JP3931657B2 - 燃料電池の性能評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、とくに固体高分子電解質型燃料電池、の性能評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータとからなるセルを1層以上重ねてモジュールとし、モジュールを積層して構成される。
MEAは、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置された触媒層からなる電極(アノード)および電解質膜の他面に配置された触媒層からなる電極(カソード)とからなる。MEAとセパレータとの間には、通常、拡散層が設けられる。この拡散層は、触媒層への反応ガスの拡散をよくするためのものであり、触媒層と協働して電極を構成するので電極の一部と考えてもよい。セパレータは、アノードに燃料ガス(水素)を供給する燃料ガス流路およびカソードに酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路が形成されるとともに、隣接するセル間の電子の通路を構成している。
セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル(電極板)、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)とボルトにて固定して、スタックが形成される。
固体高分子電解質型燃料電池では、アノード側では、水素を水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる、または、セル積層体の一端のセルのアノードで生成した電子が外部回路を通してセル積層体の他端のセルのカソードにくる)から水を生成する反応が行われる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2
上記反応を行うために、スタックには燃料ガス、酸化ガスが供給・排出される。また、セパレータでのジュール熱とカソードでの水生成反応で熱が出るので、セパレータ間には、各セル毎にあるいは複数個のセル毎に、冷媒(通常は冷却水)が流れる流路が形成されており、そこに冷媒が循環され、燃料電池を冷却している。
燃料電池の電極は、その製造工程中、スタックへの組み付け前に、その発電性能が評価され、、合格品のみが積層されてスタックとされる。
特開平5−205762号公報は、この種の燃料電池評価装置の一例を開示している。該公報の評価装置は、MEAとセパレータを組み合わせたモジュールを評価装置に装着してモジュールに圧縮荷重を付与し、反応ガス流路をシールするとともにセパレータのMEAへの押し付け荷重(接触抵抗)を調整し、反応ガスを供給して発電させた時の電位を測定することにより燃料電池性能を評価するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平5−205762号公報の燃料電池評価装置には、つぎの問題があった。
▲1▼ 上記評価装置では、電極押し付け荷重によりガスシールも行うため、押し付け荷重(接触抵抗に影響)とシール性を個別に最適化して評価できない。
上記の他、つぎの副次的問題もあった。
▲2▼ 上記評価装置は、モジュールの評価装置であり、電極単体の測定装置ではない。したがって、従来の燃料電池評価装置の測定結果で電極単体の性能を評価した場合、純粋に電極そのものの性能を比較評価することが困難となる。
▲3▼ 荷重の適正化が困難なことにより、評価ごとにガスのリーク量が変動したり、評価ごとに接触抵抗が変化したりし、精度の高い評価が困難になる。
▲4▼ 温度は発電性能に影響する(発電しやすい温度がある)。しかし、上記評価装置は集電体形状、および通電電極の存在により、温度センサを設けることが困難であり、温度センサがないため、集電体の温度を測定できず、温度コントローが困難である。測定ごとに温度がばらつくと、測定結果も精度が低下する。
▲5▼ ガス導入部からセル内ガス流路までのガス流路の圧損差により、セル面内方向にガスの流れにムラがある。
▲6▼ 装置に温度調整機構がないため、加湿ガスでの評価の場合、結露するおそれがある。
本発明の目的は、電極押し付け荷重とシール性をそれぞれ最適化でき、評価性能を向上できる燃料電池の性能評価装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 集電体を有する一対の放電治具部と、該一対の放電治具部の間に設けられMEAを保持する電極保持部とを備え、
集電体のMEAへの押し付け荷重と、放電治具部と電極保持部間のガスシール荷重とが、互いに独立に設定可能となっている、
