JP3929621B2 - 液体注出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体注出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体注出容器として、例えば、容器体口頚部外周に螺着させた周壁上端縁より頂壁を延設するとともに、頂壁中央に下端を開口した上端閉塞のノズルを一体に立設してなるノズル付きキャップを装着したものが知られている。これらは使用時にノズル先端部を切断除去して使用する。
【0003】
また、容器体口頚部外周に螺着させた周壁上端縁より頂壁を延設するとともに、頂壁中央部より注出筒を立設し、注出筒内中央に棒栓を支持させたキャップ本体と、注出筒外周に上下動可能に周壁を嵌合させて設けるとともに、頂壁中央に穿設した注出孔の内周下端縁を棒栓の上面周縁に液密に当接させたノズルとを備えたものが知られている。これらは、ノズルを引き上げるだけで液の注出が可能となり、また、再びノズルを押し下げておけば注出孔の閉塞状態に戻るため、特に飲料水を収納する容器として使用した場合に携帯に便利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの容器は、その注出孔の大きさが常時一定であり、従って、単位時間当たりの注出量も略一定量に限定される。
また、注出孔の内周下端縁と棒栓上面周縁部とは、それぞれ一般に比較的剛性のある合成樹脂で形成するため、容器を誤って倒した場合等に衝撃でノズルが若干上方へずれて当接面が開口してしまう虞があり、その場合に液の漏出が起こる虞がある。
【0005】
更に、これらの容器は販売時等に未開封であることを明瞭に示すことが要望され、収納液が飲料水である飲料用容器の場合には特に要望される。そのため従来は、例えばキャップ部分に容易に破断可能なシュリンク包装を行っている。しかしながら、シュリンク包装にはその為の大がかりな設備を必要とするという問題がある。
【0006】
本発明では上記した点に鑑み、簡単な操作で注出量を変化させることが可能であり、また、注出孔の閉塞部分が衝撃等により簡単に開口せず、容器を誤って倒しても液の漏出の虞がなく、また、シュリンク包装のような特別大がかりな設備を必要とせずに製造でき、しかも携帯に便利で、使い勝手も良い優れた容器を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は上記課題を解決するため、容器体Aの口頚部3外周に嵌合させた周壁4上端縁より頂壁5を延設するとともに、頂壁5中央部に下端を連通して上方へ注出筒6を立設し、且つ、注出筒6内の中央に上端を突出する支柱7を支持してなるキャップ本体Bと、キャップ本体周壁4外周上部の螺動下降が可能な位置に螺着させた周壁13上端縁より頂壁14を延設するとともに、頂壁14の注出筒6外方位置に環状破断部dを形成した蓋体Cと、蓋体周壁13内周上部に外周縁部を嵌着固定するとともに、中央に穿設した窓孔fに支柱7上端周縁部を密嵌させて注出筒6上端開口を閉塞する伸縮可能な弾性壁Dとを備え、蓋体の螺動下降により破断部dが切断されて注出筒が蓋体頂壁上方へ突出するとともに、弾性壁D周縁が引っ張られて中央窓孔fが拡大開口する如く構成してなることを特徴とする液体注出容器として構成した。
【0008】
また、請求項2発明の容器は、上記蓋体周壁13の下面に破断部eを介して上面を一体に連結するとともに、キャップ本体周壁4外周下端部に突周設した係合突条15上面に下面を当接係止させた開環帯状のスペーサーEを設けてなる請求項1記載の液体注出容器として構成した。
【0009】
また、請求項3発明の容器は、上記蓋体周壁13内周下部に突設した係合突条18を、キャップ本体周壁4外周下部に突設した係合突条19下面に乗り越え係合させてなる請求項1記載の液体注出容器として構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の液体注出容器1は、容器体Aと、キャップ本体Bと、蓋体Cと、弾性壁Dとを備えている。
【0011】
容器体Aは合成樹脂等により形成されたもので、筒状の胴部2上端より口頚部3を起立して構成している。胴部2を圧搾可能とすることも可能である。
