JP3930971B2 - 移動体通信基地局用アンテナの構成方法、および、同アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPHSなどの移動体通信方式における末端基地局用として好適なように創作した、安価で、しかも耐風性に優れたアンテナ装置に関するものである。ただし、その用途は基地局用に限定されるものではなく、移動体に適用しても優れた実用的価値を発揮する。従って、基地局用以外に使用することも本発明の技術的範囲に属する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信のサービスエリアを確保するためには多数の基地局が設けられねばならない。
従来技術において、数千メガヘルツの電波を送,受信することができ、かつ、工業的に大量生産し得る基地局用アンテナ装置として、八木アンテナおよびパッチアンテナが広く用いられている。
八木アンテナは、1個の放射器と、給電されていない1個以上の反射器および1個以上の導波器とによって構成された線状配列エンドファイアアンテナであって、最大放射はアンテナ構成エレメントの配列方向に生じる。
パッチアンテナは、一般的に両面プリント基板を用い、その片方の面に平面状のアンテナ素子を配列するとともに、その他方の面にグランド板を設けたものであって、全体的外形が平板状をなしており、グランド面と反対方向に電波が放射される。
このパッチアンテナは、プリント基板を用いているため大重量であり、かつ高価である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
PHSなどの移動体通信技術が近代通信機器関連産業の発展に寄与したところ多大であるが、また一面においては心臓のペースメーカーや病医院の医療機器、および航空機などの電子制御に関して妨害を及ぼす虞れも有るため、その出力が法規制されている。
こうした事情により、移動体通信の基地局におけるアンテナ装置の利得にも法的な制約が有った。
しかし、最近PHSシステムの有効利用の促進を図るため、アンテナ装置の利得の制限が緩和されようとしている。
こうした規制緩和によってPHS方式の具体的用途の拡大が期待されるが、これを技術的に裏付け支援するため、高利得(10デシベルに近い程度)で、指向性に優れ、かつ耐風性,耐雪性,耐寒性,耐熱性の有る、簡単で安価な、数千メガヘルツ用のアンテナ装置の開発が要望されている。
【0004】
通信機器全般について、簡単,安価,高性能,耐久性が求められるが、特に基地局用アンテナ装置のように風雪,雨露に晒される固定的な機材に関しては、
耐風性の良いこと。すなわち、基台となる部材に対する取付面積が広く、かつ、基台部材からの突出長さが短いこと。および、
耐寒熱性の良いこと。すなわち、耐熱性,耐寒性に劣る材料を用いる必要が無く、かつ、熱膨張,収縮によって性能が著しく変化しないこと。並びに、
耐侯性の良いこと。すなわち、紫外線によって変質する材料を用いる必要が無く、かつ、接続部分の発錆によって導通不良などのトラブルを誘発する虞れの無いこと。が要望される。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
小型,軽量で、しかも構造が簡単で製造コストが低廉であり、
その上、高い利得と優れた指向性とか得られ、
耐風性,耐侯性に優れて、移動体通信の基地局用アンテナとして好適なアンテナ装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図2を参照して略述すると、
符号1で示したアンテナ本体は、漢字の「日」という形に類似しており、これは、2個の方形(矩形)のアンテナ素子1a,同じく1bを並べるとともに、隣接する1辺を共有せしめた形状である。
上記のアンテナ素子1a,1bは、それぞれ、その周囲の長さが送,受信電波の1波長(λ)にほぼ等しくなっている。
符号3で示したグランド板は、前記の日字状アンテナ本体1に対して平行に配置され、かつ、該グランド板3を投影面としたときの日字状アンテナ本体1の投影形状がグランド板3からはみ出さないように構成されている。
前記日字状アンテナ本体1とグランド板3とによって挟まれた空間内に位置せしめて、ほぼλ/4で共振する(すなわち、電気的長さ約λ/4の)アンテナ励振器2Tが配置されている。この例のアンテナ励振器はT字状をなしているが、必ずしもT字状でなくても、L字状,Y字状などの変形例も有り得る。要は電気的長さが約λ/4であって、その開放端がアンテナ本体1に対して対向,離間して静電容量を形成し、静電容量結合されていれば良い。
【0006】
以上に説明した原理に基づいて、請求項1の発明に係る移動体通信基地局用アンテナの構成方法は、1周の長さ寸法が約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子の複数個を用い、
矩形状の2個のアンテナ素子それぞれの1辺を互いに共有せしめ、もしくは、互いに隣接せしめてアンテナ本体を形成し、
電気的長さ寸法が約1/4波長のアンテナ励振器を構成して、その開放端を前記アンテナ本体に対向離間せしめて静電結合し、
かつ、前記のアンテナ本体を覆い得る形状,寸法のグランド板を構成して、該グランド板を前記アンテナ本体とほぼ平行に対向,離間せしめるとともに、
前記のアンテナ励振器の主要部を、前記アンテナ本体とグランド板とに挟まれた空間内に位置せしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明方法によると、少数の構成部材(アンテナ本体と、グランド板と、アンテナ励振器との各1個)および、その付属部材を用い、簡単な構成で、かつ簡単な工程で、移動体通信の基地局用として好適なアンテナ装置を構成することができる。
例えば八木アンテナにおいては多数の棒状アンテナ素子を平行に配列した立体的構成であるから風圧を受け易く、かつ、風圧に耐える機械的強度を持たせることが容易でないのに比して、本請求項1の発明方法においてはグランド板に対して1個のアンテナ本体を平行に配置するとともに、両者の間にアンテナ励振器を配設するので全体的形状がコンパクトである。形状がコンパクトであるから大きい風圧を受けにくく、しかも、風圧に耐えるように機械的強度を持たせることが容易である。
また、例えばパッチアンテナにおいては、グランド板と平行に多数の板状アンテナ素子を同一平面上に配列するので、その全体的形状が大きくなるのに比して、本請求項1によれば2個の矩形状アンテナ素子同士に1辺を共有せしめて連結した1個のアンテナ本体を構成するとともに、該1個のアンテナ本体と1個のグランド板とを平行に保持した簡単な構成であって、コンパクトに構成することができる。構成エレメントが少なくてコンパクトであるから、材料費や加工費が低廉であるのみでなく、風圧を受ける面積が小さくて強固に支持し易く、耐風性に優れている。
その上、グランド板と直角な方向に最大放射を生じて優れた指向性を示し、しかも高い利得(例えば約7dBd)が得られ、移動体通信の基地局用アンテナとして好適な性能のアンテナ装置を構成することができる。