燃料電池の性能評価装置。
(2) 前記一対の放電治具部のうちのいずれか一方の放電治具部の集電体は該一方の放電治具部にダイヤフラムを介して支持されている(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(3) 前記集電体がMEAにではなく性能評価装置に設けられる(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(4) ガス流路および温度調整流体用流路を有しており、温度調整流体用流路はガス流路の導入部近傍にも取り廻されている(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(5) 前記集電体は集電体取付け軸を有しており、該集電体取付け軸は中空部を有し、該中空部に温度センサが設けられている(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(6) 前記集電体は集電体取付け軸を有しており、該集電体取付け軸は中空部を有し、該中空部に電圧出力端が設けられている(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(7) 前記電極保持部はMEAを挟持する一対のフレームを有し、前記電極保持部は前記一対の放電治具部に着脱可能に挟持される、(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
(8) 前記フレームには拡散層も保持される(7)記載の燃料電池の性能評価装置。
(9) 前記放電治具部はガス流路を有し、該ガス流路の導入分配部が均一抵抗に形成されている(1)記載の燃料電池の性能評価装置。
【0005】
上記(1)の燃料電池の性能評価装置では、接触抵抗、集電性能に影響する押し付け荷重と、ガスシール荷重とを独立に設定可能としたため、各荷重をそれぞれの最適荷重に設定することができ、それぞれの最適条件下での性能評価が可能になる。これにより性能評価の精度が向上する。
上記(2)の燃料電池の性能評価装置では、一方の放電治具部の集電体は該一方の放電治具部にダイヤフラムを介して支持されているので、押し付け荷重とガスシール荷重とを独立に設定可能になる。すなわち、集電体のダイヤフラムによる浮動支持構造は、押し付け荷重とガスシール荷重とを独立に設定可能とする構造のうちの1つの態様である。
上記(3)の燃料電池の性能評価装置では、集電体がMEAにではなく性能評価装置に設けられるので、集電体の影響を受けることなくMEAの評価が可能である。
上記(4)の燃料電池の性能評価装置では、温度調整流体用流路はガス流路の導入部近傍にも取り廻されているので、ガス流路の導入部近傍での水分凝縮を抑制することができる。
上記(5)の燃料電池の性能評価装置では、中空部に温度センサが設けられているので、集電体が存在しても温度センサを設置でき、この温度センサによりセル面内温度の測定とその制御が可能となり、性能の評価精度を上げることができる。
上記(6)の燃料電池の性能評価装置では、中空部に電圧出力端子が設けられているので、集電体がMEA側にあって測定毎に集電体と電圧出力端子とが接続される場合のように、集電体と電圧出力端子間の接触抵抗が測定毎に変動することはない。
上記(7)の燃料電池の性能評価装置では、電極保持部はMEAを挟持する一対のプレートを有し、電極保持部は一対の放電治具部に着脱可能に挟持されるので、MEA取付け・取外し工数が低減され、かつ、良好な取付け精度が確保される。
上記(8)の燃料電池の性能評価装置では、プレートには拡散層も保持されるので、MEA着脱時の拡散層脱落を防止できる。
上記(9)の燃料電池の性能評価装置では、ガス流路の導入分配部が均一抵抗に形成されているので、ガスの流量分布がセル面内で同じとなり、均一出力分布でのデータ取得が可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の燃料電池の性能評価装置を図1〜図12を参照して説明する。
本発明の燃料電池の性能評価装置は、たとえば固体高分子電解質型燃料電池10の電極の性能評価装置である。燃料電池10は、燃料電池自動車に搭載される。ただし、自動車以外に搭載、配置されてもよい。
【0007】
図11、図12に示すように、固体高分子電解質型燃料電池10は、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータ18とからなるセルを1層以上重ねてモジュール19とし、モジュール19を積層したセル積層体から構成される。
【0008】
