
【0051】
ガスバリアー層における珪酸縮合物と平板状顔料の比率は状況に応じて任意に決定できる。平板状顔料の場合、例えばモンモリロナイトなどスメクタイト粘土はその平板性と表面電荷のため容易に被膜を作ることができる。もちろんその被膜の強度は弱く耐水性は少ないため、珪酸縮合物で補強する必要がある。一方、珪酸縮合物も単独では、その被膜は縮合に伴いクラックが発生しやすいが、平板状顔料を添加することでクラックの発生を大幅に少なくすることができる。このように、珪酸縮合物と平板状顔料は互いにその欠点を補う働きをしている。このため珪酸縮合物と平板状顔料の比は広範囲の割合をとることが可能である。珪酸縮合物と平板状顔料の比は質量配合比で99/1〜10/90程度が好ましく、好ましくは99/2〜20/80で、より好ましくは99/3〜30/70である。平板状顔料の比率が1質量%未満になるとクラック防止の効果が小さくなる。また平板状顔料の比率が90質量%を越えて大きくなるとガスバリアー性が低下する。
【0052】
ガスバリアー層のクラック発生や、白華現象を防止したりするため、また、ガスバリアー性を更に向上させ、印刷適性やラミネート適性を付与するため等の理由により、ガスバリアー層の上に、オーバーコート層を設けることができる。
ところで、ポリビニルアルコール等、水酸基を有する親水性樹脂は、ガスバリアー性に優れるため、オーバーコート層として用いた場合、ガスバリアー性積層体全体のガスバリアー性が向上すると考えられた。
しかし、このような親水性樹脂によるオーバーコート層は、前述の珪酸縮合物と平板状顔料からなるガスバリアー層との密着性が低いことが判明した。特に、30℃80%のような高湿度雰囲気下に長時間保持された場合、極端に密着強度が低下することが判明した。
これは、前記ガスバリアー層とオーバーコート層の接着強度は、ガスバリアー層の珪酸縮合物と、オーバーコート層のポリビニルアルコール等との水素結合によるものであるが、水分の存在によってこの水素結合が切れ、密着強度が低下するものと推察した。また、前記ガスバリアー層の表面にはSiOH基は少なく、Si−O−Si結合が多く分布しているため、ポリビニルアルコールのような親水性樹脂との密着性が低くなるものと推察した。
【0053】
そこで、本発明者らは、従来使用していた親水性樹脂に代えて、スチレン−ブタジエンラテックス等の疎水性樹脂を用いてオーバーコート層を形成すると、ガスバリアー層との密着性強度が飛躍的に向上することを見出した。
更に、カチオン性を示す疎水性樹脂を使用すると高湿度条件下での密着強度も大きく向上することを見出した。これは珪酸縮合物を含むガスバリアー層表面がアニオン性であるためカチオン性物質とイオン結合により強く接着したものと推測される。また、ガスバリアー層表面にある少量のSiOHやSiO−とカチオン性樹脂がイオン結合あるいはカチオン成分である窒素原子と共有結合(SiO−N)を形成しているために密着強度が向上したものと推測される。
【0054】
本発明でオーバーコート層に使用する疎水性樹脂とは、成膜性が良好、かつその膜が耐水性を示すものである。
より具体的には、本発明における疎水性樹脂とは、以下に示した3条件の少なくともいずれか1条件を満たすものをさすものとする。
即ち、第1の条件は、樹脂の形成する被膜表面の20℃における水の接触角(水滴を落として10秒後の値とする)が45度以上のものを示すものとする。より好ましくは60度以上、更に好ましくは75度以上である。
また、第2の条件は、成膜された樹脂膜の、20℃の水に対する溶解度が3%(質量基準)以下のものを示すものとする。より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。
また、第3の条件は、成膜された20μ厚さ樹脂膜の高湿度条件下における透湿度が、500g/m2・24hr(JIS Z0208の40℃90%条件)以下であるものを示すものとする。より好ましくは400g/m2・24hr以下、更に好ましくは300g/m2・24hr以下である。
疎水性樹脂の具体例としては次のものが挙げられる。
即ち、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリルエステル系共重合体、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系共重合体(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリカーボネート系共重合体、ポリオレフィン系重合体、α−オレフィン・不飽和カルボン酸共重合体、(変性)ロジン樹脂、(変性)テルペン樹脂、及びカチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等などのカチオン樹脂(カチオン樹脂については、特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報参照)等である。
【0055】
また、これらの樹脂を他の官能基を有するモノマーで変性したものも好適に使用される。変性するモノマーの例を挙げると、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル;アリルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグリシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系化合物などが用いられる。尚、二種類以上のモノマーを使用して変性することもできる。
【0056】
本発明でオーバーコート層として使用する疎水性樹脂としては、カチオン性を示す官能基を有する疎水性樹脂が更に好ましい。最も好ましいカチオン性を示す官能基としては含窒素官能基である。具体的な樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和化合物や(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系化合物などのカチオン性を有するモノマーで変性された樹脂、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、アクリル−スチレン共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリルエステル系共重合体、ポリエステル系樹脂などのカチオン変性樹脂あるいは両性(カチオン性官能基とアニオン性官能基を両方有するもの)変性樹脂も好適に使用される。
【0057】
また、前述の疎水性樹脂に、カチオン性化合物を加えることでガスバリアー層との耐湿接着強度を向上させることができる。疎水性樹脂に添加できるカチオン性化合物の例としては以下の通りである。
即ち、カチオン性化合物としては、ポリイミン系化合物が挙げられる。ポリイミン系化合物の一例としては、ポリエチレンイミン、アルキルあるいはシクロペンチル変性ポリエチレンイミン、エチレン尿素のイミン付加物、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体、ポリアミドイミド、ポリイミドワニスからなる群より選ばれたポリイミン系化合物(ポリアルキレンイミン系化合物)がある。本発明で使用されるポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン及びポリプロピレンイミンが好ましく、特にポリエチレンイミンが好ましい。これらのポリアルキレンイミンは単独で使用しても、また酢酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等との塩を形成して使用してもよい。
【0058】
また、カチオン性化合物としては、ポリアミン系化合物が挙げられる。ポリアミン系化合物としてはポリアルキレンポリアミンがある。例えばポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの化合物である。
また同様の効果を示すものとしては、ポリアミドのポリエチレンイミド付加物などの化合物などのポリアミド、ヒドラジン化合物、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物(炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性でカチオン性の熱硬化性樹脂)などのポリアミンアミド化合物更に、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などの尿素化合物も本発明においてはアミン系化合物の範疇とする。
【0059】
更に、カチオン性化合物としては、アミン系化合物が挙げられる。アミン系化合物としては第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、及び第4級アンモニウム塩化合物のいずれであってもよく、また、有機モノアミン及び有機ポリアミンのいずれであってもよい。更に有機アミン化合物は、アミノ基以外の異種官能基、例えばエポキシ基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、ニトリル基などを有するものを包含する。変性アミン化合物としては、モノエポキシ化合物やジエポキシ化合物などのエポキシ基を有する化合物とアミン化合物の付加物、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのヒドロキシル基を有する化合物とアミン化合物の付加物、アクリルニトリルとアミン化合物のマイケル付加物、フェノール化合物とアルデヒド化合物とアミン化合物のマンニッヒ反応で得られる付加物などが挙げられる。
上記のような変性には、1)アミン化合物の有する刺激臭や皮膚刺激性などの毒性を低下させること、2)アミン化合物の粘度を低下させること、及び3)分子量を大きくし秤量誤差を小さくすることなどの効果がある。アミン化合物の変性の程度には、特に制限はない。
【0060】
本発明に用いられるアミン系化合物を更に具体的に例示すれば下記の通りである。
1)脂肪族ポリアミン(ポリアルキレンポリアミン)又はモノアミン:エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビス−プロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンタンジアミン−3、N−アミノエチルピペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリビニルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミンなど。
2)芳香族ポリアミン又はモノアミン:m−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、ジアニシジン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−(o−トルイジン)、o−フェニレンジアミン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、m−アミノベンジルアミン、アニリンなど。
3)芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン又はモノアミン:メタキシリレンジアミン、テトラクロロキシレンジアミン、トリメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミンなど。
4)第2級アミン:N−メチルピペラジン、ピペリジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなど。
5)第3級アミン:テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデシルグリオキサリジン、ピリジン、ピラジン、キノリンなど。
6)第4級アンモニウム塩:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2−エチルヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、1,3−ビス(トリメチルアンモニオメチル)シクロヘキサンジクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど。
【0061】
また、アミン類としては、特開平10−226989号公報に記載のあるアミン類も例示することができる。
イミン系化合物もカチオン性化合物として使用できる。イミン系化合物としてはエチレンイミンなどが挙げられる。
さらに、メラミン系化合物やオキサゾリン基を有する化合物もカチオン性化合物として使用できる。
【0062】
本発明においては、オーバーコート層中に酸性物質を加えると、高湿度雰囲気下における長時間の酸素透過度が大幅に向上するため、更に望ましい。
【0063】
本発明でオーバーコート層に加える酸性物質は、アルカリ金属イオンを中和できるものであれば特に制限はない。具体的にはリン酸、炭酸、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸化合物、酢酸、安息香酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸などの有機酸、酸化ホウ素、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、無水ホウ酸(酸化ホウ素)などのホウ素化合物、珪酸、チタンやジルコニウムなどの金属酸化物などが挙げられる。
また、二価以上の酸の場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属で部分的に中和されている酸性物質を使用してもかまわない。例えば、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどが挙げられる。
【0064】
特に、ガスバリアー層に含まれる珪酸縮合物が珪酸リチウムの場合は、リン酸、炭酸、ホウ素系の酸性物質が好ましい。
オーバーコート層中に含まれる酸性物質がガスバリアー層に含まれるアルカリ金属イオンを中和するとアルカリ金属塩が生成される。
しかし、このアルカリ金属塩には、水溶性や吸湿性を示すものもあるため、中和されたアルカリ金属塩が水分を呼び込む作用として働き、結果として耐湿ガスバリアー性は改善されないおそれがある。
しかし多くのアルカリ金属塩の中でも、炭酸リチウム(Li2CO3)とリン酸リチウム(Li3PO4)は水への溶解性が極めて低く、吸湿性も小さい。ガスバリアー層に含まれる珪酸縮合物が珪酸リチウムの場合、このリチウムイオンをオーバーコート層に含まれる炭酸やリン酸で中和した場合、非常に耐水性の強いガスバリアー性皮膜を形成できる。
尚、本発明で、中和によって効率よく炭酸リチウムもしくはリン酸リチウムを効率よく生成するためには、オーバーコート層中の酸性物質として、予めリチウムイオンと部分的に中和させた炭酸水素リチウム、もしくはリン酸水素二リチウムを酸性物質として使用することが特に好適である。
リン酸水素二リチウムは単体としては存在が知られていが、リン酸あるいはリン酸二水素リチウムの水溶液に必要量の水酸化リチウムを添加して製造可能である。
【0065】
また、本発明においては、上記酸性物質をアンモニアで中和した酸性物質のアンモニウム塩、及び尿素も酸性物質に含まれるものとする。
アンモニアで中和された酸性物質は、加熱、及び水分の蒸発によってアンモニアを放出するため、ガスバリアー層上にオーバーコート層を塗工した直後には中和は起こらないが、オーバーコート層が乾燥する過程でアンモニアが発生するため、ガスバリアー層に含まれるアルカリ金属イオンを中和することができる。
また、尿素は、加熱によってアンモニアと二酸化炭素に分解するため、同様に酸性物質として使用することができる。
アンモニアで中和された酸性物質の具体例として、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、りん酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0066】
また、酸性物質としては、ホウ素系化合物や珪酸系化合物も好ましい。ホウ酸や珪酸はそれ自体弱い酸で、アルカリ金属イオンを中和することが可能であるが、ホウ酸や珪酸はそれ自身で縮合脱水反応が起こる。従って、アルカリ金属イオンを中和するのみならず、ホウ酸や珪酸のネットワーク中に、アルカリ金属イオンを閉じ込める機能を有する。そのため、ホウ酸や珪酸を酸性物質として使用するとオーバーコート層の耐水性が向上すると考えられる。
珪酸は、水中では不安定であるため水溶液としては使用できないが、アルコキシドシラン(テトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等)のアルコール溶液(水、酸、アルカリなどを含んでもよい)あるいは水溶液として使用するのが好ましい。
テトラエトキシシランは乾燥工程において熱や溶剤の蒸発に伴い、分解を起こし珪酸を生成する。この性質を利用して酸性物質として使用できる。
【0067】
上記酸性物質の中でも、リン酸あるいはリン酸のリチウムイオンやアンモニアによる部分中和物などのリン酸化合物、硫酸あるいは硫酸のリチウムイオンやアンモニアによる部分中和物などの硫酸化合物、炭酸あるいは炭酸のリチウムイオンやアンモニアによる部分中和物などの炭酸化合物、ホウ酸、酸化ホウ素、四ホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物が、耐湿バリアー性に優れるため特に好ましい。
【0068】
本発明でオーバーコート層に使用する酸性物質の量は、ガスバリアー層に含まれるアルカリ金属イオン量によって決まる。即ち、ガスバリアー層中のアルカリ金属イオン量に対して、10〜500当モル%の酸性物質がオーバーコート層に含まれることが好ましく、20〜400当モル%が更に好ましく、50〜200当モル%が最も好ましい。酸性物質が10当モル%未満の場合、アルカリ金属イオンの中和による耐湿バリアー性の向上や白華防止効果が小さく、500当モル%より越えると、その効果が頭打ちとなるばかりか経済的でない。
【0069】
本発明においては、耐湿ガスバリアー性を更に向上させるために、ガスバリアー層中に珪酸以外の酸性物質が含まれていることが更に好ましい。
具体的な珪酸以外の酸性物質とは、リン酸、炭酸、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸化合物、酢酸、安息香酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸などの有機酸、酸化ホウ素、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、無水ホウ酸(酸化ホウ素)などのホウ素化合物、チタンやジルコニウムなどの金属酸化物などが挙げられる。
【0070】
これらの酸性物質は、ガスバリアー層中では、塗膜中のアルカリ金属イオンと一部、あるいは全て中和した中和塩の形で存在する。
例えば、アルカリ金属イオンとしてリチウムイオンと上記酸性物質との中和塩の一例を挙げると、リン酸三リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、ホウ酸リチウム塩等がある。また、アルカリ金属イオンとしてナトリウムイオン、カリウムイオンが存在する場合には、各々ナトリウム塩、カリウム塩の形で存在する。
【0071】
珪酸アルカリ金属塩の代わりに珪酸アンモニウム塩を使用すると、アンモニウム塩となる。また、アルカリ土類金属などのアルカリ金属塩以外のアルカリ(例えばカルシウムやマグネシウム)との中和塩が存在してもかまわない。
上記中和塩の中で、ガスバリアー層の安定性や、耐水性を考慮するとリン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、硫酸アルカリ金属塩、硝酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ金属塩が好ましい。これらの中でもリン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ金属塩が特に好ましい。これらの中和塩は耐水性の面でとりわけ好ましい。
本発明のガスバリアー性積層体を製造するためには、珪酸アルカリ金属塩あるいはコロイダルシリカから選ばれる少なくとも一種の珪酸縮合物と、平板状顔料と、珪酸以外の酸性物質を含有するガスバリアー性塗料を、支持体に塗工してガスバリアー性積層体とすることが好ましい。
【0072】
しかし、添加する酸性物質の種類によっては、ガスバリアー性塗料中のアルカリ金属イオンと酸性物質が急激に中和反応を起こす場合がある。塗料中で中和反応が起こると、塗料の粘度が増粘したり、また中和反応が激しいと、塗料がゲル化してしまうことがあり好ましくない。また、塗料中で中和反応が起こると珪酸縮合物同士の縮合反応が進んでしまい、塗料の成膜性が劣り結果として塗膜のバリアー性が悪化する可能性もあるため、塗料中では中和反応が起こらない、あるいは中和反応が起こってもその速度が極力遅い塗料が好ましい。従って、塗料に添加した状態では中和反応が起きず、基材に塗工した後、乾燥や加熱等の工程において中和反応が起きるような酸性物質を添加することが好適である。
このような酸性物質は、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩、尿素、酸化ホウ素からなる群から選ばれた少なくとも一種以上からなる酸性物質であることが好ましい。更に具体的には、リン酸、炭酸、塩酸、硫酸、ホウ酸等の酸性物質のアンモニウム塩、あるいは尿素、酸化ホウ素が挙げられる。
【0073】
例えば、酸性物質としてリン酸アンモニウムを使用した場合で例示すると、ガスバリアー性塗料は、塗料中ではリン酸がアンモニアで中和されているため、塗料中に含まれるアルカリ金属イオンとの中和反応を急激には起こさない。しかし、塗工、乾燥してガスバリアー層を形成する時に、乾燥の熱及び水分の蒸発によってアンモニアが蒸発してリン酸を生成する。このリン酸がガスバリアー塗膜中のアルカリ金属イオンと中和反応を起こしてアルカリ金属イオンをトラップする。この中和反応は塗料の成膜と中和反応が同時に起こるため、塗料の成膜性を維持したまま、塗膜中のアルカリ金属イオンを酸性物質で中和(トラップ)することができる。そのため耐水性及び耐湿ガスバリアー性が向上する。アルカリ金属イオンを中和することで珪酸(シラノール基)の脱水縮合反応を促進させる効果もある。シラノール基の縮合が進むと更に耐水性が向上し、酸性物質の添加はアルカリ金属イオンの中和(トラップ)とシラノール基の脱水縮合反応(シロキサン結合の形成)を促す。しかも、アルカリ金属イオンは塗膜中で酸性物質に中和されているため、シロキサン結合を加水分解を促進する力も弱くなっていると考えられる。
このように、本発明においては、珪酸縮合物(珪酸アルカリ金属塩あるいはコロイダルシリカから選ばれる少なくとも一種)及び平板状顔料に、酸性物質のアンモニウム塩、尿素、酸化ホウ素から選ばれる少なくとも一種以上の組成物を加えたものをガスバリアー性塗料とし、前記塗料を支持体に塗工してガスバリアー層を形成することが好ましい。
【0074】
ガスバリアー性塗料に添加する酸性物質のアンモニウム塩とは、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム等などの無機酸のアンモニウム塩や酢酸、安息香酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸などの有機酸のアンモニウム塩が挙げられる。
上記のようなアンモニウム塩は、ガスバリアー性塗料を支持体に塗工、乾燥してガスバリアー層を形成する際に、乾燥時の加熱や水分の蒸発により、分解してアンモニアを放出し、同時にガスバリアー層中のアルカリ金属イオンと中和反応を起こし、アルカリ金属塩を形成する。尚、本発明で使用するアンモニウム塩は、その一部がナトリウム、カリウム、リチウムのようなアルカリ金属イオンで中和されていてもよい。
【0075】
また、尿素のように、加熱によりアンモニアと二酸化炭素を放出するものを使用してもよい。この場合にはガスバリアー層中の中和塩として炭酸アルカリ金属塩が生成する。
ホウ素を含む酸性物質をガスバリアー塗料に添加して使用する場合、ホウ酸を使用することもできるが、この場合塗料中でのアルカリ金属イオンとの反応による塗料のゲル化速度が比較的速いため、塗料の安定性の面で、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸カリウムあるいは酸化ホウ素等の使用が好ましい。
四ホウ酸アンモニウムは、ガスバリアー塗料に添加しても、そのままでは珪酸アルカリ金属塩のアルカリ金属イオンと中和反応を起こさない。塗料を塗工し、加熱乾燥の過程で四ホウ酸アンモニウムが分解し、アンモニアを放出することでホウ酸が生成され、アルカリ金属イオンと中和反応を起こして中和塩となる。
酸化ホウ素は、粉体としては二量体、三量体、もしくはそれ以上の縮合物として存在し、そのままでは酸としての働きは弱い。しかし、酸化ホウ素をガスバリアー塗料中に溶解させ、該ガスバリアー性塗料を塗工、加熱乾燥することで、酸化ホウ素が熱により加水分解されモノマーのホウ酸や、ダイマー、トリマーなどのホウ酸が生成される。そしてこのホウ酸がアルカリ金属イオンと中和反応を起こして中和塩となる。
【0076】
本発明における珪酸以外の酸性物質のガスバリアー層への添加量は、ガスバリアー性塗料に含まれるアルカリ金属イオンに対して中和量であることが理想的である。例えば、リン酸化合物は3価であるためアルカリ金属イオン3モルに対して1モルのリン酸が必要となる。同様に炭酸及び硫酸は2価、硝酸は1価として計算する。ホウ酸化合物は理論上3価の酸であるが、ホウ酸自体弱い酸であることと、ホウ酸自身が縮合したり、珪酸とホウ酸が縮合し、B−OH結合がB−O−B結合やB−O−Si結合となるため、全てのB−OHがアルカリ金属イオンを中和できない。本発明者らの検討により、ホウ酸は1価とみなしてよいことが判明した。
【0077】
オーバーコート層に酸性物質を添加する場合、ガスバリアー層のアルカリ金属イオン量及び酸性物質の量によって、適正な酸性物質の添加量が決まる。即ち、ガスバリアー層に含まれるアルカリ金属イオン量に対して、ガスバリアー層中とオーバーコート層中の酸性物質を合わせたものが10〜500当モル%含まれることが好ましい。より好ましくは20〜400当モル%で、更に好ましくは50〜200当モル%である。酸性物質が10当モル%未満の場合、アルカリ金属イオン中和による耐湿バリアー性や白華に対する効果が小さく、500当モル%より越えて大きいとその効果が頭打ちとなり不経済となる。