【0007】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、アンテナ本体が同調したとき、定在波の電流分布がゼロとなる箇所、すなわち電圧分布が最大となる箇所に対して前記アンテナ励振器の開放端を対向せしめて静電容量を形成し、かつ、上記静電容量の値をほぼ臨界結合値ならしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、前記請求項1を適用して構成された周囲長λの矩形アンテナ素子の平行2辺の何れか片方の中央部に対してアンテナ励振器の開放端を静電容量結合することにより、「静電結合されなかった平行2辺」に定在波の電流分布最大の箇所を生じる。しかも、該矩形アンテナ素子の2個が1辺を共有し(もしくは隣接せしめ)ているので、少なくとも3辺の平行部分に同相の電流最大部分を生じる。これにより、高いアンテナ利得と優れた指向性とが得られる。
さらに、アンテナ励振器の開放端をアンテナ本体に対して静電結合している容量値を調節して臨界値に設定してあるので、アンテナ利得その他の特性が最善の状態となる。
【0008】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項1,2の発明の構成要件に加えて、前記アンテナ本体とグランド板との間隔寸法をλ/4未満、望ましくは約λ/10ならしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、請求項1を適用して構成するアンテナ装置をよりコンパクトに、しかも高性能にすることができる。
アンテナ本体とグランド板との間隔寸法は、理論的には、これをλ/4とすることによって数千メガヘルツ用の指向性アンテナとして機能する。そして、この間隔寸法をλ/8〜λ/10ならしめると好適な実用性能が得られる。
これを機械構造的な面から見ると、前記の間隔寸法を小さくするほど全体的な形状がコンパクトになり、装置の小形軽量化に関して有利となる上に、耐風性も向上する。しかし、機械的性能と電気的性能との両方を勘案するとλ/10前後とすることが望ましい。
例えば八木アンテナにおいては、アンテナの最大放射方向に少なくとも3個のアンテナ素子を配列するので、最大放射方向のアンテナ装置外形寸法が少なくともλ/2程度となるのに比して、本発明方法においては最大放射方向の寸法が最大限で約λ/4(望ましくはλ/10)となるので、アンテナ装置の小形軽量化、および耐風性向上といった観点から格段に優れている。
【0009】
請求項4に係る移動体通信基地用アンテナ装置の構成は、1周の長さが約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子の2個が、相互に1辺を共有する形に、日字状に連結されたアンテナ本体と、
上記アンテナ本体と平行に配置されて、該アンテナ本体を覆い得る形状,寸法のグランド板と、を具備しており、
上記アンテナ本体とグランド板との間隔寸法がλ/4未満に設定されていて、
上記アンテナ本体とグランド板との間に、電気的長さ約λ/4のアンテナ励振器が設けられているとともに、該アンテナ励振器の開放端が前記アンテナ本体に対向,離間して静電容量を形成しており、
前記のアンテナ本体が同調したとき、該アンテナ本体を形成している日字状の5辺の内の平行な3辺のそれぞれに電流分布の最大部が乗るようになっていることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明装置によると、2個の矩形状のアンテナ素子のそれぞれが波長λの電波に共振し、かつ、該2個の矩形状アンテナ素子が1辺を共有して連結された日字状アンテナ本体が形成されているので、該共有辺を含む平行3辺に定在波の最大電流部分が同相で乗り、これによって優れた指向特性と高利得とが得られる。
そして、上記日字状アンテナ本体とグランド板とが平行をなし、かつ両者の間隔寸法が波長の1/4未満であるから、全体的形状がほぼ矩形の平板状となってコンパクトである。
全体的な形状寸法がコンパクトであることにより、取扱い(梱包,輸送,保管,設置など)が容易である上に、これを外気中に設置しておいて強風を受けても倒壊する危険性が少なく、耐風性に優れている。
さらに、前記アンテナ本体に対する給電手段が、機械的接触による導通に依存することなく、アンテナ励振器を介しての静電容量結合によっているので、接続箇所の発錆に因る導通不良といったトラブルを発生する虞れが無い。
基地局用のアンテナは一般に風雨に晒されつつ高所に設置されるので、発錆による故障の虞れが無く、点検インターバルを長くできることの実用的価値は多大である。
【0010】
請求項5に係る移動体通信基地用アンテナ装置の構成は、1周の長さ約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子を3個もしくはそれ以上有していて、
上記ほぼ矩形のアンテナ素子が相互に1辺を共有する形に、目の字状もしくはこれに類似する形状に連結されたアンテナ本体が構成されていて、
上記アンテナ本体が同調したとき、定在波の電流分布が最大となる4辺もしくはそれ以上の辺が互いに平行に配列されているとともに、
上記アンテナ本体と平行に、1/4波長未満の間隔でグランド板が配置されており、
かつ、上記グランド板とアンテナ本体との間に位置せしめられて、1/4波長で共振するアンテナ励振器が配置されるとともに、該アンテナ励振器の開放端が、前記アンテナ本体に対して対向,離間して静電容量を形成していることを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明装置は、前記請求項4の発明装置と同じ原理に基づく類似の構成であって、その作用,効果も前記請求項4の発明装置におけると同様ないし類似である。
すなわち、請求項4においては基本的な構成として、2個の矩形状アンテナ素子相互に1辺を共有せしめて日字状に連結したが、この技術的思想を発展させて、3個の矩形状アンテナ素子を目の字状に連結し、または、さらに4個以上の矩形状アンテナ素子を連結して目の字状に類似したアンテナ本体を構成したのが本請求項5の構成である。
このように構成しても、アンテナ本体を同調させて定在波を乗せたとき、最大電流が平行な4辺もしくはそれよりも多数の辺の上に同相に生じることにより、請求項4におけると同様に、上記平行な辺と直角方向の指向性と、高いアンテナ利得とが得られる。
さらに、本請求項5における目の字状の、もしくはこれに類似する形状のアンテナ本体がグランド板に対して平行をなし、かつ、両者の間隔寸法が波長の1/4未満であるから、アンテナ装置全体がほぼ矩形の平板状をなすとともに、板面と直角方向に最大放射を生じる。このため取扱いが容易である上に、耐風性が優れている。
さらに、請求項4のアンテナ装置におけると同様の理由により、発錆に因るトラブルを生じる危険性が少なく、点検インターバルを長く設定できるという実用的な効果を奏する。
【0011】
請求項6に係る発明装置の構成は、前記請求項4もしくは同5の発明の構成要件に加えて、前記のグランド板がアンテナ装置の機械的なベース部材としての役目を兼ねていて、
前記のアンテナ本体が、ベース部材であるグランド板に対して電気絶縁性部材により支持され、もしくは、アンテナのカバー部材を介してグランド板によって支持され、
かつ、アンテナコネクタが前記グランド板に貫通固着されるとともに、
