JP3929135B2 - 超音波探触子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を用いて被検体内を画像として描出する超音波装置の分野で用いられる超音波探触子に係り、特に小型,低コスト化等に有効な超音波探触子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療画像診断に用いられる超音波診断装置は超音波パルス反射法を用いて、生体の軟部組織の断層像や生体内を流れる血流像等をほぼリアルタイムでモニタに表示して観察でき、また放射線被爆のようなものもなく安全性が高いとされ、さらに小型で安価なこともあって、広く医療の分野で利用されている。かかる超音波診断装置では、被検体内への超音波の送信と被検体からのエコー信号の受信のために超音波探触子を用いる。
【0003】
被数個の振動子を配列したアレイ型超音波探触子においては、各微細振動素子の裏面電極に各々信号を印加するために配線板を接続している。一方、超音波放射面の表面電極はすべて共通グランドにおとす構成になっている。また、この配線板と超音波装置本体とは同軸ケーブルによりつながれるが、配線板と同軸ケーブル間また同軸ケーブルと装置接続用コネクタ間とはコネクタによって接続されている。コネクタはレセプタクルとヘッダとからなり、従来、レセプタクルは配線板にとりつけられ、ヘッダは同軸ケーブルに直接ピン毎に接続されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の超音波探触子において、配線板と同軸ケーブルおよび同軸ケーブルと装置接続用コネクタ間の接続に用いられるコネクタには次のような欠点があった。同軸ケーブルはコネクタヘッダのピン毎に直接接続された構造になっているために、多ピン化,小型化には限界があり、また作業性が悪く、コスト高の一因となっていた。
【0005】
本発明の目的は、複数個の振動子を配列した電子走査用アレイ型探触子において、上記従来の欠点を除去した超音波探触子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波探触子は、各同軸ケーブルの信号線の一端には、探触子ヘッド部へ接続されるコネクタヘッダを有する第1のコネクタ基板の信号配線が接続され、前記各同軸ケーブルの信号線の他端には第2のコネクタ基板の信号配線が接続され、前記第1および第2のコネクタ基板の信号配線のピッチ前記同軸ケーブルの信号線の配列ピッチ同一であり、前記第1のコネクタ基板は配列された前記複数の同軸ケーブルの幅と実質的に同一である。
【0007】
また、前記ピッチは0.5mmであり、前記第1のコネクタ基板の幅は8mmである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の超音波探触子の実施例を説明するための接続構成ブロック図である。同軸ケーブル6は、例えば16チャネルの信号線と共通のグランド線とよりなる。図1中、この同軸ケーブル6の左端において、その信号線およびグランド線はそれぞれ第1のコネクタ基板5に形成したプリント信号線(信号配線)およびプリントグランド線に半田付け接続する。第1のコネクタ基板5上には、コネクタヘッダ4を搭載し、その信号ピンおよびグランドピンを該基板5の信号配線およびグランド線に半田付け接続する。このコネクタヘッダ4と嵌合するコネクタレセプタクル3を配線板2に設ける。配線板2は探触子ヘッド部1の各微細振動子の電極に信号を印加するものであって、配線板2の表面にプリントした信号線は、探触子ヘッド部1の信号電極に接続され、また、配線板2の裏面に銅はくとして形成したグランド線は、ヘッド部1のグランド電極に接続される。さらに、配線板2の信号線はそのスルーホールを介してコネクタレセプタクル3の信号ソケットに接続され、配線板2の裏面に形成した銅はくよりなるグランド線は、コネクタレセプタクル3のグランドソケットに接続される。
【0009】
一方、同軸ケーブル6の右端において、その信号線およびグランド線は第2のコネクタ基板8の信号配線およびグランド線に接続される。この第2の基板8にはコネクタヘッダ7を設け、図示しない超音波装置本体側からのコネクタレセプタクルと接続されるようにする。
【0010】
上記図1の構成により、超音波装置本体からの超音波発振信号は同軸ケーブル6を介して探触子ヘッド1に送られ、また、ヘッド1で受信した超音波信号は、同様に、同軸ケーブル6を通して本体に返送されるようになる。
【0011】
図2は、図1のA部の詳細を説明するための拡大平面図である。同軸ケーブル6は通常16チャネルであるが、図では、便宜上8チャネルを示している。同軸ケーブル6の信号線10のピッチは例えば0.5mmである。コネクタ基板5は、同軸ケーブル6の幅とほぼ同じ幅の大きさよりなり、その表面に同軸ケーブル6の信号線10と同一のピッチで信号配線9が形成されている。そして、信号線10と信号配線9とは半田付けされている。11は同軸ケーブル6を基板5との間ではさむようにして基板5に設けたグランド接続板で、同軸ケーブル6のグランド線(あみ線)と接続されている。このグランド接続板11は、スルーホールを介して基板5の裏面の銅はくよりなるグランド線に接続されている。基板5の表面には、コネクタレセプタクル3と結合するコネクタヘッダ4が設けられており、その信号ピンおよびグランドピンは、それぞれ、基板5の信号配線9およびグランド線に接続される。