【0078】
本発明においては、ガスバリアー性積層体の柔軟性や密着性を向上させるために、有機官能基を有する金属アルコキシドの加水分解縮合物がガスバリアー層に含まれることが更に望ましい。
有機官能基を有する金属アルコキシドの加水分解縮合物は、オルガノアルコキシシラン、オルガノチタネートやオルガノアルミニウネートやジルコニウム化合物などの金属化合物を加水分解することで得られる。ここでは金属アルコキシドには金属アルキレート(金属とアルキル基のエステル化物)も含まれる。
尚、ここでいう加水分解縮合物には、有機官能基を有する金属アルコキシドが部分的に加水分解あるいは全て加水分解した化合物、加水分解した有機官能基を有する金属アルコキシドが部分的に縮合あるいは全て縮合した化合物が、少なくとも一種以上含まれればよい。一般に金属アルコキシドの加水分解縮合物は、加水分解物と縮合物との混合物となる場合が多い。加水分解は、濃度、水の量、pH、触媒の有無、分解温度や時間などに依存し複雑な反応をとるため、加水分解縮合物は様々な化合物の混合物となる。
【0079】
更に、加水分解した有機官能基を有する金属アルコキシドは、塗料中の珪酸縮合物や平板状顔料と縮合反応を起こしたり、また、金属アルコキシド同士が縮合反応を起こす。この加水分解縮合反応は塗料中でも起きるが、塗料を支持体に塗工後、加熱乾燥するとより縮合が起きやすくなる。有機官能基を有する金属アルコキシドはガスバリアー塗膜中に、平板状顔料や珪酸縮合物に取り囲まれ、ガスバリアー層内部に有機官能基が孤立した形で存在する。そのため、有機官能基周辺では珪酸縮合物の更なる縮合が進まず分子レベルでの空隙ができた形を取る。そのため塗膜に柔軟性を与える。空隙は分子レベルであるのでガスバリアー性に対する悪影響は極めて小さい。また、有機官能基がエポキシなどの反応性の官能基であれば、シラノールとエポキシが反応を起こし柔軟性のみならず耐水性を向上させる効果もある。
【0080】
本発明に用いられるオルガノアルコキシシラン化合物は、その親水性部にSi原子を含むものであって、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシラン、γ−フルオロプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらオルガノアルコキシシラン化合物は一般にシランカップリング剤として使用される場合が多い。これらのオルガノアルコキシシランの中では、エポキシ基を有するシランカップリング剤が耐湿ガスバリアーの面で好ましい。また、有機官能基がメチルやビニル基などの比較的コンパクトなものも、柔軟性の面で好ましい。
【0081】
また本発明に用いられるオルガノアルコキシ金属化合物は、その親水性部分に多価金属原子(Ti、Al等)を含むものであって、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタノール、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、及びイソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどのチタネート化合物、並びに、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム化合物を包含する。
【0082】
有機官能基を有する金属アルコキシドは、その分子構造において、Si、Ti、Zr又はAl原子を含み、無機物質に対して高い反応性又は親和性を有する無機部分(SiOH、TiOH、ZrOH、AlOHなどの金属性水酸基=高い親水性を示す)と、有機化合物に対して高い反応性又は親和性を有する有機部分とを有する。
有機官能基を有する金属アルコキシドは、珪酸アルカリ縮合物と平板状顔料の合計を100質量部とした時に1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜75質量部、最も好ましくは5〜50質量部である。有機官能基を有する金属アルコキシドの使用量が1質量部未満の場合、有機官能基を有する金属アルコキシドによる柔軟性向上あるいは密着性向上の効果が不十分になることがあり、またそれが100質量部を越える場合、ガスバリアー性の低下を招く可能性がある。
【0083】
本発明において、ガスバリアー層の厚さは特に限定されないが、1nm〜5μmが好適である。ガスバリアー層が1nm未満になるとガスバリアー性が悪くなる。また5μmより厚くなると、ガスバリアー性の効果が頭打ちになり不経済である。ガスバリアー層厚さのより好適な範囲は10nm〜1μmであり、50nm〜500nmが更に好適な範囲である。
本発明において、オーバーコート層の厚さは特に限定されないが、1nm〜5μmが好適である。オーバーコート層が1nm未満になるとオーバーコート層とガスバリアー層の密着性が悪くなる。また5μmより厚くなると、オーバーコート層の効果が頭打ちになり不経済である。オーバーコート層のより好適な範囲は10nm〜1μmであり、50nm〜500nmが更に好適な範囲である。
【0084】
本発明で使用できる支持体は合成樹脂フィルム、シート、成形体から適宜選択できる。合成樹脂の具体例を挙げるとポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、脂環式構造を有するポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、などのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリヒドロキシブチレート(ICI「バイオボール」)、ポリ乳酸(カーギル「Nature Works」)、ポリカプロラクトン(ダイセル化学「セルグリーン」)、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子「ビオノーレ」)、ポリブチレンサクシネートテレフタレート(デュポン「Biomax」)、ポリグリコール酸、ポリアリキレンカーボネートなどの生分解性樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリスルファン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリルなどの樹脂がある。またこれらの樹脂を任意の方法で積層したフィルムやシート、成形体なども使用可能である。
これらの樹脂の中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66などのフィルムやシートが好適に使用される。また、フィルムは無延伸、一軸延伸や二軸延伸のフィルムを使用することもできる。
【0085】
尚、上記の支持体には酸化防止剤、耐候安定剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、可塑剤、難燃剤、無機充填材、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、ゼオライト、マイカ、カーボンブラック、ガラス繊維などが含まれていてもよい。
【0086】
これら合成樹脂の支持体にガスバリアー層を積層する場合、支持体上に直接積層させてもよいし、密着性を向上させるために合成樹脂表面を処理してから積層してもよい。合成樹脂表面の処理方法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロ混酸液処理、発煙硫酸処理、硫酸液処理、電子線処理、紫外線処理などがあり、これらの方法により、合成樹脂の支持体表面に水酸基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸基、エーテル結合、アミノ基、イミノ基、アミド基、硫酸基、アミド基などの親水性成分を導入することができる。このような方法で処理した合成樹脂フィルムなどの表面にガスバリアー性塗料を塗工すると、ハジキやブツが発生するのを防ぐと共にガスバリアー層と支持体との密着を良好にする効果がある。
【0087】
また、このような表面処理だけでは密着性が十分に得られない場合(支持体がポリオレフィン系樹脂の場合など)、又は更なる密着性が必要な場合には、支持体表面にアンカー層を設けたり、表面処理した支持体に更にアンカー層を設けることが望ましい。
含窒素化合物は支持体表面の親水性極性基と水素結合によって強固に接着する。特に支持体表面の極性基がアニオン性の場合、含窒素化合物はカチオン性を有するため、支持体表面のアニオン性極性基と含窒素化合物のカチオン性基と強固にイオン結合し、更にガスバリアー層に含まれるアニオン性の珪酸縮合物やアニオン性の平板状顔料ともイオン結合や脱水縮合反応により強固に接着するため、支持体とガスバリアー層の密着性が大幅に向上する。また、含窒素化合物を含むアンカー層と珪酸縮合物を含むガスバリアー層はそれぞれが混合して濃度が連続的に変化する傾斜構造をとる方が好ましい。含窒素化合物が有機化合物の場合、有機質/無機質の組成が傾斜構造となるため、有機質層による支持体との密着性向上と無機質層の持つガスバリアー性の特性が両立するのみならず、耐水性や応力歪みに対してもある程度抵抗力ができる。(特願2000−067858号)。
【0088】
本発明のアンカー層に用いる含窒素化合物としては、カチオン性有機化合物が挙げられる。珪酸アルカリ金属塩などの珪酸縮合物は、アルカリ領域ではシラノール基と解離したシラノールイオンを併せ持ち、これらの官能基が縮合してシロキサン結合を形成する。本発明者らが検討を重ねた結果、カチオン性有機化合物を使用した場合、カチオン性有機化合物は珪酸縮合物とイオン結合や共有結合といった反応を起こすだけでなく、カチオン性有機化合物によって生じる水酸イオンによって珪酸縮合物の縮合反応を促進させるということを見出した。
【0089】
カチオン性有機化合物がポリアミンの場合を一例として示すと、珪酸縮合物のシラノールイオンとポリアミンのカチオンはイオン反応(〜SiO−…N+〜)〜SiO−HN+〜もしくは共有結合(〜SiO−N〜)〜SiON〜によりゲル化する。また一方では、アミンの作用により生じたOH−が珪酸縮合物のシラノール基の縮合を促し、新たなシロキサン結合を生成させシロキサン結合のネットワークを拡大するものと考えられる。
【0090】
これらの含窒素化合物としてはイミン化合物やアミン化合物と称せられるものが代表である。これらのうちイミン化合物としてはポリアルキレンイミンが代表であり、ポリエチレンイミン、アルキルあるいはシクロペンチル変性ポリエチレンイミン、エチレン尿素のイミン付加物、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体、ポリアミドイミド、ポリイミドワニス、からなる群より選ばれたポリイミン系化合物がある。
【0091】
また、アミン化合物としてはポリアルキレンポリアミンがある。例えばポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの化合物である。また同様の効果を示すものとしては、ポリアミドのポリエチレンイミド付加物などの化合物などのポリアミド、ヒドラジン化合物、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物(炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂)などのポリアミンアミド化合物、4級窒素含有アクリルポリマー、4級窒素含有ベンジルポリマー、ウレタン、カルボン酸アミン塩基を有する化合物、メチロール化メラミン、カチオン性ポリウレタンなどの化合物などの含窒素4級塩化合物がある。また、カチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等などのカチオン樹脂が挙げられる(カチオン樹脂については特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報を参照されたい)。更に、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などの尿素化合物やジシアンジアミド誘導体なども本発明の範疇である。
【0092】
これらのものを更に詳述すると、本発明で使用されるポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン及びポリプロピレンイミンが好ましく、特にポリエチレンイミンが好ましい。これらのポリアルキレンイミンは単独で使用しても、また酢酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等との塩を形成して使用してもよい。
【0093】
有機アミン化合物としては、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、及び第4級アンモニウム塩化合物のいずれであってもよく、また、有機モノアミン及び有機ポリアミンのいずれであってもよい。更に有機アミン化合物は、アミノ基以外の異種官能基、例えばエポキシ基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、ニトリル基などを有するものを包含する。
【0094】
変性有機アミン化合物としては、モノエポキシ化合物やジエポキシ化合物などのエポキシ基を有する化合物とアミン化合物の付加物、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのヒドロキシル基を有する化合物とアミン化合物の付加物、アクリルニトリルとアミン化合物のマイケル付加物、フェノール化合物とアルデヒド化合物とアミン化合物のマンニッヒ反応で得られる付加物などが挙げられる。
【0095】
上記のような変性には、1)アミン化合物の有する刺激臭や皮膚刺激性などの毒性を低下させること、2)アミン化合物の粘度を低下させること、及び3)分子量を大きくし秤量誤差を小さくすることなどの効果がある。アミン化合物の変性の程度には、特に制限はない。
【0096】
本発明に用いられる有機アミン化合物を例示すれば下記の通りである。
1)脂肪族ポリアミン(ポリアルキレンポリアミン)又はモノアミン:エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビス−プロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンタンジアミン−3、N−アミノエチルピペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリビニルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミンなど。
2)芳香族ポリアミン又はモノアミン:m−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、ジアニシジン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−(o−トルイジン)、o−フェニレンジアミン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、m−アミノベンジルアミン、アニリンなど。
3)芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン又はモノアミン:メタキシリレンジアミン、テトラクロロキシレンジアミン、トリメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミンなど。
4)第2級アミン:N−メチルピペラジン、ピペリジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなど。
5)第3級アミン:テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデシルグリオキサリジン、ピリジン、ピラジン、キノリンなど。
6)第4級アンモニウム塩:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2−エチルヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、1,3−ビス(トリメチルアンモニオメチル)シクロヘキサンジクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど。
また、アミン類としては、特開平10−226989号公報に記載のあるアミン類も例示することができる。
【0097】
本発明でアンカー層として用いられる、上述したような珪酸縮合物と反応する含窒素化合物は水溶性であることが好ましいが、水不溶性であっても乳化や分散処理して使用することもできる。上記含窒素化合物を2種以上混合して用いてもかまわない。
【0098】
本発明においては、アンカー層に高水素結合性樹脂を用いることでアンカー層にガスバリアー性を付与し、ガスバリアー性積層体全体のガスバリアー性を向上させることができる。また、アンカー層に高水素結合性樹脂を使用した場合、高水素結合性樹脂とガスバリアー層に含まれる珪酸縮合物及び平板状顔料が相互に混合し有機/無機(高水素結合性樹脂と珪酸縮合物)の複合体(有機と無機化合物からなる傾斜構造をとるのが理想的)を形成し、ガスバリアー性積層体の柔軟性を向上させることができる。本発明において、アンカー層に使用できる高水素結合樹脂は、水素結合性を示す官能基を有する樹脂であれば特に制限はない。具体的に例示すると、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリカルボン酸、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコール、エリストリールなどの多価アルコール、デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどがある。水素結合性を示すには樹脂中に活性水素を有する基あるいは水素結合を形成しうる極性基を有していればよい。活性水素を有する基の一例としては、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)、イミノ基(−NH−)、カルボキシル基(−COOH)、アミド基(−CONH2)、硫酸基(−SO3H)、リン酸基(−PO4H)などが挙げられる。また、水素結合を形成しうる極性基としてはカルボニル基(−C=O)、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)などが挙げられる。
【0099】
アンカー層として使用する高水素結合性樹脂としては、ガスバリアー性の面から水酸基を有する樹脂が好ましく、特に、ポリビニルアルコール(PVA)とエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)がガスバリアー性が良好であり好ましい。アンカー層にPVAやEVOHを用いると、PVA層あるいはEVOH層がガスバリアー層のクラックやピンホールによるガスバリアー性の低下を防ぐ効果もある。
【0100】
PVAとは、例えば、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解ないしエステル交換(けん化)して得られるポリマー(即ち、ビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体)や、トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエーテル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体などをけん化して得られるポリマーが挙げられる(PVAの詳細は、ポバール会編、「PVAの世界」、1992年、(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」1981年、(株)高分子刊行会等を参照)。
【0101】
本発明で使用するPVAの「けん化」の程度は、モル百分率で70%以上が好ましく、さらには85%以上のものが好ましく、98%以上のいわゆる完全けん化品が特に好ましい。また重合度は、100以上5000以下が好ましく、200以上3000以下がより好ましい。更に、本発明で使用するPVAは、本発明の目的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで変性されていてもよい。
【0102】
また、本発明においては、PVAの変性体もPVAの範疇として扱う。これら変性体とはPVAの製造過程において、ビニルエステル類、特に酢酸ビニル単量体と、それと共重合可能な他の不飽和単量体とを共重合させたものである。上記他の不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテンなどのオレフィン類や、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和酸、およびそのアルキルエステルやアルカリ塩類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸含有単量体及びそのアルカリ塩類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートや、トリメチル−2−(−1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリド、1−ビニル−2−エチルイミダゾールその他4級化可能なカチオン性単量体、スチレン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、その他のものが挙げられる。
【0103】
これら共重合成分の比率は、特に限定はされるものではないが、ビニルアルコール単位に対し、50モル%以下、好ましくは30モル%以下の程度である場合が好ましく、その共重合の形態は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合など任意の方法によって得られる各種の形態が用いられる。
これら共重合体の中でも、ポリビニルアルコール成分に対し、ポリカルボン酸成分が共重合されたブロック共重合体が特に好適に用いられ、該ポリカルボン酸成分がポリメタクリル酸である場合特に好ましい。
更に、該ブロック共重合体は、PVA鎖の片末端にポリアクリル酸鎖が延長されたようなA−B型ブロック共重合体である場合が特に好ましく、ポリビニルアルコールブロック成分(a)とポリアクリル酸ブロック成分(b)の質量比(a)/(b)が50/50〜95/5の範囲がガスバリアー性の面からも、基材層との密着性からもより好ましく、60/40〜90/10の範囲が最も好ましい。
その他のPVA樹脂の変性体のうち、特に好ましい例としては、分子内にシリル基を有する化合物の少なくとも一種で変性されたビニルエステル系重合体けん化物からなるシリル基変性PVA系樹脂がある。
【0104】
シリル基変性PVA系樹脂を得る方法としては、特に限定はないが、常法によって得られたPVAあるいは変性ポリ酢酸ビニルなどのビニルアルコール系重合体に、分子内にシリル基を有する化合物を反応させ、シリル基を重合体に導入する、あるいはPVAあるいはその変性体の末端を活性化し、分子内にシリル基を有する不飽和単量体を重合体末端に導入する、さらには該不飽和単量体をビニルアルコール系重合体分子鎖にグラフト共重合させるなど各種の変性による方法、ビニルエステル系単量体と分子内にシリル基を有する不飽和単量体とから共重合体を得て、これをけん化する方法、又は、シリル基を有するメルカプタンなどの存在下でビニルエステルを重合し、これをけん化するなど末端にシリル基を導入する、などの各種の方法が有効に用いられる。
【0105】
このような各種の方法で得られるシリル基変性PVA系樹脂としては、結果的にその分子内にシリル基を有するものであればよいが、分子内に含有されるシリル基がアルコキシル基あるいはアシロキシル基及びこれらの加水分解物であるシラノール基又はその塩などの反応性置換基を有しているものが好ましく、中でもシラノール基である場合が特に好ましい。
【0106】
これらのシリル基変性PVA系樹脂を得るために用いられる分子内にシリル基を有する化合物としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、トリエチルフルオロシランなどのオルガノハロシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランなどのオルガノシリコンエステル、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン、トリメチルシラノール、ジエチルシランジオールなどのオルガノシラノール、N−アミエチルトリメトキシシランなどのアミノアルキルシラン、トリメチルシリコンイソジシアネートなどのオルガノシリコンイソシアネートその他のものが挙げられる。これらシリル化剤による変性度は用いられるシリル化剤の種類、量、反応条件によって任意に調節することができる。
【0107】
また、ビニルエステル系単量体と分子内にシリル基を有する不飽和単量体とからの共重合体をけん化する方法において用いられる該不飽和単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどに代表されるようなビニルアルコキシシランやビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシランなどに代表されるようなビニルアルコキシシランのアルキルあるいはアリル置換体など多くのビニルシラン系化合物、更に、これらのアルコキシ基の一部又は全部をポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール置換したポリアルキレングリコール化ビニルシランなどが挙げられる。さらには、3−(メタ)アクリルアミノ−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキシシランなどに代表されるような(メタ)アクリルアミド−アルキルシランなども好ましく用いることができる。
【0108】
一方、シリル基を有するメルカプタンなどの存在下でビニルエステルを重合した後けん化し、末端にシリル基を導入する方法には、3−(トリメトキシシリル)−プロピルメルカプタンなどのアルコキシシリルアルキルメルカプタンが好ましく用いられる。