前記アンテナ励振器が、上記アンテナコネクタによって支持されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明装置によると、請求項4もしくは請求項5の発明に係るアンテナ装置が、機械的に強固に、かつ、機械的に簡単に構成され、しかも製造コストが低廉である。
アンテナ装置を構成している主要な電気的要素であるとこめのアンテナ本体、グランド板およびアンテナ励振器の中で、最も大形であり、かつ最も寸法精度を要しないグランド板が機械的なベース部材になっているので、装置全体を強固に支持することができる。
特に、このグランド板を地上構築物に対して固定することによって、強風にも吹き飛ばされないように固定することができ、装置の全体的外形が平板状であることに相俟って、優れた耐風性が得られる。
この場合、グランド板の電気部品としての特性により(アンテナ素子やアンテナ励振器と異なり)取付用のネジ孔を穿ったり、該ネジ孔に取付ネジを挿通したり、または該グランド板の周辺部に取付用のブラケットを設けたりしても、グランド板としての電気的性能に支障を及ぼさないので好都合である。
また、アンテナ本体をグランド板に対して電気絶縁性材料によって支持すると、該電気絶縁性支持部材の誘電率を勘案して設計しておくことにより、所望のアンテナ特性が得られる。
さらに、グランド板を貫通させてアンテナコネクタを固着すると、該アンテナコネクタが機械的なベース部材に対して確実に取り付けられ、かつ、該アンテナコネクタに接続した同軸ケーブルの引き回しに好都合(邪魔にならない場所に配線できる)であり、
上記のようにして確実に固定されているアンテナコネクタに対してアンテナ励振器を支持することによって該アンテナ励振器が確実に位置決めされる。このアンテナ励振器は、その開放端がアンテナ本体に対して静電容量結合される部材であるから、正確に位置決めされて確実に保持されることは重要な意味を有している。
【0012】
請求項7に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、前記のアンテナ励振器が概要的にT字状をなしていて、T字の水平辺に相当する部分がアンテナ本体に対してほぼ平行に支持されるとともに、該T字の垂直辺の下端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されており、
もしくは、前記のアンテナ励振器が概要的にL字状をなしていて、L字の片方の辺に相当する部分がアンテナ本体に対してほぼ平行に支持されるとともに、該L字の他方の辺の先端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されており、
または、前記のアンテナ励振器が概要的にY字状もしくはこれに類似する形状をなしていて、Y字の左右対称な1対の斜辺それぞれの先端がアンテナ本体に対向,離間して静電容量を形成するとともに、該Y字の垂直辺の下端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明装置によると、アンテナ励振器が工業的生産に適した構造であり、かつ、該アンテナ励振器をアンテナ装置に組み付ける作業が容易である。すなわち、
アンテナ励振器をT字状に形成すると左右対称な形状になる。左右対称形の部材は設計も加工も容易であり、部材の形状,寸法の検査も容易である上に、これを組み付ける場合に位置決めが容易で、組付誤りを生じにくい。
その上、このアンテナ励振器を位置決めすべき対象部材であるアンテナ本体が対称形をなすとともに、このアンテナ本体が同調したときの定在波の波形も対称である。すなわち、電気的な作動が対称的に行なわれる。このため、アンテナ励振器が対称形に構成されることは合理的である。
例えばアンテナ本体に定在波が乗ったときの電流分布が対称的であって、電流値ゼロの箇所が対称の位置に発生する。そして、アンテナ励振器の開放端は、上記の電流値ゼロとなるべき箇所に対向せしめられるので、該アンテナ励振器の開放端(T字の水平辺の両端)が垂直辺に関して対称に配置されていることは組付作業を容易ならしめ、間接的に組付作業の工数を節減するとともに組付精度を向上せさる。
アンテナ励振器をL字状に形成すると、T字状アンテナ励振器における「対称形状であることに因る利便」が得られない代りに、該L字状アンテナ励振器はT字状アンテナ励振器に比して形状が簡単で、小形,軽量に構成され、材料コストが節減される。さらに、L字状のアンテナ励振器は直角な2辺からなっているので、矩形状のアンテナ素子に対する位置決め状態が明確で、製品の外観が簡潔である。
アンテナ励振器をY字状に成形すると左右対称をなす。従って、左右対称形のT字状アンテナ励振器におけるとほぼ同様の効果を奏する。
本請求項7の構成によると、アンテナ励振器をT字状,L字状,もしくはY字状の何れの形態とした場合にも、その入力端がアンテナコネクタによって機械的に支持されるとともに該アンテナコネクタに対して電気的に接続される。このように、機械的な支持手段と電気的な接続手段とが同じアンテナコネクタによって構成されているので、構造が簡単で、構成部品点数が少なく、製造コストが低廉である。
【0013】
請求項8に係る発明装置の構成は、前記請求項4ないし請求項7に係る発明装置の構成要件に加えて、前記のアンテナ本体が、針金を折り曲げて成形された部材であり、
または、金属板ないし金属箔を切り抜き、もしくは打ち抜いた部材であることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明装置によると、アンテナ本体の構成材料が持っていなければならない「導電性」と「形状保持性」との双方が得られ、しかも、必要なレベルの精度をもって工業的に生産するに適している。
すなわち、針金を折り曲げて日字状ないし目字状のアンテナ本体を形成すると、金属材料固有の性質として導電性であり、かつ、別段の外力を加えられない限りその形状を保持しているので、アンテナ本体としての機能を長期間にわたって保持する。
金属板を切り抜き、もしくは打ち抜いた場合も同様に、導電性を有し、アンテナ本体としての機能を長期間にわたって維持する。
基地局用アンテナ装置の使用条件として、比較的広範囲(例えば50℃)の温度変化を受ける場合が有って熱膨張,収縮するが、送,受信波の波長がセンチメートル単位であるのに比して熱膨張収縮はミクロン単位であるから、アンテナ装置の同調特性が熱膨張収縮の影響を受けて変化することは、実用上ゼロと見做し得る程度に微小である。
金属板の薄いものは金属箔であるが、この技術の分野においては板と箔との間に明確な境界が定義されていない。本発明において金属箔とは、補強部材を副えないと形状保持が不安定な程度に薄い金属板をいい、アンテナ本体を成形する場合、補強板に貼着されている金属箔は、金属板に準じて取り扱うことができる。要するに本発明において「金属板ないし金属箔」とは、「厚さ寸法に拘らず金属板」という意味になる。従って、金属箔を補強板と一緒に切り抜いたり打ち抜いたりして構成したアンテナ本体は、先に述べた金属板製のアンテナ本体におけると同様ないし類似の効果を奏する。
【0014】
請求項9に係る発明装置の構成は、前記請求項4ないし請求項7の構成要件に加えて、前記のアンテナ本体が、プリント配線基板上の導通パターンによって形成されており、