【0012】
キャップ本体Bは、容器体口頚部3に抜け出し不能且つ回動不能且つ液密に嵌合させたもので、口頚部3外周に嵌合させた周壁4上端縁より頂壁5を延設するとともに、頂壁5中央部に下端を連通して上方へ注出筒6を立設し、注出筒6内の中央に上端を突出させて支柱7を支持している。
【0013】
キャップ本体Bを容器体Aに対して回動不能且つ抜け出し不能に嵌合させる為には、口頚部3外周に周壁4内周を密に嵌合させても良いが、図示例の如く、口頚部3外周上部と周壁4内周上部との間に互いに係合する縦突条と縦凹溝或いは縦突条と縦突条等よりなる係合手段8を設けて回動を防止し、また、口頚部3外周下部に突周設した係合突条9下面に乗り越え係合させた係合突条10を周壁4内周下部に突周設させることにより抜け出しの防止を図っても良く、この場合にはより確実に回動及び抜け出しの防止を図れる。
【0014】
また、キャップ本体Bを口頚部3に液密に嵌合させるためには、口頚部3上面と頂壁5裏面との間にパッキンを介在させてもよいが、図示例の如く、頂壁5裏面周縁部に垂設したシール筒11を口頚部3内面上端部に嵌合させて、この部分からの液の漏出防止を図っても良い。
【0015】
注出筒6は、容器体内の液を注出するためのもので、図示例では、頂壁5上面の外周縁より小幅をあけた中央部に立設した円筒状をなし、その外周上端縁部を湾曲させて湾曲部aに形成し、弾性壁Dの摺動をより行い易く、また、弾性壁Dに傷等が発生するのを防止する如く構成している。
【0016】
支柱7は、後述する弾性壁D中央の窓孔を、その外周上端部に嵌合させて密閉させるためのもので、そのため注出筒6より若干突出させて形成するのが良く、図示例では、注出筒内の頂壁5上面中央より立設した円柱状をなし、上面周縁部に弾性壁Dの窓孔を嵌合させるための環状凹部bを凹設している。また、支柱7外方の注出筒6内の頂壁5に複数の連通孔12を穿設することにより口頚部3内と注出筒6内とを連通させている。また、本実施例では、キャップ本体頂壁5の上面中央部より支柱7を立設しているが、その外周より突設した放射状の連結リブを介して注出筒6内に支持する如く構成しても良い。その場合には注出筒内の頂壁を省略すると良い。
【0017】
蓋体Cは、キャップ本体周壁4外周上部の螺動下降が可能な位置に螺着させた周壁13上端縁より頂壁14を延設するとともに、頂壁の注出筒6外方位置に環状の破断部dを設けて構成している。そして、蓋体Cを螺動下降させると環状の破断部dが破断してその内側部分の頂壁14が分離し、注出筒6が蓋体頂壁14上方へ突出する如く構成している。
【0018】
また、蓋体周壁13の下面に破断部eを介して一体に連結するとともに、キャップ本体周壁4外周下部に突周設した係合突条15上面に下面を当接係止させた開環帯状のスペーサーEを設けても良い。図示例に於ける破断部eは、スペーサーE上面と蓋体周壁13下面との間を、周方向間隔をあけて連結した多数の細棒状連結片17により構成している。また、図示例では、蓋体周壁13内周下端縁に突設した係合突条18をキャップ本体Bの係合突条19下面に乗り越え係合させて上方への抜け出しを防止、また、キャップ本体の螺条に螺合する螺条を蓋体周壁13内周の上下方向中央部に周設している。
【0019】
弾性壁Dは注出筒6の上端開口を閉塞するとともに、蓋体周壁13の螺動下降に伴い、その中央部に穿設した窓孔fの大きさを変えて開口するために設けたものであり、エラストマー等の伸縮可能で且つ耐伸縮強度の強い材質により形成され、蓋体周壁13内周上端部に外周縁を嵌着固定するとともに、注出筒6上面開口を閉塞してその中央窓孔fを支柱7の上端周縁部に嵌合させている。
【0020】
そして、蓋体Cを螺動下降させることにより、周縁部が引っ張られて中央窓孔fが拡大し支柱7上端周囲にリング状の注出孔f1を開口する如く構成している。この注出孔f1は蓋体Cの螺動下降の程度により大きさを変化する。
【0021】
図示例では、蓋体頂壁14裏面周縁部に突設した係合突条20と蓋体周壁13との間に挟持させた係合突条21を上面周縁部に突設した環状基部22を、蓋体周壁13内面上端部に嵌着固定させ、環状基部の上面内周縁より注出筒6外面上端部に沿って延び、注出筒6上端開口を閉塞してその中央の窓孔fを環状凹部bに嵌合させた薄板の弾性壁Dを延設している。