【0109】
本発明の変性PVA系樹脂における変性度、即ち、シリル基の含有量、けん化度などによってその適性範囲は各々異なるが、本発明の目的であるガスバリアー性に対しては、重要な要因となる。シリル基の含有量は、通常、重合体中のビニルアルコール単位に対しシリル基を含む単量体として30モル%以下であり、10モル%以下が好ましく、5モル%以下である場合が特に好ましい。下限は特に限定されないが、0.1モル%以上である場合において効果が特に顕著に発揮される。
尚、上記シリル化率は、シリル化前のPVA系樹脂に含まれていた水酸基の量に対する、シリル化後の導入されたシリル基の割合を示すものである。
【0110】
これら各種のPVA系樹脂は、もちろんそれ単独で用いられてもよいが、本発明の目的を阻害しない限り、共重合可能な他の単量体との共重合体としたり、混合可能な他の樹脂化合物と併用することができる。このような樹脂としては、例えばポリアクリル酸又はそのエステル類、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、その他のものを挙げることができる。
【0111】
本発明でアンカー層として用いるEVOHは、ビニルアルコール分率が40〜80モル%以下のものが好ましく、より好ましくは45〜75モル%のものである。更に、これらEVOHは、本発明の目的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで変性されていてもよい。
EVOHは、自己架橋可能に変性されることが好ましい。更にアルコール可溶に変性されることが好ましい。このような性質を付与するためにEVOHにはシリル基が導入される。
上記シリル基の導入は、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、トリエチルフルオロオルガノハロシラン、トリメチルアセトキシシランのように、反応性シラン化合物をEVOHの水酸基と反応させることにより行われる。
【0112】
シリル基の導入、即ちシリル化は、少なくともEVOHがアルコールに可溶となるように行うことが必要である。具体的には、0.2モル%以上のシリル化率となるようにすることが好ましい。シリル化率の上限は、アルコール可溶性の観点からは特に制限はないが、本発明における無機層状化合物の配置の点から、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下とする。尚、上記シリル化率は、シリル化前のEVOH樹脂に含まれていた水酸基の量に対する、シリル化後の導入されたシリル基の割合を示すものである。
【0113】
上記シリル基が導入された変性EVOHは、アルコール、又はアルコール/水の混合溶媒で加熱溶解させることにより、導入されたシリル基の存在によってアルコール系溶媒に溶解する。そして、溶媒に溶解した変性EVOHは、一方で、導入されたシリル基の一部が脱アルコール反応及び脱水反応により反応して架橋する。尚、上記反応には、水の存在が必須であり、アルコール/水の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0114】
また、耐水性を向上させる目的でアンカー層に耐水性向上剤を加えることもできる。耐水性向上剤としては第一にエポキシ化合物がある。エポキシ化合物は、モノ、ジ、トリなどエポキシ基をいくつか含有するエポキシ化合物である。このエポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物を包含し、例えばブチレンオキサイド、オクチレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ラウリルアルコールポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどがある。
【0115】
また、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物を単独あるいは併用して用いることもできる。
【0116】
上記縮合反応生成物は、その分子骨格中にアミノ基を含み、その側鎖にエポキシ環又はメチロール基を有するものであり、一般に下記成分:(i)ポリアルキレンポリアミン、(ii)尿素類、(iii)二塩基性カルボン酸類、(iv)エピハロヒドリン類又はホルムアルデヒドを反応させて合成することができる(例えば、特公昭52−22982号、特公昭60−31948号、特公昭61−39435号、特開昭55−127423号公報を参照されたい)。
【0117】
また、その他の耐水化剤としては、酸(例えば塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、酢酸、グリコール酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸など)、金属塩(例えば塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、ホウフッ化マグネシウム、ホウフッ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、重硫酸ナトリウム)、塩化アンモニウムなどがあり、これらは単独もしくは併用して使用される。
【0118】
また、耐水性を向上させるために、シリカ粒子やアルミナ粒子を使用してもよい。アンカー層にシリル基変性のPVAを使用する場合は、シリカ粒子やアルミナ粒を併用することで耐水性が向上する。シリカ粒子としてはコロイダルシリカ、アルミナ粒子としてはコロイダルアルミナなどが好適に使用される。また、コロイダル酸化亜鉛やジルコニウム化合物、二酸化チタン粒子なども使用できる。
【0119】
これら含窒素化合物と耐水性向上剤との配合比は質量比で99.9/0.1〜5/95の範囲であり、好ましくは99/1〜20/80の範囲である。しかし、最も好適な比率は、各含窒素化合物の反応性と共重合した場合の窒素原子のモル比などにより大幅に変動するため、状況に応じて適宜調節するのが好ましい。
本発明のアンカー層の厚さは1nm〜5μmが好ましい。1nm未満であるとアンカー層の効果である密着性や耐水性が悪くなる。また、5μmを越えて厚くなるとアンカー層の効果が頭打ちとなり不経済である。
【0120】
本発明におけるガスバリアー性積層体の23℃・90%RHにおける酸素透過度は、測定開始後24時間後で50cc/m2・day・atm以下であることが好ましく、より好ましくは40cc/m2・day・atmであり、更に好ましくは30cc/m2・24hr以下である。
酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の場合、十分酸素透過度が低くガスバリアー性積層体として実用に供することができるものであり、30cc/m2・day・atm以下であればより使用できる用途が広がる。
酸素透過度はMOCON社のOX−TRAN/100型で測定した値である。
【0121】
本発明のガスバリアー性積層体は、支持体を透明(ヘーズ6%以下)なフィルムとした場合は、ヘーズ8%以下が好ましく、6%以下となることがより好ましい。言い換えれば、ガスバリアー層、及びアンカー層、オーバーコート層を設けたことによるヘーズの上昇値がゼロに近いほど好ましい。積層体のヘーズが8%を越えて高い場合、フィルムが曇っているのが明らかにわかるため、包装用フィルムとしては用途が限定されてしまう。ヘーズが6%以下だと包装用フィルムとしての用途が拡大する。
尚、ヘーズ(曇り度)は拡散透過率(Td)/全光線透過率(Tt)より算出した(反射・透過率計:HR−100、MURAKAMI COLOR RESERCH LABORATORY製)値であり、ヘーズが小さいほど透明性に優れる。
【0122】
本発明で得られたガスバリアー性積層体を、30℃以上に加熱し、その状態である程度長時間保持し、エージング処理すると、珪酸の縮合が更に促進され、形成されたガスバリアー層のガスバリアー性が更に向上する。室温において乾燥させても珪酸の縮合は進行するが、反応に長時間必要となる。
エージング処理時の加熱温度は30〜100℃が好適であり、より好適には35〜90℃、最も好適には40〜80℃である。エージング温度が30℃未満であるとエージング時間が一ヶ月以上必要になる場合もあり、工業的生産が困難となる。また、エージング温度が100℃以上にしても、縮合反応促進の効果が頭打ちとなるため不経済となる。また、エージング時間は長いほどガスバリアー性向上の効果が大きいが、好ましくは3時間〜1週間、より好ましくは12〜72時間、より好ましくは24〜48時間である。エージング時間が3時間未満だとエージングの効果が小さいため好ましくない。エージング時間が1週間を越えるとエージングの効果が頭打ちとなるため不経済である。
【0123】
尚、加熱処理中は、ガスバリアー層中のアルカリ金属と、空気中の二酸化炭素との反応による白華を防ぐため、ガスバリアー層が直接空気に接しない方法で加熱処理することが好ましい。
尚、ガスバリアー層を加熱エージングしてからオーバーコート層を形成させてもよく、オーバーコート層を形成させた後に加熱エージング処理してもよい。
【0124】
本発明においては、ガスバリアー層に高水素結合性樹脂やスチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエステル、アクリルスチレン、ポリエステルなどの水性エマルジョンや、他の水溶性樹脂が含まれていてもよい。このような樹脂をガスバリアー層に添加することでガスバリアー層の柔軟性を向上させる。しかしガスバリアー性は低下する傾向にあるので、添加量は必要とする柔軟性とガスバリアー性のバランスにより決定する。
【0125】
また本発明においては、アンカー層、ガスバリアー層、オーバーコート層の各層に、色合い調整剤、粘度調整剤、無機顔料、有機顔料、硬化剤や架橋剤等の添加剤を必要に応じて任意に加えることができる。
【0126】
本発明のガスバリアー性積層体は、支持体表面に前述のガスバリアー性塗料を塗工、乾燥して得られるものである。
塗工方法には、ダイレクトグラビア法やリバースグラビア法及びマイクログラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法等のロールコーティング法、ドクターナイフ法、ダイコート法、ディップコート法、バーコーティング法、キス塗工、リップ塗工、ブレード塗工、エアナイフ塗工、スプレー塗工、浸漬、刷毛塗り等が状況に応じて任意に使用できる。また、これら塗工方法を組み合わせて使用することができる。また、これらの方法に限定されるものではない。
【0127】
また、乾燥方法としては、熱風、乾燥空気、赤外線、マイクロ波、ガスバーナー等を用いた乾燥方法が任意に使用できる。また、これらを2種以上組み合わせた乾燥方法も使用できるが、これらの方法に限定されるものではない。
乾燥温度に特に制限はないが、好ましくは50〜300℃、より好ましくは70〜200℃、最も好ましくは90〜150℃である。乾燥温度が50℃未満の場合、珪酸の縮合反応が十分に起こらない可能性がある。また、300℃を越えた場合には、ガスバリアー層の表層だけ先に反応が進行して皮膜が形成されることによりブリスター現象が発生する恐れがある。尚、ブリスター現象とは、塗膜の表面のみが成膜し、塗膜の内部が未乾燥の状態になり、その状態で加熱されると内部の水分が蒸発しようとして塗膜が膨れたり発泡したりする現象である。
また、熱可塑性樹脂を支持体に使用する場合には、該樹脂の融点以下で乾燥する必要がある。支持体としてOPPフィルムを選択した場合で例示すると、乾燥温度は70〜120℃が好ましい。120℃を越えた場合には、OPPフィルムの強度的劣化や色調の変化が発生し好ましくない。
【0128】
本発明のガスバリアー性積層体は、各種包装材料として使用できるが、ガスバリアー性積層体上に更に各種フィルムを積層させることで、各種包装材料としての適用範囲が拡大できる。ガスバリアー性積層体上にフィルムなどを積層させることで、ヒートシール性の向上、防湿性の向上、引張強度や突刺し強度、耐衝撃強度などの各種強度の向上を図ることができる。積層させるフィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムやアルミ蒸着フィルム、アルミ箔、シリカやアルミナなどの無機蒸着フィルムなど特に制限がなく、用途に応じて適宜選択可能である。
【0129】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、脂環式構造を有するポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、などのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリヒドロキシブチレート(ICI「バイオボール」)、ポリ乳酸(カーギル「Nature Works」)、ポリカプロラクトン(ダイセル化学「セルグリーン」)、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子「ビオノーレ」)、ポリブチレンサクシネートテレフタレート(デュポン「Biomax」)、ポリグリコール酸、ポリアリキレンカーボネートなどの生分解性樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリスルファン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリルなどの樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また二種類以上を混合して用いてもよい。熱可塑性樹脂から形成されるフィルムは無延伸、一軸延伸、二軸延伸フィルムのいずれでもかまわない。また、熱可塑性樹脂のフィルムを二層以上積層したフィルムでもかまわない。
【0130】
熱可塑性樹脂の積層方法には特に制限はないが、ガスバリアー積層体に接着剤層を設けた後、熱可塑性樹脂フィルムを積層するドライラミネート方式、熱可塑性樹脂を熔融押出しながらガスバリアー性積層体に熱可塑性樹脂層を設ける溶融押出ラミネート方式、ガスバリアー性積層体と熱可塑性樹脂フィルム層の間に接着性の熱可塑性樹脂を押出しラミネートするサンドラミ方式、ガスバリアー性積層体と熱可塑性樹脂を熱ロールで圧着させる熱圧着方式などが挙げられる。
本発明のガスバリアー積層体は、菓子袋、カツオパック、レトルトパウチ、ハムやソーセージなどの肉類包装、魚介類の包装、乳製品の包装、みそ類の包装、茶・コーヒー類の包装、炭酸ガス飲料容器、化粧品、農薬及び医薬品の包装に好適に使用できる。また、真空断熱材の部材、プラズマディスプレーパネルや液晶ディスプレーなどの外装材、太陽電池モジュールの樹脂封止剤、電池用部材など、ガスバリアー性が要求される部材にも好適に使用できる。
【0131】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
配合、濃度、添加量などを示す数値は固形分又は有効成分の質量基準の数値である。
【0132】
<比較例1>
モル比3.5の珪酸リチウム塩溶液(珪酸リチウム35、固形分Li2O・SiO2として23%、日本化学工業(株)製)をイオン交換水で希釈して得た珪酸リチウム塩水溶液(固形分Li2O・SiO2として4%)に、合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN、固形分91%、平均粒子径30〜50nm、コープケミカル(株)製)をイオン交換水にホモミキサーで30分以上分散させて得た合成スメクタイト水分散液(固形分2%)を、各々の固形分比が75/25となるように混合して、さらにイオン交換水を加えて固形分3%のガスバリアー性塗料を調製した。得られたガスバリアー性塗料を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルム(E5100、東洋紡績(株)製、厚さ12μm)のコロナ処理表面に、メイヤーバーを用いて乾燥後のガスバリアー層の厚さが0.2μm(塗工量約0.4g/m2)になるように塗工し、100℃で2分間乾燥してガスバリアー層を形成した。次いで、酸変性SBR(S1X2、酸変性スチレン−ブタジエンラテックス、Tg12℃、ゲル分率79%、固形分50%)をイオン交換水を用いて5%に希釈したものを、メイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が0.4g/m2になるようにガスバリアー層上に塗工し、100℃2分間乾燥してオーバーコート層を形成してガスバリアー性積層体を形成した。
【0133】
<実施例1>
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)のコロナ処理表面に、ポリエチレンイミン(エポミンP−1000、30%ポリエチレンイミン樹脂の水溶液を水で3%に希釈した水溶液、分子量70,000、比重1.04、アミン価18(mgeq/g・solid)、アミン比 1級/2級/3級=25/50/25、日本触媒(株)製)の水溶液とPVA(PVA117、ケン化度99%、完全けん化PVA、重合度1700、(株)クラレ製)の3%水溶液を、ポリエチレンイミンとPVAの固形分質量比が10/90になるように混合して得たアンカー用塗料(固形分3%)を、乾燥後の膜厚が0.2μmとなるよう塗工し、80℃の熱風乾燥機で2分乾燥してアンカー層を形成した。
比較例1と同様に作製した珪酸リチウム塩水溶液(固形分Li2O・SiO2として4%)に、合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN、固形分91%、平均粒子径30〜50nm、コープケミカル(株)製)をイオン交換水にホモミキサーで30分以上分散させて得た合成スメクタイト水分散液(固形分2%)を、各々の固形分比が75/25となるように混合し、更にイオン交換水を加えて珪酸リチウム塩と合成スメクタイトを合わせた固形分が3%である水系液を調製した。酸化ホウ素(B2O3、和光純薬(株)製)とイオン交換水を使用して酸化ホウ素の3%水溶液を作製した。酸化ホウ素固形分と、珪酸リチウムと合成スメクタイトを合わせた固形分の比が20/100(酸化ホウ素の固形分20質量部、珪酸リチウムと合成スメクタイトの合計固形分が100質量部)になるように、上記酸化ホウ素3%水溶液を、珪酸リチウムと合成スメクタイトの固形分3%水系液に撹拌しながら添加、更に30分間撹拌してガスバリアー性塗料とした。
得られたガスバリアー性塗料を、前述のアンカー層上に、メイヤーバーを用いて乾燥後のガスバリアー層の厚さが0.2μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥して第一のガスバリアー層を得た。次いで、イオン交換水を用いてSBR(OX1060、Tg8℃、ゲル分率70%、酸及びカチオン性モノマーで変性されたスチレン−ブタジエンラテックス、固形分50%、日本ゼオン(株)製)の5%水溶液を調製し、オーバーコート塗料とした。オーバーコート塗料をガスバリアー層上にメイヤーバーを用いて塗工量が0.4g/m2となるように塗工して100℃2分間乾燥してオーバーコート層を形成しガスバリアー性積層体を得た。
【0134】
<実施例2>
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)のコロナ処理表面に、ポリエチレンイミン(エポミンP−1000、30%ポリエチレンイミン樹脂の水溶液を水で3%に希釈した水溶液、分子量70,000、比重1.04、アミン価18(mgeq/g・solid)、アミン比 1級/2級/3級=25/50/25、日本触媒(株)製)の水溶液とPVA(PVA117、ケン化度99%、完全けん化PVA、重合度1700、(株)クラレ製)の3%水溶液を、ポリエチレンイミンとPVAの固形分質量比が10/90になるように混合して得たアンカー用塗料(固形分3%)を乾燥後の膜厚が0.2μmとなるよう塗工し、80℃の熱風乾燥機で2分乾燥してアンカー層を形成した。次いで、比較例1と同様に作製した珪酸リチウム塩水溶液(固形分Li2O・SiO2として4%)に、実施例1と同様に作製した合成スメクタイト水分散液(固形分2%)を、各々の固形分比90/10で混合し、更にイオン交換水を加えて、珪酸リチウムと合成スメクタイトを合わせた固形分が3%である水系液を調製した。四ホウ酸アンモニウム四水和物((NH4)2B4O7・4H2O、和光純薬(株)製)とイオン交換水を使用して四ホウ酸アンモニウム水溶液(四ホウ酸アンモニウムとして固形分3%)を作製した。四ホウ酸アンモニウムの固形分と、珪酸リチウムと合成スメクタイトを合わせた固形分の比が5/100(四ホウ酸アンモニウムの固形分15質量部、珪酸リチウムと合成スメクタイトの合計固形分が100質量部)になるように、上記四ホウ酸アンモニウム水溶液を、珪酸リチウムと合成スメクタイトの3%水系液に撹拌しながら添加し、更に30分間撹拌した。上記3%水系液に、エポキシ系シランカップリング剤(KBM403、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製)をイオン交換水で希釈して得た3%水溶液を、エポキシ系シランカップリング剤の固形分と珪酸リチウムと合成スメクタイトの固形分の比が20/100になるように添加し、更に撹拌して3%水溶液とし、ガスバリアー性塗料とした。ガスバリアー性塗料を、前記アンカー層上に、メイヤーバーを用いて、乾燥後のガスバリアー層の厚さが0.2μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥してガスバリアー層を形成した。
イオン交換水を用いてSBR(S1X2、酸変性スチレン−ブタジエンラテックス、Tg12℃、ゲル分率79%、固形分50%)を希釈し固形分4%のSBR水性液を調製した。この4%SBR水性液に、カチオン性樹脂(スミレーズレジン302、ポリアミンポリ尿素樹脂、住友化学工業(株)製、固形分60%)の4%水溶液(イオン交換水で希釈)をSBRに対して5質量部添加し撹拌することでオーバーコート用塗料を作製した。得られたオーバーコート用塗料をメイヤーバーで乾燥後の膜厚が0.2μmになるように塗工し、熱風乾燥機を用いて100℃2分間乾燥し、ガスバリアー性積層体を得た。
【0135】
<実施例3>
実施例2と同様にアンカー層とガスバリアー層を形成した。
イオン交換水を用いて両性SBR(OX1060、Tg8℃、ゲル分率70%、酸及びカチオン性モノマーで変性されたスチレン−ブタジエンラテックス、固形分50%、日本ゼオン(株)製)の5%水溶液を調製した。
別に、酸化ホウ素(B2O3、和光純薬(株)製)とイオン交換水を使用して酸化ホウ素の5%水溶液を作製した。両性SBRの5%水溶液と酸化ホウ素の5%水溶液をそれぞれの固形分で100/20(両性SBR/酸化ホウ素)になるように混合してオーバーコート用塗料を調製した。オーバーコート用塗料をガスバリアー層上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が0.4g/m2になるように塗工し、100℃で2分間乾燥し、ガスバリアー性積層体を得た。
【0136】
<実施例4>
両性SBRの代わりにナイロン樹脂エマルジョン(住友精化(株)製、セポルジョンPA150、固形分40%、融点85−90℃、粒子径2μm)を用いたこと以外は実施例3と同様にしてガスバリアー性積層体を得た。
【0137】
<実施例5>
両性SBRの代わりにポリウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス600、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン、固形分25%、粒子径10nm、Tg70℃)を用いたこと以外は実施例3と同様にしてガスバリアー性積層体を得た。
【0138】
<比較例2>
オーバーコート塗料としてPVA117の3%水溶液としたこと以外は比較例1と同様にしてガスバリアー性積層体を得た。
【0139】
<比較例3>
オーバーコート塗料としてPVA117の3%水溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリアー性積層体を得た。
【0140】
<試験方法>
1)酸素透過度
JIS−K−7126 B法(等圧法)で塗工面を酸素検出器側にして23℃90%RH条件で測定した(酸素透過度測定装置:OX−TRAN100型、MOCON社製)。酸素透過度はサンプルをセットして24時間後の値を酸素透過度とした。酸素透過度は50cc/m2・24hr以下が好ましく、40cc/m2・24hr以下がより好ましく、30cc/m2・24hr以下が更に好ましい。
2)密着性評価
ウレタン系接着剤(タケラックA−971、固形分50%、武田薬品工業(株)製)36質量部とイソシアネート系接着剤(タケネートA−3、固形分75%、武田薬品工業(株)製)3質量部を酢酸エチル61部に添加し攪拌し接着剤塗料(固形分20%、ウレタン/イソシアネート=90/10質量部)を作製した。
接着用塗料をガスバリアー性積層体上に乾燥後の固形分が10g/m2になるようにメイヤーバーで塗布、70℃で20秒間乾燥し接着剤層を形成した。
接着剤層と25μm厚さのナイロンフィルム(ON−25、(株)ユニチカ製)のコロナ処理面を重ね合せ、25gf/cm2の荷重で40℃24時間エージング処理を行い、ガスバリアー性積層体とナイロンフィルムの積層体を得た。
該積層体のナイロンフィルムとガスバリアー性積層体を15mm巾でスリットし、180℃ピール強度(U字強度、オーバーコート層とガスバリアー層間の接着強度)を測定した。引張速度は30m/minで、測定点数は7点として最大値と最小値を除いた5点の平均値を密着強度とした。
密着強度は0.5N/15mm以上であれば必要上十分な強度を有するが、1N/15mm以上であれば更に好ましい。
密着強度は40℃24時間エージングしたサンプルを23℃50%RHあるいは40℃90%RHに24時間放置したものも測定した。
【0141】
【表1】
【0142】
【発明の効果】
本発明によって、高湿度条件下においても優れたガスバリアー性を有し、密着性が向上し、包装用材料として好適なガスバリアー性積層体を提供することが可能となった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas barrier laminate suitable as various packaging materials and molding materials.