上記プリント配線基板に対してグランド板が平行に取り付けられていることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明装置によると、公知のプリント配線技術を利用して多数のアンテナ本体を低コストで、高精度で作製することができる。
しかも、作製された導通パターンから成るアンテナ本体は基板に密着しているので、結果的に該基板によって補強され、その形状,寸法を長期間にわたって維持することができる。
その上、グランド板とプリント配線基板とは共に板状の部材であるから、両者を相互に固定することは容易である。そして、グランド板に対してプリント配線基板を位置決め固定することにより、グランド板とアンテナ本体とが位置決めされるので、アンテナ装置の構成部材を高精度で組み立てる作業が容易に行なわれる。
【0015】
請求項10に係る発明装置の構成は、前記請求項9に係る発明装置の構成要件に加えて、前記アンテナ本体がプリント配線基板の片方の面に形成されるとともに、
前記アンテナ励振器が該プリント配線基板の他方の面に形成されていて、上記アンテナ励振器の開放端がプリント配線基板の電気絶縁性板状部材を隔ててアンテナ本体に対向し、両者の間に静電容量が形成されており、
かつ、上記静電容量が臨界結合となるように容量値を設定されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明装置によると、これを比喩的に言えばプリント基板の表側にアンテナ本体が描かれるとともに、その裏側にアンテナ励振器が描かれた構造になっている。このため、公知のプリント配線技術を適用して、本発明に係るアンテナ本体とアンテナ励振器とを、低コストで大量に生産することができる。
しかも、通常のレベルの品質管理を行なえば、アンテナ本体とアンテナ励振器との相対的な位置が、所望の精度で自動的に定められるので、アンテナ本体に対してアンテナ励振器を取り付ける作業工程が省略され、組立作業工数が節減される。
上述のようにしてアンテナ本体とアンテナ励振器開放端との間に静電容量が形成され、かつ、その容量値が臨界結合値となるように設定されているので、優れたアンテナ性能(高利得、および指向性)が得られる。
【0016】
請求項11に係る発明装置の構成は、前記請求項4ないし請求項10の構成要件に加えて、前記のアンテナ本体と、アンテナ励振器と、グランド板との組合せから成る単位アンテナの複数組がほぼ同一面に沿って配列され、ダイバーシィティーアンテナを形成していることを特徴とする。
以上に説明した請求項11の発明によると、請求項4に係る日字状アンテナ本体の1個を備えた単位アンテナ、もしくは請求項5に係る目字状アンテナ本体の1個を備えた単位アンテナの複数組を配列し、該複数組の単位アンテナ相互に補完せしめて、その作動を安定させることにより、PHS通信の応用範囲の拡張に貢献することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る移動体通信基地局用アンテナ装置の1実施形態を示す3面図であって、(A)はアンテナカバーを取り外して描いた模式的な平面図、(B)は部分的に切断して描いた正面図、(C)は部分的に切断して描いた模式的な側面図である。
符号1を付して示したのはアンテナ本体部分であって、本図1(A)に示したように2個の矩形アンテナ素子1a,同1bを連結し、相互に1辺を共有せしめて漢字の「日」に類似した形状に構成してある。
前記2個のアンテナ素子1a,1bのそれぞれは、ほぼ矩形となし、かつ、その周囲の長さ寸法が約1波長(λ)に設定されている。
前記の矩形とは正方形を含む概念であるが、本発明における矩形アンテナ素子は幾何学的に厳密な矩形(長方形)であることを要せず、例えば角に丸味が有ったりしても良い。
この日字状アンテナ素子1は平面的な形状である。すなわち、2個の矩形の、周長λのアンテナ素子(矩形λアンテナ素子)1a,1bの各辺を構成している部材の太さをゼロと見做すと、該2個の矩形λアンテナ素子は同一平面上に配列されている。
【0018】
符号3で示したものはグランド板であって、金属板もしくは金属網によって構成され、前記の日字状アンテナ本体1に対して平行に配置され、その間隔寸法Dはλ/4未満に設定され、望ましくはλ/10とする。この寸法を小さくした方が、アンテナ装置全体がコンパクトになるが、λ/10に比して著しく小さく設定すると利得などのアンテナ特性が低下するので、λ/8〜λ/10が実用に推奨される。
ただし、前記の間隔寸法Dは機械的な長さではなく静電的な長さである。この間隔が空気で満たされているときは機械的長さと同一であるとして取り扱い得るが、この間隔が誘電率εの物質で満たされていれば、実効間隔寸法は機械的長さの1/εとなる。従って、本発明においてアンテナ本体とグランド板との間隔寸法をλ/4未満にするとは、機械的な間隔寸法をλ/4ε未満ならしめることを意味する。
符号2Tで示した部材は約1/4波長で共振するアンテナ励振器、すなわち、電気的長さ約λ/4のアンテナ励振器であって、本例においてはT字状に構成されている。その他の形状の実施形態に係るアンテナ励振器については図4を参照して後に詳しく述べる。
前記のグランド板3に、アンテナコネクタ4が貫通固着され、同軸ケーブル5がグランド板3の裏側(アンテナ本体1の反対側)に引き出されている。これにより、同軸ケーブルの配線が容易になる。
上述のように、グランド板3に対して固定されているアンテナコネクタ4に、T字状λ/4アンテナ励振器2Tの入力端(T字の垂直な辺の下端)を取り付けて、機械的に支持するとともに電気的に接続,導通せしめる。このようにして、アンテナコネクタ4が機械的支持と電気的接続とを兼ねるので、構成部品の点数が少なく、組立作業工数が節減される。
【0019】
前記T字状λ/4アンテナ励振器の開放端(T字の水平な辺の両端)は、日字状アンテナ本体1に対向,離間して微小な静電容量(ピコファラッド程度で足りる)cを形成している。
上記の静電容量cによって、アンテナ励振器がアンテナ本体に対して静電容量結合され、この静電容量cの形成を必須の要件として後述のごとく優れたアンテナ特性(利得,指向性)が得られる。
前記アンテナ励振器の開放端を、日字状アンテナ本体の何処に対して静電容量結合すべきかについては、図3を参照して後に詳しく述べる。
上述のように、アンテナ本体に対する給電が静電容量cを介して行なわれ、機械的な接続による接触導通を必要としないので、接続箇所の発錆による導通不良を生じる虞れがなく、風雨に晒されるアンテナ装置として好適である。発錆や接続ネジ弛みなどの虞れが無いから、定期点検整備のインターバルを長くすることができ、取扱い容易である。
【0020】
符号6で示したのはアンテナカバーであって、日字状アンテナ本体1やT字状アンテナ励振器2Tを覆ってグランド板3に取り付けられている。
例えばT字状アンテナ励振器2Tと日字状アンテナ本体1との間に氷雪が付着したり塵埃が堆積したりするとアンテナ性能が低下するので、基地局用アンテナ装置の使用条件を勘案するとき、アンテナカバーが必要である。
アンテナ装置を構成している電気的エレメントをアンテナカバーで覆うという技術は公知公用であるが、アンテナの基本構成の如何によってアンテナカバーの構成に難易の差を生じる。
