JP3929338B2 - スライドトレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線が接続されることがある対象物が入れられるスライドトレイであって前記対象物に目的とする環境を付与可能な環境装置に該環境装置の断熱壁に設けられた開口を通過して内部に対して抜き差しして着脱されるように形成され前記断熱壁の外側を覆う蓋部分を備えたスライドトレイに関し、特にスライドトレイで環境装置内に入れられた対象物と環境装置の外部との間の電線通過技術として利用される。
【0002】
【従来の技術】
目的とする温度及び湿度条件を与えて環境試験される試料を入れて恒温槽の槽内に出し入れされるスライドトレイ100’としては、従来から図8に示す構造のものが一般的に使用されている。この場合、試料Wが電気・電子部品からなり、これを作動させる電源線や信号線等からなる電線1を恒温槽2の外部まで引き出し、試料Wを動作状態にして試験することがよくある。
【0003】
そのときには、同図(a)のように、電線1を、恒温槽2の断熱壁21に開けられたトレイ出し入れ用の開口22を覆うトレイの蓋3´と断熱壁21との間に介在するパッキン28の部分から通過させたり、同図(b)のように、蓋3´に電線通過孔33を設け、この部分に電線を通し、その周囲にスポンジ等の柔軟材を詰め込んで内外間をシールするようにしていた。
【0004】
しかしながら、パッキン部分に電線を通す場合には、恒温槽の槽内の冷気や蒸気や熱気等が漏れて、試験環境を乱したり熱的損失を発生させたり、パッキンが局部的に永久変形し易くなってシール性が低下するというような問題があった。又、電線通過孔を利用する場合には、自由端側に差し込み等の電線接続具を持つ多数の電線を孔に通す作業が容易でなく作業能率が悪いと共に、通常このような孔を蓋3´の一箇所に設けるので、試料の位置から電線を曲げて通すことになり、又電線同士が重なりあったり捩じれたして、特に光ファイバーケーブルでは折損を生ずるというような問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、対象物から環境装置の内外に電線を通すときにその作業が容易で多本数の電線を重なりや曲がりを生ずることなく通過可能にし電線の通過部分の変形が少なく耐久性が長くシール性の良いスライドトレイを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、電線が接続されることがある対象物が入れられるスライドトレイであって前記対象物に目的とする環境を付与可能な環境装置に該環境装置の断熱壁に設けられた開口を通過して内部に対して抜き差しして着脱されるように形成され前記断熱壁の外側を覆う蓋部分を備えたスライドトレイにおいて、
上側部分と下側部分とに分かれていて両部分の間が開閉可能なように形成された前記蓋部分と、前記上側部分と前記下側部分のそれぞれの前記抜き差しする方向に直角な幅方向の両端部分に設けられていて前記上側部分と前記下側部分とが結合されたときに前記蓋部分の形状を保持可能なように接触する上側保持部材及び下側保持部材からなる保持部材と、前記幅方向において前記両端部分の前記保持部材の間にあって前記上側保持部材と前記下側保持部材とが接触したときに接触するように形成され柔軟材料でできた上側間口閉鎖部材及び下側間口閉鎖部材と、前記上側部分と前記下側部分とを前記上側保持部材と前記下側保持部材とが接触するようにワンタッチ接続を可能にする接続部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記蓋部分と前記上側間口閉鎖部材と前記下側間口閉鎖部材とは前記抜き差しする方向に前記断熱壁の範囲まで延設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又2の発明の特徴に加えて、前記抜き差しする方向の奥側部分に端面を形成する端面部材を備えていて、該端面部材は上側端面部材と下側端面部材とに分割されていて、該上側端面部材と下側端面部材とをワンタッチ接続可能にする奥側接続部材を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5は本発明を適用したスライドトレイの構造例及びこれが使用される恒温槽の一部分の構造例を示す。