[0002]
[Prior art]
In packaging materials used for packaging foods and the like, gas barrier properties, particularly barrier properties of oxygen, water vapor, carbon dioxide and aroma (aroma, flavor) are important qualities from the viewpoint of protecting the quality of the contents.
Packaging materials using such barrier materials include confectionery bags, bonito packs, retort pouches, meat packaging such as ham and sausage, seafood packaging, dairy packaging, miso packaging, tea and coffee packaging. It is used in many fields such as carbon dioxide beverage containers, cosmetics, agricultural chemicals and pharmaceutical packaging.
On the other hand, heat such as polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene, polyester resins such as polyethylene terephthalate (PET) and polyethylene naphthalate (PEN), polyamide resins such as nylon 6 and nylon 66, polystyrene, and ethylene vinyl acetate copolymer Plastic resins are widely used as packaging materials because of their excellent strength, heat resistance, transparency, and the like.
However, when a film made of these thermoplastic resins is used as a packaging material, the gas barrier property is insufficient, so it is laminated with a thermoplastic resin having gas barrier properties, an aluminum foil, an aluminum vapor deposition film, a silicon vapor deposition film, or the like. In general, a packaging material is used.
[0003]
Examples of the thermoplastic resin having high gas barrier properties include polyvinyl alcohol (hereinafter referred to as PVA), polyethylene vinyl alcohol (EVOH, saponified ethylene-vinyl acetate copolymer), polyalcohol (reduced product of polyketone), and polyvinylidene chloride (PVDC). However, high hydrogen bonding resins that exhibit barrier properties by hydrogen bonding with hydroxyl groups such as PVA and EVOH have a sharp barrier property at high humidity (for example, 20 ° C. and 80% RH or more). There is a problem that decreases. PVDC is excellent in barrier properties under high humidity conditions, but the barrier property is greatly reduced at high temperatures. Moreover, since PVDC is a chlorinated compound, there is a possibility that problems such as the generation of dioxins may occur during incineration, and the recent situation is to refrain from using it as a packaging material as much as possible due to the increased awareness of global environmental problems. is there.
[0004]
As a method for improving the gas barrier property of a high hydrogen bonding resin under high humidity conditions, a gas barrier layer (Japanese Patent Laid-Open No. 7-251489) in which an inorganic layered compound is added to a high hydrogen bonding resin is shown.
However, in the gas barrier layer obtained by this technique, the high hydrogen bonding resin has a hydrophilic polar group, and the resin itself easily swells due to hydrogen bonding of the polar group to water molecules. Since the oxygen molecules easily pass through the swollen molecular chain, the gas barrier property is deteriorated. Therefore, although an inorganic layered compound is added, satisfactory gas barrier properties under high humidity conditions cannot be obtained. In addition, when the amount of inorganic layered compound is increased to improve gas barrier properties under high humidity conditions, the transparency of the gas barrier layer decreases and haze increases, resulting in limited fields for packaging materials. Can only be used.
[0005]
There is also a conventional technique for forming a gas barrier layer with an alkali metal silicate solution. For example, a method for obtaining a gas barrier laminate by applying an aqueous liquid composed of an alkali metal silicate solution and a coupling agent to the surface of a polymer molded article to form a thin film (JP-A-8-238711), An example is a method of mixing a sodium silicate aqueous solution and a lithium silicate aqueous solution to obtain a gas barrier material from this mixture (Japanese Patent Laid-Open No. 7-18202).
The former has the advantage that the gas barrier laminate can be produced at low cost without performing operations such as vapor deposition, but the gas barrier properties may still be insufficient, and the coating strength and water resistance are poor. Remain.
Moreover, it is difficult to say that the gas barrier layer mainly composed of an alkali metal silicate such as the latter completely solves the problems of insufficient water resistance and crack generation of the alkali metal silicate coating.
[0006]
On the other hand, there is a conventional technique for forming a gas barrier layer by hydrolysis of a metal alkoxide. For example, in Japanese Patent No. 2556940, a composition containing an alkoxysilane, a silane coupling agent and polyvinyl alcohol is polycondensed to form a gas barrier laminate film from a composite polymer whose main component is a linear polymer. The technology is described. However, even with this method, satisfactory results have not been obtained with respect to gas barrier properties under high humidity conditions.
[0007]
Further, JP-A-11-129379 describes a gas barrier laminate comprising an inorganic layered compound, a resin and a hydrolyzate of metal alkoxide. In this method, a hydrolyzate of a metal alkoxide is further added to a paint mainly composed of an inorganic layered compound and a resin. Since the reaction proceeds so as to have a three-dimensional network structure, the gas barrier layer thus formed must be porous, and high barrier properties cannot be expected even if an inorganic layered compound is added.
[0008]
The present inventors diligently studied a gas barrier layer using a silicic acid condensate.
The silicic acid condensate refers to an alkali metal silicate or colloidal silica. The alkali metal silicate salt is also called water glass, and examples thereof include sodium silicate, lithium silicate, and ammonium silicate. Colloidal silica is typified by colloidal particles obtained by dealkalizing from an alkali metal silicate using an ion exchange resin and then condensing.
[0009]
Alkali metal silicates and colloidal silica are ultrafine particles whose primary particles are below nanometer level or nanometer level, and contain many monomers, dimers, trimers, octomers, and oligomers condensed with these in solution. These particles have a reactive functional group on the surface, and not only are the particles spread throughout the formation of the film, but also a condensation reaction occurs upon drying to form a uniform barrier film.
[0010]
As a result of intensive studies, the inventors of the present invention have disclosed a gas barrier laminate in which cracking of a gas barrier layer is prevented by combining a silicic acid condensate and a flat pigment (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-2001).199016No. publication). However, the silicic acid condensate and the flat pigment alone have insufficient water resistance when held at a high temperature and high humidity for a long period of time. there were.
[0011]
As a result of further investigation on this problem, a nitrogen-containing compound that reacts with the silicic acid condensate to accelerate the condensation was used to obtain a gas barrier laminate in which the water resistance of the gas barrier layer and the adhesion to the support were improved ( (Japanese Patent Application No. 2000-0678758).
However, since the film of the silicic acid condensate is inorganic, it has the advantage of being hard and not easily scratched. However, when used as a packaging material, the flex resistance may be insufficient depending on the intended use. In addition, when alkali metal silicate is used as the silicic acid condensate, the alkali metal silicate is strongly alkaline, so it absorbs moisture and carbon dioxide in the air and the coating turns white (white flower phenomenon). Has the disadvantage of being damaged.
[0012]
Therefore, the present inventors have provided an overcoat layer containing a high hydrogen bonding resin on the gas barrier layer containing the silicic acid condensate to provide flexibility, and the gas barrier property with reduced whiteness of the coating film. A laminate was proposed (Japanese Patent Application No. 2000-220059).
However, even in the above gas barrier laminate, the prevention of white flower phenomenon is not complete, and further, the gas barrier property under high humidity conditions is sufficient for a short time, but for a long time under high humidity (24 It was inadequate after the time).
Furthermore, the present inventors include an acidic substance in the barrier layer or the second gas barrier layer containing a hydrogen bonding resin in order to prevent the white flower phenomenon. A gas barrier laminate with good oxygen barrier properties over time was proposed.
The gas barrier laminate obtained in this way is usually rarely used as a packaging laminate in the form as it is, and many of them are other films, laminates, paper, aluminum foil (including all of these). And used as a laminate with another substrate).
The purpose of laminating with other base materials is to improve heat sealability, increase strength as a package, and further improve barrier properties.
As a lamination method, a gas barrier laminate and another substrate are bonded via an adhesive (dry lamination), or when the other substrate is made of a thermoplastic resin, the thermoplastic resin There are known methods such as laminating (extrusion laminating) while extruding a gas barrier laminate on the gas barrier laminate, and laminating other substrates with thermocompression bonding to the gas barrier laminate.
When laminated with another substrate, the adhesion strength between the substrate and the gas barrier laminate is very important when used as a package. When the adhesion strength is weak, there is a problem that peeling (delamination) occurs between the other substrate and the gas barrier laminate and the appearance is remarkably impaired, or when the package is opened, it is difficult to open the package. appear.
However, it has been found that a gas barrier laminate having a gas barrier layer containing a silicic acid condensate tends to have low adhesion strength with other substrates.
[0013]
Therefore, the present inventors diligently studied to improve the adhesion strength, and by providing an overcoat layer containing a hydrophobic resin on the gas barrier layer containing the silicic acid condensate, the adhesion strength with other base materials. Found that it will become stronger.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has excellent gas barrier properties even when left in the atmosphere for a long period of time under high humidity conditions, and at the same time has excellent adhesion to other substrates, and is suitable as a packaging material. A laminated body is provided.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The present invention adopts the following method in order to solve the above problems.
[0016]
That is, the first of the present invention is a gas barrier laminate in which a gas barrier layer is formed on at least one side of a support, wherein the gas barrier layer is at least one silicate condensate selected from alkali metal silicates or colloidal silica, and An overcoat layer containing a flat pigment and a hydrophobic resin is formed on the gas barrier layer.The hydrophobic resin has a functional group exhibiting a cationic propertyIt is a gas barrier laminate.
A second aspect of the present invention is a gas barrier laminate in which a gas barrier layer is formed on at least one side of a support, wherein the gas barrier layer is at least one silicic acid condensate selected from alkali metal silicate or colloidal silica and a flat plate shape. A gas barrier laminate comprising an overcoat layer containing a pigment and a hydrophobic resin formed on the gas barrier layer, wherein the overcoat layer contains at least one of a cationic substance and an acidic substance. is there.
[0017]
First of the present invention3The silicic acid condensate has the general formula M2O · nSiO2The first aspect of the present invention is at least one selected from sodium silicate, potassium silicate, and lithium silicate represented by (n> 0, M = Na, K, Li).To any of ~ 2It is a gas-barrier laminated body of description.
[0018]
First of the present invention4Is a first pigment of the present invention in which the tabular pigment is at least one selected from smectite clay and mica group.3The gas barrier laminate according to any one of the above.
[0019]
First of the present invention5Is a hydrophobic resin, styrene-butadiene copolymer, acrylic−Styrene copolymer, polyester resin, polyurethane resin,Polyamide copolymer1 to 1 of the present invention, which is at least one selected from4The gas barrier laminate according to any one of the above.
[0023]
First of the present invention6In the present invention, the acidic substance is at least one selected from a phosphoric acid compound, a sulfuric acid compound, a carbonic acid compound, a boron compound, and a silicic acid compound.2 to 5It is a gas-barrier laminated body of description.
[0024]
First of the present invention7The gas barrier layer includes an acidic substance other than silicic acid in the first to the first aspects of the present invention.Any of 6It is a gas-barrier laminated body of description.
[0025]
First of the present invention8The acidic substance other than silicic acid is at least one selected from phosphoric acid compounds, sulfuric acid compounds, carbonic acid compounds, and boron compounds.7It is a gas-barrier laminated body of description.
[0026]
First of the present invention9The gas barrier layer contains a hydrolyzed condensate of a metal alkoxide having an organic functional group.8The gas barrier laminate according to any one of the above.
[0027]
First of the present invention10Are the first to the present invention in which an anchor layer is present between the support and the gas barrier layer.9The gas barrier laminate according to any one of the above.
[0028]
First of the present invention11The anchor layer of the present invention contains at least one selected from a nitrogen-containing compound or a high hydrogen bond resin.10It is a gas-barrier laminated body of description.
[0029]
First of the present invention12Are the first to the present invention in which a thermoplastic resin layer is laminated on the overcoat layer.11The gas barrier laminate according to any one of the above.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
The gas barrier layer in the present invention is selected from alkali metal silicate or colloidal silica.WasAt least one of at least one silicic acid condensate and a flat pigment are included.
[0031]
Among the silicic acid condensates, alkali metal silicate is M2O · nSiO2(M is an alkali metal, n> 0). It is usually handled as a concentrated aqueous solution.
The alkali metal M is lithium, sodium, potassium or the like. In the present invention, a cationic ion such as ammonium is also included in the category of M. n is also called a molar ratio, and a range of about 0.5 to 10 is preferable. If the molar ratio is less than 0.5, the film-forming ability due to the condensation of silicic acid is lowered, or the content of alkali metal salt is too much, so the water resistance and moisture resistance are often lowered, and the white flower phenomenon tends to occur. On the other hand, when the molar ratio exceeds 10, there may be a problem in the coated surface such as the occurrence of cracks.
[0032]
Note that alkali metal silicates having a high molar ratio exceeding 10 are not commercially available. However, a method of adding various alkali metal hydroxides to amorphous silica or colloidal silica and dissolving them, or commercially available It is possible to prepare an amorphous silica or colloidal silica by a method of dissolving the amorphous silicate alkali metal salt, and the alkali metal silicate salt thus prepared can also be used in the present invention. When using alkali metal silicates with a high molar ratio, the use of very thin flat pigments with a specific shape or the formation of ultrathin films of 0.5 μm or less will cause shrinkage in the direction of the film thickness. If the surface shrinkage is almost the same, cracks are less likely to occur.
[0033]
Of the silicic acid condensates, colloidal silica can be obtained by neutralizing sodium silicate with an inorganic acid or hydrolyzing silicon ester or silicon halide. In addition, after passing an alkali metal silicate such as sodium silicate through the cation ion exchange resin layer, the pH is adjusted with an alkali, and then heated to produce a core of colloidal silica, and the cation exchange resin layer is further passed through the liquid. It is obtained by slowly dripping the prepared sodium silicate solution. When the dropping speed is increased rapidly, the condensation proceeds rapidly, aggregation is generated, and a porous structure is obtained. By slowly dripping, the monomer deposits sequentially on the silanol groups on the surface of the nucleus to grow particles. Colloidal silica can be grown to an arbitrary size of several nm to several μm by adjusting pH appropriately and slowing the dropping rate. The particle diameter of the colloidal silica used in the present invention is preferably in the range of several nm to several hundred nm. Moreover, a filling rate can also be enlarged by using colloidal silica of a different particle diameter in combination.
[0034]
Colloidal silica may be inferior in film-forming property and gas barrier property as compared with alkali metal silicate. In that case, the film formability and gas barrier properties can be improved by adding an alkali metal salt to the colloidal silica to cleave the siloxane bond on the surface of the colloidal silica.
[0035]
As the silicic acid condensate used in the present invention, alkali metal silicate and colloidal silica are more preferably alkali metal silicate in view of only gas barrier properties.
As the alkali metal silicate, in the case of sodium silicate where the alkali metal is sodium, sodium orthosilicate (Na2O ・ 1 / 2SiO2Or Na4SiO4), Sodium sesquisilicate having a molar ratio of 0.67 (3Na2O ・ 2SiO2Or Na6Si2O7), Sodium metasilicate (Na of molar ratio 1)2O ・ SiO2Or Na2SiO3), Sodium disilicate (Na2O ・ 2SiO2Or Na2Si2O5), Sodium tetrasilicate (Na2O ・ 4SiO2Or Na2Si4O9, Also known as: sodium silicate No. 4), and sodium silicate No. 1 (molar ratio 2), No. 2 (molar ratio 2.5), No. 3 (moles) defined by Japanese Industrial Standards JIS-K-1408 3), 1 type of sodium metasilicate, 2 types of sodium metasilicate.
[0036]
There are various compositions of potassium silicate in which the alkali metal is potassium. As an example, potassium metasilicate (K2O ・ SiO2), Potassium tetrasilicate (K2O ・ 4SiO2・ H2O, also known as potassium hydrogen disilicate). Lithium silicate whose alkali metal is lithium is lithium orthosilicate (Li2O ・ 1 / 2SiO2), Lithium metasilicate (Li2O ・ SiO2), 3.5 lithium silicate, 7.5 lithium silicate (Li2O ・ 7.5SiO2)and so on.
For example, ammonium salts such as ammonium silicate using tetramethylammonium ions as counter ions are also included in the category of alkali metal silicates in the present invention.
[0037]
These alkali metal silicates have different degrees of condensation and different particle sizes depending on the molar ratio. The size cannot be determined clearly because the solubility in the liquid increases as the molar ratio decreases, but most of them are several nanometers or less by analogy with the dynamic light scattering method. As can be packed densely. These alkali metal silicates may be used as a mixture of two kinds or may be used as a mixture of two or more kinds of alkali metal silicate and colloidal silica. Further, an alkali metal salt may be added to improve the film formability.
[0038]
The presence of the flat pigment in the gas barrier layer of the present invention can improve the resistance against cracking of the volume of the gas barrier layer (crack prevention). Such a concept is in the field of plastic molding. For example, a method has been adopted in which glass fiber is kneaded into plastic to prevent generation of crazes that cause breakage when an impact is applied, and to make reinforced plastic. Also in the present invention, the occurrence of cracks accompanying the condensation of the silicic acid condensate can be prevented by mixing the flat pigment, and the strength of the film made of the silicic acid condensate can be increased. Obtaining such an effect is difficult with spherical pigments typified by calcium carbonate, and is an effect specific to flat pigments.
Moreover, since the flat pigment has a large specific surface area and the surface thereof is hydrophilic, the silanol group of the silicic acid condensate in contact with the surface of the flat pigment cannot be condensed. As a result, it is considered that a flat pigment having a large specific surface area inhibits condensation of silicic acid and prevents cracks.