本発明の構成は複数個の矩形アンテナ素子相互に1辺を共有もしくは隣接せしめてアンテナ本体を構成するので、該アンテナ本体は必然的に矩形になる。そして、グランド板3は上記アンテナ本体を覆い得る形状,寸法であり、アンテナ本体と平行に設置されるので、全体的な外形が平板状となり、アンテナカバーで覆うに適している。この場合、適・不適は比較対照しての判断によらねばならないが、いま仮に、八木アンテナの全体的外形をアンテナカバーで包んだ場合を想定して見ると、本発明に係るアンテナ装置がアンテナカバーで覆い易いこと、および、アンテナカバーで覆われた状態で風圧を受けにくい立体的形状であることが理解される。
【0021】
図2は、本発明に係る移動体通信基地局用アンテナ装置の機械的な支持構造を説明するために示したもので、本発明の創作研究の途上においてアンテナ性能の測定に用いた試作品の概要的な斜視図であって、アンテナカバーが未だ装着されていない状態を描いてある。
矩形λアンテナ素子1a,1bから成る日字状アンテナ本体1は、針金を折り曲げて構成してある。ただし、本発明を実施する際、金属板もしくは金属箔を切り抜き、またはプレスで打ち抜いて日字状アンテナ本体1を構成しても良い。上記金属箔を用いる場合は、適宜の補強板に貼着された状態のものを用いることが望ましい。
さらに、異なる実施形態として、プリント配線基板(図示省略)の片方の面に、導通パターンによって日字状アンテナ本体1に相当するアンテナ本体を構成することもできる。このような構成によると、プリント配線技術を適用して多数のアンテナ本体を、高精度で構成することかできる。
上述のごとく、プリント配線基板の片方の面にアンテナ本体を形成する場合、該プリント配線基板の他方の面にアンテナ励振器を導通パターンによって形成することができる。このように構成すると、前記の静電容量cの値を容易かつ正確に制御することができる。
上記静電容量cの値を変化させるとアンテナ特性が変化する。実験的に容量値を変化させながら最良のアンテナ性能を示す静電容量の値(臨界静電容量)を求めることは容易に可能であり、一旦臨界静電容量値を求めれば、量産工程において該臨界静電容量値を再現することに別段の困難は無い。
【0022】
(図2参照)この実施形態においてはグランド板3が機械的なベース部材としての役目を兼ねており、日字状アンテナ本体1が電気絶縁性アンテナ支持台7によってグランド板3に固定されている。上記電気絶縁性アンテナ支持台7の高さ寸法Dをλ/4未満ならしめることによって、日字状アンテナ本体1をグランド板3に対して平行に、間隔寸法λ/4未満に、強固に支持することができる。ただし、この場合、前記の寸法Dについては、電気絶縁性アンテナ支持台7の構成材料の誘電率による影響を考慮に入れて設定する。
前記のグランド板3は、アンテナ本体を覆い得る形状,寸法に構成する。すなわち、図2においてグランド板3を投影図として日字状アンテナ本体1を投影し場合、その投影図形がグランド板3からハミ出さないように構成する。
前述のごとく、グランド板3によって日字状アンテナ本体1を支持するとともに、該グランド板3に貫通固着されたアンテナコネクタ4によってアンテナ励振器2Tを支持して、該グランド板3を機械的なベース部材としているので、当該アンテナ装置を設置する際は上記グランド板3を壁などの地上構築物に対して固定する。
このため、本実施形態(図2)においてはグランド板3の四隅に取付孔3a(図において1個は隠れている)を穿ってある。この取付孔3aにボルトなどを挿通して締めつけても、グランド板3の電気的性能が妨げられる虞れは無い。
また、仮想線で1個のみ例示したように取付ブラケット3bを設けることもできる。
【0023】
図3は、前掲の図1および図2に示した日字状のアンテナ本体が同調したときの電流分布状態を説明するために示した図表であって、(A)は定在波の電流値をカーブで表すとともに、これに符号を対応させて描いてあり、(B)はアンテナ本体の平面図に上述の記号を付記してあり、(C)は電流値に比例した大きさの矢印で電流分布を表してある。
図3(A)に示すごとく、定在波の電流分布はほぼサインカーブをなしている。その座標軸X−X′に付記した矢印は電流の方向と大きさとを表していて、黒丸印の点aから流れ出して点bで最大値となり、点eで消滅する(次の瞬間には電流の方向が反対になり、これを繰り返す)。
図3(B)に示すように、図示の点aに対向せしめてT字状λ/4アンテナ励振器2Tの開放端を配置すると、日字状アンテナ本体1の各辺には図示のごとく定在波が乗り、平行な3辺に最大電流が同相で(図において同じ方向に)発生する。
これにより、本発明のアンテナ装置は高い利得が得られる。
図4は、前掲の図1および図2に示した実施形態における移動体通信基地局用アンテナの指向特性と利得とを表したフィールドパターンであって、周波数1900MHzで計測したものである。
この図表から、本実施形態のアンテナ装置が優れた指向性を有し、指向方向について7dBdといった高利得であることが分かる。
前記図3(B)に示した電流分布について、電流値の大小を矢印の大小で表すと図3(C)のごとくであって、平行3辺に電流最大部分が乗っていることを感覚的に推察することができる。
【0024】
図5は、アンテナ励振器に関する3種類の実施形態を対比して示した模式的な平面図であって、(A)は前掲の図1ないし図4に示したT字状のアンテナ励振器を、(B)はL字状のアンテナ励振器を、(C)はY字状のアンテナ励振器を、それぞれ描いてある。
上記3種類のアンテナ励振器は、いずれも電気的長さ約λ/4に構成されるとともに、その開放端を日字状アンテナ本体1の「隣接する矩形アンテナ素子と共有している辺と直角な辺」の中央付近に対向離間せしめて静電容量cが形成されている。
図6は、前掲の図1に示した基本的構造より成る移動体通信基地局用アンテナの応用例を示し、(A)は2組の単位アンテナを並列したダイバーシィティーアンテナの平面図であり、(B)は3個の矩形λアンテナ素子を連結したアンテナ装置の平面図である。
図6(A)に示したダイバーシィティーアンテナ8は上下2段の構成であって、上段の構成部分と下段の構成部分とのそれぞれは前掲の図1(A)に示したと同様に、それぞれ1個のアンテナ本体と、1個のアンテナ励振器2と、1個のグランド板とから成るアンテナ装置であり、これら2組の単位アンテナをほぼ同一平面に揃えて配置することにより、ダイバーシィティーアンテナとして作用し、いっそう高い利得が得られる。
図6(B)に示した3個の矩形アンテナ1a,1b,1cのそれぞれは周囲長さが約1波長であり、互いに1辺を共有して連結され、漢字の「目」という字に類似した形状のアンテナ本体9が形成されている。
上記3個の矩形λアンテナ素子1a,1b,1cのうち、下段の矩形アンテナ素子1cに対してはアンテナ励振器2Tが静電容量結合されていないが、中段の矩形λアンテナ素子1bが共振すると、これと1辺を共有している矩形アンテナ素子1cも共振する。
本図3(B)の実施形態におけるグランド板3′は、前記目字状アンテナ本体9を覆い得る形状,寸法に設定されていて、該目字状アンテナ本体9と平行に、間隔寸法λ/4未満、望ましくは約λ/10に設置されている。
本図6に示した実施形態はT字状のアンテナ励振器を用いてあるが、前掲の図5について説明したL字状λ/4アンテナ励振器2L、もしくはY字状λ/4アンテナ励振器2Yを用いることもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、少数の構成部材(アンテナ本体と、グランド板と、アンテナ励振器との各1個)および、その付属部材を用い、簡単な構成で、かつ簡単な工程で、移動体通信の基地局用として好適なアンテナ装置を構成することができる。