スライドトレイ100は、電線1が接続されることがある対象物としての電気・電子部品等からなる試料Wが入れられて、試料Wに目的とする環境として低温・低湿条件から高温・高湿条件までの温度及び湿度条件等を付与可能な環境装置としてその一部分を示す恒温槽2の断熱壁21(図2等)に設けられた開口22を通過して内部である槽内23に対して抜き差しして着脱されるよう形成されていて、断熱壁21の外側21aを覆う蓋部分であるカバー部3を備えていて、これと共に、上側保持部材及び下側保持部材としての上側板41及び下側板42からなる側板4、上側間口閉鎖部材及び下側間口閉鎖部材としての上柔軟材51及び下柔軟材52からなる柔軟材5、接続部材としてのパチン錠6、等を備えている。
【0010】
カバー部3は、上側部分と下側部分である上カバー31と下カバー32とに分かれていて、両部分の間が本例では上下Z方向に開閉可能なように形成されている。そして本例では、抜き差しする方向である前後Y方向に断熱壁21の範囲まで延設されている。即ち、上下カバー31、32は、グラスウール等の断熱材が入れられて恒温槽2に装着されるときに断熱壁21に対応する位置になるように設けられた上胴体部71及び下胴体部72からなる胴体部7と一体形成されている。
【0011】
上下胴体部71、72の上下Z方向の両端及び幅X方向の両端の位置には、これから抜き差しする方向であるY方向に延設され本例では角パイプでできた上枠材81及び下枠材82からなる上下の枠材8が取り付けられている。
【0012】
上下の枠材8には、Y方向の奥側部分として恒温槽1の奥側部分になる先端位置に端面を形成する端面部材としての上側端面部材と下側端面部材である上先端板91と下先端板92からなる上下の先端板9が取り付けられている。そして、これらの上下の先端板91と92とをワンタッチ接続可能にする接続部材としてパチン錠10が設けられている。
【0013】
上下の側板41、42は、上カバー31と下カバー32のそれぞれの前記抜き差しする方向であるY方向に直角な幅方向である前記幅X方向の両端部分に設けられていて、上カバー31と下カバー32とが結合されたときにカバー部3の形状を保持可能なように接触する。そして本例では、カバー部3と同様にY方向に断熱壁21の範囲まで延設されている。
【0014】
上下柔軟材51、52は、幅X方向において両端部分の上下側板41、42の間にあって上下側板41と42とが接触したときに接触するように形成されていて、例えばシリコンスポンジゴム等の柔軟材料でできている。そして本例では、これらの柔軟材5も、カバー部3及び側板4と同様にY方向に断熱壁21の範囲まで延設されている。
【0015】
パチン錠6は、上カバー31と下カバー32とを上側板41と下側板42とが接触するようにワンタッチ接続を可能にする。
符号11は把手で符号12(図3)はストッパである。このようなスライドトレイでは、通常試料Wは図1において二点鎖線で示す試料かご13に入れられる。この試料かご13は、上下の枠材81、82の間でその全幅の部分に入れられ、ストッパ12によりネジ等で適当な位置に位置決めされる。
【0016】
以上のようなスライドトレイ100は、結局図6に示すように上側部分101と下側部分102とに分離可能に構成されていて、それぞれの部分が、上下のカバー部3、側板4、柔軟材5、パチン錠6、胴体部7、枠材8、先端板9、先端側のパチン錠10等によって構成されている。
【0017】
恒温槽2は、スライドトレイ100を受けるための部材として槽内23に、上下の枠材8をY方向にスライド移動可能なように案内しつつ支持するように枠材8に対応して配設された上下のレール24(図3、5)、槽内23の入口側と奥側とでレール24を受けるレール受け25、入口側の断熱壁21と共に奥側の断熱壁26に固定されレール受けが取り付けられる支柱27、断熱壁21の外面21aにあって開口22の周囲に設けられたパッキン28、これにスライドトレイのカバー部3を圧接させるように設けられる図示しないトグルクランプ、等を備えていて、通常5〜6段程度の多段にスライドトレイを装着できるようになっている。なお、スライドトレイを多段に加えて多列にすることも可能である。
【0018】
以上のようなスライドトレイは次のように使用されてその作用効果を発揮する。
スライドトレイ100の試料かご13には環境試験や熱的処理をされるべき電気・電子部品等からなる試料Wが多数個入れられる。例えば試料Wを10個入れる場合には、図6のように配列することができる。なお、図では試料Wを仮に平面だけで示している。このときには、スライドトレイ100の上側部分101を下側部分102から分離し、下側部分に試料Wを入れる。
【0019】
この場合、スライドトレイが二分割になっているため、分離した上側部分101はどこか適当な場所に置かれればよいので、分割式であっても広い作業場所が必要になるということはない。一方、分割式であるため、枠材8の外幅一杯までの大きさの試料かご13を上から枠材8の上に置くだけで試料かご13を設置できるので、大きな試料かご13を容易に装着することができる。