【0012】
図2では、同軸ケーブルが8チャネルの例を示したが、通常の16チャネルの場合にも、本発明を適用できることは明らかであり、この場合には、ケーブル信号線10および信号配線9のピッチを0.5mmとすると、その基板5の幅は8mmと極めて小さなものとすることができる。
【0013】
次に、本発明の他の実施例を図3の側面図により説明する。コネクタ基板30の表面には、16チャネルの第1同軸ケーブル31の信号線32のピッチ(0.5mm)と一致するピッチで16チャネルの信号配線33を形成する。そして、信号線32と信号配線33とを半田付けして接続する。このコネクタ基板30上に第1のコネクタヘッダ34を設け、その信号ピンを信号配線33と接続する。一方、コネクタ基板30の裏面にも第2の同軸ケーブル35の信号線36のピッチ(0.5mm)と一致するピッチで16チャネルの信号配線37を形成し、信号線36と信号配線37とを接続する。そして、コネクタ基板30上に第2のコネクタヘッダ38を設け、その信号ピンをスルーホールを介して信号配線37に接続する。コネクタヘッダ34,38に対応するコネクタレセプタクルは、図1の配線板2に設けられる。同軸ケーブル31,35の右端の信号線も、基板30と同様な基板に取付けられ、同様のコネクタヘッダおよびレセプクタルを介して超音波装置本体に接続される。本実施例におけるグランド線の処理は、コネクタ基板30の厚み方向の中間に銅はくのような薄い共通グランド39を挿入し、それへスルーホールを介してグランド接続板40を半田付け接続することで可能である。これにより、コネクタ基板30の面積を大きくすることが避けられる。
【0014】
図3の実施例では、基板30の両面にそれぞれ0.5mmピッチで16チャネルの同軸ケーブル31,35を実装することができる。すなわち、幅8mmの極めて小さなコネクタ基板に32本の同軸ケーブルを取付けることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、探触子ヘッド部とケーブル,ケーブルと超音波装置本体とを接続するコネクタを各々基板に搭載し、該基板の配線ピッチをケーブル端末のピッチと同一にしたコネクタ基板を用いたことにより、自動結線化も可能となり、低コスト化も実現できる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、コネクタ基板の両面にケーブルを実装した構成にしたもので、同一サイズで2倍の実装が可能であり、アレイ素子の多チャネル化にあたっても、小型を推持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波探触子の実施例を説明するための側面図である。
【図2】図1のA部の拡大平面図である。
【図3】本発明の超音波探触子の第二の実施例で用いられるコネクタ基板部の側面図である。
【符号の説明】
1 探触子ヘッド部
2 配線板
3 コネクタレセプタクル
4 コネクタヘッダ
5 コネクタ基板
6 ケーブル
7 コネクタヘッダ
8 コネクタ基板
9 信号配線
10 ケーブルの信号線
11 グランド接続板

Claims (2)

  1. 超音波装置本体と、探触子ヘッド部を有する超音波探触子と、を備え、
    前記超音波本体と前記探触子ヘッド部とは複数の同軸ケーブルを介して接続される超音波探触子において、
    前記複数の同軸ケーブルの各々の信号線の一端には、前記探触子ヘッド部へ接続されるコネクタヘッダを有する第1のコネクタ基板の信号配線が接続され、
    複数の同軸ケーブルの各々の信号線の他端には第2のコネクタ基板の信号配線が接続され、
    記第1および第2のコネクタ基板の信号配線のピッチは前記同軸ケーブルの信号線の配列ピッチと同一であり、
    記第1のコネクタ基板は配列された前記複数の同軸ケーブルの幅と実質的に同一であり、
    前記第1のコネクタ基板の信号配線と前記複数の同軸ケーブルの各々の信号線の一端との接続は、該コネクタ基板の両面において行われ、
    前記コネクタヘッダは、前記第1のコネクタ基板の一方の面のみに形成されて、該コネクタヘッダに前記第1のコネクタ基板の両面に形成された信号配線が接続されていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記ピッチは0.5mmであり、前記第1のコネクタ基板の幅は8mmであることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
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