例えば八木アンテナにおいては多数の棒状アンテナ素子を平行に配列した立体的構成であるから風圧を受け易く、かつ、風圧に耐える機械的強度を持たせることが容易でないのに比して、本請求項1の発明方法においてはグランド板に対して1個のアンテナ本体を平行に配置するとともに、両者の間にアンテナ励振器を配設するので全体的形状がコンパクトである。形状がコンパクトであるから大きい風圧を受けにくく、しかも、風圧に耐えるように機械的強度を持たせることが容易である。
また、例えばパッチアンテナにおいては、グランド板と平行に多数の板状アンテナ素子を同一平面上に配列するので、その全体的形状が大きくなるのに比して、本請求項1によれば2個の矩形状アンテナ素子同士に1辺を共有せしめて連結した1個のアンテナ本体を構成するとともに、該1個のアンテナ本体と1個のグランド板とを平行に保持した簡単な構成であって、コンパクトに構成することができる。構成エレメントが少なくてコンパクトであるから、材料費や加工費が低廉であるのみでなく、風圧を受ける面積が小さくて強固に支持し易く、耐風性に優れている。
その上、グランド板と直角な方向に最大放射を生じて優れた指向性を示し、しかも高い利得(例えば約7dBd)が得られ、移動体通信の基地局用アンテナとして好適な性能のアンテナ装置を構成することができる。
【0026】
請求項2の発明方法によると、前記請求項1を適用して構成された周囲長λの矩形アンテナ素子の平行2辺の何れか片方の中央部に対してアンテナ励振器の開放端を静電容量結合することにより、「静電結合されなかった平行2辺」に定在波の電流分布最大の箇所を生じる。しかも、該矩形アンテナ素子の2個が1辺を共有し(もしくは隣接せしめ)ているので、少なくとも3辺の平行部分に同相の電流最大部分を生じる。これにより、高いアンテナ利得と優れた指向性とが得られる。
さらに、アンテナ励振器の開放端をアンテナ本体に対して静電結合している容量値を調節して臨界値に設定してあるので、アンテナ利得その他の特性が最善の状態となる。
請求項3の発明方法によると、請求項1を適用して構成するアンテナ装置をよりコンパクトに、しかも高性能にすることができる。
アンテナ本体とグランド板との間隔寸法は、理論的には、これをλ/4とすることによって数千メガヘルツ用の指向性アンテナとして機能する。そして、この間隔寸法をλ/8〜λ/10ならしめると好適な実用性能が得られる。
これを機械構造的な面から見ると、前記の間隔寸法を小さくするほど全体的な形状がコンパクトになり、装置の小形軽量化に関して有利となる上に、耐風性も向上する。しかし、機械的性能と電気的性能との両方を勘案するとλ/10前後とすることが望ましい。
例えば八木アンテナにおいては、アンテナの最大放射方向に少なくとも3個のアンテナ素子を配列するので、最大放射方向のアンテナ装置外形寸法が少なくともλ/2程度となるのに比して、本発明方法においては最大放射方向の寸法が最大限で約λ/4(望ましくはλ/10)となるので、アンテナ装置の小形軽量化、および耐風性向上といった観点から格段に優れている。
【0027】
請求項4の発明装置によると、2個の矩形状のアンテナ素子のそれぞれが波長λの電波に共振し、かつ、該2個の矩形状アンテナ素子が1辺を共有して連結された日字状アンテナ本体が形成されているので、該共有辺を含む平行3辺に定在波の最大電流部分が同相で乗り、これによって優れた指向特性と高利得とが得られる。
そして、上記日字状アンテナ本体とグランド板とが平行をなし、かつ両者の間隔寸法が波長の1/4未満であるから、全体的形状がほぼ矩形の平板状となってコンパクトである。
全体的な形状寸法がコンパクトであることにより、取扱い(梱包,輸送,保管,設置など)が容易である上に、これを外気中に設置しておいて強風を受けても倒壊する危険性が少なく、耐風性に優れている。
さらに、前記アンテナ本体に対する給電手段が、機械的接触による導通に依存することなく、アンテナ励振器を介しての静電容量結合によっているので、接続箇所の発錆に因る導通不良といったトラブルを発生する虞れが無い。
基地局用のアンテナは一般に風雨に晒されつつ高所に設置されるので、発錆による故障の虞れが無く、点検インターバルを長くできることの実用的価値は多大である。
【0028】
請求項5の発明装置は、前記請求項4の発明装置と同じ原理に基づく類似の構成であって、その作用,効果も前記請求項4の発明装置におけると同様ないし類似である。
すなわち、請求項4においては基本的な構成として、2個の矩形状アンテナ素子相互に1辺を共有せしめて日字状に連結したが、この技術的思想を発展させて、3個の矩形状アンテナ素子を目の字状に連結し、または、さらに4個以上の矩形状アンテナ素子を連結して目の字状に類似したアンテナ本体を構成したのが本請求項5の構成である。
このように構成しても、アンテナ本体を同調させて定在波を乗せたとき、最大電流が平行な4辺もしくはそれよりも多数の辺の上に同相に生じることにより、請求項4におけると同様に、上記平行な辺と直角方向の指向性と、高いアンテナ利得とが得られる。
さらに、本請求項5における目の字状の、もしくはこれに類似する形状のアンテナ本体がグランド板に対して平行をなし、かつ、両者の間隔寸法が波長の1/4未満であるから、アンテナ装置全体がほぼ矩形の平板状をなすとともに、板面と直角方向に最大放射を生じる。このため取扱いが容易である上に、耐風性が優れている。
さらに、請求項4のアンテナ装置におけると同様の理由により、発錆に因るトラブルを生じる危険性が少なく、点検インターバルを長く設定できるという実用的な効果を奏する。
【0029】
請求項6の発明装置によると、請求項4もしくは請求項5の発明に係るアンテナ装置が、機械的に強固に、かつ、機械的に簡単に構成され、しかも製造コストが低廉である。
アンテナ装置を構成している主要な電気的要素であるとこめのアンテナ本体、グランド板およびアンテナ励振器の中で、最も大形であり、かつ最も寸法精度を要しないグランド板が機械的なベース部材になっているので、装置全体を強固に支持することができる。
特に、このグランド板を地上構築物に対して固定することによって、強風にも吹き飛ばされないように固定することができ、装置の全体的外形が平板状であることに相俟って、優れた耐風性が得られる。
この場合、グランド板の電気部品としての特性により(アンテナ素子やアンテナ励振器と異なり)取付用のネジ孔を穿ったり、該ネジ孔に取付ネジを挿通したり、または該グランド板の周辺部に取付用のブラケットを設けたりしても、グランド板としての電気的性能に支障を及ぼさないので好都合である。
また、アンテナ本体をグランド板に対して電気絶縁性材料によって支持すると、該電気絶縁性支持部材の誘電率を勘案して設計しておくことにより、所望のアンテナ特性が得られる。
さらに、グランド板を貫通させてアンテナコネクタを固着すると、該アンテナコネクタが機械的なベース部材に対して確実に取り付けられ、かつ、該アンテナコネクタに接続した同軸ケーブルの引き回しに好都合(邪魔にならない場所に配線できる)であり、