【0020】
試料Wを動作状態で試験するときには、全ての試料Wに電源線1aや信号線1b(図1)等の電線1を恒温槽2の外部まで導設する。そのため、図の例では、これらの合計20本の電線1を幅方向Xの全体に分散させて下柔軟材52の上に乗せる。なお図では、1個の試料Wに対して通常複数本になる電線1を仮に1本の線で示している。このとき、側板4が両端だけにあって柔軟材5がスライドトレイの幅の大部分を占めるように広く延設されているので、20本の電線であっても、細かく曲げたり重ねたりすることなく、直線又はこれに近い大きな曲率で導設し柔軟材52の上に分散させて乗せることができる。その結果、電線1が光ファイバケーブルであっても折損を生ずるようなことがない。
【0021】
スライドトレイの下側部分102に設置された試料かご13内に試料Wを入れて整列させて電線1を図のように並べると、この上に上側部分101を乗せる。このときには、カバー部3側では、上下の柔軟材51、52の間で電線1が挟まれるため上下の側板41、42間が少し浮いた状態になり、一方先端板9側では、上下の先端板91、92の間が当たってスライドトレイの形状が定まる。作業者はこの状態を保持して、まず先端側のパチン錠10をワンタッチで締めて上下の先端板91、92間を結合し、次にカバー部3側のパチン錠6を同様にワンタッチで締めて上下のカバー部31、32間を結合し、スライドトレイの上下部分101、102間を結合することにより、試料入りのスライドトレイの組立を完了する。
【0022】
このような作業は、スライドトレイの試料かご13に試料Wを配列して電線を並べ、4箇所のパチン錠をワンタッチで締めるだけであるから、従来のスライドトレイにおける狭い電線貫通部に多くの電線を通すのに較べて、極めて簡単で容易なものである。
【0023】
上下の柔軟材51、52間に電線1を並べてカバー部3を締めると、電線1は柔軟材51、52間に挟まれてその状態が安定すると共に、図7(a)に示す如く柔軟材5が電線1の周囲に接触してこれを囲い、電線部分で内外空気が導通することはない。
【0024】
即ち、従来の装置のようにパッキン部分に電線を通す場合には、カバー部とパッキンとの間では短い接触線長さしかない線状シールに近い状態になっているため、電線部分でカバー部とパッキンとの間に隙間ができて内外間をシールすることができなかったが、本発明を適用したスライドトレイでは、接触線長さL(図6)が十分長いので、内外間を確実にシールすることができる。
【0025】
例えば、長さ600mmで幅300mm程度のスライドトレイでは、柔軟材5のY方向の長さはカバー部3での約50mmと断熱壁21での100mmとの合計で約150mmになるので、図7(b)に示す如く仮に部分的に電線1と上柔軟材51と下柔軟材52との間に多少の隙間Cが生じても、同図(c)に示す如く、長さ方向であるY方向の全体としては十分な接触部ができシールが確立されることになる。
【0026】
又、上記のスライドトレイでは柔軟材5の幅が250mm以上になるので、多本数の電線を並べても、図7(d)に示す如く、それらの間で適当に間隔が得られるので、柔軟材5がそれぞれの電線1を1本づつ覆ってその周囲を塞ぎ、シール性を確保することができる。
【0027】
このような電線挟持部によれば、上記のような作用により、柔軟材5と電線1との間の接触圧力をそれ程大きくしなくても十分なシール効果が得られる。又、電線敷設部分の横幅が長いので、同じ場所だけでなく場所をいろいろ変えて電線を挟むことができる。従って、柔軟材5の局部的なへたりが少なくその耐久性を長くすることができる。なお、同図(e)に示す如く、柔軟材5を側板4から寸法δtで示すように多少突出させるようにしてもよい。又、柔軟材5の厚みtは、挟持すべき電線の太さ等を考慮して適当に定められる。この場合、柔軟材5の材料自体も断熱性を有するので、断熱構造部分に代えてこの部分の厚みを厚くしても、断熱効果は同等である。
【0028】
以上のように電線1を導設してスライドトレイを一体化すると、その枠材8をレール24に載せてスライドトレイを恒温槽に内に入れ、そのカバー部3を図示しないトグルクランプで固定し、パッキン28を適当に圧縮した状態で装着する。これにより、内外間の空気の導通が遮断され、恒温槽の内部環境が維持される。電線が貫通しないパッキン部では当然シール性が良好に確保される。
【0029】
多段のスライドトレイ100が全て恒温槽2に装着されると、恒温槽2では、図示しない冷凍機、加熱器、加湿器、循環送風機等が運転され、試料Wに付与すべき目的とする温度及び湿度に調整された空気が断熱壁21で囲われた槽内22を上下Z方向又は横方向である幅X方向に循環する。そして、良好に維持された内部の温湿度条件の下に、必要に応じて電線1から電源や電気信号を送りつつ、試料Wの動作状態における試験等が行われる。