【0022】
上記容器1を使用する場合には、例えば、図1の状態から破断部eを切断してスペーサーEを取り除いた後、蓋体Cを螺動下降させると環状の破断部dが切断してその内方の頂壁14が分離し、注出筒6が頂壁14中央に突出する。この際、弾性壁D外周縁が下方へ引っ張られて中央窓孔fが広がり、支柱7周囲に注出孔f1が開口する。注出孔f1の大きさは蓋体周壁13の螺動下降状態により異なり、例えば、図2に示す如く、螺動下降が途中の場合には注出孔f1は小さく、図3に示す如く、螺動下降が最下降状態の場合には注出孔f1は大きく開口される。
【0023】
使用後は再び蓋体Cを螺動上昇させれば注出孔f1が縮まり、所定位置まで上昇した際に支柱7上端の環状凹部bに窓孔fが嵌合して注出筒6上端開口を閉塞する。
尚、上記各部材は合成樹脂により形成することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明容器は、既述構成としたことにより、蓋体を螺動下降させるという簡単な操作により開封することができ、しかも、蓋体の下降状態により注出孔の開口面積を変えることができるため、単位時間当たりの注出量を簡単に変えることが出来る利点を兼ね備えている。
【0025】
また、伸縮可能な弾性壁に形成した窓孔を支柱上端周縁部に密嵌させているため、衝撃により封止部分に隙間が生じ難く、誤って容器を倒した際に液の漏出を生じる虞は極めて少ない。
【0026】
更に、シュリンク包装等の設備を必要とせずに未開封状態を示すことができる。
また、スペーサーを備えたものにあっては、不当に開封するのを防止でき、しかも、開封の際も一端をもって引っ張るだけでスペーサーを取り除くことができるため、取り扱いも便利である。
【0027】
また、蓋体周壁とキャップ本体周壁とを係合突条相互の係止により抜け出し不能に構成したものにあっては、弾性壁の窓孔が閉じた状態で蓋体のそれ以上の抜け出しを防止でき、不使用時に必要以上に弾性壁が上昇して窓孔が開口してしまうという様な不都合を確実に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部半断面図である。
【図2】同実施例の開封後注出孔を小さく開いた状態の半断面図である。
【図3】同実施例の開封後注出孔を最大に開いた状態の半断面図である。
【符号の説明】
3…口頚部,4…キャップ本体周壁,5…キャップ本体頂壁,6…注出筒,
7…支柱,13…蓋体周壁,14…蓋体頂壁,15…係合突条,18…係合突条,
19…係合突条,A…容器体,B…キャップ本体,C…蓋体,D…弾性壁,
E…スペーサー,d…環状の破断部,e…破断部,f…窓孔
Claims (3)
- 容器体Aの口頚部3外周に嵌合させた周壁4上端縁より頂壁5を延設するとともに、頂壁5中央部に下端を連通して上方へ注出筒6を立設し、且つ、注出筒6内の中央に上端を突出する支柱7を支持してなるキャップ本体Bと、キャップ本体周壁4外周上部の螺動下降が可能な位置に螺着させた周壁13上端縁より頂壁14を延設するとともに、頂壁14の注出筒6外方位置に環状破断部dを形成した蓋体Cと、蓋体周壁13内周上部に外周縁部を嵌着固定するとともに、中央に穿設した窓孔fに支柱7上端周縁部を密嵌させて注出筒6上端開口を閉塞する伸縮可能な弾性壁Dとを備え、蓋体の螺動下降により破断部dが切断されて注出筒が蓋体頂壁上方へ突出するとともに、弾性壁D周縁が引っ張られて中央窓孔fが拡大開口する如く構成してなることを特徴とする液体注出容器。
- 上記蓋体周壁13の下面に破断部eを介して上面を一体に連結するとともに、キャップ本体周壁4外周下端部に突周設した係合突条15上面に下面を当接係止させた開環帯状のスペーサーEを設けてなる請求項1記載の液体注出容器。
- 上記蓋体周壁13内周下部に突設した係合突条18を、キャップ本体周壁4外周下部に突設した係合突条19下面に乗り越え係合させてなる請求項1記載の液体注出容器。
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