MEAは、イオン交換膜からなる電解質膜11とこの電解質膜11の一面に配置された触媒層12からなる電極(アノード)14および電解質膜11の他面に配置された触媒層15からなる電極(カソード)17とからなる。MEAとセパレータ18との間には、通常、拡散層13、16(アノード側拡散層13、カソード側拡散層16)が設けられる。この拡散層13、16は、触媒層12、15への反応ガスの拡散をよくするためのもので、触媒層と協働して電極14、17を構成すると考えてもよい。
【0009】
セパレータ18は、アノード14に燃料ガス(水素)を供給する燃料ガス流路27およびカソード17に酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路28が形成されるとともに、隣接するセル間の電子の通路を構成している。燃料ガス流路27は燃料ガスマニホールド30に連通し、酸化ガス流路28は酸化ガスマニホールド31に連通する。また、セパレータでのジュール熱とカソードでの水生成反応で熱が出るので、セパレータ間には、各セル毎にあるいは複数個のセル毎に、冷媒(通常は冷却水)が流れる流路26が形成されており、そこに冷媒が循環され、燃料電池を冷却している。冷媒流路26は冷媒マニホールド29に連通する。セパレータ18の材料は、カーボン、導電性樹脂、メタルの何れであってもよい。
【0010】
セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル(電極板)20、インシュレータ21、エンドプレート22を配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材24(たとえば、テンションプレート)と25ボルトにて固定して、スタック23が形成される。
スタック23の一端側には、エンドプレート22とインシュレータ21との間にプレッシャプレート32が設けられ、プレッシャプレート32とエンドプレート22との間にばね機構33が設けられてセルにかかる荷重の変動を抑制している。
【0011】
電解質膜11および電極14、17からなるMEAは、セパレータ18と積層されてスタック23とされる前に、MEA単体の段階で、燃料電池の性能評価装置により、その発電性能が評価される。
燃料電池の性能評価装置は、MEAを実際の発電状態と同じ荷重、温度状態におき、MEAに実際と同じ反応ガスを供給して、MEAの性能を評価する。
燃料電池の性能評価装置100は、図1〜図10に示すように、集電体111を有する一対の放電治具部110と、該一対の放電治具部110の間に設けられMEAを保持するための電極保持部150とを備えている。
【0012】
集電体111はMEAにではなく性能評価装置100に、とくに放電治具部110に、設けられる。
そして、集電体111のMEAへの押し付け荷重と、放電治具部110と電極保持部150間のガスシール荷重とは、互いに独立に設定可能となっている。
さらに詳しくは、図1〜図3に示すように、一対の放電治具部110は、ガイド161が架台160にスライドすることにより、架台160に支持されている。電極保持部150を一対の放電治具部110の間に挟んだ後、締結ボルト163により一対の放電治具部110、電極保持部150を締結し、放電治具部110と電極保持部150間のガスシール荷重をガスシール上最適荷重に調整する。ついで、一方の放電治具部110に設けられているハンドル162をまわして台形ネジ165を介して放電治具部110の集電体取付け軸111aを有する集電体111を押し、集電体111が電極保持部150を締め付ける荷重を、他方の放電治具部1110に設けたロードセル164を見ながら、接触抵抗上最適荷重に調整する。
両極の放電治具部110を締結ボルト163により締結し固定する構造としたため、架台およびハウジングの支持構造に、剛性や平行度などの精度が不要となる。
【0013】
電極保持部150は、MEAの外周部を挟持する、中抜きの、一対のフレーム151を有しており、MEAはこの一対のフレーム151間に着脱可能に保持される。一対のフレーム151は、その間に挟んだMEAの、電気絶縁体の電解質膜11により、互いに絶縁されており、反応ガスがMEAに供給された時にアノード、カソード間に電位が生じる。
フレーム151には、触媒層12、15と別体に形成された拡散層13、16も着脱可能に保持される。拡散層13、16は、図10の(B)に示すように、フレーム151の浅い凹部からなる拡散層挟持部152に保持されて、膜−触媒層の側面に押し付けられる。拡散層13、16のサイズを触媒層12、15より大きくし、触媒層より大きい部分をフレーム151で挟持することにより、拡散層13、16の脱落を回避することができる。