[0039]
Further, the flat pigment brings not only an effect of preventing cracking due to shrinkage accompanying the condensation of the silicic acid condensate, but also a unique effect for improving the gas barrier property. A flat pigment is generally a pigment having a flat property, and in the present invention, the ratio of the major axis to the thickness (aspect ratio) is 5 or more. In the present invention, a silicic acid condensate and a flat pigment are blended in the gas barrier layer, and the flat pigment is spread in a fish scale in the gas barrier layer to prevent gas from entering. The flat pigment is an inorganic substance having crystallinity, and gas molecules do not permeate from the planar direction to the thickness direction. In the present invention, such a flat pigment is spread, and the flat pigment is stacked in the thickness direction of the layer, so that a gas molecule to be transmitted permeates the flat pigment and permeates the so-called curve effect. Demonstrated. Therefore, it is possible to obtain a gas barrier property that is several times better than the case of using a nearly spherical pigment such as calcium carbonate, which is a general-purpose pigment.
Such a flat pigment is preferably an inorganic layered compound in which unit crystal layers are stacked to form a layered structure. “Layered compound” means a compound or substance having a layered structure, and “layered structure” means that a surface in which atoms are strongly bonded by a covalent bond or the like and closely arranged has a weak binding force such as van der Waals force. This refers to pigments with high flatness that are bonded in parallel with the structure and ions stacked in parallel.
[0040]
As the flat pigment used in the present invention, firstly, a phyllosilicate mineral is exemplified. Those belonging to the phyllosilicate minerals are plate-like or flaky and have a clear cleavage, mica, pyrophyllite, talc, chlorite, septite chlorite, serpentine, stilpnomelane, There are clay minerals. Among these, preferred are minerals such as mica and talc, which have large particles when produced and a large amount of production. The mica family includes muscovite (mascobite), sericite (sericite), phlogopite (flocopite), biotite (biotite), fluorophlogopite (artificial mica), red mica, soda mica, vanadine mica, illite, Chin mica, paragonite, brittle mica and so on. Of course, synthetic products such as synthetic mica similar in composition to talc are also included in the scope of the present invention.
Synthetic mica includes fluorine phlogopite, potassium tetrasilicon mica, sodium tetrasilicon mica, sodium teniolite, lithium teniolite, and the like. Synthetic mica has the advantage that it can be selected with less impurities and a larger aspect ratio. Mica synthesis methods include hydrothermal synthesis (method of synthesis under pressurized and humidified conditions), solid-phase reaction (method of solid-phase reaction at talc and alkali fluorosilicate at 500 to 800 ° C. for several hours), melting method ( And a method of melting and synthesizing raw materials containing silica, alkali and fluorine at a high temperature of about 1500 ° C.), and the melting method is preferable in terms of purity, crystallinity and cost.
[0041]
Clay minerals such as kaolin are generally called flat crystals, but if one crystal is taken, there is a flat plate part, but it is granular as a whole. However, among kaolins, delaminated kaolin and the like that are intentionally exfoliated to form a flat plate can be used in the present invention. When deramikaolin or the like is used as a pigment, the particle size of the pigment used in the gas barrier layer may need to be reduced according to the film thickness, and these pigments are pulverized by ball mill, sand grinder, covol mill, jet mill, etc. It is necessary to pulverize and classify it with a machine to obtain the desired size.
[0042]
The second of the flat pigments used in the present invention is a so-called inorganic layered compound having a stacked structure and high flatness bonded by ions. Specific examples of inorganic layered compounds include graphite, phosphate derivative compounds (zirconium phosphate compounds), chalcogen compounds [formula MX2The dichalcogen compound represented by these is illustrated. Here, M represents an element of group IV (Ti, Zr, Hf), group V (V, Nb, Ta) or group VI (Mo, W), and X represents chalcogen (S, Se, Te). ].
[0043]
A third example of the flat pigment used in the present invention is a clay mineral such as a smectite group or a vermiculite group. More specifically, dickite, nacrite, smectite, halloysite, antigolite, chrysotile, pyrophyllite, tetrasilic mica, sodium teniolite, lithium teniolite, margarite, vermiculite, xanthophyllite, chlorite, etc. Can be mentioned. Examples of the layered polysilicate include kanemite, macatite, islayite, makadiaite, and kenyaite. Such flat pigments are also sometimes referred to as inorganic layered compounds. These synthetic products may also be used. Synthetic smectites include sodium hectorite, lithium hectorite, saponite and the like. These can be synthesized by hydrothermal synthesis or a melting method.
[0044]
Of these, smectite clay is particularly preferred. Smectite clay is composed of three-layered crystals, and montmorillonite, beidellite, nontrolite, saponite, iron saponite, hectorite, soconite, stipponsite, heptite and the like are known. In addition, bentonite and acid clay, which are minerals containing montmorillonite as a main component and other components, also fall under the category of smectite clay.
[0045]
These smectite clays are light yellow or white fine powders having a size of several nanometers to several micrometers, and swell in water to form a unique colloidal structure. For example, montmorillonite has a three-layer structure in which an alumina layer is sandwiched between two silicas as a unit, and the flakes are connected via water. In an aqueous solution, the flakes are separated because of the water between the flakes. Become.
[0046]
In general, when smectite clay is dispersed in water, it easily forms a colloidal dispersion, that is, a sol. However, as the concentration increases, a gel tends to be formed and exhibits a remarkable thixotropic property. For this reason, it is difficult to prepare a highly concentrated smectite clay dispersion. In such a case, it is preferable to add a deflocculant because a stable fluid dispersion (sol) is obtained and the viscosity of the paint is lowered. Examples of the peptizer include polyvalent phosphates such as hexametaphosphate and polyphosphate (sodium pyrophosphate, etc.). In particular, sodium pyrophosphate is preferable because of its excellent performance / price ratio.
[0047]
The particle size of the tabular pigment is preferably between 10 nm and 10 μm, more preferably about 10 nm to 5 μm. If it is less than 10 nm, the flatness does not work effectively, it is difficult to line up in parallel with the support during the drying of the coating layer, and it is difficult to exhibit a curved path effect. On the other hand, if it exceeds 10 μm, it may be a cause of poor appearance such as an increase in haze, or the film-forming property of the silicic acid condensate may be deteriorated.
[0048]
The flat pigment usable in the present invention preferably has a particle size of 1 μm or less from the viewpoint of the transparency of the gas barrier laminate. Further, when the gas barrier laminate is a film and used for applications in which transparency is important (for example, food applications), the particle size is more preferably 0.5 μm or less.
The transparency is preferably 80% or more (more preferably 85% or more) and haze in the range of 0.5 to 10% in terms of total light transmittance at a wavelength of 500 nm. Such transparency can be suitably measured with, for example, a commercially available spectrophotometer (Shimadzu autograph spectrophotometer UV-3100PC type: manufactured by Shimadzu Corporation).
[0049]
The flat pigment is generally a pigment having flatness, and in the present invention, it particularly means a pigment having an aspect ratio of 5 or more, which is a ratio of the major axis to the thickness. In terms of improving gas barrier properties, the aspect ratio is more preferably 20 or more. When the aspect ratio is less than 20, the curve effect is small, and the gas barrier property may not be sufficiently developed depending on the application. On the other hand, it is technically difficult to obtain a flat pigment having an aspect ratio exceeding 5000, and it is economically expensive. Therefore, the aspect ratio is preferably 5000 or less from the viewpoint of ease of production.
[0050]
The aspect ratio of the flat pigment can be determined by measuring the particle diameter and thickness of the pigment. In the present invention, the powdered pigment was directly observed using a transmission electron microscope or a scanning electron microscope, and the average particle diameter was determined. The thickness of the particles was measured by looking for particles that looked like rods other than scales in the field of view of the electron microscope, and measured the thickness. This measuring method is suitable for determining the particle diameter and thickness of non-swellable mica such as mica family. The particle size of the tabular pigment can be measured by an average particle size using a light scattering method measuring device.
In order to determine the thickness of the particles, it is also possible to measure the thickness by forming a coating film with a paint containing a flat pigment, then cutting the coating film surface vertically and observing the cross section under a microscope. This measurement method is particularly suitable for determining the particle diameter and thickness of water-swellable clay minerals such as montmorillonite and smectite.
[0051]
The ratio of the silicic acid condensate and the tabular pigment in the gas barrier layer can be arbitrarily determined according to the situation. In the case of a flat pigment, for example, smectite clay such as montmorillonite can easily form a film due to its flatness and surface charge. Of course, the strength of the coating is weak and water resistance is low, so it is necessary to reinforce with a silicic acid condensate. On the other hand, when the silicic acid condensate is used alone, cracks are likely to occur in the coating film due to the condensation, but the occurrence of cracks can be greatly reduced by adding a flat pigment. Thus, the silicic acid condensate and the flat pigment function to compensate for each other's disadvantages. For this reason, the ratio of the silicic acid condensate and the flat pigment can take a wide range. The ratio of the silicic acid condensate and the flat pigment is preferably about 99/1 to 10/90 in terms of mass blending ratio, preferably 99/2 to 20/80, more preferably 99/3 to 30/70. When the ratio of the flat pigment is less than 1% by mass, the effect of preventing cracks is reduced. Further, when the ratio of the flat pigment exceeds 90% by mass, the gas barrier property is lowered.
[0052]
Over the gas barrier layer for reasons such as preventing the occurrence of cracks in the gas barrier layer and the white flower phenomenon, and further improving the gas barrier property and imparting printability and laminate suitability. A coat layer can be provided.
By the way, since hydrophilic resin which has hydroxyl groups, such as polyvinyl alcohol, is excellent in gas barrier property, when it was used as an overcoat layer, it was thought that the gas barrier property of the whole gas barrier laminate was improved.
However, it has been found that such an overcoat layer made of a hydrophilic resin has low adhesion between the above-mentioned silicic acid condensate and a gas barrier layer made of a flat pigment. In particular, it has been found that the adhesion strength is extremely lowered when kept in a high humidity atmosphere such as 30 ° C. and 80% for a long time.
This is because the adhesive strength between the gas barrier layer and the overcoat layer is due to hydrogen bonding between the silicic acid condensate in the gas barrier layer and polyvinyl alcohol in the overcoat layer. It was presumed that the adhesive strength was reduced. Moreover, since there were few SiOH groups on the surface of the said gas barrier layer and many Si-O-Si bonds were distributed, it was guessed that adhesiveness with hydrophilic resins like polyvinyl alcohol will become low.
[0053]
Therefore, the present inventors have dramatically improved the adhesive strength with the gas barrier layer when the overcoat layer is formed using a hydrophobic resin such as styrene-butadiene latex instead of the conventionally used hydrophilic resin. Found to improve.
Furthermore, it has been found that the use of a hydrophobic resin exhibiting a cationic property greatly improves the adhesion strength under high humidity conditions. This is presumed that the surface of the gas barrier layer containing the silicic acid condensate was anionic and strongly adhered to the cationic substance by ionic bonds. In addition, a small amount of SiOH or SiO on the gas barrier layer surface−It is presumed that the adhesion strength is improved because the cationic resin and the cationic resin form a covalent bond (SiO-N) with a nitrogen atom which is an ionic bond or a cation component.
[0054]
The hydrophobic resin used for the overcoat layer in the present invention has good film formability and the film exhibits water resistance.
More specifically, the hydrophobic resin in the present invention refers to a resin that satisfies at least one of the following three conditions.
That is, the first condition indicates that the contact angle of water at 20 ° C. (the value after 10 seconds from dropping water drops) on the surface of the coating film formed by the resin is 45 degrees or more. More preferably, it is 60 degrees or more, and further preferably 75 degrees or more.
Further, the second condition is that the resin film formed has a solubility in water of 20 ° C. of 3% (mass basis) or less. More preferably, it is 2% or less, and further preferably 1% or less.
Further, the third condition is that the moisture permeability of the formed 20 μm-thick resin film under a high humidity condition is 500 g / m.2・ It shall be less than 24hr (40 ° C 90% condition of JIS Z0208). More preferably 400g / m2-24 hr or less, more preferably 300 g / m2・ 24hr or less.
Specific examples of the hydrophobic resin include the following.
That is, styrene-butadiene copolymer, acrylic-styrene copolymer, methacrylate-butadiene copolymer, acrylonitrile-butadiene copolymer, acrylic ester copolymer, polyester resin (polyethylene terephthalate, polyethylene Naphthalate, etc.), polyurethane resins, polyamide copolymers (nylon 6, nylon 66, etc.), polycarbonate copolymers, polyolefin polymers, α-olefin / unsaturated carboxylic acid copolymers, (modified) rosin Resin, (modified) terpene resin, cation-modified polyurethane resin, polyvinyl pyrrolidone, vinyl pyrrolidone-vinyl acetate copolymer, tertiary nitrogen-containing acrylic resin, etc. (for cation resin, see JP-A-8-90898) No., JP 3-162275 discloses a JP 62-148292 Laid reference) and the like.
[0055]
Further, those obtained by modifying these resins with monomers having other functional groups are also preferably used. Examples of monomers to be modified include unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, and crotonic acid; unsaturated polycarboxylic acids such as fumaric acid, maleic acid, itaconic acid, and butenetricarboxylic acid; monoethyl maleate, itacone Partially esterified product of ethylenically unsaturated polyvalent carboxylic acid such as monomethyl acid; methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, n-amyl (meth) acrylate, (meth) (Meth) acrylic acid esters such as isoamyl acrylate, n-hexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, n-octyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate; Cyano group-containing ethylenically unsaturated compounds such as (meth) acrylonitrile; Glycidyl ethers of ethylenically unsaturated acids such as glycidyl oxalate; Glycidyl ethers of unsaturated alcohols such as allyl glycidyl ether; (Meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide, N-butoxymethyl (meth) acrylamide and the like ( A meth) acrylamide compound is used. It is also possible to modify using two or more types of monomers.
[0056]
As the hydrophobic resin used as the overcoat layer in the present invention, a hydrophobic resin having a cationic functional group is more preferable. The most preferred functional group exhibiting cationic properties is a nitrogen-containing functional group. Specific examples of the resin include a polyurethane resin and a polyamide resin. Cationic properties such as cyano group-containing ethylenically unsaturated compounds such as (meth) acrylonitrile and (meth) acrylamide compounds such as (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide and N-butoxymethyl (meth) acrylamide Resins modified with monomers having, for example, styrene-butadiene copolymer, acrylic-styrene copolymer, methacrylate-butadiene copolymer, acrylonitrile-butadiene copolymer, acrylic ester copolymer, polyester A cationically modified resin such as a resin or an amphoteric (having both a cationic functional group and an anionic functional group) modified resin is also preferably used.
[0057]
Moreover, moisture resistance adhesive strength with a gas barrier layer can be improved by adding a cationic compound to the above-mentioned hydrophobic resin. Examples of the cationic compound that can be added to the hydrophobic resin are as follows.
That is, examples of the cationic compound include polyimine compounds. Examples of polyimine compounds include polyethyleneimine, alkyl or cyclopentyl-modified polyethyleneimine, ethylene urea imine adduct, poly (ethyleneimine-urea) and polyamine polyamide ethyleneimine adduct, or their alkyl-modified products, alkenyl There is a polyimine compound (polyalkyleneimine compound) selected from the group consisting of a modified product, a benzyl modified product, or an aliphatic cyclic hydrocarbon modified product, polyamideimide, and polyimide varnish. The polyalkyleneimine used in the present invention is preferably polyethyleneimine and polypropyleneimine, and particularly preferably polyethyleneimine. These polyalkyleneimines may be used alone or in the form of a salt with acetic acid, p-toluenesulfonic acid, sulfuric acid, hydrochloric acid or the like.
[0058]
Moreover, a polyamine type compound is mentioned as a cationic compound. Polyamine compounds include polyalkylene polyamines. For example, there are compounds such as polyethylene polyamine, ethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine.
In addition, examples of the same effect include polyamides such as polyamidoimide adducts of polyamides, hydrazine compounds, and epichlorohydrin adducts of polyamine polyamides (saturated dibasic carboxylic acids having 3 to 10 carbon atoms and polyamines). Polyamineamide compounds such as water-soluble and cationic thermosetting resins obtained by reacting polyamides with epichlorohydrin from alkylene polyamines, and urea compounds such as urea, thiourea, guanylurea, methylurea, and dimethylurea. In the invention, it is in the category of amine compounds.
[0059]
Furthermore, examples of the cationic compound include amine compounds. The amine compound may be any of primary amine compounds, secondary amine compounds, tertiary amine compounds, and quaternary ammonium salt compounds, and any of organic monoamines and organic polyamines. Also good. Furthermore, organic amine compounds include those having different functional groups other than amino groups, such as epoxy groups, hydroxyl groups, carboxylic acid groups, and nitrile groups. Examples of modified amine compounds include adducts of compounds having an epoxy group such as monoepoxy compounds and diepoxy compounds and amine compounds, compounds having hydroxyl groups such as ethylene oxide and propylene oxide, and adducts of amine compounds, acrylonitrile and amine compounds. And the adduct obtained by the Mannich reaction of a phenol compound, an aldehyde compound and an amine compound.
Such modifications include 1) reducing the toxicity of the amine compound such as irritating odor and skin irritation, 2) reducing the viscosity of the amine compound, and 3) increasing the molecular weight and reducing the weighing error. There are effects such as doing. There is no particular limitation on the degree of modification of the amine compound.
[0060]
Specific examples of the amine compound used in the present invention are as follows.
1) Aliphatic polyamine (polyalkylene polyamine) or monoamine: ethylenediamine, propylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, pentaethylenehexamine, iminobis-propylamine, bis (hexamethylene) triamine, dimethylaminopropylamine, Diethylaminopropylamine, aminoethylethanolamine, methyliminobispropylamine, menthanediamine-3, N-aminoethylpiperazine, 1,3-diaminocyclohexane, isophoronediamine, triethylenediamine, polyvinylamine, stearylamine, laurylamine and the like.
2) Aromatic polyamine or monoamine: m-phenylenediamine, 4,4′-methylenedianiline, benzidine, diaminodiphenyl ether, 4,4′-thiodianiline, dianisidine, 2,4-toluenediamine, diaminodiphenylsulfone, 4,4 '-(O-Toluidine), o-phenylenediamine, methylenebis (o-chloroaniline), m-aminobenzylamine, aniline, and the like.
3) Aliphatic polyamine or monoamine having an aromatic ring group: metaxylylenediamine, tetrachloroxylenediamine, trimethylaminomethylphenol, benzyldimethylamine, α-methylbenzyldimethylamine and the like.
4) Secondary amine: N-methylpiperazine, piperidine, hydroxyethylpiperazine, pyrrolidine, morpholine and the like.
5) Tertiary amine: tetramethylguanidine, triethanolamine, N, N′-dimethylpiperazine, N-methylmorpholine, hexamethylenetetramine, triethylenediamine, 1-hydroxyethyl-2-heptadecylglyoxalidine, pyridine, Pyrazine, quinoline, etc.
6) Quaternary ammonium salt: diallyldimethylammonium chloride, hexyltrimethylammonium chloride, cyclohexyltrimethylammonium chloride, octyltrimethylammonium bromide, 2-ethylhexyltrimethylammonium bromide, 1,3-bis (trimethylammoniomethyl) cyclohexane dichloride, lauryl Dimethylbenzylammonium chloride, stearyldimethylbenzylammonium chloride, tetradecyldimethylbenzylammonium chloride and the like.
[0061]
Examples of the amines also include amines described in JP-A-10-226989.
An imine compound can also be used as the cationic compound. Examples of the imine compound include ethyleneimine.
Furthermore, a melamine compound or a compound having an oxazoline group can also be used as the cationic compound.
[0062]
In the present invention, it is further desirable to add an acidic substance to the overcoat layer because the oxygen permeability for a long time in a high humidity atmosphere is greatly improved.
[0063]
The acidic substance added to the overcoat layer in the present invention is not particularly limited as long as it can neutralize alkali metal ions. Specifically, inorganic acid compounds such as phosphoric acid, carbonic acid, hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, acetic acid, benzoic acid, formic acid, tartaric acid, maleic acid, malonic acid, phthalic acid, citric acid and other organic acids, boron oxide, tetrabora Examples thereof include boron compounds such as ammonium acid, sodium tetraborate, boric acid and boric anhydride (boron oxide), and metal oxides such as silicic acid, titanium and zirconium.