【0030】
スライドトレイ100を引き出して内部の試料Wを交換したり試験を終了するときには、ワンタッチでパチン錠6及び10を開き、上側部分101を分離して試料Wを取り出す。このとき、電線1は柔軟材5の上に敷かれているだけであるから、試料と共に又は電線だけでもその取り外し作業は全く簡単である。即ち、従来のように狭い電線貫通孔を通して電線を抜くような作業が不要になる。
【0031】
なお以上では、ワンタッチ接続可能にする接続部材としてパチン錠の例を示したが、接続部材としては、例えば適当な力で抜き差しできる凹凸状の嵌合部材にするなど、ワンタッチ操作が可能であれば他の適当な構造のものを用いることができる。
【0032】
又以上では、カバー部3に胴体部7を一体形成し、側板4及び柔軟材5を胴体部7まで延設した例を示した。このようにすれば、恒温槽2の開口22部分の断熱性が良くなり、電線通過部のシール性が極めて良くなるが、恒温槽の温湿度条件等によっては、胴体部7を取りやめ、枠材8を直接カバー部3に取り付けた構造にすることも可能である。そのようにすれば、試料スペースを大きくすることができる。その場合、必要に応じてカバー部3の厚みを厚くするようにしてもよい。
【0033】
更に、以上ではスライドトレイが上側部分101と下側部分102との間で完全に分離する例を示した。そのようにすれば、試料を入れるために上側部分を分離したときに、それを適当な場所に置くことができ、直接必要になる作業場所の占有面積を小さくすることができるが、上下部分101、102を開閉可能にする構造としては、上下の先端板91と92とを丁番等で開閉可能に結合した構造であってもよい。そのようにすれば、試料の出し入れ時には、上側部分102を180°開いて上下を展開した状態にすることになり、直接的作業場所がそれだけ余分に必要になるが、上下部分の結合操作をより簡単にすることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、スライドトレイの蓋部分を上側部分と下側部分とに分けて両部分の間が開閉可能なように形成するので、電線が接続されることがある対象物として電気・電子部品等からなる試料をスライドトレイ内に入れてこれに電線を接続して環境試験や熱的処理等を行うときに、蓋部分と環境装置の断熱壁との間のパッキン部や蓋に特別に設けた電線穴等を利用することなく、蓋部分の上側部分と下側部分との間の広い範囲の開閉を利用して電線を通過させることが可能になる。
【0035】
又、この上側部分と下側部分の幅方向の両端部分にこれらが結合されたときに蓋部分の形状を保持可能なように接触する上側保持部材及び下側保持部材を設けるので、これらの両端部材でスライドトレイとしての形状を保持しつつ、両端部分を除く中間の幅方向の大部分を電線通過用として使用可能になる。
【0036】
更に、これらの両端部分の保持部材の間にこれらの上下保持部材が接触したときに接触するように形成され柔軟材料でできた上側間口閉鎖部材及び下側間口閉鎖部材を設けるので、間口を閉鎖して環境装置の内部と外部との間をシールすることができると共に、この間口が柔軟材料でできているため、この部分に電線が接続されることがある試料の電線を挟んで通過させることが可能になる。
【0037】
そして、上側部分と下側部分とを上側保持部材と下側保持部材とが接触するようにワンタッチ接続を可能にする接続部材を設けるので、上側部分と下側部分とを開いた状態でスライドトレイ内に試料を入れ、下の間口閉鎖部材に電線を乗せた後、ワンタッチの簡単な操作によって上下部分を結合してスライドトレイを一体化し、環境装置に入れて試料の試験等を行うことができる。
【0038】
以上において、上下保持部材が両端部分だけに設けられていて中間の広い部分を上下間口閉鎖部材にしているので、この部分に電線を挟むときに、電線をこの広い間口の幅方向の全体に分散させて安定して挟持することができる。従って、多本数の電線であっても、細かく曲げたり重ねたりすることなく、直線又はこれに近い大きな曲率で導設して間口閉鎖部材に入れることができる。その結果、電線が光ファイバケーブルであってもこれを折損させるような事故を確実に防止することができる。
【0039】
そして、蓋部分は通常適当な厚みを持つので、これに対応して間口閉鎖部材も適当な厚みを持つため、柔軟材料の間口閉鎖部材と電線との間で必要な接触長さが得られ、電線が通過しても柔軟材料が電線に接触して内外間をシールすることができる。この場合、間口閉鎖部材の幅が広いので、多本数の電線を並べても、それぞれの電線の間で適当な間隔が得られ、柔軟材料の電線に対する接触性を良くすることができる。