MEAを挟持した一対のフレーム151は、図10の(A)、(C)に示すように、電極保持部締結ボルト153により締結される。この状態で電極保持部150は、一対の放電治具部110間に着脱可能に挟持され、締結ボルト163によって放電治具部110と締結される。両極電極保持部をボルト153により締結した状態でアッセンブリとして評価装置に装着し評価装置から外す構造のため、装着工数が大きく削減できる。
【0014】
一対の放電治具部110は、それぞれ、MEAに押し付けられる集電体111および該集電体を支持する1以上(図では4個であるが、個数は4に限るものではない)のハウジング112、113、114、115を有している。
ハウジング112、113、114、115は、ハウジング112、113、114、115の順に、電極保持部150に近い側から遠い側へと並んでいる。放電治具部いる。ハウジング114は段付き面を有しており、ハウジング113の内周面とハウジング114の段付き面の外周面とは嵌合している。ハウジング112、113、114、115は、放電治具部締結ボルト126により互いに固定されている。
【0015】
一対の放電治具部110のうちのいずれか一方の放電治具部110の集電体111は、集電体111の一部を構成する集電体取付け軸111a部位で、該一方の放電治具部110にダイヤフラム116、117を介して支持されている。
ダイヤフラム116はハウジング112、113により挟まれており、ダイヤフラム117はハウジング114、115により挟まれている。このダイヤフラムを介しての支持により、一方の放電治具部110の集電体111は、該一方の放電治具部110のハウジングに対して、電極保持部150に接近・離叛する方向に(集電体取付け軸111aの軸方向に)、若干量(約1mm程度)可動に支持されている。これによって、放電治具部110で電極保持部150を挟持した後、ハンドル162で集電体111をハウジングに対して軸方向に動かし、集電体111のMEAへの押し付け力が調整可能となっている。これにより、電極への荷重とシール性が互いに独立し、荷重によりリーク量が変動することを回避できる。ただし、ダイヤフラム116、117が過大に変形しないように、集電体取付け軸111aの移動量を所定量(約1mm程度)に規制するストッパ127が設けられている。ストッパ127は、集電体取付け軸111aに形成されたフランジと、該フランジを受け入れるための、フランジまたはその隣接部品に形成された凹部とを備えている。
一対の放電治具部110のうちの他方の放電治具部110の集電体111は、該他方の放電治具部110のハウジングに対して固定されている。
【0016】
燃料電池の性能評価装置は、ハウジングに形成されたガス流路118、119および温度調整流体用流路120を有している。一方のガス流路118が燃料ガス流路、他方のガス流路119が酸化ガス流路であり、燃料ガスは水素、酸化ガスは空気である。
ガス流路118、119は、MEAに反応ガスを供給しMEAからの反応ガスを排出する。ガス流路118、119の導入分配部118a、119aは、図10の(A)に示すように、流路長および曲がり部の数を互いに合わされており、これにより均一圧損に形成されており、発電部にガスを均一に流すことができる。
【0017】
温度調整流体(たとえば、温水)用流路120はガス流路118、119の導入部近傍にも取り廻されている。これによって、供給されるガスが加湿ガスであっても、導入分配部で水分が凝縮し結露することを防止してある。
また、温度調整流体は集電体取付け軸111aのまわりにも流され、集電体111を速やかに温度調整できるように、集電体取付け軸111aの外周には多数の溝111cが形成されていて熱伝達面積を大きくしてある。集電体111および集電体取付け軸111aに直接温水が接触する構造のため、温度レスポンスが向上されており、性能試験時間サイクルが短縮される。
【0018】
集電体取付け軸111aは中空部111bを有し、この中空部111bに温度センサ121が設けられている。温度センサ121は、発電性能に影響する集電体111の温度を検出するものであり、温度センサ121の配線は中空部111bを通して外部に取り出される。この構造により、集電体111そのものの温度をモニタすることができる。
集電体取付け軸111aの中空部111bに性能試験の対象MEAの電圧出力端子122が配置されている。電圧出力端子122に接続された配線123は中空部111bを通して外部に取り出される。この構造により、接触抵抗を低く抑え精度の高い放電(発電)データを取り出すことができる。
【0019】