In the case of a divalent or higher acid, an acidic substance partially neutralized with an alkali metal or alkaline earth metal may be used. For example, lithium hydrogen sulfate, sodium hydrogen sulfate, potassium hydrogen sulfate, lithium hydrogen carbonate, lithium dihydrogen phosphate, sodium dihydrogen phosphate, potassium dihydrogen phosphate, dilithium hydrogen phosphate, disodium hydrogen phosphate, phosphoric acid Examples include dipotassium hydrogen.
[0064]
In particular, when the silicic acid condensate contained in the gas barrier layer is lithium silicate, phosphoric acid, carbonic acid, and boron-based acidic substances are preferable.
When the acidic substance contained in the overcoat layer neutralizes the alkali metal ions contained in the gas barrier layer, an alkali metal salt is generated.
However, since some of these alkali metal salts exhibit water solubility and hygroscopicity, the neutralized alkali metal salt works as an action to attract moisture, and as a result, the moisture-resistant gas barrier property may not be improved.
However, among many alkali metal salts, lithium carbonate (Li2CO3) And lithium phosphate (Li3PO4) Has extremely low solubility in water and low hygroscopicity. When the silicic acid condensate contained in the gas barrier layer is lithium silicate, a gas barrier film having a very strong water resistance can be formed when this lithium ion is neutralized with carbonic acid or phosphoric acid contained in the overcoat layer.
In the present invention, in order to efficiently produce lithium carbonate or lithium phosphate efficiently by neutralization, as an acidic substance in the overcoat layer, lithium bicarbonate partially neutralized with lithium ions in advance, Alternatively, it is particularly preferable to use dilithium hydrogen phosphate as the acidic substance.
Although the existence of dilithium hydrogen phosphate as a simple substance is known, it can be produced by adding a necessary amount of lithium hydroxide to phosphoric acid or an aqueous solution of lithium dihydrogen phosphate.
[0065]
In the present invention, an acidic substance ammonium salt obtained by neutralizing the acidic substance with ammonia and urea are also included in the acidic substance.
The acidic substance neutralized with ammonia releases ammonia by heating and evaporation of water, so neutralization does not occur immediately after the overcoat layer is applied on the gas barrier layer, but the overcoat layer is dried. Since ammonia is generated in the process, alkali metal ions contained in the gas barrier layer can be neutralized.
Moreover, since urea decomposes into ammonia and carbon dioxide by heating, it can be similarly used as an acidic substance.
Specific examples of the acidic substance neutralized with ammonia include ammonium aluminum sulfate, ammonium sulfate, ammonium hydrogen carbonate, ammonium carbonate, ammonium acetate, ammonium tartrate, ammonium dihydrogen phosphate, diammonium hydrogen phosphate, and ammonium phosphate. .
[0066]
Moreover, as an acidic substance, a boron type compound and a silicic acid type compound are also preferable. Boric acid and silicic acid are weak acids per se and can neutralize alkali metal ions, but boric acid and silicic acid themselves undergo a condensation dehydration reaction. Therefore, it not only neutralizes alkali metal ions but also has a function of confining alkali metal ions in a network of boric acid and silicic acid. Therefore, it is considered that when boric acid or silicic acid is used as an acidic substance, the water resistance of the overcoat layer is improved.
Silicic acid is unstable in water and cannot be used as an aqueous solution, but it can be used as an alcohol solution (which may contain water, acid, alkali, etc.) or an aqueous solution of alkoxide silane (tetraethoxysilane, tetramethoxysilane, etc.). Is preferred.
Tetraethoxysilane undergoes decomposition and generates silicic acid as the heat and solvent evaporate in the drying process. Utilizing this property, it can be used as an acidic substance.
[0067]
Among the above acidic substances, phosphoric acid or phosphoric acid compounds such as phosphoric acid lithium ions or partially neutralized products with ammonia, sulfuric acid compounds such as sulfuric acid or sulfuric acid lithium ions or partially neutralized products with ammonia, carbonic acid or lithium carbonate Carbonic acid compounds such as partially neutralized products of ions and ammonia, and boron compounds such as boric acid, boron oxide, and ammonium tetraborate are particularly preferred because of their excellent moisture resistance barrier properties.
[0068]
The amount of the acidic substance used in the overcoat layer in the present invention is determined by the amount of alkali metal ions contained in the gas barrier layer. That is, it is preferable that the overcoat layer contains 10 to 500 mole% of an acidic substance with respect to the amount of alkali metal ions in the gas barrier layer, more preferably 20 to 400 mole%, and more preferably 50 to 200 moles. % Is most preferred. When the acidic substance is less than 10 mole%, the improvement of the moisture resistance barrier effect and neutralization prevention effect by neutralization of alkali metal ions is small.Effect ofNot only will the fruit hit a peak, it is not economical.
[0069]
In the present invention, it is more preferable that an acidic substance other than silicic acid is contained in the gas barrier layer in order to further improve the moisture-resistant gas barrier property.
Specific acidic substances other than silicic acid include inorganic acid compounds such as phosphoric acid, carbonic acid, hydrochloric acid, nitric acid, and sulfuric acid, and organic substances such as acetic acid, benzoic acid, formic acid, tartaric acid, maleic acid, malonic acid, phthalic acid, and citric acid. Examples thereof include boron compounds such as acid, boron oxide, ammonium tetraborate, sodium tetraborate, boric acid and anhydrous boric acid (boron oxide), and metal oxides such as titanium and zirconium.
[0070]
In the gas barrier layer, these acidic substances are present in the form of neutralized salts that are partially or completely neutralized with alkali metal ions in the coating film.
For example, as an example of a neutralized salt of lithium ion and the above acidic substance as alkali metal ion, trilithium phosphate, lithium dihydrogen phosphate, lithium hydrogen phosphate, lithium carbonate, lithium sulfate, lithium borate salt, etc. There is. When sodium ions and potassium ions are present as alkali metal ions, they are present in the form of sodium salt and potassium salt, respectively.
[0071]
When an ammonium silicate salt is used instead of an alkali metal silicate, an ammonium salt is obtained. Further, a neutralized salt with an alkali (for example, calcium or magnesium) other than an alkali metal salt such as an alkaline earth metal may be present.
Among the neutralized salts, alkali metal phosphates, alkali metal carbonates, alkali metal sulfates, alkali metal nitrates, and alkali metal borates are preferable in consideration of the stability of the gas barrier layer and water resistance. Among these, alkali metal phosphates, alkali metal carbonates, and alkali metal borates are particularly preferable. These neutralized salts are particularly preferable in terms of water resistance.
In order to produce the gas barrier laminate of the present invention, a gas barrier paint containing at least one silicic acid condensate selected from alkali metal silicates or colloidal silica, a flat pigment, and an acidic substance other than silicic acid Is preferably coated on a support to form a gas barrier laminate.
[0072]
However, depending on the type of acidic substance to be added, the alkali metal ions in the gas barrier coating and the acidic substance may suddenly cause a neutralization reaction. When the neutralization reaction occurs in the paint, the viscosity of the paint increases, and when the neutralization reaction is intense, the paint may gel, which is not preferable. In addition, if a neutralization reaction occurs in the paint, the condensation reaction between the silicic acid condensates proceeds, and the film formability of the paint may be inferior. A paint that does not cause a sum reaction or has a slowest possible rate even when a neutralization reaction occurs is preferable. Therefore, it is preferable to add an acidic substance that does not cause a neutralization reaction when added to a paint, and that causes a neutralization reaction in a process such as drying or heating after coating on a substrate.
Such an acidic substance is preferably an acidic substance composed of at least one selected from the group consisting of an inorganic acid ammonium salt, an organic acid ammonium salt, urea, and boron oxide. More specifically, examples include ammonium salts of acidic substances such as phosphoric acid, carbonic acid, hydrochloric acid, sulfuric acid, boric acid, urea, and boron oxide.
[0073]
For example, when ammonium phosphate is used as an acidic substance, the gas barrier paint is neutralized with alkali metal ions contained in the paint because phosphoric acid is neutralized with ammonia in the paint. Does not occur suddenly. However, when the gas barrier layer is formed by coating and drying, ammonia is evaporated by the heat of drying and the evaporation of moisture to produce phosphoric acid. The phosphoric acid traps alkali metal ions by causing a neutralization reaction with alkali metal ions in the gas barrier coating. In this neutralization reaction, since the coating film formation and the neutralization reaction occur simultaneously, the alkali metal ions in the coating film can be neutralized (trapped) with an acidic substance while maintaining the coating film forming property. Therefore, water resistance and moisture gas barrier resistance are improved. There is also an effect of promoting dehydration condensation reaction of silicic acid (silanol group) by neutralizing alkali metal ions. As the condensation of the silanol groups proceeds, the water resistance is further improved, and the addition of an acidic substance promotes neutralization (trap) of alkali metal ions and dehydration condensation reaction of silanol groups (formation of siloxane bonds). Moreover, since alkali metal ions are neutralized by acidic substances in the coating film, it is considered that the ability to promote hydrolysis of siloxane bonds is weakened.
Thus, in the present invention, the silicic acid condensate (at least one selected from alkali metal silicates or colloidal silica) and the flat pigment have at least one composition selected from ammonium salts of acidic substances, urea, and boron oxide. It is preferable that a gas barrier paint is added to the product, and the gas barrier layer is formed by coating the paint on a support.
[0074]
Ammonium salt of acidic substance added to gas barrier coating is ammonium phosphate, ammonium dihydrogen phosphate, diammonium hydrogen phosphate, ammonium sulfate, ammonium hydrogen sulfate, ammonium carbonate, ammonium hydrogen carbonate, ammonium nitrate, ammonium tetraborate And ammonium salts of inorganic acids such as, and the like, and ammonium salts of organic acids such as acetic acid, benzoic acid, formic acid, tartaric acid, maleic acid, malonic acid, phthalic acid, and citric acid.
Ammonium salts such as those described above are decomposed by heating and drying of moisture to release ammonia when a gas barrier coating is applied to a support and dried to form a gas barrier layer. A neutralization reaction is caused with alkali metal ions in the gas barrier layer to form an alkali metal salt. A part of the ammonium salt used in the present invention may be neutralized with an alkali metal ion such as sodium, potassium or lithium.
[0075]
Moreover, you may use what discharge | releases ammonia and a carbon dioxide by heating like urea. In this case, an alkali metal carbonate is generated as a neutralized salt in the gas barrier layer.
Boric acid can be used when an acidic substance containing boron is added to the gas barrier paint, but in this case, the gelation rate of the paint due to the reaction with alkali metal ions in the paint is relatively fast. From the viewpoint of the stability of the paint, it is preferable to use ammonium tetraborate, potassium tetraborate or boron oxide.
Even when ammonium tetraborate is added to the gas barrier coating, it does not cause a neutralization reaction with the alkali metal ions of the alkali metal silicate. In the process of applying a paint and heating and drying, ammonium tetraborate is decomposed and ammonia is released to produce boric acid, which causes neutralization reaction with alkali metal ions to become a neutralized salt.
Boron oxide exists as a condensate of dimer, trimer, or higher as a powder, and its function as an acid is weak as it is. However, boron oxide is dissolved in the gas barrier coating, and the gas barrier coating is applied and dried by heating, so that the boron oxide is hydrolyzed by heat, so that boric acid such as monomer, dimer, trimer, etc. Generated. This boric acid then neutralizes with alkali metal ions to form a neutralized salt.
[0076]
In the present invention, the amount of the acidic substance other than silicic acid added to the gas barrier layer is ideally neutralized with respect to the alkali metal ions contained in the gas barrier coating. For example, since a phosphoric acid compound is trivalent, 1 mol of phosphoric acid is required for 3 mol of alkali metal ions. Similarly, carbonic acid and sulfuric acid are calculated as divalent, and nitric acid is calculated as monovalent. The boric acid compound is a trivalent acid in theory, but boric acid itself is a weak acid, boric acid itself condenses, silicic acid and boric acid condense, and the B—OH bond becomes B—O—B. Since it becomes a bond or a B—O—Si bond, all B—OH cannot neutralize alkali metal ions. According to the study by the present inventors, it has been found that boric acid may be regarded as monovalent.
[0077]
When an acidic substance is added to the overcoat layer, an appropriate amount of the acidic substance is determined depending on the amount of alkali metal ions and the amount of acidic substance in the gas barrier layer. That is, it is preferable that 10 to 500 equivalent mol% of a combination of acidic substances in the gas barrier layer and the overcoat layer is contained with respect to the amount of alkali metal ions contained in the gas barrier layer. More preferably, it is 20-400 equimol%, More preferably, it is 50-200 equimol%. When the acidic substance is less than 10 equivalent mole%, the effect on the moisture resistance barrier property and white flower due to alkali metal ion neutralization is small, and when it exceeds 500 equivalent mole, the effect reaches a peak and becomes uneconomical.
[0078]
In the present invention, in order to improve the flexibility and adhesion of the gas barrier laminate, it is more desirable that the gas barrier layer contains a hydrolysis condensate of a metal alkoxide having an organic functional group.
A hydrolysis condensate of a metal alkoxide having an organic functional group can be obtained by hydrolyzing a metal compound such as an organoalkoxysilane, an organotitanate, an organoaluminate, or a zirconium compound. Here, the metal alkoxide includes a metal alkylate (an ester of a metal and an alkyl group).
The hydrolyzed condensate mentioned here includes a compound in which a metal alkoxide having an organic functional group is partially hydrolyzed or completely hydrolyzed, and a metal alkoxide having a hydrolyzed organic functional group is partially condensed or fully condensed. It is sufficient that at least one of the above compounds is contained. In general, the hydrolysis condensate of a metal alkoxide is often a mixture of a hydrolyzate and a condensate. Since hydrolysis takes a complex reaction depending on the concentration, amount of water, pH, presence of catalyst, decomposition temperature and time, etc., the hydrolysis condensate is a mixture of various compounds.
[0079]
Furthermore, the hydrolyzed metal alkoxide having an organic functional group causes a condensation reaction with a silicic acid condensate or a flat pigment in the paint, or a metal alkoxide causes a condensation reaction. This hydrolysis-condensation reaction also occurs in the paint, but condensation is more likely to occur when the paint is applied to a support and then dried by heating. The metal alkoxide having an organic functional group is surrounded by a flat pigment or a silicic acid condensate in the gas barrier coating film, and the organic functional group exists in an isolated form inside the gas barrier layer. Therefore, in the vicinity of the organic functional group, further condensation of the silicic acid condensate does not proceed, and a void at the molecular level is formed. Therefore, flexibility is given to the coating film. Since the voids are at the molecular level, the adverse effect on the gas barrier property is extremely small. Further, when the organic functional group is a reactive functional group such as epoxy, silanol and epoxy react to have an effect of improving water resistance as well as flexibility.
[0080]
The organoalkoxysilane compound used in the present invention contains a Si atom in the hydrophilic part, and includes, for example, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropylmethyldimethoxy. Silane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane , Γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, methyltrimethoxysilanephenyltriethoxysilane, γ-fluoropropyltrimethoxysilane, and N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane. It is done.
In general, these organoalkoxysilane compounds are often used as silane coupling agents. Among these organoalkoxysilanes, a silane coupling agent having an epoxy group is preferable in terms of a moisture-resistant gas barrier. A relatively compact organic functional group such as a methyl or vinyl group is also preferable in terms of flexibility.
[0081]
In addition, the organoalkoxy metal compound used in the present invention contains a polyvalent metal atom (Ti, Al, etc.) in the hydrophilic portion thereof. For example, isopropyl triisostearoyl titanate, isopropyl trioctanoyl titanol, isopropyl isopropanol is used. Includes titanate compounds such as stearoyl diacryl titanate, isopropyl tricumyl phenyl titanate, and isopropyl tri (N-amidoethyl aminoethyl) titanate, and aluminum compounds such as acetoalkoxyaluminum diisopropylate.
[0082]
The metal alkoxide having an organic functional group contains Si, Ti, Zr or Al atoms in its molecular structure, and has an inorganic part (SiOH, TiOH, ZrOH, AlOH, etc.) having high reactivity or affinity for inorganic substances. Metal hydroxyl group = high hydrophilicity) and an organic moiety having high reactivity or affinity for organic compounds.
The metal alkoxide having an organic functional group is preferably 1 to 100 parts by mass, more preferably 2 to 75 parts by mass, most preferably 5 when the total of the alkali silicate condensate and the flat pigment is 100 parts by mass. -50 mass parts. When the amount of the metal alkoxide having an organic functional group used is less than 1 part by mass, the effect of improving the flexibility or the adhesion due to the metal alkoxide having an organic functional group may be insufficient. In the case of exceeding the range, the gas barrier property may be lowered.
[0083]
In the present invention, the thickness of the gas barrier layer is not particularly limited, but 1 nm to 5 μm is preferable. When the gas barrier layer is less than 1 nm, the gas barrier property is deteriorated. On the other hand, if the thickness exceeds 5 μm, the gas barrier effect reaches its peak, which is uneconomical. A more preferable range of the gas barrier layer thickness is 10 nm to 1 μm, and a more preferable range is 50 nm to 500 nm.
In the present invention, the thickness of the overcoat layer is not particularly limited, but 1 nm to 5 μm is preferable. When the overcoat layer is less than 1 nm, the adhesion between the overcoat layer and the gas barrier layer is deteriorated. On the other hand, if the thickness exceeds 5 μm, the effect of the overcoat layer reaches its peak, which is uneconomical. A more preferable range of the overcoat layer is 10 nm to 1 μm, and a more preferable range is 50 nm to 500 nm.
[0084]
The support that can be used in the present invention can be appropriately selected from synthetic resin films, sheets, and molded articles. Specific examples of the synthetic resin include polyethylene resins such as polyethylene, polypropylene, polyisoprene and polyolefin having an alicyclic structure, polyester resins such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, nylon 6, nylon 66, nylon 11 and nylon 12. Polyamide resins such as polyhydroxybutyrate (ICI "Bioball"), polylactic acid (Cargill "Nature Works"), polycaprolactone (Daicel Chemical "Cell Green"), polybutylene succinate (Showa High Polymer "Bionore") ), Biodegradable resins such as polybutylene succinate terephthalate (DuPont "Biomax"), polyglycolic acid and polyalkylene carbonate, acrylic resins such as polymethyl methacrylate, ethylene vinyl acetate copolymer Body, polyvinyl alcohol, ethylene vinyl alcohol, polystyrene, polysulfane, some cellophane, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polycarbonate, a resin such as polyacrylonitrile. Moreover, a film, a sheet, a molded body or the like obtained by laminating these resins by an arbitrary method can be used.
Among these resins, films and sheets such as polyethylene, polypropylene, polyethylene terephthalate, and nylon 66 are preferably used. The film may be a non-stretched film, a uniaxially stretched film or a biaxially stretched film.
[0085]
The above support includes an antioxidant, a weather stabilizer, a light stabilizer, an antistatic agent, a pigment, a dye, a plasticizer, a flame retardant, an inorganic filler such as silica, alumina, calcium carbonate, talc, kaolin, Clay, zeolite, mica, carbon black, glass fiber, and the like may be included.
[0086]
When a gas barrier layer is laminated on a support of these synthetic resins, the gas barrier layer may be laminated directly on the support, or may be laminated after treating the surface of the synthetic resin in order to improve adhesion. Synthetic resin surface treatment methods include corona discharge treatment, plasma discharge treatment, black mixed acid solution treatment, fuming sulfuric acid treatment, sulfuric acid solution treatment, electron beam treatment, and ultraviolet treatment. Hydrophilic components such as hydroxyl groups, carbonyl groups, ester groups, carboxylic acid groups, ether bonds, amino groups, imino groups, amide groups, sulfuric acid groups, and amide groups can be introduced on the surface. If a gas barrier coating is applied to the surface of a synthetic resin film treated in this way, repellency or fluff will occur.TheThis has the effect of improving the adhesion between the gas barrier layer and the support.
[0087]
In addition, when sufficient adhesion cannot be obtained by such surface treatment alone (for example, when the support is a polyolefin resin) or when further adhesion is required, an anchor layer is provided on the support surface. It is desirable to further provide an anchor layer on the surface-treated support.
