JP3929240B2 - トリガ式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガ式の液体噴出器に関し、その噴出器を構成するボディとインティクとの連結をより一層強固にしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
トリガ式の液体噴出器は、黴びとり剤や洗剤等を充てんする容器に多用されており、その構成は、一般に、先端部分にノズルを取り付けたボディ部分と、このボディ部分に組み合わさり液体の逆流防止用の逆止弁及び大気流入用開孔を備えたインティクと、このインティクをボディ部分とともに容器の口部に固定保持するねじ止め式のキャップからなっている。
【0003】
かかる噴出器においては、そのボディ部分に取り付けられたトリガの牽曳を繰り返すことにより、これにつながるピストンが作動し、ピストンシリンダ内で液体の吸引と加圧が交互に行われるため、容器本体内の液体がインティク及びボディ部分内の通路を通してノズルから連続的に噴射させることができる。
【0004】
ところで、従来のトリガ式噴出器は、インティクについては容器本体の口部とこの口部にねじ止めされるキャップにてシール部材を介して挟持されるため確実な固定がなされるものの、ボディ部分とインティクとの連結はインティクの先端部分をボディに設けられた比較的浅い凹部に適合させ、その両者をアンダーカットによって抜け止め保持しているため、とくにかかる連結部位に過大な力が作用した場合に、ボディ部分がインティクから抜け落ちることも懸念され、より一層の安全を期するべく両部材のより強固な連結が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、構造の複雑化を招いたり構成部材の部品点数を増加させることなしにインティクとボディとをより一層強固に連結することができる新規なトリガ式液体噴出器を提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先端部分にノズルを装着するボディと、このボディに組み合わさりその内部に液体の逆流防止用の逆止弁を備えるインティクと、このインティクをボディとともに容器本体の口部に固定保持するねじ止めキャップからなり、
トリガの牽曳とその解除にてピストンを往復動させて、容器本体内の液体をピストンシリンダ内に吸引するとともに加圧してインティク及びボディを通してノズルの先端から液体を連続的に噴出させるトリガ式の液体噴出器であって、
前記インティクに、ボティの環状空間に対してより深く差し込まれ、該ボディとの強固な連結を導く長尺環状壁を一体的に設け、
前記ねじ止めキャップは、ボディとインティクの連結領域を広範囲にわたって取り囲みボディそのもののぶれや傾きを防止する表面積の大きなガイド壁を有する、ことを特徴とするトリガ式液体噴出器である。
【0007】
長尺環状壁は、その外面及び内面の少なくとも一方でボディの環状空間を形成する壁面との間でアンダーカットによって係合するのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
インティクに長尺の環状壁を一体的に成形して、この環状壁をボディの環状空間に深く差し込み、インティクとボディとの接触面積を拡大して両者間の摩擦抵抗を高める。
【0009】
ねじ止めキャップに、表面積の大きなガイド壁を設けてこのガイド壁にて、ボディとインティクの連結領域を取り囲んでボディそのもののぶれや傾きを抑える。
【0010】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明に従うトリガ式液体噴出器の構成をその断面で示したものである。
図において番号1はボディである。2はボディ1の先端部分に装着されたノズル、3は容器本体内に大気を流入させる開孔yと液体の逆流防止用の逆止弁vを有するインティクであり、このインティク3はベース部分3aとこのベース部分3aに一体になり液体の流通路を形成するチューブ3bからなる。
【0011】
また、4は容器本体の口部5に固定保持されるねじ止めキャップ、6はインティク3と口部5の相互間に配置されるシール部材、そして8はインティク3につながり容器本体内の液体を吸引するための吸引パイプである。
【0012】
ボディ1はその内部に容器本体内の液体をノズル2に送給するための通路1aを有しており、ここには、さらに、液体の吸引と加圧を交互に行うためのピストン1bと、このピストン1bを摺動可能に内装してその相互間で空間rを形成するピストンシリンダ1cと、該ピストン1bの押圧を司るトリガ1dがそれぞれ設けられている。
【0013】
一方、インティク3は、ベース部分3aと一体的に成形された長尺環状壁3cを有しており、この長尺環状壁3cは図2に示すようなボディ1の環状空間1eに深く差し込まれる。そしてその要部を図3に示すように、該長尺環状壁3cの内外面に設けられた凸部3d、3eが、ボディ1の環状空間1eを形成する壁面の凹部1f、1gに適合する、いわゆるアンダーカットによって係合しインティク3とボディ1とがより一層強固に連結され、その部位に過大な力が作用したとしてもボディ1がインティク3から簡単に抜けるようなことはない。
【0014】
インティク3はボティ1との強固な連結状態を維持したままで、キャップ4にて容器本体の口部5に固定保持されるが、該キャップ4にはボディ1とインティク3の連結領域を広範囲にわたって取り囲む大きな面積を有するガイド壁4aが設けられていて、ボディ1そのもののぶれや傾きは確実に防止される。
【0015】
図1に示した例では、インティク3の長尺環状壁3cについては、開孔yを設けた部位を溝型断面として示したが、かかる部材の断面形状は適宜に変更することができるものであり、図示したもののみに限定されるものではない。
【0016】