図5に示すように、性能評価装置100は、ガスシール124、水シール125を有している。ガスシール124は、電極保持部150のフレーム151間、放電治具部110の電極保持部150との接触面、集電体111とハウジングとの接触面などに設けられ、水シール125はハウジング間、ハウジングのダイヤフラムとの接触面、などに設けられる。
【0020】
つぎに、性能評価装置100の作動を説明する。
拡散層をフレームで保持しMEAを一対のフレーム151で挟み電極保持部締結ボルト153で締結して、電極保持部150をアッセンブリとする。
ついで、電極保持部150を一対の放電治具部110の間に配置し、一方の放電治具部110でガイド161部位でスライドさせて他方の放電治具部110側に移動させ、電極保持部150を一対の放電治具部110で挟持する。ついで、締結ボルト163で電極保持部150を挟んだ一対の放電治具部110を締結する。この時、電極保持部150と放電治具部110間のガスシール荷重が出るが、締結ボルト163の締め付け力を調整してシール荷重をガスシール上最適値としておく。
【0021】
ついで、一方の放電治具部110に設けられたハンドル162をまわして、集電体取付け軸111aにかかる軸方向荷重を、集電体111とMEAの接触抵抗上最適値にする。集電体111およびそれに一体の集電体取付け軸111aがダイヤフラム116、117を介してハウジング112、113、114、115に支持されていて集電体111がハウジングに対して軸方向に可動のため、シール荷重と独立に集電体荷重を調整・設定できる。
【0022】
ついで、温度調整流体(たとえば、温水、ただし温水以外でもよい)を温度調整流体用流路120に流して性能評価装置100の温度を実際の燃料電池の運転温度にし、水素、空気をそれぞれのガス流路118、119に流して、その時のMEAの発電を、集電体111の電位を電圧出力端子122から取り出して測定する。その時、集電体111の温度を温度センサ121により測定し、フィードバック制御をかけて、集電体111の温度を適温に維持する。
【0023】
この測定においては、MEAと集電体111との押し付け荷重と、ガスシール荷重とが、別々に、それぞれの最適荷重に設定してあるので、最適な(実際の燃料電池運転時の)接触抵抗と、ガスシールとが同時に達成され、測定の精度が上がる。押し付け荷重とガスシール荷重を同じ荷重とする従来では、一方の荷重が最適値から外れ、測定精度低下の原因となったが、本発明ではそれを防止できる。
【0024】
また、MEA単体の性能が測定されるので、従来のようにMEAと集電体とのアッセンブリの性能を測定する場合のような集電体によるノイズを排除または少なくすることができ、電極の性能測定における精度が向上する。
また、温度調整流体用流路120および温度センサ121を設けたので、集電体111の温度を実際の使用温度に制御でき、実使用状態の温度での測定が可能になり、測定精度が向上する。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の燃料電池の性能評価装置によれば、接触抵抗、集電性能に影響する押し付け荷重と、ガスシール荷重とを独立に設定可能としたため、各荷重をそれぞれの最適荷重(燃料電池の実運転時のそれぞれの荷重)に設定することができ、それぞれの最適条件下での性能評価が可能になる。これにより性能評価の精度が向上する。
請求項2の燃料電池の性能評価装置によれば、一方の放電治具部の集電体は該一方の放電治具部にダイヤフラムを介して支持されているので、押し付け荷重とガスシール荷重とを独立に設定可能になる。
請求項3の燃料電池の性能評価装置によれば、集電体がMEAにではなく性能評価装置に設けられるので、集電体の影響を受けることなくMEAの評価が可能である。
請求項4の燃料電池の性能評価装置によれば、温度調整流体用流路はガス流路の導入部近傍にも取り廻されているので、ガス流路の導入部近傍での結露を抑制することができる。
請求項5の燃料電池の性能評価装置によれば、中空部に温度センサが設けられているので、集電体が存在しても温度センサを設置でき、この温度センサによりセル面内温度の測定とその制御が可能となり、性能の評価精度を上げることができる。
請求項6の燃料電池の性能評価装置によれば、中空部に電圧出力端子が設けられているので、集電体がMEA側にあって測定毎に集電体と電圧出力端子とが接続される場合のように、集電体と電圧出力端子間の接触抵抗が測定毎に変動することはない。
請求項7の燃料電池の性能評価装置によれば、電極保持部はMEAを挟持する一対のプレートを有し、電極保持部は一対の放電治具部に着脱可能に挟持されるので、MEA取付け・取外し工数が低減され、かつ、良好な取付け精度が確保される。
請求項8の燃料電池の性能評価装置によれば、プレートには拡散層も保持されるので、MEA着脱時の拡散層脱落を防止できる。