The nitrogen-containing compound adheres firmly to the hydrophilic polar group on the support surface by hydrogen bonding. In particular, when the polar group on the surface of the support is anionic, the nitrogen-containing compound has a cationic property. Therefore, the anionic polar group on the surface of the support and the cationic group of the nitrogen-containing compound are strongly ionically bonded, and the gas barrier layer. Since the anionic silicic acid condensate and the anionic flat pigment contained in are firmly bonded by ionic bond or dehydration condensation reaction, the adhesion between the support and the gas barrier layer is greatly improved. Further, it is preferable that the anchor layer containing the nitrogen-containing compound and the gas barrier layer containing the silicic acid condensate have a gradient structure in which the concentrations change continuously by mixing each other. When the nitrogen-containing compound is an organic compound, the organic / inorganic composition has a gradient structure, so that not only the improvement in adhesion to the support by the organic layer and the gas barrier property of the inorganic layer are compatible, but also water resistance Resistant to some extent against stress and strain. (Japanese Patent Application No. 2000-0678758).
[0088]
Examples of the nitrogen-containing compound used in the anchor layer of the present invention include cationic organic compounds. Silicic acid condensates such as alkali metal silicates have both silanol groups and dissociated silanol ions in the alkali region, and these functional groups condense to form siloxane bonds. As a result of repeated studies by the present inventors, when a cationic organic compound is used, the cationic organic compound not only causes a reaction such as an ionic bond or a covalent bond with the silicic acid condensate, but also a hydroxide generated by the cationic organic compound. It has been found that the condensation reaction of silicic acid condensate is promoted by ions.
[0089]
As an example, when the cationic organic compound is a polyamine, the silanol ion of the silicic acid condensate and the cation of the polyamine undergo an ionic reaction (˜SiO 2).−... N+~) ~ SiO−HN+~ Or covalent bond (~ SiO−N-) to SiON to gel. On the other hand, OH generated by the action of amines−It is thought that this promotes the condensation of silanol groups of the silicic acid condensate, generates a new siloxane bond, and expands the network of siloxane bonds.
[0090]
Typical examples of these nitrogen-containing compounds are those called imine compounds and amine compounds. Among these, as the imine compound, polyalkyleneimine is representative, polyethyleneimine, alkyl or cyclopentyl-modified polyethyleneimine, imine adduct of ethylene urea, poly (ethyleneimine-urea) and ethyleneimine adduct of polyamine polyamide, or There is a polyimine compound selected from the group consisting of these alkyl-modified products, alkenyl-modified products, benzyl-modified products, or aliphatic cyclic hydrocarbon-modified products, polyamideimides, and polyimide varnishes.
[0091]
Examples of amine compounds include polyalkylene polyamines. For example, there are compounds such as polyethylene polyamine, ethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine. In addition, examples of the same effect include polyamides such as polyamidoimide adducts of polyamides, hydrazine compounds, and epichlorohydrin adducts of polyamine polyamides (saturated dibasic carboxylic acids having 3 to 10 carbon atoms and polyamines). Polyamineamide compounds such as water-soluble and cationic thermosetting resins obtained by reacting polyamides with epichlorohydrin from alkylene polyamines, quaternary nitrogen-containing acrylic polymers, quaternary nitrogen-containing benzyl polymers, urethanes, carboxylate amines There are nitrogen-containing quaternary salt compounds such as compounds having a base, compounds such as methylolated melamine, and cationic polyurethane. Further, cationic resins such as cation-modified polyurethane resins, polyvinyl pyrrolidone, vinyl pyrrolidone-vinyl acetate copolymers, tertiary nitrogen-containing acrylic resins and the like can be mentioned (for cation resins, JP-A-8-90898, JP (See JP-A-63-162275 and JP-A-62-148292). Furthermore, urea compounds such as urea, thiourea, guanylurea, methylurea, dimethylurea, and dicyandiamide derivatives are also within the scope of the present invention.
[0092]
When these things are explained in full detail, as a polyalkyleneimine used by this invention, a polyethyleneimine and a polypropyleneimine are preferable, and a polyethyleneimine is especially preferable. These polyalkyleneimines may be used alone or in the form of a salt with acetic acid, p-toluenesulfonic acid, sulfuric acid, hydrochloric acid or the like.
[0093]
The organic amine compound may be any of a primary amine compound, a secondary amine compound, a tertiary amine compound, and a quaternary ammonium salt compound, and any of an organic monoamine and an organic polyamine. May be. Furthermore, organic amine compounds include those having different functional groups other than amino groups, such as epoxy groups, hydroxyl groups, carboxylic acid groups, and nitrile groups.
[0094]
Examples of modified organic amine compounds include adducts of compounds having an epoxy group such as monoepoxy compounds and diepoxy compounds with amine compounds, adducts of compounds having hydroxyl groups such as ethylene oxide and propylene oxide with amine compounds, acrylonitrile and amines. Examples include a Michael adduct of a compound, an adduct obtained by a Mannich reaction of a phenol compound, an aldehyde compound, and an amine compound.
[0095]
Such modifications include 1) reducing the toxicity of the amine compound such as irritating odor and skin irritation, 2) reducing the viscosity of the amine compound, and 3) increasing the molecular weight and reducing the weighing error. There are effects such as doing. There is no particular limitation on the degree of modification of the amine compound.
[0096]
Examples of the organic amine compound used in the present invention are as follows.
1) Aliphatic polyamine (polyalkylene polyamine) or monoamine: ethylenediamine, propylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, pentaethylenehexamine, iminobis-propylamine, bis (hexamethylene) triamine, dimethylaminopropylamine, Diethylaminopropylamine, aminoethylethanolamine, methyliminobispropylamine, menthanediamine-3, N-aminoethylpiperazine, 1,3-diaminocyclohexane, isophoronediamine, triethylenediamine, polyvinylamine, stearylamine, laurylamine and the like.
2) Aromatic polyamine or monoamine: m-phenylenediamine, 4,4′-methylenedianiline, benzidine, diaminodiphenyl ether, 4,4′-thiodianiline, dianisidine, 2,4-toluenediamine, diaminodiphenylsulfone, 4,4 '-(O-Toluidine), o-phenylenediamine, methylenebis (o-chloroaniline), m-aminobenzylamine, aniline, and the like.
3) Aliphatic polyamine or monoamine having an aromatic ring group: metaxylylenediamine, tetrachloroxylenediamine, trimethylaminomethylphenol, benzyldimethylamine, α-methylbenzyldimethylamine and the like.
4) Secondary amine: N-methylpiperazine, piperidine, hydroxyethylpiperazine, pyrrolidine, morpholine and the like.
5) Tertiary amine: tetramethylguanidine, triethanolamine, N, N′-dimethylpiperazine, N-methylmorpholine, hexamethylenetetramine, triethylenediamine, 1-hydroxyethyl-2-heptadecylglyoxalidine, pyridine, Pyrazine, quinoline, etc.
6) Quaternary ammonium salt: diallyldimethylammonium chloride, hexyltrimethylammonium chloride, cyclohexyltrimethylammonium chloride, octyltrimethylammonium bromide, 2-ethylhexyltrimethylammonium bromide, 1,3-bis (trimethylammoniomethyl) cyclohexane dichloride, lauryl Dimethylbenzylammonium chloride, stearyldimethylbenzylammonium chloride, tetradecyldimethylbenzylammonium chloride and the like.
Examples of the amines also include amines described in JP-A-10-226989.
[0097]
The nitrogen-containing compound that reacts with the above-described silicic acid condensate used as the anchor layer in the present invention is preferably water-soluble, but can be used after being emulsified or dispersed even if it is water-insoluble. A mixture of two or more of the above nitrogen-containing compounds may be used.
[0098]
In the present invention, a gas barrier property can be imparted to the anchor layer by using a high hydrogen bonding resin for the anchor layer, and the gas barrier property of the entire gas barrier laminate can be improved. When a high hydrogen bonding resin is used for the anchor layer, the high hydrogen bonding resin, the silicic acid condensate and the flat pigment contained in the gas barrier layer are mixed with each other to form an organic / inorganic (high hydrogen bonding resin and silicic acid). (Condensate) composite (ideally having an inclined structure composed of organic and inorganic compounds) can be formed, and the flexibility of the gas barrier laminate can be improved. In the present invention, the high hydrogen bond resin that can be used for the anchor layer is not particularly limited as long as it has a functional group exhibiting hydrogen bond properties. Specific examples include polyvinyl alcohol, ethylene vinyl alcohol copolymer, polycarboxylic acid, polyketone, polyacrylamide, polyamine, polyacrylonitrile, polyethylene glycol, polyhydric alcohol such as erythrole, starch, cellulose, carboxymethylcellulose, methylcellulose. and so on. A group having active hydrogen in the resin or a polar group capable of forming a hydrogen bond to show hydrogen bondingHaveIf you do. Examples of the group having active hydrogen include a hydroxyl group (—OH), an amino group (—NH2), Imino group (—NH—), carboxyl group (—COOH), amide group (—CONH)2), Sulfate group (-SO3H), phosphate group (-PO4H) and the like. Examples of the polar group that can form a hydrogen bond include a carbonyl group (—C═O), a nitrile group (—CN), an ether group (—O—), a thioether group (—S—), and the like.
[0099]
As the high hydrogen bonding resin used as the anchor layer, a resin having a hydroxyl group is preferable from the viewpoint of gas barrier properties, and in particular, polyvinyl alcohol (PVA) and ethylene vinyl alcohol copolymer (EVOH) have good gas barrier properties. It is preferable. When PVA or EVOH is used for the anchor layer, the PVA layer or EVOH layer also has an effect of preventing the gas barrier property from being lowered due to cracks or pinholes in the gas barrier layer.
[0100]
PVA is, for example, a polymer obtained by hydrolysis or transesterification (saponification) of an acetate portion of a vinyl acetate polymer (that is, a copolymer of vinyl alcohol and vinyl acetate), a trifluorovinyl acetate polymer, Examples thereof include polymers obtained by saponifying vinyl formate polymer, vinyl pivalate polymer, t-butyl vinyl ether polymer, trimethylsilyl vinyl ether polymer, etc. (For details of PVA, see PVA World, "PVA World", 1992. (See, for example, Kobunshi Publishing Co., Ltd .; Nagano et al., “Poval” 1981, Kobunshi Publishing Co., Ltd.).
[0101]
The degree of “saponification” of the PVA used in the present invention is preferably 70% or more, more preferably 85% or more, and particularly preferably 98% or more of a so-called fully saponified product. The degree of polymerization is preferably 100 or more and 5000 or less, and more preferably 200 or more and 3000 or less. Furthermore, the PVA used in the present invention may be modified with a small amount of a copolymerization monomer as long as the object of the present invention is not impaired.
[0102]
In the present invention, modified PVA is also treated as a category of PVA. These modified products are obtained by copolymerizing vinyl esters, particularly vinyl acetate monomers, and other unsaturated monomers copolymerizable therewith in the production process of PVA. Examples of the other unsaturated monomer include olefins such as ethylene, propylene, α-hexene, α-octene, (meth) acrylic acid, crotonic acid, (anhydrous) maleic acid, fumaric acid, and itaconic acid. Unsaturated acids such as alkyl esters and alkali salts thereof, sulfonic acid-containing monomers such as vinyl sulfonic acid, styrene sulfonic acid, 2-acrylamido-2-methylpropane sulfonic acid and alkali salts thereof, dimethylaminoethyl (meta ) Acrylate, diethylaminoethyl (meth) acrylate, trimethyl-2-(-1- (meth) acrylamide-1,1-dimethylethyl) ammonium chloride, trimethyl-3- (1- (meth) acrylamidopropyl) ammonium chloride, 1-vinyl-2-ethylimidazole and others Cationic monomers that can be quaternized, styrene, alkyl vinyl ethers, (meth) acrylamide, and others.
[0103]
The ratio of these copolymer components is not particularly limited, but is preferably about 50 mol% or less, preferably about 30 mol% or less with respect to the vinyl alcohol unit. Various forms obtained by an arbitrary method such as random copolymerization, block copolymerization, and graft copolymerization are used.
Among these copolymers, a block copolymer obtained by copolymerizing a polycarboxylic acid component with respect to a polyvinyl alcohol component is particularly preferably used, and it is particularly preferable when the polycarboxylic acid component is polymethacrylic acid.
Further, the block copolymer is particularly preferably an AB type block copolymer in which a polyacrylic acid chain is extended to one end of the PVA chain, and the polyvinyl alcohol block component (a) and the polyacrylic polymer The mass ratio (a) / (b) of the acid block component (b) is more preferably in the range of 50/50 to 95/5 from the viewpoint of gas barrier properties and adhesion to the base material layer. The range of ~ 90/10 is most preferred.
Among other modified PVA resins, a particularly preferred example is a silyl group-modified PVA resin comprising a saponified vinyl ester polymer modified with at least one compound having a silyl group in the molecule.
[0104]
The method for obtaining the silyl group-modified PVA resin is not particularly limited, but a compound having a silyl group in the molecule is reacted with a vinyl alcohol polymer such as PVA or modified polyvinyl acetate obtained by a conventional method. , Introducing a silyl group into the polymer, or activating the terminal of PVA or a modified product thereof, introducing an unsaturated monomer having a silyl group in the molecule into the polymer terminal, and further the unsaturated monomer A copolymer obtained from a vinyl ester monomer and an unsaturated monomer having a silyl group in the molecule. Various methods such as saponification methods, or polymerization of vinyl esters in the presence of mercaptans having silyl groups, and saponification of these to introduce silyl groups at the ends. It is effectively used.
[0105]
As a silyl group-modified PVA resin obtained by such various methods, any silyl group can be used as long as it has a silyl group in the molecule, but the silyl group contained in the molecule is an alkoxyl group or an acyloxyl group. In addition, those having a reactive substituent such as a silanol group or a salt thereof as a hydrolyzate thereof are preferable, and a silanol group is particularly preferable among them.
[0106]
Examples of the compound having a silyl group in the molecule used to obtain these silyl group-modified PVA resins include trimethylchlorosilane, dimethylchlorosilane, methyltrichlorosilane, vinyltrichlorosilane, diphenyldichlorosilane, triethylfluorosilane, and the like. Organohalosilanes, trimethylacetoxysilane, dimethyldiacetoxysilane, and other organosilicon esters, trimethylmethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, and other organoalkoxysilanes, trimethylsilanol, diethylsilanediol, and other organosilanols, N-amiethyltrimethoxysilane And other examples include aminoalkylsilanes such as trimethylsilicon isocyanate and other organosilicon isocyanates. The degree of modification by these silylating agents can be arbitrarily adjusted according to the type, amount and reaction conditions of the silylating agent used.
[0107]
Examples of the unsaturated monomer used in the method for saponifying a copolymer of a vinyl ester monomer and an unsaturated monomer having a silyl group in the molecule include vinyltrimethoxysilane, vinyltrimethylsilane. Many vinyl silane compounds such as vinyl alkoxy silanes such as ethoxy silane, vinyl methyl dimethoxy silane, vinyl alkoxy silanes typified by vinyl triisopropoxy silane, etc. Examples include polyalkylene glycolated vinyl silanes in which a part or all of alkoxy groups are substituted with polyalkylene glycol such as polyethylene glycol. Furthermore, (meth) acrylamide-alkylsilanes represented by 3- (meth) acrylamino-propyltrimethoxysilane, 3- (meth) acrylamide-propyltriethoxysilane and the like can also be preferably used.
[0108]
On the other hand, an alkoxysilylalkyl mercaptan such as 3- (trimethoxysilyl) -propyl mercaptan is preferred as a method for saponification after polymerizing a vinyl ester in the presence of a mercaptan having a silyl group and introducing a silyl group at the terminal. Used.
[0109]
The appropriate range varies depending on the degree of modification in the modified PVA resin of the present invention, that is, the content of silyl groups, the degree of saponification, etc., but it is an important factor for the gas barrier properties that are the object of the present invention. . The content of the silyl group is usually 30 mol% or less, preferably 10 mol% or less, particularly preferably 5 mol% or less, as a monomer containing a silyl group with respect to the vinyl alcohol unit in the polymer. . The lower limit is not particularly limited, but the effect is particularly remarkable when it is 0.1 mol% or more.
The silylation rate indicates the ratio of the introduced silyl group after silylation to the amount of hydroxyl group contained in the PVA resin before silylation.
[0110]
Of course, these various PVA-based resins may be used alone, but as long as they do not hinder the purpose of the present invention, they can be copolymerized with other monomers that can be copolymerized or mixed with other monomers. It can be used in combination with a resin compound. Examples of such resins include polyacrylic acid or esters thereof, polyester resins, polyurethane resins, polyamide resins, epoxy resins, melamine resins, and others.
[0111]
EVOH used as the anchor layer in the present invention preferably has a vinyl alcohol fraction of 40 to 80 mol% or less, more preferably 45 to 75 mol%. Furthermore, these EVOHs may be modified with a small amount of a copolymerization monomer as long as the object of the present invention is not impaired.
EVOH is preferably modified to be self-crosslinkable. Further, it is preferably modified to be soluble in alcohol. In order to impart such properties, a silyl group is introduced into EVOH.
The introduction of the silyl group is, for example, such as 3-isocyanatopropyltriethoxysilane, trimethylchlorosilane, dimethyldichlorosilane, methyltrichlorosilane, vinyltrichlorosilane, diphenyldichlorosilane, triethylfluoroorganohalosilane, trimethylacetoxysilane. And a reactive silane compound is reacted with a hydroxyl group of EVOH.
[0112]
The introduction of the silyl group, that is, the silylation, must be performed so that at least EVOH is soluble in the alcohol. Specifically, the silylation rate is preferably 0.2 mol% or more. The upper limit of the silylation rate is not particularly limited from the viewpoint of alcohol solubility, but is preferably 5 mol% or less, more preferably 2 mol% or less, from the viewpoint of the arrangement of the inorganic layered compound in the present invention. The silylation rate indicates the ratio of the introduced silyl group after silylation to the amount of hydroxyl group contained in the EVOH resin before silylation.
[0113]
The modified EVOH into which the silyl group has been introduced is dissolved in an alcohol solvent due to the presence of the introduced silyl group by heating and dissolving with an alcohol or a mixed solvent of alcohol / water. On the other hand, the modified EVOH dissolved in the solvent crosslinks by introducing a part of the introduced silyl group through a dealcoholization reaction and a dehydration reaction. In addition, the presence of water is essential for the above reaction, and it is preferable to use a mixed solvent of alcohol / water.
[0114]
In addition, a water resistance improver can be added to the anchor layer for the purpose of improving the water resistance. As a water resistance improver, firstly, there is an epoxy compound. The epoxy compound is an epoxy compound containing several epoxy groups such as mono, di, and tri. This epoxy compound includes an aliphatic epoxy compound and an aromatic epoxy compound, for example, butylene oxide, octylene oxide, butyl glycidyl ether, styrene oxide, phenyl glycidyl ether, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, phenol polyethylene glycol glycidyl ether, Examples include lauryl alcohol polyethylene glycol glycidyl ether.
[0115]
Polyamideamine-epihalohydrin or formaldehyde condensation reaction product, polyamine-epihalohydrin or formaldehyde condensation reaction product, polyamidepolyurea-epihalohydrin or formaldehyde condensation reaction product, polyaminepolyurea-epihalohydrin or formaldehyde condensation reaction product, and polyamidoamine Polyurea-epihalohydrin or formaldehyde condensation reaction products can be used alone or in combination.
[0116]
The condensation reaction product contains an amino group in its molecular skeleton and has an epoxy ring or a methylol group in its side chain, and generally contains the following components: (i) polyalkylene polyamine, (ii) ureas, ( iii) can be synthesized by reacting dibasic carboxylic acids, (iv) epihalohydrins or formaldehyde (for example, Japanese Patent Publication No. 52-22882, Japanese Patent Publication No. 60-31948, Japanese Patent Publication No. 61-39435, Japanese Patent Laid-Open No. (See Sho 55-127423).