図4に、インティク3の外観を斜視図で示す。
【0017】
上掲図1に示した構成になるトリガ式液体噴出器において、トリガ1dを矢印に従い牽曳すると、ピストン1bは押圧されピストンシリンダ1cの末端に当接する。
【0018】
この状態でトリガ1dの牽曳を解除すると、ピストン1bはそれに内装するスプリングsの弾性力にて初期位置に復帰することとなり、その際、空間rは負圧になることから、容器本体内の液体は吸引パイプ8、ポートPを経て空間rに流入する。
【0019】
この状態に引き続きさらにトリガ1dを牽曳してピストン1bを押圧すると、空間rに流入した液体は加圧されてポートPから排出される。この時、インティク3の通路は逆止弁vによって閉塞状態に保持され、加圧された液体は第2ポートP1及びボディ1の通路1aを通り、ノズル2の先端から外界へ向けて噴射されることとなり、この一連の動作を複数回繰り返すことによって連続的な噴射が可能となる。
【0020】
図5は従来形式になるトリガ式液体噴出器のボディとインティクの連結部分の構造をその要部について示したものであり、図中、9はボディ、10はインティク、11はねじ止めキャップである。
【0021】
上掲図5に示したところにおいて、インティク10の先端がボディ9の溝に入り込む寸法をLとし、キャップ11のガイド面の寸法をL1とした場合に、本発明においては長尺環状壁3cの寸法k(図3参照)を、寸法Lの少なくとも1.5倍以上とすることが、また、キャップ4のガイド面の寸法k1(図3参照)については寸法L1の2.0倍以上とすることが望ましい。
【0022】
本発明に従うトリガ式液体噴出器は合成樹脂にて構成することができるものであり、各構成部材の製造にはインジェクション成形法が適用される。
【0023】
上掲図1に示した本発明に従う噴出器と上掲図5に示した従来形式の噴出器に関し、ボディのインティクが連結される部分にシリコンを塗布するとともに、引き抜き速度を5.5mm/sとする条件のもとでインティクに対するボディの抜け強度(N)を、組み立て直後及び市販の黴び取り剤に浸漬した状態で室温40℃に保持し1週間保存した後のそれぞれについて調査した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1より明らかなように、本発明に従う噴出器では従来の噴出器に比較して極めて高い抜け強度を有することが確認できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、構造の複雑化を招いたり部品点数の増加を招くことなしにインティクとボディとを強固に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従うトリガ式液体噴出器の構成説明図である。
【図2】 ボディの環状空間を示した図である。
【図3】 ボディとインティクの連結部分を拡大して示した図である。
【図4】 インティクの外観斜視図である。
【図5】 従来の噴出器の要部断面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
1a 通路
1b ピストン
1c ピストンシリンダ
1d トリガ
1e 環状空間
2 ノズル
3 インティク
3a ベース部分
3b チューブ
3c 長尺環状壁
3d 凸部
3e 凸部
3f 凹部
3g 凹部
4 ねじ止めキャップ
4a ガイド壁
5 口部
6 シール部材
8 吸引パイプ
9 ボディ
10 インティク
11 ねじ止めキャップ
r 空間
v 逆止弁
P ポート
P1 第2ポート
Claims (2)
- 先端部分にノズルを備えるボディと、このボディに組み合わさりその内部に液体の逆流防止用の逆止弁を備えるインティクと、このインティクをボディとともに容器本体の口部に固定保持するねじ止めキャップからなり、
トリガの牽曳とその解除にてピストンを往復動させ、容器本体内の液体をピストンシリンダ内に吸引するとともに加圧してインティク及びボディを通してノズルの先端から液体を連続的に噴出させるトリガ式の液体噴出器であって、
前記インティクに、ボディの環状空間に対してより深く差し込まれ、該ボディとの強固な連結を導く長尺環状壁を一体的に設け、
前記ねじ止めキャップは、ボディとインティクの連結領域を広範囲にわたって取り囲みボディそのもののぶれや傾きを防止する表面積の大きなガイド壁を有する、ことを特徴とするトリガ式液体噴出器。 - 長尺環状壁は、その外面及び内面の少なくとも一方でボディの環状空間を形成する壁面との間でアンダーカットによって係合するものである、請求項1記載のトリガ式液体噴出器。
Priority Applications (1)
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JP2000396608A JP3929240B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | トリガ式液体噴出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000396608A JP3929240B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | トリガ式液体噴出器 |
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JP3929240B2 true JP3929240B2 (ja) | 2007-06-13 |
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Family Applications (1)
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