請求項9の燃料電池の性能評価装置によれば、ガス流路の導入分配部が均一抵抗に形成されているので、ガスの流量分布がセル面内で同じとなり、均一出力分布でのデータ取得が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の燃料電池の性能評価装置の正面図である。
【図2】図1の燃料電池の性能評価装置の平面図である。
【図3】図1の燃料電池の性能評価装置の側面図である。
【図4】図1の燃料電池の性能評価装置の、電極保持部と放電治具部の締結状態の断面図である。
【図5】図1の燃料電池の性能評価装置の、電極保持部と放電治具部の開放状態の断面図である。
【図6】図5の燃料電池の性能評価装置の、放電治具部の横断面図である。
【図7】図6のガス流路および温度調整流体用流路の展開図である。
【図8】図5のA部拡大図である。
【図9】図5のA部の側面図である。
【図10】(A)が図5の燃料電池の性能評価装置の、放電治具部の横断面図、(B)が(A)の上半分の断面図、(C)が(A)のうち電極保持部締結ボルト部位の断面図である。
【図11】燃料電池の側面図である。
【図12】図11の燃料電池の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 (固体高分子電解質型)燃料電池
11 電解質膜
12 触媒層
13 拡散層
14 電極(アノード)
15 触媒層
16 拡散層
17 電極(カソード)
18 セパレータ
19 モジュール
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 スタック
24 テンションプレート
25 ボルト
26 冷媒流路
27 燃料ガス流路
28 酸化ガス流路
29 冷媒マニホールド
30 燃料ガスマニホールド
31 酸化ガスマニホールド
32 プレッシャプレート
33 ばね機構
100 性能評価装置
110 放電治具部
111 集電体
111a 集電体取付け軸
111b 中空部
112、113、114、115 ハウジング
116、117 ダイヤフラム
118、119 (性能評価装置の)ガス流路
120 温度調整流体用流路
121 温度センサ
122 電圧出力端子
123 配線
124 ガスシール
125 水シール
150 電極保持部
151 フレーム
152 拡散層挟持部
153 電極保持部締結ボルト
160 架台
161 ガイド
162 ハンドル
163 締結ボルト

Claims (9)

  1. 集電体を有する一対の放電治具部と、該一対の放電治具部の間に設けられMEAを保持する電極保持部とを備え、
    集電体のMEAへの押し付け荷重と、放電治具部と電極保持部間のガスシール荷重とが、互いに独立に設定可能となっている、
    燃料電池の性能評価装置。
  2. 前記一対の放電治具部のうちのいずれか一方の放電治具部の集電体は該一方の放電治具部にダイヤフラムを介して支持されている請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  3. 前記集電体がMEAにではなく性能評価装置に設けられる請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  4. ガス流路および温度調整流体用流路を有しており、温度調整流体用流路はガス流路の導入部近傍にも取り廻されている請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  5. 前記集電体は集電体取付け軸を有しており、該集電体取付け軸は中空部を有し、該中空部に温度センサが設けられている請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  6. 前記集電体は集電体取付け軸を有しており、該集電体取付け軸は中空部を有し、該中空部に電圧出力端子が設けられている請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  7. 前記電極保持部はMEAを挟持する一対のフレームを有し、前記電極保持部は前記一対の放電治具部に着脱可能に挟持される、請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
  8. 前記フレームには拡散層も保持される請求項7記載の燃料電池の性能評価装置。
  9. 前記放電治具部はガス流路を有し、該ガス流路の導入分配部が均一抵抗に形成されている請求項1記載の燃料電池の性能評価装置。
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