[0117]
Other water-resistant agents include acids (eg hydrochloric acid, sulfuric acid, borofluoric acid, acetic acid, glycolic acid, maleic acid, lactic acid, citric acid, tartaric acid, oxalic acid, etc.), metal salts (eg magnesium chloride, nitric acid, etc.) Magnesium, Magnesium borofluoride, Zinc borofluoride, Zinc chloride, Zinc nitrate, Sodium bisulfate), Ammonium chloride, etc. are used alone or in combination.
[0118]
In order to improve water resistance, silica particles or alumina particles may be used. When silyl group-modified PVA is used for the anchor layer, water resistance is improved by using silica particles or alumina particles in combination. Colloidal silica is suitably used as the silica particles, and colloidal alumina is suitably used as the alumina particles. Colloidal zinc oxide, zirconium compounds, titanium dioxide particles, and the like can also be used.
[0119]
The compounding ratio of these nitrogen-containing compound and water resistance improver is in the range of 99.9 / 0.1 to 5/95 by mass ratio, and preferably in the range of 99/1 to 20/80. However, since the most suitable ratio varies greatly depending on the reactivity of each nitrogen-containing compound and the molar ratio of nitrogen atoms when copolymerized, it is preferable to adjust appropriately according to the situation.
The thickness of the anchor layer of the present invention is preferably 1 nm to 5 μm. If it is less than 1 nm, the adhesion and water resistance, which are the effects of the anchor layer, are deteriorated. On the other hand, if the thickness exceeds 5 μm, the effect of the anchor layer reaches its peak, which is uneconomical.
[0120]
The oxygen permeability at 23 ° C. and 90% RH of the gas barrier laminate in the present invention is 50 cc / m after 24 hours from the start of measurement.2・ It is preferable that it is not more than day · atm, more preferably 40 cc / m2・ Day ・ atm, more preferably 30cc / m2・ 24hr or less.
Oxygen permeability is 50cc / m2・ If it is less than day · atm, it has a sufficiently low oxygen permeability and can be practically used as a gas barrier laminate, 30 cc / m2・ If it is less than day / atm, more usable applications will be expanded.
Oxygen permeability is a value measured with MOCON OX-TRAN / 100 type.
[0121]
In the gas barrier laminate of the present invention, when the support is a transparent (haze 6% or less) film, the haze is preferably 8% or less, and more preferably 6% or less. In other words, the increase in haze due to the provision of the gas barrier layer, the anchor layer, and the overcoat layer is preferably as close to zero as possible. When the haze of the laminate is higher than 8%, it can be clearly seen that the film is cloudy, so that the use is limited as a packaging film. When the haze is 6% or less, the use as a packaging film is expanded.
The haze (haze) is a value calculated from diffuse transmittance (Td) / total light transmittance (Tt) (reflectance / transmittance meter: HR-100, manufactured by MURAKAMI COLOR RESERCH LABORATORY). Excellent transparency.
[0122]
When the gas barrier laminate obtained in the present invention is heated to 30 ° C. or higher, kept in that state for a long time, and subjected to an aging treatment, the condensation of silicic acid is further promoted, and the gas barrier of the formed gas barrier layer The property is further improved. Although the condensation of silicic acid proceeds even when dried at room temperature, the reaction requires a long time.
30-100 degreeC is suitable for the heating temperature at the time of an aging process, More preferably, it is 35-90 degreeC, Most preferably, it is 40-80 degreeC. If the aging temperature is less than 30 ° C., aging time may be required for one month or more, and industrial production becomes difficult. Even if the aging temperature is 100 ° C. or higher, the effect of promoting the condensation reaction reaches its peak, which is uneconomical. The longer the aging time is, the greater the effect of improving the gas barrier property is, but it is preferably 3 hours to 1 week, more preferably 12 to 72 hours, and more preferably 24 to 48 hours. An aging time of less than 3 hours is not preferable because the effect of aging is small. If the aging time exceeds 1 week, the aging effect reaches its peak, which is uneconomical.
[0123]
In addition, during the heat treatment, it is preferable to perform the heat treatment by a method in which the gas barrier layer is not in direct contact with air in order to prevent white blossom due to the reaction between the alkali metal in the gas barrier layer and carbon dioxide in the air.
The overcoat layer may be formed after the gas barrier layer is heat-aged, or may be heat-aged after the overcoat layer is formed.
[0124]
In the present invention, the gas barrier layer may contain a high hydrogen bonding resin, an aqueous emulsion such as styrene-butadiene latex, acrylic ester, acrylic styrene, polyester, or other water-soluble resin. By adding such a resin to the gas barrier layer, the flexibility of the gas barrier layer is improved. However, since the gas barrier property tends to decrease, the addition amount is determined by the balance between the required flexibility and the gas barrier property.
[0125]
In the present invention, additives such as a color adjusting agent, a viscosity adjusting agent, an inorganic pigment, an organic pigment, a curing agent and a crosslinking agent are optionally added to the anchor layer, the gas barrier layer, and the overcoat layer as necessary. Can be added.
[0126]
The gas barrier laminate of the present invention is obtained by applying the above gas barrier paint to the support surface and drying.
Coating methods include direct gravure method, reverse gravure method, micro gravure method, roll roll coating method such as two roll beat coating method, bottom feed three reverse coating method, doctor knife method, die coating method, dip coating method, bar Coating methods, kiss coating, lip coating, blade coating, air knife coating, spray coating, dipping, brush coating and the like can be arbitrarily used depending on the situation. Moreover, these coating methods can be used in combination. Moreover, it is not limited to these methods.
[0127]
Moreover, as a drying method, the drying method using a hot air, dry air, infrared rays, a microwave, a gas burner etc. can be used arbitrarily. Moreover, although the drying method which combined these 2 or more types can also be used, it is not limited to these methods.
Although there is no restriction | limiting in particular in drying temperature, Preferably it is 50-300 degreeC, More preferably, it is 70-200 degreeC, Most preferably, it is 90-150 degreeC. When the drying temperature is less than 50 ° C., the condensation reaction of silicic acid may not occur sufficiently. Further, when the temperature exceeds 300 ° C., a blister phenomenon may occur due to the reaction progressing only by the surface layer of the gas barrier layer to form a film. Note that the blister phenomenon means that only the surface of the coating film is formed and the inside of the coating film is in an undried state. When heated in this state, the coating film swells or foams as the internal moisture evaporates. It is a phenomenon.
Moreover, when using a thermoplastic resin for a support body, it is necessary to dry below melting | fusing point of this resin. For example, when the OPP film is selected as the support, the drying temperature is preferably 70 to 120 ° C. When the temperature exceeds 120 ° C., the OPP film is undesirably deteriorated in strength and changes in color tone.
[0128]
The gas barrier laminate of the present invention can be used as various packaging materials, but the range of application as various packaging materials can be expanded by further laminating various films on the gas barrier laminate. By laminating a film or the like on the gas barrier laminate, it is possible to improve heat sealability, moisture resistance, various strengths such as tensile strength, puncture strength, and impact resistance strength. The film to be laminated is not particularly limited, such as a thermoplastic resin film, an aluminum vapor-deposited film, an aluminum foil, an inorganic vapor-deposited film such as silica or alumina, and can be appropriately selected depending on the application.
[0129]
Examples of the thermoplastic resin include polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, polyisoprene, and polyolefin having an alicyclic structure, polyester resins such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, nylon 6, nylon 66, nylon 11, and nylon 12. Polyamide-based resin, polyhydroxybutyrate (ICI "Bioball"), polylactic acid (Cargill "Nature Works"), polycaprolactone (Daicel Chemical "Cell Green"), polybutylene succinate (Showa Polymer "Bionore"), Biodegradable resins such as polybutylene succinate terephthalate (DuPont "Biomax"), polyglycolic acid, polyalkylene carbonate, acrylic resin such as polymethyl methacrylate, ethylene vinyl acetate copolymer Polyvinyl alcohol, ethylene vinyl alcohol, polystyrene, polysulfane, cellophane, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polycarbonate, resin such as polyacrylonitrile. These resins may be used alone or in combination of two or more. The film formed from the thermoplastic resin may be any of unstretched, uniaxially stretched, and biaxially stretched films. Also, a film in which two or more layers of thermoplastic resin films are laminated may be used.
[0130]
There are no particular restrictions on the method of laminating the thermoplastic resin, but after providing an adhesive layer on the gas barrier laminate, a dry laminate method in which a thermoplastic resin film is laminated, a gas barrier laminate while melt-extrusion of the thermoplastic resin is performed. A melt-extrusion laminating method in which a thermoplastic resin layer is provided on the surface, a sand lamination method in which an adhesive thermoplastic resin is extruded and laminated between the gas barrier laminate and the thermoplastic resin film layer, and the gas barrier laminate and the thermoplastic resin are heated. For example, a thermocompression bonding method in which a pressure is applied with a roll is used.
The gas barrier laminate of the present invention is a confectionery bag, bonito pack, retort pouch, meat packaging such as ham and sausage, seafood packaging, dairy packaging, miso packaging, tea / coffee packaging, carbon dioxide gas It can be suitably used for packaging beverage containers, cosmetics, agricultural chemicals and pharmaceuticals. Moreover, it can be used suitably also for members that require gas barrier properties, such as vacuum insulation members, exterior materials such as plasma display panels and liquid crystal displays, resin sealants for solar cell modules, and battery members.
[0131]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples.
Numerical values indicating the blending, concentration, added amount, etc. are numerical values based on the solid content or the mass of the active ingredient.
[0132]
<ComparisonExample 1>
Lithium silicate salt solution with a molar ratio of 3.5 (lithium silicate 35, solid content Li2O ・ SiO2As an aqueous solution of lithium silicate (solid content Li) obtained by diluting 23%, manufactured by Nippon Chemical Industry Co., Ltd. with ion-exchanged water.2O ・ SiO2Synthetic smectite (Lucentite SWN, solid content 91%, average particle size 30-50 nm, manufactured by Coop Chemical Co., Ltd.) is dispersed in ion-exchanged water with a homomixer for 30 minutes or more. An aqueous dispersion (2% solid content) was mixed so that each solid content ratio was 75/25, and ion exchange water was further added to prepare a gas barrier coating material having a solid content of 3%. The thickness of the gas barrier layer after drying the obtained gas barrier paint on a corona-treated surface of a biaxially stretched polyethylene terephthalate film (E5100, manufactured by Toyobo Co., Ltd., thickness 12 μm) using a Mayer bar 0.2 μm (coating amount about 0.4 g / m2) And dried at 100 ° C. for 2 minutes to form a gas barrier layer. Subsequently, acid-modified SBR (S1X2, acid-modified styrene-butadiene latex, Tg 12 ° C., gel fraction 79%, solid content 50%) diluted to 5% with ion-exchanged water is dried using a Mayer bar. The subsequent coating amount is 0.4 g / m2The gas barrier layer was coated on the gas barrier layer and dried at 100 ° C. for 2 minutes to form an overcoat layer to form a gas barrier laminate.
[0133]
<Example1>
On a corona-treated surface of a biaxially stretched polypropylene film (thickness 25 μm), an aqueous solution obtained by diluting an aqueous solution of polyethyleneimine (Epomin P-1000, 30% polyethyleneimine resin to 3% with water, molecular weight 70,000, specific gravity 1.04 , Amine value 18 (mgeq / g · solid), amine ratio primary / secondary / tertiary = 25/50/25, manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.) and PVA (PVA117, saponification degree 99%, complete) Paint for anchor obtained by mixing 3% aqueous solution of saponified PVA, polymerization degree 1700, manufactured by Kuraray Co., Ltd. so that the solid content mass ratio of polyethyleneimine and PVA is 10/90 (solid content 3%) The film was coated so that the film thickness after drying was 0.2 μm, and dried for 2 minutes with a hot air drier at 80 ° C. to form an anchor layer.
ComparisonLithium silicate aqueous solution prepared in the same manner as in Example 1 (solid content Li2O ・ SiO2Synthetic smectite (Lucentite SWN, solid content 91%, average particle size 30-50 nm, manufactured by Coop Chemical Co., Ltd.) is dispersed in ion-exchanged water with a homomixer for 30 minutes or more. The aqueous dispersion (solid content: 2%) is mixed so that each solid content ratio becomes 75/25, and ion exchange water is further added, and the solid content combining lithium silicate salt and synthetic smectite is 3%. An aqueous solution was prepared. Boron oxide (B2O3, Manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and ion-exchanged water were used to prepare a 3% aqueous solution of boron oxide. The ratio of the solid content of boron oxide solids to the combined solids of lithium silicate and synthetic smectite is 20/100 (solid content of boron oxide is 20 parts by mass, and the total solid content of lithium silicate and synthetic smectite is 100 parts by mass). The boron oxide 3% aqueous solution was added to a 3% solid content aqueous solution of lithium silicate and synthetic smectite while stirring, and further stirred for 30 minutes to obtain a gas barrier coating.
The obtained gas barrier coating was applied on the above-mentioned anchor layer using a Meyer bar so that the thickness of the gas barrier layer after drying was 0.2 μm, and dried at 100 ° C. for 2 minutes. A first gas barrier layer was obtained. Subsequently, 5% of SBR (OX1060, Tg 8 ° C., gel fraction 70%, styrene-butadiene latex modified with acid and cationic monomer, solid content 50%, manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.) using ion-exchanged water. An aqueous solution was prepared and used as an overcoat paint. The coating amount of the overcoat paint on the gas barrier layer is 0.4 g / m using a Mayer bar.2And an overcoat layer was formed to obtain a gas barrier laminate.
[0134]
<Example2>
On a corona-treated surface of a biaxially stretched polypropylene film (thickness 25 μm), an aqueous solution obtained by diluting an aqueous solution of polyethyleneimine (Epomin P-1000, 30% polyethyleneimine resin to 3% with water, molecular weight 70,000, specific gravity 1.04 , Amine value 18 (mgeq / g · solid), amine ratio primary / secondary / tertiary = 25/50/25, manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.) and PVA (PVA117, saponification degree 99%, complete) Paint for anchor obtained by mixing 3% aqueous solution of saponified PVA, polymerization degree 1700, manufactured by Kuraray Co., Ltd. so that the solid content mass ratio of polyethyleneimine and PVA is 10/90 (solid content 3%) Was coated so that the film thickness after drying was 0.2 μm, and dried for 2 minutes with a hot air dryer at 80 ° C. to form an anchor layer. ThenComparisonLithium silicate aqueous solution prepared in the same manner as in Example 1 (solid content Li2O ・ SiO2As 4%)1A synthetic smectite aqueous dispersion (2% solid content) prepared in the same manner as above was mixed at a solid content ratio of 90/10, and ion-exchanged water was further added to obtain a solid content of 3% of lithium silicate and synthetic smectite. % Aqueous solution was prepared. Ammonium tetraborate tetrahydrate ((NH4)2B4O7・ 4H2An aqueous ammonium tetraborate solution (3% solid content as ammonium tetraborate) was prepared using O, Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and ion-exchanged water. Ratio of solid content of ammonium tetraborate and solid content of lithium silicate and synthetic smectite is 5/100 (solid content of ammonium tetraborate 15 parts by mass, total solid content of lithium silicate and synthetic smectite is 100 parts by mass The ammonium tetraborate aqueous solution was added to a 3% aqueous solution of lithium silicate and synthetic smectite with stirring, and the mixture was further stirred for 30 minutes. A 3% aqueous solution obtained by diluting an epoxy silane coupling agent (KBM403, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) with ion-exchanged water in the above 3% aqueous liquid, It added so that the ratio of solid content of a silane coupling agent and solid content of lithium silicate and synthetic smectite might be 20/100, and it stirred further to make 3% aqueous solution, and it was set as the gas-barrier coating material. A gas barrier coating is applied on the anchor layer using a Mayer bar so that the thickness of the dried gas barrier layer is 0.2 μm, and dried at 100 ° C. for 2 minutes to form a gas barrier layer. Formed.
SBR (S1X2, acid-modified styrene-butadiene latex, Tg 12 ° C., gel fraction 79%, solid content 50%) was diluted with ion-exchanged water to prepare an SBR aqueous solution having a solid content of 4%. Into this 4% SBR aqueous solution, a 4% aqueous solution (diluted with ion-exchanged water) of a cationic resin (Smirez resin 302, polyamine polyurea resin, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., solid content 60%) is added to SBR. By adding 5 parts by mass and stirring, an overcoat paint was prepared. The obtained overcoat paint was applied with a Mayer bar so that the film thickness after drying was 0.2 μm, and dried at 100 ° C. for 2 minutes using a hot air dryer to obtain a gas barrier laminate.
[0135]
<Example3>
Example2Similarly, an anchor layer and a gas barrier layer were formed.
5% aqueous solution of amphoteric SBR using ion-exchanged water (OX1060, Tg 8 ° C., gel fraction 70%, styrene-butadiene latex modified with acid and cationic monomer, solid content 50%, manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.) Was prepared.
Separately, boron oxide (B2O3, Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and ion-exchanged water were used to prepare a 5% aqueous solution of boron oxide. An overcoat paint was prepared by mixing a 5% aqueous solution of amphoteric SBR and a 5% aqueous solution of boron oxide so that each solid content was 100/20 (amphoteric SBR / boron oxide). The coating amount after drying the overcoat paint on the gas barrier layer using a Mayer bar is 0.4 g / m2And dried at 100 ° C. for 2 minutes to obtain a gas barrier laminate.
[0136]
<Example4>
Example except that nylon resin emulsion (Sumitomo Seika Co., Ltd., Sephojon PA150, solid content 40%, melting point 85-90 ° C., particle size 2 μm) was used instead of amphoteric SBR3In the same manner as above, a gas barrier laminate was obtained.
[0137]
<Example5>
Example except that polyurethane resin (manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., Superflex 600, polyether polyurethane resin emulsion, solid content 25%, particle size 10 nm, Tg 70 ° C.) was used instead of amphoteric SBR3In the same manner as above, a gas barrier laminate was obtained.
[0138]
<Comparative example2>
Except for the 3% aqueous solution of PVA117 as the overcoat paintComparisonIn the same manner as in Example 1, a gas barrier laminate was obtained.
[0139]
<Comparative example3>
Example except that 3% aqueous solution of PVA117 was used as overcoat paint1In the same manner as above, a gas barrier laminate was obtained.
[0140]
<Test method>
1) Oxygen permeability
Measurement was carried out under the conditions of 23 ° C. and 90% RH with the coated surface being the oxygen detector side by JIS-K-7126 B method (isobaric method) (oxygen permeability measuring device: OX-TRAN100 type, manufactured by MOCON). The oxygen permeability was set to 24 hours after setting the sample. Oxygen permeability is 50cc / m2・ 24hr or less is preferable, 40cc / m2・ 24hr or less is more preferable, 30cc / m2-24 hours or less is more preferable.
2) Adhesion evaluation
36 parts by mass of urethane adhesive (Takelac A-971, solid content 50%, Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.) and isocyanate adhesive (Takenate A-3, solid content 75%, Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.) 3 parts by mass was added to 61 parts of ethyl acetate and stirred to prepare an adhesive paint (solid content 20%, urethane / isocyanate = 90/10 parts by mass).
The solid content after drying the adhesive coating on the gas barrier laminate is 10 g / m2Then, it was coated with a Mayer bar and dried at 70 ° C. for 20 seconds to form an adhesive layer.
The adhesive layer and the corona-treated surface of a 25 μm thick nylon film (ON-25, manufactured by Unitika Co., Ltd.) are overlaid to obtain 25 gf / cm.2An aging treatment was performed at 40 ° C. for 24 hours with a load of 1 to obtain a laminate of a gas barrier laminate and a nylon film.
The nylon film of the laminate and the gas barrier laminate were slit at a width of 15 mm, and 180 ° C. peel strength (U-shape strength, adhesive strength between the overcoat layer and the gas barrier layer) was measured. The tensile speed was 30 m / min, the number of measurement points was 7, and the average value of 5 points excluding the maximum and minimum values was defined as the adhesion strength.
The adhesion strength is necessary and sufficient if it is 0.5 N / 15 mm or more, but more preferably 1 N / 15 mm or more.
The adhesion strength was also measured by leaving a sample aged at 40 ° C. for 24 hours at 23 ° C. 50% RH or 40 ° C. 90% RH for 24 hours.
[0141]
[Table 1]
[0142]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a gas barrier laminate having excellent gas barrier properties even under high humidity conditions, improved adhesion, and suitable as a packaging material.
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