上記のようにして確実に固定されているアンテナコネクタに対してアンテナ励振器を支持することによって該アンテナ励振器が確実に位置決めされる。このアンテナ励振器は、その開放端がアンテナ本体に対して静電容量結合される部材であるから、正確に位置決めされて確実に保持されることは重要な意味を有している。
【0030】
請求項7の発明装置によると、アンテナ励振器が工業的生産に適した構造であり、かつ、該アンテナ励振器をアンテナ装置に組み付ける作業が容易である。すなわち、
アンテナ励振器をT字状に形成すると左右対称な形状になる。左右対称形の部材は設計も加工も容易であり、部材の形状,寸法の検査も容易である上に、これを組み付ける場合に位置決めが容易で、組付誤りを生じにくい。
その上、このアンテナ励振器を位置決めすべき対象部材であるアンテナ本体が対称形をなすとともに、このアンテナ本体が同調したときの定在波の波形も対称である。すなわち、電気的な作動が対称的に行なわれる。このため、アンテナ励振器が対称形に構成されることは合理的である。
例えばアンテナ本体に定在波が乗ったときの電流分布が対称的であって、電流値ゼロの箇所が対称の位置に発生する。そして、アンテナ励振器の開放端は、上記の電流値ゼロとなるべき箇所に対向せしめられるので、該アンテナ励振器の開放端(T字の水平辺の両端)が垂直辺に関して対称に配置されていることは組付作業を容易ならしめ、間接的に組付作業の工数を節減するとともに組付精度を向上せさる。
アンテナ励振器をL字状に形成すると、T字状アンテナ励振器における「対称形状であることに因る利便」が得られない代りに、該L字状アンテナ励振器はT字状アンテナ励振器に比して形状が簡単で、小形,軽量に構成され、材料コストが節減される。さらに、L字状のアンテナ励振器は直角な2辺からなっているので、矩形状のアンテナ素子に対する位置決め状態が明確で、製品の外観が簡潔である。
アンテナ励振器をY字状に成形すると左右対称をなす。従って、左右対称形のT字状アンテナ励振器におけるとほぼ同様の効果を奏する。
本請求項7の発明装置によると、アンテナ励振器をT字状,L字状,もしくはY字状の何れの形態とした場合にも、その入力端がアンテナコネクタによって機械的に支持されるとともに該アンテナコネクタに対して電気的に接続される。このように、機械的な支持手段と電気的な接続手段とが同じアンテナコネクタによって構成されているので、構造が簡単で、構成部品点数が少なく、製造コストが低廉である。
【0031】
請求項8の発明装置によると、アンテナ本体の構成材料が持っていなければならない「導電性」と「形状保持性」との双方が得られ、しかも、必要なレベルの精度をもって工業的に生産するに適している。
すなわち、針金を折り曲げて日字状ないし目字状のアンテナ本体を形成すると、金属材料固有の性質として導電性であり、かつ、別段の外力を加えられない限りその形状を保持しているので、アンテナ本体としての機能を長期間にわたって保持する。
金属板を切り抜き、もしくは打ち抜いた場合も同様に、導電性を有し、アンテナ本体としての機能を長期間にわたって維持する。
基地局用アンテナ装置の使用条件として、比較的広範囲(例えば50℃)の温度変化を受ける場合が有って熱膨張,収縮するが、送,受信波の波長がセンチメートル単位であるのに比して熱膨張収縮はミクロン単位であるから、アンテナ装置の同調特性が熱膨張収縮の影響を受けて変化することは、実用上ゼロと見做し得る程度に微小である。
金属板の薄いものは金属箔であるが、この技術の分野においては板と箔との間に明確な境界が定義されていない。本発明において金属箔とは、補強部材を副えないと形状保持が不安定な程度に薄い金属板をいい、アンテナ本体を成形する場合、補強板に貼着されている金属箔は、金属板に準じて取り扱うことができる。要するに本発明において「金属板ないし金属箔」とは、「厚さ寸法に拘らず金属板」という意味になる。従って、金属箔を補強板と一緒に切り抜いたり打ち抜いたりして構成したアンテナ本体は、先に述べた金属板製のアンテナ本体におけると同様ないし類似の効果を奏する。
【0032】
請求項9の発明装置によると、公知のプリント配線技術を利用して多数のアンテナ本体を低コストで、高精度で作製することができる。
しかも、作製された導通パターンから成るアンテナ本体は基板に密着しているので、結果的に該基板によって補強され、その形状,寸法を長期間にわたって維持することができる。
その上、グランド板とプリント配線基板とは共に板状の部材であるから、両者を相互に固定することは容易である。そして、グランド板に対してプリント配線基板を位置決め固定することにより、グランド板とアンテナ本体とが位置決めされるので、アンテナ装置の構成部材を高精度で組み立てる作業が容易に行なわれる。
請求項10の発明装置によると、これを比喩的に言えばプリント基板の表側にアンテナ本体が描かれるとともに、その裏側にアンテナ励振器が描かれた構造になっている。このため、公知のプリント配線技術を適用して、本発明に係るアンテナ本体とアンテナ励振器とを、低コストで大量に生産することができる。
しかも、通常のレベルの品質管理を行なえば、アンテナ本体とアンテナ励振器との相対的な位置が、所望の精度で自動的に定められるので、アンテナ本体に対してアンテナ励振器を取り付ける作業工程が省略され、組立作業工数が節減される。
上述のようにしてアンテナ本体とアンテナ励振器開放端との間に静電容量が形成され、かつ、その容量値が臨界結合値となるように設定されているので、優れたアンテナ性能(高利得、および指向性)が得られる。
請求項11の発明によると、請求項4に係る日字状アンテナ本体の1個を備えた単位アンテナ、もしくは請求項5に係る目字状アンテナ本体の1個を備えた単位アンテナの複数組を配列し、該複数組の単位アンテナ相互に補完せしめて、その作動を安定させることにより、PHS通信の応用範囲の拡張に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動体通信基地局用アンテナ装置の1実施形態を示す3面図であって、(A)はアンテナカバーを取り外して描いた模式的な平面図、(B)は部分的に切断して描いた正面図、(C)は部分的に切断して描いた模式的な側面図である。
【図2】本発明に係る移動体通信基地局用アンテナ装置の機械的な支持構造を説明するために示したもので、本発明の創作研究の途上においてアンテナ性能の測定に用いた試作品の概要的な斜視図であって、アンテナカバーが未だ装着されていない状態を描いてある。
【図3】前掲の図1および図2に示した日字状のアンテナ本体が同調したときの電流分布状態を説明するために示した図表であって、(A)は定在波の電流値をカーブで表すとともに、これに符号を対応させて描いてあり、(B)はアンテナ本体の平面図に上述の記号を付記してあり、(C)は電流値に比例した大きさの矢印で電流分布を表してある。
【図4】前掲の図1および図2に示した実施形態における移動体通信基地局用アンテナの指向特性と利得とを表したフィールドパターンであって、周波数1900MHzで計測したものである。
【図5】アンテナ励振器に関する3種類の実施形態を対比して示した模式的な平面図であって、(A)は前掲の図1ないし図4に示したT字状のアンテナ励振器を、(B)はL字状のアンテナ励振器を、(C)はY字状のアンテナ励振器を、それぞれ描いてある。