【0040】
又、柔軟材料と電線との間の接触圧力をそれ程大きくする必要がないと共に、場所をいろいろ変えて電線を挟むことができるので、柔軟材料の耐久性が良い。なお、分割式であるため、スライドトレイに入れる試料かごを大きくすることができる。又、柔軟材料は通常断熱性を備えるので、電線通過部でも断熱性を維持することができる。
【0041】
請求項2の発明においては、蓋部分と上側間口閉鎖部材と下側間口閉鎖部材とを抜き差しする方向に断熱壁の範囲まで延設するように形成するので、間口閉鎖部材で電線を挟持するときに電線の長さ方向に間口閉鎖部材の柔軟材料の接触長さを長くすることができる。その結果、電線貫通部のシール性を一層向上させることができる。
【0042】
請求項3の発明においては、抜き差しする方向の奥側部分に端面を形成する端面部材を設けて、これを上側端面部材と下側端面部材とに分割し、これらの間にワンタッチ接続可能にする接続部材を設けるので、スライドトレイの上側部分と下側部分とを簡単な操作によって完全に分離し又結合することができる。従って、対象物を入れて電線を通過させるためにスライドトレイを上下に分離したときに、分離した上側部分を直接作業をしている場所でなくどこか近くの適当な場所に置くことができる。その結果、二分割式スライドトレイであっても、一体式のものと同じ作業場所で作業することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したスライドトレイの全体構成一例を示す斜視図である。
【図2】上記スライドトレイの蓋側部分の構造例を示す断面図である。
【図3】上記スライドトレイの平面図である。
【図4】上記スライドトレイの蓋側部分を示す正面図である。
【図5】上記スライドトレイの先端板部分を示す背面図である。
【図6】上記スライドトレイの使用状態を示す説明図である。
【図7】(a)乃至(e)は柔軟材の作用の説明図である。
【図8】(a)及び(b)は従来のスライドトレイにおける電線引き出し状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電線
2 恒温槽(環境装置)
3 カバー部(蓋部分)
4 側板(保持部材)
6 パチン錠(接続部材)
9 先端板(端面部材)
10 パチン錠(奥側接続部材)
21 断熱壁
21a 外側
22 開口
23 槽内(内部)
31 上カバー(上側部分)
32 下カバー(下側部分)
41 上側板(上側保持部材)
42 下側板(下側保持部材)
51 上柔軟材(上側間口閉鎖部材)
52 下柔軟材(下側間口閉鎖部材)
91 上先端板(上側端面部材、端面部材)
92 下先端板(下側端面部材、端面部材)
100 スライドトレイ
W 試料(対象物)
X 幅方向
Y 前後方向(抜き差しする方向)
Claims (3)
- 電線が接続されることがある対象物が入れられるスライドトレイであって前記対象物に目的とする環境を付与可能な環境装置に該環境装置の断熱壁に設けられた開口を通過して内部に対して抜き差しして着脱されるように形成され前記断熱壁の外側を覆う蓋部分を備えたスライドトレイにおいて、
上側部分と下側部分とに分かれていて両部分の間が開閉可能なように形成された前記蓋部分と、前記上側部分と前記下側部分のそれぞれの前記抜き差しする方向に直角な幅方向の両端部分に設けられていて前記上側部分と前記下側部分とが結合されたときに前記蓋部分の形状を保持可能なように接触する上側保持部材及び下側保持部材からなる保持部材と、前記幅方向において前記両端部分の前記保持部材の間にあって前記上側保持部材と前記下側保持部材とが接触したときに接触するように形成され柔軟材料でできた上側間口閉鎖部材及び下側間口閉鎖部材と、前記上側部分と前記下側部分とを前記上側保持部材と前記下側保持部材とが接触するようにワンタッチ接続を可能にする接続部材と、を有することを特徴とするスライドトレイ。 - 前記蓋部分と前記上側間口閉鎖部材と前記下側間口閉鎖部材とは前記抜き差しする方向に前記断熱壁の範囲まで延設されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドトレイ。
- 前記抜き差しする方向の奥側部分に端面を形成する端面部材を備えていて、該端面部材は上側端面部材と下側端面部材とに分割されていて、該上側端面部材と下側端面部材とをワンタッチ接続可能にする奥側接続部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドトレイ。
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