【図6】前掲の図1に示した基本的構造より成る移動体通信基地局用アンテナの応用例を示し、(A)は2組の単位アンテナを並列したダイバーシィティーアンテナの平面図であり、(B)は3個の矩形λアンテナ素子を連結したアンテナ装置の平面図である。
【符号の説明】
1…日字形のアンテナ本体、1a,1b,1c…周囲長さ約1波長の矩形アンテナ素子、2…電気的長さ約λ/4のアンテナ励振器、2L…L字状λ/4アンテナ励振器、2T…T字状λ/4アンテナ励振器、2Y…Y字状λ/4アンテナ励振器、3,3′…グランド板、3a…取付孔、3b…取付ブラケット、4…アンテナコネクタ、5…同軸ケーブル、6…アンテナカバー、7…電気絶縁性アンテナ支持台、8…ダイバーシィティーアンテナ、9…目字状アンテナ本体。
Claims (11)
- 1周の長さ寸法が約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子の複数個を用い、
矩形状の2個のアンテナ素子それぞれの1辺を互いに共有せしめ、もしくは、互いに隣接せしめてアンテナ本体を形成し、
電気的長さ寸法が約1/4波長のアンテナ励振器を構成して、その開放端を前記アンテナ本体に対向離間せしめて静電結合し、
かつ、前記のアンテナ本体を覆い得る形状,寸法のグランド板を構成して、該グランド板を前記アンテナ本体とほぼ平行に対向,離間せしめるとともに、
前記のアンテナ励振器の主要部を、前記アンテナ本体とグランド板とに挟まれた空間内に位置せしめることを特徴とする、移動体通信基地局用アンテナの構成方法。 - アンテナ本体が同調したとき、定在波の電流分布がゼロとなる箇所、すなわち電圧分布が最大となる箇所に対して前記アンテナ励振器の開放端を対向せしめて静電容量を形成し、かつ、上記静電容量の値をほぼ臨界結合値ならしめることを特徴とする、請求項1に記載した移動体通信基地局用アンテナの構成方法。
- 前記アンテナ本体とグランド板との間隔寸法をλ/4未満、望ましくは約λ/10ならしめることを特徴とする、請求項1もしくは同2に記載した移動体通信基地局用アンテナの構成方法。
- 1周の長さが約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子の2個が、相互に1辺を共有する形に、日字状に連結されたアンテナ本体と、
上記アンテナ本体と平行に配置されて、該アンテナ本体を覆い得る形状,寸法のグランド板と、を具備しており、
上記アンテナ本体とグランド板との間隔寸法がλ/4未満に設定されていて、
上記アンテナ本体とグランド板との間に、電気的長さ約λ/4のアンテナ励振器が設けられているとともに、該アンテナ励振器の開放端が前記アンテナ本体に対向,離間して静電容量を形成しており、
前記のアンテナ本体が同調したとき、該アンテナ本体を形成している日字状の5辺の内の平行な3辺のそれぞれに電流分布の最大部が乗るようになっていることを特徴とする、移動体通信基地局用のアンテナ装置。 - 1周の長さ約1波長の、ほぼ矩形のアンテナ素子を3個もしくはそれ以上有していて、
上記ほぼ矩形のアンテナ素子が相互に1辺を共有する形に、目の字状もしくはこれに類似する形状に連結されたアンテナ本体が構成されていて、
上記アンテナ本体が同調したとき、定在波の電流分布が最大となる4辺もしくはそれ以上の辺が互いに平行に配列されているとともに、
上記アンテナ本体と平行に、1/4波長未満の間隔でグランド板が配置されており、
かつ、上記グランド板とアンテナ本体との間に位置せしめられて、1/4波長で共振するアンテナ励振器が配置されるとともに、該アンテナ励振器の開放端が、前記アンテナ本体に対して対向,離間して静電容量を形成していることを特徴とする、移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記のグランド板がアンテナ装置の機械的なベース部材としての役目を兼ねていて、
前記のアンテナ本体が、ベース部材であるグランド板に対して電気絶縁性部材により支持され、もしくは、アンテナのカバー部材を介してグランド板によって支持され、
かつ、アンテナコネクタが前記グランド板に貫通固着されるとともに、
前記アンテナ励振器が、上記アンテナコネクタによって支持されていることを特徴とする、請求項4もしくは請求項5に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記のアンテナ励振器が概要的にT字状をなしていて、T字の水平辺に相当する部分がアンテナ本体に対してほぼ平行に支持されるとともに、該T字の垂直辺の下端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されており、
もしくは、前記のアンテナ励振器が概要的にL字状をなしていて、L字の片方の辺に相当する部分がアンテナ本体に対してほぼ平行に支持されるとともに、該L字の他方の辺の先端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されており、
または、前記のアンテナ励振器が概要的にY字状もしくはこれに類似する形状をなしていて、Y字の左右対称な1対の斜辺それぞれの先端がアンテナ本体に対向,離間して静電容量を形成するとともに、該Y字の垂直辺の下端に相当する部分がアンテナコネクタに取り付けられて機械的に支持されるとともに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記のアンテナ本体が、針金を折り曲げて成形された部材であり、
または、金属板ないし金属箔を切り抜き、もしくは打ち抜いた部材であることを特徴とする、請求項4ないし請求項7に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記のアンテナ本体が、プリント配線基板上の導通パターンによって形成されており、
上記プリント配線基板に対してグランド板が平行に取り付けられていることを特徴とする、請求項4ないし請求項7に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記アンテナ本体がプリント配線基板の片方の面に形成されるとともに、
前記アンテナ励振器が該プリント配線基板の他方の面に形成されていて、上記アンテナ励振器の開放端がプリント配線基板の電気絶縁性板状部材を隔ててアンテナ本体に対向し、両者の間に静電容量が形成されており、
かつ、上記静電容量が臨界結合となるように容量値を設定されていることを特徴とする、請求項9に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。 - 前記のアンテナ本体と、アンテナ励振器と、グランド板との組合せから成る単位アンテナの複数組がほぼ同一面に沿って配列され、ダイバーシィティーアンテナを形成していることを特徴とする、請求項4ないし請求項10に記載した移動体通信基地局用アンテナ装置。
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JP18759498A JP3930971B2 (ja) | 1998-07-02 | 1998-07-02 | 移動体通信基地局用アンテナの構成方法、および、同アンテナ装置 |
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